JP2018136336A - 標準細胞液 - Google Patents
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Abstract
【課題】CTCと白血球とを染め分ける処理液の染色性能を確認するための標準細胞液を提供すること。【解決手段】血中循環癌細胞(CTC)と白血球とを染め分ける処理液の染色性能確認用標準細胞液であって、(a)ヒト癌細胞に特異的な抗原を有する細胞株と、(b)ヒト白血球に特異的な抗原を有する細胞株と、(c)吸着抑制剤と、を含み、(a)及び(b)成分が、細胞固定剤により固定化された細胞株であり、(c)成分が、ウシ血清アルブミン(BSA)であり、該BSA濃度が前記標準細胞液全量に対して0.5質量%〜2.0質量%である、標準細胞液。【選択図】なし
Description
本発明は、標準細胞液に関する。
癌は世界各国で死因の上位を占め、わが国においては年間30万人以上が癌によって死亡しており、その早期発見及び治療が望まれている。癌による人の死亡は、癌の転移再発によるものがほとんどである。癌の転移再発は、癌細胞が原発巣から血管又はリンパ管を経由して、別臓器組織の血管壁に定着、浸潤して微小転移巣を形成することで起こる。このような血管又はリンパ管を通じて人の体内を循環する癌細胞は、血中循環癌細胞(Circulating Tumor Cell、以下、場合により「CTC」という。)と呼ばれている。
血液には赤血球、白血球及び血小板等の血球成分が多く含まれており、血液1mLあたりの血球成分の個数は3.5〜9.0×109個ともいわれている。これに対してCTCは僅か数個程度しか存在しないため、血球成分の中からCTCを効率的に捕捉及び検出する必要がある。CTCを捕捉及び検出する装置について種々検討されており、例えば、特許文献1には、ニッケル基板に微細貫通孔を有するニッケル基板をフィルタとし、その上下に、試料供給口を備えるポリジメチルシロキサン(PDMS)製上部部材と試料排出口を備える下部部材とを備えるマイクロ流体デバイスが開示されている。
特許文献1に記載のマイクロ流体デバイスをはじめとし、CTCを捕捉及び検出するデバイス(以下、「CTC捕捉デバイス」ともいう。)の多くは、専用の処理液を通液させ、細胞固定処理、細胞膜透過処理及び抗原抗体反応を行うことで、CTCと白血球との染め分けを行うことでCTCを検出している。該処理液を通液して染色を行い、染色されたCTCを確認できなかった場合、検体中にCTCが存在しない可能性が考えられるが、一方で、該処理液が染色性能を満たしていない可能性も懸念される。後者の場合では、検体中のCTCを見逃す可能性があり、CTC捕捉デバイスの性能に重大な影響を及ぼす。しかしながら、これらの処理液の染色性能を確認するための方法は知られていない。
そこで本発明では、CTCと白血球とを染め分ける処理液の染色性能を確認するための標準細胞液を提供することを目的とする。
本発明は、血中循環癌細胞(CTC)と白血球とを染め分ける処理液の染色性能確認用標準細胞液であって、(a)ヒト癌細胞に特異的な抗原を有する細胞株と、(b)ヒト白血球に特異的な抗原を含む細胞株と、(c)吸着抑制剤と、を含み、(a)及び(b)成分が、細胞固定剤により固定化された細胞株である、標準細胞液を提供する。
本発明に係る標準細胞液に対して、CTCと白血球とを染め分ける処理液を用いて検出を行い、CTCと白血球とをそれぞれ確認することが可能であれば、処理液は染色性能を満たしていると確認することができる。また、CTC捕捉デバイスにおいて、本発明に係る標準細胞液を通液し、CTC捕捉デバイス内のフィルタに(a)及び(b)成分を捕捉し、各CTC捕捉デバイス専用の処理液を用いて細胞固定処理、細胞膜透過処理及び抗原抗体反応を行い、CTCと白血球をそれぞれ確認することが可能であれば、処理液は染色性能を満たしていると確認することができる。
上記標準細胞液は、(a)成分が、サイトケラチンを発現するヒト癌細胞株であることが好ましい。サイトケラチンは、上皮細胞及び上皮由来細胞に発現する中間径フィラメント構成タンパク質であり、CTCを検出する際の標的抗原として利用される頻度が高い。このため、汎用性の高い標準細胞液を提供することが可能となる。
上記標準細胞液は、(b)成分が、CD45を発現するヒト白血病細胞株であることが好ましい。CD45は、全造血管細胞に発現するタンパク質であり、白血球を検出する際の標的抗原として利用される頻度が高い。このため、汎用性の高い標準細胞液を提供することが可能となる。
上記標準細胞液は、(c)成分が、ウシ血清アルブミン(BSA)、ポリメタクリロイルオキシエチルホスファチジルコリン(PMPC)及びポリエチレングリコール(PEG)から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。このような吸着抑制剤を用いることで、(a)及び(b)成分の安定性がより向上し、標準細胞液の保存安定性がより向上する。
また、上記標準細胞液は、(c)成分が、BSAであり、BSA濃度が標準細胞液全量に対して0.1質量%〜5.0質量%であることが好ましい。これにより、(a)及び(b)成分の安定性がより一層向上し、標準細胞液の保存安定性がより一層向上する。
本発明の標準細胞液によれば、CTCと白血球とを染め分ける処理液の染色性能を確認することが可能になる。処理液の染色性能を確認することで、より高精度の診断が実現し、CTCの見過ごしなどの誤診を防ぐことが可能になる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、本実施形態という。)について、具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。なお、本明細書中に記載される「〜」で表示される数値範囲は、それぞれの上限値及び下限値を範囲内に含む。
本実施形態に係る標準細胞液は、CTCと白血球とを染め分ける処理液の染色性能確認用である。好ましくは、CTC捕捉デバイスを用いて、血液中のCTCを分離し、CTCと残存する白血球とを染め分ける際に使用する処理液の染色性能確認用である。より好ましくは、CTC捕捉デバイスを用いて、血液中のCTCを分離し、CTCに特異的な抗原に対する抗体及び白血球に特異的な抗原に対する抗体で、CTCと残存する白血球とを染め分ける際に使用する処理液の染色性能確認用である。
CTC捕捉デバイスには、(1)フィルタ方式及び(2)遠心分離方式等がある。(1)のフィルタ方式としては、特許文献1に記載されたマイクロキャビティアレイ法などがある。マイクロキャビティアレイ法では、所定の孔径を有するフィルタを保持するカートリッジ内に、癌患者血液を一定の速度で流し、装置内で、細胞固定処理、細胞膜透過処理、抗原抗体反応を半自動化処理で行い、CTCを検出する。この時に付属の処理液を使用する。しかし、付属の処理液の染色性能を簡便に確認する手段がなく、患者の血液中にCTCが検出されない場合、CTCが血液中に存在しないのか、あるいは、処理液の劣化によるものなのかが判断できず、誤診につながるおそれがある。
本実施形態に係る標準細胞液は、上記の誤診を防ぐために、処理液の染色性能を確認するために用いられることが好ましい。
処理液としては、例えば、細胞固定処理用処理液、細胞膜透過処理用処理液、及び抗原抗体反応用処理液が挙げられる。
細胞固定処理用処理液とは、細胞の腐敗又は凝集などの劣化を防ぐために、細胞を固定化するための処理液である。細胞固定処理用処理液としては、公知のものを用いることができ、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド(PFA)、グルタルアルデヒド(GA)などの細胞固定剤を緩衝液に溶解したもの、及びメタノールなどが挙げられる。
細胞膜透過処理用処理液とは、抗体などで細胞内の分子を染色するために、細胞膜を部分的に破壊するための処理液である。細胞膜透過処理用処理液としては、公知のものを用いることができ、Triton X−100、NP−40、Tween 20などの界面活性剤、−20℃ほどに冷却したメタノールなどの有機溶媒が挙げられる。
抗原抗体反応用処理液とは、CTC及び白血球それぞれに特異的な抗原を認識する抗体を含み、CTCと白血球とにそれぞれ異なる標識(例えば、蛍光波長の異なる蛍光物質)を付して、検出するための処理液である。標識はそれぞれの抗体に直接結合していてもよいし、例えば、それぞれの抗体と特異的に結合する二次抗体に標識が結合していてもよい。
本実施形態に係る標準細胞液は、(a)ヒト癌細胞に特異的な抗原を有する細胞株と、(b)ヒト白血球に特異的な抗原を有する細胞株と、(c)吸着抑制剤と、を含む。(a)及び(b)成分は、細胞固定剤により固定化されたものである。
ヒト癌細胞に特異的な抗原としては、染色性能確認対象となる処理液に含まれるCTCに特異的に結合する抗体が認識する抗原と同じ抗原であることが好ましい。このような抗原の例としては、例えば、CTC捕捉デバイスで用いられる、CTCに特異的に結合する標識抗体が認識する抗原が挙げられる。より具体的には、上皮細胞及び上皮由来細胞に発現する抗原、例えば、サイトケラチン、上皮細胞接着分子(Epithelial cell adhesion molecle:EpCAM)、CD146、CD176などが挙げられる。CTCを検出する際の標的抗原として利用される頻度が高いことから、抗原としては、サイトケラチンが好ましい。サイトケラチンは、上皮細胞及び上皮由来細胞に発現する中間径フィラメント構成タンパク質のひとつである。
(a)ヒト癌細胞に特異的な抗原を有する細胞株としては、例えば、上述の抗原を発現するヒト癌細胞株、上述の抗原を発現するように遺伝子組み換えされた細胞株を挙げることができ、サイトケラチンを発現するヒト癌細胞株が好ましい。サイトケラチンを発現するヒト癌細胞株としては、特に、上皮系の癌細胞株、より具体的には、肺癌、乳癌、大腸癌、胃癌などの細胞株などが好ましい。このような細胞株としては、例えば非小細胞肺癌由来細胞株NCI−H358、ヒト乳癌細胞株SK−BR−3などが挙げられる。
血中のCTCを分離する場合、血中に多く含まれる白血球の混入を避けることは困難である。例えば、フィルタ方式のCTC捕捉デバイスでは、フィルタ上にCTCと細胞径が近い一部の白血球が残存する。そのため、白血球を染め分けて検出する必要がある。ヒト白血球に特異的な抗原としては、染色性能確認対象となる処理液に含まれる白血球に特異的に結合する抗体が認識する抗原と同じ抗原であることが好ましい。このような抗原の例としては、例えば、CTC捕捉デバイスで用いられる、白血球に特異的に結合する標識抗体が認識する抗原が挙げられる。白血球を検出する際の標的抗原として利用される頻度が高いことから、抗原としては、CD45が好ましい。CD45は全造血管細胞に発現する抗原である。
(b)ヒト白血球に特異的な抗原を有する細胞株としては、例えば、上述の抗原を発現するヒト癌細胞株、上述の抗原を発現するように遺伝子組み換えされた細胞株を挙げることができ、ヒト白血病細胞株が好ましく、CD45を発現するヒト白血病細胞株がより好ましい。このような細胞株としては、ヒト急性T細胞性白血病細胞由来細胞株Jurkat、急性リンパ性白血病由来細胞株HAL−01などが挙げられる。
(a)及び(b)成分の細胞株は、細胞膜固定化処理を行い、固定化することが好ましい。細胞を固定化しない場合、細胞株の腐敗又は凝集などを引き起こし、試薬の染色性の確認試験が困難になる。
(a)及び(b)成分の細胞株の固定化処理は、公知の方法により行うことができる。細胞固定剤としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド(PFA)、グルタルアルデヒド(GA)、メタノールなどが好ましい。特に、リン酸緩衝液(PBS)に溶解したPFA溶液が好ましく、そのPFA濃度としては、0.1質量%〜4.0質量%が好ましい。
(a)及び(b)成分の混合のタイミングとしては、固定化処理後に行うことが好ましい。
本実施形態に係る標準細胞液内の、(a)及び(b)成分の細胞数の比率としては、検出感度の観点から、(a)成分:(b)成分=1:1又は(a)成分:(b)成分=1:2が好ましい。
本実施形態に係る標準細胞液内の細胞濃度としては、(a)及び(b)成分共に、1cells/mLでも処理液の染色性能を確認することは可能である。検出感度の観点から、細胞濃度は、100cells/mL〜100000cells/mLであることが好ましく、500cells/mL〜10000cells/mLがより好ましく、1000cells/mL〜2000cells/mLが更に好ましい。
本実施形態に係る標準細胞液の(c)吸着抑制剤は、(a)成分、(b)成分及び標準細胞液を充填する容器間相互の吸着又は凝集を抑制するものである。(c)吸着抑制剤を含むことで、(a)及び(b)成分の安定性がより向上し、標準細胞液の保存安定性がより向上する。(c)吸着抑制剤としては、ウシ血清アルブミン(BSA)、ポリメタクリロイルオキシエチルホスファチジルコリン(PMPC)及びポリエチレングリコール(PEG)などが好ましい。特に、タンパク質吸着抑制の観点からBSAが好ましい。BSA濃度としては、標準細胞液全量に対して、0.1質量%〜5.0質量%が好ましく、0.5質量%〜5.0質量%がより好ましく、0.5質量%〜2.0質量%がさらに好ましい。
続いて、本実施形態に係る標準細胞液を用いた、CTCと白血球とを染め分ける処理液の染色性能の確認方法を、フィルタ方式のCTC捕捉デバイスを用いる場合を例にとって説明する。まず、CTC捕捉デバイス内に本実施形態に係る標準細胞液を通液し、CTC捕捉デバイス内のフィルタ上に、(a)及び(b)成分の細胞を捕捉する。捕捉された細胞をPBSなどの緩衝液で洗浄処理を行い、細胞固定処理用処理液を用いて、細胞を固定化する。次に、細胞膜透過処理用処理液により、固定化した細胞の透過処理を行う。続いて、透過した細胞を、抗原抗体反応用処理液によって細胞染色を行う。(a)及び(b)成分に特異的に結合する抗体は、それぞれ異なる標識(例えば、蛍光波長の異なる蛍光物質)を有することが好ましい。フィルタ上に捕捉された(a)及び(b)成分の細胞を蛍光顕微鏡などで観察し、それぞれ染色されていることが確認できれば、用いたCTCと白血球とを染め分ける処理液の染色性能は良好であると確認できる。
CTC捕捉デバイスに供する(a)及び(b)成分の合計細胞数は100cells〜100000cellsであることが好ましく、500cells〜10000cellsであることがより好ましく、1000cells〜2000cllsであることが更に好ましい。このような範囲に標準細胞液の細胞数があれば、(a)及び(b)成分の両方の細胞株を検出できる可能性が高くなる。
(実施例1)
<固定化された細胞株を含む標準細胞液の調製(吸着抑制剤の濃度検討)>
(a)成分としては非小細胞肺癌から由来する細胞株NCI−H358を、(b)成分としてはヒト急性T細胞性白血病細胞から由来する細胞株Jurkatを、それぞれ用いた。(c)成分としては、ウシ血清アルブミン(BSA)を用いて、BSA濃度条件の検討
を行った。
<固定化された細胞株を含む標準細胞液の調製(吸着抑制剤の濃度検討)>
(a)成分としては非小細胞肺癌から由来する細胞株NCI−H358を、(b)成分としてはヒト急性T細胞性白血病細胞から由来する細胞株Jurkatを、それぞれ用いた。(c)成分としては、ウシ血清アルブミン(BSA)を用いて、BSA濃度条件の検討
を行った。
フラスコに接着しているNCI−H358細胞を0.25質量%トリプシン−ETDA溶液で剥離処理し、遠心機(日立工機製:CT15E)を用いて、遠心(1000rpm(180×g)、3分)を行い、リン酸緩衝液(PBS)で2回洗浄することで、トリプシン−EDTA溶液を除去した。その後、4質量%PFA−PBSを用いて2時間、固定化処理を行った。反応後にPFA−PBSを除去し、PBSで2回洗浄し、(1)0.5質量%BSA−PBS、(2)5.0質量%BSA−PBS、のBSA濃度を変えた2種類の吸着抑制剤にそれぞれ置換した。
フラスコ内に浮遊しているJurkat細胞を遠心(1000rpm(180×g)、3分)し、PBSで2回洗浄した。その後、4質量%PFA−PBSを用いて2時間、固定化処理を行った。反応後にPFAを除去し、PBSで2回洗浄し、(1)0.5質量%BSA−PBS、(2)5.0質量%BSA−PBS、のBSA濃度を変えた2種類の吸着抑制剤にそれぞれ置換した。
<固定化された細胞株の物理的安定性確認:細胞の粒径測定>
固定化処理後の標準細胞液を室温で一定期間保存し、CASY Cell Counter(Roche)を用いて、細胞の粒径を測定した。NCI−H358細胞の粒径測定結果を表1に、Jurkat細胞の粒径測定結果を表2に示す。それぞれの細胞をDay3、Day21、Day51に細胞粒径測定を行った。
測定条件:使用キャピラリー内径150μm、サンプル細胞濃度5×106cells/mL
固定化処理後の標準細胞液を室温で一定期間保存し、CASY Cell Counter(Roche)を用いて、細胞の粒径を測定した。NCI−H358細胞の粒径測定結果を表1に、Jurkat細胞の粒径測定結果を表2に示す。それぞれの細胞をDay3、Day21、Day51に細胞粒径測定を行った。
測定条件:使用キャピラリー内径150μm、サンプル細胞濃度5×106cells/mL
表1及び表2より、BSA濃度が0.5質量%の方が、細胞粒径の低下は小さかった。これより、より安定的に細胞を保存するためには、吸着抑制剤のBSA濃度は0.5質量%が好ましいと判断した。
(実施例2)
<固定化された標準細胞液を用いた処理液の染色性能の確認>
固定化したNCI−H358細胞(Day3)を最終濃度1000cells/mL、Jurkat細胞を最終濃度2000cells/mLになるように0.5質量%BSA−PBS中で混合調製を行い、標準細胞液とした。調製した標準細胞液を、CTC捕捉デバイス内で処理することで、標準細胞液の染色性能を確認した。使用したCTC捕捉デバイスは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)製カートリッジ内に一定の孔径(8×30μm)を有する金属フィルタを設け、カートリッジ内出口流路から一定速度で吸引することができるデバイスである。
<固定化された標準細胞液を用いた処理液の染色性能の確認>
固定化したNCI−H358細胞(Day3)を最終濃度1000cells/mL、Jurkat細胞を最終濃度2000cells/mLになるように0.5質量%BSA−PBS中で混合調製を行い、標準細胞液とした。調製した標準細胞液を、CTC捕捉デバイス内で処理することで、標準細胞液の染色性能を確認した。使用したCTC捕捉デバイスは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)製カートリッジ内に一定の孔径(8×30μm)を有する金属フィルタを設け、カートリッジ内出口流路から一定速度で吸引することができるデバイスである。
CTC捕捉デバイス内に、標準細胞液を1.0mL通液させ、カートリッジ内フィルタ上に固定化細胞を捕捉した。その後、PBSを用いて洗浄処理、4質量%PFA−PBSで20分間固定化処理、0.2質量%Triton X−100(登録商標、SIGMA−ALDRICH社)溶液で透過処理を行った。次に、抗体染色処理を、染色液を用いて25℃で30分間行い、フィルタ上に捕捉された細胞の染色性によって試薬の染色性能を確認した。染色液には、抗サイトケラチン抗体としてAnti−Pan−Cytokeratin(AE1/AE3)Alexa Fluor 488を、抗CD45抗体としてAnti−Human CD45 PEを、細胞核染色試薬としてHoechst33342試薬を使用した。
NCI−H358細胞は、FITCの波長領域(522nm)で検出され、Jurkat細胞は、PEの波長領域(578nm)で検出され、これらの細胞は、染色を確認する上で十分な細胞であることを確認した。また、細胞核の染色試薬Hoechst33342の波長(461nm)において、NCI−H358細胞、Jurkat細胞ともに検出された。さらに、NCI−H358細胞は、PEの波長領域では検出されず、Jurkat細胞はFITCの波長領域で検出されなかった。これより、本実施形態に係る標準細胞液を使用することで、処理液の染色性能を確認できることが示された。
Claims (3)
- 血中循環癌細胞(CTC)と白血球とを染め分ける処理液の染色性能確認用標準細胞液であって、
(a)ヒト癌細胞に特異的な抗原を有する細胞株と、
(b)ヒト白血球に特異的な抗原を有する細胞株と、
(c)吸着抑制剤と、を含み、
前記(a)及び(b)成分が、細胞固定剤により固定化された細胞株であり、
前記(c)成分が、ウシ血清アルブミン(BSA)であり、該BSA濃度が前記標準細胞液全量に対して0.5質量%〜2.0質量%である、標準細胞液。 - 前記(a)成分が、サイトケラチンを発現するヒト癌細胞株である、請求項1に記載の標準細胞液。
- 前記(b)成分が、CD45を発現するヒト白血病細胞株である、請求項1又は2に記載の標準細胞液。
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