JP2018136039A - 冷蔵庫 - Google Patents

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Abstract

【課題】貯蔵室内における貯蔵物の貯蔵状態に応じて透湿部の透湿性能を調整することができ、貯蔵室内の貯蔵物を結露させることなく良好に保存することができる冷蔵庫を提供する。【解決手段】貯蔵室と、前記貯蔵室内に設けられる透湿部と、前記透湿部の透湿性能を調整する透湿性能調整手段と、を備える冷蔵庫において、透湿シートユニット30の本体部31の上下の両面には、ガラリ構造部33を設け、ガラリ構造部33は、本体部31の長手方向に延びる、いわゆるガラリ形状の複数の孔を有しており、これにより、透湿シートユニット30は、その上面側から下面側に、および、下面側から上面側に向かって通気可能な構成となっている。このガラリ構造部33は、透湿シート32の透湿性能を調整する透湿性能調整手段の一例として機能することを特徴とする。【選択図】図3

Description

本実施形態は、冷蔵庫に関する。
冷蔵庫においては、例えば野菜室内に貯蔵されている野菜などの貯蔵物を結露させず良好に保存するための種々の技術が考えられている。例えば特許文献1に開示されている冷蔵庫は、野菜室の容器内の湿度を一定に維持するために、当該容器に透湿膜を備えている。この構成によれば、容器内の湿度が高くなると、その湿気が透湿膜を介して容器外に透過するため、容器内の湿度を一定に維持することができ、容器内の野菜を結露させることなく良好に保存することができる。
特開2015−124964号公報
しかしながら、貯蔵室内における貯蔵物の貯蔵状態は、例えば、貯蔵室内の温度、貯蔵室の容量、貯蔵物の貯蔵量、貯蔵物の種類などに応じて大きく変化し、また、その貯蔵状態に応じて貯蔵室内の湿度も大きく変化する。即ち、例えば、貯蔵室内の温度が高いほど貯蔵物からの水分蒸散量が高くなって貯蔵室内の湿度が高くなりやすく、また、貯蔵室内の貯蔵物の量が多いほど貯蔵物からの水分蒸散量が高くなって貯蔵室内の湿度が高くなりやすく、また、水分を蒸散しやすい貯蔵物が貯蔵されている場合には貯蔵室内の湿度が高くなりやすい。
そのため、このように貯蔵状態に応じて貯蔵室内の湿度が大きく変化するにもかかわらず、この点を考慮せずに単一種類の透湿部を貯蔵室内に設けたのでは、その透湿部の透湿性能が不十分となる場合があり、この場合、貯蔵室内の湿度が高くなって貯蔵物が結露してしまうおそれがある。
本実施形態は、貯蔵室内における貯蔵物の貯蔵状態に応じて透湿部の透湿性能を調整することができ、貯蔵室内の貯蔵物を結露させることなく良好に保存することができる冷蔵庫を提供する。
本実施形態に係る冷蔵庫は、貯蔵室、透湿部、透湿性能調整手段を備える。透湿部は、前記貯蔵室内に設けられている。透湿性能調整手段は、前記透湿部の透湿性能を調整する。
本実施形態に係る冷蔵庫の要部の構成例を断面により概略的に示す縦断側面図 透湿シートユニットの構成例を概略的に示す斜視図 透湿シートユニットの構成例を概略的に示す縦断側面図 貯蔵物からの水分蒸散量と透湿シートの透湿性能との関係例を示す図 冷蔵庫の制御系の構成例を概略的に示すブロック図(その1) 冷蔵庫の制御系の構成例を概略的に示すブロック図(その2) 冷蔵庫の制御系の構成例を概略的に示すブロック図(その3) 貯蔵物からの水分蒸散量と保存期間との関係例を示す図 冷蔵庫の制御系の構成例を概略的に示すブロック図(その4) 冷蔵庫の制御系の構成例を概略的に示すブロック図(その5) 透湿性能を調整するための構成の変形例を概略的に示す縦断側面図(その1) 透湿性能を調整するための構成の変形例を概略的に示す縦断側面図(その2)
以下、冷蔵庫に係る一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に例示する冷蔵庫10は、その外郭を構成する断熱箱体11の内部に、何れも貯蔵室の一例である冷蔵室12、野菜室13、冷凍室14を備えている。冷蔵室12、野菜室13、冷凍室14は、相互に上下に隣接した状態で区分されている。冷蔵庫10は、図示しない周知の冷凍サイクルを備えており、この冷凍サイクルにより生成される冷気が、図示しないファンによる送風作用により各貯蔵室内に供給されるようになっている。また、この場合、野菜室13と冷凍室14との間を仕切る仕切り部11aには、野菜室13内の空気の温度を温めるためのヒータ11bが埋め込まれている。
野菜室13内には、当該野菜室13内に冷気を供給する冷気供給口15が設けられている。冷気供給口15は、冷気経路の一部を構成するものであり、この場合、野菜室13の後壁部の上部に設けられている。また、冷気供給口15には、ダンパ16が設けられている。ダンパ16は、回動可能に設けられており、その回動量が調整されることにより、冷気供給口15の開度が制御されるようになっている。ダンパ16による冷気供給口15の開度が大きくなるほど野菜室13内に供給される冷気の量は多くなり、逆に、ダンパ16による冷気供給口15の開度が小さくなるほど野菜室13内に供給される冷気の量は少なくなる。
また、野菜室13の内部には、野菜ケース17が設けられている。野菜ケース17は、野菜室13を開閉する引き出し式の野菜室扉18の裏面に固定されており、これにより、野菜ケース17は、野菜室扉18の開閉に伴い野菜室13から出し入れされるようになっている。野菜ケース17は、メインケース部19およびサブケース部20を備えている。
メインケース部19は、野菜ケース17の本体部を構成するものであり、野菜室扉18の裏面に固定されている。メインケース部19の内部には仕切り板21が設けられており、これにより、メインケース部19の内部は前後に並ぶ2つの空間に仕切られている。
一方、サブケース部20は、メインケース部19よりも薄底のケースであり、メインケース部19の上部に載置されている。サブケース部20は、メインケース部19に対し、着脱可能かつ前後に移動可能に取り付けられている。また、サブケース部20は、その前後方向の寸法がメインケース部19の前後方向の寸法よりも小さくなっている。これにより、メインケース部19の上部にサブケース部20が載置された状態において、メインケース部19の後部には、サブケース部20により塞がれない開放部22が形成される。
そして、野菜ケース17は、この開放部22に、透湿シートユニット30を備えている。次に、この透湿シートユニット30の構成例について説明する。図2に例示するように透湿シートユニット30は、長尺な矩形薄板状の本体部31を有している。本体部31の後部は、野菜ケース17のメインケース部19の後部の形状に合わせた形状となっており、この場合、後部の両端部に傾斜面31aを有している。
透湿シートユニット30は、本体部31の長手方向の両端部が開放部22の左右方向の両端部に掛けられることにより、野菜ケース17の後部上方において開放部22を塞ぐようにして着脱可能に取り付けられる。なお、透湿シートユニット30は、開放部22に対し、本体部31を、例えばねじ止めにより固定するように構成してもよいし、爪部などにより引っ掛ける構成としてもよい。また、透湿シートユニット30は、開放部22に対し、単に本体部31を載置する構成としてもよい。
図3に例示するように、本体部31は、上ケース部31aおよび下ケース部31bにより構成されている。下ケース部31bは、長尺な矩形薄板状の容器となっており、上面が開放している。上ケース部31aは、下ケース部31bよりも若干大きい長尺な矩形薄板状の蓋となっており、下面が開放している。上ケース部31aは、下ケース部31bに対し着脱可能となっており、下ケース部31bの開放面を上方から塞ぐように取り付けられている。上ケース部31aと下ケース部31bとが組み合わされた状態つまり本体部31が形成された状態では、この本体部31の内部に空間が形成される。そして、この空間内には、透湿部の一例である透湿シート32が収容されている。
透湿シート32は、この場合、少なくとも2層構造となっており、一方の層32aは、例えば多孔質フィルムで構成されており、他方の層32bは、例えば不織布で構成されている。透湿シート32は、空気中の水分つまり湿気を透過可能となっている。なお、本体部31内において、透湿シート32は、例えば多孔質フィルムで構成される層32aを上側としてもよいし、例えば不織布で構成される層32bを上側としてもよい。また、透湿シート32は、2層構造のものに限られるものではなく、透湿性能を有するものであれば種々の構成のものを採用することができる。
また、透湿シートユニット30の本体部31の上下の両面には、ガラリ構造部33が設けられている。ガラリ構造部33は、本体部31の長手方向に延びる、いわゆるガラリ形状の複数の孔を有しており、これにより、透湿シートユニット30は、その上面側から下面側に、および、下面側から上面側に向かって通気可能な構成となっている。このガラリ構造部33は、透湿シート32の透湿性能を調整する透湿性能調整手段の一例として機能する。
即ち、このガラリ構造部33に設けるガラリ形状の孔の数、位置、大きさなどを適宜変更して設計することにより、このガラリ構造部33を介して流れる空気の量を調整することができる。ここで、ガラリ構造部33を空気が通過しやすい構成にすれば、透湿シート32を通過する空気の量も多くなり、その透湿性能を発揮しやすい状態を形成することができる。一方、ガラリ構造部33を空気が通過しにくい構成にすれば、透湿シート32を通過する空気の量も少なくなり、その透湿性能を発揮しにくい状態を形成することができる。
この場合、ガラリ構造部33は、透湿シートユニット30の本体部31に一体的に設けられている。即ち、透湿性能調整手段の一例として機能するガラリ構造部33が透湿シートユニット30に直接的に設けられている構成となっている。
また、透湿シートユニット30に備える透湿シート32の面積は、野菜室13内に貯蔵されている野菜などの貯蔵物からの水分蒸散量に基づいて選定するとよい。即ち、図4に例示するように、野菜室13内に貯蔵されている貯蔵物の量が多量である場合、例えば、140Lの容量の野菜室13内に1700gの貯蔵物が貯蔵されている場合の貯蔵物からの水分蒸散量が符号Waで示され、野菜室13内に貯蔵されている貯蔵物の量が少量である場合、例えば、140Lの容量の野菜室13内に600gの貯蔵物が貯蔵されている場合の貯蔵物からの水分蒸散量が符号Wbで示されるとする。
また、透湿シート32の透湿性能つまり水分透過度が1000g/m・24hであるとすると、透湿シート32の面積を300mm×25mmとした場合において1時間あたりに当該透湿シート32を透過する水分透過量は、符号Saで例示するように概ね0.31g、また、透湿シート32の面積を300mm×75mmとした場合において1時間あたりに当該透湿シート32を透過する水分透過量は、符号Sbで例示するように概ね0.94gとなる。
この場合、上述のWaで示される貯蔵物量が多量である場合における水分蒸散量の最大値は概ね1.8g、最小値は概ね0.5gである。よって、野菜室13内の貯蔵物が多量である場合には、水分蒸散量の最大値と最小値との間の透湿性能を発揮するように、透湿シート32の面積を300mm×75mmとすることが好ましい。
また、透湿シート32の面積を一定とする場合には、好ましい透湿性能つまり水分透過度を有する透湿シート32を選定するようにするとよい。即ち、透湿シート32の面積を例えば300mm×25mmで一定とする場合、水分透過度が1000g/m・24hの透湿シート32では、1時間あたりに当該透湿シート32を透過するは0.31g、また、水分透過度が3000g/m・24hの透湿シート32では、1時間あたりに当該透湿シート32を透過するは0.94gとなる。
この場合、上述のWaで示される貯蔵物量が多量である場合における水分蒸散量の最大値は概ね1.8g、最小値は概ね0.5gである。よって、野菜室13内の貯蔵物が多量である場合には、水分蒸散量の最大値と最小値との間の透湿性能を発揮するように、透湿シート32は、水分透過度が3000g/m・24hのものを使用することが好ましい。
次に、冷蔵庫10による制御例について説明する。図5〜図7,図9,図10に例示する制御装置40は、例えばマイクロコンピュータを主体として構成されており、冷蔵庫10の動作全般を制御する。制御装置40は、制御プログラムを実行することにより湿度調整処理部41をソフトウェアにより仮想的に実現する。なお、湿度調整処理部41は、ハードウェアにより構成してもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせにより構成してもよい。湿度調整処理部41は、湿度調整手段の一例であり、ダンパ16の開閉を制御することにより貯蔵室内、この場合、野菜室13内の湿度を調整する。
図5に例示する構成例では、制御装置40は、野菜室13内の湿度に基づいてダンパ16の開閉を制御する。即ち、制御装置40には、野菜室13内の湿度を検出する湿度センサ50が接続されている。そして、制御装置40は、湿度センサ50により検出される野菜室13内の湿度が所定の湿度判定用の閾値よりも高くなると、ダンパ16を開く制御を行う。これにより、野菜室13内に流れ込む低湿度の冷気の量が多くなり、野菜室13内の湿度を下げることができる。なお、湿度判定用の閾値は、適宜変更して設定することができる。また、制御装置40は、例えば、野菜室13内の湿度と所定の湿度判定用の閾値との差が大きいほどダンパ16の回動量つまり冷気供給口15の開度を大きくするなど、ダンパ16の回動量を適宜調整して制御を行うことができる。
図6に例示する構成例では、制御装置40は、野菜室13内の温度に基づいてダンパ16の開閉を制御する。即ち、制御装置40には、野菜室13内の温度を検出する温度センサ60が接続されている。そして、制御装置40は、温度センサ60により検出される野菜室13内の温度が所定の温度判定用の閾値よりも高くなると、ダンパ16を開く制御を行う。これにより、野菜室13内に流れ込む低湿度の冷気の量が多くなり、野菜室13内の湿度を下げることができる。なお、温度判定用の閾値は、適宜変更して設定することができる。また、制御装置40は、例えば、野菜室13内の温度と所定の温度判定用の閾値との差が大きいほどダンパ16の回動量つまり冷気供給口15の開度を大きくするなど、ダンパ16の回動量を適宜調整して制御を行うことができる。
図7に例示する構成例では、制御装置40は、野菜室13内に貯蔵されている貯蔵物の重量に基づいてダンパ16の開閉を制御する。即ち、制御装置40には、野菜室13内の貯蔵物量、この場合、重量を検出する重量センサ70が接続されている。そして、制御装置40は、重量センサ70により検出される野菜室13内の貯蔵物の重量が所定の重量判定用の閾値よりも高くなると、ダンパ16を開く制御を行う。これにより、野菜室13内に流れ込む低湿度の冷気の量が多くなり、野菜室13内の湿度を下げることができる。なお、重量判定用の閾値は、適宜変更して設定することができる。また、制御装置40は、例えば、野菜室13内の貯蔵物の重量と所定の重量判定用の閾値との差が大きいほどダンパ16の回動量つまり冷気供給口15の開度を大きくするなど、ダンパ16の回動量を適宜調整して制御を行うことができる。
重量センサ70は、例えば野菜ケース17の重量変化を直接的に検出する構成であってもよいし、野菜ケース17の重量変化を間接的に検出する構成であってもよい。また、制御装置40は、野菜室13内の明るさを検出する明度センサを備え、野菜室13内の明るさに基づいて貯蔵物量を推定するように構成してもよい。即ち、閉じられた状態の野菜室13内を照明すると、貯蔵物が多いほど当該野菜室13内は暗くなり、逆に、貯蔵物が少ないほど当該野菜室13内は明るくなる。そのため、野菜室13内の明るさに基づいて貯蔵物の量を推定することが可能であり、よって、冷蔵庫10は、このような技術に基づき貯蔵物量を特定する構成としてもよい。
また、図8に例示するように、貯蔵物からの水分蒸散量は、貯蔵された直後においては高く、その後、保存期間の経過とともに水分蒸散量は減少していく。そのため、貯蔵物を貯蔵した直後においては、多量の水分が蒸散し、野菜室13内の湿度が高くなりやすい。そのため、制御装置40は、野菜室13の野菜室扉18が閉じられてから所定時間が経過するまでダンパ16を開く制御を行うようにするとよい。これにより、野菜室13内に流れ込む低湿度の冷気の量が多くなり、野菜室13内の湿度を下げることができる。なお、ダンパ16を開く制御を行う所定時間は、適宜変更して設定することができる。
また、制御装置40は、例えば、野菜室扉18が閉じられた直後はダンパ16の回動量つまり冷気供給口15の開度を大きくし、その後、時間の経過とともに徐々にダンパ16を閉じていく制御を行うようにしてもよい。また、図9に例示するように、制御装置40は、野菜室扉18の開閉を検知する扉センサ80を備える構成とすることにより、野菜室扉18が閉じられたことを検知することができる。
図10に例示する構成例では、制御装置40は、制御プログラムを実行することによりヒータ出力調整処理部42をソフトウェアにより仮想的に実現する。なお、ヒータ出力調整処理部42は、ハードウェアにより構成してもよいし、ソフトウェアとハードウェアの組み合わせにより構成してもよい。ヒータ出力調整処理部42は、ヒータ出力調整手段の一例であり、ヒータ11bの出力を調整する。
本実施形態に係る冷蔵庫10は、野菜室13の下方に隣接して冷凍室14を備える構成であることから、野菜室13内、特に、野菜室13内の下部が冷えやすい構成となっている。ヒータ11bは、このように冷えやすい野菜室13内の空気、特に下部の空気を温めるために備えられたものであり、このヒータ11bが発生する熱により、野菜室13内の特に下部において結露が発生することを抑えることができる。
そして、制御装置40は、ダンパ16により冷気供給口15閉じられた場合あるいは冷気供給口15の開度が所定値よりも低くなった場合には、ヒータ11bの出力を下げる制御を行う。即ち、冷気供給口15が閉じられた状態あるいは開度が低い状態においては、野菜室13内に湿気が残りやすく、従って、この状態でヒータ11bを駆動すると、野菜室13内の下部での結露は抑えることができるものの、湿気が野菜室13の上部に集まり、ユーザの目に入りやすい貯蔵物の上部において結露が発生してしまうおそれがある。そのため、冷気供給口15が閉じられた状態あるいは開度が低い状態においてはヒータ11bの出力を下げることにより、湿気が野菜室13の上部に集まってしまうことを回避するようにするとよい。これにより、ユーザの目に入りやすい貯蔵物の上部において結露が発生してしまうことを防止することができる。
本実施形態に係る冷蔵庫10によれば、ガラリ構造部33の構成を適宜調整することにより、透湿シート32の透湿性能を調整することができる。これにより、野菜室13内における貯蔵物の貯蔵状態に応じて透湿シート32の透湿性能を調整することができ、野菜室13内の貯蔵物を結露させることなく良好に保存することができる。
また、冷蔵庫10によれば、冷気供給口15のダンパ16の開閉を制御することにより野菜室13内の湿度を調整することができる。この構成によれば、例えば野菜室13内の湿度が高い場合には、ダンパ16の開度を大きくして低湿度の冷気が流れ込むようにすることにより、結露の発生を一層抑えることができる。
また、冷蔵庫10によれば、野菜室13内の湿度が所定値よりも高い場合つまり結露が発生しやすい場合にダンパ16を開くので、結露の発生を一層抑えることができる。
また、冷蔵庫10によれば、野菜室13内の貯蔵物からの水分蒸散量が所定値よりも高くなる条件が満たされている場合にダンパ16を開く制御を行うことにより、結露の発生を一層抑えることができる。貯蔵物からの水分蒸散量が所定値よりも高くなる条件つまり、貯蔵物から水分が蒸散しやすい条件としては、例えば、野菜室13内の温度が所定値よりも高い場合、野菜室13内の貯蔵物量が所定量よりも多い場合、野菜室13の野菜室扉18が閉じられてから所定時間が経過するまでの間、などが考えられ、上述した実施形態によれば、これらの条件に対応して、ダンパ16を開く制御を行うことができる。
また、冷蔵庫10によれば、ダンパ16により冷気供給口15閉じられた場合あるいは冷気供給口15の開度が所定値よりも低くなった場合には、ヒータ11bの出力を下げる制御を行う。これにより、ユーザの目に入りやすい貯蔵物の上部において結露が発生してしまうことを回避することができる。
また、冷蔵庫10によれば、透湿性能調整手段の一例として機能するガラリ構造部33は、透湿シート32を収容する透湿シートユニット30に一体的に設けられている。この構成によれば、ガラリ構造部33による透湿性能の調整機能が透湿シート32に直接的に作用するため、透湿性能の調整を効果的に行うことができる。
なお、本実施形態は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように拡張または変形することができる。例えば、上述した制御系の構成例を適宜組み合わせて実施してもよい。
また、図11に例示するように、透湿性能調整手段は、透湿シートユニット30に設けられているスライド式のシャッター構造90を有する構成としてもよい。シャッター構造90は、透湿シートユニット30の本体部31とスライド部材90aとを備えている。本体部31には複数の孔31hが設けられている。一方、スライド部材90aは、本体部31の内面においてスライド移動可能に設けられており、複数の孔90bを有している。本体部31の内面においてスライド部材90aがスライド移動することにより、孔31hと孔90bとの重なり度合が変化する。これにより、このシャッター構造90を流れる空気の量を調整することができ、ひいては、本体部31内の透湿シート32を通過する空気の量、換言すれば、透湿シート32の透湿性能を調整することができる。なお、スライド部材90aのスライド移動は、ユーザが手動により行う構成としてもよいし、制御装置40が図示しないアクチュエータにより行う構成としてもよい。
また、図12に例示するように、透湿性能調整手段は、透湿シートユニット30に設けられている回動式のブラインド構造95を有する構成としてもよい。ブラインド構造95は、透湿シートユニット30の本体部31とブラインド部材95aとを備えている。本体部31には複数の孔31hが設けられている。一方、ブラインド部材95aは、本体部31の孔31h内において回動可能に備えられている。ブラインド部材95aが回動することにより、孔31hの開度が変化する。これにより、このブラインド構造95を流れる空気の量を調整することができ、ひいては、本体部31内の透湿シート32を通過する空気の量、換言すれば、透湿シート32の透湿性能を調整することができる。なお、ブラインド部材95aの回動は、ユーザが手動により行う構成としてもよいし、制御装置40が図示しないアクチュエータにより行う構成としてもよい。
また、ダンパ16は、野菜室13内の冷気を排出する図示しない冷気排出口に設けてもよい。また、ダンパ16は、冷気供給口15および冷気排出口の双方に設ける構成としてもよい。即ち、ダンパ16は、冷蔵庫10内において冷気が流れる冷気経路であれば、適宜の部位に設けることができる。ダンパ16を冷気供給口15および冷気排出口の双方に設ける場合、冷気供給口15におけるダンパ16の開閉制御および冷気排出口におけるダンパ16の開閉制御は、その内容や実行タイミングを異ならせてもよいし、同じとしてもよい。
本実施形態に係る冷蔵庫は、貯蔵室と、前記貯蔵室内に設けられる透湿部と、前記透湿部の透湿性能を調整する透湿性能調整手段と、を備える。この構成によれば、貯蔵室内における貯蔵物の貯蔵状態に応じて透湿部の透湿性能を調整することができ、貯蔵室内の貯蔵物を結露させることなく良好に保存することができる。
以上、本発明の一実施形態を説明したが、本実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
図面中、10は冷蔵庫、13は野菜室(貯蔵室)、11bはヒータ、15は冷気供給口(冷気経路の一部)、16はダンパ、32は透湿シート(透湿部)、33はガラリ構造部(透湿性能調整手段)、41は湿度調整処理部(湿度調整手段)、42はヒータ出力調整処理部(ヒータ出力調整手段)、90はシャッター構造(透湿性能調整手段)、95はブラインド構造(透湿性能調整手段)を示す。

Claims (11)

  1. 貯蔵室と、
    前記貯蔵室内に設けられる透湿部と、
    前記透湿部の透湿性能を調整する透湿性能調整手段と、
    を備える冷蔵庫。
  2. 冷気が流れる冷気経路と、
    前記冷気経路に設けられるダンパと、
    前記ダンパの開閉を制御することにより前記貯蔵室内の湿度を調整する湿度調整手段と、
    をさらに備える請求項1に記載の冷蔵庫。
  3. 前記湿度調整手段は、前記貯蔵室内の湿度が所定値よりも高い場合に前記ダンパを開く請求項2に記載の冷蔵庫。
  4. 前記湿度調整手段は、前記貯蔵室内の貯蔵物からの水分蒸散量が所定値よりも高くなる条件が満たされている場合に前記ダンパを開く請求項2または3に記載の冷蔵庫。
  5. 前記湿度調整手段は、前記貯蔵室内の温度が所定値よりも高い場合に前記ダンパを開く請求項2から4の何れか1項に記載の冷蔵庫。
  6. 前記湿度調整手段は、前記貯蔵室内の貯蔵物量が所定量よりも多い場合に前記ダンパを開く請求項2から5の何れか1項に記載の冷蔵庫。
  7. 前記湿度調整手段は、前記貯蔵室の扉が閉じられてから所定時間が経過するまで前記ダンパを開く請求項2から6の何れか1項に記載の冷蔵庫。
  8. 前記貯蔵室内を温めるヒータと、
    前記ヒータの出力を調整するヒータ出力調整手段と、さらに備え、
    前記ヒータ出力調整手段は、前記湿度調整手段により前記ダンパが閉じられた場合に前記ヒータの出力を下げる制御を行う請求項2から7の何れか1項に記載の冷蔵庫。
  9. 前記透湿性能調整手段は、前記透湿部に設けられている請求項1から8の何れか1項に記載の冷蔵庫。
  10. 前記透湿性能調整手段は、前記透湿部に設けられているスライド式のシャッター構造を有する請求項9に記載の冷蔵庫。
  11. 前記透湿性能調整手段は、前記透湿部に設けられている回動式のブラインド構造を有する請求項9または10に記載の冷蔵庫。
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