JP2018135962A - シール水用配管の止水構造 - Google Patents
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Abstract
Description
メカニカルシールにシール水を供給するためのシール水用配管に生じた水漏れ箇所を止水する、シール水用配管の止水構造であって、
前記シール水用配管の前記水漏れ箇所を覆うように配置される第1シートと、
前記第1シートの外側に配置される第2シートと、
前記第2シートの外側に配置される第3シートと、
前記第2シートおよび前記第3シートを介して前記第1シートを前記シール水用配管の前記水漏れ箇所に押し付けるクランプと、を備え、
前記第1シートは、前記第2シートよりも高い耐圧性を有し、
前記第2シートは、前記第1シートよりも高い弾性を有し、
前記第3シートは、前記第2シートよりも高い剛性を有する
シール水用配管の止水構造である。
本発明の実施形態においては、次の順序で説明を行う。
1.発明者の知見
2.シール水用配管の止水構造
3.シール水用配管の止水方法
4.実施形態の効果
5.変形例等
メカニカルシールにシール水を供給するためのシール水用配管には、メカニカルシールの入口に接続される配管や出口に接続される配管などがある。各々の配管は、配管サポートと呼ばれる金具で支持される。メカニカルシールを使用するポンプなどの機器は稼働中に振動するため、その影響で配管サポートと配管が擦れる。その結果、配管の一部が擦れて薄くなり、ピンホールが発生することがある。配管にピンホールが発生すると、そこからシール水が漏れ出すため、シール水用配管を流れるシール水の圧力が下がる。その結果、シール水の圧力を規定レベルに保持することが困難になる。その際、機器の稼働を一旦停止してから配管の交換や補修を行うと、設備の稼働率や生産性が低下してしまう。
図1は本発明の実施形態に係るシール水用配管の止水構造の構成例を示す要部断面概略図である。
シール水用配管1は、断面円形の配管である。メカニカルシールに供給されるシール水は、このシール水用配管1の内部を流れる。シール水用配管1内を流れるシール水の圧力は、メカニカルシールを使用した機器のガス漏れや液漏れを防止するために、機器内の圧力よりも高い圧力に保持される。具体的には、シール水の圧力は、一般的な水道の水圧にくらべてその数倍から十数倍と非常に高い圧力レベルに保持される。このため、シール水用配管1の材質には金属が用いられている。
第1シート11は、シール水用配管1の水漏れ箇所2を覆うように配置される。第1シート11は、シール水用配管1の外周面に直接、接触するように取り付けられる。また、第1シート11は、シール水用配管1の外周面に沿うように湾曲状(C字形)に曲げられる。
第2シート12は、第1シート11の外側に配置される。本実施形態においては、シール水用配管1の直径方向において、シール水用配管1の中心に近い側を内側、シール水用配管1の中心から遠い側を外側とする。第2シート12は、第1シート11に密着するように取り付けられる。また、第2シート12は、上記第1シート11と同様に湾曲状に曲げられる。
第3シート13は、第2シート12の外側に配置される。第3シート13は、第2シート12に密着するように取り付けられる。また、第3シート13は、上記第1シート11および第2シート12と同様に湾曲状に曲げられる。
クランプ14は、第2シート12および第3シート13を介して第1シート11をシール水用配管1の水漏れ箇所2に押し付けるものである。クランプ14は、両端に雄ネジ15aが形成されたU字形のボルト15と、ボルト15の雄ネジ15aの部分を挿通可能な貫通孔16aを有する座金16と、ボルト15の雄ネジ15aに螺合可能なナット17と、を有する。ここで記述する「挿通」とは挿し通すことをいい、「螺合」とはネジ同士を回転によってかみ合わせることをいう。
次に、本発明の実施形態に係るシール水用配管の止水方法について説明する。
まず、シール水用配管1にピンホールなどが発生し、そこからシール水が漏れている場合は、水漏れ箇所2を塞ぐように第1シート11を取り付け、さらにその上から第2シート12を重ねて取り付ける。その際、水漏れ箇所2からシール水が勢いよく噴出している場合は、水漏れ箇所2から少しずらした位置で第1シート11をシール水用配管1の外周面に接触(密着)させ、その状態で第1シート11をシール水用配管1の長さ方向にずらして水漏れ箇所2を塞ぐとよい。
本発明の実施形態によれば、シール水用配管1の水漏れ箇所2を覆うように第1シート11を配置し、その外側から、クランプ14の力により、第2シート12および第3シート13を介して第1シート11をシール水用配管1の水漏れ箇所2に押し付けて止水する構成を採用している。これにより、軸封部にメカニカルシールを用いた機器の運転を停止させなくても、シール水用配管1の水漏れを補修することができる。また、第2シート12よりも耐圧性の高い第1シート11で水漏れ箇所2を直接塞ぐようにしているため、弾性の高い第2シート12で水漏れ箇所2を直接塞ぐ場合に比べて、シートに孔があきにくくなる。また、第1シート11と第3シート13との間に弾性の高い第2シート12を配置する一方、第2シート12の外側にこれよりも剛性の高い第3シート13を配置しているため、クランプ14の力を効率良く第1シート11に伝えることができる。これにより、補修後の水漏れの再発を有効に抑制することができる。
(実施例)
シール水用配管に生じたピンホールをフッ素樹脂シートで覆うとともに、フッ素樹脂シートの外側にゴムシートと金属シートを順に配置した。そして、それら3つのシートをシール水用配管と共にクランプで締め付けた。シール水用配管の径(呼び径)は1/2インチ、シール水の圧力は7000KPaG、フッ素樹脂シートの厚み寸法は3mm、ゴムシートの厚み寸法は3mm、金属シートの厚み寸法を4mmとした。クランプには、U字形のボルトと、座金と、2つのナットとを使用し、ナットの締め付けによってフッ素樹脂シートをシール水用配管に押し付けた。その結果、シール水用配管の水漏れは止まり、補修から2ヶ月が経過した段階でも水漏れは再発しなかった。
シール水用配管に生じたピンホールをゴムシートで覆うとともに、ゴムシートの外側に金属シートを配置した。そして、それら2つのシートをシール水用配管と共にクランプで締め付けた。シール水用配管の径(呼び径)は1/2インチ、シール水の圧力は7000KPaG、ゴムシートの厚み寸法は3mm、金属シートの厚み寸法を4mmとした。クランプには、U字形のボルトと、座金と、2つのナットとを使用し、ナットの締め付けによってゴムシートをシール水用配管に押し付けた。その結果、シール水用配管の水漏れは一時的に止まったものの、補修から20分ほど経過した時点でゴムシートに孔があいて水漏れが再発した。
本発明の技術的範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
2…水漏れ箇所
11…第1シート
12…第2シート
13…第3シート
14…クランプ
15…ボルト
16…座金
17…ナット
Claims (9)
- メカニカルシールにシール水を供給するためのシール水用配管に生じた水漏れ箇所を止水する、シール水用配管の止水構造であって、
前記シール水用配管の前記水漏れ箇所を覆うように配置される第1シートと、
前記第1シートの外側に配置される第2シートと、
前記第2シートの外側に配置される第3シートと、
前記第2シートおよび前記第3シートを介して前記第1シートを前記シール水用配管の前記水漏れ箇所に押し付けるクランプと、を備え、
前記第1シートは、前記第2シートよりも高い耐圧性を有し、
前記第2シートは、前記第1シートよりも高い弾性を有し、
前記第3シートは、前記第2シートよりも高い剛性を有する
シール水用配管の止水構造。 - 前記第1シートは、フッ素樹脂シートで構成されている
請求項1に記載のシール水用配管の止水構造。 - 前記第2シートは、ゴムシートで構成されている
請求項1または2に記載のシール水用配管の止水構造。 - 前記第3シートは、金属シートで構成されている
請求項1〜3のいずれか1項に記載のシール水用配管の止水構造。 - 前記クランプは、両端に雄ネジが形成されたU字形のボルトと、前記雄ネジの部分を挿通可能な貫通孔を有する座金と、前記雄ネジに螺合可能なナットと、を有し、
前記ボルトと前記座金との間に、前記シール水用配管、前記第1シート、前記第2シートおよび前記第3シートを挟んで前記ナットを締め付けてなる
請求項1〜4のいずれか1項に記載のシール水用配管の止水構造。 - 前記フッ素樹脂シートの厚み寸法が、2mm以上4mm以下である
請求項2に記載のシール水用配管の止水構造。 - 前記ゴムシートの厚み寸法が、2mm以上4mm以下である
請求項3に記載のシール水用配管の止水構造。 - 前記シール水用配管の呼び径が、3/8インチ以上1インチ以下である
請求項1〜7のいずれか1項に記載のシール水用配管の止水構造。 - 前記シール水用配管の内圧が、1000KPaG以上7000KPaG以下である
請求項1〜8のいずれか1項に記載のシール水用配管の止水構造。
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