JP2018135634A - 異形棒鋼の製造方法およびアンカーボルトの製造方法 - Google Patents

異形棒鋼の製造方法およびアンカーボルトの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】雄ねじ部の加工による耐力低下の実用上の問題が生じず、必要な耐力が得られ、雄ねじ部の長さが限定されず、かつ生産性に優れる雄ねじ部付きの異形棒鋼およびアンカーボルトを提供する。【解決手段】この異形棒鋼1は、外周に長手方向に間隔を開けて複数の節部1baを有する丸軸状の棒鋼本体1aの端部に雄ねじ部1cが設けられている。雄ねじ部1cは、ねじ溝径が棒鋼本体1aの外周面よりも細く、ねじ山径が棒鋼本体1aの外周面よりも太くかつ節部1baを含む最大径よりも細い。雄ねじ部1cは、節部1baに相当する幅の複数箇所に設けられたねじ山径の太い部分(D32)と、残りのねじ山径の細い部分(D32´)とを有し、両部分のねじ溝径D31は同じである。雄ねじ部1cの硬さが他の部分よりも硬くまたは引張強度が強い。【選択図】図1

Description

この発明は、基礎に埋設されるアンカーボルトや鉄筋等に適用される雄ねじ部付きの異形棒鋼およびアンカーボルトに関する。
表面に節部やリブ等を有する異形棒鋼をアンカーボルトに適用した技術が実用に供されている(例えば、特許文献1)。異形棒鋼をアンカーボルトに適用する場合、上端には柱のベースプレート等に接合するための雄ねじ部が設けられる。
特許文献1では、雄ねじ部のねじ山径が中央部分の公称直径よりも大きいアンカーボルトが開示されている。
また鉄筋コンクリートにおいて、鉄筋には一般的に定着性に優れることから異形鉄筋が用いられる。異形鉄筋を接続する鉄筋継手として、重ね継手など種々の形式のものがあり、配筋構造の簡素化や工期の短縮を図ったものとして、ねじ式鉄筋継手がある。ねじ式鉄筋継手において、鉄筋に単に雄ねじ部を切削加工で形成した場合、断面欠損により耐力が低下するため、鉄筋に大径部を形成しておき、この大径部に雄ねじを転造するものが提案されている(例えば、特許文献2)。
特許第5486269号公報 特許第5869716号公報
特許文献1のアンカーボルトでは、異形棒鋼の端部において、外周面の全体、すなわち、リブおよび節部と、これらリブおよび節部以外の箇所の外周面を削り落として丸棒形状部を形成した後に、この丸棒形状部にねじ転造加工を施す。このため、加工量が多くなるうえ、雄ねじ部が細径化されることで、耐力不足なる恐れがある。
異形棒鋼をアンカーボルトに適用する場合に、上端に形成する雄ねじ部につき、異形棒鋼に大径部を設けておき、この大径部に雄ねじを加工する特許文献2の技術を適用すると、ねじ加工による断面欠損が補え、雄ねじ部の耐力に優れるという利点が得られる。
しかし、前記大径部の形成が必要になることから、製造コストが高くなる。棒鋼素材への前記大径部の形成は、異形棒鋼の節やリブのロール成形時に一緒に行うと、製造コストの増加はある程度抑えられるが、十分ではない。また、ロール成形によると、前記大径部は、ロール径に応じた一定ピッチで形成されるが、多少はピッチのずれが生じる。そのため、前記大径部の長さ方向の中央で切断して一対の雄ねじ部を得るための棒鋼端部の大径部を得るにつき、位置調整が必要であり、量産するにつき生産性が低下する。また、異形棒鋼に大径部を設け、この大径部に雄ねじを加工する特許文献2の技術を適用したものでは、大径部の長さが限定される。アンカーボルトはねじ長さを長くするケースが多く、使用上使いにくい。
この発明の目的は、雄ねじ部の加工による耐力低下の実用上の問題が生じず、必要な耐力が得られ、雄ねじ部の長さが限定されず、かつ生産性に優れる雄ねじ部付きの異形棒鋼およびアンカーボルトを提供することである。
この発明の異形棒鋼は、外周に長手方向に間隔を開けて複数の節部を有する丸軸状の棒鋼本体の端部に雄ねじ部が設けられた異形棒鋼において、
前記雄ねじ部は、ねじ溝径が前記棒鋼本体の外周面よりも細く、ねじ山径が前記棒鋼本体の外周面よりも太くかつ前記節部を含む最大径よりも細く、かつ、
前記雄ねじ部は、前記節部に相当する幅の複数箇所に設けられたねじ山径の太い部分と、残りのねじ山径の細い部分とを有し、両部分のねじ溝径は互いに同じであり、
前記雄ねじ部は、この異形棒鋼の他の部分よりも硬さが硬くまたは引張強度が強い。
この構成によると、雄ねじ部は、ねじ山径の太い部分を有するが、この太い部分は節部に相当する幅の複数箇所であるため、次のように簡単に得ることができる。すなわち、素材となる節付きの異形棒鋼にそのまま、または節部だけを削る加工を施してねじ加工を行うことで得られる。このような太い部分が複数箇所にあるため、雄ねじ部となる箇所の全長にわたって削り取りを行って転造ねじを設ける場合よりも、ねじ結合の引張耐力を大きく得ることができる。
また、上記のように、雄ねじ部の太い部分は節部上での加工で得られるため、熱間の拡径加工や別部材の雄ねじ部材を圧接などで接合する場合に比べて容易に形成することができる。従来の鉄筋に大径部を形成して雄ねじ部を加工するものと異なり、大径部長さの限定により雄ねじ部の長さが限定されることもない。
雄ねじ部のねじ溝径が棒鋼本体の外周面よりも細いため、異形棒鋼の耐引張力等の耐力の低下が懸念されるが、雄ねじ部の硬さを他の部分よりも硬くすることで、耐力の低下が補え、十分な耐力が得られる。雄ねじ部の溝加工による耐力低下を補う為に必要となる硬さを硬くまたは強くする程度は、雄ねじ部の転造により得られる加工硬化(塑性硬化とも呼ばれる)の程度で足りる。そのため、素材となる節付きの異形棒鋼にそのまま、または節部だけを削る加工を施して雄ねじ部を転造すれば、雄ねじ部に必要な硬さも得られる。このため、雄ねじ部の硬さを高めるための専用の工程は不要であり、このことからも生産性に優れる。
前記前記棒鋼本体の外周面に、長手方向に延びるリブを備え、前記雄ねじ部における、ねじ山径の細い部分のねじ山径は、前記リブと同じ周方向箇所を除く箇所のねじ山径であっても良い。この場合、リブによっても耐力を負担できるため、リブを有しない同径の異形棒鋼よりも異形棒鋼全体の引張耐力を高めることができる。
前記雄ねじ部は、前記ねじ山径の細い部分のねじ溝深さhが、前記ねじ山径の太い部分のねじ溝深さhの70%以上であっても良い。このねじ溝深さの割合h/hが70%以上有れば、雄ねじ部における棒鋼本体にねじ加工された箇所も、ナットを螺合するうえで支障がない、または鉄筋継手としての締結に支障がないことがシミュレーションにより確認されている。
この発明のアンカーボルトは、前記いずれかに記載の異形棒鋼からなる。この構成によると、大径化等の下加工を施すアンカーボルトよりも生産性に優れ、また雄ねじ部の加工による耐力低下の実用上の問題が生じず、必要な耐力が得られるアンカーボルトを実現できる。
この発明の異形棒鋼は、外周に長手方向に間隔を開けて複数の節部を有する丸軸状の棒鋼本体の端部に雄ねじ部が設けられた異形棒鋼において、前記雄ねじ部は、ねじ溝径が前記棒鋼本体の外周面よりも細く、ねじ山径が前記棒鋼本体の外周面よりも太くかつ前記節部を含む最大径よりも細く、かつ、前記雄ねじ部は、前記節部に相当する幅の複数箇所に設けられたねじ山径の太い部分と、残りのねじ山径の細い部分とを有し、両部分のねじ溝径は互いに同じであり、前記雄ねじ部は、この異形棒鋼の他の部分よりも硬さが硬くまたは引張強度が強い。このため、雄ねじ部の加工による耐力低下の実用上の問題が生じず、必要な耐力が得られ、雄ねじ部の長さが限定されず、かつ生産性に優れる。
この発明のアンカーボルトは、前記いずれかに記載の異形棒鋼からなるため、雄ねじ部の加工による耐力低下の実用上の問題が生じず、必要な耐力が得られ、雄ねじ部の長さが限定されず、かつ生産性に優れる。
この発明の第1の実施形態に係る異形棒鋼の正面図である。 (A)は、同異形棒鋼の一部を示す正面図、(B)は、同図(A)のVIB部分の拡大断面図である。 同異形棒鋼の形状および寸法例を示す正面図および平面図である。 同異形棒鋼の製造過程の説明図である。 この発明の他の実施形態に係る異形棒鋼の正面図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る異形棒鋼の一部を拡大して示す正面図である。 同異形棒鋼の形状および寸法例を示す正面図および平面図である。 同異形棒鋼の製造過程の説明図である。 (A)は、この発明のさらに他の実施形態に係る異形棒鋼の正面図、(B)は同図(A)のIXB-IXB 拡大断面図、(C)は異形棒鋼の変形例における同図(B)に相当する断面図である。 同異形棒鋼の製造過程の説明図である。 同異形棒鋼の圧延およびリブ除去過程の説明図である。 いずれかの異形棒鋼をアンカーボルトに適用した例を示す図である。 いずれかの異形棒鋼を鉄筋継手に適用した例を示す断面図である。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図4と共に説明する。
<第1の実施形態:リブ付の異形棒鋼(節部の位相が合っていない形態)>
図1に示すように、この実施形態に係る棒鋼は、丸軸状の棒鋼本体1aの外周面に突条1bを有する異形棒鋼1である。棒鋼本体1aの両端部に、雄ねじ部1c,1cが設けられている。この実施形態の突条1bは、節部1baと、リブ1bbとを有する。節部1baは、この異形棒鋼の長手方向に一定間隔置きに複数設けられる。各節部1baは、この棒鋼本体1aにおける円周方向の半周ずつが、交互にこの異形棒鋼の長手方向に並ぶ。換言すれば、各節部1baは、後述する二本のリブ1bbを隔てて位相が異なる二位置に交互にこの異形棒鋼の長手方向に並ぶ。リブ1bbは、棒鋼本体1aの180°離れた位置に二本設けられ、それぞれ長手方向に延びる。
なお、突条1bは、上記のような節部1baとリブ1bbとを有する形状に限らず、一本で螺旋状に延びる形状や、二本の螺旋状とされて相互の交差部の間が菱形状となる形状等であっても良い。
棒鋼本体1aの両端部の各雄ねじ部1cは、転造ねじであり、加工硬化(塑性硬化とも呼ばれる)によって、この異形棒鋼1の他の部分よりも、硬さが硬く引張強度が強くなっている。
<雄ねじ部1cにおける径寸法の関係等について>
図2(A)および図2(B)に示すように、雄ねじ部1cは、ねじ溝径D3が棒鋼本体1aの外周面よりも細く、ねじ山径D3,D3´が棒鋼本体1aの外周面よりも太くかつ節部1baを含む最大径D2よりも細い。
さらに雄ねじ部1cは、節部1baに相当する幅(軸方向幅)の複数箇所に設けられたねじ山径の太い部分(D3)と、残りのねじ山径の細い部分(D3´)とを有し、両部分のねじ溝径D3は互いに同じである。また雄ねじ部1cにおける、ねじ山径の細い部分のねじ山径D3´は、リブ1bbと同じ周方向箇所を除く箇所のねじ山径である。なお、太い部分のねじ山径D3は、節部のない棒鋼本体に雄ねじを転造した場合に得られる最大のねじ山径よりも太い。
径寸法の関係を具体的に説明する。
この異形棒鋼1は、真円加工を施した端部に雄ねじ部1cが形成されている。図2(B)に示すように、真円加工の真円の直径D5が棒鋼本体1aの外径D1よりも大きいため、真円加工を行う長さ範囲における棒鋼本体1aの箇所は、未加工部分として残る。雄ねじ部1cは、ねじ溝径D3が棒鋼本体1aの外径D1よりも小さく、棒鋼本体1a、およびこの棒鋼本体1aよりも大径の節部1baの真円加工された部分1ba´に渡って形成される。そのため、雄ねじ部1cにおいて、棒鋼本体1aの箇所と節部1baが真円加工された部分1ba´とで、雄ねじ部1cのねじ山径が異なっている。ねじ溝径はどちらも同じD3である。
雄ねじ部1cは、ねじ山径の細い部分(D3´)のねじ溝深さhが、ねじ山径の太い部分(D3)のねじ溝深さhの70%以上である。
前記ねじ山径の細い部分(D3´)のねじ溝深さhは、節部1baの基端が残る部分(真円加工された部分)1ba´のねじ溝深さである。
前記ねじ山径の太い部分(D3)のねじ溝深さhは、節部1baのない部分(すなわち棒鋼本体1aに形成される雄ねじ部1cの部分)のねじ溝深さである。
節部1baのない部分のねじ溝深さhを、節部1baの基端が残る部分1ba´のねじ溝深さhで除したねじ溝深さの割合h/hは、例えば75%〜80%、この例では75%とされている。なお、このねじ溝深さの割合h1/h0は、70%以上有れば、雄ねじ部1cにおける棒鋼本体1aにねじ加工された箇所も、雄ねじ部1cにナットを螺合するうえで支障がない、または鉄筋継手のとしての締結に支障がないことがシミュレーションにより確認されている。
<異形棒鋼1の形状および寸法例について>
図2に示すように、異形棒鋼1の各部の寸法例を示すと、呼び径がD19の異形棒鋼において、M20でピッチ2.5の雄ねじ部1cを加工した場合、棒鋼本体1aの外径D1が17.88、最大径D2(節部1baの外径)が20.68、ねじ山径D3が19.674、ねじ有効径D3が18.05、ねじ溝径D3が16.607である。単位はいずれもmmである。
また図3に示すように、リブ1bbが台形状断面形状であって上底3.5、下底4.5、高さ1.4とされている。単位はいずれもmmである。
ところで、従来の竹節鉄筋と呼ばれる異形棒鋼は、一般に丸軸状の棒鋼本体と節部・リブで構成されているが、前記リブも引張耐力に寄与しており、大凡4%程度を占める。この異形棒鋼に、図2に示す第1の実施形態のように雄ねじ部1cを加工した場合、ねじ溝部分で前記リブが途切れ、リブ1bbの断面積により寄与する分の引張耐力が低下する。これにより雄ねじ部1cが引張耐力の局部的な弱部となる懸念がある。
しかしながら第1の実施形態では、雄ねじ部1cを転造により加工しているので、加工硬化により引張強度が向上していて、規格値を満足し、実質上、雄ねじ部1cの形成による強度低下の問題は生じない。
<異形棒鋼1の製造方法について>
図4は、この異形棒鋼1の製造過程の説明図である。
図4(A)は、素材となる丸軸状の棒鋼本体1aと節部1ba、リブ1bbとを有する異形棒鋼1を示す。この異形棒鋼1を、図4(B)に示すように、建設現場または工場等で、必要とされる任意の長さに切断する(切断過程)。図4(C)に示すように、この切断された異形棒鋼1の端部における、雄ねじ部1cを形成する長さ範囲の部分に、真円加工を施す(真円加工過程)。
この真円加工は、異形棒鋼1の突条1bの基端が残る程度で、突条1bが略無くなる程度の外径D5の真円に切削を行う加工であり、真円加工前の節部1baは、真円加工後、前記節部1baよりも低い突出高さの部分1ba′となる。この部分1ba′は、棒鋼本体1aの外周面よりも太く、この太い部分1ba′のピッチp1は、節部1baのピッチp1と同じであり、節部1baから太い部分1ba′に渡り同じピッチp1である。
真円加工後の前記太い部分1ba′の外径D5は、棒鋼本体1aの外径D1よりも僅かに大きい。ねじ加工に伴う若干の径の変化があるため、外径D5は、雄ねじ部1cのねじ山径D3(図2(B))と異なっている。なお、前記外径D5は、棒鋼本体の外径D1と同じでも良い。
真円加工過程の後、図4(D)に示すように、異形棒鋼1の真円加工が施された部分に、雄ねじ部1c(図2(B):有効径D3)を転造により形成する(雄ねじ転造過程)。転造による雄ねじ部1cの形成の場合、図2(B)に示すように、組成流動によりねじ山径D3は前記真円加工の外径D5よりも大きくなり、有効径D3が前記真円加工の外径D5となる。この転造は、例えば異形棒鋼1の外周に嵌まる図示外の転造工具、または一対の対向する転造ロールからなる図示外の転造設備を用いて、冷間、温間、または熱間で行う。この転造は、より詳しくは、一般的には二点転造であり、まれにねじ加工を三点で行う加工、いわゆる三点転造とする。
このように雄ねじ部1cの転造を行うことで、雄ねじ部1cが加工硬化によって硬くなる。また、雄ねじ部1cのねじ溝径D3が棒鋼本体1aの外径D1よりも細くなり、かつねじ山径D3′は転造時の盛り上がりによって棒鋼本体1aの外径D1よりも太くなる。なお、前記真円加工(図4(C))は必ずしも行わなくても良い。また、雄ねじ部1cの真円加工および転造を行う長さは、長さ調整用として長くしておき、配筋の現場で使用箇所に応じて雄ねじ部1cを切断し、アンカーボルトに用いるようにしても良い。これにより施工性が向上する。
<作用効果>
以上説明した異形棒鋼1によれば、雄ねじ部1cは、ねじ山径の太い部分を有するが、この太い部分は節部1baに相当する幅の複数箇所であるため、節部1baの径の程度まで、簡単に大きく得ることができる。すなわち、素材となる節付きの異形棒鋼1にそのまま、または節部1baだけを削る加工を施してねじ加工を行うことで得られる。このような太い部分が複数箇所にあるため、雄ねじ部となる箇所の全長にわたって削り取りを行って転造ねじを設ける場合よりも、ねじ結合の引張耐力を大きく得ることができる。
また、雄ねじ部1cの太い部分は、節部1ba上での加工で得られるため、熱間の拡径加工や別部材の雄ねじ部材を圧接などで接合する場合に比べて容易に形成することができる。
雄ねじ部1cのねじ溝径D3が棒鋼本体1aの外周面よりも細いため、異形棒鋼の耐引張力等の耐力の低下が懸念されるが、雄ねじ部1cの硬さが他の部分よりも硬いため、耐力の低下が補え、十分な耐力が得られる。雄ねじ部1cの溝加工による耐力低下を補う為に必要となる硬さを硬くまたは強くする程度は、雄ねじ部1cの転造により得られる加工硬化(塑性硬化とも呼ばれる)の程度で足りる。そのため、素材となる節付きの異形棒鋼1にそのまま、または節部1baだけを削る加工を施して雄ねじ部1cを転造すれば、雄ねじ部1cに必要な硬さも得られる。このため、雄ねじ部1cの硬さを高めるための専用の工程は不要であり、このことからも生産性に優れる。
<他の実施形態について>
以下の説明においては、各実施の形態で先行して説明している事項に対応している部分には同一の参照符号を付し、重複する説明を略する。構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分は、特に記載のない限り先行して説明している形態と同様とする。同一の構成から同一の作用効果を奏する。実施の各形態で具体的に説明している部分の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組合せることも可能である。
<リブ付の異形棒鋼(節部同位相)>
前述の第1の実施形態では、節部の位相が合っていない異形棒鋼につき説明したが、図5に示すように、各節部1baが同位相でこの異形棒鋼の長手方向に並ぶ異形棒鋼1´であっても良い。その他の構成、製造方法は、第1の実施形態と同様である。
<リブ無しの異形棒鋼>
図6〜図8と共に、他の実施形態に係るリブ無しの異形棒鋼1Aについて説明する。
図6に示すように、この異形棒鋼1Aは、節部1baを有するが、リブを有しない異形棒鋼である。雄ねじ部1cは、転造ねじから成り、その下削りとして図4(C)で説明したのと同様に、図8(C)に示すように真円加工を行う。この場合、異形棒鋼1Aがリブを有しないので、基本的には、節部1baだけに真円加工を施す。棒鋼本体1aは、設定する雄ねじ部1cの有効半径内であれば、真円加工による真円度の多少のずれは、転造(図8(D))により補正される。また圧延過程(後述する)においてリブが僅かに発生する場合もあるが、この場合、全断面積に及ぼす影響が小さく、問題は生じない。
この実施形態では、第1の実施形態と同様に、雄ねじ部1cを転造により加工しているので、加工硬化により引張強度が向上していて、実質上、雄ねじ部1cの形成による強度低下の問題は生じないが、所望の引張強度をより確実に確保することが望ましい。
そこで、この図6〜図8に示す実施形態は、次のように異形棒鋼の径を規格品よりも僅かに大きくすることで、引張強度をより確実に確保している。すなわち、前述の第1の実施形態におけるリブ1bb(図3(a))の断面積に相当する分だけ、棒鋼本体1aの径が大きな異形棒鋼を用いている。
<寸法例>
第1の実施形態では、図3に示すように、呼び径がD19の異形棒鋼1を用いる場合、規格どおりに、棒鋼本体1aの直径17.88mm、リブ1bbが台形状断面形状で上底3.5mm、下底4.5mm、高さ1.4mmとされている。以下の面積の単位はいずれもmmである。
棒鋼本体1aの断面積A、リブ断面積A,全体の断面積Aとすると、
=π(17.88)=251.09
=(3.5+4.5)1.4/2×2≒11.2
A=A+A=251.09+11.2=262.29
/A=0.043 (4.3%)
である。
そこで、この実施形態では、図7に示すように、棒鋼本体1aの直径を18.28mmとしている。この場合、棒鋼本体1aの断面積Aは、
=π(18.28/2)=262.45
である。
このように、棒鋼本体1aの径を規格品よりも僅かに大きくすることで、リブは形成せず、棒鋼本体1aへと移行している。これにより、ねじ加工による断面欠損は解消し、引張強度をより確実に確保している。
<帯状平坦部付の異形棒鋼>
図9〜図11と共に、他の実施形態に係る帯状平坦部付の異形棒鋼1Bについて説明する。
この実施形態において、特に記載する事項の他は、図6〜図8に示す実施形態と同様である。この実施形態では、図9(B)に示すように、異形棒鋼1Bは、外周面における互いに180°離れた二箇所に、平面状の帯状平坦部4を軸方向の全長に渡って有している。
帯状平坦部4は、異形棒鋼1Bの軸方向に垂直な断面が、棒鋼本体1aの外周面を成す円の一部の弧である直線となる形状である。図9(A)に示すように、帯状平坦部4は平面形状であるため、異形棒鋼1Bの節部1baの箇所では幅が広がっている。図9(B)に示すように、帯状平坦部4の一般部(棒鋼本体1a)における幅d1は、前記リブ1bb(図10(A))の基端幅と同じ、または前記基端幅以上の幅とされている。節部1baは、上記のように帯状平坦部4が形成されていることにより、円周方向の二箇所で非連続となっている。なお図9(C)は、異形棒鋼の変形例を示し、後に説明する。
<帯状平坦部付の異形棒鋼の製造方法について>
先ず、図11に示すように、丸軸状の棒鋼素材W0から、丸軸状の棒鋼本体1aの外周に節部1baを有する中間棒鋼素材W1(図10(A))を、一対の圧延ロール11,11による熱間の圧延で得る(圧延過程)。このとき、中間棒鋼素材W1には、一対の圧延ロール11,11間の隙間により、両側面にリブ1bbが全長に渡り必然的に生じる。
この圧延過程で成形されて来る加熱状態の中間棒鋼素材W1から、圧延ロール11の後段に設置されたリブ除去用工具14により、両側面のリブ1bbを掻き取る(リブ除去過程)。これにより、外周面における互いに180°離れた二箇所に、前記帯状平坦部4を有するねじ加工用素材棒鋼W2(図10(B))が形成される。
リブ除去用工具14は、先端が直線状の板状または塊状等の工具とされ、圧延ロール11の後段の所定位置に固定して設置しておけば、中間棒鋼素材W1の送りに伴ってリブ1bbの掻き取りが行われる。前記送りは、例えば、案内ロール12,13の一部のものを回転駆動させるロールとすることで行われる。これら案内ロール12,13は、圧延ロール11の前後に棒鋼送り方向に沿って並べられている。
このように準備された長尺のねじ加工用素材棒鋼W2は、例えば、建設現場または工場等において、図10(C)に示すように、任意の長さに切断して使用される(切断過程)。
この切断したねじ加工用素材棒鋼W2に、前記真円加工を施し、図10(D)のように節部1baは低い突出高さの部分1ba´となる。同図の破線は、この部分1ba´における真円加工前の状態の節部1baを示す。
この真円加工を終えたねじ加工用素材棒鋼W2における前記真円加工された長さ範囲につき、第1の実施形態で説明したと同様に、前記雄ねじ部1c(図4(D)参照)を加工する(雄ねじ転造過程)。
この構成の場合、雄ねじ部1cを有する異形棒鋼1Bが帯状平坦部4を有し、長手方向に続くリブのような突出部分を有しない。そのため、前記リブを有する異形棒鋼にねじ加工したものに比べ、異形棒鋼1Bにおける雄ねじ部1cの形成箇所と雄ねじ部1cのない一般部分とで、真円加工やねじ加工に伴う断面欠損による断面積の差が少なく、耐力の差が小さい。このため、実用上、異形棒鋼1Bの局部的な弱部として問題とならない。前記リブの断面積に相当する分だけ大径の異形棒鋼1Bとすることで、リブがなくても、リブ付きの異形棒鋼と同等の耐力が確保される。例えば前記リブ1bb(図4(D)参照)の断面積は全断面積の4%程度であり、この分だけ大径の異形棒鋼1Bとすることで、リブ付きの異形棒鋼と同等の耐力が確保される。
雄ねじ部1cがこの実施形態のように転造ねじである場合は、切削加工のような断面欠損を生じず、塑性流動で異形棒鋼全周のうちの他の部分が大径となって、断面積の低下は少ない。また、転造ねじであると、雄ねじ転造過程で塑性硬化が生じて耐力が向上する。そのため、実際には、前記4%程度の断面積差の一部を補う程度の太さの異形棒鋼1Bとすることで、リブ付きの異形棒鋼と同等の耐力が確保される。
また、製造過程においても、前記節部1baおよび雄ねじ部1cを有する異形棒鋼1Bを製造するにつき、節部1baの圧延による形成時にリブ1bbが生じても、そのリブ1bbを除去して前記帯状平坦部4とすれば良く、一般的な圧延による異形棒鋼を素材として雄ねじ部1c付きの異形棒鋼1Bを製造することができる。
リブ1bbの除去については、節部1baを得るための圧延過程で成形されて来る加熱状態の中間棒鋼素材W1からリブ1bbを掻き落とすことにより前記帯状平坦部4を形成することで得られるため、切削等の工程が不要で、簡単に能率良く除去することができる。
変形例として、例えば、図9(C)に示すように、前記リブを有しない異形棒鋼1Cを用いても、帯状平坦部付の実施形態と同様に、異形棒鋼1Cにおける前記雄ねじ部の形成箇所と前記雄ねじ部のない一般部分との耐力差を少なくすることができる。リブのみ無くせば、すなわち長手方向に沿って延びる突出部分がなければ、ねじの転造前後での断面積の変化はなく、節部1baは伸びても支障がない。
図9(C)の例の異形棒鋼1Cでは、棒鋼本体1aは全周にわたり真円であり、節部1baは円周方向の二か所で途切れ部1aaが生じている。同図のリブを無くすのみとして帯状平坦部を形成しない場合は、圧延により節1baを成形するにつき、圧延設備が特殊な仕様とはなるが、掻き落としによるリブ除去過程は不要である。
<アンカーボルトへの適用例>
図12は、いずれかの異形棒鋼をアンカーボルトAbに適用した例を示す図である。
柱部材15の下端部に接合されたベースプレート16と、基礎17とが複数のアンカーボルトAbにより連結される。各アンカーボルトAbは、棒鋼本体1aが基礎17に埋設され、この棒鋼本体1aの上端部および下端部に雄ねじ部1cが設けられている。基礎17上に、ベースモルタル等の介在部材18を介してベースプレート16が配置されている。
ベースプレート16および介在部材18には、各アンカーボルトAbの上端部の雄ねじ部1cを挿通する貫通穴が所定間隔おきに複数設けられている。基礎17から介在部材118、ベースプレート16の各貫通穴を通して上方に突出する上端部側の雄ねじ部1cに、座金19を介してナット20,21が螺合されている。これにより、ベースプレート16の上面が押付けられることで、ベースプレート16と基礎17とが連結される。また各アンカーボルトAbの下端部の雄ねじ部1cに定着板22が嵌合され、この定着板22が上下のナット23,24により固定されている。
このようにいずれかの実施形態の異形棒鋼をアンカーボルトAbに適用した場合、大径化等の下加工を施す従来技術よりも生産性に優れ、また雄ねじ部1cの加工による耐力低下の実用上の問題が生じず、必要な耐力が得られるアンカーボルトを実現できる。
なお、前記定着板22による定着方法に限定されるものではない。例えば、アンカーボルトAbの下端部に雄ねじ部1cを設けずにヘッド部(頭部)を設け、コンクリート内に定着しても良い。その他、アンカーボルトAbの下端部にフック部を設けたもの等種々の定着方法を採用し得る。
<鉄筋継手への適用例>
図13は、いずれかの異形棒鋼を鉄筋継手に適用した例を示す図である。
この鉄筋継手は、一対の異形棒鋼1,1を接続する鉄筋継手であって、互いに接続される一対の異形棒鋼の対向する端部に雄ねじ部1cを有する。これら異形棒鋼1,1の前記雄ねじ部1c,1cに渡ってカプラー2が螺合している。カプラー2は、前記雄ねじ部1c,1cに螺合する雌ねじ部2aが形成された鋼製のねじ筒状である。カプラー2の外周面は、円筒面状であっても、また長さ方向の一部または全体が、ねじ締め用の工具(図示せず)に係合させる多角形、または一部に平坦面を持つ形状であっても良い。なお、図示しないが、各異形棒鋼1の雄ねじ部1cにそれぞれ螺合してカプラー2の両端面に当接する一対のロックナットが設けられていても良い。
以上、実施形態に基づいてこの発明を実施するための形態を説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。この発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1´,1A,1B,1C…異形棒鋼
1a…棒鋼本体
1ba…節部
1c…雄ねじ部
Ab…アンカーボルト
この発明は、基礎に埋設されるアンカーボルトや鉄筋等に適用される雄ねじ部付きの異形棒鋼の製造方法およびアンカーボルトの製造方法に関する。
この発明の目的は、雄ねじ部の加工による耐力低下の実用上の問題が生じず、必要な耐力が得られ、雄ねじ部の長さが限定されず、かつ生産性に優れる雄ねじ部付きの異形棒鋼の製造方法およびアンカーボルトの製造方法を提供することである。
この発明の異形棒鋼の製造方法は、
端部に雄ねじ部が設けられた雄ねじ部付きの異形棒鋼を製造する方法であって、
素材となる異形棒鋼として、丸軸状の棒鋼本体の外周に長手方向に間隔を開けて複数の節部を有する異形棒鋼を準備する過程と、
この異形棒鋼の端部における前記雄ねじ部を形成する長さ範囲の部分に、前記節部の基端のみが残る外径となるように、切削による真円加工を施す過程と、
前記素材となる異形棒鋼における前記真円加工が施された部分に、前記雄ねじ部を転造により形成する過程とを含み、
前記雄ねじ部は、ねじ溝径が前記棒鋼本体の外周面よりも細く、ねじ山径が前記棒鋼本体の外周面よりも太くかつ前記節部を含む最大径よりも細く、かつ、前記雄ねじ部は、前記節部に相当する幅の複数箇所に設けられたねじ山径の太い部分と、残りのねじ山径の細い部分とを有し、両部分のねじ溝径は互いに同じであり、前記雄ねじ部は、この異形棒鋼の他の部分よりも硬さが硬くまたは引張強度が強い。
この構成によると、雄ねじ部は、ねじ山径の太い部分を有するが、この太い部分は節部に相当する幅の複数箇所であるため、次のように簡単に得ることができる。すなわち、素材となる節付きの異形棒鋼に、節部だけを削る真円加工を施してねじ加工を行うことで得られる。このような太い部分が複数箇所にあるため、雄ねじ部となる箇所の全長にわたって削り取りを行って転造ねじを設ける場合よりも、ねじ結合の引張耐力を大きく得ることができる。
また、上記のように、雄ねじ部の太い部分は節部上での加工で得られるため、熱間の拡径加工や別部材の雄ねじ部材を圧接などで接合する場合に比べて容易に形成することができる。従来の鉄筋に大径部を形成して雄ねじ部を加工するものと異なり、大径部長さの限定により雄ねじ部の長さが限定されることもない。
この発明において、前記素材となる異形棒鋼として、前記棒鋼本体の外周面に長手方向に延びるリブを備える異形棒鋼を用い、前記真円加工および転造は、前記雄ねじ部を形成する長さ範囲の部分で前記リブに対しても行い、製造された異形棒鋼は、前記棒鋼本体の外周面に、長手方向に延びるリブを備え、前記雄ねじ部における、ねじ山径の細い部分のねじ山径は、前記リブと同じ周方向箇所を除く箇所のねじ山径であっても良い。この場合、リブによっても耐力を負担できるため、リブを有しない同径の異形棒鋼よりも異形棒鋼全体の引張耐力を高めることができる。
この発明のアンカーボルトの製造方法は、前記いずれかに記載の異形棒鋼の製造方法によって製造された異形棒鋼をアンカーボルトとする。この構成によると、大径化等の下加工を施すアンカーボルトよりも生産性に優れ、また雄ねじ部の加工による耐力低下の実用上の問題が生じず、必要な耐力が得られるアンカーボルトを実現できる。
この発明の異形棒鋼の製造方法は、端部に雄ねじ部が設けられた雄ねじ部付きの異形棒鋼を製造する方法であって、素材となる異形棒鋼として、丸軸状の棒鋼本体の外周に長手方向に間隔を開けて複数の節部を有する異形棒鋼を準備する過程と、この異形棒鋼の端部における前記雄ねじ部を形成する長さ範囲の部分に、前記節部の基端のみが残る外径となるように、切削による真円加工を施す過程と、前記素材となる異形棒鋼における前記真円加工が施された部分に、前記雄ねじ部を転造により形成する過程とを含み、前記雄ねじ部は、ねじ溝径が前記棒鋼本体の外周面よりも細く、ねじ山径が前記棒鋼本体の外周面よりも太くかつ前記節部を含む最大径よりも細く、かつ、前記雄ねじ部は、前記節部に相当する幅の複数箇所に設けられたねじ山径の太い部分と、残りのねじ山径の細い部分とを有し、両部分のねじ溝径は互いに同じであり、前記雄ねじ部は、この異形棒鋼の他の部分よりも硬さが硬くまたは引張強度が強い。このため、雄ねじ部の加工による耐力低下の実用上の問題が生じず、必要な耐力が得られ、雄ねじ部の長さが限定されず、かつ生産性に優れる。
この発明の第1の実施形態に係る異形棒鋼の製造方法により製造された異形棒鋼の正面図である。 (A)は、同異形棒鋼の一部を示す正面図、(B)は、同図(A)のVIB 部分の拡大断面図である。 同異形棒鋼の形状および寸法例を示す正面図および平面図である。 同異形棒鋼の製造過程の説明図である。 この発明の他の実施形態に係る異形棒鋼の製造方法により製造された異形棒鋼の正面図である。 この発明のさらに他の実施形態に係る異形棒鋼の製造方法により製造された異形棒鋼の一部を拡大して示す正面図である。 同異形棒鋼の形状および寸法例を示す正面図および平面図である。 同異形棒鋼の製造過程の説明図である。 (A)は、この発明のさらに他の実施形態に係る異形棒鋼の製造方法により 製造された異形棒鋼の正面図、(B)は同図(A)のIXB-IXB 拡大断面図、(C)は異形棒鋼の変形例における同図(B)に相当する断面図である。 同異形棒鋼の製造過程の説明図である。 同異形棒鋼の圧延およびリブ除去過程の説明図である。 いずれかの異形棒鋼をアンカーボルトに適用した例を示す図である。 いずれかの異形棒鋼を鉄筋継手に適用した例を示す断面図である。
この発明の第1の実施形態を図1ないし図4と共に説明する。
<第1の実施形態:リブ付の異形棒鋼(節部の位相が合っていない形態)>
図1に示すように、この実施形態に係る異形棒鋼の製造方法により製造された異形棒鋼は、丸軸状の棒鋼本体1aの外周面に突条1bを有する異形棒鋼1である。棒鋼本体1aの両端部に、雄ねじ部1c,1cが設けられている。この実施形態の突条1bは、節部1baと、リブ1bbとを有する。節部1baは、この異形棒鋼の長手方向に一定間隔置きに複数設けられる。各節部1baは、この棒鋼本体1aにおける円周方向の半周ずつが、交互にこの異形棒鋼の長手方向に並ぶ。換言すれば、各節部1baは、後述する二本のリブ1bbを隔てて位相が異なる二位置に交互にこの異形棒鋼の長手方向に並ぶ。リブ1bbは、棒鋼本体1aの180°離れた位置に二本設けられ、それぞれ長手方向に延びる。
<リブ無しの異形棒鋼>
図6〜図8と共に、他の実施形態に係る異形棒鋼の製造方法により製造されたリブ無しの異形棒鋼1Aについて説明する。
図6に示すように、この異形棒鋼1Aは、節部1baを有するが、リブを有しない異形棒鋼である。雄ねじ部1cは、転造ねじから成り、その下削りとして図4(C)で説明したのと同様に、図8(C)に示すように真円加工を行う。この場合、異形棒鋼1Aがリブを有しないので、基本的には、節部1baだけに真円加工を施す。棒鋼本体1aは、設定する雄ねじ部1cの有効半径内であれば、真円加工による真円度の多少のずれは、転造(図8(D))により補正される。また圧延過程(後述する)においてリブが僅かに発生する場合もあるが、この場合、全断面積に及ぼす影響が小さく、問題は生じない。
<帯状平坦部付の異形棒鋼>
図9〜図11と共に、他の実施形態に係る異形棒鋼の製造方法により製造された帯状平坦部付の異形棒鋼1Bについて説明する。
この実施形態において、特に記載する事項の他は、図6〜図8に示す実施形態と同様である。この実施形態では、図9(B)に示すように、異形棒鋼1Bは、外周面における互いに180°離れた二箇所に、平面状の帯状平坦部4を軸方向の全長に渡って有している。

Claims (4)

  1. 外周に長手方向に間隔を開けて複数の節部を有する丸軸状の棒鋼本体の端部に雄ねじ部が設けられた異形棒鋼において、
    前記雄ねじ部は、ねじ溝径が前記棒鋼本体の外周面よりも細く、ねじ山径が前記棒鋼本体の外周面よりも太くかつ前記節部を含む最大径よりも細く、かつ、
    前記雄ねじ部は、前記節部に相当する幅の複数箇所に設けられたねじ山径の太い部分と、残りのねじ山径の細い部分とを有し、両部分のねじ溝径は互いに同じであり、
    前記雄ねじ部は、この異形棒鋼の他の部分よりも硬さが硬くまたは引張強度が強い異形棒鋼。
  2. 請求項1に記載の異形棒鋼において、前記棒鋼本体の外周面に、長手方向に延びるリブを備え、前記雄ねじ部における、ねじ山径の細い部分のねじ山径は、前記リブと同じ周方向箇所を除く箇所のねじ山径である異形棒鋼。
  3. 請求項1または請求項2に記載の異形棒鋼において、前記雄ねじ部は、前記ねじ山径の細い部分のねじ溝深さが、前記ねじ山径の太い部分のねじ溝深さの70%以上である異形棒鋼。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の異形棒鋼からなるアンカーボルト。
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