JP2018135539A - 熱伝導性粘着テープ及び熱伝導性粘着剤組成物 - Google Patents

熱伝導性粘着テープ及び熱伝導性粘着剤組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】高い熱伝導性と、発熱体や放熱体に対する高い定荷重剥離性とを備えた熱伝導性粘着テープ及び熱伝導性粘着剤組成物を提供する。【解決手段】リビングラジカル重合により得られた分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5のアクリル系ポリマーと、熱伝導性フィラーとを含有する粘着剤層を有する熱伝導性粘着テープ。【選択図】 なし

Description

本発明は、高い熱伝導性と、発熱体や放熱体に対する高い定荷重剥離性とを備えた熱伝導性粘着テープ及び熱伝導性粘着剤組成物に関する。
従来から、半導体素子が作動時に発する熱を放熱体に伝達させ、半導体素子を常に適温に維持して長期間にわたり正常かつ安定に作動させることを目的として、半導体素子と放熱体とを熱伝導性粘着テープを用いて接合する技術が知られている。
このような熱伝導性粘着テープとして、例えば、特許文献1には、特定のオルガノポリシロキサン、特定の加水分解性基含有メチルポリシロキサン、熱伝導性充填剤、硬化剤を含有してなる熱伝導性シリコーンゴム組成物を用いた粘着テープが開示されている。
また、特許文献2には、エポキシ樹脂、硬化剤、硬化促進剤、特定の物性を示す特定量のフィラーを含有してなる接合材料であり、硬化物の熱伝導率が特定値以上であり、消費電力1.7W以上のパワー半導体素子を前記接合材料を介して支持部材に接合させるために用いられるものである接合材料が開示されている。
また、特許文献3には、オルガノポリシロキサンの基材に、特定量の熱伝導性フィラーを含有してなる絶縁シートであって、当該絶縁シート中の導電性不純物の量が特定値以下である絶縁シート、及び、当該絶縁シートを用いて製造される、車両用に用いられる半導体装置組立体が開示されている。
更に、特許文献4には、粘着剤と、熱伝導性粒子とを含有し、粘着剤の主成分が酸価5mgKOH/g以下のアクリル系粘着剤で、カルボン酸系分散剤を0.05〜2.0質量%含有する熱伝導性粘着組成物を用いた粘着テープが記載されている。
発熱体が発生する熱をより効率的に放熱体に伝導させるために、熱伝導性粘着テープには高い熱伝導性が求められる。一方、熱伝導性粘着テープが発熱体及び放熱体に充分に密着できないと、非密着部分で熱伝導ロスが生じてしまう。従って、熱伝導性粘着テープには、熱伝導性のほかに、発熱体や放熱体に充分に密着できる粘着性やタック性が要求され、とりわけ、定荷重剥離性に優れることが要求される。
特開2000−256558号公報 特許第4507488号公報 特開2005−064291号公報 特開2014−132049号公報
本願の発明者らは、熱伝導性粘着テープの熱伝導性を更に向上させることを検討した。熱伝導性を向上させる方策としては、例えば、粘着剤層中の熱伝導性フィラーの含有量を高くしたり、熱伝導性粘着テープの厚みを薄くしたりすることが考えられた。しかしながら、いずれの方策も、熱伝導性自体は向上するとしても、発熱体や放熱体に対する粘着性、とりわけ定荷重剥離性が低下してしまうという問題があった。
本発明は、上記現状に鑑み、高い熱伝導性と、発熱体や放熱体に対する高い定荷重剥離性とを備えた熱伝導性粘着テープ及び熱伝導性粘着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明は、リビングラジカル重合により得られた分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5のアクリル系ポリマーと、熱伝導性フィラーとを含有する粘着剤層を有する熱伝導性粘着テープである。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、リビングラジカル重合により得られた分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5のアクリル系ポリマー(以下、「リビングラジカル重合アクリル系ポリマー」ともいう。)を含有する粘着剤層を有する粘着テープが、薄い粘着テープであっても剥がれにくく、被着体に対して高い定荷重剥離性を発揮できることを見出した。そして、このような粘着剤層に熱伝導性フィラーを配合することにより、高い熱伝導性を発揮できる程度にまでテープの厚みを薄くしても、発熱体や放熱体に対する高い定荷重剥離性を維持することができることを見出し、本発明を完成した。
本発明の熱伝導性粘着テープでは、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーを用いることによりテープの厚みを薄くできることから、熱伝導性フィラーの配合量を減らしても充分な熱伝導性が発揮でき、従って熱伝導性フィラー配合による粘着性能の低下を更に防止できるという、相乗的な効果を発揮できる。
本発明の熱伝導性粘着テープは、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーを含有する粘着剤層を有する。上記粘着剤層が上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマーを含有することにより、本発明の熱伝導性粘着テープは、薄い粘着テープであっても剥がれにくく、被着体に対して高い定荷重剥離性を発揮することができ、このような粘着剤層に熱伝導性フィラーを配合することにより高い熱伝導性を発揮することができる。
上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマーは、(メタ)アクリル酸エステルや(メタ)アクリル酸等のアクリル系モノマーを原料として、リビングラジカル重合、好ましくは有機テルル重合開始剤を用いたリビングラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーである。
リビングラジカル重合は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合である。リビングラジカル重合によれば、例えばフリーラジカル重合等と比較してより均一な分子量及び組成を有するポリマーが得られ、低分子量成分等の生成を抑えることができるため、粘着テープが剥がれにくくなり、被着体に対する定荷重剥離性が向上する。とりわけ、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーが架橋性官能基を有し、かつ、架橋剤を併用する場合に、特に高い定荷重剥離性を発揮することができる。
図1にリビングラジカル重合を説明する模式図を示した。リビングラジカル重合は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合である。リビングラジカル重合では、生長末端ラジカルが失活することなく、また反応中に新しくラジカル種が発生することもなく、反応が進行する。その反応途中では、全てのポリマー鎖が均一にモノマーと反応しながら重合し、全てのポリマーの組成は均一に近づく。そのため、剥離の原因となる低分子量成分等の生成を抑えることができる。
更に、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーが架橋性官能基を有し、かつ、架橋剤を併用する場合に、特に高い定荷重剥離性を発揮することができる。これは、リビングラジカル重合を行うことにより、架橋性官能基含有モノマー12が、リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー1の全てのポリマーに含まれるためである。このような架橋性官能基を有するリビングラジカル重合アクリル系ポリマー1を、架橋剤を用いて架橋すると、ほとんど全てのポリマーがポリマー鎖間の架橋に関与することができる。とりわけ架橋性官能基含有モノマーを含まない低分子量成分が少ないため、ゲル分率15重量%以下の微架橋であっても、全てのポリマー鎖が架橋に関与する確率が向上する。図2に、架橋性官能基を有するリビングラジカル重合アクリル系ポリマーを架橋した場合を説明する模式図を示した。リビングラジカル重合アクリル系ポリマーでは、全てのポリマーの組成は均一であり、架橋性官能基含有モノマーを含むことから、すべてのポリマー鎖が架橋に関与している。なお、図2では架橋性官能基の例として水酸基を記載した。このように、ほとんど全てのポリマーがポリマー鎖間の架橋に関与することができることから、薄い粘着テープであっても剥がれにくく、被着体に対して高い定荷重剥離性を発揮できる粘着テープを得ることができる。
本発明の効果は、従来のフリーラジカル重合により得られたアクリル系ポリマーを用いても得ることはできない。
図3にフリーラジカル重合を説明する模式図を示した。フリーラジカル重合では、反応中に連続的にラジカル種が発生してモノマーに付加し、重合が進行する。そのためフリーラジカル重合では、反応の途中で生長末端ラジカルが失活したポリマー23や、反応中に新しく発生したラジカル種により生長したポリマー24が生成する。これらの低分子量成分等は、剥離の原因となる。また、架橋性官能基を含有するアクリル系ポリマーをフリーラジカル重合で製造すると、比較的低分子量の架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーが生成してしまう。このようなフリーラジカル重合架橋性アクリル系ポリマー2を、架橋剤を用いて架橋しても、架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーは、ポリマー鎖間での架橋に関与することができない。図4に、フリーラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーを架橋した場合を説明する模式図を示した。フリーラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーでは、ポリマーの組成が不均一であり、比較的低分子量の架橋性官能基含有モノマーを含まないポリマーを含むことから、架橋に関与できないポリマー鎖が存在している。なお、図4では架橋性官能基の例として水酸基を記載した。薄い粘着テープとして被着体に貼着して荷重を付加してときに、架橋に関与できない架橋性官能基含有モノマーを含まない部位から剥離が発生してしまうことから、被着体に対する定荷重剥離性を発揮することはできない。
リビングラジカル重合のなかでも、有機テルル重合開始剤を用いたリビングラジカル重合は、他のリビングラジカル重合とは異なり、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基及びニトリル基等の架橋性官能基を有するラジカル重合性モノマーをいずれも保護することなく、同一の開始剤で重合して均一な分子量及び組成を有するポリマーを得ることができる。このため、架橋性官能基を有するラジカル重合性モノマーを容易に共重合することができる。
上記有機テルル重合開始剤は、リビングラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、有機テルル化合物、有機テルリド化合物等が挙げられる。
上記有機テルル化合物として、例えば、(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−クロロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(メチルテラニル−メチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−アミノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−シアノ−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(1−メチルテラニル−エチル)ベンゼン、1−クロロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ヒドロキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−アミノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−ニトロ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−シアノ−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メチルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェニルカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−メトキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−フェノキシカルボニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−スルホニル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、1−トリフルオロメチル−4−(2−メチルテラニル−プロピル)ベンゼン、2−(メチルテラニル−メチル)ピリジン、2−(1−メチルテラニル−エチル)ピリジン、2−(2−メチルテラニル−プロピル)ピリジン、2−メチルテラニル−エタン酸メチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸メチル、2−メチルテラニル−エタン酸エチル、2−メチルテラニル−プロピオン酸エチル、2−メチルテラニル−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メチルテラニルアセトニトリル、2−メチルテラニルプロピオニトリル、2−メチル−2−メチルテラニルプロピオニトリル等が挙げられる。これらの有機テルル化合物中のメチルテラニル基は、エチルテラニル基、n−プロピルテラニル基、イソプロピルテラニル基、n−ブチルテラニル基、イソブチルテラニル基、t−ブチルテラニル基、フェニルテラニル基等であってもよく、また、これらの有機テルル化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記有機テルリド化合物として、例えば、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジイソプロピルジテルリド、ジシクロプロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジ−sec−ブチルジテルリド、ジ−tert−ブチルジテルリド、ジシクロブチルジテルリド、ジフェニルジテルリド、ビス−(p−メトキシフェニル)ジテルリド、ビス−(p−アミノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−ニトロフェニル)ジテルリド、ビス−(p−シアノフェニル)ジテルリド、ビス−(p−スルホニルフェニル)ジテルリド、ジナフチルジテルリド、ジピリジルジテルリド等が挙げられる。これらの有機テルリド化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ−n−プロピルジテルリド、ジ−n−ブチルジテルリド、ジフェニルジテルリドが好ましい。
なお、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記有機テルル重合開始剤に加えて、重合速度の促進を目的として重合開始剤としてアゾ化合物を用いてもよい。
上記アゾ化合物は、ラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル−1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボキシレート)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]四水和物、2,2’−アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等が挙げられる。これらのアゾ化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマーは、架橋性官能基を有することが好ましい。
上記架橋性官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、グリジシル基、アミノ基、アミド基、ニトリル基等が挙げられる。なかでも、上記粘着剤層のゲル分率の調整が容易であることから、水酸基又はカルボキシル基が好ましく、水酸基がより好ましい。
上記リビングラジカル重合において重合するモノマーとして、架橋性官能基を有するモノマーを配合することが好ましい。
上記水酸基を有するモノマーとしては、例えば、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
上記カルボキシル基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸が挙げられる。なかでもアクリル酸が好適である。
上記グリシジル基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記アミド基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等が挙げられる。
上記ニトリル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル等が挙げられる。
上記水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いた場合、その含有量は特に限定されないが、上記リビングラジカル重合において重合するラジカル重合性モノマー中の好ましい上限は30重量%である。上記含有量が30重量%を超えると、上記粘着剤層のゲル分率が高くなりすぎて粘着テープが剥がれやすくなり、被着体に対する定荷重剥離性が低下することがある。
上記カルボキシル基を有するアクリル系モノマーを用いる場合、その含有量は特に限定されないが、上記リビングラジカル重合において重合するラジカル重合性モノマー中の好ましい下限は0.1重量%、好ましい上限は10重量%である。上記含有量が0.1重量%未満であると、上記粘着剤層が柔らかくなりすぎて、耐熱性が低下することがある。上記含有量が10重量%を超えると、上記粘着剤層が硬くなりすぎて、粘着テープが剥がれやすくなることがある。
上記リビングラジカル重合において重合するアクリル系モノマーは、架橋性官能基を有するアクリル系モノマー以外の他のラジカル重合性モノマーを用いてもよい。上記他のラジカル重合性モノマーとしては、例えば、他の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。また、上記アクリル系モノマーに加えて、ビニル化合物をモノマーとして用いてもよい。
上記他の(メタ)アクリル酸エステルは特に限定されず、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステルや、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸エステルは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ビニル化合物は特に限定されず、例えば、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−アクリロイルモルフォリン、スチレン、酢酸ビニル等が挙げられる。これらのビニル化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記リビングラジカル重合においては、分散安定剤を用いてもよい。上記分散安定剤として、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合の方法として、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合において重合溶媒を用いる場合、該重合溶媒は特に限定されず、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の非極性溶媒や、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド等の高極性溶媒を用いることができる。これらの重合溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、重合温度は、重合速度の観点から0〜110℃が好ましい。
上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマーは、分子量分布(Mw/Mn)が1.05〜2.5である。上記分子量分布が2.5を超えると、上記リビングラジカル重合において生成した低分子量成分等が増えるため、粘着テープが剥がれやすくなり、被着体に対する定荷重剥離性が低下する。上記分子量分布の好ましい上限は2.0であり、より好ましい上限は1.8であり、更に好ましい上限は1.7である。
上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマーは、重量平均分子量(Mw)の好ましい下限が30万、好ましい上限が200万である。上記重量平均分子量が30万未満であると、上記粘着剤層が柔らかくなりすぎて、耐熱性が低下することがある。上記重量平均分子量が200万を超えると、塗工時の粘度が高すぎて塗工し難くなり、上記粘着剤層の厚みムラを発生させてしまうことがある。上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマーの重量平均分子量(Mw)のより好ましい下限は40万、より好ましい上限は150万である。
なお、分子量分布(Mw/Mn)は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比である。
重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパミエーションクロマトグラフィ(GPC)法によりポリスチレン換算分子量として測定される。具体的には、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルターで濾過し、得られた濾液を用いてGPC法によりポリスチレン換算分子量として測定される。GPC法では、例えば、2690 Separations Model(Waters社製)等を使用できる。
上記粘着剤層は、上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマー以外のポリマー成分、例えば、フリーラジカル重合により得られたポリマー等を含有してもよい。
ただし、上記ポリマー成分中における上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマーの含有量の好ましい下限は60重量%であり、ポリマー成分の全量(100重量%)が上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマーであることがより好ましい。ポリマー成分中の上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマーの含有量を60重量%以上とすることにより、薄くとも剥がれにくく、ポリカーボネート(PC)板やポリプロピレン(PP)板等の被着体に対しても高い定荷重剥離性を発揮できる熱伝導性粘着テープを得ることができる。
なお、後述する粘着付与樹脂は、ポリマー成分には含まない。
上記粘着剤層は、熱伝導性フィラーを含有する。
上記熱伝導性フィラーの材質は特に限定されず、例えば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、酸化アルミニウム、ダイヤモンド、アルミニウム、窒化珪素、ジルコニア、酸化マグネシウム等が挙げられる。なかでも、高温時でも絶縁性及び耐熱性を保ち、熱伝導性の高い熱伝導性接着剤が得られることから、酸化アルミニウムが特に好ましい。
上記熱伝導性フィラーの平均粒子径は特に限定されないが、好ましい下限が0.1μm、好ましい上限が10μmである。上記熱伝導性フィラーの平均粒子径が0.1μm未満であると、熱伝導性粘着剤塗液の粘度が高くなってテープ作成時の塗布性、作業性等が低下することがある。上記熱伝導性フィラーの平均粒子径が10μmを超えると、薄い粘着剤層の表面が荒れて、被着体への密着性が低下し、定荷重剥離性が低下することがある。上記熱伝導性フィラーの平均粒子径のより好ましい下限は0.2μm、より好ましい上限は3μmである。
上記熱伝導性フィラーの形状は特に限定されない。
上記熱伝導性フィラーのアスペクト比は特に限定されないが、好ましい下限が2、好ましい上限が80であり、より好ましい下限が10、より好ましい上限が50である。
なお、本明細書においてアスペクト比とは、粒子の短径の長さに対する粒子の長径の長さの比(長径の長さ/短径の長さ)を意味する。アスペクト比の値が1に近いほど熱伝導性フィラーの形状は真球に近くなる。
上記粘着剤層中の上記熱伝導性フィラーの含有量の好ましい下限は20容量%、好ましい上限は80容量%である。上記熱伝導性フィラーの含有量が20容量%未満であると、充分な熱伝導性が得られないことがあり、80容量%を超えると、被着体への密着性が低下し、定荷重剥離性が低下することがある。上記熱伝導性フィラーの含有量のより好ましい下限は30容量%、より好ましい上限は60容量%である。
なお、上記容量%は、比重を用いて計算することができる。
上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマーが架橋性官能基を有する場合、上記粘着剤層は架橋剤を含有することが好ましい。上記架橋剤の種類又は量を適宜調整することによって、上記粘着剤層のゲル分率を調整しやすくなる。上記架橋剤は特に限定されず、上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマーの架橋性官能基の種類に応じて、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等を選択して用いる。
例えば、上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマーが架橋性官能基として水酸基を有する場合、架橋剤として例えばイソシアネート系架橋剤を用いることにより、上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマーを架橋させることができる。また、上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマーが架橋性官能基としてカルボキシル基を有する場合、架橋剤として例えばエポキシ系架橋剤又はアジリジン系架橋剤を用いることにより、上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマー架橋させることができる。
リビングラジカル重合アクリル系ポリマーは、含有する全てのポリマーの組成が均一で、架橋性官能基を有することから、全てのポリマーがポリマー鎖間の架橋に関与することができる。このため、薄い粘着テープであっても剥がれにくく、被着体に対して高い定荷重剥離性を発揮できる粘着テープを得ることができる。
なかでも、基材に対する密着安定性に優れるため、イソシアネート系架橋剤が好ましい。上記イソシアネート系架橋剤として、例えば、コロネートHX(日本ポリウレタン工業社製)、コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)、マイテックNY260A(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記架橋剤の配合量は、上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマー100重量部に対して0.01〜5重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。この範囲内で、上記粘着剤層のゲル分率を15重量%以下に調整できる。
上記粘着剤層は、更に、粘着付与樹脂を含有することが好ましい。上記粘着剤層が粘着付与樹脂を含有することにより、粘着テープの被着体に対する定荷重剥離性が向上する。なかでも、架橋性官能基を有する粘着付与剤を用いる場合には、架橋剤を介して上記架橋性官能基を有するリビングラジカル重合アクリル系ポリマーと架橋させることができる。
上記粘着付与樹脂は、水酸基価の好ましい下限が25、好ましい上限が55である。上記水酸基価が上記範囲を外れると、粘着テープの被着体に対する定荷重剥離性が低下することがある。上記水酸基価のより好ましい下限は30、より好ましい上限は50である。
なお、水酸基価は、JIS K1557(無水フタル酸法)により測定できる。
上記粘着付与樹脂は、軟化温度の好ましい下限が70℃、好ましい上限が170℃である。上記軟化温度が70℃未満であると、上記粘着付与樹脂が柔らかすぎて定荷重剥離性が低下することがある。上記軟化温度が170℃を超えると、上記粘着剤層が硬くなりすぎて、粘着テープが剥がれやすくなり、被着体に対する定荷重剥離性が低下することがある。上記軟化温度のより好ましい下限は120℃である。
なお、軟化温度とは、JIS K2207環球法により測定した軟化温度である。
上記粘着付与樹脂は特に限定されず、ロジンエステル系樹脂等のロジン系樹脂、テルペンフェノール樹脂等のテルペン系樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。なかでも、ロジンエステル系樹脂、テルペンフェノール樹脂が好ましい。
上記ロジンエステル系樹脂とは、アビエチン酸を主成分とするロジン樹脂、不均化ロジン樹脂及び水添ロジン樹脂、アビエチン酸等の樹脂酸の二量体(重合ロジン樹脂)等を、アルコールによってエステル化させて得られた樹脂である。エステル化に用いたアルコールの水酸基の一部がエステル化に使用されずに樹脂内に含有されることで、水酸基価が上記範囲に調整される。アルコールとしては、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールが挙げられる。
なお、ロジン樹脂をエステル化した樹脂がロジンエステル樹脂、不均化ロジン樹脂をエステル化した樹脂が不均化ロジンエステル樹脂、水添ロジン樹脂をエステル化した樹脂が水添ロジンエステル樹脂、重合ロジン樹脂をエステル化した樹脂が重合ロジンエステル樹脂である。
上記テルペンフェノール樹脂とは、フェノールの存在下においてテルペンを重合させて得られた樹脂である。
上記不均化ロジンエステル樹脂としては、例えば、荒川化学工業社製スーパーエステルA75(水酸基価23、軟化温度75℃)、同社製スーパーエステルA100(水酸基価16、軟化温度100℃)、同社製スーパーエステルA115(水酸基価19、軟化温度115℃)、同社製スーパーエステルA125(水酸基価15、軟化温度125℃)等が挙げられる。上記水添ロジンエステル樹脂としては、例えば、荒川化学工業社製パインクリスタルKE−359(水酸基価42、軟化温度100℃)、同社製エステルガムH(水酸基価29、軟化温度70℃)等が挙げられる。上記重合ロジンエステル樹脂としては、例えば、荒川化学工業社製ペンセルD135(水酸基価45、軟化温度135℃)、同社製ペンセルD125(水酸基価34、軟化温度125℃)、同社製ペンセルD160(水酸基価42、軟化温度160℃)等が挙げられる。
上記テルペン系樹脂としては、例えば、ヤスハラケミカル社製YSポリスターG150(軟化点150℃)、同社製YSポリスターT100(軟化点100℃)、同社製YSポリスターG125(軟化点125℃)、同社製YSポリスターT115(軟化点115℃)、同社製YSポリスターT130(軟化点130℃)等が挙げられる。
これらの粘着付与樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記粘着付与樹脂の含有量は、上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマー100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が40重量部である。上記含有量が5重量部未満であると、充分な定荷重剥離性向上効果が得られないことがある。上記含有量が40重量部を超えても、ガラス転移温度(Tg)の上昇により上記粘着剤層が硬くなりすぎて、粘着テープが剥がれやすくなることがある。
上記粘着剤層は、必要に応じて、可塑剤、乳化剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤、酸化防止剤等の添加剤等のその他の樹脂等を含有していてもよい。
上記粘着剤層は、熱伝導性フィラーを除いた部分のゲル分率が15重量%以下であることが好ましい。
フリーラジカル重合アクリル系ポリマーをポリマー成分として含有する粘着剤層を有する粘着テープでは、ゲル分率を低くすると定荷重剥離性は向上するものの、粘着剤凝集力が低下することからかえって剥離しやすくなる。一方、ゲル分率を高くすると、粘着剤凝集力は向上するものの、定荷重剥離性は低下する。このため、フリーラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーをポリマー成分として含有する粘着剤層では、ゲル分率を15〜35重量%に調整して定荷重剥離性と粘着剤凝集力を両立することが一般的である。
一方、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーをポリマー成分として含有する粘着剤層を有する粘着テープでは、ゲル分率が80重量%以上であると接着力が低下して、剥離時に糊残りしないという性能が発揮されることが知られている。このことは、ゲル分率を80重量%未満とすることにより接着力が上昇することを意味する。しかしながら、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーをポリマー成分として含有する粘着剤層を有する粘着テープにおいて、薄くとも剥がれにくく、被着体に対して高い定荷重剥離性を発揮できるゲル分率の範囲については知られていなかった。
本発明者らは、鋭意検討の結果、上記粘着剤層の熱伝導性フィラーを除いた部分のゲル分率を15重量%以下とすることにより、薄くとも剥がれにくく、被着体に対して高い定荷重剥離性を発揮できることを見出した。これは、リビングラジカル重合アクリル系ポリマーは、含有する全てのポリマーの組成が均一で架橋性官能基を有することから、全てのポリマーがポリマー鎖間の架橋に関与することができるため、薄くとも充分な粘着剤凝集力を発揮できることができ、かつ、定荷重剥離力が向上するためと考えられる。
上記ゲル分率が15重量%を超えると、上記粘着剤層が硬くなり、被着体に対する定荷重剥離性が低下する。上記ゲル分率は、10重量%以下であることが好ましく、5重量%以下であることがより好ましい。
なお、ゲル分率は、次のようにして測定される。まず、粘着テープを50mm×100mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させる。乾燥後の試験片の重量を測定し、下記式(1)を用いてゲル分率を算出する。なお、試験片には、粘着剤層を保護するための離型フィルムは積層されていないものとする。
ゲル分率(重量%)=100×(W2−W0−(W1−W0)×P)/((W1−W0)−(W1−W0)×P) (1)
(W0:基材の重量、W1:浸漬前の試験片の重量、W2:浸漬、乾燥後の試験片の重量、P:粘着剤層中の伝熱フィラーの重量分率)
本発明の熱伝導性粘着テープは、薄くても剥がれにくいため、用途に応じて上記粘着剤層、及び、後述する基材を薄くすることができる。
上記粘着剤層の厚みは用途によって設定されるので特に限定されないが、好ましい下限が1μm、好ましい上限が20μmである。上記厚みが1μm未満であると、粘着テープが剥がれやすくなり、被着体に対する定荷重剥離性が低下することがある。上記厚みが20μmを超えると、充分に高い熱伝導性を発揮でぎないことがある。上記粘着剤層の厚みのより好ましい下限は2μm、より好ましい上限は15μmであり、更に好ましい下限は3μm、更に好ましい上限は10μmである。
本発明の熱伝導性粘着テープは、基材を有するサポートタイプであってもよいし、基材を有さないノンサポートタイプであってもよい。サポートタイプの場合には、基材の片面に上記粘着剤層が形成されていてもよいし、両面に上記粘着剤層が形成されていてもよい。
上記基材は特に限定されないが、樹脂フィルム、樹脂発泡体、紙、不織布、ヤーンクロス布等が挙げられる。また、アルミ箔等の熱伝導性の高い基材も用いることができる。
本発明の熱伝導性粘着テープの製造方法は特に限定されず、例えば、上記リビングラジカル重合アクリル系ポリマーに上記熱伝導性フィラー、必要に応じて上記粘着付与樹脂、架橋剤等のその他の配合成分と共に混合し、攪拌して粘着剤溶液を調製し、続いて、この粘着剤溶液を離型処理したPETフィルムに塗工乾燥させて粘着剤層を形成し、得られた粘着剤層を基材の片面又は両面に転着させる方法、基材に直接塗工乾燥させる方法等が挙げられる。粘着剤溶液を離型処理したPETフィルムに塗工乾燥させて形成した粘着剤層を、基材なしでそのままノンサポートタイプの粘着テープとしてもよい。
本発明の熱伝導性粘着テープの用途は特に限定されないが、半導体素子や有機EL素子等の発熱性の電子部品と、ヒートシンクやグラファイトシート等からなる放熱体との接合等に好適に用いることができる。
リビングラジカル重合により得られた分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5のアクリル系ポリマーと、熱伝導性フィラーとを含有する熱伝導性粘着剤組成物もまた、本発明の1つである。
本発明によれば、高い熱伝導性と、発熱体や放熱体に対する高い定荷重剥離性とを備えた熱伝導性粘着テープ及び熱伝導性粘着剤組成物を提供することができる。
リビングラジカル重合を説明する模式図である。 リビングラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーを架橋した場合を説明する模式図である。 フリーラジカル重合を説明する模式図である。 フリーラジカル重合架橋性アクリル系ポリマーを架橋した場合を説明する模式図である。
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。
(リビングラジカル重合アクリル系ポリマーの調製)
Tellurium(40メッシュ、金属テルル、アルドリッチ社製)6.38g(50mmol)をテトラヒドロフラン(THF)50mLに懸濁させ、これに1.6mol/Lのn−ブチルリチウム/ヘキサン溶液(アルドリッチ社製)34.4mL(55mmol)を、室温でゆっくり滴下した。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで攪拌した。この反応溶液に、エチル−2−ブロモーイソブチレート10.7g(55mmol)を室温で加え、2時間攪拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物の2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチルを得た。
アルゴン置換したグローブボックス内で、反応容器中に、合成例1−1で製造した2−メチル−2−n−ブチルテラニル−プロピオン酸エチル35μL、V−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)2.6mg、酢酸エチル1mLを投入した後、反応容器を密閉し、反応容器をグローブボックスから取り出した。続いて、反応容器にアルゴンガスを流入しながら、反応容器内に、モノマーとしてブチルアクリレート60.0g、2−エチルヘキシルアクリレート36.7g、アクリル酸3g及び2−ヒドロキシエチルアクリレート0.3g、重合溶媒として酢酸エチル66.5gを投入し、60℃で20時間重合反応を行い、リビングラジカル重合アクリル系ポリマー含有溶液を得た。
得られたリビングラジカル重合アクリル系ポリマーをテトラヒドロフラン(THF)によって50倍希釈して得られた希釈液をフィルター(材質:ポリテトラフルオロエチレン、ポア径:0.2μm)で濾過し、得られた濾液をゲルパミエーションクロマトグラフ(Waters社製、2690 Separations Model)に供給して、サンプル流量1ミリリットル/min、カラム温度40℃の条件でGPC測定を行い、ポリマーのポリスチレン換算分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)は68万、分子量分布(Mw/Mn)は1.5であった。なお、カラムとしてはGPC KF−806L(昭和電工社製)を用い、検出器としては示差屈折計を用いた。
(フリーラジカル重合アクリル系ポリマーの調製)
反応容器内に、重合溶媒として酢酸エチル40gを加え、窒素でバブリングした後、窒素を流入しながら反応容器を加熱して還流を開始した。続いて、重合開始剤としてV−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)0.15gを酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に投入し、ブチルアクリレート60.0g、2−エチルヘキシルアクリレート36.7g、アクリル酸3g及び2−ヒドロキシエチルアクリレート0.3gからなる混合モノマーの合計100gを3時間かけて滴下添加した。滴下終了後、重合開始剤としてV−60(2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、和光純薬工業社製)0.15gを酢酸エチルで10倍希釈した重合開始剤溶液を反応容器内に再度投入し、4時間重合反応を行い、フリーラジカル重合アクリル系ポリマー含有溶液を得た。
リビングラジカル重合アクリル系ポリマーと同様にして測定したところ、重量平均分子量(Mw)は68万、分子量分布(Mw/Mn)は6.2であった。
(実施例1〜8、比較例1〜5)
上記で得られたラジカル重合アクリル系ポリマー含有溶液に、その不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌し、熱伝導性フィラーとしてA−50−K(アルミナ粒子、平均粒径1.2μm、昭和電工社製)を、架橋剤としてコロネートL(イソシアネート系架橋剤、日本ポリウレタン社製)、粘着付与樹脂としてペンセルD135(重合ロジンエステル、荒川化学社製)又はYSポリスターG150(テルペンフェノール樹脂、ヤスハラケミカル社製)を表1に示す所定量添加して攪拌し、不揮発分30重量%の粘着剤溶液を得た。厚み50μmの離型処理したPETフィルムに、得られた粘着剤溶液を、乾燥後に表1に示すテープ厚みとなるように塗工した後、70℃で10分間乾燥させ、粘着テープを得た。なお、粘着剤層の両側の表面には、粘着剤層を保護するための離型フィルムを積層した。
得られた粘着テープを50mm×100mmの平面長方形状に裁断して試験片を作製し、離型フィルムを剥離除去した。試験片を酢酸エチル中に23℃にて24時間浸漬した後、酢酸エチルから取り出して、110℃の条件下で1時間乾燥させた。乾燥後の試験片の重量を測定し、上記式(1)を用いてゲル分率を算出した。
(評価)
実施例、比較例で得られた熱伝導性粘着テープについて、下記の評価を行った。結果を表1に示した。
(1)熱伝導性の評価
得られた熱伝導性粘着テープを10mm×10mmにカットしたサンプルについて、熱伝導率測定装置(LFA447ナノフラッシュ、NETZSCH社製)を用いて熱伝導率の測定を行った。
(2)被着体に対する定荷重剥離性の評価
幅20mm×50mmの裏打ちした熱伝導性粘着テープを、アルミ(SUS)板又はポリカーボネート(PC)板に貼り、23℃50%湿度で一晩養生した後、85℃で90°の方向に50gの荷重を掛け、剥離時間を測定した。得られた剥離時間をもとに、下記の基準にて定荷重剥離性を評価した。
◎:剥離時間が1時間以上
○:剥離時間が30分以上、1時間未満
△:剥離時間が15分以上、30分未満
×:剥離時間が15分未満
Figure 2018135539
本発明によれば、高い熱伝導性と、発熱体や放熱体に対する高い定荷重剥離性とを備えた熱伝導性粘着テープ及び熱伝導性粘着剤組成物を提供することができる。
1 リビングラジカル重合アクリル系ポリマー
11 架橋性官能基を含まないモノマー
12 架橋性官能基含有モノマー
2 フリーラジカル重合アクリル系ポリマー
21 架橋性官能基を含まないモノマー
22 架橋性官能基含有モノマー
23 反応の途中で生長末端ラジカルが失活したポリマー
24 反応中に新しく発生したラジカル種により生長したポリマー

Claims (6)

  1. リビングラジカル重合により得られた分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5のアクリル系ポリマーと、熱伝導性フィラーとを含有する粘着剤層を有することを特徴とする熱伝導性粘着テープ。
  2. リビングラジカル重合により得られた分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5のアクリル系ポリマーが架橋性官能基を有し、かつ、粘着剤層が架橋剤を含有することを特徴とする請求項1記載の熱伝導性粘着テープ。
  3. 粘着剤層が、更に粘着付与樹脂を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の熱伝導性粘着テープ。
  4. 熱伝導性フィラーを粘着剤層中に20〜80容量%有することを特徴とする請求項1、2又は3記載の熱伝導性粘着テープ。
  5. 粘着剤層の厚みが1〜20μmであることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の熱伝導性粘着テープ。
  6. リビングラジカル重合により得られた分子量分布(Mw/Mn)1.05〜2.5のアクリル系ポリマーと、熱伝導性フィラーとを含有することを特徴とする熱伝導性粘着剤組成物。
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