JP2023024335A - 粘着テープ - Google Patents

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JP2023024335A JP2022121144A JP2022121144A JP2023024335A JP 2023024335 A JP2023024335 A JP 2023024335A JP 2022121144 A JP2022121144 A JP 2022121144A JP 2022121144 A JP2022121144 A JP 2022121144A JP 2023024335 A JP2023024335 A JP 2023024335A
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友也 川本
Tomoya Kawamoto
雄大 緒方
Takehiro Ogata
智基 戸田
Tomoki Toda
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Abstract

【課題】粗面に対して高い接着力を有し、かつ、高温におけるせん断強度に優れた粘着テープを提供する。【解決手段】基材と粘着剤層とを有する粘着テープであって、前記粘着剤層は、(メタ)アクリル共重合体及び架橋剤を含有し、前記粘着剤層のゾル成分について示差屈折計RI検出によるGPC測定を行ったとき、分子量5000以上の領域において、分子量15万以下の割合が5%以上20%以下、かつ、分子量50万以上の割合が1%以上20%以下である粘着テープ。【選択図】なし

Description

本発明は、粘着テープに関する。
半導体ウエハ、液晶用ガラス基板等を所定の厚さにまで研磨する工程(例えば、Chemical-Mechanical-Polishing(CMP)工程)においては、研磨機の定盤に固定された研磨パッド(研磨布)を用いて研磨が行われる。研磨パッドを研磨機の定盤に固定するためには、通常、両面粘着テープが使用される。この研磨パッド固定用両面粘着テープには、研磨中に研磨パッドが剥離しない程度に充分な接着力を有するとともに、使用した研磨パッドを交換する際には定盤から糊残りなく再剥離できることが求められる。
研磨パッド固定用両面粘着テープとして、例えば、特許文献1及び2には、プラスチックフィルム支持体の片側に、特定の熱活性接着剤を設け、プラスチックフィルム支持体の他方の面に再はく離型の粘着剤層を設け、該熱活性接着剤層が研磨材との貼合わせ面となる研磨材固定用両面接着テープが記載されている。
特開平6-145611号公報 特開平6-172721号公報
研磨パッド固定用両面粘着テープに要求される性能は、年々高度になってきている。例えば、研磨効率を高めるために研磨速度を上げようとすると、研磨中に使用する強酸性又は強アルカリ性のスラリー液の量を増やすとともに、軟質の研磨パッドを用いることが必要となる。このような軟質の研磨パッドとしては、例えば、ポリウレタン発泡体等が検討されている。しかしながら、軟質の研磨パットは表面に多くの空洞を有し、表面が粗いことから、研磨パッド固定用両面粘着テープの密着性が悪く、接着力が不充分となることが問題である。
また、研磨効率を高めるために研磨速度を上げると、摩擦熱で温度が上昇したり強いせん断力が加わったりすることにより、粘着剤層のずれ又は剥離が生じやすくなることも問題である。研磨パッド固定用両面粘着テープには、このように高温において強いせん断力が加わった場合のずれ又は剥離に対する耐性(クリープ耐性)にも優れることが求められている。
本発明は、粗面に対して高い接着力を有し、かつ、高温におけるせん断強度に優れた粘着テープを提供することを目的とする。特に、本発明は、粗面を有する研磨パッドに対して高い接着力を有し、かつ、高温におけるせん断強度に優れた粘着テープを提供することを目的とする。
本開示1は、基材と粘着剤層とを有する粘着テープであって、前記粘着剤層は、(メタ)アクリル共重合体及び架橋剤を含有し、前記粘着剤層のゾル成分について示差屈折計RI検出によるGPC測定を行ったとき、分子量5000以上の領域において、分子量15万以下の割合が5%以上20%以下、かつ、分子量50万以上の割合が1%以上20%以下である粘着テープである。
本開示2は、前記粘着剤層のゾル成分について示差屈折計RI検出によるGPC測定を行ったとき、分子量5000以上の領域において、分子量分布のピーク(Mp)が15万以上40万以下である本開示1の粘着テープである。
本開示3は、前記粘着剤層のゾル成分について示差屈折計RI検出によるGPC測定を行ったとき、分子量5000以上の領域において、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.5以下である本開示1又は2の粘着テープである。
本開示4は、前記粘着剤層は、100℃における貯蔵弾性率G’(100℃)が4×10Pa以上である本開示1、2又は3の粘着テープである。
本開示5は、前記粘着剤層は、更に、粘着付与樹脂を含み、前記粘着付与樹脂の軟化温度が100℃以上180℃以下であり、前記粘着付与樹脂の含有量が前記(メタ)アクリル共重合体100重量部に対して10重量部以上60重量部以下である本開示1、2、3又は4の粘着テープである。
本開示6は、前記(メタ)アクリル共重合体は、カルボキシ基含有モノマーに由来する構成単位を8重量%以上含有する本開示1、2、3、4又は5の粘着テープである。
本開示7は、前記(メタ)アクリル共重合体は、炭素数4以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量が25重量%以上70重量%以下であり、炭素数6以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量が22重量%以上67重量%以下である本開示1、2、3、4、5又は6の粘着テープである。
本開示8は、前記粘着剤層は、厚みが10μm以上150μm以下である本開示1、2、3、4、5、6又は7の粘着テープである。
本開示9は、前記基材の両面に前記粘着剤層を有する本開示1、2、3、4、5、6、7又は8の粘着テープである。
本開示10は、研磨機の定盤に研磨パッドを固定するために用いられる本開示1、2、3、4、5、6、7、8又は9の粘着テープである。
以下、本発明を詳述する。
本発明者らは、研磨機の定盤に研磨パッドを固定するための粘着剤層、特に、研磨パッドとの貼り合わせ面に使用しうる粘着剤層として、(メタ)アクリル共重合体及び架橋剤を含有する粘着剤層を用い、該粘着剤層のゾル成分の分子量分布を適正化することを検討した。具体的には、該粘着剤層のゾル成分について示差屈折計RI検出によるGPC測定を行ったとき、分子量5000以上の領域において、分子量が15万以下の低分子量成分の割合、及び、分子量が50万以上の高分子量成分の割合を特定範囲に調整することを検討した。本発明者らは、このような粘着剤層を有する粘着テープであれば、粗面に対して高い接着力を有し、かつ、高温におけるせん断強度に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の粘着テープは、基材と粘着剤層とを有する粘着テープであって、上記粘着剤層は、(メタ)アクリル共重合体及び架橋剤を含有する。
上記粘着剤層は、該粘着剤層のゾル成分について示差屈折計RI検出によるGPC測定を行ったとき、分子量5000以上の領域において、分子量15万以下の割合が5%以上20%以下、かつ、分子量50万以上の割合が1%以上20%以下である。
なお、本明細書中において(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。
ここで、「ゾル成分」とは、上記粘着剤層から「ゲル成分」を除いた成分を意味する。即ち、「ゾル分率(重量%)=100(重量%)-ゲル分率(重量%)」の関係が成り立つ。なお、「ゲル成分」は、上記(メタ)アクリル共重合体、必要に応じて配合される粘着付与樹脂等が上記架橋剤を介して架橋構造を構築している流動性の低い成分であり、「ゾル成分」は、そのような架橋構造に関与していない流動性の高い成分である。示差屈折計RI検出によるGPC測定では、主に、上記粘着剤層のゾル成分に含まれる(メタ)アクリル共重合体についての分子量分布を知ることができる。
上記粘着剤層のゾル成分は、例えば、上記粘着剤層をテトラヒドロフラン(THF)中に23℃にて24時間浸漬し、不溶解分を200メッシュの金網で濾過して取り除くことで得ることができる。
上記粘着剤層のゾル成分について示差屈折計RI検出によるGPC測定を行うときは、例えば、次の方法を採用することができる。即ち、カラムとしてSHOKO社製カラムLF-804を用い、上記粘着剤層のゾル成分について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(Waters社製、2690 Separations Model)による分析を行い、ポリスチレン換算による分子量分布を測定する。
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.4mL/min
検出器:示差屈折計RI
カラム温度(測定温度):40℃
注入量:20μL
上記分子量15万以下の割合(低分子量成分の割合)が5%以上であれば、上記粘着剤層のバルクの流動性が上がり、粗面に対して高い接着力を有することができる。上記分子量15万以下の割合が20%以下であれば、上記粘着剤層のバルクの凝集力が必要以上に低下することがないため、上記粘着剤層の高温におけるせん断強度が向上する。上記分子量15万以下の割合の好ましい下限は7%、好ましい上限は18%であり、より好ましい下限は8%、より好ましい上限は15%である。
上記分子量50万以上の割合(高分子量成分の割合)が1%以上であれば、上記粘着剤層のバルクの凝集力が上がり、高温におけるせん断強度が向上する。上記分子量50万以上の割合が20%以下であれば、上記粘着剤層のバルクの流動性が必要以上に低下することがないため、上記粘着剤層は、粗面に対して高い接着力を有することができる。上記分子量50万以上の割合の好ましい下限は2.5%、好ましい上限は15%であり、より好ましい下限は4%、より好ましい上限は10%である。
上記粘着剤層は、該粘着剤層のゾル成分について示差屈折計RI検出によるGPC測定を行ったとき、分子量5000以上の領域において、分子量分布のピーク(Mp)が15万以上40万以下であることが好ましい。
上記分子量分布のピーク(Mp)が15万以上であれば、高分子量成分の割合が増加するとともに低分子量成分の割合が減少するため、上記粘着剤層のバルクの凝集力がより上がり、高温におけるせん断強度がより向上する。上記分子量分布のピーク(Mp)が40万以下であれば、高分子量成分の割合が減少するとともに低分子量成分の割合が増加するため、上記粘着剤層のバルクの流動性がより上がり、粗面に対してより高い接着力を有することができる。上記分子量分布のピーク(Mp)のより好ましい下限は17.5万、より好ましい上限は35万であり、更に好ましい下限は20万、更に好ましい上限は30万である。
なお、分子量分布のピーク(Mp)とは、分子量分布曲線における最も高いピークにおける分子量を意味する。分子量分布曲線にショルダーが存在したりピークが2以上存在したりする場合であっても、分子量分布のピーク(Mp)とは、分子量分布曲線における最も高いピークを意味する。
上記粘着剤層は、該粘着剤層のゾル成分について示差屈折計RI検出によるGPC測定を行ったとき、分子量5000以上の領域において、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.5以下であることが好ましい。
上記比(Mw/Mn)が2.5以下であれば、低分子量成分の割合と高分子量成分の割合とがいずれも低下するため、上記粘着剤層は、高温におけるせん断強度がより向上し、かつ、粗面に対してより高い接着力を有することができる。上記比(Mw/Mn)のより好ましい上限は2、更に好ましい上限は1.5である。
上記粘着剤層のゾル成分について、上記分子量15万以下の割合、上記分子量50万以上の割合、上記分子量分布のピーク(Mp)、及び、上記比(Mw/Mn)を上記範囲に調整する方法は特に限定されない。これらを上記範囲に調整する方法としては、例えば、上記(メタ)アクリル共重合体の組成を調整する方法、上記(メタ)アクリル共重合体の組成をより均一にする方法、上記(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)を小さくする方法、上記(メタ)アクリル共重合体の重合反応時間及び重合反応温度を調整する方法、上記(メタ)アクリル共重合体の重合仕込みモノマー濃度を調整する方法、上記(メタ)アクリル共重合体の重合開始剤及び触媒の種類及び添加量を調整する方法、上記(メタ)アクリル共重合体の重合溶媒の種類及びその量を調整する方法、上記(メタ)アクリル共重合体の重合時に連鎖移動剤を添加する方法等が挙げられる。
より具体的には、リビングラジカル重合により得られた(メタ)アクリル共重合体を用いる方法が好ましい。リビングラジカル重合は、重合反応が停止反応又は連鎖移動反応等の副反応で妨げられることなく分子鎖が生長していく重合である。リビングラジカル重合では、生長末端ラジカルが失活することなく、また、反応中に新しくラジカル種が発生することもなく、反応が進行する。その反応途中では、全ての分子鎖が均一にモノマーと反応しながら重合し、全ての分子鎖の組成は均一に近づく。
従って、リビングラジカル重合によれば、フリーラジカル重合と比較してより均一な分子量及び組成を有する共重合体が得られ、低分子量成分等の生成を抑えることができるため、上記(メタ)アクリル共重合体の組成がより均一になりやすく、かつ、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が小さくなりやすい。上記(メタ)アクリル共重合体がカルボキシ基含有モノマー等の架橋性官能基含有モノマーに由来する構成単位を有する場合には、上記(メタ)アクリル共重合体における架橋点もより均一に存在しやすい。
また、上記リビングラジカル重合に用いる重合開始剤の添加量を調整すること、重合反応温度を調整すること、又は、重合反応時間を調整することで、上記(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)を調整し、上記粘着剤層のゾル成分についての上記分子量分布のピーク(Mp)を上記範囲に調整することができる。
上記リビングラジカル重合に用いる重合開始剤の添加量は特に限定されないが、上記(メタ)アクリル共重合体を構成するモノマー混合物100重量部に対する好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限は0.5重量部である。上記添加量のより好ましい下限は0.02重量部、より好ましい上限は0.3重量部である。
上記リビングラジカル重合のなかでも、有機テルル重合開始剤を用いたリビングラジカル重合は、他のリビングラジカル重合とは異なり、カルボキシ基含有モノマー等の架橋性官能基含有モノマーを保護することなく、同一の開始剤で重合して均一な分子量及び組成を有する共重合体を得ることができる。このため、カルボキシ基含有モノマー等の架橋性官能基含有モノマーを容易に共重合することができる。
上記有機テルル重合開始剤は、リビングラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、有機テルル化合物、有機テルリド化合物等が挙げられる。
上記有機テルル化合物として、例えば、(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、(1-メチルテラニル-エチル)ベンゼン、(2-メチルテラニル-プロピル)ベンゼン、1-クロロ-4-(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-ヒドロキシ-4-(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-メトキシ-4-(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-アミノ-4-(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-ニトロ-4-(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-シアノ-4-(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-メチルカルボニル-4-(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-フェニルカルボニル-4-(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-メトキシカルボニル-4-(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-フェノキシカルボニル-4-(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-スルホニル-4-(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-トリフルオロメチル-4-(メチルテラニル-メチル)ベンゼン、1-クロロ-4-(1-メチルテラニル-エチル)ベンゼン、1-ヒドロキシ-4-(1-メチルテラニル-エチル)ベンゼン、1-メトキシ-4-(1-メチルテラニル-エチル)ベンゼン、1-アミノ-4-(1-メチルテラニル-エチル)ベンゼン、1-ニトロ-4-(1-メチルテラニル-エチル)ベンゼン、1-シアノ-4-(1-メチルテラニル-エチル)ベンゼン、1-メチルカルボニル-4-(1-メチルテラニル-エチル)ベンゼン、1-フェニルカルボニル-4-(1-メチルテラニル-エチル)ベンゼン、1-メトキシカルボニル-4-(1-メチルテラニル-エチル)ベンゼン、1-フェノキシカルボニル-4-(1-メチルテラニル-エチル)ベンゼン、1-スルホニル-4-(1-メチルテラニル-エチル)ベンゼン、1-トリフルオロメチル-4-(1-メチルテラニル-エチル)ベンゼン、1-クロロ-4-(2-メチルテラニル-プロピル)ベンゼン、1-ヒドロキシ-4-(2-メチルテラニル-プロピル)ベンゼン、1-メトキシ-4-(2-メチルテラニル-プロピル)ベンゼン、1-アミノ-4-(2-メチルテラニル-プロピル)ベンゼン、1-ニトロ-4-(2-メチルテラニル-プロピル)ベンゼン、1-シアノ-4-(2-メチルテラニル-プロピル)ベンゼン、1-メチルカルボニル-4-(2-メチルテラニル-プロピル)ベンゼン、1-フェニルカルボニル-4-(2-メチルテラニル-プロピル)ベンゼン、1-メトキシカルボニル-4-(2-メチルテラニル-プロピル)ベンゼン、1-フェノキシカルボニル-4-(2-メチルテラニル-プロピル)ベンゼン、1-スルホニル-4-(2-メチルテラニル-プロピル)ベンゼン、1-トリフルオロメチル-4-(2-メチルテラニル-プロピル)ベンゼン、2-(メチルテラニル-メチル)ピリジン、2-(1-メチルテラニル-エチル)ピリジン、2-(2-メチルテラニル-プロピル)ピリジン、2-メチルテラニル-エタン酸メチル、2-メチルテラニル-プロピオン酸メチル、2-メチルテラニル-2-メチルプロピオン酸メチル、2-メチルテラニル-エタン酸エチル、2-メチルテラニル-プロピオン酸エチル、2-メチルテラニル-2-メチルプロピオン酸エチル、2-メチルテラニルアセトニトリル、2-メチルテラニルプロピオニトリル、2-メチル-2-メチルテラニルプロピオニトリル等が挙げられる。これらの有機テルル化合物中のメチルテラニル基は、エチルテラニル基、n-プロピルテラニル基、イソプロピルテラニル基、n-ブチルテラニル基、イソブチルテラニル基、t-ブチルテラニル基、フェニルテラニル基等であってもよく、また、これらの有機テルル化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記有機テルリド化合物として、例えば、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ-n-プロピルジテルリド、ジイソプロピルジテルリド、ジシクロプロピルジテルリド、ジ-n-ブチルジテルリド、ジ-sec-ブチルジテルリド、ジ-tert-ブチルジテルリド、ジシクロブチルジテルリド、ジフェニルジテルリド、ビス-(p-メトキシフェニル)ジテルリド、ビス-(p-アミノフェニル)ジテルリド、ビス-(p-ニトロフェニル)ジテルリド、ビス-(p-シアノフェニル)ジテルリド、ビス-(p-スルホニルフェニル)ジテルリド、ジナフチルジテルリド、ジピリジルジテルリド等が挙げられる。これらの有機テルリド化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ-n-プロピルジテルリド、ジ-n-ブチルジテルリド、ジフェニルジテルリドが好ましい。
なお、本発明の効果を損なわない範囲内で、上記有機テルル重合開始剤に加えて、重合速度の促進を目的として重合開始剤としてアゾ化合物を用いてもよい。
上記アゾ化合物は、ラジカル重合に一般的に用いられるものであれば特に限定されず、例えば、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、1,1-アゾビス(シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、1-[(1-シアノ-1-メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリアン酸)、ジメチル-2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート)、ジメチル-1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボキシレート)、2,2’-アゾビス{2-メチル-N-[1,1’-ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’-アゾビス[N-(2-プロペニル)-2-メチルプロピオンアミド]、2,2’-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’-アゾビス{2-[1-(2-ヒドロキシエチル)-2-イミダゾリン-2-イル]プロパン}二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシエチル)-2-メチルプロピオンアミジン]四水和物、2,2’-アゾビス(1-イミノ-1-ピロリジノ-2-メチルプロパン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)等が挙げられる。これらのアゾ化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記リビングラジカル重合においては、分散安定剤を用いてもよい。上記分散安定剤として、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合の方法として、従来公知の方法が用いられ、例えば、溶液重合(沸点重合又は定温重合)、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等が挙げられる。
上記リビングラジカル重合において重合溶媒を用いる場合、該重合溶媒は特に限定されず、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン等の非極性溶媒や、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド等の高極性溶媒を用いることができる。これらの重合溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、重合温度は、重合速度の観点から0~110℃が好ましい。
一方、フリーラジカル重合では、反応中に連続的にラジカル種が発生してモノマーに付加し、重合が進行する。そのためフリーラジカル重合では、反応の途中で生長末端ラジカルが失活した分子鎖や、反応中に新しく発生したラジカル種により生長した分子鎖が生成することがある。
従って、フリーラジカル重合によれば、リビングラジカル重合と比較すると共重合体の組成が不均一となり、比較的低分子量の共重合体も含まれる。
ただし、反応時間の短縮やコストを抑える観点からは、フリーラジカル重合を採用してもよい。
上記フリーラジカル重合を採用しつつ、上記(メタ)アクリル共重合体の組成をより均一にしたり、上記(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)を小さくしたりする方法としては、次の方法が好ましい。即ち、上記フリーラジカル重合のなかでも重合温度及びモノマー混合物の濃度を一定に保つような比較的穏やかな重合条件により得られた(メタ)アクリル共重合体を用いる方法である。このような比較的穏やかな重合条件となる重合方法としては、例えば、フリーラジカル定温重合を行う方法等が挙げられる。
上記フリーラジカル重合に用いられる重合開始剤として、例えば、有機過酸化物、上述したようなアゾ化合物等が挙げられる。
上記有機過酸化物として、例えば、1,1-ビス(t-ヘキシルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ヘキシルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシピバレート、2,5-ジメチル-2,5-ビス(2-エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、t-ヘキシルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシ-3,5,5-トリメチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシラウレート等が挙げられる。これらの重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記フリーラジカル重合においても、上記リビングラジカル重合と同様に、上述したような分散安定剤、重合溶媒、重合温度等を採用してもよい。
上記(メタ)アクリル共重合体は特に限定されないが、炭素数4以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有することが好ましい。
上記炭素数4以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは特に限定されず、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの炭素数4以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、ブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記炭素数4以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は25重量%、好ましい上限は70重量%である。上記含有量が25重量%以上であれば、上記(メタ)アクリル共重合体のガラス転移温度(Tg)が充分に高くなるため、上記粘着剤層のバルクの凝集力がより上がり、高温におけるせん断強度がより向上する。上記含有量が70重量%以下であれば、上記(メタ)アクリル共重合体のガラス転移温度(Tg)が高くなりすぎることがなく、上記粘着剤層のバルクの流動性が上がり、粗面に対してより高い接着力を有することができる。上記含有量のより好ましい下限は30重量%、より好ましい上限は65重量%であり、更に好ましい下限は35重量%、更に好ましい上限は60重量%である。
上記(メタ)アクリル共重合体は、炭素数6以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含有することが好ましい。
上記炭素数6以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは特に限定されず、アルキル基の炭素数が6以上16以下であることが好ましく、アルキル基の炭素数が6以上12以下であることがより好ましい。また、上記炭素数6以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、アルキル基が分岐を有していても有していなくてもよいが、分岐を有していないことが好ましい。上記炭素数6以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートのアルキル基が直鎖構造であることにより、上記粘着剤層は、低温から常温では貯蔵弾性率が低い一方で高温においては貯蔵弾性率が高くなるため、高温におけるせん断強度がより向上し、かつ、粗面に対してより高い接着力を有することができる。
上記炭素数6以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとして、具体的には例えば、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n-ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ミリスチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、イソステアリルアクリレート、アラキジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの炭素数6以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なかでも、n-ヘプチル(メタ)アクリレート、及び、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
なお、本明細書中において(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。
上記炭素数6以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は22重量%、好ましい上限は67重量%である。上記含有量が22重量%以上であれば、上記(メタ)アクリル共重合体のガラス転移温度(Tg)が充分に低くなるため、上記粘着剤層のバルクの流動性が上がり、粗面に対してより高い接着力を有することができる。上記含有量が67重量%以下であれば、上記(メタ)アクリル共重合体のガラス転移温度(Tg)が低くなりすぎることがなく、上記粘着剤層のバルクの凝集力がより上がり、高温におけるせん断強度がより向上する。上記含有量のより好ましい下限は27重量%、より好ましい上限は62重量%であり、更に好ましい下限は32重量%、更に好ましい上限は57重量%である。
上記(メタ)アクリル共重合体は、架橋性官能基含有モノマーに由来する構成単位を有することが好ましい。
上記(メタ)アクリル共重合体が上記架橋性官能基含有モノマーに由来する構成単位を有することで、上記(メタ)アクリル共重合体、必要に応じて配合される粘着付与樹脂等が上記架橋剤を介して架橋構造を構築することにより、上記粘着剤層のバルクの凝集力がより上がり、高温におけるせん断強度がより向上する。上記架橋性官能基としては、例えば、水酸基、カルボキシ基、シリル基、グリジシル基、アミノ基、アミド基、ニトリル基、アルコキシ基、アセトアセチル基等が挙げられる。なかでも、上記粘着剤層のバルクの凝集力の調整が容易であることから、水酸基、及び、カルボキシ基が好ましい。
上記水酸基含有モノマーとしては、例えば、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
上記カルボキシ基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。なかでも、アクリル酸が好ましい。
上記グリシジル基含有モノマーとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレートが挙げられる。
上記アミド基含有モノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等が挙げられる。
上記ニトリル基含有モノマーとしては、例えば、アクリロニトリル等が挙げられる。
上記架橋性官能基含有モノマーに由来する構成単位の含有量は特に限定されないが、好ましい下限は0.05重量%、好ましい上限は20重量%である。上記含有量が0.05重量%以上であれば、上記粘着剤層のバルクの凝集力がより上がり、高温におけるせん断強度がより向上する。上記含有量が20重量%以下であれば、上記粘着剤層のバルクの流動性がより上がり、粗面に対してより高い接着力を有することができる。上記含有量のより好ましい下限は0.1重量%、より好ましい上限は15重量%である。
なかでも、上記(メタ)アクリル共重合体が上記カルボキシ基含有モノマーに由来する構成単位を含有する場合、該構成単位の含有量の好ましい下限は8重量%である。上記含有量が8重量%以上であれば、上記(メタ)アクリル共重合体のガラス転移温度(Tg)が充分に高くなるため、上記粘着剤層のバルクの凝集力がより上がり、高温におけるせん断強度がより向上する。また、上記含有量が8重量%以上であれば、上記(メタ)アクリル共重合体の極性も上がるため、上記粘着剤層は、極性の高い被着体に対してより高い接着力を有することができる。上記含有量のより好ましい下限は9重量%、より好ましい下限は10重量%である。
上記(メタ)アクリル共重合体は、必要に応じて、上記炭素数4以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、上記炭素数6以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート、及び、上記架橋性官能基含有モノマーに由来する構成単位以外の共重合可能な他の重合性モノマーに由来する構成単位を含んでいてもよい。
上記(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)は特に限定されないが、上記粘着剤層のゾル成分についての上記分子量分布のピーク(Mp)を上記範囲に調整する観点から、好ましい下限は15万、好ましい上限は45万であり、より好ましい下限は17万、より好ましい上限は40万である。
また、上記(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)も特に限定されないが、上記粘着剤層のゾル成分についての上記重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)を上記範囲に調整する観点から、好ましい上限は2.5、より好ましい上限は2である。
なお、上記(メタ)アクリル共重合体の重量平均分子量(Mw)、及び、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)の測定は、上記粘着剤層のゾル成分について示差屈折計RI検出によるGPC測定を行う場合と同様に行うことができる。
上記架橋剤は特に限定されず、上記(メタ)アクリル共重合体の架橋性官能基の種類に応じて、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等を選択して用いる。なかでも、水酸基及びカルボキシ基に対して選択的に架橋することができ、架橋構造を制御しやすいことから、イソシアネート系架橋剤が好ましい。上記イソシアネート系架橋剤として、例えば、コロネートHX(日本ポリウレタン工業社製)、コロネートL(日本ポリウレタン工業社製)、マイテックNY260A(三菱化学社製)等が挙げられる。
上記架橋剤の種類又は量を適宜調整することによって、上記粘着剤層のバルクの凝集力を調整しやすくなる。
上記架橋剤の官能基数は特に限定されないが、架橋構造が高次元化しやすく、ネットワーク化しやすくなり、上記粘着剤層のバルクの凝集力がより上がることから、複数価であることが好ましい。
上記架橋剤の含有量は特に限定されないが、上記(メタ)アクリル共重合体100重量部に対して0.01~10重量部が好ましく、0.1~7重量部がより好ましい。
上記粘着剤層は、更に、粘着付与樹脂を含有することが好ましい。
上記粘着剤層が粘着付与樹脂を含有することにより、上記粘着剤層は、被着体に対してより高い接着力を有することができる。
上記粘着付与樹脂の軟化温度は特に限定されないが、好ましい下限は100℃、好ましい上限は180℃である。上記軟化温度が100℃以上であれば、上記粘着剤層の耐熱性が増すため、高温におけるせん断強度がより向上する。上記軟化温度が180℃以下であれば、上記粘着剤層が柔軟になりやすく、粗面に対してより高い接着力を有することができる。上記軟化温度のより好ましい下限は110℃、より好ましい上限は170℃であり、更に好ましい下限は120℃、更に好ましい上限は165℃である。
なお、軟化温度とは、JIS K2207環球法により測定した軟化温度である。
上記粘着付与樹脂の水酸基価は特に限定されないが、好ましい下限は25mgKOH/g、好ましい上限は150mgKOH/gであり、より好ましい下限は30mgKOH/g、より好ましい上限は100mgKOH/gである。
なお、水酸基価は、JIS K1557(無水フタル酸法)により測定できる。
上記粘着付与樹脂は特に限定されず、ロジンエステル系樹脂等のロジン系樹脂、テルペンフェノール樹脂等のテルペン系樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。なかでも、ロジンエステル系樹脂、テルペンフェノール樹脂、及び、これらの組み合わせが好ましく、テルペンフェノール樹脂がより好ましい。
上記テルペンフェノール樹脂は、上記(メタ)アクリル共重合体との相溶性がよく、上記(メタ)アクリル共重合体とのグラフト化が進みやすく、上記粘着剤層の内部に取り込まれやすい。このため、上記粘着剤層の表面はポリマーリッチとなって柔軟になり、粗面に対してより高い接着力を有することができる。一方、上記テルペンフェノール樹脂と上記(メタ)アクリル共重合体とのグラフト化によって上記粘着剤層のバルクの凝集力がより上がることから、上記粘着剤層は、高温におけるせん断強度もより向上する。
上記ロジンエステル系樹脂とは、アビエチン酸を主成分とするロジン樹脂、不均化ロジン樹脂及び水添ロジン樹脂、アビエチン酸等の樹脂酸の二量体(重合ロジン樹脂)等を、アルコールによってエステル化させて得られた樹脂である。エステル化に用いたアルコールの水酸基の一部がエステル化に使用されずに樹脂内に含有されることで、水酸基価が上記範囲に調整される。アルコールとしては、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールが挙げられる。
なお、ロジン樹脂をエステル化した樹脂がロジンエステル樹脂、不均化ロジン樹脂をエステル化した樹脂が不均化ロジンエステル樹脂、水添ロジン樹脂をエステル化した樹脂が水添ロジンエステル樹脂、重合ロジン樹脂をエステル化した樹脂が重合ロジンエステル樹脂である。
上記テルペンフェノール樹脂とは、フェノールの存在下においてテルペンを重合させて得られた樹脂である。
上記不均化ロジンエステル樹脂としては、例えば、荒川化学工業社製スーパーエステルA75(水酸基価23mgKOH/g、軟化温度75℃)、同社製スーパーエステルA100(水酸基価16mgKOH/g、軟化温度100℃)、同社製スーパーエステルA115(水酸基価19mgKOH/g、軟化温度115℃)、同社製スーパーエステルA125(水酸基価15mgKOH/g、軟化温度125℃)等が挙げられる。上記水添ロジンエステル樹脂としては、例えば、荒川化学工業社製パインクリスタルKE-359(水酸基価42mgKOH/g、軟化温度100℃)、同社製エステルガムH(水酸基価29mgKOH/g、軟化温度70℃)等が挙げられる。上記重合ロジンエステル樹脂としては、例えば、荒川化学工業社製ペンセルD135(水酸基価45mgKOH/g、軟化温度135℃)、同社製ペンセルD125(水酸基価34mgKOH/g、軟化温度125℃)、同社製ペンセルD160(水酸基価42mgKOH/g、軟化温度160℃)等が挙げられる。
上記テルペン系樹脂としては、例えば、ヤスハラケミカル社製YSポリスターG150(水酸基価140mgKOH/g、軟化温度150℃)、同社製YSポリスターT100(水酸基価60mgKOH/g、軟化温度100℃)、同社製YSポリスターG125(水酸基価140mgKOH/g、軟化温度125℃)、同社製YSポリスターT115(水酸基価60mgKOH/g、軟化温度115℃)、同社製YSポリスターT130(水酸基価60mgKOH/g、軟化温度130℃)同社製YSポリスターT160(水酸基価60mgKOH/g、軟化温度160℃)等が挙げられる。
これらの粘着付与樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記粘着付与樹脂の含有量は特に限定されないが、上記(メタ)アクリル共重合体100重量部に対する好ましい下限が10重量部、好ましい上限が60重量部である。上記含有量が10重量部以上であれば、上記粘着剤層のガラス転移温度(Tg)が上がるため、バルクの凝集力がより上がり、高温におけるせん断強度がより向上する。上記含有量が60重量部以下であれば、ガラス転移温度(Tg)の上昇により上記粘着剤層が硬くなりすぎることが抑えられ、上記粘着剤層は、充分な粘着力を有することができる。上記含有量のより好ましい下限は15重量部、より好ましい上限は50重量部であり、更に好ましい下限は20重量部、更に好ましい上限は45重量部である。
上記粘着剤層は、必要に応じて、可塑剤、乳化剤、軟化剤、充填剤、顔料、染料、シランカップリング剤、酸化防止剤等の添加剤等のその他の樹脂等を含有していてもよい。
上記粘着剤層の貯蔵弾性率は特に限定されないが、100℃における貯蔵弾性率G’(100℃)が4×10Pa以上であることが好ましい。上記100℃における貯蔵弾性率G’(100℃)が4×10Pa以上であれば、上記粘着剤層の高温におけるバルクの凝集力がより上がり、高温におけるせん断強度がより向上する。上記100℃における貯蔵弾性率G’(100℃)のより好ましい下限は4.5×10Pa、更に好ましい下限は5×10Paである。
上記100℃における貯蔵弾性率G’(100℃)の上限は特に限定されないが、高すぎると常温における貯蔵弾性率も高くなり、粗面に対する接着力が低下することから、好ましい上限は2.0×10Paである。
上記粘着剤層の100℃における貯蔵弾性率G’(100℃)の測定には、例えば、次の方法を採用することができる。即ち、まず、上記粘着剤層のサンプルを重ね合わせ、厚み1mm程度の積層体を作製し、6mm×10mmに裁断して試験片を得る。動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社、DVA-200)を用い、せん断モードにて窒素雰囲気下、測定温度-40~140℃、昇温速度5℃/min、周波数10Hz、ひずみ0.08%で試験片について測定を行う。
上記粘着剤層の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は10μm、好ましい上限は150μmである。上記厚みが10μm以上であれば、上記粘着剤層の被着体への食い込み性が増し、剥離抵抗が大きくなるため、粗面に対して高い接着力を有することができる。上記厚みが150μm以下であれば、上記粘着剤層にせん断力が加わった場合のずれ量が減るため、上記粘着剤層の高温におけるせん断強度がより向上する。上記粘着剤層の厚みのより好ましい下限は20μm、より好ましい上限は120μmであり、更に好ましい下限は40μm、更に好ましい上限は100μmである。
上記基材は特に限定されないが、樹脂フィルムが好ましい。上記樹脂フィルムは特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂フィルム、ポリプロピレン樹脂フィルム等が挙げられる。なかでも、平坦であり、厚みのぶれが小さく、強度が高いことから、ポリエステル樹脂フィルムが好ましく、ポリエステル樹脂フィルムのなかでは、ポリエチレンテレフタレートフィルムがより好ましい。
上記基材は、その物性を損なわない範囲内において、充填剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤等の添加剤を含有していてもよい。
上記基材の厚みは特に限定されないが、好ましい下限は12μm、好ましい上限は300μmであり、より好ましい下限は20μm、より好ましい上限は250μmである。
本発明の粘着テープは、上記基材と上記粘着剤層とを有していれば特に限定されず、上記基材の一方の面のみに上記粘着剤層を有していてもよいし、上記基材の両面に上記粘着剤層を有していてもよい。なかでも、上記基材の両面に上記粘着剤層を有することが好ましい。
本発明の粘着テープの製造方法は特に限定されず、例えば、上記基材の両面に同じ組成、厚みの粘着剤層を有する場合、以下の方法が挙げられる。
まず、(メタ)アクリル共重合体、架橋剤、及び、必要に応じて粘着付与樹脂等の他の成分を含む粘着剤溶液を調製する。次いで、一面が離型処理された離型フィルムの離型処理面に上記で得られた粘着剤溶液を塗布して乾燥させて、離型フィルムの離型処理面に粘着剤層を有する積層シートを作製する。同様の要領で積層シートを合計2個作製する。次いで、2個の積層シートの粘着剤層を基材に転写及び積層一体化させて、基材の両面に粘着剤層を有する粘着シートを得る。
本発明の粘着テープの用途は特に限定されないが、粗面、特に粗面を有する研磨パッドに対して高い接着力を有し、かつ、高温におけるせん断強度に優れることから、半導体ウエハ、液晶用ガラス基板等を所定の厚さにまで研磨する工程において研磨機の定盤に研磨パッドを固定するために用いられることが好ましい。このような研磨工程としては、例えば、Chemical-Mechanical-Polishing(CMP)工程等が挙げられる。
本発明の粘着テープは、研磨パッドとの貼り合わせ面に用いられることがより好ましい。
上記研磨パッドは特に限定されず、研磨機の定盤に固定される、吸収材、不織布、ポリウレタン発泡体等からなる研磨パッドであればよい。本発明の粘着テープは、ポリウレタン発泡体等からなる軟質の研磨パット、即ち、表面に多くの空洞を有し、表面が粗い研磨パッドに対しても高い接着力を有することができる。
本発明によれば、粗面に対して高い接着力を有し、かつ、高温におけるせん断強度に優れた粘着テープを提供することができる。
実施例、比較例で得られた両面粘着テープのせん断強度の測定(クリープ耐性試験)の方法を示す模式図である。
以下に実施例を掲げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されない。
((メタ)アクリル共重合体Aの調製(リビングラジカル重合))
Tellurium(40メッシュ、金属テルル、アルドリッチ社製)6.38g(50mmol)をテトラヒドロフラン(THF)50mLに懸濁させ、これに1.6mol/Lのn-ブチルリチウム/ヘキサン溶液(アルドリッチ社製)34.4mL(55mmol)を、室温でゆっくり滴下した。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで攪拌した。この反応溶液に、エチル-2-ブロモーイソブチレート10.7g(55mmol)を室温で加え、2時間攪拌した。反応終了後、減圧下で溶媒を濃縮し、続いて減圧蒸留して、黄色油状物の2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオン酸エチル(BTEE)を得た。
アルゴン置換したグローブボックス内で、反応容器中に、製造した2-メチル-2-n-ブチルテラニル-プロピオン酸エチル(BTEE)66μL、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN、和光純薬工業社製)14mg、酢酸エチル1mLを投入した後、反応容器を密閉し、反応容器をグローブボックスから取り出した。続いて、反応容器にアルゴンガスを流入しながら、反応容器内に、モノマー混合物(アクリル酸ブチル(BA)44g、アクリル酸2-エチルへキシル(2EHA)44g、アクリル酸(AAc)12gの合計100g、重合溶媒として酢酸エチル43gを投入した。50℃で28時間重合反応を行い、(メタ)アクリル共重合体A含有溶液を得た。
((メタ)アクリル共重合体B~Jの調製(リビングラジカル重合))
モノマーの組成、開始剤の量、及び、反応時間を表1に示すように変更したこと以外は(メタ)アクリル共重合体Aと同様にして、(メタ)アクリル共重合体B~Jを調製した。
Figure 2023024335000001
((メタ)アクリル共重合体Kの調製(フリーラジカル定温重合))
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、モノマー混合物の合計100g、酢酸エチル30g、トルエン90gを加えた。モノマー混合物としては、アクリル酸ブチル(BA)44g、2-エチルへキシルアクリレート(2EHA)44g、アクリル酸(AAc)12gを用いた。この反応器にアルゴンガスを流入し溶存酸素を除去するとともに、加熱して溶液温度を60℃とした。続いて、上記反応器内に、連鎖移動剤ラウリルメルカプタン(富士フイルム和光純薬社製)0.05gを加え、重合開始剤としてV-60(2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、富士フイルム和光純薬社製)0.05gを投入し、還流下で重合を開始させた。重合開始から6時間重合反応を行い、(メタ)アクリル共重合体K含有溶液を得た。
((メタ)アクリル共重合体Lの調製(フリーラジカル定温重合))
開始剤の量を表2に示すように変更したこと以外は(メタ)アクリル共重合体Kと同様にして、(メタ)アクリル共重合体Lを調製した。
Figure 2023024335000002
((メタ)アクリル共重合体Mの調製(フリーラジカル沸点重合))
温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、モノマー混合物の合計50g、酢酸エチル100gを加えた。モノマー混合物としては、アクリル酸ブチル(BA)22g、2-エチルへキシルアクリレート(2EHA)22g、アクリル酸(AAc)6gを用いた。窒素置換した後、反応器を加熱して還流を開始した。酢酸エチルが沸騰してから、30分後に重合開始剤1としてV-60(2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、富士フイルム和光純薬社製)0.04gを投入し、還流下で重合を開始させた。30分後モノマー混合物の合計50gを1時間かけて反応器に滴下漏斗を用いて滴下した。滴下したモノマー混合物としては、アクリル酸ブチル(BA)22g、2-エチルへキシルアクリレート(2EHA)22g、アクリル酸(AAc)6gを用いた。その後、更に重合開始剤2としてV-60(2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、富士フイルム和光純薬社製)0.15gを投入し、重合開始から合計6時間重合反応を行い、(メタ)アクリル共重合体M含有溶液を得た。
((メタ)アクリル共重合体Nの調製(フリーラジカル沸点重合))
モノマーの組成、及び、溶媒の量を表3に示すように変更したこと以外は(メタ)アクリル共重合体Mと同様にして、(メタ)アクリル共重合体Nを調製した。
Figure 2023024335000003
(実施例1)
(1)粘着テープの製造
得られた(メタ)アクリル共重合体含有溶液の不揮発分100重量部に対して酢酸エチルを加えて攪拌した。更に、粘着付与樹脂であるテルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「T160」、水酸基価60mgKOH/g、軟化温度160℃)40重量部、イソシアネート系架橋剤(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL45」)4.5重量部を添加し、攪拌して、粘着剤溶液を得た。
一面が離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルムを用意した。このポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に上記で得られた粘着剤溶液を乾燥後の厚みが80μmとなるように塗布し、110℃で5分間乾燥させて、(メタ)アクリル共重合体含有溶液中の(メタ)アクリル共重合体の架橋を進行させ、ポリエチレンテレフタレートフィルムの離型処理面に粘着剤層を有する積層シートを作製した。同様の要領で積層シートを更にもう1個作製し、合計2個の上記積層シートを得た。
次に、基材としてポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み50μm)を用意した。この基材の一方側の表面に、一方の積層シートを粘着剤層面から積層して粘着剤層を基材に転写及び積層一体化させた。基材の他方側の表面にもう一方の積層シートを粘着剤層面から積層して粘着剤層を基材に転写及び積層一体化させた。それによって、基材の両面に厚みが80μmの粘着剤層が設けられた両面粘着テープを得た。
(2)ゾル成分のGPC測定(RI)
両面粘着テープの粘着剤層をテトラヒドロフラン(THF)中に23℃にて24時間浸漬し、不溶解分を200メッシュの金網で濾過して取り除くことで、粘着剤層のゾル成分を得た。
得られた粘着剤層のゾル成分について、次の方法により示差屈折計RI検出によるGPC測定を行った。即ち、カラムとしてSHOKO社製カラムLF-804を用い、得られた粘着剤層のゾル成分について、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(Waters社製、2690 Separations Model)による分析を行い、ポリスチレン換算による分子量分布を測定した。
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.4mL/min
検出器:示差屈折計RI
カラム温度(測定温度):40℃
注入量:20μL
得られた分子量分布における、分子量15万以下の割合、分子量50万以上の割合、分子量分布のピーク(Mp)、及び、比(Mw/Mn)を表4に示した。
(3)貯蔵弾性率の測定
両面粘着テープの粘着剤層の100℃における貯蔵弾性率G’(100℃)の測定を、次の方法により行った。即ち、まず、粘着剤層のサンプルを重ね合わせ、厚み1mm程度の積層体を作製し、6mm×10mmに裁断して試験片を得た。動的粘弾性測定装置(アイティー計測制御社、DVA-200)を用い、せん断モードにて窒素雰囲気下、測定温度-40~140℃、昇温速度5℃/min、周波数10Hz、ひずみ0.08%で試験片について測定を行った。
(実施例2~10、比較例1~5)
(メタ)アクリル共重合体、粘着付与樹脂、架橋剤の種類又は量を表4に示すように変更したこと以外は実施例1と同様にして、両面粘着テープを得た。
なお、表4中の「T130」は、粘着付与樹脂であるテルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製、商品名「T130」、水酸基価60mgKOH/g、軟化温度130℃)である。
<評価>
実施例、比較例で得られた両面粘着テープについて以下の評価を行った。結果を表4に示した。
(1)研磨パッドに対する接着力
研磨パッドとして、厚み3mmにスライスしたポリウレタン発泡体(ポリエーテルポリオールとしてPPGを、イソシアネートとしてTDIを主原料とし、硬化剤としてMOCAを含む)を用いた。このポリウレタン発泡体をレーザー顕微鏡により観察したところ、表面粗さSaは3.99μm、接触面積率は77%であった。
両面粘着テープを25mm幅の短冊状に裁断して試験片とした。試験片の一方の離型PETフィルムを剥離し、粘着剤層を露出させた。エタノールで洗浄後、乾拭きした上記の研磨パッドに、試験片を粘着剤層が対向した状態となるようにして載せた。試験片上に2kgのゴムローラーを300mm/minの速度で一往復させて、試験片と研磨パッドとを貼り合わせた。この積層体をラミネーター(アコ・ブランズ・ジャパン社製、マルチラミネーターGDRH355 A3)にロール温度85℃、ロールギャップ2mm、速度7.5rpmの条件一回通し、1.2MPaの圧力で圧着した。その後、温度23℃、相対湿度50%にて24時間静置して試験サンプルを得た。
引張試験機を用いて、JIS Z0237に準拠し、剥離速度300mm/min、剥離角度180°にて試験サンプルの180°ピール試験を行った。
(2)せん断強度の測定(クリープ耐性試験)
図1に、実施例、比較例で得られた両面粘着テープのせん断強度の測定(クリープ耐性試験)の方法を示す模式図を示す。
両面粘着テープを幅10mm×長さ120mmに切り出し、厚み25μmのPETフィルムで裏打ちし、試験片1を作製した。図1に示すように、試験機のステンレス鋼製測定端子部分2に10×10mmの接着面積にて試験片1を貼り付けた。ステンレス鋼製測定端子部分2の温度を60℃に設定した。試験片1の貼り付け面上に鏡面処理した石英製のブロック3(石英ガラスにクロム蒸着したもの)を載せ、試験片1に50gfの分銅5を取り付けた。分銅5による負荷をかけてから3分後の図中の矢印方向への変位量(ズレ量)(μm)を、レーザー干渉計4(キーエンス社製、SI-F10)によって試験片1上の鏡面処理した石英製のブロック3の移動量から測定し、変位量とした。
(3)総合評価
上記(1)で測定した研磨パッドに対する接着力が50N/25mm以上であり、かつ、上記(2)で測定した凝集力変位値が50μm以下であった場合を〇、いずれかを満たさなかった場合を×とした。
Figure 2023024335000004
本発明によれば、粗面に対して高い接着力を有し、かつ、高温におけるせん断強度に優れた粘着テープを提供することができる。
1 試験片
2 ステンレス鋼製測定端子部分
3 鏡面処理した石英製のブロック
4 レーザー干渉計
5 分銅(50gf)

Claims (10)

  1. 基材と粘着剤層とを有する粘着テープであって、
    前記粘着剤層は、(メタ)アクリル共重合体及び架橋剤を含有し、
    前記粘着剤層のゾル成分について示差屈折計RI検出によるGPC測定を行ったとき、分子量5000以上の領域において、分子量15万以下の割合が5%以上20%以下、かつ、分子量50万以上の割合が1%以上20%以下である
    ことを特徴とする粘着テープ。
  2. 前記粘着剤層のゾル成分について示差屈折計RI検出によるGPC測定を行ったとき、分子量5000以上の領域において、分子量分布のピーク(Mp)が15万以上40万以下であることを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
  3. 前記粘着剤層のゾル成分について示差屈折計RI検出によるGPC測定を行ったとき、分子量5000以上の領域において、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2.5以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。
  4. 前記粘着剤層は、100℃における貯蔵弾性率G’(100℃)が4×10Pa以上であることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。
  5. 前記粘着剤層は、更に、粘着付与樹脂を含み、前記粘着付与樹脂の軟化温度が100℃以上180℃以下であり、前記粘着付与樹脂の含有量が前記(メタ)アクリル共重合体100重量部に対して10重量部以上60重量部以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。
  6. 前記(メタ)アクリル共重合体は、カルボキシ基含有モノマーに由来する構成単位を8重量%以上含有することを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。
  7. 前記(メタ)アクリル共重合体は、炭素数4以下のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量が25重量%以上70重量%以下であり、
    炭素数6以上のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有量が22重量%以上67重量%以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。
  8. 前記粘着剤層は、厚みが10μm以上150μm以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。
  9. 前記基材の両面に前記粘着剤層を有することを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。
  10. 研磨機の定盤に研磨パッドを固定するために用いられることを特徴とする請求項1又は2記載の粘着テープ。

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