JP2018135493A - 粉砕媒体用ポリマー微粒子 - Google Patents
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Abstract
【課題】粉砕ミルなどの粉砕媒体として用いる際に、粒子径分布が狭く、真球状であるため効率的な粉砕が行われ、かつ粉砕時の発熱による変形が少ない粉砕媒体用ポリマー微粒子を提供する。
【解決手段】ガラス転移点が160℃以上400℃以下のポリマーから成り、平均粒子径が50μm以上、1000μm以下であり、かつ粒子径分布指数が1〜3であり、真球度が80以上である粉砕媒体用ポリマー微粒子を用いることで、粉砕時の発熱による変形が少なく効率的な粉砕が行われ、かつ粉砕物へのコンタミネーションが起きにくい。
【選択図】なし
【解決手段】ガラス転移点が160℃以上400℃以下のポリマーから成り、平均粒子径が50μm以上、1000μm以下であり、かつ粒子径分布指数が1〜3であり、真球度が80以上である粉砕媒体用ポリマー微粒子を用いることで、粉砕時の発熱による変形が少なく効率的な粉砕が行われ、かつ粉砕物へのコンタミネーションが起きにくい。
【選択図】なし
Description
本発明は、粉砕媒体として用いるポリマー微粒子に関する。詳しくは、ビーズミルや振動ミルといった粉砕ミルに用いる粉砕媒体用ポリマー微粒子に関する。
ポリマー微粒子とは、ポリマーからなる微粒子のことであり、一般的にその直径は、数十nmから、数百μmの大きさまでの多岐にわたる微粒子のことである。ポリマー微粒子は、フィルム、繊維、射出成形品、押出成形品などのポリマー成形品とは異なり、比表面積が大きい点や、微粒子の構造を利用することで各種材料の改質、改良に用いられている。主要用途としては、化粧品の改質剤、トナー用添加剤、塗料などのレオロジー改質剤、医療用診断検査剤、自動車材料、建築材料などの成形品への添加剤などが挙げられる。また、近年では、医薬品における薬剤粒子のサイズ及びサイズ範囲を調節するために種々の粉砕技術、例えば、ビーズミルや振動ミルを包含する多種多様な方法にて粉砕する際に、ポリマー微粒子が求められている。粉砕媒体としては、ステンレスやガラス、ケイ酸ジルコニウムといった様々な粉砕媒体が、球状ビーズの形態で一般的に使用されてきた。
一方、特許文献1では、架橋ポリスチレンやポリカーボネートといったポリマー微粒子を用いて診断画像形成剤の粒子を粉砕ミルに用いることが記載されている。他には、特許文献2のように押し出し成形によって得られる円柱状のポリスチレンやポリエーテルエーテルケトンをビーズミルによって洗浄、研磨したものを樹脂製ビーズとして使用することが記載されている。
従来の金属や無機物の粉砕媒体は、とくに医薬品化合物などを粉砕する場合に、粉砕媒体に由来する無機物のコンタミネーションが問題になる。これを解決するとされる特許文献1、特許文献2に記載されている樹脂製ビーズは、ガラス転移点が低く、粉砕時の発熱によって、粉砕媒体が変形してしまい、効率的な粉砕が困難になる問題があった。
本発明の課題は、粉砕ミルなどの粉砕媒体として用いる際に、粉砕時の発熱による粒子の変形が起きにくい粉砕媒体用ポリマー微粒子を提供することを課題とする。
上記課題を達成するために、本発明者らが鋭意検討した結果、下記発明に到達した。すなわち、本発明は、以下の形態として実現することが可能である。
[1]ガラス転移点が160℃以上400℃以下のポリマーからなる粉砕媒体用ポリマー微粒子。
[2]平均粒子径が50μm以上、1000μm以下である[1]記載の粉砕媒体用ポリマー微粒子。
[3]粒子径分布指数が1〜3である[1]または[2]に記載の粉砕媒体用ポリマー微粒子。
[4]真球度が80以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の粉砕媒体用ポリマー微粒子。
[5]ガラス転移点が160℃以上400℃以下のポリマーが、芳香族ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、および非晶ポリアリレートから選ばれる少なくとも1種である[1]〜[4]のいずれかに記載の粉砕媒体用ポリマー微粒子。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の粉砕媒体用ポリマー微粒子からなる粉砕媒体。
[7]ビーズミル、ボールミル、振動ミル、エアジェットミル、ロールミル、磨砕ミル、遊星形ミル、およびサンドミルから選ばれるいずれかで用いられる[6]記載の粉砕媒体。
[1]ガラス転移点が160℃以上400℃以下のポリマーからなる粉砕媒体用ポリマー微粒子。
[2]平均粒子径が50μm以上、1000μm以下である[1]記載の粉砕媒体用ポリマー微粒子。
[3]粒子径分布指数が1〜3である[1]または[2]に記載の粉砕媒体用ポリマー微粒子。
[4]真球度が80以上である[1]〜[3]のいずれかに記載の粉砕媒体用ポリマー微粒子。
[5]ガラス転移点が160℃以上400℃以下のポリマーが、芳香族ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、および非晶ポリアリレートから選ばれる少なくとも1種である[1]〜[4]のいずれかに記載の粉砕媒体用ポリマー微粒子。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の粉砕媒体用ポリマー微粒子からなる粉砕媒体。
[7]ビーズミル、ボールミル、振動ミル、エアジェットミル、ロールミル、磨砕ミル、遊星形ミル、およびサンドミルから選ばれるいずれかで用いられる[6]記載の粉砕媒体。
本発明によれば、粉砕ミルに用いる際に、粉砕物へのコンタミネーションが起きにくく、粉砕時の発熱による変形が少ない粉砕媒体用ポリマー微粒子を提供することができる。さらに本発明の好ましい態様では、粒子径分布が狭いために、粉砕物へのコンタミネーションをさらに改善することが可能である。また本発明の好ましい態様では、微粒子が真球状であるため効率的な粉砕を行うことができる。
本発明の実施形態の粉砕媒体用ポリマー微粒子(以下、単に微粒子とも呼ぶ)とは、粉砕媒体として用いるものである。
上記において粉砕媒体用ポリマーとは熱可塑性樹脂が挙げられる。
上記において粉砕媒体用ポリマーとは熱可塑性樹脂が挙げられる。
微粒子を構成するポリマーは、粉砕時の発熱による変形を防ぐ目的で、ガラス転移温度が160℃以上400℃以下の熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を使用する。加工のしやすさという点で熱可塑性樹脂が好ましい。
熱可塑性樹脂としては、具体的には、ビニル系重合体、ポリエステル、ポリアミド、ポリアリーレンエーテル、ポリアリーレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエーテルイミドおよびこれらの共重合体などが挙げられる。
ビニル系重合体とは、ビニル系単量体を単独重合または共重合して得られるものである。かかるビニル系重合体としては、ゴム質重合体の存在下、ビニル系単量体(スチレン等の芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体、その他のビニル系単量体等から選択されるものであってよい)またはその混合物をグラフト共重合せしめてなるゴム含有グラフト共重合体あるいは、これとビニル系重合体との組成物のような、ゴム質重合体を含むビニル系重合体であってもよい。
これらビニル系重合体を、具体的に例示するならば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ(アクリロニトリルースチレン−ブタジエン)樹脂(ABS)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、環状ポリオレフィンなどが挙げられる。
ポリエステルとしては、多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体と多価アルコールまたはそのエステル形成性誘導体を構造単位とする重合体、ヒドロキシカルボン酸またはラクトンを構造単位とする重合体、およびこれらの共重合体が挙げられる。
ポリエステルの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリへキシレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリプロピレンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンイソフタレート/テレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート/ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート/ナフタレート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレート、ポリエチレンテレフタレート/シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート/ポリエチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/ポリエチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレンテレフタレート/イソフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレンテレフタレート/サクシネート、ポリプロピレンテレフタレート/サクシネート、ポリブチレンテレフタレート/サクシネート、ポリエチレンテレフタレート/アジペート、ポリプロピレンテレフタレート/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/アジペート、ポリエチレンテレフタレート/セバケート、ポリプロピレンテレフタレート/セバケート、ポリブチレンテレフタレート/セバケート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート/アジペート、ポリプロピレンテレフタレート/イソフタレート/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/サクシネート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/アジペート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタレート/セバケート、ビスフェノールA/テレフタル酸、ビスフェノールA/イソフタル酸、ビスフェノールA/テレフタル酸/イソフタル酸、などが挙げられる。
なかでも本発明で用いるポリエステルとして非晶ポリアリレートを用いる場合に、有機溶媒への溶解性の観点から、有機溶媒の選択が容易であるため製造がしやすく、かつ耐熱性に優れた微粒子を得ることができる。このような非晶ポリアリレートとしてはビスフェノールA/テレフタル酸、ビスフェノールA/イソフタル酸、ビスフェノールA/テレフタル酸/イソフタルなどが好ましく用いられる。
ポリアミドとしては、3員環以上のラクタム、重合可能なアミノカルボン酸、二塩基酸とジアミンまたはそれらの塩、あるいはこれらの混合物の重縮合によって得られるポリアミドが挙げられる。
このようなポリアミドの例としては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリペンタメチレンアジパミド(ナイロン56)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)、ポリウンデカアミド(ナイロン11)、ポリドデカアミド(ナイロン12)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、非晶性のポリアミドとしては、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンとイソフタル酸と12−アミノドデカン酸の共重合体(例示するならば、‘グリルアミド(登録商標)’TR55、エムザベルケ社製)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンとドデカ二酸の共重合体(例示するならば、‘グリルアミド(登録商標)’TR90、エムザベルケ社製)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンとイソフタル酸と12−アミノドデカン酸の共重合体と3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンとドデカ二酸の共重合体との混合物(例示するならば、‘グリルアミド(登録商標)’TR70LX、エムザベルケ社製)、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンとドデカ二酸の共重合体(例示するならば、‘TROGAMID(登録商標)’CX7323 、デグサ社製)などが挙げられる。
上記のうち、ポリアミドの溶媒への溶解のしやすさの観点から、特に非晶性ポリアミドが好ましく、中でも、非全芳香族ポリアミドが好ましく、具体的には脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、脂環式ポリアミドが挙げられる。
ポリアリーレンエーテルとは、アリール基がエーテル結合でつながったポリマーであり、一般式(1)で代表され構造を有するものが挙げられる。
この際、芳香環上には、置換基Rを有していてもいなくても良く、その置換基数mは1以上4以下である。置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6の飽和炭化水素基、ビニル基、アリル基等の不飽和炭化水素基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン基、アミノ基、水酸基、チオール基、カルボキシル基、カルボキシ脂肪族炭化水素エステル基などが好ましく挙げられる。
ポリアリーレンエーテルの具体的な例としては、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンエーテル)が挙げられる。
ポリアリーレンスルフィドとは、アリール基がスルフィド結合でつながったポリマーであり、一般式(2)で代表される構造を有するものが挙げられる。
この際、芳香環上には、置換基Rを有していてもなくても良く、その置換基数であるmは、1以上4以下である。置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の飽和炭化水素基、ビニル基、アリル基等の不飽和炭化水素基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子などのハロゲン基、アミノ基、水酸基、チオール基、カルボキシル基、カルボキシ脂肪族炭化水素エステル基などが挙げられる。また、上記一般式(2)のパラフェニレンスルフィド単位の代わりにメタフェニレン単位、オルソフェニレン単位とすることや、これらの共重合体とすることも可能である。
ポリアリーレンスルフィドの具体的な例としては、ポリフェニレンスルフィドが挙げられる。
ポリエーテルスルホンとは、一般式(a−1)および/または一般式(a−2)で表される構造を有する。
(式中のRは、同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜6のアルキル基および炭素数6〜8のアリール基から選ばれるいずれかを表し、mは0〜3の整数を表す。Yは直接結合、酸素、硫黄、SO2、CO、C(CH3)2、CH(CH3)、およびCH2から選ばれるいずれか表す)
この際、本発明におけるポリエーテルスルホンの分子末端は、ヒドロキシフェニル末端基組成(モル%)が、50モル%未満のポリエーテルスルホンであることが好ましい。なお、ここで言う、ヒドロキシフェニル末端基組成とは、重水素化DMSO溶媒中、400MHz 1H−NMRを用い、積算回数100回により、7.7ppmのクロル置換された芳香族炭素に隣接するプロトン(1H−Cl)と、6.6〜6.9ppmのヒドロキシル基で置換された芳香族炭素に隣接するプロトン(1H―OH)の面積比から、下記式により算出したものである。
[ヒドロキシフェニル末端基組成(モル%)]=
[1H−OHのピーク面積]/([1H−OHのピーク面積]+[1H−Clのピーク面積]×100
[クロロフェニル末端基組成(モル%)]=
[1H−Clのピーク面積]/([1H−OHのピーク面積]+[1H−Clのピーク面積]×100
[ヒドロキシフェニル末端基組成(モル%)]=
[1H−OHのピーク面積]/([1H−OHのピーク面積]+[1H−Clのピーク面積]×100
[クロロフェニル末端基組成(モル%)]=
[1H−Clのピーク面積]/([1H−OHのピーク面積]+[1H−Clのピーク面積]×100
ヒドロキシフェニル末端基組成(モル%)のより好ましい範囲は、40モル%未満、さらに好ましくは30モル%未満である。
ポリエーテルスルホンの分子量は、ポリエーテルスルホンのDMF(N,N−ジメチルホルムアミド)中、25℃、1g/dlでオストワルド毛細管粘度計を用いて測定した還元粘度(JIS K7367−1(2002)に記載の方法)が0.10〜1.00の範囲のものを用いるのが好ましい。
このようなポリエーテルスルホンとして、通常公知の方法により製造することが可能である。また公知の方法により製造されているポリエーテルスルホンとして、例えばビー・エー・エス・エフ社製“ULTRASON E”シリーズ、住友化学株式会社製“スミカエクセル”シリーズなどを使用することができる。
ポリスルホンとしては、一般式(3)で代表される構造を有するものが好ましく挙げられる。
(式中のRは、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜8のアリール基を表し、mは0〜4の整数を表すものである。)
ポリエーテルケトンとは、エーテル結合とカルボニル基を有するポリマーである。具体的には、一般式(4)で代表される構造を有するものが好ましく挙げられる。
(式中のRは、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜8のアリール基を表し、mは0〜4の整数を表すものである。)
ポリエーテルケトンの中でも、一般式(5)で表わされる構造を有するものは、特にポリエーテルエーテルケトンと称する。
(式中のRは、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜8のアリール基を表し、mは0〜4の整数を表すものである。)
ポリカーボネートとは、カーボネート基を有したポリマーであり、一般式(6)で代表される構造を有するものを好ましく挙げることができる。
(式中のRは、炭素数1〜6のアルキル基または炭素数6〜8のアリール基を表し、mは0〜4の整数を表すものである。)
具体的な例としては、Rmの置換基を有しない、ビスフェノールAが炭酸エステル結合で重縮合されたポリマーが挙げられる。また、ポリカーボネートと前記ポリエステルとを共重合したものでもよい。
ポリアミドイミドとは、イミド結合と、アミド結合を有したポリマーであり、一般式(7)で代表される構造を有するものが挙げられる。
(式中、R1およびR2は、芳香族、脂肪族の炭化水素を表わし、内部にエーテル結合、チオエーテル結合、カルボキニル基、ハロゲン結合、アミド結合を有する構造団を有していてもよい。)
ポリイミドとは、イミド結合を有したポリマーであり、代表的には一般式(8)で表わされる構造を有するものが挙げられる。
(式中、R1およびR2は、芳香族、脂肪族の炭化水素を表わし、内部にエーテル結合、チオエーテル結合、カルボキニル基、ハロゲン結合、アミド結合を有する構造団を有していてもよい。)
特に本系においては、熱可塑性ポリイミドが好ましく、具体的には1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸無水物と4,4’−ビス(3−アミノフェニルオキシ)ビフェニル の重縮合物や3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸無水物と1,3−ビス(4−アミノフェニルオキシ)ベンゼンの重縮合物が挙げられる。
ポリエーテルイミドとは、分子内にエーテル結合とイミド結合を有したポリマーであり、具体的に例示するならば、4,4’−[イソプロピリデンビス(p−フェニレンオキシ)]ジフタル酸二無水物とメタフェニレンジアミンとの縮合により得られるポリマーなどが挙げられる。
本発明でのポリマーにおける好ましい樹脂としては、ポリスチレン、ポリ(アクリロニトリルースチレンーブタジエン)(ABS)樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリメタクリルアミドなどのビニル系重合体、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、非晶ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、エポキシ樹脂などが挙げられ、より好ましくは、芳香族ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、非晶ポリアリレートが挙げられる。
これらの中で、ガラス転移点が160℃以上400℃以下のものを用いる。特にガラス転移点が160℃を超えるものが、粉砕時の摩擦熱によって変形し難いことから好ましく、より好ましくは170℃以上であり、さらに好ましくは180℃以上であり、特に好ましくは190℃以上であり、200℃以上が著しく好ましい。ガラス転移点の上限としては、粉砕媒体用ポリマー微粒子の製造時の取り扱い性の観点から、400℃以下のものが好ましく、より好ましくは360℃以下であり、さらに好ましくは330℃以下であり、特に好ましくは300℃以下である。
ここでいう、ガラス転移点とは、示差走査熱量測定法(DSC法)を用いて、微粒子を、30℃から予測されるガラス転移点よりも30℃高い温度以上まで、昇温速度、20℃/分の昇温条件で昇温し、1分間保持した後、20℃/分の降温条件で0℃まで一旦冷却し、1分間保持した後、再度20℃/分の昇温条件で測定した際に観察されるガラス転移点(Tg)を指す。
上述したポリマーは1種以上で用いることができる。
ポリマーの分子量は、好ましくは、重量平均分子量で、1,000〜100,000,000、より好ましくは、1000〜10,000,000、さらに好ましくは、5,000〜1,000,000であり、特に好ましくは、10,000〜500,000の範囲であり、最も好ましい範囲は、10,000〜100,000の範囲である。
ここでいう重量平均分子量とは、溶媒としてジメチルホルムアミドを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定し、ポリスチレンで換算した重量平均分子量を指す。
ジメチルホルムアミドで測定できない場合については、テトラヒドロフランを用い、さらに測定できない場合は、ヘキサフルオロイソプロパノールを用い、ヘキサフルオロイソプロパノールでも測定できない場合は、2−クロロナフタレンを用いて測定を行う。
本発明の実施形態で得られる粉砕媒体用ポリマー微粒子は、走査型電子顕微鏡で観察した粒子画像から測長される粒子径の算術平均値(平均粒子径)が50〜1000μmであることが好ましい。その下限は、好ましくは50μm以上であり、より好ましくは60μm以上であり、さらに好ましくは70μm以上であり、特に好ましくは80μm以上であり、著しく好ましくは90μm以上である。また、その上限は、好ましくは1000μm以下であり、より好ましくは800μm以下であり、さらに好ましくは600μm以下であり、特に好ましくは400μm以下であり、著しく好ましくは300μm以下である。
平均粒子径が50μm以上のものを用いることで、粉砕物との篩い分けが容易となり、コンタミネーションの要因を低減することができる。一方、平均粒子径が1000μm以下のものとすることで、粉砕物を微粉砕化することが可能となるので好ましい。
上記の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察した画像から測長される粒子径の平均値である。具体的には、1枚のFE−SEM画像に2個以上100個未満の微粒子が写るような倍率と視野で観察し、複数の視野にて100個の微粒子についてその直径(粒子径)を測長し、下記式により求まる算術平均値を平均粒子径とする。そのようなFE−SEMの倍率としては、微粒子の粒子径にもよるが、50倍〜5,000倍の範囲とすることができる。具体的に例示するならば、粒子径が1μm以上20μm未満の場合は1,000倍以上、20μm以上50μm未満の場合は500倍以上、50μm以上75μm未満の場合は300倍以上、75μm以上200μm未満の場合は150倍以上、200μm以上500μm未満の場合は100倍以上、500μm以上1000μm以下の場合は50倍以上とすればよい。なお、画像上で微粒子が真円状でない場合(例えば楕円状のような場合)は、その最長径を粒子径として測定する。また、微粒子が不規則に寄せ集まった凝集体を形成している場合は、凝集体を形成する最小単位の微粒子の直径を粒子径として測定する。ただし、前記凝集体が複数の微粒子同士が融着したもので、微粒子間の境界が定かでない場合は、融着体の最大径を粒子径として測定する。
(式中、Diは微粒子個々の粒子径を表わし、Dは平均粒子径を表わす。nは測定数を表わし、本実施形態では100である。)
本発明の実施形態の粉砕媒体用ポリマー微粒子の真球度は、80以上が好ましく、より好ましくは85以上、さらに好ましくは90以上、特に好ましくは95以上、著しく好ましくは98以上である。真球度がこの範囲の微粒子を用いることで、粉砕媒体としたときの流動特性を改善することができ、効率的に粉砕を行うことができる。
本発明の実施形態における粉砕媒体用ポリマー微粒子の真球度は、FE−SEMで観察した画像中で、無作為に選択した微粒子30個の真球度の算術平均値であり、下記式に従い算出できる。個々の微粒子の真球度は、個々の微粒子の長径(最大径)と、長径の中心において長径と垂直に交わる短径の比であり、下記式に従い算出できる。なお、個々の微粒子の長径と短径は、平均粒子径を求めるために粒子径を測長するための既述した倍率および視野にて測長することができる。
(式中、Smは平均真球度(%)を表わし、Siは微粒子個々の真球度を表わし、aiは微粒子個々の短径を表わし、biは微粒子個々の長径を表わす。nは測定数を表わし、本実施形態では30である。)
また、本発明の実施形態の粉砕媒体用ポリマー微粒子は、粒子径分布の広さを示す指標である粒子径分布指数(PDI)が1〜3であることが好ましく、より好ましくは1〜2.5、さらに好ましくは1〜2.0、特に好ましくは1〜1.8であり、著しく好ましくは1〜1.5である。なお、PDIの下限値は理論上1である。PDIが小さければ、粉砕物との篩い分けなどが容易になり、粉砕物へのコンタミネーションが軽減される。粒子径分布の幅が広く、PDIが大きいような微粒子では、粉砕物へのコンタミネーションの可能性が高くなるだけでなく、粉砕物が均一に粉砕されないため好ましくない。
本発明の実施形態における粉砕媒体用ポリマー微粒子のPDIは、平均粒子径の算出時に行なった粒子径の測長結果を用いて、次の式により算出される。
(式中、Diは粒子個々の粒子径、PDIは粒子径分布指数とする。nは測定数を表わし、本実施形態では100である。)
粉砕媒体用ポリマー微粒子の製造方法は、本発明の実施形態の粉砕媒体用ポリマー微粒子が得られるのであれば、従来公知の技術を用いても良い。例えば、粉砕媒体用ポリマーのO/WエマルションやW/O/Wエマルションを作製した後に溶媒を留去したり、油相から有機溶媒を浸透圧によって拡散除去して微粒子を得る方法;粉砕媒体用ポリマーをボールミル、ビーズミル、ジェットミル、あるいは乳鉢等の機械的粉砕処理によって粉末とする方法;粉砕媒体用ポリマーと海成分樹脂とを溶融混練させ、海成分樹脂のみを除去させる強制溶融混練法;粉砕媒体用ポリマーを高揮発性溶媒に溶解させた後、溶解液をスプレードライや静電噴霧を用いて微粒子とする方法;粉砕媒体用ポリマーを溶媒に溶解させた後、溶解液を冷却して析出させる方法;上記のいずれかの方法で微粒子を形成時に発泡剤を用いて多孔構造を形成させる方法、が挙げられる。
ポリマー溶液の相分離現象を利用した微粒子化法とは、粉砕媒体用ポリマー(A)と、粉砕媒体用ポリマーとは異なるポリマー(B)と、有機溶媒とを混合したときに、粉砕媒体用ポリマー(A)を主成分とする溶液相と、粉砕媒体用ポリマーとは異なるポリマー(B)を主成分とする溶液相との2相に相分離し、前記2相に相分離した各相の溶媒が実質的に同じになる系において、粉砕媒体用ポリマー(A)と粉砕媒体用ポリマーとは異なるポリマー(B)と有機溶媒とのエマルションを形成させた後、前記エマルションと、粉砕媒体用ポリマーの貧溶媒とを接触させ、粉砕媒体用ポリマー微粒子を析出させる方法である。
このようにして製造した粉砕媒体用ポリマー微粒子を粉砕媒体として用いる粉砕処理は、いずれかの適当な粉砕ミルで実施できる。適するミルとしては、ビーズミル、ボールミル、振動ミル、エアジェットミル、ロールミル、磨砕ミル、遊星形ミル、サンドミルが挙げられる。粉砕媒体としてポリマー微粒子を用いる場合には、高エネルギー媒体ミルを用いることが好ましい。また、ミルは回転軸を備えることができる。
本発明の粉砕媒体用ポリマー微粒子からなる粉砕媒体を用いての粉砕に際しては、粉砕ミル内での粉砕物の分散を助け、効率的な粉砕を実施するために、界面活性剤やポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコールといった分散助剤を添加して実施しても良い。
また、本発明の粉砕媒体用ポリマー微粒子からなる粉砕媒体を用いて粉砕するものとしては、コンタミネーションが懸念される医薬品や栄養補助食品などに好適に利用できるが、これらに限定されるものではない。
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)示差走査熱量測定
示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製 ロボットDSC RDS220)を用いて、30℃から予測されるガラス転移温度よりも30℃高い温度以上まで、昇温速度、20℃/分の昇温条件で昇温し、1分間保持した後、20℃/分の降温条件で0℃まで一旦冷却し、1分間保持した後、再度20℃/分の昇温条件で測定して、観察される温度をガラス転移点(Tg)とした。
示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製 ロボットDSC RDS220)を用いて、30℃から予測されるガラス転移温度よりも30℃高い温度以上まで、昇温速度、20℃/分の昇温条件で昇温し、1分間保持した後、20℃/分の降温条件で0℃まで一旦冷却し、1分間保持した後、再度20℃/分の昇温条件で測定して、観察される温度をガラス転移点(Tg)とした。
(2)平均粒子径の測定
以下に説明する各実施例等の微粒子の平均粒子径を求めるために、FE−SEMを用いて、粉砕媒体用ポリマー微粒子を100〜500倍で観察し、100個の微粒子についてその直径(粒子径)を測定した。その際、粒子径のバラつきを反映した正確な平均粒子径を求めるために、1枚の画像に2個以上100個未満の微粒子が写るような倍率と視野で観察し、粒子径を測長した。続いて、下記式により100個の微粒子の粒子径につき、その算術平均を求めることで平均粒子径を算出した。なお、画像上で微粒子が真円状でない場合(例えば楕円状のような場合)は、その最長径を粒子径として測定した。また、微粒子が不規則に寄せ集まった凝集体を形成している場合は、凝集体を形成する最小単位の微粒子の直径を、粒子径として測定した。ただし、前記凝集体が複数の微粒子同士が融着したもので、微粒子間の境界が定かでない場合は、融着体の最大径を粒子径として測定した。
以下に説明する各実施例等の微粒子の平均粒子径を求めるために、FE−SEMを用いて、粉砕媒体用ポリマー微粒子を100〜500倍で観察し、100個の微粒子についてその直径(粒子径)を測定した。その際、粒子径のバラつきを反映した正確な平均粒子径を求めるために、1枚の画像に2個以上100個未満の微粒子が写るような倍率と視野で観察し、粒子径を測長した。続いて、下記式により100個の微粒子の粒子径につき、その算術平均を求めることで平均粒子径を算出した。なお、画像上で微粒子が真円状でない場合(例えば楕円状のような場合)は、その最長径を粒子径として測定した。また、微粒子が不規則に寄せ集まった凝集体を形成している場合は、凝集体を形成する最小単位の微粒子の直径を、粒子径として測定した。ただし、前記凝集体が複数の微粒子同士が融着したもので、微粒子間の境界が定かでない場合は、融着体の最大径を粒子径として測定した。
(式中、Diは微粒子個々の粒子径を表わし、Dは平均粒子径を表わす。nは測定数を表わし、以下に説明する各実施例等では、n=100とした。)
(3)真球度の測定
以下に説明する各実施例等の微粒子の真球度は、平均粒子径を求めるために用いたFE−SEM画像中で、無作為に選択した微粒子30個の真球度の算術平均値であり、下記式に従い算出した。真球度は、個々の微粒子の長径(最大径)と、長径の中心において長径と垂直に交わる短径の比であり、下記式に従い算出した。
以下に説明する各実施例等の微粒子の真球度は、平均粒子径を求めるために用いたFE−SEM画像中で、無作為に選択した微粒子30個の真球度の算術平均値であり、下記式に従い算出した。真球度は、個々の微粒子の長径(最大径)と、長径の中心において長径と垂直に交わる短径の比であり、下記式に従い算出した。
(式中、Smは平均真球度(%)を表わし、Siは微粒子個々の真球度を表わし、aiは微粒子個々の短径を表わし、biは微粒子個々の長径を表わす。nは測定数を表わし、以下に説明する各実施例等では、n=30とした。)
(4)粒子径分布指数(PDI)の測定
粉砕媒体用ポリマー微粒子の粒子径分布指数(PDI)は、平均粒子径の算出時に行った個々の微粒子の粒子径の測長結果を用いて、次の式により算出した。
粉砕媒体用ポリマー微粒子の粒子径分布指数(PDI)は、平均粒子径の算出時に行った個々の微粒子の粒子径の測長結果を用いて、次の式により算出した。
(式中、Diは粒子個々の粒子径を表わし、PDIは粒子径分布指数を表わす。nは測定数を表わし、以下に説明する各実施例等では、n=100とした。)
(5)粉砕物への混入性(コンタミネーション)評価
粉砕物への混入性評価のため、粉砕媒体用ポリマー微粒子をビーズミル(アシザワ・ファインテック株式会社製DMR−65、周速:15m/sec)で1時間処理した。30μm以下の微粉発生の有無をビーズミル処理前後で比較するため、粒子径分布測定装置(日機装株式会社製マイクロトラックMT3300EX II)にて粒子含有量(%)の確認を行った。
粉砕物への混入性評価のため、粉砕媒体用ポリマー微粒子をビーズミル(アシザワ・ファインテック株式会社製DMR−65、周速:15m/sec)で1時間処理した。30μm以下の微粉発生の有無をビーズミル処理前後で比較するため、粒子径分布測定装置(日機装株式会社製マイクロトラックMT3300EX II)にて粒子含有量(%)の確認を行った。
実施例1<ポリエーテルスルホン微粒子の製造>
1000mlの4口フラスコの中に、ポリマーとしてポリエーテルスルホン 24.5g(重量平均分子量 67,000 住友化学株式会社製 ‘スミカエクセル(登録商標)’5003P)、有機溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン 308g、ポリマーBとしてポリビニルアルコール 17.5g(日本合成化学工業株式会社製 ‘ゴーセノール(登録商標)’GL−05、重量平均分子量 10,600、SP値32.8(J/cm3)1/2)を加え、80℃に加熱し、ポリマーが溶解するまで攪拌を行った。系の温度を80℃に保ったまま、350rpmで攪拌しながら、貧溶媒として350gのイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.92g/分のスピードで滴下した。約80gのイオン交換水を加えた時点で、系が白色に変化した。全量の水を入れ終わった後に、30分間攪拌し、得られた懸濁液を、ろ過し、イオン交換水 1000gで洗浄し、濾別したものを、80℃ 10時間真空乾燥を行い、白色固体を24.0g得た。得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、真球状の微粒子形状(図2)であり、平均粒子径 118.7μm、粒子径分布指数 1.13、真球度96のポリエーテルスルホン微粒子であった。また、粉砕物への混入性(コンタミネーション)評価を行った結果、30μm以下の微粉発生は認められず、ビーズミル処理前後で含有量は変わらず0%だった。
1000mlの4口フラスコの中に、ポリマーとしてポリエーテルスルホン 24.5g(重量平均分子量 67,000 住友化学株式会社製 ‘スミカエクセル(登録商標)’5003P)、有機溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン 308g、ポリマーBとしてポリビニルアルコール 17.5g(日本合成化学工業株式会社製 ‘ゴーセノール(登録商標)’GL−05、重量平均分子量 10,600、SP値32.8(J/cm3)1/2)を加え、80℃に加熱し、ポリマーが溶解するまで攪拌を行った。系の温度を80℃に保ったまま、350rpmで攪拌しながら、貧溶媒として350gのイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.92g/分のスピードで滴下した。約80gのイオン交換水を加えた時点で、系が白色に変化した。全量の水を入れ終わった後に、30分間攪拌し、得られた懸濁液を、ろ過し、イオン交換水 1000gで洗浄し、濾別したものを、80℃ 10時間真空乾燥を行い、白色固体を24.0g得た。得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、真球状の微粒子形状(図2)であり、平均粒子径 118.7μm、粒子径分布指数 1.13、真球度96のポリエーテルスルホン微粒子であった。また、粉砕物への混入性(コンタミネーション)評価を行った結果、30μm以下の微粉発生は認められず、ビーズミル処理前後で含有量は変わらず0%だった。
実施例2<ポリアミドイミド微粒子の製造>
1000mlの4口フラスコの中に、ポリマーとしてポリアミドイミド 42.0g(重量平均分子量 66,000 東レ(株)製 TI 5013E−P)、有機溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン 283.5g、ポリマーBとしてポリビニルアルコール 24.5g(日本合成化学工業株式会社 ‘ゴーセノール(登録商標)’GL−05)を加え、80℃に加熱し全てのポリマーが溶解するまで攪拌を行った。系の温度を80℃に保ったまま、350rpmで攪拌しながら、貧溶媒として350gのイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.92g/分のスピードで滴下した。約80gのイオン交換水を加えた時点で、系が黄白色に変化した。全量の水を入れ終わった後に、30分間攪拌し、得られた懸濁液を、ろ過し、イオン交換水 1000gで洗浄し、濾別したものを、80℃ 10時間真空乾燥を行い、黄色固体41.3gを得た。得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、真球状であり、平均粒子径 91.0μm、粒子径分布指数1.11、真球度99のポリアミドイミド微粒子であった。また、粉砕物への混入性(コンタミネーション)評価を行った結果、30μm以下の微粉発生は認められず、ビーズミル処理前後で含有量は変わらず0%だった。
1000mlの4口フラスコの中に、ポリマーとしてポリアミドイミド 42.0g(重量平均分子量 66,000 東レ(株)製 TI 5013E−P)、有機溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン 283.5g、ポリマーBとしてポリビニルアルコール 24.5g(日本合成化学工業株式会社 ‘ゴーセノール(登録商標)’GL−05)を加え、80℃に加熱し全てのポリマーが溶解するまで攪拌を行った。系の温度を80℃に保ったまま、350rpmで攪拌しながら、貧溶媒として350gのイオン交換水を、送液ポンプを経由して、2.92g/分のスピードで滴下した。約80gのイオン交換水を加えた時点で、系が黄白色に変化した。全量の水を入れ終わった後に、30分間攪拌し、得られた懸濁液を、ろ過し、イオン交換水 1000gで洗浄し、濾別したものを、80℃ 10時間真空乾燥を行い、黄色固体41.3gを得た。得られた粉体を走査型電子顕微鏡にて観察したところ、真球状であり、平均粒子径 91.0μm、粒子径分布指数1.11、真球度99のポリアミドイミド微粒子であった。また、粉砕物への混入性(コンタミネーション)評価を行った結果、30μm以下の微粉発生は認められず、ビーズミル処理前後で含有量は変わらず0%だった。
Claims (7)
- ガラス転移点が160℃以上400℃以下のポリマーからなる粉砕媒体用ポリマー微粒子。
- 平均粒子径が50μm以上、1000μm以下である請求項1記載の粉砕媒体用ポリマー微粒子。
- 粒子径分布指数が1〜3である請求項1または2に記載の粉砕媒体用ポリマー微粒子。
- 真球度が80以上である請求項1〜3のいずれかに記載の粉砕媒体用ポリマー微粒子。
- ガラス転移点が160℃以上400℃以下のポリマーが、芳香族ポリエーテルスルホン、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、および非晶ポリアリレートから選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれかに記載の粉砕媒体用ポリマー微粒子。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の粉砕媒体用ポリマー微粒子からなる粉砕媒体。
- ビーズミル、ボールミル、振動ミル、エアジェットミル、ロールミル、磨砕ミル、遊星形ミル、およびサンドミルから選ばれるいずれかで用いられる請求項6記載の粉砕媒体。
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JP2017032766A JP2018135493A (ja) | 2017-02-24 | 2017-02-24 | 粉砕媒体用ポリマー微粒子 |
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Publications (1)
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Cited By (1)
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JP2020510109A (ja) * | 2017-03-09 | 2020-04-02 | エルジー・ハウシス・リミテッド | 熱可塑性高分子粒子 |
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2017
- 2017-02-24 JP JP2017032766A patent/JP2018135493A/ja active Pending
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US11001677B2 (en) | 2017-03-09 | 2021-05-11 | Lg Hausys, Ltd. | Thermoplastic polymer particles having low impurity content |
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US11149120B2 (en) | 2017-03-09 | 2021-10-19 | Lg Hausys, Ltd. | Method for manufacturing thermoplastic polymer particles |
US11542372B2 (en) | 2017-03-09 | 2023-01-03 | Lg Hausys, Ltd. | Thermoplastic polymer particles having a peak of cold crystallization temperature |
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