JP2018135364A - エチレンオキシドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】エチレンオキシドの製造プロセスにおけるアルゴンパージ量をよりいっそう削減することが可能な新規な技術を提供。
【解決手段】エチレンを銀触媒の存在下、分子状酸素(O)の濃度が99.7容量%以上の分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化させて生成したエチレンオキシドを含有するガスをエチレンオキシド吸収塔へ供給し、吸収液と接触させて得た塔底液をエチレンオキシド精製系へ供給して精製する工程と、前記エチレンオキシド吸収塔の塔頂部から排出される炭酸ガス含有ガスを炭酸ガス吸収塔へ供給し、吸収液と接触させて得られる炭酸ガス濃厚吸収液を抜き出して炭酸ガス放散塔の上部へ供給し、前記炭酸ガス濃厚吸収液から炭酸ガスを放散させて前記炭酸ガス放散塔の塔頂部から排ガスとして排出させる工程とを含むエチレンオキシドの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、エチレンオキシドの製造方法に関する。
エチレンオキシドは、今日ではエチレンを銀触媒の存在下で分子状酸素含有ガスにより
接触気相酸化して製造される。そして、エチレンオキシドの製造プロセスにおける精製方
法は大略以下のとおりである(例えば、特許文献1を参照)。
まず、エチレンと分子状酸素含有ガスとを銀触媒上で接触気相酸化して、エチレンオキ
シドを含む反応生成ガスを得る(反応工程)。次いで、得られた反応生成ガスをエチレン
オキシド吸収塔へ導き、水を主成分とする吸収液と接触させて、エチレンオキシドを水溶
液として回収する(吸収工程)。次いで、回収されたエチレンオキシド水溶液をエチレン
オキシドの精製系へと送り、いくつかの段階を経て高純度エチレンオキシドが得られる。
このエチレンオキシドの精製系は通常、放散工程、脱水工程、軽質分分離工程、重質分分
離(精製)工程などからなっている。
ここで、エチレンオキシド吸収塔の塔頂部から排出される未反応エチレン、副生した二
酸化炭素や水、さらには不活性ガス(窒素、アルゴン、メタン、エタン等)を含む排出ガ
スについては、そのままエチレン酸化工程に循環させるか、またはその一部を抜き出し、
二酸化炭素吸収塔に導きアルカリ性吸収液により二酸化炭素を選択的に吸収させ、この吸
収液から二酸化炭素を放散回収することが通常行われている。
一方、反応原料である分子状酸素含有ガスはアルゴンを含有しており、上述したように
エチレンオキシド吸収塔の塔頂部からの排出ガスをエチレン酸化工程または二酸化炭素吸
収工程に循環させるのみでは、プロセス循環ガス中にアルゴンが蓄積する。プロセス循環
ガス中にアルゴンが蓄積すると、反応系の圧力が上昇して一定圧力での運転ができなくな
る虞がある。また、プロセス循環ガス中のアルゴン濃度が高くなりすぎると、エチレン濃
度および酸素濃度の低下によりEO反応率が低下する虞もある。そこで、エチレンオキシ
ド吸収塔の塔頂部からの排出ガスの一部を抜き出してパージすること(アルゴンパージ)
が通常行われている。
上述したように、アルゴンパージされる吸収塔の塔頂部からの排出ガス(吸収塔排ガス
)はエチレンオキシドの製造原料であるエチレンを含んでおり、アルゴンパージによるエ
チレンロス分は、エチレン酸化反応器へ投入されるエチレン量の0.55%にも達する。
このため、アルゴンパージ量を削減することが求められている。
特開昭62−103072号公報
本発明は、上述したような従来の状況に鑑みなされたものであり、エチレンオキシドの
製造プロセスにおけるアルゴンパージ量をよりいっそう削減することが可能な新規な技術
を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み鋭意研究を行った。その過程で、エチレン酸化反応器で
の接触気相酸化反応に用いるために系外から系内へ供給される分子状酸素含有ガスに含ま
れる微量の窒素やアルゴンのプロセスへの混入が、アルゴンパージ量増加の原因の一つと
なっていることを突き止めた。
そして、上記分子状酸素含有ガスにおける分子状酸素(O)の濃度を所定の値以上と
することで、上記分子状酸素含有ガスを由来とするプロセスへの窒素やアルゴンの混入を
抑制することができ、ひいてはアルゴンパージ量を削減することが可能となることを見出
し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一形態は、エチレンオキシドの製造方法に関する。当該製造方法は
、まず、エチレンを銀触媒の存在下、分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化させる、エ
チレン酸化反応器でのエチレン酸化反応工程において生成したエチレンオキシドを含有す
る反応生成ガスをエチレンオキシド吸収塔へ供給し、前記エチレンオキシド吸収塔へ供給
された吸収液と接触させ、エチレンオキシドを含有する前記エチレンオキシド吸収塔の塔
底液をエチレンオキシド精製系へ供給し、前記エチレンオキシド精製系においてエチレン
オキシドを精製する工程を含む。また、当該製造方法は、前記エチレンオキシド吸収塔の
塔頂部から排出される炭酸ガス含有ガスの少なくとも一部を炭酸ガス吸収塔へ供給し、前
記炭酸ガス含有ガスを吸収液と接触させて得られる炭酸ガス濃厚吸収液を前記炭酸ガス吸
収塔の塔底液として抜き出して炭酸ガス放散塔の上部へ供給し、前記炭酸ガス濃厚吸収液
から炭酸ガスを放散させて前記炭酸ガス放散塔の塔頂部から排ガスとして排出させる工程
を含む。
そして、本形態に係るエチレンオキシドの製造方法では、系外から系内へ供給される前
記分子状酸素含有ガスにおける分子状酸素(O)の濃度が99.7容量%以上である点
に特徴がある。
本発明によれば、エチレンオキシドの製造プロセスにおいて、系外から系内へ供給され
る分子状酸素含有ガスにおける分子状酸素(O)の濃度を99.7容量%以上とするこ
とで、上記分子状酸素含有ガス由来の窒素やアルゴンのプロセスへの混入が抑制される。
その結果、エチレンオキシドの製造プロセスにおけるアルゴンパージ量を削減することが
可能となる。
本発明の一実施形態に係るエチレンオキシドの製造方法を実施するプロセスの構成例を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るエチレンオキシドの製造方法を実施するプロセスの構成例を示すブロック図である。 放散されたエチレンオキシドが最終的に精製されるまでの精製工程の構成例を示すブロック図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための具体的な形態について詳細に説明
するが、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて定められるべきであり、
下記の形態のみには限定されない。
≪反応系≫
まず、図1を参照しつつ、エチレンの酸化反応によってエチレンオキシドを製造する系
(以下、単に「反応系」とも称する)について説明する。図1は、本発明の一実施形態に
係るエチレンオキシドの製造方法を実施するプロセスの構成例を示すブロック図である。
図1に示すエチレンオキシドの製造プロセスは、大きく分けて反応系、炭酸ガス系、およ
び精製系の3つの系から構成されている。
本発明で用いられる「エチレンオキシドを含有する反応生成ガス」は、エチレンを銀触
媒の存在下、分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化させる工程(以下、「エチレン酸化
反応工程」とも称する)で生成したものであればよい。この接触気相酸化反応の技術自体
は広く知られたものであり、本発明の実施にあたっても、従来公知の知見が適宜参照され
うる。なお、反応生成ガスの組成等の具体的な形態に特に制限はない。一例として、反応
生成ガスは、通常0.5〜5容量%のエチレンオキシドの他、未反応酸素、未反応エチレ
ン、生成水、二酸化炭素、窒素、アルゴン、メタン、エタン等のガスに加えて、ホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒドのアルデヒド類、酢酸等の有機酸類を微量含有している。
図1を参照すると、まず、エチレンや分子状酸素を含有する原料ガスは、昇圧ブロワ4
で昇圧された後、熱交換器(図示せず)で加熱されてエチレン酸化反応器1に供給される
。エチレン酸化反応器1は通常、銀触媒が充填された反応管を多数備えた多管式反応器で
ある。エチレン酸化反応工程で生成した反応生成ガスは、熱交換器(図示せず)を通過す
ることで冷却された後、エチレンオキシド吸収塔(以下、単に「吸収塔」とも称する)2
に供給される。具体的には、反応生成ガスは吸収塔2の塔底部から供給される。一方、吸
収塔2の塔頂部からは、水を主成分とする吸収液が供給される。これにより、吸収塔2の
内部において気液の向流接触が行われ、反応生成ガスに含まれるエチレンオキシド(通常
は99質量%以上)が吸収液に吸収される。また、エチレンオキシドの他にも、エチレン
、酸素、二酸化炭素、不活性ガス(窒素、アルゴン、メタン、エタン等)、並びにエチレ
ン酸化反応工程で生成したホルムアルデヒド等の低沸点不純物、アセトアルデヒド、酢酸
等の高沸点不純物もその実質量が同時に吸収される。なお、吸収塔2に供給される反応生
成ガスの温度は、好ましくは約20〜80℃である。また、吸収液の組成について特に制
限はなく、水を主成分とするもののほか、特開平8−127573号公報に開示されてい
るようなプロピレンカーボネートが吸収液として用いられてもよい。また、必要に応じて
、吸収液には添加剤が添加されうる。吸収液に添加されうる添加剤としては、例えば、消
泡剤やpH調整剤が挙げられる。消泡剤としては、エチレンオキシドおよび副生エチレン
グリコール等に対して不活性であり、吸収液の消泡効果を有するものであればいかなる消
泡剤も使用されうるが、代表的な例としては、水溶性シリコンエマルションが吸収液への
分散性、希釈安定性、熱安定性が優れているため、効果的である。また、pH調整剤とし
ては、例えば、カリウム、ナトリウムといったアルカリ金属の水酸化物や炭酸塩等の、吸
収液に溶解しうる化合物が挙げられ、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムが好ましい
。なお、吸収液のpHは、好ましくは5〜12であり、より好ましくは6〜11である。
吸収塔2としては、通常、棚段塔形式または充填塔形式の吸収塔が用いられうる。吸収
塔2の操作条件としては、反応生成ガス中のエチレンオキシド濃度が0.5〜5容量%、
好ましくは1.0〜4容量%であり、吸収塔2の操作圧は0.2〜4.0MPa gau
ge、好ましくは1.0〜3.0MPa gaugeである。吸収操作は、高圧ほど有利
であるが、そのとりうる値は酸化反応器の運転圧力に応じて決定されうる。また、反応生
成ガスに対する吸収液のモル流量比(L/V)は、通常0.30〜2.00である。また
、反応生成ガスの標準状態における空間線速度(GHSV[NTP])は、通常400〜
6000h−1である。
吸収塔2において吸収されなかったエチレン、酸素、二酸化炭素、不活性ガス(窒素、
アルゴン、メタン、エタン)、アルデヒド、酸性物質等を含有するガスは、吸収塔2の塔
頂部から導管3を通じて排出される。そして、この排出ガスは、昇圧ブロワ4によって圧
力を高められた後、導管5を通じてエチレン酸化反応器1へと循環される。なお、エチレ
ン酸化反応工程の詳細については上述したとおりである。ここで、エチレン酸化反応工程
は通常、銀触媒が充填された反応管を多数備えた酸化反応器中で、加圧(1.0〜3.0
MPa gauge程度の圧力)条件下にて行われる。このため、吸収塔2の塔頂部から
の排出ガスをエチレン酸化反応工程へと循環する前に、昇圧ブロワ4等の昇圧手段を用い
て昇圧する必要があるのである。
本発明では、系外から系内へ供給される分子状酸素含有ガスにおける分子状酸素(O
)の濃度が99.7容量%以上である点に特徴がある。ここで、「系外から系内へ供給さ
れる分子状酸素含有ガス」とは、吸収塔2の塔頂部と昇圧ブロワ4とを繋ぐ導管3に供給
される分子状酸素含有ガス(図1に「O」として示すもの)を意味する。
上述したように、本発明者らは、エチレンオキシドの製造プロセスにおけるアルゴンパ
ージ量の削減を目指す過程で、エチレン酸化反応器での接触気相酸化反応に用いるために
系外から系内へ供給される分子状酸素含有ガスに含まれる微量の窒素やアルゴンのプロセ
スへの混入が、アルゴンパージ量増加の原因の一つとなっていることを突き止めた。そし
て、上記分子状酸素含有ガスにおける分子状酸素(O)の濃度を所定の値以上とするこ
とで、上記分子状酸素含有ガスを由来とするプロセスへの窒素やアルゴンの混入を抑制す
ることができ、ひいてはアルゴンパージ量を削減することが可能となることを見出し、本
発明を完成させるに至ったのである。
なお、本発明において、系内へ供給される分子状酸素含有ガスにおける分子状酸素(O
)の濃度は99.7容量%以上であることが必要であるが、このように高濃度のO
含有する分子状酸素含有ガスを得るための具体的な手法について特に制限はない。例えば
、深冷分離式やPSA方式といった手法により、上述したような高濃度の分子状酸素含有
ガスを得ることが可能である。
また、本発明者らは、上記とは別の観点からもアルゴンパージ量の削減について検討を
進めたところ、エチレン酸化反応器に供給される原料ガスを昇圧するための昇圧ブロワの
軸封装置(いわゆる軸シール)からプロセスへの窒素の混入もまた、アルゴンパージ量増
加の原因の一つとなっていることを突き止めた。そして、上記昇圧ブロワとして、軸封装
置のシール方式がドライガスシール方式である遠心圧縮機を採用することによっても、上
記昇圧ブロワからプロセスへの窒素の混入を抑制することができることを見出した。
ドライガスシール方式は、垂直端面の狭いシール部で回転によりガス圧を発生させ、ガ
ス膜により非接触として(隙間は数ミクロンのレベル)、極小のガス漏れを発生させなが
らシールの機能を発揮するものである。なお、軸封装置としてドライガスシールを備えた
遠心圧縮機そのものは公知の技術に属するものであり、これに関する文献も多数存在して
いる。
ここで、上記知見に基づいて本発明者らが検討したところによれば、理論上、分子状酸
素(O)の濃度が99.7容量%以上の分子状酸素含有ガスを用い、かつ、昇圧ブロワ
として上記所定の遠心圧縮機を用いれば、アルゴンパージが不要となるものと考えられた
。このため、上述した2つの技術を併用し、かつ、アルゴンパージを行うことなくエチレ
ンオキシドの製造プロセスを実施してみたところ、驚くべきことに、アルゴンパージによ
ってのみ系外へと排出されると考えられていたプロセス中の窒素の量が経時的に有意に減
少していくという現象が観察された。このように、プロセス中の窒素の量が経時的に有意
に減少してしまうと、エチレン酸化反応器に供給される原料ガスの物質収支に不均衡が生
じ、具体的には反応系内の運転圧力が低下するという問題が新たに発生することとなる。
このため、上述した2つの技術を併用し、かつ、アルゴンパージを行うことなくエチレン
オキシドの製造プロセスを実施するにあたっては、分子状酸素含有ガスとともに不活性ガ
ス(窒素、アルゴンなど(好ましくは窒素))を系内に供給しながら行うことが好ましい
ことを見出したのである(実施例2を参照)。
≪炭酸ガス系≫
図1に示すように、吸収塔2の塔頂部から排出されるガス(炭酸ガス含有ガス)の少な
くとも一部は、昇圧ブロワ4等の昇圧手段により昇圧され、導管6を通じて炭酸ガス吸収
塔7へ供給される。以下、図1を参照しつつ、炭酸ガス吸収塔7へのガスの導入に始まる
炭酸ガス回収系(以下、単に「炭酸ガス系」とも称する)について説明する。
上述したように吸収塔2の塔頂部から排出されるガスが加圧されて(導管6を通じて)
炭酸ガス吸収塔7へ導入される場合、その際のガス圧力は0.5〜4.0MPa gau
ge程度に調節され、ガス温度は80〜120℃程度に調節される。炭酸ガス吸収塔7の
後段には炭酸ガス放散塔8が設置されており、この炭酸ガス放散塔8の塔底部からはアル
カリ性吸収液が炭酸ガス吸収塔7の上部へ供給される。そして、このアルカリ性吸収液と
の向流接触により、炭酸ガス吸収塔7へ導入されたガスに含まれる炭酸ガスや、少量の不
活性ガス(例えば、エチレン、メタン、エタン、酸素、窒素、アルゴン等)が吸収される
。炭酸ガス吸収塔7の塔頂部から排出される未吸収ガスは導管3へ循環され、新たに補充
される酸素、エチレン、メタン等と混合された後、エチレン酸化反応器1へ循環される。
炭酸ガス吸収塔7において炭酸ガスを吸収した炭酸ガス濃厚吸収液は、炭酸ガス吸収塔
の塔底部から抜き出された後、圧力0.01〜0.5MPa gauge、温度80〜1
20℃程度に調節され、塔底部にリボイラー9を備えた炭酸ガス放散塔8の上部に供給さ
れる。炭酸ガス放散塔8の上部の供液部において吸収液は、炭酸ガス吸収塔7と炭酸ガス
放散塔8との圧力差によって圧力フラッシュを起こす。これにより、吸収液中の10〜8
0容量%の炭酸ガスおよび大部分の不活性ガスは吸収液から分離され、炭酸ガス放散塔8
の塔頂部から排ガスとして排出される。本実施形態においては、図1に示すように、この
排ガスの排熱を精製系におけるエチレンオキシド精製塔の熱源として利用することが好ま
しい(この詳細については後述する)。ここで、炭酸ガス放散塔8のリボイラー9への投
入蒸気量を削減するという観点からは、炭酸ガス放散塔8の運転圧力は小さいほど好まし
い。具体的には、炭酸ガス放散塔8の運転圧力は、好ましくは0〜0.1MPa gau
geであり、より好ましくは0.01〜0.015MPa gaugeである。
なお、上述した圧力フラッシュにより炭酸ガスの一部を分離された残りの炭酸ガス吸収
液は、供液部の下方に設けられた気液接触部10に入り、リボイラー9より発生した蒸気
および気液接触部10以下の部分から発生した炭酸ガスを主とするガスと向流接触して吸
収液中の炭酸ガスの一部およびその他の不活性ガスの大部分が吸収液から分離される。炭
酸ガス系におけるこれら一連のプロセスにより、気液接触部10の最上部から下方、好ま
しくは気液接触に必要な一理論段数以上に相当する気液接触部10の下部の炭酸ガス放散
塔8の内部から、高純度の炭酸ガスが得られる。すなわち、気液接触部10で炭酸ガス吸
収液中の不活性ガスは、下部から上昇してくるごく微量の不活性ガスを含む炭酸ガスと水
蒸気とによって向流気液接触を起こして放散され、これにより不活性ガスの濃度は極めて
低くなる。したがって、この放散後のガスを取り出せば高純度の炭酸ガスが得られる。
≪精製系≫
吸収塔2においてエチレンオキシドを吸収した吸収液は、当該吸収塔2の塔底液として
、エチレンオキシド精製系(以下、単に「精製系」とも称する)へと送られる。精製系の
具体的な形態について特に制限はなく、従来公知の知見が適宜参照されうる。一例として
、精製系は通常、放散工程、脱水工程、軽質分分離工程、重質分分離(精製)工程などか
らなっている。以下、図2および図3を参照しつつ、これらのうちのいくつかの工程から
なる精製系について説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るエチレンオキシドの製
造プロセスを実施するためのプロセスの構成例を示すブロック図である。
吸収塔2の塔底液(吸収液)は、エチレンオキシド放散塔(以下、単に「放散塔」とも
称する)11へ供給される前に、通常は放散塔11における放散に適した温度にまで予め
加熱される。具体的には、図2に示すように、吸収塔2の塔底液(吸収液)は導管12を
通じて熱交換器13へ供給される。そして、この熱交換器13において、放散塔11の塔
底液との間での熱交換が行われ、さらに必要であれば加熱器14によって加熱され、吸収
塔2の塔底液(吸収液)は70〜110℃程度の温度まで加熱される。本実施形態におい
て、放散塔11の塔底液との熱交換によって加熱された吸収塔2の塔底液(吸収液)は、
導管15を通じて気液分離タンク16に供給される。気液分離タンク16においては、一
部エチレンオキシド及び水を含む不活性ガスの軽質ガスが分離されて導管17を通じて排
出され、エチレンオキシド再吸収塔(図示せず)へ供給される。一方、軽質分ガスをフラ
ッシュした残部の吸収液は、導管18を通じて放散塔11の上部へ供給される。なお、導
管18のように特に高温条件下でエチレンオキシドが水と共存する部位については、その
配設距離を可能な限り短くするように配慮することで、吸収液の滞留時間を短くすること
ができ、その結果、エチレングリコールの副生の防止に資することができる。
続いて、例えば、図2に示すように水蒸気等の加熱媒体をリボイラー19へ供給し、当
該リボイラー19において加熱された加熱媒体を用いて放散塔11を加熱するか、または
、放散塔11の塔底部へ直接水蒸気を供給することによって放散塔11を加熱する。この
ようにして放散塔11が加熱されることによって、放散塔11の上部から供給された吸収
液に含まれるエチレンオキシド(通常はその99質量%以上)が放散し、放散塔11の塔
頂部から導管20を経て排出される。なお、放散塔11の操作条件は、塔頂圧力が通常0
.01〜0.20MPa gauge、好ましくは0.03〜0.06MPa gaug
eである。塔頂圧力は小さいほど塔内の温度が低下し、その結果として塔内におけるエチ
レンオキシドからのエチレングリコールの副生が抑制される傾向がある。しかしながら、
エチレンオキシドは比較的着火しやすい物質であるため、系内への酸素の漏れ込みを防止
するという観点から、大気圧以下での運転は通常行われず、上述したように大気圧よりも
やや大きい圧力で運転される。なお、放散塔11の温度条件としては、塔頂温度は通常8
5〜120℃であり、塔底温度は通常100〜130℃である。
エチレンオキシドが放散された後の残部の吸収液は、図2に示すように、放散塔11の
塔底液として抜き出され、吸収塔2における吸収液として吸収塔2の上部へ供給され、循
環使用されうる。ただし、吸収液の組成を調節する目的で、別途設けた導管を通じて、新
鮮な水や、必要に応じて上述した添加剤を吸収塔2へと供給してもよい。また、吸収塔2
へ供給される吸収液中のエチレングリコール濃度を一定に保持することが好ましい。この
ため、吸収塔2と放散塔11との間を循環する吸収液の一部は放散塔11の塔底部から抜
き出される。ここで、放散塔11の塔底液はエチレンオキシドを実質的に含まない。具体
的には、当該塔底液中に含まれるエチレンオキシドの濃度は、好ましくは10質量ppm
以下であり、より好ましくは0.5質量ppm以下である。この塔底液は、エチレン酸化
反応工程とエチレンオキシド放散工程との間で吸収液中に副生したエチレングリコールを
含有しており、その一部は、導管21および導管22を通じて抜き出される。導管22を
通じて抜き出された液は、燃焼処理に供されるか、または、含有するエチレングリコール
を濃縮して回収するためのエチレングリコール濃縮工程に供給される。さらに、場合によ
っては、抜き出された液に含まれるエチレングリコールをそのまま、またはエチレングリ
コール濃縮工程を経た後に、特公昭45−9926号公報や特公平4−28247号公報
等に開示されているような化学的処理のほか、場合によっては物理的処理を施すことによ
って、繊維グレード製品として回収することも可能である。なお、放散塔11の塔底液は
、ホルムアルデヒド等の低沸点不純物、アセトアルデヒドおよび酢酸等の高沸点不純物を
も含有していることから、上述したようにその一部を系外に抜き出すことで、吸収塔2に
循環される吸収液中へのこれらの不純物の蓄積を防止することができるという利点も得ら
れる。一方、導管22を通じて抜き出されなかった放散塔の塔底液は、熱交換器13を通
過することで吸収塔2の塔底液との熱交換により冷却されて、吸収塔2の塔頂部へと循環
される。
放散塔11の塔頂部から放散された、エチレンオキシドを含む放散物は、導管20を通
じて、導管23および導管24に冷却水が通る放散塔凝縮器25へ送り、凝縮液は導管2
6を通じて放散塔11の塔頂部へ還流し、未凝縮蒸気は導管27を通じて脱水塔28(図
3)へ供給される。
脱水塔28に供給されたエチレンオキシドを含む蒸気は、導管29を通して還流される
液と接触してよりエチレンオキシド濃度の高い蒸気となり、塔底から抜き出されるエチレ
ンオキシド濃度の低い液は導管を通して放散塔凝縮器25へ送られる。
脱水塔28の塔頂部から排出された、エチレンオキシドを含む蒸気は、導管30を通じ
て、導管31および導管32に冷却水が通る脱水塔凝縮器33へ送られ、凝縮液の一部は
導管29を通して脱水塔28の塔頂部へ還流し、脱水塔凝縮器33の未凝縮蒸気(エチレ
ンオキシド含有未凝縮ガス)は導管34を通してエチレンオキシド再吸収塔(図示せず)
へ供給される。エチレンオキシド再吸収塔では、上述した吸収塔2と同様に、吸収液との
向流接触によってエチレンオキシドが再吸収される。ここで、再吸収塔においてエチレン
オキシドの再吸収に用いられる吸収液の組成やpH、再吸収塔の形態(棚段塔形式または
充填塔形式)や操作条件などについては、吸収塔2について上述したのと同様である。な
お、エチレンオキシド再吸収塔の塔底液は、上述した吸収塔2の塔底液と同様に精製系(
本実施形態では、具体的には放散塔11)へと循環される。一方、エチレンオキシド再吸
収塔において吸収されなかった未凝縮ガスは塔頂部から排出される。エチレンオキシド再
吸収塔から排出された未凝縮ガスは、加圧手段によって圧力を高めた後に、吸収塔2また
は炭酸ガス吸収塔7に循環される(図1に示す実施形態では、図示していないが、吸収塔
2へと循環されている)。ただし、好ましくは、この未凝縮ガスは炭酸ガス吸収塔7へ循
環される。この未凝縮ガスには炭酸ガスが多く(通常は5〜60体積%程度)含まれてい
ることから、かような構成とすることで、吸収塔2から炭酸ガス吸収塔7に供給されるガ
ス中の炭酸ガス濃度を増加させることができる。その結果、炭酸ガス吸収塔7に供給され
るガス中の炭酸ガス量の増加に起因する問題の発生が防止され、エチレンオキシドの製造
プロセスからの炭酸ガスの回収をより効率的に行うことができる。より具体的には、炭酸
ガス放散塔8のリボイラー9に投入する蒸気量の削減、炭酸ガス吸収促進剤の投入量の削
減、吸収塔2から炭酸ガス吸収塔7に送られるガス風量の低減による昇圧ブロア動力の低
減、炭酸ガス吸収塔7の設備の小型化、エチレン酸化反応器1入口の炭酸ガス濃度の低減
によるエチレンオキシドの収率向上、の少なくとも1つの工業的にきわめて有利な効果が
得られる。
脱水塔凝縮器33の凝縮液の残部は導管36を通して軽質分分離塔37へ供給される。
軽質分分離塔37のリボイラー38により水蒸気等の加熱媒体で導管39を通じて加熱す
る方式により加熱し、軽質分分離塔37の塔頂部より軽質分を含むエチレンオキシド蒸気
は導管40を通じて導管41および導管42に冷却水が通る軽質分分離塔凝縮器43へ送
り、凝縮液は導管44を通じて軽質分分離塔37の塔頂部へ還流し、軽質分分離塔凝縮器
43の未凝縮蒸気(エチレンオキシド含有未凝縮ガス)は導管45を通してエチレンオキ
シドを回収するため上記のエチレンオキシド再吸収塔へ供給される。
軽質分分離塔37の塔底液は導管46を通してエチレンオキシド精製塔(以下、単に「
精製塔」とも称する)47へ供拾される。精製塔47は塔底部にリボイラー48を備えて
いる。そして、本実施形態では、精製塔47のリボイラー48へは、当該リボイラー48
を加熱するための加熱媒体として、圧力0.05〜0.10MPa gauge程度の水
蒸気が供給されている。ただし、加熱媒体はほかの物であってもよく、例えば、グリコー
ル水溶液、温水などが用いられうる。
上述したように、精製塔47のリボイラー48を加熱するための加熱媒体を、上述した
炭酸ガス放散塔8の塔頂部からの排ガスとの熱交換によって加熱することが好ましい。こ
れを達成すべく、上記加熱媒体(水蒸気)のリボイラー48への循環経路56上には熱交
換器57が設置されている。そして、この熱交換器57には炭酸ガス放散塔8の塔頂部か
らの排ガスが導管58を通じて供給されており、これにより上記加熱媒体(水蒸気)との
間で熱交換が起こって、当該加熱媒体(水蒸気)が加熱される。なお、熱交換器57で熱
交換された後の排ガスは、図1に示すように再度炭酸ガス放散塔8の気液分離部10に循
環させた後に大気中にパージすればよい。
ここで、精製塔47は、安全上の理由から高温下での運転は好ましくないことから、精
製塔47の温度は他の蒸留塔に比べて運転温度が低いという特徴がある。炭酸ガス放散塔
8の塔頂温度は87℃と比較的低温であり、この温度の排ガスであれば、精製塔47の熱
源としての利用が可能である。すなわち、炭酸ガス放散塔8の塔頂部からの排ガスは炭酸
ガスを含んだ蒸気であり、排ガス中の蒸気の熱回収効率を高めるためには、熱交換される
物どうしの温度差が大きいほど好ましいことから、上記排ガスを熱交換に用いる先の温度
は低いほど好ましいのである。
上述したように加熱媒体がリボイラー48に供給されることにより、精製塔47の塔底
温度35〜80℃、精製塔47の塔底圧力0.10〜0.80MPa gaugeで精製
を行い、精製塔47の塔頂部から、塔頂温度12〜75℃、塔頂部圧力0.10〜0.8
0MPa gaugeのエチレンオキシド蒸気が、導管49および導管50に冷却水が通
る精製塔凝縮器51へ送られる。そして、精製塔凝縮器51においてエチレンオキシドを
液化させ、一部は導管52を通して精製塔47の塔頂部へ還流液として供給し、残部は導
管53を通して製品エチレンオキシド(製品EO)として抜き出す。精製塔凝縮器51の
未凝縮蒸気(エチレンオキシド含有未凝縮ガス)は導管54を通してエチレンオキシドを
回収するため上記のエチレンオキシド再吸収塔へ供給される。
なお、精製塔47の塔底液は、アセトアルデヒド、水、および酢酸等の高沸点不純物の
重質分分離のため、必要により導管55を通して抜き出される。
上述したように、精製系から排出される未凝縮蒸気(図3に示す実施形態では、脱水塔
凝縮器33、軽質分分離塔凝縮器43、および精製塔凝縮器51由来の未凝縮蒸気)はエ
チレンオキシドを含有している。このため、これらの未凝縮蒸気は、上記のエチレンオキ
シド再吸収塔へ供給される。
以下、実施例を用いて本発明の実施形態をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲
は下記の形態のみには限定されない。
[比較例]
図1〜図3に示すエチレンオキシドの製造プロセスによりエチレンオキシドを製造した
。なお、本比較例では、軸封装置としてオイルフィルムシールを備えた遠心圧縮機(2基
)を昇圧ブロワ4として用いた。また、吸収塔2の塔頂部と昇圧ブロワ4とを繋ぐ導管3
に供給される分子状酸素含有ガスとして、O濃度99.60容量%(残部アルゴン)の
ものを用いた。ここで、本比較例の定常運転時における、図1に示す丸数字1〜丸数字5
までの各部位における成分量および運転条件(流量、圧力、温度)を下記の表1に示す。
[実施例1]
図1〜図3に示すエチレンオキシドの製造プロセスによりエチレンオキシドを製造した
。なお、本実施例では、軸封装置としてオイルフィルムシールを備えた遠心圧縮機(2基
)を昇圧ブロワ4として用いた。また、吸収塔2の塔頂部と昇圧ブロワ4とを繋ぐ導管3
に供給される分子状酸素含有ガスとして、O濃度99.95容量%(残部アルゴン)の
ものを用いた。ここで、本実施例の定常運転時における、図1に示す丸数字1〜丸数字5
までの各部位における成分量および運転条件(流量、圧力、温度)を下記の表2に示す。
[実施例2]
図1〜図3に示すエチレンオキシドの製造プロセスによりエチレンオキシドを製造した
。なお、本実施例では、軸封装置としてドライガスシールを備えた遠心圧縮機(2基)を
昇圧ブロワ4として用いた。また、吸収塔2の塔頂部と昇圧ブロワ4とを繋ぐ導管3に供
給される分子状酸素含有ガスとして、O濃度99.95容量%(残部アルゴン)のもの
を用いた。ここで、本実施例の定常運転時における、図1に示す丸数字1〜丸数字5まで
の各部位における成分量および運転条件(流量、圧力、温度)を下記の表3に示す。なお
、本実施例ではアルゴンパージを実施していないため、丸数字5における流量は0となっ
ている。また、吸収塔2の塔頂部と昇圧ブロワ4とを繋ぐ導管3に、分子状酸素含有ガス
とともに窒素(N)ガスを1.1Nm/分の流量で供給することにより、物質収支を
均衡させた。
上述した比較例および実施例1〜2から算出されるアルゴンパージ中のメタン量および
エチレンロス量を以下の通り算出した。
表4に示す結果から、本発明の構成とする(高濃度O含有ガスを系内に供給する)こ
とにより、アルゴンパージ量を削減することができることがわかる(実施例1)。また、
軸封装置としてドライガスシールを備えた遠心圧縮機を昇圧ブロワとしてさらに用いるこ
とで、アルゴンパージの操作自体を行わずにエチレンオキシドの製造プロセスを実施でき
ることがわかる(実施例2)。なお、この際には、物質収支を均衡させるべく、系内に分
子状酸素含有ガスと併せて、窒素等の不活性ガスを別途供給することも必要であった。
以上のことから、本発明によれば(さらには上記所定の遠心圧縮機との併用により)、
きわめて経済性に優れたエチレンオキシドの製造方法が提供されることがわかる。
1 エチレン酸化反応器
2 エチレンオキシド吸収塔
4 昇圧ブロワ
7 炭酸ガス吸収塔
8 炭酸ガス放散塔
9 リボイラー
10 気液接触部
11 エチレンオキシド放散塔
13 熱交換器
14 リボイラー
16 気液分離タンク
19 放散塔リボイラー
25 放散塔凝縮器
28 脱水塔
33 脱水塔凝縮器
37 軽質分分離塔
38 軽質分分離塔リボイラー
43 軽質分分離塔凝縮器
47 エチレンオキシド精製塔
48 精製塔リボイラー
51 精製塔凝縮器
56 循環経路
57 熱交換器
58 導管

Claims (4)

  1. エチレンを銀触媒の存在下、分子状酸素含有ガスにより接触気相酸化させる、エチレン
    酸化反応器でのエチレン酸化反応工程において生成したエチレンオキシドを含有する反応
    生成ガスをエチレンオキシド吸収塔へ供給し、前記エチレンオキシド吸収塔へ供給された
    吸収液と接触させ、エチレンオキシドを含有する前記エチレンオキシド吸収塔の塔底液を
    エチレンオキシド精製系へ供給し、前記エチレンオキシド精製系においてエチレンオキシ
    ドを精製する工程と、
    前記エチレンオキシド吸収塔の塔頂部から排出される炭酸ガス含有ガスの少なくとも一
    部を炭酸ガス吸収塔へ供給し、前記炭酸ガス含有ガスを吸収液と接触させて得られる炭酸
    ガス濃厚吸収液を前記炭酸ガス吸収塔の塔底液として抜き出して炭酸ガス放散塔の上部へ
    供給し、前記炭酸ガス濃厚吸収液から炭酸ガスを放散させて前記炭酸ガス放散塔の塔頂部
    から排ガスとして排出させる工程と、
    を含むエチレンオキシドの製造方法であって、
    系外から系内へ供給される前記分子状酸素含有ガスにおける分子状酸素(O)の濃度
    が99.7容量%以上であることを特徴とする、エチレンオキシドの製造方法。
  2. 軸封装置としてドライガスシールを備えた遠心圧縮機を用いて前記エチレンを含む原料
    ガスを昇圧し、昇圧された前記原料ガスを前記エチレン酸化反応器へ供給する、請求項1
    に記載のエチレンオキシドの製造方法。
  3. アルゴンパージを実施せずに行う、請求項2に記載のエチレンオキシドの製造方法。
  4. 前記分子状酸素含有ガスとともに不活性ガスを系内に供給しながら行う、請求項2また
    は3に記載のエチレンオキシドの製造方法。
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