JP2018135144A - アイスクリーム包装体用撥水性積層体およびアイスクリーム包装体 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態によるアイスクリーム包装体用撥水性積層体の断面模式図を示したものである。一実施形態において、アイスクリーム包装体用撥水性積層体10は、基材11と、撥水性微粒子13を含んでなる撥水機能層12とを備えてなる。以下、本発明によるアイスクリーム包装体用撥水性積層体を構成する各層について説明する。
基材として、コート紙、印刷用紙、上質紙及びクラフト紙などの紙材を使用することができる。
また、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂等の樹脂を含むフィルムを使用することができる。
また、上記した2以上の基材からなる積層体を基材として使用しても良い。この積層は、特に限定されず、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、ヒートラミネート法等、従来公知の方法により行うことができる。
本発明の撥水機能層は、内包されるアイスクリームと直接接する層であり、熱可塑性樹脂および撥水性微粒子を含んでなる。このように撥水機能層が撥水性微粒子を含んでなるため、撥水機能層の表面に特有の凹凸構造が形成され、付着防止性能を向上させることができる。
これらの中でも、コストの面および付着防止機能の向上という観点からSiO2が好ましい。
撥水機能層は、2種以上の撥水性微粒子を含んでいてもよい。
疎水化表面処理の方法としては、例えば、乾式法(CVD法、プラズマ法)を用いても、湿式法を用いてもよい。
撥水性微粒子の平均粒子径は、走査電子顕微鏡により測定することができる。
撥水機能層用塗工液の乾燥後塗布量は、0.5g/m2以上、10g/m2以下であることが好ましく、1.0g/m2以上、7g/m2以下であることがより好ましい。撥水機能層の乾燥後塗布量が上記数値範囲内であれば、付着防止性能をより向上させることができる。
アイスクリーム包装体の形状は、特に限定されるものではないが、例えば、図2に示される扇状のブランク20の両端をヒートシールした円錐体状の包装体21とすることができる(図3参照)。
この場合、開口部22からアイスクリームが充填された後、開口部22をヒートシールし、シール部23を形成させることができる(図4参照)。
この場合、ブランク24の上端部および下端部に巻き代部25および26を設けておき、包装体とした時にカールさせ、カール部25’および26’を形成させてもよい(図6および7参照)。
本実施形態においては、下端部のカール部26’に、アイスクリームを保持する底部付き棒27が嵌着され、開口部に蓋28が嵌着される(図7参照)。蓋28は、本発明の積層体から形成されるものであることが好ましい。
本発明の包装材料の形状は、上記した2つの実施形態に限定されるものではなく、カップ状やピロー状の容器等とすることもできる。
基材の作製
印刷用紙(王子エフテックス株式会社製、商品名:コップ原紙、140g/m2)の一方の面に印刷インキ(DICグラフィックス社製、商品名:NT−PCL)を用いて、グラビア印刷により柄を施した。この上にアンカーコートを施した後、エクストルージョンコーティングによりポリエチレン(日本ポリエチレン社製、商品名:LC520、)を積層した。最後に基材のシーラント側にコロナ処理を施し、基材とした。
櫻宮化学製のインキWRD−5T(U)(熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、撥水性微粒子として疎水性SiO2(平均粒子径1〜100nm)、熱可塑性樹脂:撥水性微粒子=1:1)50質量部にトルエンとMEKと酢酸エチルを5:4:1で混合した溶液を50質量部加えて良く撹拌した。この混合物を、上記基材のPE側に、バーコート法により、乾燥後の塗布量が1.5g/m2となるよう、塗布し、乾燥炉内で80℃で3秒間乾燥させ、アイスクリーム包装体用撥水性積層体を作製した。なお、塗工液の塗布にはミヤバー♯8を用いた。
含有させる疎水性微粒子の量を変更することにより、熱可塑性樹脂と撥水性微粒子との質量比を1:0.1に変更した以外は、実施例1と同様にして、アイスクリーム包装体用撥水性積層体を作製した。
含有させる疎水性微粒子の量を変更することにより、熱可塑性樹脂と撥水性微粒子との質量比を1:0.5に変更した以外は、実施例1と同様にして、アイスクリーム包装体用撥水性積層体を作製した。
含有させる疎水性微粒子の量を変更することにより、熱可塑性樹脂と撥水性微粒子との質量比を1:3に変更した以外は、実施例1と同様にして、アイスクリーム包装体用撥水性積層体を作製した。
混合物の乾燥後の塗布量を0.5g/m2に変更した以外は、実施例1と同様にして、アイスクリーム包装体用撥水性積層体を作製した。
混合物の乾燥後の塗布量を3.0g/m2に変更した以外は、実施例1と同様にして、アイスクリーム包装体用撥水性積層体を作製した。
混合物の乾燥後の塗布量を5.0g/m2に変更した以外は、実施例1と同様にして、アイスクリーム包装体用撥水性積層体を作製した。
撥水機能層用塗工液に撥水性微粒子を含有させなかった以外は、実施例1と同様にして、アイスクリーム包装体用撥水性積層体を作製した。
半溶解状態のアイスクリームをトレー上に敷き詰め平な表面とした。この表面に上記実施例および比較例において得られた積層体を載せ、−30℃にて2時間保管し、トレー上のアイスクリームを凍らせた。次いで、凍らせたアイスクリームから積層体を剥離し、積層体表面のアイスクリームの付着の程度を目視により、以下の評価基準に従い、評価した。
(評価基準)
◎:アイスクリームの付着が全くみられなかった。
○:アイスクリームの付着がほとんど見られなかった。
△:積層体表面の10%程度にアイスクリームの付着が見られた。
×:積層体表面全体に付着が見られた。
11:基材
12:撥水機能層
13:撥水性微粒子
20:ブランク
21:包装体
22:開口部
23:シール部
24:ブランク
25および26:巻き代部
25’および26’:カール部
27:底部付き棒
28:蓋
29:易開封用切れ目
30:摘まみ部
31:ノッチ
Claims (7)
- 基材と、基材上の撥水機能層とを備え、
前記撥水機能層が、熱可塑性樹脂、撥水性微粒子を含んでなることを特徴とする、アイスクリーム包装体用撥水性積層体。 - 前記撥水性微粒子の平均粒子径が、1nm以上、300nm以下である、請求項1に記載の積層体。
- 前記撥水機能層における前記熱可塑性樹脂と、前記撥水性微粒子との質量比が、1:0.5〜1:5である、請求項1または2のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記基材の少なくとも一方の面に蒸着膜をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記撥水機能層の厚さが0.5g/m2以上、10.0g/m2以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
- 前記撥水微粒子が、SiO2である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体からなるアイスクリーム包装体。
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