JP2018135144A - アイスクリーム包装体用撥水性積層体およびアイスクリーム包装体 - Google Patents

アイスクリーム包装体用撥水性積層体およびアイスクリーム包装体 Download PDF

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Abstract

【課題】より少ない工程数で製造することができ、高い撥水性、付着防止性およびヒートシール性を有するアイスクリーム包装体用撥水性積層体の提供。【解決手段】本発明のアイスクリーム包装体用撥水性積層体10は、基材11と、基材上の撥水機能層12とを備え、撥水機能層が、熱可塑性樹脂および撥水性微粒子13を含んでなることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、アイスクリーム包装体用撥水性積層体およびアイスクリーム包装体に関する。
食品、飲料、医薬品、および化学品等の多くの商品分野では、それぞれの内容物に応じた包装材料や包装体が開発されている。例えば、従来、個食用のアイスクリームを包装するための包装体として、ガスバリア性や遮光性向上を目的として、アルミニウム蒸着膜等を備えてなる包装体が知られている。
また、このような包装体は、内包するアイスクリームと直接接触するため、引き剥がした包装体にはアイスクリームが付着しており、手や衣類を汚してしまったり、アイスクリームが付着した包装体の廃棄は環境面からも問題しされており、その改善が強く望まれていた。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、極めて高い付着防止性能を有する層を備えたアイスクリーム包装体用撥水性積層体を提供することをその目的とする。
本発明のアイスクリーム包装体用撥水性積層体は、基材と、基材上の撥水機能層とを備え、撥水機能層が、熱可塑性樹脂および撥水性微粒子を含んでなることを特徴とする。
上記態様においては、撥水性微粒子の平均粒子径が、1nm以上、300nm以下であることが好ましい。
上記態様においては、撥水機能層における熱可塑性樹脂と、撥水性微粒子との質量比が、1:0.5〜1:5であることが好ましい。
上記態様においては、基材の少なくとも一方の面に蒸着膜をさらに備えることが好ましい。
上記態様においては、撥水機能層の厚さが0.5g/m以上、10.0g/m以下であることが好ましい。
上記態様においては、撥水微粒子が、SiOであることが好ましい。
本発明のアイスクリーム包装体は、上記積層体からなることを特徴とする。
本発明によれば、極めて高い付着防止性能を有する層をアイスクリーム包装体用撥水性積層体を提供することができる。
本発明の一実施形態によるアイスクリーム包装体用撥水性積層体の断面模式図である。 本発明の一実施形態によるアイスクリーム包装体用撥水性積層体からなるブランクの正面図である。 図2に表すブランクを用いて作製した包装体の斜視図である。 図2に表すブランクを用いて作製した包装体の斜視図である。 本発明の一実施形態によるアイスクリーム包装体用撥水性積層体からなるブランクの正面図である。 図5に表すブランクを用いて作製した包装体の斜視図である。 図5に表すブランクを用いて作製した包装体の透過正面図である。
<アイスクリーム包装体用撥水性積層体>
本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態によるアイスクリーム包装体用撥水性積層体の断面模式図を示したものである。一実施形態において、アイスクリーム包装体用撥水性積層体10は、基材11と、撥水性微粒子13を含んでなる撥水機能層12とを備えてなる。以下、本発明によるアイスクリーム包装体用撥水性積層体を構成する各層について説明する。
(基材)
基材として、コート紙、印刷用紙、上質紙及びクラフト紙などの紙材を使用することができる。
また、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、ナイロン−6、ナイロン−6,6などのポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート、ポリメタアクリレート、ポリメチルメタアクリレートなどの(メタ)アクリル系樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリアラミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、高衝撃性ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)などのスチレン系樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロースなどのセルロース系樹脂等の樹脂を含むフィルムを使用することができる。

また、上記した2以上の基材からなる積層体を基材として使用しても良い。この積層は、特に限定されず、ドライラミネート法、ウェットラミネート法、ヒートラミネート法等、従来公知の方法により行うことができる。
一実施形態において、基材は、アルミニウムや酸化珪素、酸化チタン、酸化アルミニウムなどの無機酸化物からなる蒸着膜を一方又は両面に備えていても良い。これにより、太陽光等の光を遮光することができると共に、水蒸気等に対するガスバリア性を向上させることができる。また、蒸着膜に代え、アルミニウム箔等を基材の一方又は両面に接着させてもよい。
また、基材の撥水機能層積層面には、所望に怖じて、コロナ放電処理、薬品処理、オゾン処理などの表面処理を施すことができる。
基材には、従来公知の印刷インキを用いた印刷が施されていてもよい。印刷の方式も特に限定されるものではなく、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷などの従来公知の方式を用いることができる。
基材の厚さは、特に限定されるものではないが、例えば、5μm以上、200μm以下とすることができる。
(撥水機能層)
本発明の撥水機能層は、内包されるアイスクリームと直接接する層であり、熱可塑性樹脂および撥水性微粒子を含んでなる。このように撥水機能層が撥水性微粒子を含んでなるため、撥水機能層の表面に特有の凹凸構造が形成され、付着防止性能を向上させることができる。
撥水機能層に含まれる熱可塑性樹脂としては、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エチル共重合体、ポリスチレン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などのビニル樹脂などが挙げられる。これらの中でも、撥水機能層の凝集力向上という観点からポリエステル樹脂および塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が特に好ましい。
撥水機能層に含まれる撥水性微粒子としては、疎水化表面処理を施した酸化物微粒子、例えば、SiO、TiO、AlおよびMgOなどを使用することができる。また、CaCO、タルク、マイカなどを撥水性微粒子として使用することもできる。
これらの中でも、コストの面および付着防止機能の向上という観点からSiOが好ましい。
撥水機能層は、2種以上の撥水性微粒子を含んでいてもよい。
疎水化表面処理の方法としては、例えば、乾式法(CVD法、プラズマ法)を用いても、湿式法を用いてもよい。
撥水性微粒子の平均粒子径は、1nm以上、300nm以下であることが好ましく、1nm以上、200nm以下であることがより好ましく、1nm以上、100nm以下であることがさらに好ましい。撥水性微粒子の平均粒子径を上記数値範囲とすることにより、付着防止性能をより向上させることができる。
撥水性微粒子の平均粒子径は、走査電子顕微鏡により測定することができる。
撥水機能層における熱可塑性樹脂と、撥水性微粒子との質量比は、1:0.5〜1:5であることが好ましく、1:0.5〜1:3であることがより好ましい。熱可塑性樹脂と撥水性微粒子との質量比を上記数値範囲とすることにより付着防止能をより向上させることができる。
撥水機能層の厚さは、0.5g/m以上、10.0g/m以下であることが好ましく、1.0g/m以上、5.0g/m以下であることがより好ましい。撥水機能層の厚さを上記数値範囲とすることにより、付着防止性能をより良好なものとすることができるとともに、撥水微粒子の滑落を防止することができる。
撥水機能層は、基材上に上記した材料を含んでなる撥水機能層用塗工液をバーコート法など、公知の方法により塗布、乾燥することにより形成させることができる。
撥水機能層用塗工液の乾燥後塗布量は、0.5g/m以上、10g/m以下であることが好ましく、1.0g/m以上、7g/m以下であることがより好ましい。撥水機能層の乾燥後塗布量が上記数値範囲内であれば、付着防止性能をより向上させることができる。
<アイスクリーム包装体>
アイスクリーム包装体の形状は、特に限定されるものではないが、例えば、図2に示される扇状のブランク20の両端をヒートシールした円錐体状の包装体21とすることができる(図3参照)。
この場合、開口部22からアイスクリームが充填された後、開口部22をヒートシールし、シール部23を形成させることができる(図4参照)。
他の実施形態において、アイスクリーム包装体は、図5に示される扇状のブランク24の両端をヒートシールした円柱状の包装体21とすることができる(図6参照)。
この場合、ブランク24の上端部および下端部に巻き代部25および26を設けておき、包装体とした時にカールさせ、カール部25’および26’を形成させてもよい(図6および7参照)。
本実施形態においては、下端部のカール部26’に、アイスクリームを保持する底部付き棒27が嵌着され、開口部に蓋28が嵌着される(図7参照)。蓋28は、本発明の積層体から形成されるものであることが好ましい。
本発明の包装材料の形状は、上記した2つの実施形態に限定されるものではなく、カップ状やピロー状の容器等とすることもできる。
一実施形態において、本発明のアイスクリーム包装体は、図2等に示すように、1本以上の易開封用切れ目29を有していてもよい。この易開封用切れ目29は、ハーフカットであることが好ましい。易開封用切れ目29は、トムソン抜き機、プレス機、ロータリーダイ、レーザー等の従来公知の方法により形成することができる。
一実施形態において、本発明のアイスクリーム包装体は、図2等に示すように、摘まみ部30を有していてもよい。さらに、ノッチ31を有していてもよい。
本発明について実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明がこれら実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
基材の作製
印刷用紙(王子エフテックス株式会社製、商品名:コップ原紙、140g/m)の一方の面に印刷インキ(DICグラフィックス社製、商品名:NT−PCL)を用いて、グラビア印刷により柄を施した。この上にアンカーコートを施した後、エクストルージョンコーティングによりポリエチレン(日本ポリエチレン社製、商品名:LC520、)を積層した。最後に基材のシーラント側にコロナ処理を施し、基材とした。
アイスクリーム包装体用撥水性積層体の作製
櫻宮化学製のインキWRD−5T(U)(熱可塑性樹脂としてポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、撥水性微粒子として疎水性SiO(平均粒子径1〜100nm)、熱可塑性樹脂:撥水性微粒子=1:1)50質量部にトルエンとMEKと酢酸エチルを5:4:1で混合した溶液を50質量部加えて良く撹拌した。この混合物を、上記基材のPE側に、バーコート法により、乾燥後の塗布量が1.5g/mとなるよう、塗布し、乾燥炉内で80℃で3秒間乾燥させ、アイスクリーム包装体用撥水性積層体を作製した。なお、塗工液の塗布にはミヤバー♯8を用いた。
(実施例2)
含有させる疎水性微粒子の量を変更することにより、熱可塑性樹脂と撥水性微粒子との質量比を1:0.1に変更した以外は、実施例1と同様にして、アイスクリーム包装体用撥水性積層体を作製した。
(実施例3)
含有させる疎水性微粒子の量を変更することにより、熱可塑性樹脂と撥水性微粒子との質量比を1:0.5に変更した以外は、実施例1と同様にして、アイスクリーム包装体用撥水性積層体を作製した。
(実施例4)
含有させる疎水性微粒子の量を変更することにより、熱可塑性樹脂と撥水性微粒子との質量比を1:3に変更した以外は、実施例1と同様にして、アイスクリーム包装体用撥水性積層体を作製した。
(実施例5)
混合物の乾燥後の塗布量を0.5g/mに変更した以外は、実施例1と同様にして、アイスクリーム包装体用撥水性積層体を作製した。
(実施例6)
混合物の乾燥後の塗布量を3.0g/mに変更した以外は、実施例1と同様にして、アイスクリーム包装体用撥水性積層体を作製した。
(実施例7)
混合物の乾燥後の塗布量を5.0g/mに変更した以外は、実施例1と同様にして、アイスクリーム包装体用撥水性積層体を作製した。
(比較例1)
撥水機能層用塗工液に撥水性微粒子を含有させなかった以外は、実施例1と同様にして、アイスクリーム包装体用撥水性積層体を作製した。
<アイスクリーム包装体用撥水性積層体の性能評価>
半溶解状態のアイスクリームをトレー上に敷き詰め平な表面とした。この表面に上記実施例および比較例において得られた積層体を載せ、−30℃にて2時間保管し、トレー上のアイスクリームを凍らせた。次いで、凍らせたアイスクリームから積層体を剥離し、積層体表面のアイスクリームの付着の程度を目視により、以下の評価基準に従い、評価した。
(評価基準)
◎:アイスクリームの付着が全くみられなかった。
○:アイスクリームの付着がほとんど見られなかった。
△:積層体表面の10%程度にアイスクリームの付着が見られた。
×:積層体表面全体に付着が見られた。
10:アイスクリーム包装体用撥水性積層体
11:基材
12:撥水機能層
13:撥水性微粒子
20:ブランク
21:包装体
22:開口部
23:シール部
24:ブランク
25および26:巻き代部
25’および26’:カール部
27:底部付き棒
28:蓋
29:易開封用切れ目
30:摘まみ部
31:ノッチ

Claims (7)

  1. 基材と、基材上の撥水機能層とを備え、
    前記撥水機能層が、熱可塑性樹脂、撥水性微粒子を含んでなることを特徴とする、アイスクリーム包装体用撥水性積層体。
  2. 前記撥水性微粒子の平均粒子径が、1nm以上、300nm以下である、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記撥水機能層における前記熱可塑性樹脂と、前記撥水性微粒子との質量比が、1:0.5〜1:5である、請求項1または2のいずれか一項に記載の積層体。
  4. 前記基材の少なくとも一方の面に蒸着膜をさらに備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の積層体。
  5. 前記撥水機能層の厚さが0.5g/m以上、10.0g/m以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の積層体。
  6. 前記撥水微粒子が、SiOである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層体。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の積層体からなるアイスクリーム包装体。
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