JP2018135142A - 容器及びその製造方法 - Google Patents

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恭広 林
Yasuhiro Hayashi
恭広 林
慎一郎 小椋
Shinichiro Ogura
慎一郎 小椋
ひとみ 松本
Hitomi Matsumoto
ひとみ 松本
田中 賢二
Kenji Tanaka
賢二 田中
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Abstract

【課題】容器本体と上部閉塞部材間におけるシール不良の発生を効果的に防止でき且つ外観形状に対する設計自由度が大きく、安価に実施可能で、しかも再封性を有する、液状製品を収容するのに好適な容器及びその製造方法を提供する。
【解決手段】シート材からなる有底な容器本体10と、容器本体10の上部接合代11に内嵌固定される内嵌部34を有し、容器本体10の上端開口を閉塞する、樹脂成形品からなる上部閉塞部材とを備えた容器であって、上部閉塞部材の内嵌部34の外面が平面視略長方形の筒状に形成されるとともに、内嵌部34の少なくとも1つの辺部34aとして、外面の少なくとも一部が外方側へ突出する突面34bで構成された突辺部34Aaが設けられている。
【選択図】図4

Description

本発明は、液状製品を収容するのに好適な容器及びその製造方法に関する。
ミルクや果汁飲料などの液状製品を収容する容器として、頂点を切妻屋根型に加工した箱型紙容器からなる、ゲーブルトップが広く採用されている。
ところが、前記ゲーブルトップでは、再封性がなく、一度開封すると横倒しで保管できないこと、開封後における異物混入等の衛生上の問題が懸念されること、などの問題があった。
これらの問題を解決するために、ゲーブルトップの一方の屋根部分にスパウトを設けた容器も提案され実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、このスパウト付ゲーブルトップも販売から時間が経ち、すでに容器自体に「目新しさ」がなくなり、消費者に対する訴求性を持たないパッケージとなってしまった。
そこで、最近では、シート材からなる有底な容器本体と、前記容器本体の上部接合代に内嵌固定されて、該容器本体の上端開口を閉塞する、樹脂成形品からなる上部閉塞部材とを備えた容器も開発され、上市されている(例えば、特許文献2〜4参照。)。
ところで、特許文献2記載の容器では、容器本体の上部接合代内に上部閉塞部材の内嵌部を挿入して、両者を液密状に外面側から溶着固定している。このため、上部接合代に対する内嵌部の挿入性を確保するためには、上部接合代の内面の周長を上部閉塞部材の内嵌部の外面の周長よりも長くすることが好ましいが、このように構成すると、上部接合代を内嵌部に溶着するときに、上部接合代の辺部や角部にどうしても皺が形成されてしまい、該皺によりシール不良が発生するという問題があった。
その対策として、特許文献3記載の発明では、上部閉塞部材の内嵌部に凹部を設け、溶着ヘッドに該凹部に嵌合する凸部を設け、容器本体の上部接合代を上部閉塞部材の内嵌部に溶着するときに、溶着ヘッドの凸部を内嵌部の凹部に嵌合させて、容器本体の上部接合代を凹部側へ引き込むことで、上部接合代の角部における皺を引き延ばし、この状態で上部接合代を内嵌部に溶着することで、シール不良を防止するように構成している。
また、特許文献4記載の発明では、シート材を上部閉塞部材の内嵌部に巻き付け、シート材の両端を溶着してから、シート材の上部を内嵌部に溶着することで、皺の発生を防止するように構成している。
特開平5−193651号公報 実開昭60−157637号公報 実開昭57-183229号公報 特表2013−541472号公報
ところが、特許文献3記載の容器では、溶着ヘッドの凸部に対応する位置において、皺が発生することがあること、溶着ヘッドを離間させたときに、シート材の張力により、溶着部分を引き剥がそうとする力が作用し、溶着ヘッドの凸部に対応する位置において、溶着不良が発生し易くなること、容器の外面に凹部が形成されるので、容器の意匠性が低下すること、などの問題がある。
また、特許文献4記載の容器では、円筒形状や楕円筒形状の容器しか製作することができず、容器の形状及び上部閉塞部材の形状に対する設計自由度が低いこと、シート材の両端を重ね合わせて溶着する関係上、容器本体の内面においてシート材の端部に、シート材の厚さ分の段差が形成されるので、この段差部分においてシール不良が発生し易くなること、容器を製作するための装置が複雑で高価なものになること、などの問題がある。
本発明の目的は、容器本体と上部閉塞部材間におけるシール不良の発生を効果的に防止でき且つ外観形状に対する設計自由度が大きく、安価に実施可能で、しかも再封性を有する、液状製品を収容するのに好適な容器及びその製造方法を提供することである。
本発明は、以下の発明を包含する。
(1) シート材からなる有底な容器本体と、前記容器本体の上部接合代に内嵌固定される内嵌部を有し、該容器本体の上端開口を閉塞する、樹脂成形品からなる上部閉塞部材とを備えた容器であって、前記上部閉塞部材の前記内嵌部の外面が平面視略長方形の筒状に形成されるとともに、該内嵌部の少なくとも1つの辺部として、外面の少なくとも一部が外方側へ突出する突面で構成された突辺部が設けられ、前記突辺部に対応する前記上部接合代の対応辺部が、前記突面に沿って外方側へ突出するように、前記内嵌部が前記上部接合代に内嵌固定されている、ことを特徴とする容器。なお、突面とは、突辺部の両側縁を通る平坦面よりも外方側へ突出する面を意味する。
(2) 前記突辺部の外面に、該突辺部の長さ方向の途中部において外方側へ突出する湾曲面からなる前記突面が設けられている前記(1)に記載の容器。この発明では、突辺部に対応する上部接合代の対応辺部における皺の発生も防止できる。なお、突辺部の外面とは、突辺部の両側に配置される角部間の外面を意味する。
(3) 前記内嵌部の角部と、該角部に連なる2つの辺部との連設部分の外面に対する接線のなす開き角θ1が、93°以上108°未満に設定されている前記(1)又は(2)記載の容器。このように構成すると、平面視長方形の内嵌部を容器本体の上部接合代に内嵌させて溶着するときに、上部接合代の角部及び突辺部における皺の発生を防止して、容器本体と上部閉塞部材間におけるシール不良の発生を効果的に防止できる。角部の外面の開き角θ1とは、角部とそれに連なる2つの辺部の連設部分にそれぞれ外接する2本の接線のなす角を意味する。
(4) 前記内嵌部の少なくとも1つの角部の外面が、半径2mm以上の湾曲面で構成されている前記(1)〜(3)のいずれかに記載の容器。このように角部の外面の半径を半径2mm以上に設定することで、上部閉塞部材の内嵌部を容器本体の上部接合代に内嵌させて溶着するときに、上部接合代の角部における皺の発生を防止して、容器本体と上部閉塞部材間におけるシール不良の発生を効果的に防止できる。
(5) 前記上部閉塞部材の内嵌部の外周寸法をD1とし、前記上部閉塞部の内嵌前における、前記容器本体の展開状態での上部接合代の内周寸法をD2としたときに、D1/D2が98.0%以上、99.5%未満に設定されている前記(1)〜(4)のいずれかに記載の容器。本発明のように、D1/D2を98.00%〜99.5%に設定すると、上部接合代における皺の発生を防止して、容器本体と上部閉塞部材間におけるシール不良の発生を効果的に防止できる。
(6) 前記突辺部の両端部を通る線分と平行で且つ内嵌部の中心を通る線を第1基準線とし、前記上部閉塞部材の内嵌前における前記容器本体の自然状態での、前記突辺部に対応する前記対応辺部の両端部を通る線分と平行で且つ上部接合代の中心を通る線を第2基準線としたときに、前記第1基準線と前記突面との最大距離が、前記第2基準線と前記対応辺部の内面との最大距離よりも大きく設定されている前記(1)〜(5)のいずれかに記載の容器。このように構成することで、上部閉塞部材の内嵌部を容器本体の上部接合代に内嵌溶着するときに、突面で上部接合代の対応辺部を確実に外側へ押し操作して、対応辺部の両端の角部の開き角を大きくし、容器本体の上部接合代を上部閉塞部材の内嵌部に皺無く綺麗に溶着して、容器本体と上部閉塞部材間におけるシール不良の発生を効果的に防止できる。
(7) 前記シート材がスリーブ状に形成されている前記(1)〜(6)のいずれかに記載の容器。このようなスリーブ状のシート材を用いた容器本体は、ゲーブルトップ容器を製作するための設備を利用して製作できるので、設備経済的な負担を軽減できる。
(8) 前記上部閉塞部材が、前記内嵌部及び口部を有するスパウト部材と、前記スパウト部材の口部に着脱自在に取り付けられたキャップ部材とを備えている前記(1)〜(7)のいずれかに記載の容器。このような構成の上部閉塞部材を備えさせると、再封可能な容器を実現できる。
(9) 前記(1)〜(8)のいずれかに記載の容器の製造方法において、前記容器本体を構成する、前記シート材からなる筒状部材を、前記上部閉塞部材の前記内嵌部の外面に適合する寸法のマンドレルの胴体部に対して、該マンドレルの先端部が外部に露出するように外嵌挿入する第1嵌合工程と、前記マンドレルの先端部に、前記内嵌部を外嵌させて、前記上部閉塞部材を取付ける第2嵌合工程と、前記筒状部材を前記マンドレルに対して相対的に上方へ移動させ、前記内嵌部を前記上部接合代に内嵌する第3嵌合工程と、前記内嵌部と前記上部接合代とを溶着する溶着工程とを備えたことを特徴とする容器の製造方法。
(10) 前記第3嵌合工程において、前記内嵌部の外周面を加熱して、該外周面の樹脂部分を溶融させた状態で、前記筒状部材を前記マンドレルに対して相対的に上方へ移動させ、前記突面によりそれに対応する前記筒状部材の対応辺部を外方へ押し出すとともに、前記内嵌部を前記上部接合代に内嵌する前記(9)に記載の容器の製造方法。この発明では、筒状部材に縦方向に延びる側部接合部が形成される場合でも、加熱溶融させた内嵌部の外面部により、側部接合部における段差部分が封止されるので、側部接合部におけるシール不良を防止できる。
(11) 前記溶着工程において、前記内嵌部を前記上部接合代に高周波誘電加熱により溶着する前記(9)又は(10)に記載の容器の製造方法。上部閉塞部材と筒状部材との溶着方法としては、超音波シールやヒートシールなどを採用することも可能であるが、シート材として、紙層の両面に樹脂層を形成してなるものを使用したときに、樹脂層が過剰に高温となって焦げ付くことがあるので、これを防止するため高周波加熱、特に高周波誘電加熱により溶着を採用することが好ましい。
(12) 前記溶着工程の後工程として、前記筒状部材及び上部閉塞部材を含む一次成形容器を前記マンドレルから抜き取る工程と、前記一次成形容器を倒立状に姿勢切換えする工程と、倒立状に姿勢切換えした前記一次成形容器に、その底面開口を通じて内容物を充填する工程と、内容物を充填した前記一次成形容器の底部を液密状に閉塞する工程とを備えた前記(9)〜(11)のいずれかに記載の容器の製造方法。このように構成することで、内容物を充填した容器を容易に製作できる。
(13) 前記溶着工程の後工程として、前記筒状部材及び上部閉塞部材を含む一次成形容器を前記マンドレルから抜き取る工程と、前記マンドレルから抜き取った一次成形容器の底部を液密状に閉塞して容器を組み立てる工程と、前記上部閉塞部材の口部を通じて、前記容器に内容物を充填する工程と、前記内容物が充填された前記容器の口部をキャップ部材で閉塞する工程とを備えた前記(9)〜(11)のいずれかに記載の容器の製造方法。このように構成することで、内容物を充填した容器を容易に製作できる。
本発明に係る容器によれば、上部閉塞部材の内嵌部の少なくとも1つの辺部として、外面の少なくとも一部が外方側へ突出する突面で構成された突辺部が設けられているので、上部接合代を内嵌部に溶着したときにおける角部の皺、特に縦皺の発生を抑制乃至防止して、角部におけるシール性能を向上できる。また、突辺部の外面を全体的に湾曲形状に構成することで、突辺部における皺の発生も防止できる。更に、容器本体を平面視略長方形の筒状に形成できるので、容器の陳列性や輸送性をゲーブルトップと同様に十分に確保できる。更にまた、予め角筒状に製作したシート材からなる容器本体に上部閉塞部材を嵌合固定できるので、特許文献4記載の発明のように、上部閉塞部材にシート材を巻き付けて、両者を溶着する場合と比較して、安価な設備で容器を製作することができる。しかも、シート材からなる容器本体は、ゲーブルトップ容器を製作するための既存設備などを利用して製作できるので、設備経済的な負担を一層軽減できる。
本発明に係る容器の製造方法によれば、上部閉塞部材の内嵌部の外面に適合する寸法のマンドレルを用いることで、筒状部材の上部接合代に上部閉塞部材の内嵌部を容易に且つ円滑に内嵌させることができ、特許文献4記載のような複雑な装置を用いることなく、簡単な設備で容易に且つ効率的に容器を製作できる。
容器の斜視図 容器の正面図 図2のIII-III線断面図 図2のIV-IV線断面図 上部閉塞部材の内嵌前における自然状態での容器本体の上部接合代の平面図 容器本体と上部閉塞部材の嵌合部分の拡大縦断面図 容器本体を構成するシート材の拡大断面図 上部閉塞部材の平面図 上部閉塞部材の底面図 溶着装置の平面図 第1嵌合工程の説明図 第2嵌合工程の説明図 第3嵌合工程及び溶着工程の説明図 溶着工程の説明図 充填工程の説明図 閉塞工程の説明図 他の製造方法の第3嵌合工程の嵌合途中の説明図 同製造方法の溶着工程の説明図 他の製造方法の溶着工程における説明用の側部接合部付近の横断面図 上部接合代に内嵌部を内嵌させた状態での両者の嵌合部分の横断面図 A種の上部閉塞部材における内嵌部外面の作図方法の説明図 B種の上部閉塞部材における内嵌部外面の作図方法の説明図
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
図1〜図9に示すように、容器1は、シート材20からなる有底な容器本体10と、容器本体10の上端開口を閉塞する樹脂成形品からなる上部閉塞部材30とを備え、上部閉塞部材30は、容器本体10の上端部に設けた上部接合代11に、上部閉塞部材30の下部に設けた内嵌部34を内嵌させて、上部接合代11を内嵌部34に溶着することで、容器本体10に取り付けられている。
容器本体10を構成するシート材20は、図7に示すように、紙層21と、容器1の内面側において紙層21に積層状に設けた内面側樹脂層22と、容器1の外面側において紙層21に積層状に設けた外面側樹脂層23とを有する、少なくとも3層以上の多層構造に構成されている。内面側樹脂層22及び外面側樹脂層23としては、紙層21に溶着可能なものであれば、任意の成分の樹脂材料を含むものを採用でき、例えばポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性合成樹脂材料又はその樹脂組成物で構成できる。また、内面側樹脂層22と外面側樹脂層23とは同じ素材で構成することもできるし、異なる素材で構成することもできる。更に、内面側樹脂層22は、容器本体10に収容する内容物に応じて、ガスバリア性や保香性を確保できるように、成分の異なる複数種類の樹脂層で構成することもできるし、樹脂層間にアルミニウムなどの金属層を積層したものを採用することもできる。シート材20としては、枚葉の素材シートを筒状に丸めて両端を溶着することでスリーブ状に形成したものを好適に採用できる。このようなスリーブ状のシート材20を用いた容器本体10は、ゲーブルトップ容器を製作するための設備を利用して製作できるので、設備経済的な負担を軽減できる。なお、シート材20としては、紙層21を備えていない、樹脂層のみからなるものを採用することも可能である。
容器本体10の胴部12は、シート材20を筒状に折り曲げて両端部を溶着することで、平面視略長方形の筒状に形成され、胴部12の後面側には素材シートの両端を溶着してなる側部接合部17が全高にわたって上下方向に形成され、容器本体10の底面部13は、周知の折畳み方法により折畳んで閉塞されている。平面視略長方形の胴部12の隣接する2辺の長さは、任意に設定可能で、同じに設定することもできるし、異なる長さに設定することもできる。なお、底面部13は、胴部12とは別部材からなる底板部材を胴部12の下端部に溶着して構成することもできる。なお、平面視略長方形の筒状の容器は、正方形の筒状の容器とすることが陳列性や輸送性に優れているので好ましい。
胴部12の角部の内面側にはシート材20を折り曲げることで内側へ突出する折皺部18が高さ方向の全長にわたって形成され、上部接合代11に形成される折皺部18は、上部接合代11に内嵌部34を内嵌して、上部接合代11を内嵌部34に圧接させながら溶着することで押し潰されて、折皺部18の形成位置においても、上部接合代11と内嵌部34とが隙間なく溶着されるように構成されている。
上部閉塞部材30は、容器本体10の上端開口部を閉塞するように設けられたスパウト部材31と、スパウト部材31の口部35に着脱自在に螺合されたキャップ部材32とを備え、スパウト部材31は、容器本体10の内面側樹脂層22と相溶性を有する、ポリエチレンやポリプロピレンなどの熱可塑性合成樹脂材料で構成されている。このような構成の上部閉塞部材30を備えさせることで、容器1を再封可能な容器に構成できる。
スパウト部材31について説明すると、下端側広がりの角錐状の肩部33が設けられ、肩部33の下端部には下方へ延びる略長方形の筒状の内嵌部34が設けられ、肩部33の上端部には上方へ突出状に延びる円筒状の口部35が設けられている。肩部33の下端外周は、内嵌部34の上端外周よりもやや大きな寸法に構成され、肩部33の下端部の外周縁と内嵌部34の上端部の外周縁間には容器本体10の上端部を受け止める環状の受面36が、スパウト部材31の中心線と略直交状に形成されている。
内嵌部34の下端部の外周面には面取り面37が環状に形成され、面取り面37は下側へ行くにしたがって横断面積が小さくなるように構成した角錐台状に形成され、容器本体10に上部閉塞部材30を組み付けるときに、容器本体10の上端部が面取り面37に当接して、上部閉塞部材30の内嵌部34の外周面と容器本体10の上端部の内周面とが同心上に配置されるように相対的に案内されることで、容器本体10の上部接合代11に対して、上部閉塞部材30の内嵌部34を容易に内嵌できるように構成されている。
図4に示すように、内嵌部34の外面は、平面視略長方形状の筒状に形成され、内嵌部34の4つの辺部34aの外面は、長さ方向の略中央部を外方側へ突出させた円弧面からなる突面34bで構成され、4つの辺部34aは外面を突面34bで構成した突辺部34Aaで構成されている。このように、突面34bを有する突辺部34Aaを形成すると、内嵌部34の角部34cと、該角部34cに連なる突辺部34Aaとの連設部分34dにそれぞれ外接する2本の接線LTのなす角度としての開き角θ1が大きくなって、角部34cと角部11b間のシール性能を向上できるので好ましい。つまり、後述のように溶着ヘッド50を用いて、図14、図20に示すように、上部接合代11の角部11bに対して溶着ヘッド50により力Fを作用させながら、上部接合代11を内嵌部34に溶着するときに、角部11bに対して力Fを作用させ易くなり、折皺部18を確実に押し潰して、両角部34c、11cを隙間なく溶着でき、上部接合代11の角部11bにおける皺の発生、特に縦皺の発生を効果的に防止して、シール性能を向上できるので好ましい。特に、本実施の形態のように、内嵌部34を構成する全ての辺部34aを、突面34bを有する突辺部34Aaで構成すると、上部接合代11の全ての角部11bにおける皺の発生、特に縦皺の発生を効果的に防止して、シール性能を向上できるので好ましい。
開き角θ1は、93°以上108°未満、好ましくは95.5°以上104.5°以下に設定することが、内嵌部34と上部接合代11間におけるシール性を向上する上で好ましい。ただし、全ての角部34cの開き角θ1を前述の数値範囲に設定する必要はない。また、全ての開き角θ1を同じ角度に設定する必要はなく、異なる角度が混在するように構成することもできる。
なお、内嵌部34を構成する少なくとも1つの辺部34aを突辺部34Aaで構成し、残りの辺部34aは、外面を平坦面34Bbで構成することもできる。更に、内嵌部34の1つ置きの辺部34aを突辺部34Aaで構成すると、内嵌部34における全ての角部34cにおける開き角θ1を大きく設定して、上部接合代11の全ての角部11bにおける皺の発生、特に縦皺の発生を効果的に防止して、シール性能を向上できるので好ましい。
突面34bは、突辺部34Aaの外面の長さ方向の途中部に部分的に形成することもできるが、突辺部34Aaの外面の長さ方向の略全長にわたって形成することが好ましく、突辺部34Aaの外面の略全長にわたって滑らかに連なる、角筒状の内嵌部34の中心線と略平行な線分を中心とした湾曲面で構成することが最も好ましい。また、突面34bは、単一の半径の円弧面で構成したり、複数の半径の円弧面を組み合わせて構成したり、楕円や放物線などの円弧以外の曲面で構成したり、複数種類の曲面を任意に組み合わせて構成したりすることもできる。更に、突面34bは、曲面とそれに滑らかに連なる平坦面との組み合わせにより構成することもできる。
内嵌部34の4つの角部34cの外面は、隣接する突辺部34Aaの外面に滑らかに連なる円弧面でそれぞれ構成され、4つの角部34cの外面の半径RS1は、2mm以上、好ましくは2mm以上6mm以下、更に好ましくは2mm以上4mm以下にそれぞれ設定されている。このように4つの角部34cの外面の半径RS1の数値範囲を設定することで、上部閉塞部材30の内嵌部34を容器本体10の上部接合代11に内嵌させて溶着するときに、上部接合代11の角部11bにおける皺の発生を防止して、容器本体10と上部閉塞部材30間におけるシール不良の発生を効果的に防止できる。ただし、4つの角部34cの外面の半径RS1は、全て同じ寸法に設定することもできるし、異なる数値に設定することもできる。また、角部34cの外面形状は、上部接合代11に内嵌部34を内嵌させた状態で、折皺部18に接しないような面取り面形状に形成することも可能であるし、折皺部18に略隙間なく外嵌可能な縦溝を有する形状に形成することも可能である。
図4に示すように、突辺部34Aaの両端部を通る線分LS1と平行で且つ内嵌部34の中心PS1を通る線を第1基準線LS2としたときに、突面34bを構成する円弧面の半径RS2は、第1基準線LS2から突面34bまでの最大距離LS3の7倍〜18倍に設定することが好ましい。円弧面の半径RS2は大きすぎると、開き角θ1が小さくなって上部接合代11の角部11bにおける皺の発生を十分に抑制できなくなり、小さすぎると容器1の意匠性が低下するので、最大距離LS3の7倍〜18倍に設定することが好ましい。
また、図5に示すように、上部閉塞部材30の内嵌前における上部接合代11の自然状態での、突辺部34Aaに対応する上部接合代11の対応辺部11aの両端部を通る線分LC1と平行で且つ上部接合代11の中心PC1を通る線を第2基準線LC2としたときに、第1基準線LS2から突面34bまでの最大距離LS3が、第2基準線LC2と対応辺部11aの内面までの最大距離LC3よりも大きく設定されている。このように構成することで、上部閉塞部材30の内嵌部34を容器本体10の上部接合代11に内嵌溶着するときに、突面34bで上部接合代11の対応辺部11aを確実に外側へ押し操作して、対応辺部11aの両端の角部11bの開き角を大きくし、容器本体10の上部接合代11を上部閉塞部材30の内嵌部34に皺無く綺麗に溶着して、容器本体10と上部閉塞部材30間におけるシール不良の発生を効果的に防止できる。
上部閉塞部材30の内嵌部34の外周寸法をD1とし、上部閉塞部材30の内嵌前における、容器本体10の展開状態での上部接合代11の内周寸法をD2としたときに、D1/D2が98.0%以上、99.5%未満、好ましくは98.3%以上、99.3%以下に設定されている。D1/D2をこのような数値範囲に設定することで、上部接合代11における皺の発生を防止して、容器本体10と上部閉塞部材30間におけるシール不良の発生を効果的に防止できる。
この容器1では、上部閉塞部材30の内嵌部34の少なくとも1つの辺部34aとして、外面の少なくとも一部が外方側へ突出する突面34bで構成された突辺部34Aaが設けられている。このため、容器1を製作するときに、上部閉塞部材30の内嵌部34を容器本体10の上部接合代11に内嵌させると、図5に仮想線で示すように、突辺部34Aaの突面34bで、それに対応する上部接合代11の対応辺部11aが外方側へ押されて、該対応辺部11aが湾曲状に外方へ突出するように変形する。そして、この対応辺部11aの変形に伴って、対応辺部11aの両端の角部11bにおける開き角が大きくなる。これにより、上部接合代11を内嵌部34に溶着したときにおける角部11bの皺の発生、特に縦皺の発生が抑制され、角部11bにおけるシール性能を向上できる。また、突辺部34Aaの外面を全体的に湾曲形状に構成することで、突辺部34Aaにおける皺の発生も防止できる。更に、容器本体10を平面視略長方形の筒状に形成できるので、容器1の陳列性や輸送性をゲーブルトップと同様に十分に確保できる。更にまた、予め角筒状に製作したシート材20からなる容器本体10に上部閉塞部材30を嵌合固定できるので、特許文献4記載の発明のように、上部閉塞部材30にシート材20を巻き付けて、両者を溶着する場合と比較して、安価な設備で容器1を製作することができる。しかも、シート材20からなる容器本体10は、ゲーブルトップ容器を製作するための既存設備などを利用して製作できるので、設備経済的な負担を一層軽減できる。
次に、容器1の製造方法について説明する。
この容器1の製造方法は、シート材20からなる筒状部材10Aに上部閉塞部材30を溶着固定して容器本体10を製作する容器組立工程と、容器本体10に内容物を充填する充填工程と、容器本体10の底面開口を閉塞する閉塞工程とを備えている。
(容器組立工程)
先ず、容器組立装置40について説明する。
図10、図11に示すように、容器組立装置40は、容器本体10を構成するシート材20からなる筒状部材10Aが外嵌可能な略角柱状のマンドレル41と、マンドレル41の上部を挟んで対面配置させた1対の溶着ヘッド50とを備え、両溶着ヘッド50は対面方向に移動可能に構成され、マンドレル41は平面視における対角線方向が両溶着ヘッド50の対面方向となるように配置されている。
マンドレル41は、略角柱状の支持部材42に対して、平面視長方形状の平板状の絶縁部材43と、平面視長方形状の平板状の電極部材44とを下側から順番に重ね合わせて一体化したもので、支持部材42と絶縁部材43とでマンドレル41の胴体部が構成されている。
電極部材44は上部閉塞部材30の内嵌部34に略隙間なく内嵌可能な寸法の平面視長方形状に構成され、電極部材44の上部は上方へ行くにしたがって横断面が小さくなる角錐台状に形成され、電極部材44の上部の外周部には上部閉塞部材30を案内するための上部テーパ面44aが形成され、上部テーパ面44aで上部閉塞部材30の下端部を案内することで、電極部材44に対して上部閉塞部材30を上側から容易に外嵌できるように構成されている。なお、上部閉塞部材30の肩部33の内面側には下側へ突出する4つの突起33aが形成され、これら4つの突起33aを電極部材44の上面に当接させることで、上部閉塞部材30を電極部材44の適正な高さ位置に取り付けることができるように構成されている。
絶縁部材43の下部は上部閉塞部材30の内嵌部34の外面に略適合する寸法に構成され、絶縁部材43の上部には上方へ行くにしたがって横断面が小さくなる略角錐台状に形成され、絶縁部材43の上部の外周部には筒状部材10Aを案内するための下部テーパ面43aが形成され、下部テーパ面43aで筒状部材10Aの下端部を案内することで、マンドレル41に対して筒状部材10Aを容易に外嵌装着できるように構成されている。
溶着ヘッド50の先端側部分には略V字状に切り欠いた切欠部51が形成され、切欠部51にはそれに対面する内嵌部34の隣接する2つの辺部34a及び該2つの辺部34a間の角部34cに適合する形状の略V字状に連なるヘッド部52が形成されている。
この容器組立装置40を用いて容器1を組み立てる際には、先ず第1嵌合工程において、図11に示すように、シート材20からなる筒状部材10Aを、上部閉塞部材30の内嵌部34の外面に適合する寸法のマンドレル41の支持部材42及び絶縁部材43に対して、電極部材44が外部に露出するように外嵌挿入する。このとき、筒状部材10Aの下端部が上部テーパ面44a及び下部テーパ面43aで案内されるので、マンドレル41に対して筒状部材10Aを容易に外嵌装着できる。なお、筒状部材10Aの上部接合代11の内周長が、内嵌部34の外周長よりも短い場合には、筒状部材10Aをマンドレル41に装填する前に、上部接合代11を予めテーパ状のガイド部を有する治具で、内嵌部34の外周長に適合する長さとなるように押し広げることも好ましい。
次に、第2嵌合工程において、図12に示すように、マンドレル41の電極部材44に、内嵌部34を外嵌させて、上部閉塞部材30を取付ける。このとき、上部閉塞部材30の内嵌部34の下端部が上部テーパ面44aで案内されるので、電極部材44に対して上部閉塞部材30を容易に取り付けることができる。また、上部閉塞部材30の内嵌部34が電極部材44に略隙間なく内嵌されるとともに、上部閉塞部材30の突起33aが電極部材44の上面に当接されることにより、上部閉塞部材30を電極部材44の適正位置に取り付けることができる。
次に、第3嵌合工程において、図13に示すように、筒状部材10Aをマンドレル41に対して相対的に上方へ移動させ、上部閉塞部材30の内嵌部34を筒状部材10Aの上端部の上部接合代11に内嵌する。このとき、筒状部材10Aの上端部が内嵌部34の下端部の面取り面37で案内されるので、筒状部材10Aの上端部が内嵌部34の下端部に当接して変形することなく、筒状部材10Aの上部接合部を内嵌部34に容易に外嵌できる。
次に、第1溶着工程において、図13、図14に仮想線で示すように、両溶着ヘッド50を電極部材44側へ移動させて、溶着ヘッド50のヘッド部52と電極部材44間に、上部閉塞部材30の内嵌部34の隣接する2辺及び該2辺間の角部と、筒状部材10Aの上部接合代11の隣接する2辺及び該2辺間の角部とを略隙間なく挟持し、この状態で電極部材44と溶着ヘッド50間において、上部閉塞部材30の内嵌部34と筒状部材10Aの上部接合代11とを高周波誘電加熱により溶着する。なお、超音波シールやヒートシールなどにより溶着することもできるが、シート材20として、紙層21の両面に樹脂層22、23を形成してなるものを使用したときに、樹脂層22、23が過剰に高温となって焦げ付くことを防止できるので、高周波加熱、特に高周波誘電加熱により溶着することが好ましい。また、シール欠陥を極力防止するため、電極部材44及び溶着ヘッド50は一定温度に予熱することが好ましい。更に、筒状部材10Aが縦方向に延びる側部接合部を有する場合には、第3嵌合工程において、上部閉塞部材30の内嵌部34を筒状部材10Aの上端部の上部接合代11に内嵌する前に、該側部接合部に対応する位置において、内嵌部34の外面部を加熱溶融させて、該側部接合部におけるシール不良を防止するように構成することが好ましい。また、溶着ヘッド50を内嵌部34の対角線方向へ移動させて、ヘッド部52により内嵌部34及び上部接合代11の隣接する2辺を溶着するので、上部接合代11及び内嵌部34の角部11b、角部34cに対するヘッド部52の当たりを強くして、両角部11b、34c間におけるシール性能を向上できるとともに、図21に示すように、筒状部材10Aの角部11bの内面に内側へ突出状に形成される折皺部18を押し潰して、シール性を向上できるので好ましい。
次に、第2溶着工程において、図14に実線で示すように、両溶着ヘッド50をマンドレル41から離間させて、例えば矢印Aで示すように、マンドレル41を90°回転させた後、第1溶着工程と同様に、両溶着ヘッド50をマンドレル41側へ移動させて、溶着ヘッド50のヘッド部52と電極部材44間において、上部閉塞部材30の内嵌部34と筒状部材10Aの上部接合代11とを高周波誘電加熱により溶着して、底面が開口された容器本体10Bを得ることになる。
(充填工程)
充填工程では、図15に示すように、マンドレル41から容器本体10Bを抜き取って、容器本体10Bを倒立状に配置させた状態で、供給管60から内容物を容器本体10B内へ注ぎ込んで、必要量の内容物を充填する。
なお、第3嵌合工程及び溶着工程は、次のように構成することもできる。
第3嵌合工程において、内嵌部34の外周面を加熱して、該外周面の樹脂部分を溶融させた状態で、図17に示すように、筒状部材10Aをマンドレル41に対して相対的に上方へ移動させ、筒状部材10Aの先端部で内嵌部34の外面の溶融樹脂の一部を上側へ押し上げて溶融樹脂部38Aを形成する。また、内嵌部34の外面部を溶融させる関係上、内嵌部34は、表面温度だけでなく、内部温度が軟化点温度に近い温度となるように予め加熱することが好ましい。
次に、溶着工程において、溶着ヘッド50としてヘッド部52に凹部53を形成したものを用いて、図18に示すように、溶着ヘッド50により上部接合代11を内嵌部34に溶着するときに、溶融樹脂部38Aに凹部53を押し当てて、溶融樹脂部38Aにより筒状部材10Aの上端部を覆う被覆部38を形成する。なお、被覆部38を形成するため、内嵌部34は、少なくとも0.30mm以上の厚さに構成することが好ましい。
このように構成すると、被覆部38により容器本体10の胴部12の上端部が外部に露出することを防止して、胴部12の上端部から紙層21に対して液体などが染み込むことを防止できるので、容器1の衛生を向上するうえで好ましい。
また、第3嵌合工程及び溶着工程は、次のように構成することもできる。
第3嵌合工程において、内嵌部34の外周面のうちの、少なくとも側部接合部17の内面側の段差部17aに対面する部分を加熱して、該部分の樹脂部分を溶融させた状態で、筒状部材10Aをマンドレル41に対して相対的に上方へ移動させ、上部閉塞部材30の内嵌部34を筒状部材10Aの上部接合代11に内嵌する。また、内嵌部34の外面部を溶融させる関係上、内嵌部34は、表面温度だけでなく、内部温度が軟化点温度に近い温度となるように予め加熱することが好ましい。
次に、溶着工程において、溶着ヘッド50により上部接合代11を内嵌部34に溶着することになる。このとき、前記第3嵌合工程において、内嵌部34の外周面のうちの段差部17aに対面する部分が予め加熱されて溶融しているので、この溶融樹脂が段差部17aにより形成される内嵌部34と上部接合代11間の隙間に充填されて、図19に示すように、該溶融樹脂により段差部17aに沿って封止部39が形成され、段差部17a付近が無理なく円滑に封止されることになる。なお、封止部39を形成するため、内嵌部34は、少なくとも0.30mm以上の厚さに構成することが好ましい。ただし、内嵌部34の外面うちの段差部17aに対応する位置に段差部17aに適合する深さの凹部を予め形成することで、シール性能を高めることもできる。
(閉塞工程)
閉塞工程では、容器本体10Bの底面開口を周知の閉塞方法により閉塞して、内容物を充填した容器1を得ることになる。底面開口の閉塞方法としては、例えば、図15に示すように、容器本体10Bの前面14の下端接合部14aと後面15の下端接合代15aを重ね合わせて溶着接合した後、容器本体10の左右の側面16を2本の折り目線F1に沿って内面側が重なるように折り曲げるとともに、前面14の上部、後面の上部とを折り目線F2に沿って内側へ折り曲げ、更に図16に示すように、左右の側面16からなる三角形状の耳部16aを折り目線F3に沿って内側へ折り曲げることで閉塞する閉塞方法を採用できる。たたし、他の周知の閉塞方法で閉塞することも可能である。
なお、本実施の形態では、内容物の充填後に容器本体10Bの底面開口を閉塞したが、前記第2溶着工程にて製作した容器本体10Bの底面開口を前記閉塞工程と同様に液密状に閉塞した後、該底面開口を閉塞した容器本体のキャップ部材32を口部35から取り外し、該口部35を通じて内容物を充填するように構成し、その後口部35をキャップ部材32で閉塞するように構成することも可能である。
この製造方法では、上部閉塞部材30の内嵌部34の外面に適合する寸法のマンドレル41を用いることで、筒状部材10Aの上部接合代11に上部閉塞部材30の内嵌部34を容易に且つ円滑に内嵌させることができ、特許文献4記載のような複雑な装置を用いることなく、簡単な設備で容易に且つ効率的に容器1を製作できる。
次に、容器1の評価試験について説明する。
容器本体10として、紙層の両側にポリエチレン層を積層状に設けてなる、飲料用紙製のカートン容器に一般的に使用されるシート材を用いて、上部接合代11の内周寸法D2が280mmとなるように、平面視正方形の角筒状の容器本体を製作した。なお、上部接合代11の内周寸法D2は、容器本体10を平板状に展開させた状態での寸法とした。
上部閉塞部材30として、内嵌部34の外面形状を次のように作図してなるA種及びB種の2種類の上部閉塞部材を用いた。
(A種)
図21に示すように、一辺が70mmの正方形S11を作図し、次に該正方形S11の4つの角部に、該正方形の隣接する辺に内接する円S12を作図し、次に正方形S11の各辺の中央部から外方へ直角に突出する突線S13を作図し、次に突線S13の先端部を通り隣接する円S12に外接する円弧S14を作図して、4つの円S12と4つの円弧S14とで形成される略正方形をA種の上部閉塞部材の内嵌部の外面の平面形状とした。
(B種)
図22に示すように、一辺が70mmの正方形S21を作図し、次に正方形S21の各辺の中央部から外方へ直角に突出する突線S22を作図し、次に正方形S21の隣接する角と、該角間に配置される突線S22の先端部とを通る円弧S23を作図し、次に隣接する円弧S23に内接する円S24を作図して、4つの円S24と4つの円弧S23とで形成される略正方形をB種の上部閉塞部材の内嵌部の外面の平面形状とした。
表1〜表11に示すように、作図方法と、円S12、円S24の半径RS1と、正方形S11、S21の一辺の長さ(基準辺長)と、突線S13、S22の長さ(張出量)と、A種の上部閉塞部材における、円S12とそれに外接する2つの円弧S14との連設部分34dにそれぞれ外接する、2本の接線LTのなす角度としての開き角θ1と、B種の上部閉塞部材における、円S24とそれに外接する2つの円弧S23との連設部分34dにそれぞれ外接する、2本の接線LTのなす角度としての開き角θ1と、内嵌部の外周寸法D1と、上部接合代の内周寸法D2と、D1/D2×100(%)とを種々変更した試験容器を製作した。なお、表1では、上部閉塞部材として、内嵌部の外面が突面を有しない一辺が70mmの正方形に構成されたものを用い、その内嵌部の基準辺長は70mmとなり、張出量は0mmとなるので、表1中におけるそれらの記載は省略した。
評価試験で用いた試験容器は、前述の容器組立方法により、上部閉塞部材の内嵌部を容器本体の上部接合代に内嵌して、内嵌部と上部接合代とを高周波誘電加熱により溶着して製作した。
そして、容器本体に対する上部閉塞部材の装着性及び密着性と総合評価とを、次の要領で行った。
(装着性)
内嵌部を上部接合代に内嵌させるときにおける、装着性を評価した。
評価基準は、次のように設定した。
表中の記号は、下記評価基準を表すものである。
・記号「○」は良好に装着できたことを表す。
・記号「○△」は装着できたことを表す。
・記号「△」は装着できたが、余裕がないことを表す。
・記号「×」は装着できなかったことを表す。
(密着性)
試験容器に対してメチレンブルー0.4wt%・エタノール10%水溶液を充填し、内嵌部34と上部接合代11との接合部を30分間接液させたときの該水溶液の漏れの有無によって、内嵌部34と上部接合代11間における密着性を評価した。
表中の記号は、下記評価基準を表すものである。
・記号「○」:漏れもシール部への浸透も発生しなかったことを表す。
・記号「○△」は漏れは発生しなかったが、シール部に若干の浸透があったことを表す。
・記号「△」は漏れは発生しなかったが、シール部に浸透があったことを表す。
・記号「×」は漏れが発生したことを表す。
(総合評価)
評価基準は、次のように設定した。
・記号「○」は容器として良好に使用できることを表す。
・記号「○△」は容器として使えるが、装着性に余裕が十分にないことを表す。
・記号「△」は容器として使える可能性が小さいことを表す。
・記号「×」は容器として使用不能であることを表す。
(角部の評価試験)
上部閉塞部材として、表1に示すように、角部34cの半径RS1を変更した、6種類のA種の上部閉塞部材を有する試験容器を用い、装着性と密着性と総合評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2018135142
嵌合部と上部接合代の角部における密着性は、内嵌部の角部の半径RS1に応じて変化し、表1から、半径RS1は、2mm以上であることが好ましいことが分かる。
(突面を有する容器の評価試験)
上部閉塞部材として、表2〜表6に示すように、内嵌部の角部の半径RS1と、張出量(突線S13の長さ)と、内嵌部の角部の開き角θ1を変更した39種類のA種の上部閉塞部材を有する試験容器を用いた。また、上部閉塞部材として、表7〜表11に示すように、内嵌部の角部の半径RS1と、張出量(突線S22の長さ)と、内嵌部の角部の開き角θ1を変更した39種類のB種の上部閉塞部材を有する試験容器を製作した。そして、装着性と密着性と総合評価を行った。その結果を表2〜表11に示す。
Figure 2018135142
Figure 2018135142
Figure 2018135142
Figure 2018135142
Figure 2018135142
Figure 2018135142
Figure 2018135142
Figure 2018135142
Figure 2018135142
Figure 2018135142
表2〜表11から、嵌合部の角部の開き角θ1は、93°以上、108°未満であることが好ましく、95.5°以上104.5°以下がより好ましいことが分かる。また、内嵌部の外周寸法D1と、内嵌部の内嵌前における上部接合代の内周寸法D2とは、D1/D2が98.0%以上、99.5%未満が好ましく、98.3%以上、99.3%以下がより好ましいことが分かる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲においてその構成を変更し得ることは勿論である。
1 容器
10 容器本体
10A 筒状部材
10B 容器本体
11 上部接合代
11a 対応辺部
11b 角部
12 胴部
13 底面部
14 前面
14a 下端接合部
15 後面
15a 下端接合代
16 側面
16a 耳部
17 側部接合部
17a 段差部
18 折皺部
20 シート材
21 紙層
22 内面側樹脂層
23 外面側樹脂層
30 上部閉塞部材
31 スパウト部材
32 キャップ部材
33 肩部
33a 突起
34 内嵌部
34Aa 突辺部
34Bb 平坦面
34a 辺部
34b 突面
34c 角部
34d 連設部分
35 口部
36 受面
37 面取り面
38 被覆部
38A 溶融樹脂部
39 封止部
40 容器組立装置
41 マンドレル
42 支持部材
43 絶縁部材
43a 下部テーパ面
44 電極部材
44a 上部テーパ面
50 溶着ヘッド
51 切欠部
52 ヘッド部
53 凹部
60 供給管
F1 折り目線
F2 折り目線
F3 折り目線
LS1 線分
LS2 第1基準線
LS3 最大距離
PS1 中心
RS1 半径
RS2 半径
LC1 線分
LC2 第2基準線
LC3 最大距離
LM 最短距離
LT 接線
PC1 中心
θ1 開き角
S11 正方形
S12 円
S13 突線
S14 円弧
S21 正方形
S22 突線
S23 円弧
S24 円

Claims (13)

  1. シート材からなる有底な容器本体と、前記容器本体の上部接合代に内嵌固定される内嵌部を有し、該容器本体の上端開口を閉塞する、樹脂成形品からなる上部閉塞部材とを備えた容器であって、
    前記上部閉塞部材の前記内嵌部の外面が平面視略長方形の筒状に形成されるとともに、該内嵌部の少なくとも1つの辺部として、外面の少なくとも一部が外方側へ突出する突面で構成された突辺部が設けられ、
    前記突辺部に対応する前記上部接合代の対応辺部が、前記突面に沿って外方側へ突出するように、前記内嵌部が前記上部接合代に内嵌固定されている、
    ことを特徴とする容器。
  2. 前記突辺部の外面に、該突辺部の長さ方向の途中部において外方側へ突出する湾曲面からなる前記突面が設けられている請求項1記載の容器。
  3. 前記内嵌部の角部と、該角部に連なる2つの辺部との連設部分の外面に対する接線のなす開き角θ1が、93°以上108°未満に設定されている請求項1又は2記載の容器。
  4. 前記内嵌部の少なくとも1つの角部の外面が、半径2mm以上の湾曲面で構成されている請求項1〜3のいずれか1項記載の容器。
  5. 前記上部閉塞部材の内嵌部の外周寸法をD1とし、前記上部閉塞部の内嵌前における、前記容器本体の展開状態での上部接合代の内周寸法をD2としたときに、D1/D2が98.0%以上、99.5%未満に設定されている請求項1〜4のいずれか1項記載の容器。
  6. 前記突辺部の両端部を通る線分と平行で且つ内嵌部の中心を通る線を第1基準線とし、前記上部閉塞部材の内嵌前における前記容器本体の自然状態での、前記突辺部に対応する前記対応辺部の両端部を通る線分と平行で且つ上部接合代の中心を通る線を第2基準線としたときに、前記第1基準線と前記突面との最大距離が、前記第2基準線と前記対応辺部の内面との最大距離よりも大きく設定されている請求項1〜5のいずれか1項記載の容器。
  7. 前記シート材がスリーブ状に形成されている請求項1〜6のいずれか1項記載の容器。
  8. 前記上部閉塞部材が、前記内嵌部及び口部を有するスパウト部材と、前記スパウト部材の口部に着脱自在に取り付けられたキャップ部材とを備えている請求項1〜7のいずれか1項記載の容器。
  9. 前記請求項1〜8のいずれか1項記載の容器の製造方法において、
    前記容器本体を構成する、前記シート材からなる筒状部材を、前記上部閉塞部材の前記内嵌部の外面に適合する寸法のマンドレルの胴体部に対して、該マンドレルの先端部が外部に露出するように外嵌挿入する第1嵌合工程と、
    前記マンドレルの先端部に、前記内嵌部を外嵌させて、前記上部閉塞部材を取付ける第2嵌合工程と、
    前記筒状部材を前記マンドレルに対して相対的に上方へ移動させ、前記内嵌部を前記上部接合代に内嵌する第3嵌合工程と、
    前記内嵌部と前記上部接合代とを溶着する溶着工程と、
    を備えたことを特徴とする容器の製造方法。
  10. 前記第3嵌合工程において、前記内嵌部の外周面を加熱して、該外周面の樹脂部分を溶融させた状態で、前記筒状部材を前記マンドレルに対して相対的に上方へ移動させ、前記突面によりそれに対応する前記筒状部材の対応辺部を外方へ押し出すとともに、前記内嵌部を前記上部接合代に内嵌する請求項9記載の容器の製造方法。
  11. 前記溶着工程において、前記内嵌部を前記上部接合代に高周波誘電加熱により溶着する請求項9又は10記載の容器の製造方法。
  12. 前記溶着工程の後工程として、前記筒状部材及び上部閉塞部材を含む一次成形容器を前記マンドレルから抜き取る工程と、前記一次成形容器を倒立状に姿勢切換えする工程と、倒立状に姿勢切換えした前記一次成形容器に、その底面開口を通じて内容物を充填する工程と、内容物を充填した前記一次成形容器の底部を液密状に閉塞する工程とを備えた請求項9〜11のいずれか1項記載の容器の製造方法。
  13. 前記溶着工程の後工程として、前記筒状部材及び上部閉塞部材を含む一次成形容器を前記マンドレルから抜き取る工程と、前記マンドレルから抜き取った一次成形容器の底部を液密状に閉塞して容器を組み立てる工程と、前記上部閉塞部材の口部を通じて、前記容器に内容物を充填する工程と、前記内容物が充填された前記容器の口部をキャップ部材で閉塞する工程とを備えた請求項9〜11のいずれか1項記載の容器の製造方法。
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