JP2018133166A - 厚膜抵抗体用材料、厚膜抵抗体用ペースト、厚膜抵抗体、厚膜抵抗器、厚膜抵抗体の製造方法および厚膜抵抗器の製造方法 - Google Patents

厚膜抵抗体用材料、厚膜抵抗体用ペースト、厚膜抵抗体、厚膜抵抗器、厚膜抵抗体の製造方法および厚膜抵抗器の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電極と厚膜抵抗体の重なり部分に隙間が出来ることがなく、安定した導通を確保すると共に、静電気放電後の抵抗値の変化が小さい厚膜抵抗体を提供する。【解決手段】表面の少なくとも一部が銀で被覆されたパラジウム粉末および/または表面の少なくとも一部が銀で被覆されたパラジウム合金粉末を含み、銀とパラジウムとの質量比が4:6〜7:3であり、前記パラジウム粉末および前記パラジウム合金粉末の数平均粒子径D50が0.1〜5μmであることを特徴とする厚膜抵抗体用材料。【選択図】図1

Description

本発明は、厚膜抵抗体用材料、厚膜抵抗体用ペースト、厚膜抵抗体、厚膜抵抗器、厚膜抵抗体の製造方法および厚膜抵抗器の製造方法に関し、特に、チップ抵抗器、抵抗ネットワークおよびハイブリッドICなどを製造する際、セラミック基板上等に形成される厚膜抵抗体に関するものである。
チップ抵抗器、抵抗ネットワークおよびハイブリッドIC等は、一般的に厚膜抵抗体用のインクやペースト等をアルミナ等のセラミック基板上等に塗装、スプレー印刷またはスクリーン印刷等で塗付し、焼き付ける厚膜技術を用いて製造されている。この厚膜技術を用いて製造される厚膜抵抗体は、例えば、銀系の導体ペーストをセラミック基板に印刷後、焼成して電極を形成し、次に、その電極に接続するように厚膜抵抗体用ペーストを印刷し、焼成することで形成される。
特に低抵抗値の厚膜抵抗体は、導電性粉末としてパラジウムと銀の合金や銅とニッケルの合金等が用いられている。また、パラジウムおよび銀を導電性粉末として用いる厚膜抵抗体用ペーストは、大気中で焼成が可能なため、広く用いられている。
このようなパラジウムおよび銀を導電性粉末として用いる厚膜抵抗器における電極は、例えば、大気雰囲気下で焼成しても酸化しにくい銀系の導体ペーストを用いて製造される。また、厚膜抵抗体は、銀パラジウム系の厚膜抵抗体用ペーストを用いて製造することができる。例えば、特許文献1では、AgPd電極を形成したアルミナ基板上に、導電性粉末としてAg粉末、Pd粉末およびRuO2粉末を使用した厚膜抵抗体用ペーストをスクリーン印刷し、乾燥および焼成して厚膜抵抗体を形成している。
特開平5−90006号公報
しかしながら、特許文献1の厚膜抵抗体では、厚膜抵抗体用ペーストを塗布した基板の焼成中に、電極と厚膜抵抗体の重なり部分やその近傍において、電極に隙間ができることにより、厚膜抵抗体の導通が不安定になる場合がある。また、電極に隙間が出来ると、静電気等が放電された際に、厚膜抵抗体の抵抗値が上昇するという問題があった。
本発明は、このような状況に鑑み、安定した導通を確保すると共に、静電気放電後の抵抗値の変化が小さい厚膜抵抗体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の厚膜抵抗体用材料は、表面の少なくとも一部が銀で被覆されたパラジウム粉末および/または表面の少なくとも一部が銀で被覆されたパラジウム合金粉末を含み、銀とパラジウムとの質量比が4:6〜7:3であり、前記パラジウム粉末および前記パラジウム合金粉末の数平均粒子径D50が0.1〜5μmであることを特徴とする。
また、本発明の厚膜抵抗体用ペーストは、前記厚膜抵抗体用材料と、ガラス組成物粒子と、樹脂と、を含むことを特徴とする。
前記ガラス組成物粒子の軟化点が、400〜850℃であってもよい。
前記厚膜抵抗体用ペーストは、ルテニウムを含んでもよい。
前記ルテニウムが、酸化ルテニウムであってもよい。
前記厚膜抵抗体用ペーストは、鉛の含有量が0.1質量%未満であってもよい。
また、本発明の厚膜抵抗体は、前記厚膜抵抗体用材料とガラス組成物粒子の混合物の焼成体を含むことを特徴とする。
前記ガラス組成物粒子の軟化点が、400〜850℃であってもよい。
前記厚膜抵抗体は、ルテニウムを含んでもよい。
前記ルテニウムが、酸化ルテニウムであってもよい。
前記厚膜抵抗体は、鉛の含有量が0.1質量%未満であってもよい。
また、本発明の厚膜抵抗器は、基板と、前記基板に形成された銀系の電極と、前記電極に形成された前記厚膜抵抗体を含むことを特徴とする。
前記電極における銀の含有量は、98質量%以上であってもよい。
また、本発明の厚膜抵抗体の製造方法は、前記厚膜抵抗体用材料とガラス組成物粒子の混合物を焼成する焼成工程を含むことを特徴とする。
前記厚膜抵抗体の製造方法は、鉛の含有量が0.1質量%未満であってもよい。
また、本発明の厚膜抵抗器の製造方法は、基板に形成された銀系の電極に、前記厚膜抵抗体用ペーストを塗付する塗付工程と、前記厚膜抵抗体用ペースト中の厚膜抵抗体用材料とガラス組成物粒子の混合物を焼成する焼成工程を含むことを特徴とする。
前記電極における銀の含有量は、98質量%以上であってもよい。
本発明の厚膜抵抗体用材料、厚膜抵抗体用ペースト、厚膜抵抗体、厚膜抵抗器、厚膜抵抗体の製造方法および厚膜抵抗器の製造方法によれば、安定した導通を確保すると共に、静電気放電後の抵抗値の変化が小さい厚膜抵抗体を提供することができる。
本発明を説明するための厚膜抵抗器の概略断面模式図である。 従来技術を説明するための厚膜抵抗器の概略断面模式図である。
以下、本発明の一実施形態にかかる厚膜抵抗体用材料、厚膜抵抗体用ペースト、厚膜抵抗体、厚膜抵抗器、厚膜抵抗体の製造方法および厚膜抵抗器の製造方法ついて、詳細に説明する。
[厚膜抵抗体用材料]
本実施形態の厚膜抵抗体用材料は、表面の少なくとも一部が銀で被覆されたパラジウム粉末および/または表面の少なくとも一部が銀で被覆されたパラジウム合金粉末を含む。このように表面が銀で被覆された厚膜抵抗体用材料を用いれば、例えば銀系の電極に、厚膜抵抗体を形成する場合において、主に厚膜抵抗体用ペースト中の銀が、銀系の電極の近傍に分布しやすくなり、パラジウムそのものは銀系の電極の銀に干渉し難くなる。これにより、銀系の電極と厚膜抵抗体用ペーストとの重ね合わせ部分において、焼成処理によって銀系の電極の銀が厚膜抵抗体中のパラジウムと合金化するべく、厚膜抵抗体中に拡散してしまうことを抑制することができ、銀系の電極と厚膜抵抗体との重なり部分やその近傍において、電極の隙間の発生を抑制することができる。
特に、パラジウムや、パラジウムと銀等からなるパラジウム合金(パラジウムとパラジウム合金を「パラジウム等」とする場合がある)の表面の全体が、銀で被覆されていることが好ましい。厚膜抵抗体用ペーストのパラジウムは銀に被覆されて表面に露出しないために、銀系の電極の銀が厚膜抵抗体用ペースト側へ拡散し難くなることで、電極の隙間の発生をより抑制することができる。ただし、パラジウム等の粉末は、一次粒子や、一次粒子の凝集体である二次粒子からなるものである。特に、二次粒子の場合には、凝集体の内部に隙間があり、この隙間にまで銀が侵入してパラジウム等の表面全体が被覆されていることは要しない。厚膜抵抗体用ペーストのパラジウムが銀系の電極の銀に干渉しないよう、パラジウムの二次粒子の外側の表面が銀で被覆されていれば、銀系の電極の銀の拡散を抑え、隙間の発生を十分に抑制することができる。
ここで、銀で被覆されたパラジウムであれば、銀系の電極の銀の拡散を抑えることができる点について、図1、図2にて視覚的に説明する。図2は、従来技術を説明するための厚膜抵抗器の概略断面図である。厚膜抵抗器200は、銀系の電極201が形成された基板202に、銀粉末と、銀で被覆されていない無処理のパラジウム粉末を原料とする厚膜抵抗体用ペーストを塗布し、乾燥させた乾燥体203が形成されている。銀系の電極201中には、銀原子210とパラジウム原子211が存在し、乾燥体203には、厚膜抵抗体用ペースト由来の銀原子215とパラジウム原子216が存在する(図2(a))。乾燥体203を焼成する過程において、銀系の電極201中の銀原子210が乾燥体203中に拡散し、乾燥体203中のパラジウム原子216と合金を形成する(図2(b))。このように、焼成の過程において、パラジウム原子216は乾燥体203の銀原子215と合金を形成するのみならず、銀系の電極201の銀原子210とも合金化するため、銀系の電極201の銀原子210が乾燥体203のパラジウム原子216に取り込まれて合金化する。そのために、厚膜抵抗体205が太って銀系の電極201が痩せ細り、仮想線で示す銀系の電極201と乾燥体203の焼成前の境界面220から、銀系の電極201と厚膜抵抗体205の焼成後の境界面221へとシフトする場合がある(図2(c))。そして、焼成によって銀系の電極201の銀原子215が乾燥体203中へ急速に拡散することで(図2(b))、銀系の電極201と厚膜抵抗体205との重なり部分およびその近傍において銀系の電極201に銀が不足する領域が生じ、厚膜抵抗体205の抵抗値を上昇させる隙間230となる場合がある(図2(c))。
図1は、本発明を説明するための厚膜抵抗器の概略断面模式図である。厚膜抵抗器100は、銀系の電極101が形成された基板102に、厚膜抵抗体用ペーストを塗布し、乾燥させた乾燥体103が形成されている。銀系の電極101中には、銀原子110とパラジウム原子111が存在し、乾燥体103中にはパラジウム粒子120が銀121で被覆されたパラジウム粒子123が存在する(図1(a))。乾燥体103を焼成しても、パラジウム粒子123のパラジウム粒子120は銀121に被覆されて表面に露出しないために、銀系の電極101の銀原子110が乾燥体103の方へ拡散し難くなる。これにより、焼成後の厚膜抵抗体105が太って銀系の電極101が痩せ細ることを抑制できる。また、銀系の電極101と厚膜抵抗体105との重なり部分およびその近傍において、銀系の電極101に銀が不足する領域が生じ、厚膜抵抗体105の抵抗値を上昇させる隙間となることを、抑制することができる。
また、本実施形態の厚膜抵抗体用材料は、銀で被覆されたパラジウム粉末を含む場合と、銀で被覆されたパラジウム合金粉末を含む場合と、これらの両方の粉末を含む場合がある。これらの粉末は、例えば厚膜抵抗体とセラミック基板との熱収縮挙動の制御や、厚膜抵抗体とガラス基板との密着性の調整を目的として、所定の混合比率にて適量を含めることができる。特に、銀で被覆されたパラジウム粉末であれば、目的とする抵抗温度係数(「Temperature Coefficient of Resistance」以下、「TCR」と呼ぶこともある)に設定するべく、銀とパラジウムの配合比を容易に調整することができるため、厚膜抵抗体用ペーストの配合の自由度を高くすることができる。また、銀で被覆されたパラジウム粉末と、銀で被覆されたパラジウム合金粉末を併用する場合においても、これらの混合比は目的とする抵抗温度係数に設定するべく、配合比を適宜調整することができる。
前記のパラジウム粉末および/またはパラジウム合金粉末において、銀とパラジウムとの質量比は、形成される抵抗体の抵抗温度係数や経済性の観点から、4:6〜7:3の範囲内である。パラジウムがこの範囲内よりも多いと、厚膜抵抗体のコストが高くなる場合がある。また、銀がこの範囲内よりも多いと、抵抗温度係数の制御が困難となる場合がある。
なお、銀とパラジウムとの質量比は、4:6〜7:3であるが、例えば、パラジウムの表面の全体が銀で被覆されていると、パラジウムは表面に露出しない。そのため、銀系の電極の銀が厚膜抵抗体中へ拡散することを抑制できる。これに対し、銀粉末と、銀で被覆されていない無処理のパラジウム粉末を質量比4:6〜7:3とした厚膜抵抗体用ペーストの場合は、パラジウムが銀で被覆されていない。そのため、銀系の電極の銀が厚膜抵抗体用ペーストへ拡散し、パラジウムに取り込まれて合金化することによって、電極に銀が不足する領域が生じて隙間となり、厚膜抵抗体の抵抗値を上昇させることとなる。
本実施形態の厚膜抵抗体用材料は、パラジウム粉末およびパラジウム合金粉末の数平均粒子径D50が0.1〜5μmである。数平均粒子径がこの範囲内であることにより、所望の抵抗値を示す厚膜抵抗体を安定して製造することができる。数平均粒子径が0.1μm未満であると、厚膜抵抗体用ペーストを焼成する条件によっては、焼成過程において急激に焼結が進むため、焼成後の厚膜抵抗体の膜にクラックが入る等、機械的な欠陥が生じる事がある。また、数平均粒子径が5μmよりも大きい場合、形成された厚膜抵抗体の抵抗値の分布が大きくなり、所望の厚膜抵抗体の歩留りが低下する恐れがある。
本実施形態の厚膜抵抗体用材料は、上記した銀で被覆されたパラジウム等の粉末のみならず、その他の成分を含むことができる。例えば、後述するガラス組成物粒子や、酸化ルテニウム(RuO2)、酸化マンガン(MnO2)、五酸化ニオブ(Nb25)、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化銅(CuO)等の酸化物粉末を、適宜含むことができる。
(厚膜抵抗体用材料の製造方法)
以下、本実施形態の厚膜抵抗体用材料について、その製造方法を説明する。まず、厚膜抵抗体用材料に含まれる、銀で被覆されたパラジウム等の粉末は、既存の方法により製造することができる。例えば、還元型無電解めっき法であれば、パラジウム粉末を洗浄して不純物を除去した後に、水中で分散してスラリー化し、得られた水スラリーに還元剤と銀イオン溶液を添加するという工程によって、パラジウム粉末の表面に銀を均一に被覆させることができる。ここで、還元剤と銀イオン溶液を水スラリーへ添加する順番は、特に限定されない。還元剤を水スラリーに予め添加して分散させた後に、銀イオン溶液を連続的に添加することができ、また、水スラリーへ銀イオン溶液を添加した後に、還元剤を添加することができる。
還元剤としては、種々の還元剤を用いることができるが、還元力の弱い還元剤を用いることが好ましい。このような弱い還元剤としては、還元性有機化合物を用いることができ、例えば、炭水化物類、多価カルボン酸およびその塩、アルデヒド類等を適宜用いることができる。より具体的には、ぶどう糖(グルコース)、乳酸、シュウ酸、酒石酸、リンゴ酸、マロン酸、グリコール酸、酒石酸ナトリウムカリウム、ホルマリン等が挙げられる。
水スラリーに還元剤を添加した後、十分に還元剤を分散させるために、水スラリーの攪拌等を行うことが好ましい。また、水スラリーを所望のpHに調整するために、酸またはアルカリを適宜添加することができる。さらに、アルコール等の水溶性有機溶媒を添加することによって、還元剤である還元性有機化合物の分散を促進させることができる。
また、銀イオン溶液としては、銀めっき液として公知のものを用いることができるが、その中でも銀を均一に被覆させることのできる硝酸銀溶液を用いることが好ましい。なお、硝酸銀溶液は、錯形成が容易である点を考慮して、アンモニア性硝酸銀溶液として用いることがより好ましい。ここで用いるアンモニアは、硝酸銀溶液に添加したり、予め還元剤と共に水スラリーに添加して分散させておいたり、硝酸銀溶液とは別のアンモニア溶液として、硝酸銀溶液と同時に水スラリーに添加したり、これらの組み合わせを含めていずれかの方法で添加すればよい。
銀イオン溶液は、例えばパラジウム粉と還元剤とを含む水スラリーに添加するにあたり、比較的ゆっくりとした速度で徐々に添加することが好ましく、これにより均一な厚みの銀の被膜をパラジウム粉の表面に形成することができる。また、被膜の厚みの均一性を高めるためには、添加の速度を一定とすることがより好ましい。さらに、予め水スラリーに添加した還元剤等を別の溶液で調整して、銀イオン溶液と共に徐々に追加で添加するようにしてもよい。例えば、銀含有量が1.5質量%の銀イオン溶液を、1.5ml/秒の添加速度で水スラリーに添加することにより、パラジウム等の表面に銀を均一にめっきすることができる。
このようにして、銀イオン溶液等を水スラリーに添加して銀めっきした後、水スラリーをろ過することでパラジウムを分離し、水洗を行った後に乾燥させることで、銀めっきされたパラジウム粉末を得ることができる。これらのろ過、水洗および乾燥等の処理手段は、特に限定されるものではなく、公知の処理手段を用いることができる。
上記では、銀で被覆されたパラジウム等の粉末として、銀めっきされたパラジウム粉末を挙げたが、銀粒子をパラジウム等の粉末に付着させることによっても、銀で被覆されたパラジウム等の粉末を得ることができる。例えば、銀の粉末とパラジウム等の粉末をボールミル等により混合することにより、銀粒子をパラジウム等の粉末に付着させることができる。
[厚膜抵抗体用ペースト]
次に、本実施形態の厚膜抵抗体用ペーストについて、説明する。本実施形態の厚膜抵抗体用ペーストは、本実施形態の厚膜抵抗体用材料と、ガラス組成物粒子と、樹脂を含む。
厚膜抵抗体用ペーストは、基板等への塗付を容易とし、厚膜抵抗体用材料の濃度やペーストの粘度を用途に応じて適宜調整したものである。樹脂はバインダーとしての機能を有し、厚膜抵抗体用ペーストは厚膜抵抗体用材料がバインダーに分散した分散体であることが好ましい。樹脂は、バインダーとしての機能を発揮することができるものであればよく、溶剤型、無溶剤型、反応型、未反応型、一液反応硬化型、二液反応硬化型等、用途に応じて種々の樹脂を用いることができる。また、以下に説明するように、樹脂と溶剤等を含む有機ビヒクルを厚膜抵抗体用ペーストの原料として用いることができる。
また、電子部品の鉛フリー化の観点から、厚膜抵抗体用ペーストは、鉛の含有量が0.1質量%未満であることが好ましい。
(ガラス組成物粒子)
ガラス組成物粒子は、基板への密着力を付与する酸化物であり、焼成過程において軟化し、基板に浸透するものが用いられる。このようなガラス組成物粒子として、軟化点が400〜850℃のものを用いることが好ましい。この範囲内であれば、焼成過程において軟化し、また、耐侯性や耐水性を満足することができる。軟化点が850℃を越えるものは、焼成過程において軟化し難い場合があり、厚膜抵抗体を形成することができない場合がある。また、軟化点が400℃未満のものは、耐侯性や耐水性を満足しない場合がある。
ガラス組成物粒子は、メジアン径D50が0.5〜5μmであることが好ましい。粒子のメジアン径がこの範囲内であることにより、厚膜抵抗体とした場合に微細な導電パスを形成することができる。メジアン径が5μmよりも大きい場合、厚膜抵抗体とした場合の抵抗値のばらつきや電流雑音が大きくなる場合がある。また、ガラス組成物粒子は、厚膜抵抗体用材料よりもある程度大きいことにより、無機バインダーとしての機能を好適に発揮することができる。このような観点から、ガラス組成物粒子のメジアン径が0.5μmよりも小さい場合には、厚膜抵抗体とした場合において、厚膜抵抗体の強度が低下する場合がある。厚膜抵抗体とした場合の性能や強度を考慮すると、ガラス組成物粒子のメジアン径が1.0〜2.0μmであることが好ましい。粒子のメジアン径は、例えばレーザー回折散乱法を用いて測定した粒子の個数を基準として、算出することができる。
また、ガラス組成物粒子の組成は、特に限定されず、例えば、従来から用いられているホウケイ酸鉛系のガラスやホウケイ酸亜鉛系、ホウケイ酸カルシウム系、ホウケイ酸ビスマス系のガラスを用いることができる。ガラス組成物粒子は、例えば酸化ケイ素、酸化ホウ素、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、アルカリ金属酸化物、アルカリ土類酸化物等の少なくとも1種を混合および溶融して急冷したものを粉砕することにより、製造することができる。
(有機ビヒクル)
厚膜抵抗体用ペーストに用いることのできる有機ビヒクルは、樹脂を溶剤に溶解したものである。樹脂は、厚膜抵抗体用ペーストに通常用いられているものを用いることができる。また、溶剤は、用いる樹脂により適切なものを用いることができる。有機ビヒクルとしては、例えば、エチルセルロース、ブチラール、アクリル等の樹脂をターピネオール、ブチルカルビトールアセテート等の溶剤に溶解したものを好適に用いることができる。
有機ビヒクルにおける樹脂と溶剤との配合比は、厚膜抵抗体用ペーストの作業性や所望する設定粘度等を考慮して、適宜調整することができる。また、厚膜抵抗体用ペーストにおいて、厚膜抵抗体用材料とガラス組成物粒子の合計と有機ビヒクルの配合比は、質量比にて10:3〜10程度とすることができる。なお、本発明の厚膜抵抗体用ペーストは、有機ビヒクルに用いる樹脂、溶剤の種類、配合比によって限定されるものではない。
(その他の成分)
本実施形態の厚膜抵抗体用ペーストは、上記以外の成分を含むことができる。例えば、ルテニウムが挙げられ、導電粉末としてルテニウム酸化物を含むことができる。ルテニウム酸化物は、パラジウムや銀、または銀パラジウム合金よりも比抵抗が高く、厚膜抵抗体の厚膜抵抗値を調整するために有効である。特に、酸化ルテニウムを用いる事によって、厚膜抵抗体に安定した抵抗値を出現させることができる。また、厚膜抵抗体の目的とする抵抗値に合わせて、ルテニウム酸化物の他、パラジウム、銀、銀パラジウム合金等を適宜含めることができ、これにより、広い抵抗値領域を有する厚膜抵抗体を形成することができる。
上記した成分の他に、面積抵抗値や抵抗温度係数の調整、膨張係数の調整、耐電圧性の向上やその他の改善を目的とした添加剤を含んでも良い。例えば、従来から用いられる各種粉末や、酸化マンガン(MnO2)、五酸化ニオブ(Nb25)、酸化チタン(TiO2)、酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化銅(CuO)等の酸化物粉末を添加することができる。
また、添加剤の配合割合は、一般的に、導電性粉末とガラス粉末の質量合計に対して0.05〜20質量%程度とすることができる。特に、酸化マンガンは、導電性粉末とガラス粉末の質量合計に対して0.05〜5質量%であることによって、抵抗温度係数を好適に調整することができる。
本実施形態の厚膜抵抗体用ペーストは、厚膜抵抗体用材料やガラス組成物粒子の凝集による二次粒子の形成を防止し、均一な分散性を維持することや、厚膜抵抗体用ペーストのレベリング性の向上等の目的により、分散剤を含んでもよい。二次粒子の形成を抑制する分散剤としては、例えば脂肪酸を用いることができる。脂肪酸は、飽和、不飽和を問わないが、厚膜抵抗体用材料やガラス組成物粒子を分散させ、再び凝集するのを防ぐ観点から、炭素数12以上の高級脂肪酸であることが、より好ましい。
(厚膜抵抗体用ペーストの製造方法)
厚膜抵抗体用ペーストは、既存の方法により製造することができる。例えば、有機ビヒクルに分散剤を添加したものに厚膜抵抗体用材料およびガラス組成物粒子を撹拌投入し、さらに予備混合した後、スリーロールミル、遊星ミル、ビーズミル等を用いて厚膜抵抗体用材料およびガラス組成物粒子を有機ビヒクル中に分散することにより、製造することができる。
[厚膜抵抗体]
次に、本実施形態の厚膜抵抗体について、説明する。厚膜抵抗体は、本実施形態の厚膜抵抗体用材料とガラス組成物粒子の混合物の焼成体を含む。このような厚膜抵抗体であれば、安定した導通を確保すると共に、静電気放電後の抵抗値の変化を小さくすることができる。
また、電子部品の鉛フリー化の観点から、本実施形態の厚膜抵抗体は、鉛の含有量が0.1質量%未満であることが好ましい。
本実施形態の厚膜抵抗体は、ガラス組成物粒子の軟化点が400〜850℃であることが好ましい。ガラス組成物粒子の詳細については、[厚膜抵抗体用ペースト]の項目において述べたとおりである。
(その他の成分)
本実施形態の厚膜抵抗体は、上記以外の成分を含むことができ、例えば、ルテニウムを含むことができる。特に、ルテニウムとして酸化ルテニウムを含むことによって、厚膜抵抗体に安定した抵抗値を出現させることができる。厚膜抵抗体中の無機成分におけるルテニウムの含有量は、形成する厚膜抵抗体の所望の抵抗値によって適宜調整することができる。例えば、酸化ルテニウムを含む場合において、厚膜抵抗体中の無機成分におけるルテニウムの含有量が7質量%〜20質量%であることにより、100kΩ程度の抵抗値を有する厚膜抵抗体とすることができる。その他の成分の詳細については、分散剤を除き、[厚膜抵抗体用ペースト]の項目において述べたとおりである。
[厚膜抵抗体の製造方法]
本実施形態の厚膜抵抗体は、その製造方法が特に限定されるものではないが、例えば以下に説明する方法により製造することができる。
本実施形態の厚膜抵抗体の製造方法は、本実施形態の厚膜抵抗体用材料とガラス組成物粒子の混合物を焼成する焼成工程を含む。
焼結工程の条件は、ガラス組成物粒子同士が溶融して接触することにより、無機のバインダーとしての機能を発揮すること、および厚膜抵抗体用材料中の銀と、パラジウムおよび/またはパラジウム合金が合金を形成することができれば、特に限定されない。また、本実施形態の厚膜抵抗体用ペーストを用いて厚膜抵抗体を製造する場合には、上記の条件に加えて、ペースト中の樹脂や溶剤等を熱分解して厚膜抵抗体から除去することができれば、特に限定されない。その条件としては、ガラス組成物の組成や樹脂の種類にもよるが、例えば焼成炉を使用して、ピーク温度を750〜950℃とし、ピーク温度の保持時間を5〜15分とする焼結条件により、厚膜抵抗体を製造することができる。
また、電子部品の鉛フリー化の観点から、本実施形態の厚膜抵抗体の製造方法によって製造した厚膜抵抗体は、鉛の含有量が0.1質量%未満であることが好ましい。
[厚膜抵抗器]
次に、本実施形態の厚膜抵抗器について、説明する。厚膜抵抗器は、基板と、前記基板に形成された銀系の電極と、前記電極に形成された本実施形態の厚膜抵抗体を含む。このような厚膜抵抗器であれば、安定した導通を確保すると共に、静電気放電後の抵抗値の変化を小さくすることができる。
基板としては、アルミナ等のセラミックス基板等、一般的なものを用いることができる。また、銀系の電極としては、銀や、銀を主成分としたパラジウムとの混合物を用いることができる。銀系の電極は、例えば銀電極用ペーストを基板に塗付して焼成することにより、形成することができる。銀系の電極における銀の含有量は、98質量%以上であることが好ましく、コストや電極性能を考慮すれば、銀のみからなる電極であることがより好ましい。
[厚膜抵抗器の製造方法]
以下、本実施形態の厚膜抵抗器の製造方法の一般的な例について、説明する。なお、厚膜抵抗器の製造方法は、以下の方法に限定されるものではなく、処理条件等について、公知の知見や方法を用いて、適宜変更してもよい。
上記製造方法は、基板に形成された銀系の電極に、本実施形態の厚膜抵抗体用ペーストを塗付する塗付工程と、前記厚膜抵抗体用ペースト中の厚膜抵抗体用材料とガラス組成物粒子の混合物を焼成する焼成工程を含むものが挙げられる。銀系の電極における銀の含有量は、98質量%以上であることが好ましく、コストや電極性能を考慮すれば、銀のみからなる電極であることがより好ましい。
前記塗付工程では、基板の電極に厚膜抵抗体用ペーストをスクリーン印刷、フレキソ印刷、ディスペンサによる描画印刷、またはインクジェット法等の方法により塗付することができる。
そして、焼結工程の条件は、ガラス組成物粒子同士が溶融して接触することにより、無機のバインダーとしての機能を発揮すること、厚膜抵抗体用材料中の銀と、パラジウムおよび/またはパラジウム合金が合金を形成すること、および本実施形態の厚膜抵抗体用ペースト中の樹脂や溶剤等を熱分解して、厚膜抵抗体から除去することができれば、特に限定されない。例えば、塗付された厚膜抵抗体用ペーストを予備乾燥等させた後、オーブン等を用いて焼結することができる。焼成条件は、ガラス組成物の組成や樹脂の種類、形成する厚膜抵抗体のサイズ等により、適宜設定することができる。一例としては、ピーク温度を750〜950℃とし、ピーク温度の保持時間を5〜15分とする条件を採用することができる。以上の塗付工程および焼成工程を含む方法により、厚膜抵抗器を製造することができる。
上記において説明した、本実施形態の厚膜抵抗体用材料、厚膜抵抗体用ペースト、厚膜抵抗体、厚膜抵抗器、厚膜抵抗体の製造方法および厚膜抵抗器の製造方法によれば、厚膜抵抗体の種々の特性を満足し、安定した導通を確保すると共に、静電気放電後の抵抗値の変化が小さい厚膜抵抗体を提供することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明をより具体的に説明する。但し、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
(銀が被覆されたパラジウム粉末の製造)
パラジウム粉末(個数基準の平均粒子径(D50):250nm)120gを3質量%酒石酸水溶液中で約1時間攪拌した後、ろ過、水洗することにより、不純物を除去した。そして、不純物を除去したパラジウム粉末を2リットルのイオン交換水中に分散させて水スラリーを得た。次に、イオン交換水900mlに酒石酸56g、ぶどう糖67gおよびエタノール360mlを溶解した混合溶液を調整した。また、パラジウムと銀の質量比(Pd:Ag)が60:40になるように、硝酸銀130g(Agとして82g)をイオン交換水4.5リットルに溶かし、硝酸銀水溶液を調整した。そして、水スラリーに上記の混合溶液と28%アンモニア水360mlを加え反応溶液とした。この反応溶液を25℃に保持し、撹拌しながら、硝酸銀水溶液を60分間かけて徐々に添加した。
硝酸銀水溶液の添加が終了した後、水スラリーをろ過、水洗し、さらにエタノールを通じて乾燥させた。これらの処理により、パラジウム粒子の表面全体に銀で被覆されたパラジウム粉末を得た。銀の被覆状態は、透過型電子顕微鏡(TEM−EDS)を用いて確認し、TEMにより銀で被覆されたパラジウム粉末の断面観察を行い、EDS分析により、銀の被覆厚さを求め、その平均値を算出した。
得られた銀が被覆されたパラジウム粉末の平均粒子径をレーザー回折方式の粒度分布計で測定した。その結果、銀で被覆したパラジウム粉末の個数基準の平均粒子径(D50)は、0.3μmであった。
(厚膜抵抗体用ペーストの製造)
厚膜抵抗体の目標とする面積抵抗値を150mΩに設定し、上記のとおり製造した銀で被覆されたパラジウム粉末、ガラス粉末および有機ビヒクルを、質量比で73:2:25となるようにスリーロールミルで分散させて、厚膜抵抗体用ペーストを製造した。粒ゲージにより分散度を確認し、分散度は10μmとした。ガラス粉末は、組成がSiO2:35質量%−B23:25質量%−Al23:5質量%−BaO:15質量%−ZnO:15質量%−Na2O:5質量%であり、軟化点が650℃、レーザー回折方式の粒度分布計で個数基準の平均粒子径(D50)が3μmのものを使用した。また、有機ビヒクルは、エチルセルロースをターピネオールに溶解したものを使用した。質量比は、エチルセルロース:ターピネオール=5:95とした。
(厚膜抵抗器の製造)
銀パラジウム電極(銀とパラジウムの質量比は99:1)を形成したアルミナ基板に、上記のとおり製造した厚膜抵抗体用ペーストをスクリーン印刷した。印刷後のアルミナ基板を150℃×5分で乾燥した後、ピーク温度850℃、ピーク時間9分、焼成時間をトータルで30分とする条件にて、ベルト焼成炉を用いて焼成し(焼成工程)、厚膜抵抗器を製造した。厚膜抵抗体のサイズは抵抗体幅を1.0mm、抵抗体長さ(電極間)を1.0mmとなるようにした。
(実施例2)
実施例1と同様の銀で被覆されたパラジウム粉末を用いて、厚膜抵抗体用ペーストを製造した。その際に、目標とする面積抵抗値を10Ωに設定し、抵抗値を調整するために酸化ルテニウムを添加し、抵抗温度係数を調整するために酸化マンガンを加えた。厚膜抵抗器は、実施例1と同様の方法により製造した。ここで、酸化ルテニウムは、BET径20nmのものを使用した。なお、BET径は、粉末が真球であると仮定した場合において、BET法により測定される粉末の比表面積(BET比表面積)から算出される理論的な平均粒子径である。また、酸化マンガンは、平均粒子径(D50)が0.3μmのものを使用した。
(実施例3)
パラジウム粉末(個数基準の平均粒子径(D50):1.95μm)を使用し、パラジウムと銀の質量比を30:70とする他は、実施例1と同様の方法で、銀で被覆されたパラジウム粉末を製造した。得られた銀で被覆されたパラジウム粉末の平均粒子径(D50)は、3μmであった。目標とする面積抵抗値を100mΩに設定し、厚膜抵抗体用ペーストを作成し、実施例1と同様の方法により、厚膜抵抗器を製造した。
(実施例4)
実施例3と同様の銀で被覆されたパラジウム粉末を用いて、厚膜抵抗体用ペーストを製造した。その際に、目標とする面積抵抗値を10Ωに設定し、抵抗値を調整するために酸化ルテニウムを添加し、抵抗温度係数を調整するために酸化マンガンを加えた。厚膜抵抗器は、実施例1と同様の方法により製造した。酸化ルテニウムおよび酸化マンガンは、実施例2と同様のものを使用した。
以下に示す比較例1〜4では、銀で被覆されたパラジウム粉末に変えて、銀粉末およびパラジウム粉末を用いた。銀粉末およびパラジウム粉末は、平均粒子径(D50)が0.3μmと3μmのものを使用した。
(比較例1)
目標とする面積抵抗値を実施例1と同様に150mΩに設定し、平均粒子径(D50)が共に0.3μmのパラジウム粉末と銀粉末を用いて、実施例1と同様の方法により厚膜抵抗体用ペーストを製造した。厚膜抵抗器は、実施例1と同様の方法により製造した。
(比較例2)
目標とする面積抵抗値を実施例2と同様に10Ωに設定し、平均粒子径(D50)が共に0.3μmのパラジウム粉末と銀粉末を用いて、実施例2と同様の方法により厚膜抵抗体用ペーストを製造した。酸化ルテニウムおよび酸化マンガンは、実施例2と同様のものを使用した。厚膜抵抗器は、実施例1と同様の方法により製造した。
(比較例3)
目標とする面積抵抗値を実施例3と同様に100mΩに設定し、平均粒子径(D50)が共に3μmのパラジウム粉末と銀粉末を用いて、実施例3と同様の方法により厚膜抵抗体用ペーストを製造した。厚膜抵抗器は、実施例1と同様の方法により製造した。
(比較例4)
目標とする面積抵抗値を実施例4と同様に10Ωに設定し、平均粒子径(D50)が共に3μmのパラジウム粉末と銀粉末を用いて、実施例4と同様の方法により厚膜抵抗体用ペーストを製造した。酸化ルテニウムおよび酸化マンガンは、実施例2と同様のものを使用した。厚膜抵抗器は、実施例1と同様の方法により製造した。
[厚膜抵抗体の評価]
各実施例および各比較例で製造した厚膜抵抗体の物性を評価するべく、以下に示すとおり、面積抵抗値、抵抗温度係数、および抵抗値変化率を測定した。
(換算面積抵抗値)
換算厚膜抵抗体の換算面積抵抗値は、25個の厚膜抵抗体の面積抵抗値を測定した平均値と、実測した焼成膜厚から、下記式1を用いて算出した。厚膜抵抗体の焼成膜厚は、7μmとした。
[数1]
換算面積抵抗値=面積抵抗値(平均値)×焼成膜厚(実測値)/換算膜厚(7μm) (式1)
(抵抗温度係数)
厚膜抵抗器の抵抗値は、温度上昇に伴い変化することが知られている。この変化量は、基準温度T0における抵抗値をR0、温度Tにおける抵抗値をRとした場合に、下記式2によって算出される抵抗温度係数によって評価される。なお、抵抗温度係数は、厚膜抵抗器の組成が同一であれば、その寸法にかかわらず、理論上、同一の値を示す。
[数2]
TCR=(R‐R0)/R0/(T‐T0) (式2)
抵抗温度係数としては、下記の式3により算出される低温抵抗温度係数(COLD−TCR)および下記の式4により算出される高温抵抗温度係数(HOT−TCR)を算出した。手順としては、まず、温度25℃を基準温度(T25)とし、25℃の厚膜抵抗器の抵抗値(R25)を基準抵抗値と定義した。そして、基準抵抗値として、厚膜抵抗器を25℃の温度で15分間保持した状態での抵抗値を測定した。すなわち、上記式2の「R0」および「T0」は、本願の各実施例および各比較例において「R25」および「T25」と対応する。
厚膜抵抗器の温度が25℃から−55℃までの抵抗温度係数をCOLD−TCRとした。COLD−TCRは、厚膜抵抗器を−55℃の温度(T-55)で15分間保持した状態で抵抗値(R-55)を測定した結果を基に、下記式3によって計算し、5個の厚膜抵抗器の平均値を算出した。下記式3において、「−80」は「T-55−T25」を求めた値である。
[数3]
COLD-TCR(ppm/℃)=[(R-55-R25)/R25/(-80)]×106 (式3)
また、厚膜抵抗器の温度が25℃から125℃までの抵抗温度係数をHOT−TCRとした。HOT−TCRは、厚膜抵抗器を125℃の温度(T125)で15分間保持した状態で抵抗値(R125)を測定した結果を基に、下記式4によって計算し、5個の厚膜抵抗器の平均値を算出した。下記式4において、「100」は「T125−T25」を求めた値である。
[数4]
HOT-TCR(ppm/℃)=[(R125-R25)/R25/(100)]×106 (式4)
(抵抗値変化率)
厚膜抵抗体に静電気を放電した後に抵抗値を測定し、静電気を放電する前の抵抗値との変化率を測定した。電極と抵抗体の重なり部分やその近傍において、電極に隙間があると、静電気を放電した際に隙間が広がり抵抗値が上昇する。電極に隙間が多い厚膜抵抗器は、静電気の放電によって抵抗値の変化率がプラスに大きく変化する。この変化率によって抵抗体の良し悪しを評価した。静電気の放電は200pFのコンデンサに2kVの電圧で1秒間電荷を充電してから抵抗体の両端の電極に放電することを5回繰り返し、放電の前後における抵抗値を測定した。抵抗値変化率は5個の厚膜抵抗体での平均値をとった。
[結果]
表1に、各実施例で用いた銀で被覆されたパラジウム粉末、各比較例で用いた銀粉末およびパラジウム粉末の物性を、表2に、各実施例および各比較例における厚膜抵抗体用ペーストの配合を示す。また、表3に、各実施例および各比較例で製造した厚膜抵抗体の物性値(面積抵抗値、抵抗温度係数、抵抗値変化率)の測定結果を示す。
Figure 2018133166
Figure 2018133166
Figure 2018133166
実施例1、2は、パラジウムと銀の質量比が60:40であり、銀の被覆厚さが30nm、平均粒子径(D50)が0.3μmの、銀で被覆されたパラジウム粉末を用いた例である(表1)。実施例1、2は、共に目標とする面積抵抗値とほぼ一致する換算面積抵抗値を示し、C−TCRおよびH−TCRの数値から、抵抗温度係数も問題なかった。そして、静電気放電後の抵抗値変化率は、いずれも小さく、±1%の範囲内であった(表3)。
実施例3、4は、パラジウムと銀の質量比が30:70であり、銀の被覆厚さが530nm、平均粒子径(D50)が3μmの、銀で被覆されたパラジウム粉末を用いた例である(表1)。実施例3、4は、共に目標とする面積抵抗値とほぼ一致する換算面積抵抗値を示し、抵抗温度係数も問題なかった。そして、静電気放電後の抵抗値変化率は、いずれも小さく、±1%の範囲内であった(表3)。
比較例1、2は、平均粒径が0.3μmのパラジウム粉と銀粉を、パラジウムと銀の質量比が60:40となるように使用した例である(表1)。実施例1、2と対比できるように、それぞれの目標とする面積抵抗値を150mΩと10Ωに調整した。換算面積抵抗値は、目標とする面積抵抗値とほぼ一致し、抵抗温度係数も問題なかった。しかしながら、静電気放電後の抵抗値変化率は、実施例1、2と比べて大きく変化しており、比較例1は4%以上、比較例2では10%以上の変化が認められた(表3)。
比較例3、4は、平均粒径が3μmのパラジウム粉と銀粉を、パラジウムと銀の質量比が30:70となるように使用した例である(表1)。実施例3、4と対比できるように、それぞれの面積抵抗値を100mΩと10Ωに調整した。換算面積抵抗値は、目標とする面積抵抗値とほぼ一致し、抵抗温度係数も問題なかった。しかしながら、静電気放電後の抵抗値変化率は、実施例3、4と比べて大きく変化しており、比較例3では2%以上、比較例4では5%以上の変化が認められた(表3)。
[まとめ]
実施例より明らかなように、本発明の厚膜抵抗体用材料、厚膜抵抗体用ペースト、厚膜抵抗体、厚膜抵抗器、厚膜抵抗体の製造方法および厚膜抵抗器の製造方法によれば、電極と厚膜抵抗体の重なり部分やその近傍において、電極に隙間が出来ることがなく、面積抵抗値や抵抗温度係数といった厚膜抵抗体の物性を満足しつつ、安定した導通を確保すると共に、静電気放電後の抵抗値の変化が小さい厚膜抵抗体を提供することができる。
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 厚膜抵抗器
101 銀系の電極
102 基板
103 乾燥体
105 厚膜抵抗体
110 銀原子
111 パラジウム原子
120 パラジウム粒子
121 銀
123 銀で被覆されたパラジウム粒子
200 厚膜抵抗器
201 銀系の電極
202 基板
203 乾燥体
205 厚膜抵抗体
210 銀原子
211 パラジウム原子
215 銀原子
216 パラジウム原子
220 焼成前の境界面
221 焼成後の境界面
230 隙間

Claims (17)

  1. 表面の少なくとも一部が銀で被覆されたパラジウム粉末および/または表面の少なくとも一部が銀で被覆されたパラジウム合金粉末を含み、
    銀とパラジウムとの質量比が4:6〜7:3であり、
    前記パラジウム粉末および前記パラジウム合金粉末の数平均粒子径D50が0.1〜5μmであることを特徴とする厚膜抵抗体用材料。
  2. 請求項1に記載の厚膜抵抗体用材料と、
    ガラス組成物粒子と、
    樹脂と、を含むことを特徴とする厚膜抵抗体用ペースト。
  3. 前記ガラス組成物粒子の軟化点が400〜850℃であることを特徴とする請求項2に記載の厚膜抵抗体用ペースト。
  4. ルテニウムを含むことを特徴とする請求項2または3に記載の厚膜抵抗体用ペースト。
  5. 前記ルテニウムが酸化ルテニウムであることを特徴とする請求項4に記載の厚膜抵抗体用ペースト。
  6. 鉛の含有量が0.1質量%未満であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の厚膜抵抗体用ペースト。
  7. 請求項1に記載の厚膜抵抗体用材料とガラス組成物粒子の混合物の焼成体を含むことを特徴とする厚膜抵抗体。
  8. 前記ガラス組成物粒子の軟化点が400〜850℃であることを特徴とする請求項7に記載の厚膜抵抗体。
  9. ルテニウムを含むことを特徴とする請求項7または8に記載の厚膜抵抗体。
  10. 前記ルテニウムが酸化ルテニウムであることを特徴とする請求項9に記載の厚膜抵抗体。
  11. 鉛の含有量が0.1質量%未満であることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1項に記載の厚膜抵抗体。
  12. 基板と、
    前記基板に形成された銀系の電極と、
    前記電極に形成された請求項7〜11のいずれか1項に記載の厚膜抵抗体を含むことを特徴とする厚膜抵抗器。
  13. 前記電極における銀の含有量は、98質量%以上であることを特徴とする請求項12に記載の厚膜抵抗器。
  14. 請求項1に記載の厚膜抵抗体用材料とガラス組成物粒子の混合物を焼成する焼成工程を含むことを特徴とする厚膜抵抗体の製造方法。
  15. 鉛の含有量が0.1質量%未満であることを特徴とする請求項14に記載の厚膜抵抗体の製造方法。
  16. 基板に形成された銀系の電極に、請求項2〜6のいずれか1項に記載の厚膜抵抗体用ペーストを塗付する塗付工程と、
    前記厚膜抵抗体用ペースト中の厚膜抵抗体用材料とガラス組成物粒子の混合物を焼成する焼成工程を含むことを特徴とする厚膜抵抗器の製造方法。
  17. 前記電極における銀の含有量は、98質量%以上であることを特徴とする請求項16に記載の厚膜抵抗器の製造方法。
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