JP2018132474A - 漏洩電波検出装置 - Google Patents

漏洩電波検出装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018132474A
JP2018132474A JP2017027680A JP2017027680A JP2018132474A JP 2018132474 A JP2018132474 A JP 2018132474A JP 2017027680 A JP2017027680 A JP 2017027680A JP 2017027680 A JP2017027680 A JP 2017027680A JP 2018132474 A JP2018132474 A JP 2018132474A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radio wave
signal
phase difference
reception
leaked radio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017027680A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6936582B2 (ja
Inventor
正史 長坂
Masafumi Nagasaka
正史 長坂
充志 岩崎
Mitsuji Iwasaki
充志 岩崎
祥次 田中
Shoji Tanaka
祥次 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Broadcasting Corp
Original Assignee
Nippon Hoso Kyokai NHK
Japan Broadcasting Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Hoso Kyokai NHK, Japan Broadcasting Corp filed Critical Nippon Hoso Kyokai NHK
Priority to JP2017027680A priority Critical patent/JP6936582B2/ja
Publication of JP2018132474A publication Critical patent/JP2018132474A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6936582B2 publication Critical patent/JP6936582B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)

Abstract

【課題】宅内放送電波受信システムにおける衛星放送用の受信設備の漏洩電波の有無、及び漏洩電波源の位置又は方向を容易、且つ高精度に特定可能に検出する漏洩電波検出装置を提供する。【解決手段】本発明の漏洩電波検出装置1は、互いに所定のアンテナ間隔で配置され等しい電気特性を持ち、それぞれ同方向に指向性を示す受信中心軸を有し、当該受信中心軸を法線とする面方向に、衛星放送の中間周波数信号の帯域に受信感度を持つ一対の漏洩電波検出用の受信アンテナ(第1及び第2アンテナ部2a,2b)と、当該一対の漏洩電波検出用の受信アンテナの各々で受波した検出対象の漏洩電波の周波数の第1受信信号及び第2受信信号について排他的論理和演算により位相比較を行う位相比較器4と、位相比較器4からの位相差検出信号を基に当該位相差を算出し、検出対象の漏洩電波の漏洩電波源の方向を特定する信号処理部5と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、衛星放送用の受信設備の漏洩電波を検出する技術に関し、特に、宅内の衛星放送用の受信設備の漏洩電波の有無、及び漏洩電波源の位置又は方向を特定可能に検出する漏洩電波検出装置に関する。
現行の衛星デジタル放送(以下、「BS」と略す)は、現状、東経110度CSデジタル放送(以下、「CS」と略す)とともに、右旋円偏波の衛星放送信号を送出し、パラボラアンテナ等の受信アンテナを用いて受信可能としている。右旋円偏波と左旋円偏波は共用できるので、将来、左旋円偏波を用いれば同一周波数で例えば別番組の衛星放送信号を送出することができ、周波数の有効利用が可能となる。
また、衛星放送(BS・CS)は12GHz帯の電波を用いており、そのままでは宅内配線の減衰が大きいため、受信アンテナで受信した衛星放送信号を中間周波数信号(以下、「IF信号」と略す)に変換し、同軸ケーブルを用いて宅内の受信機まで伝送するのが一般的である。
右旋円偏波を用いた衛星放送(BS・CS向け右旋円偏波)用のIF信号として、1,032MHz〜2,071MHzを現在使用している。左旋円偏波を用いた衛星放送(BS・CS向け左旋円偏波)用のIF信号として、2,224MHz〜3,224MHzが規定されており、今後使用される予定である(例えば、非特許文献1参照)。
尚、現行の衛星放送(BS・CS)では、所定の伝送制御信号(TMCC信号)が多重され、このTMCC信号をまず復調・復号することによって、主信号の衛星放送信号を復調・復号可能としている(例えば、非特許文献2参照)。また、高度広帯域衛星デジタル放送についてもTMCC信号が規定されている(例えば、非特許文献3参照)。
また、排他的論理和(EX−OR/XOR)型位相比較器を衛星放送における衛星中継器に設けて、衛星中継器におけるアレー給電部の各素子の広帯域変調波の位相差を検出し監視可能とする技法が知られている(例えば、非特許文献4参照)。
ところで、BS・CS左旋円偏波用IF信号の周波数帯域は、携帯電話(LTE)、無線LAN、WiMAXなどの他の無線サービスが利用している。
このため、BS・CS左旋円偏波用IF信号を伝送する同軸ケーブルの利用においては、今後のBS・CS左旋円偏波用IF信号を考慮すると、BS・CSの受信設備(ブースターや分配器、或いは同軸ケーブルのコネクタや同軸端子、又は同軸ケーブル自体等)にシールド性能が高いものを採用し、他のサービスへの干渉を回避して共用可能とすることが重要になる。
例えば、図7(a)に、典型的な宅内放送電波受信システム400を示している。図7(a)に示すように、一般的には宅外に設置されるBS・CS用受信アンテナ100からの衛星放送信号のIF信号、及びUHF用受信アンテナ200からの放送信号を混合器300で混合し、同軸ケーブルCL1を介して宅内放送電波受信システム400に伝送させている。
宅内放送電波受信システム400では、分配器401により、混合器300で混合した信号を入力し、各所に設けられた同軸端子へ同軸ケーブルを介して分配することが多い。図7(a)に示す例では、分配器401と4つの同軸端子402a, 402b,402c,402d(包括して「同軸端子402」と称する)をそれぞれの同軸ケーブルCL2,CL3,CL4,CL5で接続している。
また、各同軸端子には、受信機としてのテレビジョン(TV)を直接接続することや、増幅装置として機能するブースターを介して接続することもある。図7(a)に示す例では、同軸端子402bとブースター403とを同軸ケーブルCL6(包括して「同軸ケーブルCL」と称する)で接続し、このブースター403に受信機404a,404bとしてのテレビジョン(TV)を接続している。
一般的に、宅内放送電波受信システムでは、衛星放送用同軸ケーブルのコネクタとして、電波漏洩を防止するシールド性能を高めるために、F型コネクタが用いられている。
しかしながら、例えば図7(b)に示すように、目視困難な同軸ケーブルCLの形成不良や、同軸ケーブルCLとF型コネクタFCとの接触不良がある場合や、目視困難な壁内・室外側の同軸端子402に接続不良がある場合、他のサービスへの干渉を引き起こすような漏洩電波が生じうる。
また、例えば図7(c)に示すように、F型コネクタを用いずに(又はF型コネクタのシールド性能を生かすことなく)、金具4021により同軸ケーブルCLのシールド材を目視困難な壁内・室外側の同軸端子402にて接地接続し、芯線接続部4022により同軸ケーブルCLの芯線を剥き出して接続するような旧接続法の同軸端子402、或いは同様の旧接続法の分配器401やブースター403などの機器(以下、「旧機器」と略す)がある場合、他のサービスへの干渉を引き起こすような漏洩電波が生じうる。特に、F型コネクタを用いていない旧機器は、F型コネクタのシールド性能を生かした機器に比べ、シールド性能が30〜40dB程度低くなることが分かっている。
従って、宅内放送電波受信システムの全体で高いシールド性能を保つためには、漏洩電波源の位置を特定し、当該漏洩電波源の機器の交換又は補修が必要となる。
即ち、宅内放送電波受信システムに関して、衛星放送用の受信設備の漏洩電波の有無、及び漏洩電波源の位置又は方向を特定可能に検出する漏洩電波検出装置が必要になる。
従来技法では、指向性が鋭いアンテナを探査者が持ち、スペクトラムアナライザの波形を目視で観測しながら探知することが行われていたが、衛星放送のIF信号は無変調信号(CW)ではなく、デジタル変調信号であるため、この従来技法では衛星放送のIF信号に関する漏洩電波の検出は困難である。
尚、テレビジョン放送用、CATV放送用やその他の公的あるいは私的伝送・通信回線として、高架敷設された同軸ケーブルの漏洩電波をポールの先端に取り付けたアンテナによって受信して破断箇所を探査する技法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−215195号公報
"高度広帯域衛星デジタル放送用受信装置 標準規格( 望 ま し い 仕 様) ARIB STD-B63 1.6版" , 一般社団法人 電波産業会(ARIB), 平成28年12月9日改定 "衛星デジタル放送の伝送方式 標準規格 ARIB STD-B20 3.0版" , 一般社団法人 電波産業会(ARIB), 平成13年5月31日改定 "高度広帯域衛星デジタル放送の伝送方式 (ISDB-S3) 標準規格 ARIB STD-B44 2.1版" , 一般社団法人 電波産業会(ARIB), 平成28年3月25日改定 長坂ほか, "アレー給電反射鏡アンテナを搭載した21GHz帯放送衛星の位相検出法の検討", 一般社団法人 電子情報通信学会、信学技報, vol.113, no.436, SAT2013-55, 2014, p.29-34, 2014年2月
前述したように、宅内放送電波受信システムに関して、衛星放送用の受信設備の漏洩電波の有無、及び漏洩電波源の位置又は方向を特定可能に検出する漏洩電波検出装置が必要になる。従来技法では、指向性が鋭いアンテナを探査者が持ち、スペクトラムアナライザの波形を目視で観測しながら探知することが行われていたが、衛星放送のIF信号は無変調信号(CW)ではなく、デジタル変調信号であるため、この従来技法では衛星放送のIF信号に関する漏洩電波の検出は困難である。
一方、特許文献1に開示される技法は、高架敷設された同軸ケーブルの漏洩電波の探索に適合させる形態となっている。しかしながら、特許文献1に開示される技法を宅内放送電波受信システムにおける漏洩電波の探索に応用しようとしても、探査者の負担が大きく、尚且つ、宅内放送電波受信システムでは目視できない箇所に同軸ケーブルや各端子、或いはこれらを接続する機器が配設されるため、高精度の探索が困難である。
本発明は、上述の問題に鑑みて、宅内放送電波受信システムにおける衛星放送用の受信設備の漏洩電波の有無、及び漏洩電波源の位置又は方向を容易、且つ高精度に特定可能に検出する漏洩電波検出装置を提供することにある。
本発明の漏洩電波検出装置は、宅内の衛星放送用の受信設備の漏洩電波の有無、及び漏洩電波源の位置又は方向を特定可能に検出する漏洩電波検出装置であって、互いに所定のアンテナ間隔で配置され等しい電気特性を持ち、少なくとも衛星放送の中間周波数信号の帯域に受信感度を持つ一対の漏洩電波検出用の受信アンテナと、前記一対の漏洩電波検出用の受信アンテナの各々で受波した検出対象の漏洩電波の周波数の第1受信信号及び第2受信信号について排他的論理和演算により位相比較を行い、前記第1受信信号と前記第2受信信号との位相差に対応する電圧信号を位相差検出信号として生成する位相比較器と、前記位相差検出信号を基に前記位相差を算出し、前記検出対象の漏洩電波の波長及び前記アンテナ間隔の値を用いて前記検出対象の漏洩電波の漏洩電波源の方向を特定する信号処理部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の漏洩電波検出装置において、前記一対の漏洩電波検出用の受信アンテナは、それぞれ同方向に指向性を示す受信中心軸を有し、当該受信中心軸を法線とする面方向に、少なくとも衛星放送の中間周波数信号の帯域に受信感度を持つよう構成されていることを特徴とする。
また、本発明の漏洩電波検出装置において、前記信号処理部は、前記位相差検出信号を基に、その電圧値を位相差に変換するために予め保持する電圧・位相差変換テーブルを参照するか、又は当該電圧・位相差変換テーブルに対応する演算式によって、前記位相差を算出する手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の漏洩電波検出装置において、前記位相比較器は、前記第1受信信号と前記第2受信信号とを入力し、前記第1受信信号と前記第2受信信号のそれぞれに対しその振幅を圧縮するログアンプ型増幅回路を経て排他的論理和演算により位相比較したアナログ電圧信号を生成する排他的論理和比較回路と、前記排他的論理和比較回路から得られるアナログ電圧信号に対し低域通過フィルタ処理を施す積分回路と、前記積分回路から得られる低域通過フィルタ処理を施したアナログ電圧信号を所望の電圧範囲とし、前記位相差検出信号を生成する増幅回路と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の漏洩電波検出装置において、前記位相比較器は、比較対象の前記第1受信信号と前記第2受信信号がいずれも所定の閾値以下であるときは、漏洩電波は無い旨を示す電圧値ゼロを前記位相差検出信号として出力することを特徴とする。
また、本発明の漏洩電波検出装置において、前記一対の漏洩電波検出用の受信アンテナ及び前記位相比較器を1組として複数組を備え、各組の前記一対の漏洩電波検出用の受信アンテナをそれぞれ異なる方位に配置して複数次元の面方向に対応させ、前記信号処理部は、当該複数次元の面方向に対し当該漏洩電波の有無、及び当該漏洩電波源の位置又は方向を特定可能に同時検出する手段を備えることを特徴とする。
また、本発明の漏洩電波検出装置において、前記漏洩電波の検出に先立って、前記一対の漏洩電波検出用の受信アンテナを介して受波した前記衛星放送の中間周波数信号の帯域における各チャンネルの所定の伝送制御信号を復調して各チャンネルの受信品質を測定し、前記信号処理部に対し最も受信品質の高いチャンネルの波長を前記漏洩電波の検出対象の波長に自動設定する選局評価部を更に備えることを特徴とする。
本発明によれば、宅内放送電波受信システムにて衛星放送における衛星放送におけるデジタル変調信号として伝送されるIF信号を扱う受信設備の漏洩電波の有無、及び漏洩電波源の位置又は方向の検出を容易、且つ高精度に行うことができる。
より好適には、多面的に漏洩電波検出用の受信アンテナを複数配置することで人的省力化及び自動化が可能となる。更に好適には、衛星放送におけるTMCC信号を復調しその受信品質を基に波長選択(選局)することで、人的省力化、及びより高精度の漏洩電波探索が可能となる。
本発明による第1実施形態の漏洩電波検出装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明による第1実施形態の漏洩電波検出装置における位相比較器の概略構成を示すブロック図である。 本発明による第1実施形態の漏洩電波検出装置における電圧・位相差変換テーブルを例示する図である。 本発明による第2実施形態の漏洩電波検出装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明による第3実施形態の漏洩電波検出装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明による第3実施形態の漏洩電波検出装置における選局評価部の処理を示すフローチャートである。 (a)は、典型的な宅内放送電波受信システムの概略構成を示すブロック図であり、(b),(c)は、それぞれ漏洩電波源となる機器を例示する図である。
以下、図面を参照して、本発明による各実施形態の漏洩電波検出装置1について説明する。以下に説明する各実施形態の漏洩電波検出装置1は、図7に例示した宅内放送電波受信システム400のような、宅内の衛星放送用の受信設備の漏洩電波の有無、及び漏洩電波源の位置又は方向を特定可能に検出する装置である。
〔第1実施形態〕
図1には、本発明による第1実施形態の漏洩電波検出装置1の概略構成を示すブロック図を示している。漏洩電波検出装置1は、一対の漏洩電波検出用の受信アンテナ(第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2b)と、一対のバンドパスフィルタ(BPF)3a,3bと、位相比較器4と、信号処理部5と、表示部6とを備える。
第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2bは、互いに所定のアンテナ間隔dで配置され等しい電気特性を持ち、それぞれ同方向に指向性を示す受信中心軸を有し、当該受信中心軸を法線とする面方向(受信中心軸に対し−90度〜90度の範囲)に、衛星放送のIF信号の帯域に受信感度を持っている。そして、第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2bの各々は、BS・CSの右旋及び左旋円偏波用のIF信号を受波し、その受波したIF信号をそれぞれ一対のバンドパスフィルタ(BPF)3a,3bに出力する。
ここで、図1に示すように、漏洩電波源から到来する当該IF信号の漏洩電波の方向を、第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2bの各々の受信中心軸を基準に角度θとすると、第2アンテナ部2bに到来する漏洩電波は、第1アンテナ部2aに到来する漏洩電波に対して、d・sinθだけ長い距離を伝搬する。
当該IF信号の漏洩電波の波長をλとすると、第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2bでそれぞれ受信する当該漏洩電波の位相差(度)は、360×(d・sinθ)/λとなる。例えば、d・sinθの距離が0.5λであれば、位相差は180度である。
一対のバンドパスフィルタ(BPF)3a,3bは、それぞれ同一帯域幅で所望の周波数の信号のみを通過させる帯域通過フィルタである。BPF3aは第1アンテナ部2aからのIF信号に対し帯域制限した第1受信信号を位相比較器4に出力し、BPF3bは第2アンテナ部2bからのIF信号に対し帯域制限した第2受信信号を位相比較器4に出力する。
ただし、第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2bが、当該所望の周波数の信号(検出対象のIF信号)のみ受波する周波数特性を持つ場合や、第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2b自体がそれぞれBPF3a,BPF3bと同等のフィルタ機能を有する場合は、改めてBPF3a,BPF3bを設ける必要はない。
所望の周波数とは、検出対象の漏洩電波の周波数であり、検出対象の漏洩電波の周波数の波長λは予め信号処理部5に設定される。
位相比較器4は、入力される第1アンテナ部2aからの第1受信信号と、第2アンテナ部2bからの第2受信信号について、排他的論理和演算により位相比較を行い、第1受信信号と第2受信信号との位相差に対応する電圧信号を位相差検出信号として信号処理部5に出力する。この位相比較器4は、図2に示すような排他的論理和型アナログ位相比較器により構成される。図2に示すように、位相比較器4は、排他的論理和比較回路41、積分回路42、及び増幅回路43を備える。
排他的論理和比較回路41は、第1アンテナ部2aからの第1受信信号と、第2アンテナ部2bからの第2受信信号とを入力し、この第1受信信号と第2受信信号のそれぞれに対しその振幅を圧縮するログアンプ型増幅回路(図示せず)を経て排他的論理和演算により位相比較したアナログ電圧信号を生成し積分回路42に出力する。
積分回路42は、位相差の検出に不要な高域成分を除去するための低域通過フィルタ処理回路で構成され、排他的論理和比較回路41から得られるアナログ電圧信号に対し低域通過フィルタ処理を施し増幅回路43に出力する。
増幅回路43は、入力される電圧信号を所望の電圧範囲に増幅し、これにより第1受信信号と第2受信信号との位相差に対応する電圧信号を位相差検出信号として信号処理部5に出力する。
このように、位相比較器4は、無変調信号の位相測定のみ測定が可能なスペクトラムアナライザとは異なり、排他的論理和演算により位相比較するためデジタル変調信号の位相比較が可能となり、位相差検出信号により所定スケール内の電圧値で位相差を表現することができる。
図3に、位相比較器4の検出特性の実測値を示している。位相比較器4を構成する排他的論理和型位相比較器の構造上、図3に示すように、位相差が−90度〜90度の範囲と90度〜270度の範囲とでは位相差検出結果が等しい電圧となる。そこで、位相比較器4の実装上、位相差が−90度〜90度の範囲で用いることで、位相比較器4は、位相差検出信号の電圧値と検出する位相差との間でほぼ線形の関係が得られる位相差検知センサーとして機能する。一般に、センサーは入力値に対し出力値の線形性が良いほど高い検出精度となり、図3は、位相比較器4を排他的論理和型位相比較器により構成することで、高精度の位相差検出が可能であることを示している。
図1を参照するに、信号処理部5は、位相差検出部51、電圧・位相差変換テーブル記憶部52、及び漏洩電波源方向算出部53を備える。
尚、信号処理部5は、電圧・位相差変換テーブルを記憶保持する電圧・位相差変換テーブル記憶部52を備える他、検出動作前に位相比較器4からの位相差検出信号と電圧・位相差変換テーブルとを対応付ける初期補正(キャリブレーション)のデータや、当該検出対象のIF信号の漏洩電波の波長λとアンテナ間隔dの設定値のデータを図示しない記憶部に予め保持している。
位相差検出部51は、位相比較器4から得られる位相差検出信号を基に、電圧・位相差変換テーブル記憶部52に記憶される電圧・位相差変換テーブルを参照して、第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2bでそれぞれ受信する当該漏洩電波の位相差(度)を算出し、漏洩電波源方向算出部53に出力する。
電圧・位相差変換テーブルは、図3に示す位相差が−90度〜90度の範囲の電圧値を示すテーブルであり、位相差検出部51は、位相差検出信号の電圧値から対応する位相差を算出する。尚、位相差検出部51では、検出動作前に位相比較器4からの位相差検出信号と電圧・位相差変換テーブルとを対応付ける初期補正(キャリブレーション)が行われる。
漏洩電波源方向算出部53は、予め設定される当該検出対象のIF信号の漏洩電波の波長λとアンテナ間隔dを図示しない記憶部に記憶保持し、この波長λとアンテナ間隔dを用いて、第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2bの指向性を示す受信中心軸に対する当該漏洩電波源の方向θを算出し、表示部6に出力する。
当該検出対象のIF信号の漏洩電波の波長λとアンテナ間隔dとを用いて、第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2bでそれぞれ受信する当該漏洩電波の位相差(度)は、360×(d・sinθ)/λであるから、漏洩電波源方向算出部53は、当該漏洩電波源の方向θを算出することができる。
尚、アンテナ間隔dは、検出対象とする漏洩電波の方向θの想定範囲と、位相比較器4の位相比較の範囲で決定することができる。
本例では、検出対象とする漏洩電波の方向θについて、−90度<θ<90度とし、位相差を−90度<360×(d・sinθ)/λ<90度としている。
このため、−λ/2<d・sinθ<λ/2、 且つ−90度<θ<90度の関係から、アンテナ間隔dは、λ/2以下であればよい。
表示部6は、信号処理部5での計算結果にもとづき、検出対象とする漏洩電波の方向θを表示する。尚、表示部6はスマートフォンなどの外部端末でもよいため、漏洩電波検出装置1は、表示部6を設ける代わりに、検出対象とする漏洩電波の方向θを表示可能とする外部端末に対する出力インターフェースを設ける構成とすることができる。
一対の漏洩電波検出用の受信アンテナ(第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2b)は、マイクロストリップアンテナなどのプリント基板に実装可能なアンテナを用いれば、第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2bを1つのアンテナ基板に実装し、小型化とアンテナ特性の均一化を図ることができる。
尚、位相比較器4は、図2に示す排他的論理和比較回路41の入力段において、第1受信信号と第2受信信号がいずれも所定の閾値以下であるときは、電圧値としてゼロを出力するよう構成し、漏洩電波は無いとして判定を行うよう構成することができる。排他的論理和比較回路41の出力電圧値としてゼロであるとき位相比較器4の出力電圧値もゼロである。位相比較器4の出力電圧値がゼロのとき、図3に示す特性結果(即ち、対応する電圧・位相差変換テーブル)からも外れるため、信号処理部5は、漏洩電波は無いとして判定し、その旨を表示部6に出力することができる。ただし、上述したように、位相比較器4の出力電圧(位相差検出信号)が図3に示す特性結果(即ち、対応する電圧・位相差変換テーブル)内のときは漏洩電波は有りとして判定し、第1受信信号と第2受信信号の位相比較を行う。
本実施形態では、検知する周波数の信号として、BS・CS右旋円偏波用のIF信号、又はBS・CS左旋円偏波用のIF信号としたが、BS・CS右旋円偏波用のIF信号のみで電波漏洩を検知することで、BS・CS左旋円偏波用のIF信号の電波漏洩も推認できる。BS・CS右旋円偏波用のIF信号の方が左旋円偏波用のIF信号よりも相対的に周波数が低くなり、周波数が低いほど自由空間損失が小さいことと、右旋円偏波による衛星放送サービスが既に行われていることから、BS・CS右旋円偏波用のIF信号のみで電波漏洩を検知することで、より高精度化される。
以上のように、第1実施形態の漏洩電波検出装置1によれば、宅内放送電波受信システムにて、一対の漏洩電波検出用の受信アンテナ(第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2b)を向けた一次元の面方向(受信中心軸に対し−90度〜90度の範囲)に対し、衛星放送における衛星放送におけるデジタル変調信号として伝送されるIF信号を扱う受信設備の漏洩電波の有無、及び漏洩電波源の位置又は方向の検出を容易、且つ高精度に行うことができる。複数次元の面方向(受信中心軸に対し−90度〜90度の範囲)に対し漏洩電波の検出を行う場合、操作者が検出したい面方向に一対の漏洩電波検出用の受信アンテナ(第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2b)を向ければよい。
〔第2実施形態〕
図4には、本発明による第2実施形態の漏洩電波検出装置1の概略構成を示すブロック図を示している。尚、図1と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。第1実施形態では、複数次元の面方向(受信中心軸に対し−90度〜90度の範囲)に対し漏洩電波の検出を一度に行うことはできないが、第2実施形態ではこれを可能とする例である。
第2実施形態の漏洩電波検出装置1は、一対の漏洩電波検出用の受信アンテナ(第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2b)と、一対のバンドパスフィルタ(BPF)3a,3bと、位相比較器4aとを一組とし本例では水平方向の漏洩電波の検出用として第1位相差検出信号を発生する機能部と、一対の漏洩電波検出用の受信アンテナ(第3アンテナ部2c及び第4アンテナ部2d)と、一対のバンドパスフィルタ(BPF)3c,3dと、位相比較器4bとを一組とし本例では垂直方向の漏洩電波の検出用として第2位相差検出信号を発生する機能部と、信号処理部5と、表示部6とを備える。
第2実施形態における一対の漏洩電波検出用の受信アンテナ(第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2b)、一対のバンドパスフィルタ(BPF)3a,3b、及び位相比較器4aは、それぞれ第1実施形態における一対の漏洩電波検出用の受信アンテナ(第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2b)、一対のバンドパスフィルタ(BPF)3a,3b、及び位相比較器4と同様に構成される。第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2bは、水平方向に受信感度を持っている。位相比較器4aは、第1アンテナ部2aから得られる第1受信信号と、第2アンテナ部2bから得られる第2受信信号との位相差を電圧値で表わす第1位相差検出信号を生成し信号処理部5に出力する。
また、第2実施形態における一対の漏洩電波検出用の受信アンテナ(第3アンテナ部2c及び第4アンテナ部2d)、一対のバンドパスフィルタ(BPF)3c,3d、及び位相比較器4bは、それぞれ第1実施形態における一対の漏洩電波検出用の受信アンテナ(第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2b)、一対のバンドパスフィルタ(BPF)3a,3b、及び位相比較器4と同様に構成される。第3アンテナ部2c及び第4アンテナ部2dは、垂直方向に受信感度を持っている。位相比較器4bは、第3アンテナ部2cから得られる第3受信信号と、第4アンテナ部2dから得られる第4受信信号との位相差を電圧値で表わす第2位相差検出信号を生成し信号処理部5に出力する。
即ち、第2実施形態では、複数組の一対の漏洩電波検出用の受信アンテナをそれぞれ異なる方位に配置して複数次元の面方向に対し漏洩電波の検出を可能とする。
ただし、第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2b、或いは第3アンテナ部2c及び第4アンテナ部2dが、所望の周波数の信号(検出対象のIF信号)のみ受波する周波数特性を持つ場合や、第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2b自体がそれぞれBPF3a,BPF3b、或いはBPF3c,BPF3dと同等のフィルタ機能を有する場合は、改めてBPF3a,BPF3b、或いはBPF3c,BPF3dを設ける必要はない。
信号処理部5は、位相差検出部51a,51b、電圧・位相差変換テーブル記憶部52、及び漏洩電波源方向算出部53a,53bを備える。
尚、信号処理部5は、第1実施形態と同様に、電圧・位相差変換テーブルを記憶保持する電圧・位相差変換テーブル記憶部52を備える他、検出動作前に位相比較器4a,4bからの第1及び第2位相差検出信号と電圧・位相差変換テーブルとを対応付ける初期補正(キャリブレーション)のデータや、当該検出対象のIF信号の漏洩電波の波長λとアンテナ間隔dの設定値のデータを図示しない記憶部に予め保持している。
位相差検出部51a,51bは、それぞれ位相比較器4a,4bから得られる第1及び第2位相差検出信号を基に、電圧・位相差変換テーブル記憶部52に記憶される電圧・位相差変換テーブルを参照して、第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2bでそれぞれ受信する当該漏洩電波の位相差(度)、及び第3アンテナ部2c及び第4アンテナ部2dでそれぞれ受信する当該漏洩電波の位相差(度)を算出し、それぞれ漏洩電波源方向算出部53a,53bに出力する。
電圧・位相差変換テーブルは、第1実施形態と同様に、図3に示す位相差が−90度〜90度の範囲の電圧値を示すテーブルであり、位相差検出部51a,51bは、それぞれ第1及び第2位相差検出信号の電圧値から対応する位相差を算出する。尚、位相差検出部51a,51bでは、検出動作前に位相比較器4a,4bからの第1及び第2位相差検出信号と電圧・位相差変換テーブルとを対応付ける初期補正(キャリブレーション)が行われる。
漏洩電波源方向算出部53a,53bは、それぞれ予め設定される当該検出対象のIF信号の漏洩電波の波長λとアンテナ間隔dを図示しない記憶部に記憶保持し、この波長λとアンテナ間隔dを用いて、第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2bの指向性を示す受信中心軸に対する当該漏洩電波源の方向θa、及び第3アンテナ部2c及び第4アンテナ部2dの指向性を示す受信中心軸に対する当該漏洩電波源の方向θbを算出し、表示部6に出力する。
表示部6は、信号処理部5での計算結果にもとづき、検出対象とする漏洩電波の方向θa,θbを同時に表示する。尚、表示部6はスマートフォンなどの外部端末でもよいため、漏洩電波検出装置1は、表示部6を設ける代わりに、検出対象とする漏洩電波の方向θa,θbを同時に表示可能とする外部端末に対する出力インターフェースを設ける構成とすることができる。
このように、第2実施形態では、2次元の面方向に対し漏洩電波の検出を一度に行うことができる。そして、一対の漏洩電波検出用の受信アンテナを6次元の面方向に対し配置すれば全方向の検知も可能である。一度に全方向の検知を行う構成とする以外にも、所定方向を切り替えて検知する構成とすることもできる。
以上のように、第2実施形態の漏洩電波検出装置1によれば、第1実施形態の漏洩電波検出装置1の作用・効果を全て包含し、尚且つ複数次元の面方向に対し漏洩電波の検出を一度に行うことができる。
〔第3実施形態〕
図5には、本発明による第3実施形態の漏洩電波検出装置1の概略構成を示すブロック図を示している。尚、図1と同様な構成要素には同一の参照番号を付している。第1及び第2実施形態では、検出対象の波長を予め設定する例を説明したが、BS・CS−IF帯域は1032〜3224MHz(ARIB STD−B63)と広く、波長は9cm〜29cmとなり、この波長範囲(即ち、チャンネル範囲)内のいずれかを設定して漏洩電波の検出を行うものとなる。一方、チャンネル(周波数)ごとの漏洩電波の強度は、受信設備により異なる。このため、第1及び第2実施形態で、より高精度の漏洩電波の検出を行うには、操作者が検出したい波長を変えながら設定する必要が生じる。
第3実施形態では、漏洩電波の検出に先立って、一対の漏洩電波検出用の受信アンテナを介して受波した当該BS・CSにおけるIF信号の帯域における各チャンネルの所定の伝送制御信号(TMCC信号)を復調して各チャンネルの受信品質を測定し、信号処理部5に対し最も受信品質の高いチャンネルの波長を当該漏洩電波の検出対象の波長に自動設定するよう構成される。
TMCC信号は、所要C/Nが低く雑音に強い変調方式が採用されているため、漏洩電波の検出に先立って、検出対象とする波長を決定するためのチャンネルの特定に最適である。
図5に示す第3実施形態の漏洩電波検出装置1は、第1実施形態と同様に構成される一対の漏洩電波検出用の受信アンテナ(第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2b)と、一対のバンドパスフィルタ(BPF)3a,3bと、位相比較器4と、信号処理部5と、表示部6と、分配器7a,7bと、選局評価部8とを備える。
一対の漏洩電波検出用の受信アンテナ(第1アンテナ部2a及び第2アンテナ部2b)と、一対のバンドパスフィルタ(BPF)3a,3bと、位相比較器4の各動作は第1実施形態と同様であり、その説明は省略する。
分配器7a,7bは、それぞれ一対のバンドパスフィルタ(BPF)3a,3bを経て第1アンテナ部2aから得られる第1受信信号と、第2アンテナ部2bから得られる第2受信信号とを位相比較器4に出力するとともに、選局評価部8に出力する。
選局評価部8は、漏洩電波の検出に先立って動作させる機能部であり、切替器81、周波数選択部82、直交検波器83、TMCC復調部84、信号判定部85、制御部86、及び記憶部87を備える。
選局評価部8の動作について、図6を参照しながら説明する。
選局評価部8は、まず、制御部86の制御により、BPF3a,3bに対しBS・CS−IF帯域1032〜3224MHz内の一受信チャンネルに対応する周波数の信号と同期させるための設定信号(周波数同期設定信号)を設定するとともに、周波数選択部82に対し当該一受信チャンネルに対応する受信周波数を選局するための選局制御信号を設定する(ステップS1)。
続いて、選局評価部8は、制御部86の制御により、分配器7a,7bから得られる第1アンテナ部2aからの第1受信信号と第2アンテナ部2bからの第2受信信号とを入力し切り替え出力する切替器81に対し、第1アンテナ部2aからの第1受信信号を周波数選択部82に出力するようアンテナ選択信号により選択設定する(ステップS2)。
周波数選択部82は、当該一受信チャンネルに対応する受信周波数における第1アンテナ部2aからの第1受信信号を直交検波器83に出力する。
直交検波器83は、当該一受信チャンネルに対応する受信周波数における第1アンテナ部2aからの第1受信信号(デジタル変調信号)に対し同相成分(I)と直交成分(Q)のIQベースバンド信号を生成し、TMCC復調部84に出力する。
TMCC復調部84は、IQベースバンド信号からTMCC信号を抽出して復調し、信号判定部85に出力する。
信号判定部85は、TMCC信号の誤り率を測定し、その誤り率を示す受信品質情報を制御部86に出力する(ステップS3)。
続いて、選局評価部8は、制御部86の制御により、当該一受信チャンネルに対応づけて、第1アンテナ部2aからの第1受信信号に関する評価結果(受信品質情報)を記憶部87に保存する(ステップS4)。
続いて、選局評価部8は、制御部86の制御により、切替器81に対し、第2アンテナ部2bからの第2受信信号を周波数選択部82に出力するようアンテナ選択信号により選択設定する(ステップS5)。
周波数選択部82は、当該一受信チャンネルに対応する受信周波数における第2アンテナ部2bからの第2受信信号を直交検波器83に出力し、直交検波器83、TMCC復調部84、及び信号判定部85を経て、TMCC信号の誤り率を測定し、その受信品質情報を制御部86に出力する(ステップS6)。
続いて、選局評価部8は、制御部86の制御により、当該一受信チャンネルに対応づけて、第2アンテナ部2bからの第2受信信号に関する評価結果(受信品質情報)を記憶部87に保存する(ステップS7)。
続いて、選局評価部8は、制御部86の制御により、BS・CS−IF帯域1032〜3224MHz内の全ての受信チャンネルについて、第1アンテナ部2aからの第1受信信号に関する評価結果(受信品質情報)及び第2アンテナ部2bからの第2受信信号に関する評価結果(受信品質情報)を得るまで繰り返す(ステップS8)。
選局評価部8は、全ての受信チャンネルについて、第1アンテナ部2aからの第1受信信号に関する評価結果(受信品質情報)及び第2アンテナ部2bからの第2受信信号に関する評価結果(受信品質情報)が得られると、制御部86の制御により、全受信チャンネルの評価結果(受信品質情報)を記憶部87から読み出し(ステップS9)、各受信品質情報における測定したTMCC信号の誤り率を比較し(ステップS10)、誤り率の値が最も小さいチャンネルを決定する(ステップS11)。
最終的に、選局評価部8は、制御部86の制御により、決定した受信チャンネルに対応する波長を漏洩電波の検出対象とするよう、信号処理部5における漏洩電波源方向算出部53に設定する(ステップS12)。
その後、信号処理部5は、当該選局評価部8によって設定された波長λを用いて第1実施形態と同様に、宅内の衛星放送用の受信設備の漏洩電波の有無、及び漏洩電波源の位置又は方向を特定可能に検出する。
尚、選局評価部8は、漏洩電波検出装置1の電源投入時、又は操作者による指定時に動作するキャリブレーション機能として構成され、通常、信号処理部5に設定された波長λは維持される。
図4に示す第3実施形態の漏洩電波検出装置1は、第1実施形態からの変形例を図示しているが、第2実施形態のように複数次元の面方向に対し漏洩電波の検出を一度に行う構成とすることもできる。
以上のように、第3実施形態の漏洩電波検出装置1によれば、第1又は第2実施形態の漏洩電波検出装置1の作用・効果を全て包含し、尚且つ漏洩電波の検出に先立って、BS・CSにおけるTMCC信号を復調しその受信品質を基に選局することで、その波長範囲(即ち、チャンネル範囲)内で検出対象とする波長を自動設定することができ、操作者の負担をより軽減させ、尚且つより高精度の漏洩電波の検出が可能となる。
本発明は、上述した実施形態の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によってのみ制限される。例えば、主として現行の衛星放送(BS・CS)のIF信号の漏洩電波の検出を対象とする例を説明したが、本発明に係る漏洩電波検出装置1は、高度広帯域衛星デジタル放送のIF信号の漏洩電波の検出など、他のサービスへの干渉が危惧される周波数帯の信号の漏洩電波の検出にも利用できる。
また、上述した実施形態の例では、高精度化を図るべく、一対の漏洩電波検出用の受信アンテナがそれぞれ同方向に指向性を示す受信中心軸を有し、当該受信中心軸を法線とする面方向に、少なくとも衛星放送の中間周波数信号の帯域に受信感度を持つよう構成されているとして説明したが、一対の漏洩電波検出用の受信アンテナのアンテナ配置について厳格性が必ずしも要求されるものではなく、キャリブレーション機能によってその誤差を吸収させることができる。
また、上述した実施形態の例では、高精度化を図るべく、位相差検出信号を基に、その電圧値を位相差に変換するために予め保持する電圧・位相差変換テーブルを参照して当該位相差を算出する例を説明したが、位相差検出信号の電圧値を当該電圧・位相差変換テーブルに対応する演算式によって当該位相差を算出することもできる。
本発明によれば、受信設備の漏洩電波の有無、及び漏洩電波源の位置又は方向の検出を容易、且つ高精度に行うことができるので、衛星放送における衛星放送におけるデジタル変調信号として伝送されるIF信号を扱う宅内放送電波受信システムにおける漏洩電波の検出用途に有用である。
1 漏洩電波検出装置
2a 第1アンテナ部
2b 第2アンテナ部
2c 第3アンテナ部
2d 第4アンテナ部
3a,3b,3c,3d バンドパスフィルタ(BPF)
4,4a,4b 位相比較器
5 信号処理部
6 表示部
7a,7b 分配器
8 選局評価部
41 排他的論理和比較回路
42 積分回路
43 増幅回路
51,51a,51b 位相差検出部
52 電圧・位相差変換テーブル記憶部
53,53a,53b 漏洩電波源方向算出部
81 切替器
82 周波数選択部
83 直交検波器
84 TMCC復調部
85 信号判定部
86 制御部
87 記憶部
100 BS・CS用受信アンテナ
200 UHF用アンテナ
300 混合器
400 宅内放送電波受信システム
401 分配器
402,402a, 402b,402c,402d 同軸端子
403 ブースター
404a,404b 受信機(テレビジョン:TV)
4021 金具
4022 芯線接続部
CL,CL1,CL2,CL3,CL4,CL5 同軸ケーブル
FC F型コネクタ

Claims (7)

  1. 宅内の衛星放送用の受信設備の漏洩電波の有無、及び漏洩電波源の位置又は方向を特定可能に検出する漏洩電波検出装置であって、
    互いに所定のアンテナ間隔で配置され等しい電気特性を持ち、少なくとも衛星放送の中間周波数信号の帯域に受信感度を持つ一対の漏洩電波検出用の受信アンテナと、
    前記一対の漏洩電波検出用の受信アンテナの各々で受波した検出対象の漏洩電波の周波数の第1受信信号及び第2受信信号について排他的論理和演算により位相比較を行い、前記第1受信信号と前記第2受信信号との位相差に対応する電圧信号を位相差検出信号として生成する位相比較器と、
    前記位相差検出信号を基に前記位相差を算出し、前記検出対象の漏洩電波の波長及び前記アンテナ間隔の値を用いて前記検出対象の漏洩電波の漏洩電波源の方向を特定する信号処理部と、
    を備えることを特徴とする漏洩電波検出装置。
  2. 前記一対の漏洩電波検出用の受信アンテナは、それぞれ同方向に指向性を示す受信中心軸を有し、当該受信中心軸を法線とする面方向に、少なくとも衛星放送の中間周波数信号の帯域に受信感度を持つよう構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の漏洩電波検出装置。
  3. 前記信号処理部は、前記位相差検出信号を基に、その電圧値を位相差に変換するために予め保持する電圧・位相差変換テーブルを参照するか、又は当該電圧・位相差変換テーブルに対応する演算式によって、前記位相差を算出する手段を備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の漏洩電波検出装置。
  4. 前記位相比較器は、
    前記第1受信信号と前記第2受信信号とを入力し、前記第1受信信号と前記第2受信信号のそれぞれに対しその振幅を圧縮するログアンプ型増幅回路を経て排他的論理和演算により位相比較したアナログ電圧信号を生成する排他的論理和比較回路と、
    前記排他的論理和比較回路から得られるアナログ電圧信号に対し低域通過フィルタ処理を施す積分回路と、
    前記積分回路から得られる低域通過フィルタ処理を施したアナログ電圧信号を所望の電圧範囲とし、前記位相差検出信号を生成する増幅回路と、
    を備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の漏洩電波検出装置。
  5. 前記位相比較器は、比較対象の前記第1受信信号と前記第2受信信号がいずれも所定の閾値以下であるときは、漏洩電波は無い旨を示す電圧値ゼロを前記位相差検出信号として出力することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の漏洩電波検出装置。
  6. 前記一対の漏洩電波検出用の受信アンテナ及び前記位相比較器を1組として複数組を備え、各組の前記一対の漏洩電波検出用の受信アンテナをそれぞれ異なる方位に配置して複数次元の面方向に対応させ、
    前記信号処理部は、当該複数次元の面方向に対し当該漏洩電波の有無、及び当該漏洩電波源の位置又は方向を特定可能に同時検出する手段を備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の漏洩電波検出装置。
  7. 前記漏洩電波の検出に先立って、前記一対の漏洩電波検出用の受信アンテナを介して受波した前記衛星放送の中間周波数信号の帯域における各チャンネルの所定の伝送制御信号を復調して各チャンネルの受信品質を測定し、前記信号処理部に対し最も受信品質の高いチャンネルの波長を前記漏洩電波の検出対象の波長に自動設定する選局評価部を更に備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の漏洩電波検出装置。
JP2017027680A 2017-02-17 2017-02-17 漏洩電波検出装置 Active JP6936582B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017027680A JP6936582B2 (ja) 2017-02-17 2017-02-17 漏洩電波検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017027680A JP6936582B2 (ja) 2017-02-17 2017-02-17 漏洩電波検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018132474A true JP2018132474A (ja) 2018-08-23
JP6936582B2 JP6936582B2 (ja) 2021-09-15

Family

ID=63249618

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017027680A Active JP6936582B2 (ja) 2017-02-17 2017-02-17 漏洩電波検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6936582B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115290990A (zh) * 2022-09-28 2022-11-04 成都中星世通电子科技有限公司 一种快速信号检测与iq数据同步存储设备

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5032800B1 (ja) * 1970-02-06 1975-10-24
JPH02234073A (ja) * 1989-03-08 1990-09-17 Aichi Electric Co Ltd 漏電探査器
JPH0669860U (ja) * 1993-03-08 1994-09-30 大洋電機株式会社 電子式同期検定器
US6005518A (en) * 1997-12-31 1999-12-21 Kallina; Henry D. Coaxial cable RF leakage detector
JP2003043094A (ja) * 2001-07-26 2003-02-13 Japan Science & Technology Corp 電磁波源検出方法および絶縁劣化診断方法と装置
JP2004233196A (ja) * 2003-01-30 2004-08-19 Mitsubishi Electric Corp 方位探知装置
JP2007010615A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Toshiba Corp 電波発射源検知装置
JP2015095825A (ja) * 2013-11-13 2015-05-18 日本放送協会 信号処理装置及び放送波受信装置

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5032800B1 (ja) * 1970-02-06 1975-10-24
JPH02234073A (ja) * 1989-03-08 1990-09-17 Aichi Electric Co Ltd 漏電探査器
JPH0669860U (ja) * 1993-03-08 1994-09-30 大洋電機株式会社 電子式同期検定器
US6005518A (en) * 1997-12-31 1999-12-21 Kallina; Henry D. Coaxial cable RF leakage detector
JP2003043094A (ja) * 2001-07-26 2003-02-13 Japan Science & Technology Corp 電磁波源検出方法および絶縁劣化診断方法と装置
JP2004233196A (ja) * 2003-01-30 2004-08-19 Mitsubishi Electric Corp 方位探知装置
JP2007010615A (ja) * 2005-07-04 2007-01-18 Toshiba Corp 電波発射源検知装置
JP2015095825A (ja) * 2013-11-13 2015-05-18 日本放送協会 信号処理装置及び放送波受信装置

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
川田 昌武: "VHF−UHF帯電波干渉計システムによる部分放電源特定のための基礎研究", 電気学会論文誌B(電力・エネルギー部門誌), vol. 122巻,5号, JPN6021000163, 2002, pages 629 - 636, ISSN: 0004423087 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN115290990A (zh) * 2022-09-28 2022-11-04 成都中星世通电子科技有限公司 一种快速信号检测与iq数据同步存储设备
CN115290990B (zh) * 2022-09-28 2023-02-07 北京信息科学技术研究院 一种快速信号检测与iq数据同步存储设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP6936582B2 (ja) 2021-09-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2384015B1 (en) Method of using tagging signals for leakage detection and measurement in cable television networks
TWI696358B (zh) 靈活之多通道無線音訊接收器系統
US9588212B1 (en) Method of calibrating a measurement instrument for determining direction and distance to a source of passive intermodulation (PIM)
US20060020996A1 (en) Digital television broadcast signal receiver
US20190348760A1 (en) System and method for near field test of active antenna system (aas)transceiver
US9774847B2 (en) Dual-port testing of a cable network
US20100321271A1 (en) System and Apparatus for Receiving Digital Television Signals
JP6936582B2 (ja) 漏洩電波検出装置
KR101040256B1 (ko) 방탐 정확도가 향상된 신호 방향 탐지 시스템 및 그 방법
US11515903B2 (en) Signal level indicators and antenna assemblies including the same
JP2016220039A (ja) アンテナケーブル接続確認方法及び通信装置
JP6211902B2 (ja) 信号処理装置及び放送波受信装置
Jung et al. Impact of cross-polarization discrimination for ATSC 3.0 MIMO system
JP2023118008A (ja) 衛星放送用の受信検査装置
JP2018128418A (ja) 電磁波測定器及びこれを用いた設備診断システム
US5335006A (en) Method and device for transmitting video signals in confined spaces
KR101001381B1 (ko) 방향 탐지 안테나 및 상기 안테나를 구비하는 전파 감시 시스템
Argume et al. Design of Turnstile, Quadrifilar Helical and V-Dipole Antennas to Obtain NOAA Images
Kallunki et al. Particularly Low-Cost Portable Radio Frequency Interference Monitoring System
JP2010050663A (ja) 放送受信装置および放送受信方法
JPH0426276B2 (ja)
JP2003298537A (ja) 電界強度測定装置
Shimazaki et al. Influence of Eliminating Peak Limit in CISPR11 on Satellite Broadcasting
JP5712116B2 (ja) 歪測定方法及び歪測定装置
JP2017005632A (ja) 信号レベル測定装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200106

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210803

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210827

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6936582

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250