JP2023118008A - 衛星放送用の受信検査装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】外部電波の影響を抑えつつ、且つ簡易で安価な構成で、熟練性を要することなく左旋円偏波の伝送周波数帯を含む衛星放送の受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査又は測定可能とする衛星放送用の受信検査装置を提供する。【解決手段】本発明の受信検査装置10は、衛星放送用の受信アンテナ装置を介して得られる測定対象信号を入力し好適にはレベル調整し二分配する手段(101~103)と、二分配した一方から測定対象の信号成分を抽出し他方から異なる帯域の雑音成分を抽出する第1及び第2の帯域通過濾波手段(104,105)と、当該信号成分及び雑音成分を検波し比較して受信CN比又は受信レベルを検査又は測定しその結果を表示する手段(104~111)と、信号成分及び雑音成分の帯域に関する設定操作手段(113)と、を備え、好適にはこれらの信号処理回路が導電性筐体(112)で覆われて外部電波から遮断される。【選択図】図2

Description

本発明は、BS(Broadcasting Satellites)及び110度CS(Communication Satellites)の衛星放送用の受信アンテナ装置から得られる中間周波数信号(BS‐IF信号)を直接的に、或いは所定の受信システム機器を経由して入力し、その受信CN(Carrier to Noise)比又は受信レベルを検査又は測定する、衛星放送用の受信検査装置に関する。
衛星放送用の受信システムでは、例えばパラボラアンテナを有する受信アンテナ装置を用いて衛星放送を受信する場合、良好な測定対象信号を得るために、その受信CN比は一定値以上であることが必要である。
受信CN比を測定する方法は、従来から種々の方法が知られている。例えば、高精度のスペクトラムアナライザを使用して、BS‐IF信号のキャリアのスペクトラムと雑音のスペクトラムを検出し、各々のスペクトラムのレベルから信号成分及び雑音成分を抽出し、CN比を測定する方法がある。或いは、デジタル演算処理回路を有する専用の受信CN比を測定する装置を用いて、BS‐IF信号を復調して変調誤差比(MER:Modulation Error Ratio)を測定し、予め保持しているMERとCN比の換算テーブルにより換算して、受信CN比を測定する方法がある。
また、受信CN比を測定する装置のその他の例として、受信アンテナが衛星放送を受信していない状態の信号レベルと、衛星放送を受信している状態の信号レベルから受信CN比を測定する方法(例えば、特許文献1参照)や、BS‐IF信号のキャリアの両サイドを雑音として測定し、雑音レベルが周波数帯においてほぼ直線性があること利用して受信CN比を算出する方法(例えば、特許文献2参照)などがある。
ところで、BS及び110度CSの衛星放送に関して、2018年12月からの新たな4K8K衛星放送(以下、「新4K8K衛星放送」と称する。)の開始に伴い、右旋円偏波を用いる衛星放送(以下、「右旋放送」と称する。)の放送サービスとは別に、左旋円偏波を用いる衛星放送(以下、「左旋放送」と称する。)の放送サービスが開始されている。
そして、新4K8K衛星放送に係るBS‐IF信号における左旋円偏波の伝送周波数帯は、2018年12月以前から既に移動通信、電子レンジ等に用いられるISMバンド、各種レーダー等の他の無線サービスでも使用されている。
特開平5-252541号公報 特開平6-102299号公報
"新4K8K衛星放送 受信システムに関するQ&A (Q1-6)",受信システムハンドブック2018,[online]、一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA),第12頁, 2018年9月発行、[令和3年6月18日検索]、インターネット〈URL:https://home.jeita.or.jp/page_file/20181003114223_iJ4OC8ELl2.pdf〉
上述したようなスペクトラムアナライザの使用、或いは従来の衛星放送用の受信CN比を測定する方法では、その受信CN比測定機材として、多額の費用や手間が掛かるほか、測定者にも衛星放送のデジタル信号の受信に関する知識を要し、熟練者しか高精度の計測ができないという問題点がある。
特に、上述したように、2018年12月から放送サービスが開始されている新4K8K衛星放送では、受信アンテナ装置からBS‐IF信号における左旋円偏波の電波が従来よりも高い伝送周波数帯(2222.48~3226MHz)へブロックコンバートされて同軸ケーブルを用いて宅内の衛星放送受信機に伝送される。このため、受信アンテナ装置だけでなくブースター・分配器などから構成される受信システム機器についても左旋円偏波の信号伝送に対応させることが好ましく、放送伝送路の末端で一定以上の受信CN比が確保できているのかについて改めて測定することが必要になり、新4K8K衛星放送に対応した受信CN比又は受信レベルを検査する受信検査装置が要望される。
また、一般ユーザーが、新4K8K衛星放送に対応した衛星放送受信機を宅内に導入する上で、仮に受信アンテナ装置のみBS・110度CS右左旋対応アンテナに更新し、受信システム機器は既存のものを使用する場合でも、左旋円偏波の放送信号品質が放送伝送路の末端(宅内の壁面端子等)まで確保されているか否かを確認することが好ましい。しかしながら、一般ユーザーが、上述したようなスペクトラムアナライザを使用して左旋円偏波の放送信号品質を測定することは非常に難しく、高価な測定機材を用いて測定することも現実的ではない。
更に、新4K8K衛星放送に係る左旋円偏波の伝送周波数帯は、既に移動通信、電子レンジ等に用いられるISMバンド、各種レーダー等の他の無線サービスでも使用されており、これらの他の無線サービスと電波干渉が懸念される。このため、衛星放送用の受信CN比の測定では、正しい値の受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方が測定できるようイミュニティが確保される必要があるが、従来の受信CN比を測定する装置では、十分なイミュニティを確保し、新4K8K衛星放送に対応した測定ができない。
以上から、デジタル放送受信の知識がない一般ユーザーでも受信CN比が所要の値を確保できているか否かを極めて簡易に検査することができ、また、新4K8K衛星放送に係る左旋円偏波の衛星放送に対応し、移動通信やISMバンド、各種レーダーなどの他の外部電波の影響を抑えつつ、且つ簡易で安価な構成の衛星放送用の受信検査装置が望まれる。
このため、本発明の目的は、上述の課題に鑑みて、外部電波の影響を抑えつつ、且つ簡易で安価な構成で、熟練性を要することなく左旋円偏波の伝送周波数帯を含む衛星放送の受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査又は測定可能とする衛星放送用の受信検査装置を提供することにある。
本発明の受信検査装置は、衛星放送の受信CN比を検査可能とする衛星放送用の受信検査装置であって、前記衛星放送用の受信アンテナ装置を介して得られる測定対象信号を入力する入力手段(後述する実施形態では入力部101)と、当該入力した測定対象信号を二分配する分配手段(後述する実施形態では分配部103)と、当該二分配した測定対象信号のうちの一方から、測定対象とする放送チャンネルの中間周波数帯の信号成分を第1の帯域幅で濾波して抽出する第1の帯域通過濾波手段(後述する実施形態では第1の帯域通過濾波部104)と、当該二分配した測定対象信号のうちの他方から、測定対象の信号成分とは異なる放送波が存在しない所定の周波数帯内の雑音成分を第2の帯域幅で濾波して抽出する第2の帯域通過濾波手段(後述する実施形態では第2の帯域通過濾波部105)と、当該抽出した信号成分及び雑音成分をそれぞれ検波する検波手段(後述する実施形態では第1及び第2の検波部106,107)と、当該検波した信号成分と雑音成分とをそれぞれ当該第1及び第2の帯域幅内の積分値で比較する比較手段(後述する実施形態では比較部110)と、前記比較による前記衛星放送の受信CN比の検査結果を表示する表示手段(後述する実施形態では表示部111)と、を備えることを特徴とする。
更に、本発明の受信検査装置は、衛星放送の受信レベルを検査可能とする衛星放送用の受信検査装置であって、前記衛星放送用の受信アンテナ装置を介して得られる測定対象信号を入力する入力手段と、当該入力した測定対象信号から、測定対象とする放送チャンネルの中間周波数帯の信号成分を第1の帯域幅で濾波して抽出する第1の帯域通過濾波手段と、当該抽出した信号成分を検波する検波手段と、基準電圧を発生する基準電圧発生手段(後述する実施形態では基準電圧発生部211)と、当該検波した信号成分と当該基準電圧とを比較する比較手段と、前記比較による前記衛星放送の受信レベルの検査結果を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明の受信検査装置において、前記第1の帯域通過濾波手段は、予め定めた放送チャンネルのみを測定対象とする固定の帯域幅の固定帯域通過フィルタを用いて、測定対象とする放送チャンネルの中間周波数帯の信号成分を濾波して抽出するように構成されていることを特徴とする。
また、本発明の受信検査装置において、前記第1の帯域幅は、衛星右旋放送の偶数チャンネルのうち予め定めた1つ、又は隣接する2以上の放送チャンネル(後述する実施形態では中心周波数2241.66~2663.62MHz)の周波数帯を抽出可能とする帯域幅(後述する実施形態では38.36MHz)とすることを特徴とする。
また、本発明の受信検査装置において、前記第2の帯域幅は、中間周波数帯の110度CS右旋放送とBS左旋放送との間のガードバンドの周波数帯域(後述する実施形態では2073.00MHz~2222.48MHz)内で予め定めた帯域(後述する実施形態では2073.00MHz~2222.48MHzの中央周波数帯)でナイキスト帯域幅(後述する実施形態では33.7561MHz)が設定されていることを特徴とする。
また、本発明の受信検査装置において、当該信号成分を検波する検波手段の出力を所定のレベル範囲に調整する第1のレベル調整手段(後述する実施形態では第1のレベル調整部108)を更に備えることを特徴とする。
また、本発明の受信検査装置において、当該雑音成分を検波する検波手段の出力を所定のレベル範囲に調整する第2のレベル調整手段(後述する実施形態では第2のレベル調整部109)を更に備えることを特徴とする。
また、本発明の受信検査装置において、前記第1のレベル調整手段は、信号成分のレベル調整後の出力偏差を補償する偏差補償手段を有することを特徴とする。
また、本発明の受信検査装置において、前記第2のレベル調整手段は、雑音成分のレベル調整後の出力偏差を補償する偏差補償手段を有することを特徴とする。
また、本発明の受信検査装置において、入力された測定対象信号のレベルを所定値に調整する利得調整手段(後述する実施形態では利得調整部102)を更に備えることを特徴とする。
また、本発明の受信検査装置において、前記利得調整手段は、当該入力された測定対象信号のレベルを所定値に調整する際に、当該入力された測定対象信号の振幅を増減させる増減手段(後述する実施形態では可変減衰部1022及び増幅部1023)と、該入力された測定対象信号の入力レベル、又は前記増減手段の出力レベルを監視して、前記増減手段による増減率を制御し、当該入力された測定対象信号のレベルを所定値に調整する制御手段(後述する実施形態では制御部1021)と、を有することを特徴とする。
また、本発明の受信検査装置は、前記レベル調整手段、前記比較手段、及び前記表示手段を1組として複数備え、当該複数のレベル調整手段の各々は、前記検波手段によってそれぞれ検波した信号成分及び雑音成分について異なる増減率でレベル調整し、当該複数の比較手段の各々は、前記複数のレベル調整手段の各々から得られる当該レベル調整した信号成分と雑音成分及び/又は前記基準電圧発生手段の出力とを比較して前記衛星放送の受信CN比及び/又は受信レベルを検査し、当該複数の表示手段の各々は、当該複数の比較手段の各々に基づく衛星放送の受信CN比及び/又は受信レベルの検査結果を測定結果として表示することを特徴とする。
また、本発明の受信検査装置において、前記基準電圧発生手段は、前記利得調整手段における当該レベルの調整に係る増減率が予め定めた初期値の時の前記設定操作手段から設定されている基準電圧信号を生成し、前記利得調整手段における当該増減率が所定値に変更された際に該所定値の増減率に応じて当該基準電圧信号の直流電圧レベルを増減させて発生させることを特徴とする。
また、本発明の受信検査装置において、前記レベル調整手段における当該測定対象信号の信号成分のレベルを調整し出力する信号成分レベル調整手段(後述する実施形態ではレベル調整部108)、前記基準電圧発生手段、前記第2の比較手段、及び前記第2の表示手段を1組として複数備え、前記信号成分レベル調整手段は、前記検波手段によって検波した信号成分と前記基準電圧発生手段により発生する基準電圧信号について異なる値でレベル調整し、対応する当該複数の第2の比較手段の各々は、当該信号成分レベル調整手段及び基準電圧発生手段の各々から得られる当該レベル調整した信号成分と基準電圧信号とを比較して衛星放送の受信レベルを検査し、対応する当該複数の第2の表示手段の各々は、当該複数の第2の比較手段の各々に基づく衛星放送の受信レベルの検査結果を測定結果として表示することを特徴とする。
また、本発明の受信検査装置において、前記衛星放送を受像する衛星放送受信機から電力供給される直流成分を抽出することによる電力供給と、前記受信アンテナ装置と前記衛星放送受信機との間に設置される所定の受信システム機器に電力供給されている補助電源からの電力供給又は専用電源からの電力供給とを、切り替え可能とする切替手段(後述する実施形態では第1及び第2の切替部203,207)を備えることを特徴とする。
また、本発明の受信検査装置において、前記第1の帯域通過濾波手段は、操作者の放送チャンネルの指定に基づいて設定された周波数帯内で予め定めた初期値の帯域幅を基準に操作者の選択操作によって変更可能とした帯域幅に設定された可変帯域通過フィルタを用いて、測定対象とする放送チャンネルの中間周波数帯の信号成分を濾波して抽出するように構成され、前記第1の帯域通過濾波手段における可変帯域通過フィルタの設定を、操作者による放送チャンネルの指定により可能とする設定操作手段(後述する実施形態では設定操作部113)を更に備えることを特徴とする。
また、本発明の受信検査装置において、少なくとも前記分配手段から前記検波手段までを構成する信号処理回路が、前記入力手段の接地部と等電位の導電性筐体(後述する実施形態では導電性筐体112)で覆われて外部電波から遮断されていることを特徴とする。
本発明によれば、外部電波の影響を抑えつつ、且つ簡易で安価な構成で、熟練性を要することなく左旋円偏波の伝送周波数帯を含む衛星放送の受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査又は測定可能となる。このため、衛星放送受信のために、受信アンテナ装置を設置する際、本発明に係る受信検査装置を用いることで、所望の基準値に変更可能な態様で測定される受信CN比を基に、衛星放送信号の放送波の到来方向に正しく受信アンテナ装置の方向・角度調整を実施することが可能となる。特に、一般ユーザーが宅内の壁面端子などに本発明に係る受信検査装置を接続することもでき、BS左旋放送の信号が十分な信号品質で得られるか、他の外部電波による干渉がないか等を、熟練性を要することなく確認することが可能となる。
本発明による第1実施形態の受信検査装置を接続可能とする衛星放送用の受信システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明による第1実施形態の受信検査装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明による第1実施形態の受信検査装置により測定対象とする測定対象信号の信号成分及び雑音成分の周波数帯域を示す図である。 本発明による第2実施形態の受信検査装置を接続可能とする衛星放送用の受信システムの概略構成を示すブロック図である。 本発明による第2実施形態の受信検査装置の概略構成を示すブロック図である。
以下、図面を参照して、本発明による各実施形態の受信検査装置10について詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
(受信システムに対する受信検査装置の配置例)
図1は、本発明による第1実施形態の受信検査装置10を接続可能とする衛星放送用の受信システム1の概略構成を示すブロック図である。
まず、図1に例示する典型的な受信システム1は、新4K8K衛星放送の放送受信に対応したものとし、即ち、BS及び110度CS右旋放送だけでなく、BS及び110度CS左旋放送の衛星放送信号を受波するパラボラアンテナ、及び受波した衛星放送信号をBS‐IF信号に変換して出力するコンバーターを有する受信アンテナ装置11と、BS‐IF信号を電力増幅するブースター131及びその電力増幅したBS‐IF信号を所定系統数に分配する分配器132を有する受信システム機器13と、受信システム機器13を経て宅内に伝送されたBS‐IF信号を受像する衛星放送受信機16と、を備える。
一般的に、受信アンテナ装置11及び受信システム機器13間は同軸ケーブルで接続され、同じく受信システム機器13及び宅内の壁面端子15間も同軸ケーブルで接続される。尚、受信システム機器13の設置を省略し、受信アンテナ装置11及び宅内の壁面端子15間を同軸ケーブルで接続する形態の受信システムもある。また、分配器132は、図1では2系統の分配を例示しているが、3系統以上に分配されることもある。更に、受信システム機器13として、ブースター131の設置を省略した形態や、分配器132を省略した形態の受信システムもある。
そこで、図2を参照して詳細に後述する本実施形態の受信検査装置10は、そのいずれの形態の衛星放送用の受信システムにおいても、新4K8K衛星放送のBS‐IF信号を直接的に、或いは受信システム機器13を経由して入力し、その受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査することができるものとなっている。即ち、図1に示す受信システム機器13が設置されておらず受信アンテナ装置11及び宅内の壁面端子15間を同軸ケーブルで接続する形態の場合、受信アンテナ装置11の出力端子を測定ポイントとして利用(宅外)するか、壁面端子15を測定ポイントとして利用(宅内)して当該受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査又は測定できる。受信システム機器13が設置されている形態の場合では、上記の測定ポイントに加えて、受信システム機器13の出力端子14(宅外)を利用しても当該受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査又は測定できる。
従って、本実施形態の受信検査装置10は、受信システム機器13の入力端子12又は出力端子14、或いは宅内の壁面端子15を利用して、新4K8K衛星放送の測定対象信号(BS‐IF信号を含む。)を入力し、その受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査可能に構成されている。尚、本実施形態の受信検査装置10は、専用電源10aから電力供給されて動作するように構成された例を示している。
(受信検査装置)
図2は、本発明による第1実施形態の受信検査装置10の概略構成を示すブロック図である。
図2に示す本実施形態の受信検査装置10は、入力部101、利得調整部102、分配部103、第1の帯域通過濾波部104、第2の帯域通過濾波部105、第1の検波部106、第2の検波部107、第1のレベル調整部108、第2のレベル調整部109、比較部110、表示部111、及び設定操作部113を備える。
また、本実施形態の受信検査装置10は、好適例として、少なくとも入力部101から第1及び第2の検波部106,107までを構成する信号処理回路が、入力部101の接地部と等電位の導電性筐体112で覆われて外部電波から遮断されている。導電性筐体112は、例えば銅やアルミニウム等の良導体で構成するか、プラスチック製筐体に導電層を加工形成することで構成することができる。
入力部101は、新4K8K衛星放送に対応した衛星放送用の受信アンテナ装置11を介して得られる測定対象信号(BS‐IF信号を含む。)を、受信システム機器13の入力端子12に接続されているケーブル接栓、又は出力端子14、或いは宅内の壁面端子15(衛星放送受信機16のテレビ端子又はその直列ユニットの出力等を含む。)を利用して入力し、利得調整部102に出力する。例えば、入力部101には、同軸ケーブル用のF型レセプタクル等を利用でき、或いは各測定ポイントに対して同軸ケーブル用の分配器を用いて接続してもよい。
利得調整部102は、入力部101から得られる当該入力された測定対象信号のレベルについて後段の処理を容易化又は安定化する所定値に調整し、分配部103に出力する。尚、本実施形態では、後段の処理を容易化又は安定化する好適例として、測定対象信号を入力するだけでなく、入力した測定対象信号のレベルを所定値に調整する利得調整部102を備える例を説明するが、その利得調整部102は入力された測定対象信号のレベルが後段の処理に好適な場合、なくとも測定可能であることから省略してもよい。従って、本実施形態における利得調整部102は、単に測定対象信号を入力する信号入力手段として構成し、好適例として当該入力した測定対象信号のレベルを所定値に調整する機能を具備した利得調整手段を備える構成とすることができる。
分配部103は、利得調整部102から得られる当該レベルを調整した測定対象信号を2系統の信号に分配し、第1及び第2の帯域通過濾波部104,105にそれぞれ出力する。分配部103は、同一信号を二分配する分配器で構成することや、測定対象信号における信号測定対象の周波数成分(BS‐IF信号の信号成分)と、測定対象信号における雑音測定対象の周波数成分(雑音成分)を帯域別に分離して出力する分波器で構成することができる。
第1の帯域通過濾波部104は、分配部103によって当該二分配した測定対象信号のうちの一方から、測定対象とする少なくとも衛星左旋放送の放送チャンネルを含む放送チャンネルの中間周波数帯の信号成分を第1の帯域幅で濾波して抽出する。より具体的には、第1の帯域通過濾波部104は、予め定めた放送チャンネルのみを検査対象とする固定の帯域幅の固定帯域通過フィルタ、又は操作者の放送チャンネルの指定に基づいて設定された周波数帯内で予め定めた初期値の帯域幅を基準に操作者の選択操作によって変更可能とした帯域幅に設定された可変帯域通過フィルタ(複数種の固定帯域通過フィルタのうち1つを選択する構成を含む。)を用いて、測定対象とする放送チャンネルの中間周波数帯の信号成分(BS‐IF信号の信号成分)を濾波して抽出し、第1の検波部106に出力する。特に、第1の帯域通過濾波部104は、衛星左旋放送の偶数チャンネルのうち予め定めた1つ、又は隣接する2以上の放送チャンネル(中間周波数帯に変換された新4K8K衛星放送に係るBS放送の偶数チャンネル)の周波数帯(2222.48~2682.8MHz内の全部又は一部)を抽出可能とする帯域幅が設定される。第1の帯域通過濾波部104において帯域幅を可変とする可変帯域通過フィルタを使用する場合、後段の比較部110にて帯域幅内の積分値で信号レベルや受信CN比を検出する形態とするときに、その帯域幅の変更によって後段の第1のレベル調整部108にて信号の利得又は減衰量を自動的にレベル調整することができる。このため、第1の帯域通過濾波部104において帯域幅を可変とする可変帯域通過フィルタを使用する場合、その濾波する帯域幅について予め定めた初期値の帯域幅(本例では38.36MHz)を基準に操作者の選択操作によって変更設定可能とするのが好適である。尚、第1の帯域通過濾波部104は、衛星放送のBS14chを抽出する場合、中心周波数2471.82MHz、帯域幅38.36MHzの固定又は可変帯域通過フィルタとすることで、原理的な観点から1チャンネル分の電力を100%抽出することができる。ただし、受信アンテナ装置11における衛星放送信号をBS‐IF信号へ変換するコンバーターによっては新4K8K衛星放送の規格上で推奨される各放送チャンネルの中間周波数の中心周波数からずれていることも想定されるため、本実施形態では余裕を持たせた周波数帯で測定可能とするように測定対象とする周波数帯及び帯域幅を設定するのが好適である。尚、測定対象の中心周波数に規格値からずれがある場合でも、本実施形態では後段の第1の検波部106で正確に検波できるようにしている。また、第1の帯域通過濾波部104において帯域幅を可変とする可変帯域通過フィルタを使用する際に、操作者は、本実施形態の受信検査装置10に対して検査対象の放送チャンネルの指定のみを行うことでも受信CN比又は受信レベルを検査可能となっており、衛星放送周波数及びその中間周波数信号の知識がなくとも検査できるようになっている。
第2の帯域通過濾波部105は、分配部103によって当該二分配した測定対象信号のうちの他方から、測定対象の信号成分とは異なる放送波が存在しない所定の周波数帯内の雑音成分を第2の帯域幅で濾波して抽出する。より具体的には、第2の帯域通過濾波部105は、予め定めた放送波が存在しない所定の周波数帯内の信号を雑音成分とする固定の帯域幅の固定帯域通過フィルタ、又は所定の周波数帯内で予め定めた初期値の周波数帯域及び帯域幅を基準に操作者の選択操作によって変更可能とした帯域幅に設定された可変帯域通過フィルタを用いて、当該測定対象の信号成分とは異なる放送波が存在しない所定の周波数帯域の雑音成分を濾波して抽出し、第2の検波部107に出力する。特に、第2の帯域通過濾波部105は、110度CS右旋放送とBS左旋放送との間の中間周波数帯のガードバンドの周波数帯域である2073.00MHz~2222.48MHz内の全部又は一部を抽出可能とする帯域幅(本例では33.7561MHz)が設定される。第2の帯域通過濾波部105において帯域幅を可変とする可変帯域通過フィルタを使用する場合、後段の比較部110にて帯域幅内の積分値で信号レベルや受信CN比を検出する形態とするときに、その帯域幅の変更によって後段の第2のレベル調整部109にて信号の利得又は減衰量を自動的にレベル調整することができる。このため、第2の帯域通過濾波部105において帯域幅を可変とする可変帯域通過フィルタを使用する場合、予め定めた初期値の周波数帯域(2073.00MHz~2222.48MHz)及び帯域幅(例えば33.7561MHz)を基準に操作者の選択操作によって変更可能とすることができる。尚、上記と同様に、第2の帯域通過濾波部105における雑音成分の抽出において、本実施形態では余裕を持たせた周波数帯で測定可能とするように雑音成分の周波数帯及び帯域幅を設定変更可能に構成したとしても、本実施形態では後段の第2の検波部107で正確に検波できるようにしている。
第1の検波部106は、第1の帯域通過濾波部104によって当該抽出した信号成分を検波して第1のレベル調整部108に出力する。
第2の検波部107は、第2の帯域通過濾波部105によって当該抽出した雑音成分を検波して第2のレベル調整部109に出力する。尚、第1及び第2の検波部106,107の各々は、対数増幅器とダイオード検波器の組み合わせ、或いは自乗検波器等により構成できる。また、表示部の応答速度によっては第1及び第2の検波部106,107における検波後の信号に対して平滑回路を備える形態とすることもできる。平滑回路には例えば時定数0.1秒程度のRCローパスフィルタ等が利用可能である。
第1のレベル調整部108は、第1の検波部106によって当該検波した信号成分を、予め定めた利得又は減衰量で(詳細な例は後述するが、設定操作部113における操作者の設定操作に基づいて設定変更可能とすることができる。)、所定のレベルにレベル調整し、比較部110に出力する。
第2のレベル調整部109は、第2の検波部107によって当該検波した雑音成分を、所定のレベルにレベル調整し、比較部110に出力する。
比較部110は、第1及び第2のレベル調整部108、109の各々によってそれぞれ信号レベルを調整した信号成分と雑音成分とを、第1及び第2の帯域通過濾波部104,105における当該第1及び第2の帯域幅内の積分値で比較して衛星放送の受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査し、表示部111に出力する。
比較部110は、以下のような種々の形態のいずれかを採用でき、好適には、その種々の形態を外部設定で選択できる形態とすることができる。例えば、比較部110について、受信CN比を「検査」する構成例として、当該信号成分と雑音成分とを当該第1及び第2の帯域幅内の積分値による比較を基に信号成分の方が大きい場合には1を、それ以外は0を論理値として出力する形態とすることができる(一般的なデジタル回路の場合、論理値0は0V、論理値1は5Vや3.3Vとすることが多い)。
表示部111は、比較部110から得られる、衛星放送の受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方の検査結果を表示する。ここで、表示部111は、比較部110から得られる状態値を視認可能に示す形態、又はこの代わりに、或いはこれに加えて、音声で識別させる形態とすることができる。
表示部111について、比較的簡素で低廉な構成とする場合には、発光ダイオード(LED)を用いて構成することができ、比較部110の出力が1なら点灯、0なら消灯する形態とすることができる。
例えば、設定操作部113による第1及び第2のレベル調整部108,109の設定により、1放送チャンネル分の所要CN比として予め13dBが定められたものとなっているときは(所要CN比には設定変更可能であるが、熟練性を排除するべく初期設定されているのが好ましい。)、受信CN比が13dBを超えた時に比較部110が1を出力するものとし、表示部111はこれに応じて当該発光ダイオードを点灯させ、受信CN比が13dBを超えない時に比較部110が0を出力するものとし、表示部111はこれに応じて当該発光ダイオードを消灯させるようにする。このように、レベル調整部108及びレベル調整部109の利得差、又は減衰量差をつけることで、所望のCN比を確保できているか否かを判定することができる。従って、レベル調整部108は、信号成分のレベル調整後の出力偏差を補償する偏差補償手段を有するように構成するのが好適である。同様に、レベル調整部109は、雑音成分のレベル調整後の出力偏差を補償する偏差補償手段を有するように構成するのが好適である。
以上のように、レベル調整部108及びレベル調整部109の利得又は減衰量を適切に設定することで、検出CN比を設定可能である。また、分配部103の2つ出力間の減衰量の差、検波部106と検波部107の間の減衰量の差がある場合、レベル調整部108及びレベル調整部109の利得又は減衰量にその差分を考慮した値を設定することで、測定精度を担保することが可能である。尚、本実施形態では、第1のレベル調整部108及び第2のレベル調整部109について、後段の処理を容易化又は安定化する好適例として、当該検波した信号成分及び雑音成分を所定レベルに調整するレベル調整機能を有する例を説明するが、何れか一方のみとしてもそのレベル調整機能を実現できることから一方を省略してもよい。
設定操作部113は、第1の帯域通過濾波部104、及び第2の帯域通過濾波部105において可変帯域通過フィルタを使用する場合は、操作者によるその可変帯域通過フィルタの設定を可能とし、比較部110にて帯域幅内の積分値で信号レベルや受信CN比を検査する形態とする場合は、n(nは1以上の整数)個の放送チャンネル分を含む周波数帯域を測定対象とするときに、10log10(n)dB分を補正の補正を、操作者の設定操作に基づいて可能とするように構成される。例えば、設定操作部113は、第1の帯域通過濾波部104により濾波して抽出する信号成分の周波数帯域について中間周波数帯に変換されたBS放送の偶数チャンネル(2222.48~2682.8MHz)に対応する放送チャンネルの1以上を操作者の放送チャンネルの指定に基づいて設定可能とし、且つその濾波する帯域幅について予め定めた初期値の帯域幅(例えば38.36MHz)を基準に操作者の選択操作によって変更設定可能としている。また、設定操作部113は、第2の帯域通過濾波部105により濾波して抽出する雑音成分の周波数帯域は110度CS右旋放送とBS左旋放送との間の中間周波数帯のガードバンドの周波数帯域(2073.00MHz~2222.48MHz)内で予め定めた初期値の周波数帯域(例えば2073.00MHz~2222.48MHzの中央周波数帯)及び帯域幅(例えば33.7651MHz)を基準に操作者の選択操作によって変更設定可能とするように構成されている。
(補足)
ここで、新4K8K衛星放送に係るBS‐IF信号の詳細な説明は、非特許文献1に記載されているが、図3を参照して、本実施形態の受信検査装置10により検査対象信号の信号成分及び雑音成分の周波数帯域について説明する。
図3は、本発明による第1実施形態の受信検査装置10により検査対象信号の信号成分及び雑音成分の周波数帯域を示す図である。1チャンネル当たりの電力測定に当たっては、BS:38.36MHz(図3に示す※1)又はCS:40MHz(図3に示す※2)で測定するのが正論であるが、いずれも実際の占有帯域幅は33.6MHz程度であり、仮に34.5MHz(図3に示す※3)で測定したとしてもほぼ100%の電力が包含されているため結果はほとんど変わらない。このため、占有帯域幅以上、BS:38.36MHz以下又はCS:40MHz以下の帯域幅でほとんど誤差のない測定することが可能である。
本実施形態の受信検査装置10において、雑音成分の測定には、ND24ch上端~BS2ch下端に対応する、2073.00MHz~2222.48MHzを活用するように構成されている。
また、本実施形態の受信検査装置10において、信号成分の測定には、38.36MHz(図3に示す※1)で測定してもよいが、34.5MHz(図3に示す※3)としても誤差はほとんど生じないことに留意して、2チャンネル分まとめて測定して、3dB減じても1チャンネル当たりの電力を換算できる。例えば、2チャンネル分まとめて測定する場合、38.36MHz×2(図3に示す※5)としてもよいが、38.36MHz+34.5MHz=72.86MHz(図3に示す※5)としても誤差はほとんど生じない。このため、72.86MHz以上、76.72MHz以下の帯域幅でほとんど誤差のない測定をすることも可能である。また、34.5MHz以下の、例えば10MHzの帯域幅で測定し、ナイキスト帯域幅(周波数スペクトルを長方形近似した時の帯域幅、33.7561MHz)に換算してもよい(33.7561/10=5.28dBを加えることによる換算)。
尚、図3では、BS4,BS6chを測定対象としているが、本実施形態の受信検査装置10における測定対象はBS14ch(BS8K)、2チャンネル分まとめて測定する場合、BS14ch(BS8K)+BS12ch(BS4K)とすることができる。
ここで、高い周波数帯の信号ほど伝送路で減衰しやすい特徴を持つため、雑音成分の周波数として測定対象の周波数よりも低い周波数帯を選定することで受信CN比の測定誤差を抑制することができる点に留意する。例えば、受信システム機器13に2602MHz対応のものが使用され、測定対象の周波数として中間周波数変換されたBS14chを測定対象として選定した場合、雑音成分として測定対象の周波数よりも低い上記周波数を選定していれば測定周波数及び雑音成分とも受信システム機器13の対応周波数内となる。しかしながら、任意の雑音成分として例えば現在空きチャンネルとなっているBS22chを選定すると、その帯域は受信システム機器13が対応している2602MHzよりも高い周波数となるため、信号の減衰が大きく結果として受信CN比が真値より大幅に高く表示される可能性がある。
そこで、本実施形態の受信検査装置10では、上述したように、第1の帯域通過濾波部104により濾波して抽出する信号成分の周波数帯域は中間周波数帯に変換されたBS放送の偶数チャンネルに対応する放送チャンネルの2222.48~2682.8MHz内の全部又は一部とするように予め設定されるか、又は操作者の放送チャンネルの指定に基づいて設定され、且つその濾波する帯域幅は2222.48~2682.8MHz内の全部又は一部を抽出可能とする値で設定されている。
また、本実施形態の受信検査装置10では、上述したように、第2の帯域通過濾波部105により濾波して抽出する雑音成分の周波数帯域は110度CS右旋放送とBS左旋放送との間の中間周波数帯のガードバンドの周波数帯域である2073.00MHz~2222.48MHz内の全部又は一部抽出可能とする帯域幅(本例では33.7561MHz)が設定されている。
例えば第2の帯域通過濾波部105において、中心周波数2203.3MHz、帯域幅33.7561MHzに設定した固定又は可変帯域通過フィルタとすることで、原理的な観点からBS放送1チャンネル分に影響を与える雑音成分を抽出できる。
また、第1の帯域通過濾波部104の帯域幅及び第2の帯域通過濾波部105の帯域幅を、基準とする帯域幅(38.36MHz)に対してそれぞれ異なる1MHz及び10MHzを設定した場合、これらの出力は、それぞれ約15.28dB及び約5.28dB低下する。この場合、第1及び第2のレベル調整部108,109は、第1及び第2の帯域通過濾波部104,105の各帯域幅比に応じて、それぞれ当該初期値に対する利得から15.28dB及び5.28dB大きい利得を操作者による設定操作、又は自動的に設定するようにしてレベル調整することで、正確に受信CN比の検査又は測定ができるようになる。
別例として、例えば第1の帯域通過濾波部104において中心周波数を2452.64MHz、基準とする帯域幅(38.36MHz)に対して異なる帯域幅76.72MHzを設定し、第2の帯域通過濾波部105において中心周波数2203.3MHz、基準とする帯域幅33.7561MHzを設定した場合、第1の帯域通過濾波部104の出力には、BS12ch及びBS14chの2チャンネル分の信号が出力されることになり、約3dB大きな信号が出力される。この場合、第1及び第2のレベル調整部108,109は、第1及び第2の帯域通過濾波部104,105の各帯域幅比に応じて、第1のレベル調整部108の初期値に対する利得から3dB小さく減衰させる利得を操作者による設定操作、又は自動的に設定するようにしてレベル調整することで、正確に受信CN比の検査又は測定ができるようになる。
尚、第1及び第2の帯域通過濾波部104,105の各帯域幅は、測定対象とする放送チャンネル数に応じて操作者の選択操作によって初期値から任意に変更して設定可能とする形態とすることができる。上記の通り操作者による設定操作、又は自動的に信号成分及び雑音成分についてレベル調整するようになっているため、その設定に応じて正確な受信CN比を検査又は測定できるが、1MHzを下回ると信号レベルの低下により測定精度に影響があるため、その下限値は1MHzとすることが望ましい。
以上のように、本実施形態の受信検査装置10では、第1及び第2のレベル調整部108,109の利得又は減衰量が、第1の帯域通過濾波部104及び第2の帯域通過濾波部105の各帯域幅の設定に応じて操作者による設定操作、又は自動的に信号成分及び雑音成分についてレベル調整するものとなっている。このため、操作者は第1の帯域通過濾波部104及び第2の帯域通過濾波部105の各帯域幅の設定を自由に行って受信検査装置10を構成することができ、その設定に応じて正確な受信CN比を検査できる。
また、本実施形態の受信検査装置10では、好適例として、第1及び第2のレベル調整部108,109、比較部110、及び表示部111を1組として複数備えるように構成し、それぞれ検出するCN比を異なる値として複数の検査結果を同時に得る構成とすることも可能である。この場合、設定操作部113の設定により、当該複数の第1及び第2のレベル調整部108,109の各々は、第1及び第2の検波部106,107によってそれぞれ検波した信号成分及び雑音成分について異なる値でレベル調整し、対応する当該複数の比較部110の各々は、当該複数の第1及び第2のレベル調整部108,109の各々から得られる当該レベル調整した信号成分の振幅と雑音成分の振幅を比較して衛星放送の受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査し、対応する当該複数の表示部111の各々は、当該複数の比較部110の各々に基づく衛星放送の受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方の検査結果を測定結果として表示する。
従って、本実施形態の受信検査装置10によれば、導電性筐体112により外部電波の影響を抑えつつ、且つ簡易で安価な構成で、熟練性を要することのない設定操作部113の設定のみで、左旋円偏波の伝送周波数帯を含む衛星放送の受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査又は測定可能となる。
このため、本実施形態の受信検査装置10によれば、衛星放送受信のために、受信アンテナ装置11を設置する際、所望の基準値に変更可能な態様で測定される受信CN比を基に、衛星放送信号の放送波の到来方向に正しく受信アンテナ装置11の方向・角度調整を実施することが可能となる。特に、一般ユーザーが宅内の壁面端子15などに受信検査装置10を接続することもでき、BS左旋放送の信号が十分な信号品質で得られるか、他の外部電波による干渉がないか等を、熟練性を要することなく確認することが可能となる。
〔第2実施形態〕
(受信システムに対する受信検査装置の配置例)
図4は、本発明による第2実施形態の受信検査装置10を接続可能とする衛星放送用の受信システム1の概略構成を示すブロック図である。尚、図4において、図1に示すものと同様の構成要素には、同一の参照番号を付している。
一般に、受信アンテナ装置11から衛星放送受信機16まで同軸ケーブルを介して測定対象信号(BS‐IF信号を含む)が伝送されるが、同時に当該同軸ケーブルを介して衛星放送受信機16から受信アンテナ装置11に直流15V程度の直流電圧が重畳して供給される。受信アンテナ装置11ではこの電圧を利用して、受信アンテナ装置11におけるコンバーターに内蔵の低雑音増幅器や周波数変換器の駆動を行うことができるようになっている。また、受信アンテナ装置11から衛星放送受信機16までの間に受信システム機器13が介在される場合に、その受信アンテナ装置11に対して電力供給を行う補助電源17が設けられることもある。
そこで、第2実施形態の受信検査装置10では、図4に例示するように、第1実施形態のような専用電源10aから電力供給される構成とする代わりに、衛星放送受信機16から供給される直流電圧を利用するか、或いは補助電源17の電力供給を利用して動作するように構成された例を示している。
即ち、図4に例示する典型的な受信システム1は、新4K8K衛星放送の放送受信に対応したものとし、BS及び110度CS右旋放送だけでなく、BS及び110度CS左旋放送の衛星放送信号を受波するパラボラアンテナ、及び受波した衛星放送信号をBS‐IF信号に変換して出力するコンバーターを有する受信アンテナ装置11と、BS‐IF信号を電力増幅するブースター131及びその電力増幅したBS‐IF信号を所定系統数に分配する分配器132を有する受信システム機器13と、受信システム機器13を経て宅内に伝送されたBS‐IF信号を受像する衛星放送受信機16と、を備える。そして、受信システム機器13には、説明の便宜上、図4では簡易的に図示しているが、受信システム機器13の電源端子18が設けられ、補助電源17から電力供給されるようになっている。
受信アンテナ装置11及び受信システム機器13間は同軸ケーブルで接続され、同じく受信システム機器13及び宅内の壁面端子15間も同軸ケーブルで接続される。尚、受信システム機器13の設置を省略し、受信アンテナ装置11及び宅内の壁面端子15間を同軸ケーブルで接続する形態の受信システムもある。また、分配器132は、図1では2系統の分配を例示しているが、3系統以上に分配されることもある。更に、受信システム機器13として、ブースター131の設置を省略した形態や、分配器132を省略した形態の受信システムもある。
即ち、図5を参照して詳細に後述する本実施形態の受信検査装置10は、衛星放送受信機16から供給される直流電圧を利用するか、或いは補助電源17の電力供給を利用して動作するように電力供給を切り替え可能な手段を有し、上述したいずれの形態の衛星放送用の受信システムにおいても、新4K8K衛星放送のBS‐IF信号を直接的に、或いは受信システム機器13を経由して入力し、その受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査することができるものとなっている。即ち、図4に示す受信システム機器13が設置されておらず受信アンテナ装置11及び宅内の壁面端子15間を同軸ケーブルで接続する形態の場合、受信アンテナ装置11の出力端子を測定ポイントとして利用(宅外)するか、壁面端子15を測定ポイントとして利用(宅内)して当該受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査できる。受信システム機器13が設置されている形態の場合では、上記の測定ポイントに加えて、受信システム機器13の出力端子14(宅外)を利用しても当該受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査できる。
尚、図4では、説明の便宜上、宅外の受信検査装置10に対し、宅内の壁面端子15における衛星放送受信機16の接続と並列接続した同軸ケーブルを利用して衛星放送受信機16から供給される直流電圧を利用する場合と、補助電源17と並列接続しその電力供給を利用する場合を選択的に切り替える例を簡易的に示している。ただし、本実施形態の受信検査装置10は、衛星放送受信機16から供給される直流電圧を利用するか、或いは補助電源17の電力供給を利用して動作するように電力供給を切り替え可能な手段を有しているので、宅外に限らず、宅内でも、第1実施形態のような専用電源10aを要することなく、電力供給を受けて動作できるようになっている。
従って、本実施形態の受信検査装置10は、第1実施形態のような専用電源10aを要することなく、受信システム機器13の入力端子12又は出力端子14、或いは宅内の壁面端子15を利用して、新4K8K衛星放送の測定対象信号(BS‐IF信号を含む。)を入力し、その受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査又は測定可能に構成されている。
(受信検査装置)
図5は、本発明による第2実施形態の受信検査装置10の概略構成を示すブロック図である。尚、図5において、図2に示すものと同様の構成要素には、同一の参照番号を付している。
図5に示す本実施形態の受信検査装置10は、上述した第1実施形態に係る入力部101、利得調整部102、分配部103、第1の帯域通過濾波部104、第2の帯域通過濾波部105、第1の検波部106、第2の検波部107、第1のレベル調整部108、第2のレベル調整部109、比較部110、表示部111、及び設定操作部113の他、直流成分除去部201、分配部202、第1の切替部203、終端部204、出力部205、第1の高周波成分除去部206、第2の切替部207、電圧重畳部208、電圧変換部209、第2の高周波成分除去部210、基準電圧発生部211、比較部214、及び表示部216を備える。本実施形態の利得調整部102は、制御部1021、可変減衰部1022、及び増幅部1023を有するように構成される。
また、本実施形態の受信検査装置10においても、少なくとも入力部101から第1及び第2の検波部106,107までを構成する信号処理回路が、入力部101の接地部と等電位の導電性筐体112で覆われて外部電波から遮断されており、本例では分配部202から出力部205までの信号処理回路も導電性筐体112で覆われて外部電波から遮断されている。導電性筐体112は、例えばプラスチックの素材にアルミニウムの導電層を加工形成することで構成することができる。
即ち、図5に示す本実施形態の受信検査装置10は、上述した第1実施形態と比較して、直流成分除去部201、分配部202、第1の切替部203、終端部204、出力部205、第1の高周波成分除去部206、第2の切替部207、電圧重畳部208、電圧変換部209、第2の高周波成分除去部210、基準電圧発生部211、比較部214、及び表示部216を備える点、並びに、利得調整部102が、制御部1021、可変減衰部1022、及び増幅部1023を有するように構成されている点で相違しており、より正確には設定操作部113において、後述する一部の機能が追加されている点でも相違している。
入力部101は、新4K8K衛星放送に対応した衛星放送用の受信アンテナ装置11を介して得られる測定対象信号(BS‐IF信号を含む。)を、受信システム機器13の入力端子12又は出力端子14、或いは宅内の壁面端子15(衛星放送受信機16のテレビ端子又はその直列ユニットの出力等を含む。)を利用して入力し、後述する電圧重畳部208を経て、直流成分除去部201及び分配部202を介して、利得調整部102に出力する。例えば、入力部101には、同軸ケーブル用のF型レセプタクル等を利用でき、或いは各測定ポイントに対して同軸ケーブル用の分配器を用いて接続してもよい。
直流成分除去部201は、入力部101から得られる当該入力された測定対象信号の直流成分を除去して分配部202に出力する。
分配部202は、直流成分除去部201を経て入力部101から得られる直流成分除去後の当該入力された測定対象信号を2系統に分配して出力する二分配器で構成され、分配部202の一方の出力が利得調整部102に入力される。
分配部202の他方の出力は、第1の切替部203に入力される。設定操作部113の設定により、第1の切替部203における接点が図示する接点aに接続されるように選択されている場合には、分配部202の他方の出力は終端部204で終端される。設定操作部113の設定により、第1の切替部203における接点が図示する接点bに接続されるように選択されている場合には、分配部202の他方の出力は出力部205に接続されて出力されるようになっている。
この第1の切替部203により、出力部205に衛星放送受信機16が接続されていない場合において、分配部202のインピーダンス不整合による反射の発生に起因する周波数特性の劣化を抑止でき、高い精度での検出又は測定が可能となる。
また、出力部205に衛星放送受信機16が接続されている場合において、分配部202の他方の出力は、出力部205から同軸ケーブルを介して衛星放送受信機16に入力されるようになっている。尚、衛星放送受信機16の入力端子からは受信アンテナ装置11まで直流15V程度の直流電圧が重畳して供給され、本実施形態では、この直流電圧を電源として利用するため、第1の切替部203の接点b(及び出力部205)は第1の高周波成分除去部206にも接続される。
第1の高周波成分除去部206は、出力部205に衛星放送受信機16が接続されている場合の直流15V程度の直流電圧電源として利用するため、その出力部205の信号上の放送波成分等の高周波成分を除去して直流成分のみを出力し、この出力は、第2の切替部207の接点bに接続される。第1の高周波成分除去部206には直流成分に対しては低いインピーダンスを持ち、高周波成分に対しては高いインピーダンスを持つ素子が用いられ、例えば、巻線などが用いられる。
また、第2の切替部207の接点aは補助電源17に接続されるようになっている。補助電源17は、衛星放送受信機16から直流15V程度の直流電圧が十分に、或いは全く供給されない場合の電源であり、例えば乾電池(ここでは6Vとする)などで構成される。設定操作部113の設定により、第2の切替部207において接点aが接続されるように選択されている場合、第2の切替部207からは補助電源17の出力がそのまま電圧変換部209に出力され、接点bが接続されるように選択されている場合、第1の高周波成分除去部206の出力がそのまま電圧変換部209に入力される。
電圧変換部209は、高周波成分除去部206経由で得られる直流電圧15V、又は補助電源17経由で得られる直流電圧6Vの電圧を、一定の電圧、例えば5Vの電圧に変換して、本実施形態の受信検査装置10の各機能部へ出力する能動回路用電源として構成される。
即ち、出力部205に衛星放送受信機16が接続され、且つ衛星放送受信機16から電圧供給がされている場合、設定操作部113の設定により、第2の切替部207の接点bを接続選択することで、衛星放送受信機16から得られる直流電圧を、本実施形態の受信検査装置10の能動回路用電源として利用することができる。それ以外の場合、設定操作部113の設定により、第2の切替部207の接点aを接続選択することで、補助電源17から得られる直流電圧を、本実施形態の受信検査装置10の能動回路用電源として利用することができる。
第1の高周波成分除去部206の出力は、第2の高周波成分除去部210を介して電圧重畳部208に入力され、電圧重畳部208は入力部101から入力された信号成分に対して直流電圧を重畳する。
第2の高周波成分除去部210は、入力部101から入力された信号成分が高周波的に短絡されずに受信アンテナ装置11に電力供給されるように第1の高周波成分除去部206から得られる直流電圧の出力に対して確実に高周波成分を除去して電圧重畳部208に重畳するように構成される。第2の高周波成分除去部210は、第1の高周波成分除去部206から出力される直流成分に対しては低いインピーダンスを持ち、高周波成分に対しては高いインピーダンスを持つ素子が用いられ、例えば、巻線などが用いられる。
入力部101から、上述した電圧重畳部208を経て、直流成分除去部201及び分配部202を介して得られる測定対象信号(BS‐IF信号を含む。)は、利得調整部102に入力され、本実施形態の利得調整部102は、第1実施形態と同様に、入力部101から得られる当該入力された測定対象信号のレベルについて後段の処理を容易可又は安定化する所定値に調整し、分配部103に出力する。
本実施形態の利得調整部102は、制御部1021、可変減衰部1022及び増幅部1023を備える。制御部1021は、利得調整部102に入力された測定対象信号の入力レベルを監視し、利得調整部102の出力として後段の処理が容易な出力となるように調整した減衰量を算出し、可変減衰部1022の減衰量を可変設定する。これにより、可変減衰部1022に入力された信号は、その設定された減衰量に基づき減衰されて増幅部1023に入力される。増幅部1023は、減衰部1022から入力された信号に対して所定の利得だけ固定増幅して、分配部103に出力する。尚、増幅部1023における増幅率についても、制御部1021により可変制御する構成としてもよい。また、制御部1021は、利得調整部102における測定対象信号の出力レベルを監視して、可変減衰部1022(或いは増幅部1023)の増減率を制御する構成としてもよい。従って、利得調整部102は、当該入力された測定対象信号のレベルを所定値に調整する際に、当該入力された測定対象信号の振幅を増減させる増減手段(可変減衰部1022又は増幅部1023)と、該入力された測定対象信号の入力レベル、又は当該増減手段の出力レベルを監視して、当該増減手段による増減率を制御し、当該入力された測定対象信号のレベルを所定値に調整する制御手段(制御部1021)と、を有するように構成される。
利得調整部102より後段に設けられる分配部103、第1の帯域通過濾波部104、第2の帯域通過濾波部105、第1の検波部106、第2の検波部107、第1のレベル調整部108、第2のレベル調整部109、比較部110、及び表示部111の動作は、上述した第1実施形態と同様であるから、ここでは更なる説明を割愛する。
ただし、本実施形態では、第1のレベル調整部108の出力が比較部110に入力されるほか、比較部214にも入力される。また、基準電圧発生部211は、利得調整部102における当該増減率が予め定めた初期値の時の設定操作部113から設定されている基準電圧信号を生成し、制御部1021の制御により所定値に変更された際に該所定値の増幅率に応じて当該基準電圧信号の直流電圧レベルを増減させて、比較部214に出力する。
比較部214は、第1のレベル調整部108から得られる当該レベル調整後の信号成分と、基準電圧発生部211から得られる基準電圧信号とを、第1の帯域通過濾波部104における当該第1の帯域幅を基準に積分値で比較し、その比較結果を表示部216に出力する。
表示部216は、比較部214による比較結果を表示するように構成され、比較部214から得られる状態値又は測定値を視認可能に示す形態、又はこの代わりに、或いはこれに加えて、音声で識別させる形態とすることができる。
表示部216について、比較的簡素で低廉な構成とする場合には、発光ダイオード(LED)を用いて構成することができ、比較部214は当該基準電圧信号に対して信号成分の方が大きい場合1を、小さい場合には0を表示部216に出力する。表示部216は、これに応じて1が入力された場合には当該発光ダイオードを点灯し、0が入力された場合には当該発光ダイオードを消灯させるようにする。即ち、表示部216を、表示部111とは別に設けることで、表示部216は信号レベルの検査結果を表示するために用い、表示部111は受信CN比の検査結果を表示するために用いるようにすることができ、信号測定に係る利便性が向上するようになる。
設定操作部113は、上述した第1実施形態と同様の機能を有する他、第1及び第2の切替部203,207の切り替え操作を可能としている。
更に、設定操作部113は、レベル調整部108及びレベル調整部109の利得を調整し、検出するCN比を可変設定する構成にすることが可能であり、さらに、基準電圧発生部211における基準電圧信号を変更することで検出する信号レベルを可変設定する構成とすることもできる。このように、基準電圧発生部211により発生する基準電圧信号の振幅レベルについて、設定操作部113の設定により変更設定できる構成とする場合には、操作者によって検出する所望の信号レベルへと調整することが可能となる。
また、本実施形態の受信検査装置10では、好適例として、第1実施形態と同様に、第1及び第2のレベル調整部108,109、比較部110、及び表示部111を1組として複数備えるように構成し、それぞれ検出するCN比を異なる値として複数の検査結果を同時に得る構成とすることも可能である。この場合、当該複数の第1及び第2のレベル調整部108,109の各々は、第1及び第2の検波部106,107によってそれぞれ検波した信号成分及び雑音成分について異なる値でレベル調整し、対応する当該複数の比較部110の各々は、当該複数の第1及び第2のレベル調整部108,109の各々から得られる当該レベル調整した信号成分の振幅と雑音成分の振幅を比較して衛星放送の受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査し、対応する当該複数の表示部216の各々は、当該複数の比較部110の各々に基づく衛星放送の受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方の検査結果を測定結果として表示する。
また、本実施形態の受信検査装置10では、好適例として、第1のレベル調整部108、基準電圧発生部211、比較部214、及び表示部216を1組として複数備えるように構成し、それぞれ検出するCN比を異なる値として複数の検査結果を同時に得る構成とすることも可能である。この場合、設定操作部113の設定により、当該第1のレベル調整部108は、第1の検波部106によって検波した信号成分と基準電圧発生部211により発生する基準電圧信号について異なる値でレベル調整し、対応する当該複数の比較部214の各々は、当該第1のレベル調整部108及び基準電圧発生部211の各々から得られる当該レベル調整した信号成分の振幅と基準電圧信号の振幅を比較して衛星放送の受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査又は測定し、対応する当該複数の表示部216の各々は、当該複数の比較部214の各々に基づく衛星放送の受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方の検査結果を測定結果として表示する。
従って、本実施形態の受信検査装置10によれば、より利便性の高い態様で、導電性筐体112により外部電波の影響を抑えつつ、且つ簡易で安価な構成で、熟練性を要することのない設定のみで、左旋円偏波の伝送周波数帯を含む衛星放送の受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査又は測定可能となる。
このため、本実施形態の受信検査装置10によれば、衛星放送受信のために、受信アンテナ装置11を設置する際、所望の基準値に変更可能な態様で測定される受信CN比を基に、衛星放送信号の放送波の到来方向に正しく受信アンテナ装置11の方向・角度調整を実施することが可能となる。特に、一般ユーザーが宅内の壁面端子15などに検査装置10を接続することもでき、BS左旋放送の信号が十分な信号品質で得られているか、他の外部電波による干渉を受けることなく、また、操作者の熟練性を要することなく確認することが可能となる。
〔変形例〕
尚、一変形例として、第2実施形態として説明した第1のレベル調整部108、基準電圧発生部211、比較部214、及び表示部216の構成を1組又は複数備える形態を、専用電源10aで電力供給される第1実施形態の構成に適用した新たな実施形態の受信検査装置10として構成してもよい。
また、一変形例として、第2実施形態として説明した衛星放送受信機16から供給される直流電圧を利用する構成は、第1実施形態のような専用電源10aの代わりに、又は併用して、或いは切り替えるようにして第1実施形態の構成に適用した新たな実施形態の受信検査装置10として構成してもよい。
以上、特定の実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、第1及び第2の帯域通過濾波部104,105は通過域における伝達特性が平坦である必要はなく、例えばLC共振器を利用することも可能である。従って、本発明は、上述の実施例によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲によってのみ制限される。
本発明によれば、外部電波の影響を抑えつつ、且つ簡易で安価な構成で、熟練性を要することなく左旋円偏波の伝送周波数帯を含む衛星放送の受信CN比と受信レベルのいずれか一方又は双方を検査又は測定可能となるので、特に、新4K8K衛星放送の放送受信に係る衛星放送の受信CN比又は受信レベルを検査又は測定する用途に有用である。
1 衛星放送用の受信システム
10 衛星放送用の受信検査装置
11 受信アンテナ装置
12 受信システム機器の入力端子
13 受信システム機器
14 受信システム機器の出力端子
15 宅内の衛星放送受信機用の壁面端子
16 衛星放送受信機
17 補助電源
18 受信システム機器の電源端子
101 入力部
102 利得調整部
103 分配部
104 第1の帯域通過濾波部
105 第2の帯域通過濾波部
106 第1の検波部
107 第2の検波部
108 第1のレベル調整部
109 第2のレベル調整部
110 比較部
111 表示部
112 導電性筐体
113 設定操作部
131 ブースター
132 分配器
201 直流成分除去部、
202 分配部
203 第1の切替部
204 終端部
205 出力部
206 第1の高周波成分除去部
207 第2の切替部
208 電圧重畳部
209 電圧変換部
210 第2の高周波成分除去部
211 基準電圧発生部
1021 制御部
1022 可変減衰部
1023 増幅部

Claims (17)

  1. 衛星放送の受信CN比を検査可能とする衛星放送用の受信検査装置であって、
    前記衛星放送用の受信アンテナ装置を介して得られる測定対象信号を入力する入力手段と、
    当該入力した測定対象信号を二分配する分配手段と、
    当該二分配した測定対象信号のうちの一方から、測定対象とする放送チャンネルの中間周波数帯の信号成分を第1の帯域幅で濾波して抽出する第1の帯域通過濾波手段と、
    当該二分配した測定対象信号のうちの他方から、測定対象の信号成分とは異なる放送波が存在しない所定の周波数帯内の雑音成分を第2の帯域幅で濾波して抽出する第2の帯域通過濾波手段と、
    当該抽出した信号成分及び雑音成分をそれぞれ検波する検波手段と、
    当該検波した信号成分と雑音成分とをそれぞれ当該第1及び第2の帯域幅内の積分値で比較する比較手段と、
    前記比較による前記衛星放送の受信CN比の検査結果を表示する表示手段と、
    を備えることを特徴とする、衛星放送用の受信検査装置。
  2. 衛星放送の受信レベルを検査可能とする衛星放送用の受信検査装置であって、
    前記衛星放送用の受信アンテナ装置を介して得られる測定対象信号を入力する入力手段と、
    当該入力した測定対象信号から、測定対象とする放送チャンネルの中間周波数帯の信号成分を第1の帯域幅で濾波して抽出する第1の帯域通過濾波手段と、
    当該抽出した信号成分を検波する検波手段と、
    基準電圧を発生する基準電圧発生手段と、
    当該検波した信号成分と当該基準電圧とを比較する比較手段と、
    前記比較による前記衛星放送の受信レベルの検査結果を表示する表示手段と、
    を備えることを特徴とする、衛星放送用の受信検査装置。
  3. 前記第1の帯域通過濾波手段は、予め定めた放送チャンネルのみを測定対象とする固定の帯域幅の固定帯域通過フィルタを用いて、測定対象とする放送チャンネルの中間周波数帯の信号成分を濾波して抽出するように構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の衛星放送用の受信検査装置。
  4. 前記第1の帯域幅は、衛星右旋放送の偶数チャンネルのうち予め定めた1つ、又は隣接する2以上の放送チャンネルの周波数帯を抽出可能とする帯域幅とすることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の衛星放送用の受信検査装置。
  5. 前記第2の帯域幅は、中間周波数帯の110度CS右旋放送とBS左旋放送との間のガードバンドの周波数帯域内でナイキスト帯域幅が設定されていることを特徴とする、請求項1、3、4のいずれか一項に記載の衛星放送用の受信検査装置。
  6. 当該信号成分を検波する検波手段の出力を所定のレベル範囲に調整する第1のレベル調整手段を更に備えることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の衛星放送用の受信検査装置。
  7. 当該雑音成分を検波する検波手段の出力を所定のレベル範囲に調整する第2のレベル調整手段を更に備えることを特徴とする、請求項1、又は3から6のいずれか一項に記載の衛星放送用の受信検査装置。
  8. 前記第1のレベル調整手段は、信号成分のレベル調整後の出力偏差を補償する偏差補償手段を有することを特徴とする、請求項6又は7に記載の衛星放送用の受信検査装置。
  9. 前記第2のレベル調整手段は、雑音成分のレベル調整後の出力偏差を補償する偏差補償手段を有することを特徴とする、請求項7、又は請求項7を引用する請求項8に記載の衛星放送用の受信検査装置。
  10. 入力された測定対象信号のレベルを所定値に調整する利得調整手段を更に備えることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の衛星放送用の受信検査装置。
  11. 前記利得調整手段は、当該入力された測定対象信号のレベルを所定値に調整する際に、当該入力された測定対象信号の振幅を増減させる増減手段と、該入力された測定対象信号の入力レベル、又は前記増減手段の出力レベルを監視して、前記増減手段による増減率を制御し、当該入力された測定対象信号のレベルを所定値に調整する制御手段と、を有することを特徴とする、請求項10に記載の衛星放送用の受信検査装置。
  12. 前記レベル調整手段、前記比較手段、及び前記表示手段を1組として複数備え、
    当該複数のレベル調整手段の各々は、前記検波手段によってそれぞれ検波した信号成分及び雑音成分について異なる増減率でレベル調整し、
    当該複数の比較手段の各々は、前記複数のレベル調整手段の各々から得られる当該レベル調整した信号成分と雑音成分及び/又は前記基準電圧発生手段の出力とを比較して前記衛星放送の受信CN比及び/又は受信レベルを検査し、
    当該複数の表示手段の各々は、当該複数の比較手段の各々に基づく衛星放送の受信CN比及び/又は受信レベルの検査結果を測定結果として表示することを特徴とする、請求項11に記載の衛星放送用の受信検査装置。
  13. 前記基準電圧発生手段は、前記利得調整手段における当該レベルの調整に係る増減率が予め定めた初期値の時の前記設定操作手段から設定されている基準電圧信号を生成し、前記利得調整手段における当該増減率が所定値に変更された際に該所定値の増減率に応じて当該基準電圧信号の直流電圧レベルを増減させて発生させることを特徴とする、請求項2、又は請求項2を引用する請求項3から12のいずれか一項に記載の衛星放送用の受信検査装置。
  14. 前記レベル調整手段における当該測定対象信号の信号成分のレベルを調整し出力する信号成分レベル調整手段、前記基準電圧発生手段、前記第2の比較手段、及び前記第2の表示手段を1組として複数備え、
    前記信号成分レベル調整手段は、前記検波手段によって検波した信号成分と前記基準電圧発生手段により発生する基準電圧信号について異なる値でレベル調整し、
    対応する当該複数の第2の比較手段の各々は、当該信号成分レベル調整手段及び基準電圧発生手段の各々から得られる当該レベル調整した信号成分と基準電圧信号とを比較して衛星放送の受信レベルを検査し、
    対応する当該複数の第2の表示手段の各々は、当該複数の第2の比較手段の各々に基づく衛星放送の受信レベルの検査結果を測定結果として表示することを特徴とする、請求項13に記載の衛星放送用の受信検査装置。
  15. 当該受信検査装置は、前記衛星放送を受像する衛星放送受信機から電力供給される直流成分を抽出することによる電力供給と、前記受信アンテナ装置と前記衛星放送受信機との間に設置される所定の受信システム機器に電力供給されている補助電源からの電力供給又は専用電源からの電力供給とを、切り替え可能とする切替手段を備えることを特徴とする、請求項1から14のいずれか一項に記載の衛星放送用の受信検査装置。
  16. 前記第1の帯域通過濾波手段は、操作者の放送チャンネルの指定に基づいて設定された周波数帯内で予め定めた初期値の帯域幅を基準に操作者の選択操作によって変更可能とした帯域幅に設定された可変帯域通過フィルタを用いて、測定対象とする放送チャンネルの中間周波数帯の信号成分を濾波して抽出するように構成され、
    前記第1の帯域通過濾波手段における可変帯域通過フィルタの設定を、操作者による放送チャンネルの指定により可能とする設定操作手段を更に備えることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一項に記載の衛星放送用の受信検査装置。
  17. 少なくとも前記分配手段から前記検波手段までを構成する信号処理回路が、前記入力手段の接地部と等電位の導電性筐体で覆われて外部電波から遮断されていることを特徴とする、請求項1から16のいずれか一項に記載の衛星放送用の受信検査装置。
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