JP2018132410A - 成分測定装置、及び成分測定装置の点検実施方法 - Google Patents

成分測定装置、及び成分測定装置の点検実施方法 Download PDF

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Abstract

【課題】成分促成装置において、大きな衝撃力を受けた場合でも適宜のタイミングを設定して点検を促すことで、測定精度を良好に維持する。【解決手段】血糖計10(成分測定装置)は、点検制御部60と、衝撃力を検出するショックセンサ52と、衝撃力が衝撃時点検を必要とするか否かを判定する衝撃判定処理部50とを備える。また、血糖計10は、衝撃時点検が実施された場合に、衝撃時点検に応じた衝撃時インターバルSIをセットして時間計測を行い、衝撃時点検の実施を再び促す点検制御部60を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、液体中の成分の成分量を測定する成分測定装置、及び成分測定装置の点検実施方法に関する。
成分測定装置として、例えば、血液中のグルコース成分の成分量(血糖値)を測定する血糖計が知られている。この種の血糖計は、携帯可能に構成されることで、様々なユーザが血糖値を簡易に測定することができる。また、携帯型の血糖計は、採血、検査及び測定値確認までを患者近傍で行う病棟用検査(POCT:Point Of Care Testing)の医療機器としても使用される。
このような血糖計(特にPOCT器)は、測定精度の安定化のために、QC(Quality Control)点検を定期的に実施することが求められる。これにより、QC点検合格と判定された時点から次のQC点検合格判定までの期間の測定精度が確保される。また、血糖計は、その取扱時に落下等の大きな衝撃力を受けることで、測定精度の低下が生じるおそれがあり、大きな衝撃力を受けた際にもQC点検を実施することが望ましい。例えば、特許文献1に開示の血糖計(バイオセンサ)は、血糖計にかかる衝撃を検出し、また異常波形を測定値に検出した場合に、その異常値を除外するように構成されている。
国際公開第2008/013224号
しかしながら、衝撃直後のQC点検で異常が発見されなかったとしても、血糖計は、電子回路の端子や配線の損傷等が進行して、その後に異常を来す可能性がある。すなわち、血糖計が大きな衝撃力を受けた場合には、ある程度の期間が経過した後も、衝撃に応じたQC点検を実施することが望ましい。
本発明は、上記の実情に鑑みてなされたものであって、衝撃を受けた時点からある程度時間が経過した後に衝撃に基づく点検を促すことで、測定精度を良好に維持することができる成分測定装置、及び成分測定装置の点検実施方法を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明は、液体中の成分の成分量を測定する成分測定装置であって、前記成分測定装置の測定精度の点検を制御する点検制御部と、前記成分測定装置にかかる衝撃力を検出する衝撃力検出部と、を備え、前記点検制御部は、前記衝撃力検出部が大きな衝撃力を検出していない場合、前記点検の実施に伴い通常時インターバルをセットして時間計測を行い、この時間計測に基づき次の点検の必要性を報知し、前記衝撃力検出部が大きな衝撃力を検出した後の場合、前記点検の実施に伴い前記通常時インターバルよりも短い衝撃時インターバルをセットして時間計測を行い、この時間計測に基づき次の点検の必要性を報知することを特徴とする。
上記によれば、成分測定装置は、衝撃力検出部により大きな衝撃力を受けたことに基づき、通常時インターバルより短い衝撃時インターバルをセットして時間計測するので、衝撃時からある程度時間経過した後に、ユーザに点検を再び実施させることができる。従って、成分測定装置は、衝撃後の時間経過により、電子回路の端子や配線の損傷等が進行して測定精度が低下する不都合を抑制することが可能となる。これにより成分測定装置は、成分測定の精度を良好に維持することができる。
また、前記点検は、前記衝撃力検出部が大きな衝撃力を検出していない状態で行う通常時点検と、前記衝撃力検出部が大きな衝撃力を検出した後に行う衝撃時点検と、を含み、前記点検制御部は、前記衝撃力検出部が大きな衝撃力を検出した直後に前記衝撃時点検を実施した場合に、前記衝撃時インターバルをセットすることが好ましい。
成分測定装置は、大きな衝撃力を受けた直後に衝撃時点検を実施することで、衝撃時による測定精度の低下を直ちに判定することができる。そして、衝撃時点検の実施後に衝撃時インターバルをセットするので、衝撃時インターバルの時間計測にともない、衝撃によっていつ起こるか分からない測定精度の低下を早期に認識することができる。
上記構成に加えて、前記衝撃力に基づいて衝撃時点検の必要性を判定する衝撃判定処理部を備え、前記点検制御部は、前記衝撃判定処理部により前記衝撃時点検が必要と判定された際に、前記衝撃時点検を実施するまで前記成分量の測定を禁止することが好ましい。
成分測定装置は、大きな衝撃力を受けた直後に衝撃時点検を実施するまで成分量の測定を禁止することで、衝撃による測定精度の低下を抑止することができる。
ここで、前記点検制御部は、前記衝撃時インターバルの時間計測中に前記成分量を測定した場合に、衝撃力を受けた状態で成分量を測定した旨の情報を測定結果に付加して報知又は記憶部に記憶するとよい。
成分測定装置は、衝撃力を受けた状態で成分量を測定した旨の情報を測定結果に付加することで、成分量の測定精度が低いことをユーザに知らせることができる。よって、ユーザは、成分量の測定結果をより適切に取り扱うことが可能となる。
さらに、前記点検制御部は、前記衝撃時インターバルがセットされる状態を、前記成分測定装置に情報通信可能に接続される管理装置の指示に基づき解除する構成であるとよい。
これにより、成分測定装置は、装置自体で状態が変更されることが防止され、成分量の測定に問題ないことが分かった段階で、管理装置によって衝撃時インターバルがセットされる状態を確実に解除することができる。
またさらに、前記点検制御部は、前記時間計測が前記衝撃時インターバルを経過した際に、前記成分量の測定を禁止するとよい。
成分測定装置は、大きな衝撃力を受けた場合、時間の経過に伴い成分測定の精度が低下していくことがあり、衝撃時インターバルを経過すると測定精度を充分に担保することが難しくなる。そのため、衝撃時点検を実施するまで、成分量の測定を禁止することで、精度が低い状態での測定を抑止することができる。
さらにまた、前記成分測定装置は、血液中のグルコースの成分量を測定する血糖計であるとよい。
これにより、血糖計は、大きな衝撃力を受けた場合でも血糖値の測定精度を良好に維持することができる。
また本発明は、前記目的を達成するために、液体中の成分の成分量を測定する成分測定装置の点検実施方法であって、当該成分測定装置の測定精度を点検する点検工程と、前記成分測定装置にかかる衝撃力を検出する検出工程と、を有し、前記点検工程では、前記検出工程で大きな衝撃力を検出していない場合、前記点検の実施に伴い通常時インターバルをセットして時間計測を行い、前記時間計測に基づき次の点検の必要性を報知し、前記検出工程で大きな衝撃力を検出した後の場合、前記点検の実施に伴い前記通常時インターバルよりも短い衝撃時インターバルをセットして時間計測を行い、前記時間計測に基づき次の点検の必要性を報知することを特徴とする。
本発明によれば、成分測定装置、及び成分測定装置の点検実施方法は、衝撃を受けた時点からある程度時間が経過した時に衝撃に基づく点検を促すことで、測定精度を良好に維持することができる。
本発明の一実施形態に係る血糖計の全体構成を示す斜視図である。 図1の血糖計における制御回路の機能ブロック図である。 図1の血糖計がQC点検を行う際の点検液の濃度と合格許容範囲の関係を概念的に示す説明図である。 図1の血糖計における点検実施方法の通常時処理フローを示すフローチャートである。 図1の血糖計における点検実施方法の衝撃時処理フローを示すフローチャートである。
以下、本発明に係る成分測定装置、及び成分測定装置の点検実施方法について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係る成分測定装置10は、図1に示すように、血液中のグルコース成分の成分量(血糖値)を測定する血糖値測定装置として構成されている(以下、血糖計10ともいう)。また、血糖計10は、医療施設内で医師や看護士等の医療従事者(以下、ユーザという)が使用するPOCT器として構成されている。なお、血糖計10は、患者自身が自己の血糖値を測定するSMBG(Self-Monitoring of Blood Glucose)器として使用されてもよい。
血糖計10は、患者の血液を直接取り込むチップ12と、チップ12に取り込まれた血液の血糖値を光学的に測定する装置本体14とを有する。チップ12は、1回の測定毎に廃棄するディスポーザブルタイプに構成される一方で、装置本体14は、血糖値の測定を繰り返し実施可能な機器に構成される。
チップ12は、少量の血液でも点着しやすく、かつ装置本体14が血液に直接触れないように細いノズル16を有し、装置本体14の先端部に着脱自在に装着される。例えば、チップ12は、ノズル16の先端(先端開口)から血液を取り込んで、毛細管現象により基端側の取付部18内に導く。取付部18内には図示しない試験紙が収容されており、この試験紙は、導かれた血液を深さ方向及び平面方向に迅速に展開させる。例えば、試験紙は、血液を吸収可能な多孔性膜等の担体に、試薬(発色試薬)を含浸することにより構成される。血液は、試薬と反応することで、血液内に含まれたグルコース量に応じた色濃度で呈色する。
一方、装置本体14は、ユーザが携帯可能なサイズの筐体20を備える。筐体20は、ユーザが片手で把持し易いようにやや細長く、その先端部が先端方向に向かって細くなりつつ下側に若干屈曲している。筐体20の先端部には、チップ12を着脱自在に装着可能な円筒型の被装着部22が設けられている。また、筐体20の上面には、被装着部22からチップ12を取り外すイジェクタ24、モニタ26及び操作ボタン群28が設けられ、筐体20の基端面にはバーコードリーダ30が設けられる。
装置本体14に設けられるモニタ26は、液晶や有機EL等により構成され、血糖値、日時又はその他の情報(例えば、エラーや測定手順)等、血糖値の測定においてユーザに提供する各種情報を表示する報知部25となっている。なお、装置本体14の報知部25は、モニタ26以外にも、種々の色で点灯又は点滅するLED報知部27や装置本体14内に設けられる図示しないスピーカ等が含まれる。
操作ボタン群28は、例えば、電源ボタン28a、上移動ボタン28b、下移動ボタン28c、左移動ボタン28d、右移動ボタン28e、選択ボタン28f、データ読取ボタン28g等を含む。各移動ボタン28b〜28eは、モニタ26に表示される項目に対し選択枠(不図示)を移動させる、或いは操作に伴い画面をスクロールさせる機能を有する。選択ボタン28fは、ユーザの押圧操作に伴い、モニタ26上において選択枠が位置する項目の機能を選択する、又は選択を解除して選択前の画面に戻る等の機能を有する。データ読取ボタン28gは、モニタ26と被装着部22との間に設けられ、バーコードリーダ30の読み取りを操作する。
バーコードリーダ30は、図示しないバーコードをレーザスキャンによって読み取る。読み取られるバーコードは、患者、医療従事者、チップ12の包装体、後記の点検液の容器等に予め装着又は貼り付けられている。血糖計10は、それぞれのバーコードを読み取ることで、患者識別データ、計測者識別データ、チップ識別データ及び点検液識別データ等を取得して、所定のデータベース(制御回路34のメモリ)に保存する。
また、装置本体14の内部には、検出部32及び制御回路34が設けられる。検出部32は、図示しない発光素子及び受光素子を有し、試験紙内で拡がった血液に対し発光素子から照射光を照射して、その反射光を受光素子により検出する光学系測定器として構成されている。検出部32により検出した反射光の検出値は、A/D変換や増幅等の処理がなされて制御回路34に送信される。
なお、本実施形態では、血液中の血糖値を光学的に検出する比色式の血糖計10を例に説明するが、本発明は、他の測定方式の血糖計にも適用し得ることは勿論である。例えば、他の血糖計としては、電極の周辺に試薬を塗布して血液導入に伴う電気的変化、つまり検出電極と対極の間に生じた電流を検出する電極式の装置があげられる。
制御回路34は、図示しないプロセッサ、メモリ及び入出力インタフェースを有するコンピュータ(制御部)として構成され、血糖計10による血糖値の測定を制御する機能を有している。プロセッサは、メモリに記憶された制御プログラム(不図示)を実行処理することで、図2に示すように血糖値を測定する機能ブロック部を構築する。具体的には、制御回路34内には、血糖値測定制御部40、衝撃判定処理部50及び点検制御部60が設けられる。
血糖値測定制御部40は、血糖値を測定する際の装置本体14の動作を制御する機能部であり、その内部には、測定案内部42、検出部制御部44及び測定値処理部46が形成されている。また、血糖値測定制御部40には、血糖値の測定に必要な情報、測定した血糖値及び他の測定情報を記憶する血糖値測定記憶部48(メモリの記憶領域)が設けられている。
測定案内部42は、血糖値の測定時に、報知部25を利用して血糖値の測定手順を案内する。例えば、測定案内部42は、装置本体14にチップ12を装着するように指示し、チップ12の装着を検出すると、ノズル16の先端開口に患者の血液を点着するように要求する。また血糖値の測定後は、イジェクタ24の操作によりチップ12を取り外すように促す。
検出部制御部44は、測定案内部42によるチップ12の装着案内や血液の点着案内に伴い検出部32の動作を制御する。これにより検出部32は、試験紙の血液に対し光学的測定を行い、検出した検出信号(血糖値の情報)を制御回路34に出力する。
測定値処理部46は、検出部32が検出した検出値(色濃度)に基づき血糖値を算出する。この際、測定値処理部46は、グルコース濃度値に近い計算値となるように、血液濃度(ヘマトクリット値)、測定温度、試験紙ロット、患者の服用薬等を考慮した補正を行う。そして、測定値処理部46は、算出した血糖値を測定日時、患者識別データ等に紐付けて血糖値測定記憶部48に記憶し、さらにこの血糖値をモニタ26に表示する。
また、血糖値測定制御部40は、装置本体14の起動状態で、血糖値測定記憶部48の血糖値測定許可フラグ49を定常的に監視している。血糖値測定許可フラグ49は、例えば、点検制御部60や外部の管理装置82の指示に基づきレジスタ内の状態(0又は1)が変更される。血糖値測定制御部40は、血糖値測定許可フラグ49が1の場合に血糖値の測定を許容する一方で、血糖値測定許可フラグ49が0の場合に血糖値の測定を禁止する。なお報知部25は、禁止時に、測定禁止の状況や原因等を報知するとよい。
例えば、ユーザ等が装置本体14を誤って床に落とすことで大きな衝撃力を受けた場合には、血糖計10の測定精度が低下するおそれがある。従って、血糖計10(制御回路34)は、衝撃に基づく点検(測定精度を確認するQC点検)を実施するまで血糖値の測定を禁止することが好ましい。これにより、測定精度を担保できない状態での血糖値の測定を抑止することができる。そのため、衝撃判定処理部50は、血糖計10に設けられたショックセンサ52(衝撃力検出部)の信号を受信して、血糖計10にかかる衝撃力を判定処理する機能を有している。
ショックセンサ52は、装置本体14が受ける衝撃力を検出する検出機器であり、例えばMEMS(微小電子機械システム)技術を利用した加速度センサを適用することができる。詳細には、ショックセンサ52は、圧電セラミックスの梁にかかる加速度に比例した電荷を発生し、この電荷を電圧に変換及び増幅してさらにデジタル変換することで衝撃力の検出値とし、制御回路34に出力する。なお、ショックセンサ52は、上記構造に限らず、適宜のものを採用してよい。
衝撃判定処理部50は、衝撃力閾値Thsを記憶した衝撃判定記憶部54(メモリの記憶領域)を有し、ショックセンサ52が検出した信号と衝撃力閾値Thsとの比較を行う。例えば、1mの落下高さから装置本体14を落下させた場合の衝撃力の範囲は151〜90[G]程度であり、衝撃力閾値Thsは、最小値の90[G]に設定するとよい。なお、落下時に装置本体14に加わる衝撃力は装置本体14の重量等により変化するので、衝撃力閾値Thsは、装置本体14の設計に応じて適宜の値であるとよい。
衝撃判定処理部50は、衝撃力の検出値が衝撃力閾値Thsよりも大きい場合に、QC点検が必要であると判定し、衝撃力フラグ55を立てる(フラグレジスタを0から1とする)。逆に、衝撃力の検出値が衝撃力閾値Ths以下の場合には、衝撃力フラグ55を倒したままとし、QC点検の不要を判定する。なお、ショックセンサ52及び衝撃判定処理部50は、血糖計10の電源がオフのときでも微量の電力供給を受ける待機状態となっており、衝撃を検知するように構成されている。
一方、制御回路34の点検制御部60は、血糖値の測定精度を確認するQC点検の実施及び管理を行う。血糖計10は、上述したように、大きな衝撃力を受けた場合にQC点検(以下、衝撃時点検ともいう)を実施させると共に、大きな衝撃力を受けていない通常状態でも、QC点検(以下、通常時点検ともいう)を定期的に促すように構成されている。これにより通常時でも、血糖値の測定精度が維持される。
このため、点検制御部60は、点検実施時制御部62、インターバル設定部64及び点検報知部66を有している。また、点検制御部60内には、QC点検に用いられる各種パラメータ、QC点検により測定された点検値及び点検に関わる他の情報等を記憶するためのQC点検記憶部68(メモリの記憶領域)が設けられている。
点検実施時制御部62は、QC点検を実際に行う際の制御を担当する機能部であり、その内部には点検案内部72、検出部制御部74及び点検値処理部76が設けられている。血糖計10のQC点検の内容としては、点検用に提供されている図示しないコントロール液(点検液)を使用して、血糖値の測定と同様の測定を行う方法があげられる。通常時点検と衝撃時点検は、QC点検の実施を促すタイミングや血糖値の測定禁止等の条件が異なり、点検実施時制御部62が実際に行うQC点検では基本的に同一の処理を行う。また点検液は、糖分の濃度が異なるものが複数種類(例えば、低濃度用、標準用、高濃度用)用意されて、ユーザにより適当なものが選択される。
点検案内部72は、ユーザによる操作ボタン群28の操作において、QC点検の実施が選択されることをトリガに、モニタ26又は図示しないスピーカを介してQC点検の手順を案内する。例えば、点検案内部72は、装置本体14にチップ12を装着するように指示し、チップ12の装着を検出すると、ノズル16の先端開口に点検液を点着するように要求する。この案内に応じて、ユーザは点検液を点着することになり、ノズル16の先端開口に取り込まれた点検液がチップ12内を移動して試験紙において拡がる。また点検案内部72は、QC点検後、イジェクタ24の操作によりチップ12を取り外すように促す。
検出部制御部74は、点検案内部72の点着案内に伴って、検出部32を駆動する。すなわち、発光素子により照射光を照射して、試験紙を反射した反射光を受光して検出値(点検液中の糖分濃度情報)を制御回路34に出力する。
そして、点検値処理部76は、検出値に対して所定の演算を実施して点検値を算出し、この点検値を、QC点検記憶部68に記憶すると共に、モニタ26に表示する。点検値処理部76の内部には、点検値(つまり、QC点検)の合否を判定するQC点検判定部78と、点検値及びQC点検の合否等を表示する結果生成部80とが設けられている。
QC点検判定部78は、点検値の判定時に、QC点検記憶部68に予め記憶されている点検液の合格許容範囲78aを読み出して、算出された点検値が合格許容範囲78aにあるか否かを判定する。
ここで、点検値は、装置本体14が検出した点検液中の糖分濃度を表す数値として算出されるため、図3に示すように、合格許容範囲78aも、点検液の濃度に応じた数値範囲の情報として記憶される。例えば、合格許容範囲78aは、点検液の濃度毎に、中央値を有すると共にこの中央値を基準にプラスマイナス所定の割合(%)を上限値及び下限値としている。つまり、点検値が上限値と下限値の間にある場合には、装置本体14の測定精度が保たれていると見なすことができ、点検値が上限値を上回る又は下限値を下回る場合には、装置本体14の測定精度が低下していると見なすことができる。また、この合格許容範囲78aを複数段階に分けて設定してもよく、合格範囲のうち中央値に近い段階ではより高い精度の測定が行われると判断でき、中央値から離れた段階では、合格ではあるが注意の必要な段階であると判定できる。このように複数段階で判断することで、合格範囲であって測定値に現状で問題はなくとも、管理上は優先的にQC点検を実施するべき機器であることを測定者や管理者に知らせることもできる。
なお、点検実施時制御部62は、QC点検判定部78がQC点検の不合格を判定した場合に、報知部25を介して必要な対応を講じるように促すとよい。この場合の必要な対応とは、QC点検を再度実施する、装置本体14のメンテナンスを促す、メーカへの問い合わせを促す等があげられる。またQC点検不合格の場合には、血糖値測定許可フラグ49を倒す(0とする)ことで、血糖値の測定を禁止してもよい。
また、点検値処理部76は、通常時点検と衝撃時点検とで異なる処理を行ってもよい。例えば、通常時点検と衝撃時点検とで互いに異なる合格許容範囲78aを設定することも可能であり、より範囲が狭い合格許容範囲78aをセットすれば、点検精度を厳しくすることができる。或いは、衝撃時点検では過去の点検値からの変化(偏差)を算出して、点検値の変化を見るようにしてもよい。
図2に戻り、結果生成部80は、QC点検の結果(算出された点検値及び合否の情報)をモニタ26に表示するための表示情報を生成する。これによりユーザは、QC点検の結果を直ちに認識することができる。なお、結果生成部80は、生成する表示情報を通常時点検と衝撃時点検とで異なる表示としてもよい。
インターバル設定部64は、今回のQC点検から次回のQC点検を実施するまでの期間(インターバル)を設定する機能部である。QC点検記憶部68には、複数のインターバル(通常時インターバルUI、衝撃時インターバルSI)が記憶されており、インターバル設定部64は、衝撃力フラグ55の状態に基づき適宜のインターバルを読み出す。詳細には、衝撃力フラグ55が0の場合に通常時インターバルUIを読み出し、衝撃力フラグ55が1の場合に衝撃時インターバルSIを読み出す。
通常時インターバルUIは、通常時点検を実施するタイミングを示す情報であり、血糖計10を使用する医療施設のユーザ等が初期設定において適宜設定するとよい。通常時インターバルUIとしては、医療施設やユーザの方針等にも依るが、例えば1ヶ月、2週間、10日等に設定される。或いは、通常時点検は、チップ12のロットが切り替わるタイミング、測定結果に測定不良の疑いがある場合、装置本体14の清掃を実施したタイミング等で行われてもよい。
一方、衝撃時インターバルSIは、衝撃時点検を実施するタイミングを示す情報であり、通常時インターバルUIよりも短く設定される。例えば、衝撃時インターバルSIは、通常時インターバルUIの3/4以下に設定されるとよく、より好ましくは1/2以下であるとよい。衝撃時インターバルSIは、初期設定時に通常時インターバルUIが設定された状態で、制御回路34が通常時インターバルUIよりも短い期間になるようにガイドすることで、医療施設のユーザ等により設定される。また、衝撃時インターバルSIの設定は、受けた衝撃力の大きさに応じて複数設けられていてもよく、ショックセンサ52の受けた衝撃力の大きさが120[G]より大きい場合はより短い衝撃時インターバルSIに設定され、衝撃力閾値100[G]以下の場合には比較的長い衝撃時インターバルSIに設定することも可能である。
通常時インターバルUIや衝撃時インターバルSIは、血糖計10の初期設定時に、操作ボタン群28又は管理装置82の操作下に変更される。なお、通常時インターバルUI又は衝撃時インターバルSIは、血糖計10の製品提供時に予め設定されていてもよい。
また、点検報知部66は、QC点検の実施をユーザに報知する機能部である。点検報知部66は、内部に図示しないタイマを有し、インターバル設定部64がセットしたインターバル(通常時インターバルUI又は衝撃時インターバルSI)の時間を計測する。この際、点検報知部66は、インターバルの時間計測の情報をモニタ26に適宜表示して、次のQC点検までの期間をユーザに報知する。時間計測の情報は、QC点検の期限を示すと共に、期限に対する残時間(残日数)を示すとよい。これによりユーザに、次のQC点検の実施の必要性を認識させることができ、ユーザは、適切なタイミングでQC点検を実施する。
また、点検報知部66は、時間計測により次のQC点検(通常時点検、衝撃時点検)を過ぎると、タイムアウトフラグ70を立てて(0から1とし)、QC点検をより強く促す報知を行う、例えば「点検を実施して下さい」との表示やアラートを報知することが好ましい。
なお、点検実施時制御部62は、通常時インターバルUIを越えてもQC点検が実施されず、その状態で血糖値の測定がなされた場合に、測定した血糖値にタイムアウトフラグ70を付し、表示する血糖値に精度が不充分である旨の表示を行うとよい。また血糖値を記憶する場合にも、タイムアウトフラグ70を血糖値に紐付けて記憶する等の措置をとるとよい。さらに、点検実施時制御部62は、衝撃時インターバルSIを越えてもQC点検が実施されない場合には、装置本体14による血糖値の測定を禁止するとよい。これにより、QC点検の合格によって値の正確性の根拠が明確である測定値と、正確性の根拠が不充分な測定値を見分けることが可能になる。
本実施形態に係る血糖計10は、基本的には以上のように構成されるものであり、以下、その処理フロー(血糖計10の点検実施方法)及び効果について説明する。
血糖計10は、開梱時に電源を入れると、初期設定を行うように動作し、さらにQC点検(通常時点検)を実施するようにユーザに促す。この際、点検制御部60は、血糖値測定許可フラグ49を倒す(0とする)ことで、QC点検の実施まで血糖値の測定を禁止する。これにより医療施設のユーザは、血糖計10による血糖値の測定前にQC点検を行うことになり、点検制御部60はQC点検の合格に基づき血糖値測定許可フラグ49を立てる。その結果、血糖計10は、血糖値の測定禁止が解除されて医療施設内での使用が可能となる。なお、初期設定のQC点検が不合格の場合に、点検制御部60は、QC点検の再実施や他の校正処理の実施、或いはメーカへの問い合わせ等を報知するとよい。
また、インターバル設定部64は、QC点検の実施終了後の時刻に、衝撃力フラグ55が0となっていることに基づき通常時インターバルUIを設定する。これにより、点検報知部66は、通常時インターバルUIに基づく時間計測を開始する。医療施設の血糖計10は、不使用時に、適宜の保管場所に保管されつつ充電がなされている。そして、ユーザの必要に応じて持ち出されて、患者の血糖値の測定に使用される。なお、血糖計10の点検報知部66は、保管中も時間計測を実施している。
図4に示すように、初期設定が終了した血糖計10は、通常時処理フローを実施する。この際、血糖値測定制御部40は、ユーザによる血糖値の測定操作を継続的に判定している(ステップS10)。そして、血糖値の測定操作を判定した場合に、血糖値測定制御部40は、検出部32の動作を制御して患者の血糖値の測定を行う(ステップS11)。
ステップS11の後、測定値処理部46は、通常時インターバルUIのタイムアウトフラグ70が0か1かを判定し(ステップS12)、タイムアウトフラグ70が0の場合にステップS13に進み、タイムアウトフラグ70が1の場合にステップS14に進む。ステップS13において、測定値処理部46は、測定した血糖値について、測定日時、患者の情報等と紐付けて、血糖値測定記憶部48に記憶し、またこれらの情報をモニタ26に表示する。一方、ステップS14において、測定値処理部46は、測定した血糖値に測定日時、患者の情報等を紐付け、さらにQC点検が非実施である旨の情報を付加して、血糖値測定記憶部48に記憶し、またこれらの情報をモニタ26に表示する。
ここで、血糖計10は、通常時インターバルUI中に、ショックセンサ52により装置本体14にかかる衝撃力を継続的に検出している(検出工程)。衝撃判定処理部50は、このショックセンサ52から送信される信号(検出値)が衝撃力閾値Thsを越えた、つまり大きな衝撃力を検出したか否かを判定している(ステップS15)。そして、衝撃力が衝撃力閾値Ths以下の場合には衝撃力フラグ55を倒したままステップS16に進む。その一方で、衝撃力が衝撃力閾値Thsを越えた場合には、衝撃力フラグ55を立てる。これにより点検実施時制御部62は、後述する衝撃時処理フロー(サブルーチン)に移行する。
また、点検実施時制御部62は、衝撃力フラグ55が0の状態でも、通常時インターバルUI中にユーザによるQC点検の実施操作を継続的に判定している(ステップS16:点検工程)。そして、ユーザによりQC点検の実施操作がなされてQC点検を合格した場合に、インターバル設定部64は通常時インターバルUIを再びセットし、点検報知部66は、この通常時インターバルUIに基づく時間計測を再び開始する(ステップS17:点検工程)。この際、タイムアウトフラグ70が1の場合には、点検制御部60は、タイムアウトフラグ70をリセットする(1から0とする)。なお、QC点検が不合格の場合には、ステップS16を繰り返す、又は他の校正処理の実施、或いはメーカへの問い合わせ等を報知するとよい。
さらに、点検報知部66は、計測している時間が通常時インターバルUIを過ぎたか否かを判定している(ステップS18)。そして、通常時インターバルUIを過ぎていない場合に、今回の通常時処理フローを終了して、ステップS10からの処理を再び繰り返す。
一方、通常時インターバルUIを過ぎた場合には、ステップS19に進み、タイムアウトフラグ70を立てる。また、点検報知部66は、通常時インターバルUIの経過に基づき、血糖計10のモニタ26にQC点検の実施を強く促す処理を行う。
制御回路34は、このステップS19の後に今回の通常時処理フローを終了し、再びステップS10からの処理を繰り返す。すなわち、血糖計10は、この通常時処理フローをループすることで、血糖値の測定管理、衝撃力の検出及びQC点検の管理を継続する。
そして、ステップS15において衝撃時処理フローが判定された場合には、制御回路34は、図5に示す処理フローを実施する。この場合、点検制御部60は、初期の衝撃時点検である又はタイムアウトフラグ70が立っていることに基づき、血糖値の測定を禁止する一方で、QC点検(衝撃時点検)を実施するようにユーザに促す(ステップS20)。これにより、医療施設のユーザは、QC点検を強制的に実施することになる。
点検制御部60は、衝撃力フラグ55が立った状態においてQC点検実施、及び点検が合格か否かを判定し(ステップS21)、QC点検を合格した場合に血糖値の測定禁止を解除して、血糖値を測定可能とする(ステップS22)。そしてQC点検が不合格の場合には、ステップS21に戻りQC点検を繰り返させる。なお、QC点検が複数回不合格の場合には、メーカへの問い合わせ等を案内するとよい。この時、血糖値測定を禁止することで異常状態での使用を防止することができる。
また、インターバル設定部64は、衝撃力フラグ55が1となっていることに基づき、QC点検の実施時点に対し衝撃時インターバルSIをセットし、点検報知部66は、この衝撃時インターバルSIに基づく時間計測を行う(ステップS23)。
血糖計10は、衝撃時インターバルSIの時間計測中(衝撃力フラグ55が1の間)も、血糖値測定制御部40において、ユーザによる血糖値の測定操作を継続的に判定している(ステップS24)。そして、血糖値の測定操作を判定した場合に、血糖値測定制御部40は、検出部32の動作を制御して患者の血糖値を測定する(ステップS25)。この際、測定値処理部46は、測定した血糖値に測定日時、患者の情報等を紐付け、さらに衝撃力検出後を示す旨の情報を付加して、血糖値測定記憶部48に記憶する(ステップS26)。また結果生成部80がモニタ26にこれらの情報を表示する。
ステップS24でNOの場合又はステップS26の後、点検制御部60は、衝撃力フラグ55が1か0か、換言すれば通常時処理フローへの復帰操作があったか否かを判定する(ステップS27)。通常時処理フローへの移行は、例えば、管理装置82に血糖計10を接続して、管理装置82により管理者権限において衝撃力フラグ55をリセット操作する(0とする)ことで実施される。なお、血糖計10は、衝撃力フラグ55が1の状態を他の方法で変更してもよい。一例として、血糖計10は、衝撃時点検を所定回数(例えば、3回)実施して合格した場合に、衝撃力フラグ55を自動的にリセットしてもよい。また他の例として、血糖計10は、衝撃時点検の開始日時から所定期間(例えば、2ヶ月)の経過後に実施する衝撃時点検が合格の場合に、衝撃力フラグ55を自動的にリセットしてもよい。
ステップS27において、衝撃力フラグ55が0であることを判定した場合には、衝撃時処理フローを終了して通常時処理フローに戻る。この際、インターバル設定部64は、最後に実施したQC点検(衝撃時点検)の時点に対して、通常時インターバルUIに設定して次のQC点検の実施タイミングを設定するとよい。
さらに、血糖計10は、衝撃時インターバルSI中にユーザによるQC点検の実施操作を継続的に判定している(ステップS28:点検工程)。そして、ユーザによりQC点検の実施操作がなされてQC点検を合格した場合に、インターバル設定部64は衝撃時インターバルSIを再びセットし、点検報知部66は、この衝撃時インターバルSIに基づく時間計測を再び開始する(ステップS29:点検工程)。
またさらに、点検報知部66は、計測している時間が衝撃時インターバルSIを過ぎたか否かを判定している(ステップS30)。そして、衝撃時インターバルSIを過ぎていない場合に、ステップS24に戻って処理を繰り返す。
一方、衝撃時インターバルSIを過ぎた場合には、タイムアウトフラグ70を立てて(0から1として)、血糖計10のモニタ26にQC点検の実施を促す処理を行う(ステップS31)。そして、今回の処理フローを終了して、再びステップS20からの処理を繰り返す。すなわち、衝撃力フラグ55が1の状態では、衝撃時点検の実施タイミングを過ぎた場合に、血糖値の測定を禁止する処理(ステップS20〜S23の処理)を行う。これにより、衝撃時点検を確実に実施させることができ、衝撃を受けた後の血糖計10の挙動を確実に監視することが可能となる。
なお、血糖計10の点検実施方法は、上記の処理フローに限定されないことは勿論である。例えば、血糖計10は、大きな衝撃力を検出した直後に、衝撃時点検を実施せずにそのまま通常時インターバルUIの時間計測を継続し、通常時点検の実施に伴い衝撃時インターバルSIをセットする構成でもよい。この場合、大きな衝撃力を検出した直後から通常時点検を実施するまでの間に血糖値の測定を行った際には、大きな衝撃力を受けた状態で測定した旨の情報を血糖値に付加して報知又は記憶するとよい。また、血糖計10は、大きな衝撃力を検出した直後にQC点検を省略して即座に測定値を得られる設定であってもよく、衝撃力検出後情報を付加して血糖値を保存しつつ、衝撃時インターバルSIへ自動設定されてもよい。これにより、QC点検を実施できない状況であっても衝撃の履歴と共に結果が記憶できるという効果があり、状況に応じて使い分けることができる。
以上のように、本実施形態に係る血糖計10及び血糖計10の点検実施方法は、ショックセンサ52により装置本体14にかかる衝撃力を検出し、衝撃判定処理部50により衝撃力が衝撃時点検を必要とするか否かを判定する。よって大きな衝撃力を受けた後にユーザにQC点検を実施させることができる。特に、QC点検を実施した場合に、点検制御部60が衝撃時インターバルSIをセットして時間計測を行いQC点検の実施を再び促すので、衝撃時からある程度時間経過した後に、QC点検をユーザに再び実施させることができる。従って、衝撃により電子回路の端子や配線の損傷等が進行して測定精度が低下する不都合を抑制することが可能となる。その結果、血糖計10は、成分測定の精度を良好に維持することができる。
また、血糖計10は、通常時インターバルUIに応じて通常時点検の実施を促すことで、通常状態でも、測定精度を安定的に維持することができる。これに加えて、血糖計10は、通常時インターバルUIよりも短期間に衝撃時点検を実施させることで、いつ起こるか分からない測定精度の低下を早期に認識することができる。
さらに、血糖計10は、衝撃力を受けた状態で血糖値を測定した旨の情報を測定結果に付加することで、血糖値の測定精度が低い可能性があることをユーザに知らせることができる。これによりユーザは、血糖値の測定結果をより適切に取り扱うことが可能となる。またさらに、点検制御部60は、衝撃力フラグ55が1の状態を管理装置82の指示に基づきリセットすることで、装置自体の操作で状態が変更されることが防止される。従って、血糖計10が大きな衝撃力を受けた後、血糖値の測定に問題ないことが確実に分かった段階で、管理装置82によって通常状態に戻すことができる。
さらにまた、血糖計10は、大きな衝撃力を受けた場合、時間の経過に伴い成分測定の精度が低下していくことがあり、衝撃時インターバルSIを経過すると測定精度を充分に担保することが難しくなる。そのため、点検制御部60は、衝撃時点検を実施するまで、血糖値の測定を禁止することで、精度が低い状態での測定を抑止することができる。
なお、本発明は、POCT器、特に血液中のグルコース濃度を測定する血糖計10を中心に記述したが、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能なことは言うまでもない。医療現場で対象となる試料液としては、血液、尿、間質液、唾液等、実質的に生体から得られるサンプルの溶液が適応され、これは原液であっても化学処理等を行った実験生成物であってもよい。測定対象物としては、糖類、乳酸、各種コレステロール、核酸、抗体、抗原、蛋白質、ホルモン、菌、酵素、薬物、構成物質、医療生成物、組織マーカー、代謝物、化学物質等、サンプル中の発現、定量へ適応可能である。成分測定装置は、測定対象が1種限定のPOCT器に限らず、他項目同時測定を実施可能なPOCT器、及び大型検査装置、或いは、排水や工業用試料等の成分測定を行う成分測定装置に適用することもできる。さらに、簡易型測定装置としては、血液中のグルコース成分の成分量を測定する血糖計10(自己血糖測定用のSMBG器)だけでなく、液体中の所定成分の成分量を測定する種々の装置に適用することができる。また、成分測定装置は、成分量の検出時に光学的手段による検出に限定されず、例えば、電気的手段又は磁気的手段、抗体反応による手段によって成分量の検出値を得てもよい。その一例として、酵素電極法を適用した血糖値測定装置、尿の成分(ケトン体等)の測定する成分測定装置があげられる。また、計算誤差要因に対する補正に関しては、ヘマトクリット値に対する補正計算過程を挙げたが、他の要因であってもよく、複数項目同時測定器の場合には同時測定を行った他項目であってもよい。
10…血糖計 14…装置本体
25…報知部 26…モニタ
28…操作ボタン群 34…制御回路
40…血糖値測定制御部 50…衝撃判定処理部
52…ショックセンサ 55…衝撃力フラグ
60…点検制御部 62…点検実施時制御部
64…インターバル設定部 66…点検報知部
70…タイムアウトフラグ 82…管理装置
SI…衝撃時インターバル UI…通常時インターバル

Claims (8)

  1. 液体中の成分の成分量を測定する成分測定装置であって、
    前記成分測定装置の測定精度の点検を制御する点検制御部と、
    前記成分測定装置にかかる衝撃力を検出する衝撃力検出部と、を備え、
    前記点検制御部は、
    前記衝撃力検出部が大きな衝撃力を検出していない場合、前記点検の実施に伴い通常時インターバルをセットして時間計測を行い、この時間計測に基づき次の点検の必要性を報知し、
    前記衝撃力検出部が大きな衝撃力を検出した後の場合、前記点検の実施に伴い前記通常時インターバルよりも短い衝撃時インターバルをセットして時間計測を行い、この時間計測に基づき次の点検の必要性を報知する
    ことを特徴とする成分測定装置。
  2. 請求項1記載の成分測定装置において、
    前記点検は、前記衝撃力検出部が大きな衝撃力を検出していない状態で行う通常時点検と、前記衝撃力検出部が大きな衝撃力を検出した後に行う衝撃時点検と、を含み、
    前記点検制御部は、前記衝撃力検出部が大きな衝撃力を検出した直後に前記衝撃時点検を実施した場合に、前記衝撃時インターバルをセットする
    ことを特徴とする成分測定装置。
  3. 請求項2記載の成分測定装置において、
    前記衝撃力に基づいて前記衝撃時点検の必要性を判定する衝撃判定処理部を備え、
    前記点検制御部は、前記衝撃判定処理部により前記衝撃時点検が必要と判定された際に、前記衝撃時点検を実施するまで前記成分量の測定を禁止する
    ことを特徴とする成分測定装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の成分測定装置において、
    前記点検制御部は、前記衝撃時インターバルの時間計測中に前記成分量を測定した場合に、衝撃力を受けた状態で成分量を測定した旨の情報を測定結果に付加して報知又は記憶部に記憶する
    ことを特徴とする成分測定装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の成分測定装置において、
    前記点検制御部は、前記衝撃時インターバルがセットされる状態を、前記成分測定装置に情報通信可能に接続される管理装置の指示に基づき解除する
    ことを特徴とする成分測定装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の成分測定装置において、
    前記点検制御部は、前記時間計測が前記衝撃時インターバルを経過した際に、前記成分量の測定を禁止する
    ことを特徴とする成分測定装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の成分測定装置において、
    前記成分測定装置は、血液中のグルコースの成分量を測定する血糖計である
    ことを特徴とする成分測定装置。
  8. 液体中の成分の成分量を測定する成分測定装置の点検実施方法であって、
    当該成分測定装置の測定精度を点検する点検工程と、
    前記成分測定装置にかかる衝撃力を検出する検出工程と、を有し、
    前記点検工程では、
    前記検出工程で大きな衝撃力を検出していない場合、前記点検の実施に伴い通常時インターバルをセットして時間計測を行い、前記時間計測に基づき次の点検の必要性を報知し、
    前記検出工程で大きな衝撃力を検出した後の場合、前記点検の実施に伴い前記通常時インターバルよりも短い衝撃時インターバルをセットして時間計測を行い、前記時間計測に基づき次の点検の必要性を報知する
    ことを特徴とする成分測定装置の点検実施方法。
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