JP2018132300A - 電流計測システム、及び分電盤 - Google Patents

電流計測システム、及び分電盤 Download PDF

Info

Publication number
JP2018132300A
JP2018132300A JP2017023747A JP2017023747A JP2018132300A JP 2018132300 A JP2018132300 A JP 2018132300A JP 2017023747 A JP2017023747 A JP 2017023747A JP 2017023747 A JP2017023747 A JP 2017023747A JP 2018132300 A JP2018132300 A JP 2018132300A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
current
core
storage element
coil
measurement system
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017023747A
Other languages
English (en)
Inventor
幸太郎 百枝
Kotaro Momoe
幸太郎 百枝
佐藤 昌弘
Masahiro Sato
昌弘 佐藤
卓也 香川
Takuya Kagawa
卓也 香川
岡田 健治
Kenji Okada
健治 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2017023747A priority Critical patent/JP2018132300A/ja
Publication of JP2018132300A publication Critical patent/JP2018132300A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Instrument Details And Bridges, And Automatic Balancing Devices (AREA)
  • Measurement Of Current Or Voltage (AREA)
  • Distribution Board (AREA)

Abstract

【課題】磁化されたコアを消磁することができる電流計測システム、及び分電盤を提供する。
【解決手段】電流計測システム2は、交流の一次電流が流れる導電部材(導電バー84)を通すための貫通孔500を有するコア50と、コア50に巻回されるコイル60と、負担抵抗101を含み、第1及び第2端901,902を有し、第1及び第2端901,902が他の抵抗素子を介さずにコイル60の両端にそれぞれ接続されている二次側回路90と、負担抵抗101の両端間に生じる検出電圧に基づいて一次電流を測定する測定部102と、を備える。二次側回路90において、負担抵抗101は、他の抵抗素子と直列に接続されることなく第1及び第2端901,902間に接続される。二次側回路90は、二次側回路90における第1及び第2端901,902間に蓄電素子4を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電流計測システム、及び分電盤に関し、特に、電流が流れる導電部材を通すための貫通孔を有するコアを備えた電流計測システム、及びこの電流計測システムを備えた分電盤に関する。
従来、主幹ブレーカと、分岐ブレーカと、端子台と、をキャビネット(筐体)に収納した分電盤が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特許文献1に記載された分電盤では、端子台は、1次端子と、2次端子と、1次端子と2次端子とを電気的に接続する導電ブロックと、導電ブロックに流れる電流を測定するカレントトランスとから構成される。この端子台は、1次端子又は2次端子に対して、電流測定の対象となる分岐ブレーカ又は主幹ブレーカが接続されることにより、導電ブロックに流れる電流(主幹電流又は分岐電流)をカレントトランスで測定する。
特開2011−36034号公報
カレントトランスでは、導電ブロック(導電部材)に短絡電流等の大電流が流れた場合に、カレントトランスの磁心(コア)が着磁されて磁化する可能性があり、コアが磁化すると以降の電流検出において正確な検出が行えなくなる可能性がある。
本発明は上記課題に鑑みてなされ、磁化されたコアを消磁することが可能な電流計測システム、及びこれを備えた分電盤を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る電流計測システムは、交流の一次電流が流れる導電部材を通すための貫通孔を有するコアと、前記コアに巻回されるコイルと、第1及び第2端を有し、負担抵抗を介して前記第1及び第2端が前記コイルの両端にそれぞれ接続される二次側回路と、前記負担抵抗の両端間に生じる検出電圧に基づいて前記一次電流を測定する測定部とを備え、前記二次側回路は、前記第1及び第2端間に接続される蓄電素子を備える。
また、本発明の別の態様に係る電流計測システムは、交流の一次電流が流れる導電部材を通すための貫通孔を有するコアと、前記コアに巻回されるコイルと、第1及び第2端を有し、負担抵抗を介して前記第1及び第2端が前記コイルの両端にそれぞれ接続される二次側回路と、前記負担抵抗の両端間に生じる検出電圧に基づいて前記一次電流を測定する測定部とを備え、前記コイルとの間で共振電流を発生させるための蓄電素子を備えた外部電源装置を接続するための外部電源接続端を設える。
本発明の一態様に係る分電盤は、前記電流計測システムと、前記導電部材と、少なくとも前記導電部材を収納するキャビネットと、を備える。
本発明は、磁化されたコアを消磁することが可能な電流計測システム、及びこれを備え
た分電盤を提供できるという利点がある。
図1は、第一の実施形態に係る電流計測システムの概略構成図である。 図2は、同上の電流計測システム及び分電盤の正面図である。 図3は、同上の電流計測システム及び分電盤の構成を示すブロック図である。 図4は、同上の電流計測システムが備えるカレントトランス、及び導電部材を示す斜視図である。 図5は、カレントトランスのコアにかかる磁界と、コア内に生じる磁束密度との関係を説明するためのコアのB−H曲線図である。 図6は、共振電流の時間変化を示した図である。 図7は、カレントトランスのコアにかかる磁界と、コア内に生じる磁束密度との関係を説明するためのコアのB−H曲線図である。 図8は、第二の実施形に係る電流計測システムの概略構成図である。
以下に説明する実施形態は、本発明の種々の実施形態の一つに過ぎない。本発明の実施形態は、下記実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外も含み得る。また、下記の実施形態は、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(1)第一の実施形態
以下、第一の実施形態に係る電流計測システム2、及びそれを備えた分電盤1について、図1〜図4に基づいて説明する。
本実施形態の電流計測システム2は、需要家施設において消費電力と消費電力量との少なくとも一方を計測するための電力計測システムに用いられる。電流計測システム2は、分電盤1内の導電バー84(後述する)を流れる電流(一次電流)を計測する。電力計測システムは、電流計測システム2で計測された一次電流と、2本の電力線81(後述する)の線間電圧と、に基づいて、消費電力と消費電力量との少なくとも一方を求める演算を行う。ここでいう「需要家施設」は、電力の需要家の施設を意味しており、電力会社等の電気事業者から電力の供給を受ける施設だけでなく、太陽光発電設備等の自家発電設備から電力の供給を受ける施設も含む。本実施形態では、店舗や事務所等の非住宅施設を需要家施設の一例として説明する。ただし、この例に限らず、需要家施設は集合住宅や戸建て住宅、集合住宅の各住戸等であってもよい。
(1.1)分電盤
ここではまず、電流計測システム2を備えた分電盤1の基本構成について、図2を参照して説明する。本実施形態では、交流100〔V〕/200〔V〕を取り出し可能な単相三線式配線の分電盤1を例に説明する。
分電盤1はキャビネット70を備える。分電盤1は、主幹ブレーカ10と、複数個(図2の例では18個)の分岐ブレーカ(回路遮断器)20と、3個の導電バー84と、少なくとも1個(図2の例では3個)の電流センサ30とを、キャビネット70内に備えている。以下では、分電盤1が設置された状態における上下、左右、前後(図2等に矢印で示した上下、左右、前後)を上下、左右、前後として説明する。この場合において、前後方向を、導電バー84の厚み方向である「第1方向」と規定する。また、左右方向を、第1方向に直交する「第2方向」と規定する。ただし、分電盤1及び電流センサ30の取付方向は、図2の矢印で示す方向に限定されない。各図において、上下、左右、前後を付した
矢印は、方向を示すための矢印であって実体は伴わない。
キャビネット70は、前面に開口71を有する箱状に形成されている。キャビネット70は、正面視が(前方から見て)上下方向に長い矩形状に形成されている。キャビネット70の底板72の左右両側には、それぞれ、上下方向に延びるレール部材73が設置されている。一対のレール部材73には、第1取付板74及び第2取付板75が固定されている。第1取付板74及び第2取付板75の各々は、一対のレール部材73間に架け渡されるように設置されている。第1取付板74は第2取付板75の上方に配置されている。第2取付板75の前面には、合成樹脂製の取付ベース76が固定されている。
主幹ブレーカ10は、第1取付板74の前面に取り付けられることで、キャビネット70に収納される。複数個の分岐ブレーカ20は、取付ベース76に取り付けられることで、キャビネット70に収納される。キャビネット70は、開口71を塞ぐ扉を備えていてもよい。
主幹ブレーカ10の一次側端子11は、3線式の電力線(幹線)81を介して、交流電源200(図3参照)に電気的に接続されている。主幹ブレーカ10の二次側端子12には、L1相、L2相、N相の3本の母線導体82(図2及び図3参照)が電気的に接続されている。L1相、L2相、N相の母線導体82は、L1相、L2相、N相の電力線81と一対一に電気的に接続される。3本の母線導体82の各々は、主幹ブレーカ10に直接接続される連結部材(ジョイントバー)83と、連結部材83を介して主幹ブレーカ10に接続される上記の導電バー84とで構成されている。
3本の導電バー84の各々は、例えば銅等の導電性材料にて長尺の平板状(帯状)に形成されている。ここで、3本の導電バー84はそれぞれL1相、L2相、N相に相当する。3本の導電バー84は、各々の長手方向を上下方向と一致させ、かつ各々の厚み方向を前後方向(第1方向)に一致させる向きで、取付ベース76に保持されている。3本の導電バー84は、取付ベース76の前方において、前後方向(各々の厚み方向)に適当な間隔を空けて並ぶように、取付ベース76の左右方向の中央部に取り付けられている。本実施形態では、3本の導電バー84が取付ベース76の左右方向の中央部に取り付けられているが、導電バー84の取付位置は上記の位置に限定されない。3本の導電バー84は、取付ベース76において左右方向の中央位置からずれた位置に取り付けられてもよい。
本実施形態では、3本の導電バー84は、前後方向において、前方からL1相、N相、L2相の順に並んでいる。ここで、取付ベース76の前方には、取付ベース76の上下方向の両端間に亘って3本の導電バー84が位置するように、3本の導電バー84の各々は、取付ベース76の上下方向の寸法よりも長く形成されている。
3本の連結部材83の各々は、例えば銅等の導電性材料にて形成されている。3本の連結部材83は、それぞれ3本の導電バー84と主幹ブレーカ10の二次側端子12との間を電気的に接続する。
複数個の分岐ブレーカ20は、導電バー84に接続されることにより、母線導体82を介して主幹ブレーカ10の二次側端子12に電気的に接続される。各分岐ブレーカ20は、取付ベース76の前面のうち、導電バー84の短手方向(左右方向)の両側(左側と右側)に設けられた取付スペースに取り付けられる。取付ベース76には、複数の分岐ブレーカ20をそれぞれ保持するための複数の取付構造が設けられている。
各分岐ブレーカ20は電源端子と負荷端子とを備えている。各分岐ブレーカ20の電源端子が導電バー84に電気的に接続され、各分岐ブレーカ20の負荷端子には分岐回路が
接続される。各分岐ブレーカ20は、3本の導電バー84が差し込まれるスリットを、左右方向における中央側の面に有している。スリットは3本の導電バー84に対応するように3個設けられている。各分岐ブレーカ20の電源端子は、これら3個のスリットのうち2個のスリット内に露出するように設けられている。これにより、各分岐ブレーカ20は、取付ベース76に取り付けられた状態で、スリットに導電バー84が差し込まれ、電源端子が導電バー84と電気的に接続される。
N相及びL1相に接続される100〔V〕用の分岐ブレーカ20には、N相の導電バー84及びL1相の導電バー84に対応するスリットの各々に電源端子が設けられている。N相及びL2相に接続される100〔V〕用の分岐ブレーカ20には、N相の導電バー84及びL2相の導電バー84に対応するスリットの各々に電源端子が設けられている。L1相及びL2相に接続される200〔V〕用の分岐ブレーカ20には、L1相の導電バー84及びL2相の導電バー84に対応するスリットの各々に電源端子が設けられている。
本実施形態においては、電流センサ30は、複数個の分岐ブレーカ20と同様に、取付ベース76に取り付けられる。そして、取付ベース76が第2取付板75の前面に取り付けられることで、電流センサ30がキャビネット70内に収納される。
(1.2)電流センサ
次に、電流計測システム2が備える電流センサ30について、図2〜図4に基づいて説明する。
電流計測システム2は、少なくとも1個の電流センサ30を備えている。図2に示すように、本実施形態では、電流計測システム2は複数個(具体的には、3個)の電流センサ31〜33を備えている。
本実施形態においては、18個の分岐ブレーカ20は、複数のブレーカ群G1〜G3に分かれている。具体的には、18個の分岐ブレーカ20は、導電バー84の長手方向(上下方向)において6個単位でブレーカ群G1〜G3に分かれている。ブレーカ群G1〜G3のうちブレーカ群G1が主幹ブレーカ10に最も近く、ブレーカ群G3が主幹ブレーカ10から最も遠くなるように、ブレーカ群G1〜G3は、導電バー84の主幹ブレーカ10側から順に並んでいる。
電流センサ31は主幹ブレーカ10とブレーカ群G1との間に設置され、電流センサ32はブレーカ群G1とブレーカ群G2との間に設置され、電流センサ33はブレーカ群G2とブレーカ群G3との間に設置されている。これにより、電流センサ31では、ブレーカ群G1〜G3に流れる電流が測定可能となる。一方、電流センサ32では、ブレーカ群G2,G3に流れる電流が測定可能となり、電流センサ33では、ブレーカ群G3に流れる電流が測定可能となる。
電流計測システム2においては、2本の母線導体82の各々を流れる電流を1個の電流センサ30で測定できるように、コア50及びコイル60を2個ずつ有した複極(2極)用の電流センサ30が用いられる。ただし、複極用の電流センサ30であっても、基本的な構成は、コア50及びコイル60を1個ずつ有した単極用の電流センサ30と同様であるので、以下では単極用の電流センサ30について説明する。
単極用の電流センサ30は、3本の導電バー84のうちの1つを電流測定対象とし、電流測定対象である導電バー84を流れる電流(一次電流)を非接触で検出する。つまり、電流センサ30における1個のコイル60からは、導電バー84を流れる電流に応じた電気信号が出力される。ここで、3本の導電バー84のうち、電流センサ30の電流測定対
象となる導電バー84を「導電部材」と定義する。ここでは、電流測定対象がL1相の導電バー84である場合、つまりL1相の導電バー84が「導電部材」である場合を例示する。
コア50は、例えばフェライト等の磁性材料により形成されている。図4に示すように、コア50は、1本の導電部材(導電バー84)が通される貫通孔500を有しており、コア50には、貫通孔500に通される導電バー84を囲む閉磁路が形成される。コア50は、例えば、上下方向に直交する断面形状が、左右方向に長い矩形枠状となるように形成されている。言い換えれば、コア50は前後方向の寸法よりも左右方向の寸法が大きな形状に形成されている。
コア50は、本実施形態では左右方向において第1コア51と第2コア52とに分割されている。第1コア51は、前後方向に延びる中央片512と、中央片512の前後方向の両端部からそれぞれ右方に向けて突出する第1脚片513及び第2脚片514と、を有している。第2コア52は、前後方向に延びる中央片522と、中央片522の前後方向の両端部からそれぞれ左方に向けて突出する第1脚片523及び第2脚片524と、を有している。
左右方向において、第1コア51の第1及び第2脚片513,514の端面と、第2コア52の第1及び第2脚片523,524の端面と、をそれぞれ互いに突き合わせることによって、第1コア51と第2コア52との間に貫通孔500が形成される。貫通孔500には電流測定対象の導電部材(導電バー84)が挿通され、第1コア51と第2コア52とで導電部材(導電バー84)を囲む閉磁路が形成される。
コア50の少なくとも一部には、コイル60が巻き付けられている。コイル60の巻き数をnとすると、コア50と導電部材(導電バー84)とコイル60とにより、巻き数比が1対nのトランスが構成される。すなわち、電流センサ30は、貫通孔500に挿通された導電バー84を流れる電流に応じた電気信号をコイル60から出力するCT(Current Transformer)センサとして機能する。
本実施形態では、コイル60は、第1コイル61と第2コイル62とを有している。第1コイル61は第2コア52の第1脚片523に巻き付けられ、第2コイル62は第2コア52の第2脚片524に巻き付けられている。第1コイル61と第2コイル62とは電気的に直列に接続されている。
ここで、コイル60は、導電部材(導電バー84)を流れる電流に起因して第1コイル61に生じる誘導電流と第2コイル62に生じる誘導電流とが加算されるように、第1コイル61及び第2コイル62の巻き方向及び接続関係が設定されている。つまり、導電バー84を流れる電流(一次電流)に起因して生じる誘導電流(二次電流)の流れる向きは、コイル60の両端間において、第1コイル61と第2コイル62とで同じ向きになる。具体的には、導電バー84を流れる電流によって生じる磁束は、第1脚片523と第2脚片524とで逆向きになる。そのため、例えば、第1コイル61の巻き終わりに第2コイル62の巻き始めがつながるように第1コイル61及び第2コイル62が接続される場合には、第1コイル61と第2コイル62とでは、右側面視における巻き方向が逆向きになる。第1コイル61と第2コイル62とは、例えば電線によって電気的に接続されていてもよいし、プリント配線板等を経由して電気的に接続されていてもよい。
(1.3)電流計測システム
次に、複極用の電流センサ30を用いた電流計測システム2の構成について、図1〜図3を参照して説明する。
電流計測システム2は、少なくとも1個の電流センサ30(本実施形態では、3個の電流センサ31〜33)に加えて、計測装置100を備えている。計測装置100には、電流センサ31〜33の各々が複数(4本)の電線64を介して電気的に接続されている。
図1に示すように、計測装置100は、少なくとも一つの負担抵抗101と、測定部102と、を備える。計測装置100は、コア50の数(コイル60の数)と同数の負担抵抗101を備えている。図1では、電流計測システム2が備える6個のコア50のうちの一つのコア50と、このコア50に対応する負担抵抗101と、を図示している。図1に示すように、負担抵抗101は、対応するコイル60の両端間に接続されている。
負担抵抗101は、両端が測定部102に接続されている。測定部102は、回路グランド(基準電位、ゼロ電位)に接続されている。測定部102は、負担抵抗101の一端を回路グランドに接続し、負担抵抗101の他端と回路グランドとの間に生じる電圧を、負担抵抗101の両端電圧(検出電圧)として測定する。すなわち、測定部102は、負担抵抗101の両端間に発生する検出電圧を測定し、測定した検出電圧に基づいて、この負担抵抗101に対応する導電バー84に流れる電流(一次電流)を求める。
より詳細には、導電バー84に電流(一次電流)が流れると、導電バー84の周りに、一次電流に応じた磁界が生じる。コア50の貫通孔500に導電バー84が通されている状態で、導電バー84の周りに磁界が生じると、コア50内には、磁界に応じた磁束が生じる。コイル60には、コア50内に生じた磁束の時間変化に応じた電圧が生じ、この電圧によって、コイル60には誘導電流(二次電流)が流れる。
二次電流は、一次電流によりコア50内に生じる磁束とは反対向き(一次電流により生じる磁束を打ち消す向き)の磁束(キャンセル磁束と呼ぶ)をコア50内に生じさせる向きで、コイル60を流れる。コア50が磁気飽和していないとき、二次電流の大きさは、一次電流の大きさをコイル60の巻き数nで割った値で与えられる。コイル60に二次電流が流れると、負担抵抗101の両端間には、二次電流に比例する電圧(検出電圧)が生じる。したがって、測定部102は、負担抵抗101の両端間の抵抗に基づいて負担抵抗101の両端間に生じる検出電圧を測定することで、一次電流を求めることができる。
導電バー84を流れる一次電流は交流の電流であるため、一次電流により生じる磁界の大きさ及び向きは時間に応じて変化し、コア50内の磁束も時間に応じて変化する。したがって、コア50内に生じる磁束(一次電流により生じる磁束と二次電流により生じる磁束との和)も、時間に応じて変化する。コア50にかかる磁界Hは、一次電流による磁界と二次電流による磁界との和となるため比較的小さくなり、コア50内の磁界Hと磁束密度Bとの時間変化をプロットすると、原点を中心とする閉曲線(図5に、概略的に二点鎖線A1で示す)となる。なお、図5に示すように、磁界Hの大きさが増加するときと減少するときとで、同じ磁界Hの値に対するコア50の磁束密度Bの値は互いに異なる。すなわち、コア50の磁束密度Bは磁界Hに対してヒステリシスを示す。
ここで、例えば導電バー84に接続された負荷回路における負荷が短絡する等して、導電バー84に一方向(例えば交流電源200から負荷に向かう向き)の大電流(例えば、瞬時値が5kA程度の電流)が流れると、導電バー84の周りに大きな磁界が発生する。コア50内の磁束密度Bは、この磁界によって増大して(図5の点線A2参照)、コア50が磁化され、導電バー84に一次電流が流れていなくてもコア50内に残留磁束密度が残る。コア50内の磁束密度Bは、コア50にかかる磁界Hにより生じる成分と、残留磁束密度との足し合わせとなり、コア50内の磁界Hと磁束密度Bとの時間変化をプロットすると、原点とは異なる点を中心とする閉曲線(図5に、概略的に一点鎖線A3で示す)
となる。したがって、コア50が磁化されると、残留磁束密度の影響によって、一次電流の正確な測定が困難になる可能性がある。
そこで、本実施形態の電流計測システム2は、コア50の残留磁束密度を低減する(コア50を消磁する)ために、蓄電素子4を備えている。以下、残留磁束密度を低減する原理を、図1を参照して説明する。
本実施形態では、負担抵抗スイッチ40は、コイル60の両端間に負担抵抗101と直列に接続されている。また、負担抵抗スイッチ40は、機械的なスイッチ(例えば、可動接点と固定接点とを備えた接点装置)であってもよいし、トランジスタ等の半導体スイッチであってもよい。
本実施形態では、蓄電素子スイッチ41は、コイル60の両端間に蓄電素子4と直列に接続されている。また、蓄電素子スイッチ41は、機械的なスイッチ(例えば、可動接点と固定接点とを備えた接点装置)であってもよいし、トランジスタ等の半導体スイッチであってもよい。
本実施形態では、計測装置100に、例えば押し釦等の、操作者の操作を受け付ける操作部111が設けられている。また、計測装置100は、負担抵抗スイッチ40や蓄電素子スイッチ41のオンオフを制御する制御部112を備えている。
本実施形態の制御部112は、通常モードと蓄電モードと消磁モードとを有している。操作部111への操作(例えば、押し釦への押し操作)することで、制御部112は、通常モードまたは消磁モードに切り替わる。
通常モードにおいて、制御部112は、負担抵抗スイッチ40をオンに維持し、蓄電素子スイッチ41をオフに維持する。すなわち制御部112は、通常モードでは、負担抵抗スイッチ40をオンに維持することで、コイル60の両端間に接続される回路の電気抵抗値を、実質的に、負担抵抗101の電気抵抗値に相当する所定値に維持する。なお、厳密には、負担抵抗101とコイル60とを繋ぐ電線64も電気抵抗値を有するが、負担抵抗101の電気抵抗値よりも十分小さいため、実質的に、負担抵抗101の電気抵抗値をコイル60の両端間に接続される回路の電気抵抗値とみなすことができる。
一次電流が過電流、短絡電流になった場合は、制御部112は、通常モードから蓄電モードに切り替わる。一次電流が過電流、短絡電流であるか否かは、負担抵抗101の両端の電圧を監視することで認知することができる。すなわち、一次電流が過電流、短絡電流になるとコア50が飽和するので、負担抵抗101の両端の電圧が歪む。負担抵抗101の両端の電圧が歪んでいれば、制御部は蓄電モードに切り替わる。負担抵抗101の両端の電圧が歪んでいるか否かは、例えば、測定部102で歪み率を算出し、歪み率が所定の値以上であるか否かで判断する。
蓄電モードにおいて、制御部112は、負担抵抗スイッチ40をオフにし、蓄電素子スイッチ41をオンにする。制御部112には、あらかじめ蓄電素子スイッチ41を制御するための設定電圧が設けられている。制御部112は蓄電素子41の両端の電圧を監視し、蓄電素子41の両端の電圧が、設定電圧に到達したら、蓄電素子スイッチ41をオフにし、負担抵抗スイッチ40をオンにする。すなわち、制御部112は、通常モードに復帰する。本実施例である図1では図示していないが、蓄電素子4の両端にツェナーダイオードを接続することで、充電後の蓄電素子4の充電電圧を所定の値にし易くすることができる。
消磁は、一次電流が流れていないときに制御部112を消磁モードに切り替えることで行う。
消磁モードにおいて、制御部112は、負担抵抗スイッチ40をオフした後、蓄電素子スイッチ41をオンする。蓄電素子4に蓄えられた電荷により、蓄電素子4からコイル60に電流が流れる。ここで、蓄電素子4とコイル60の間で共振が発生する。例えば、コイル60のインダクタンスが10Hの場合、蓄電素子4の静電容量を0.7μFとすることで、60Hzの共振を発生させることができる。
蓄電素子4とコイル60の間で共振が発生すると、コイル60には、例えば、図6に示すような電流が流れる。コイル60に流れる二次電流は徐々に小さくなり、二次電流による磁界も徐々に小さくなる。コア50内の磁束密度Bは、二次電流による磁界の変化に応じて変化することになる。例えば、図5に示すように、コア50内の磁界Hと磁束密度Bとの時間変化をプロットすると、原点を中心とし曲線A1,A3を内部に含む大きな閉曲線(図5に、概略的に点線A4で示す)上を動くことになる。すなわち、コイル60に二次電流が流れ始めたときは、コア50にかかる磁界が比較的大きくなり、B−H曲線において一方向(図5のY軸の正の向き)に偏っていたコア50内の磁束密度Bが、逆向き(図5のY軸の負の向き)まで変化するようになる。
その後、コイル60に流れる二次電流は徐々に小さくなると、二次電流による磁界も徐々に小さくなる。図7の実線A10に概略的に示されるように、コア50内の磁束密度Bの大きさは段階的に減少し、これによりコア50の残留磁束密度を段階的に低減させることが可能となる。なお、図7の点線は、蓄電素子4とコイル60の間で共振が発生し始めたときのコア50にかかる磁界Hとコア50内の磁束密度Bとの時間変化をプロットした曲線である。
なお、計測装置100は、本実施形態ではキャビネット70の外部に設置されているが、この例に限らず、キャビネット70の内部に設置されていてもよい。計測装置100は、例えばプロセッサとメモリとを有するマイクロコンピュータを備えている。マイクロコンピュータのプロセッサがメモリに記録されたプログラムを実行することによって、計測装置100(制御部112、ゼロクロス検出部103等)が備える種々の機能が実現される。計測装置100のプロセッサが実行するプログラムは、あらかじめマイクロコンピュータのメモリに記録されていてもよいし、メモリカードのような記録媒体に記録されて提供されてもよいし、電気通信回線を通して提供されてもよい。
(2)第二の実施形態
第二の実施形態に係る電流計測システム2について、説明する。第二の実施形態において、基本例の電流計測システム2と同様の構成については同一の符号を付して、適宜説明を省略する。また、第二の実施形態の電流計測システム2は、基本例の電流計測システム2に変えて、分電盤1に設けることが可能である。
図8は、第二の実施形態に係る電流計測システム2の概略構成図である。第二の実施形態では、計測装置100の内部には蓄電素子4はない。替わりに蓄電素子4を有する外部電源装置103を接続するための外部電源接続端1031が設けられている。
外部電源装置103は、直流電源12、蓄電素子4、外部電源スイッチ121で構成される。蓄電素子4は、外部電源スイッチ121をオンにすることで蓄電される。すなわち、蓄電素子4の両端は、外部電源スイッチ121を操作することで、直流電源12により一定電圧に保持される。通常、外部電源スイッチ121はオフに維持されており、蓄電素子4の両端の電圧が所定の値より小さくなると外部電源スイッチ121はオンになる。蓄
電素子4の両端の電圧が所定の値が充分に大きくなるまで蓄電素子4に充電がなされる。
第二の実施形態の制御部112は、通常モードと消磁モードとを有している。操作部111への操作(例えば、押し釦への押し操作)することで、制御部112は、通常モードまたは消磁モードに切り替わる。
通常モードにおいて、制御部112は、負担抵抗スイッチ40をオンに維持し、蓄電素子スイッチ41をオフに維持する。すなわち制御部112は、通常モードでは、負担抵抗スイッチ40をオンに維持することで、コイル60の両端間に接続される回路の電気抵抗値を、実質的に、負担抵抗101の電気抵抗値に相当する所定値に維持する。
消磁は、一次電流が流れていないときに制御部112を消磁モードに切り替えることで行う。
消磁モードにおいて、制御部112は、負担抵抗スイッチ40をオフした後、蓄電素子スイッチ41をオンする。蓄電素子4に蓄えられた電荷により、蓄電素子4からコイル60に電流が流れる。ここで、蓄電素子4とコイル60の間で共振が発生する。
第二の実施形態では、制御部112により蓄電素子4の両端の電圧を監視するものであってもよい。そして、制御部112は、蓄電素子4の両端の電圧が所定の値でなければ、その旨の表示を表示したり、外部に警告信号を発するなどをするものであってもよい。
(3)態様
以上説明したように、第一の態様に係る電流計測システム(2)は、交流の一次電流が流れる導電部材(84)を通すための貫通孔を有するコア(50)と、前記コア(50)に巻回されるコイル(60)と、第1及び第2端を有し、負担抵抗(101)を介して前記第1及び第2端が前記コイル(60)の両端にそれぞれ接続される二次側回路(90)と、前記負担抵抗(101)の両端間に生じる検出電圧に基づいて前記一次電流を測定する測定部(102)とを備え、前記二次側回路(90)は、前記第1及び第2端間に接続される蓄電素子(4)を備える。
この構成によれば、コア(50)が磁化した場合であっても、コア(50)の貫通孔(500)を通る二次電流によってコア(50)の残留磁束密度を低減させて、コア(50)を消磁することが可能となる。また、蓄電素子4は、一次電流により充電されるので、別途特別な電源を設けなくても充電可能である特徴を有する。
また、本発明の第二の態様に係る電流計測システム(2)は、交流の一次電流が流れる導電部材(84)を通すための貫通孔を有するコア(50)と、前記コア(50)に巻回されるコイル(60)と、第1及び第2端を有し、負担抵抗を介して前記第1及び第2端が前記コイルの両端にそれぞれ接続される二次側回路と、前記負担抵抗(101)の両端間に生じる検出電圧に基づいて前記一次電流を測定する測定部(102)とを備え、前記コイルとの間で共振電流を発生させるための蓄電素子(4)を備えた外部電源装置(103)を接続するための外部電源接続端(1031)を設える。
この構成によれば、コア(50)が磁化した場合であっても、コア(50)の貫通孔(500)を通る二次電流によってコア(50)の残留磁束密度を低減させて、コア(50)を消磁することが可能となる。また、電流計測システム(2)は、外部電源接続端(1031)を設え、外部電源装置(103)を接続するものであるので、電流計測システム(2)自体は、電荷を蓄えるための蓄電素子4などを含まず、安価でシステムを構成できる。
1 分電盤
2 電流計測システム
4 蓄電素子
40 負担抵抗スイッチ
41 蓄電素子スイッチ
50 コア
500 貫通孔
60 コイル
84 導電バー(導電部材)
90 二次側回路
901 第1端
902 第2端
101 負担抵抗
102 測定部
103 外部電源装置
1031 外部電源接続端
111 操作部
112 制御部
12 直流電源
121 外部電源装置
100 計測装置

Claims (5)

  1. 交流の一次電流が流れる導電部材を通すための貫通孔を有するコアと、
    前記コアに巻回されるコイルと、
    第1及び第2端を有し、負担抵抗を介して前記第1及び第2端が前記コイルの両端にそれぞれ接続される二次側回路と、
    前記負担抵抗の両端間に生じる検出電圧に基づいて前記一次電流を測定する測定部と、を備え、
    前記二次側回路は、前記第1及び第2端間に接続される蓄電素子を備えること
    を特徴とする電流計測システム。
  2. 前記蓄電素子は、一次電流が所定の値以上であるときに蓄電されること
    を特徴とする請求項1記載の電流計測システム。
  3. 前記負担抵抗に直列に接続された負担抵抗スイッチと、
    前記蓄電素子に直列に接続された蓄電素子スイッチと、
    前記負担抵抗スイッチ及び前記蓄電素子スイッチを制御する制御部を更に備え、
    該制御部は、前記蓄電素子に蓄電するために、前記負担抵抗スイッチ及び前記蓄電素子スイッチを制御すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の電流計測システム。
  4. 交流の一次電流が流れる導電部材を通すための貫通孔を有するコアと、
    前記コアに巻回されるコイルと、
    第1及び第2端を有し、負担抵抗を介して前記第1及び第2端が前記コイルの両端にそれぞれ接続される二次側回路と、
    前記負担抵抗の両端間に生じる検出電圧に基づいて前記一次電流を測定する測定部と、を備え、
    前記コイルとの間で共振電流を発生させるための蓄電素子を備えた外部電源装置を接続するための外部電源接続端を設えること
    を特徴とする電流計測システム。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電流計測システムと、
    前記導電部材と、
    少なくとも前記導電部材を収納するキャビネットと、
    を備える分電盤。
JP2017023747A 2017-02-13 2017-02-13 電流計測システム、及び分電盤 Pending JP2018132300A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017023747A JP2018132300A (ja) 2017-02-13 2017-02-13 電流計測システム、及び分電盤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017023747A JP2018132300A (ja) 2017-02-13 2017-02-13 電流計測システム、及び分電盤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018132300A true JP2018132300A (ja) 2018-08-23

Family

ID=63248299

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017023747A Pending JP2018132300A (ja) 2017-02-13 2017-02-13 電流計測システム、及び分電盤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018132300A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN103424597B (zh) 用于直流电路断路器的能够检测接地故障的电流检测机构
EP3288133B1 (en) Shutoff device
KR20120076320A (ko) 전류 측정 시스템 및 그 조립 방법
US10475614B2 (en) Module for the interconnection of a circuit breaker and a contactor for an electrical assembly comprising a voltage sensor
JP2018112535A (ja) 電流計測システム、及び分電盤
ES2913472T3 (es) Aparato de medición de corrientes eléctricas en conductores eléctricos
US9466968B2 (en) Electrical switching apparatus including alternating current electronic trip circuit with arc fault detection circuit and power supply
AU706638B2 (en) Current sensor and electrical apparatus including it
JPH04212232A (ja) 回路遮断器
JP2018132300A (ja) 電流計測システム、及び分電盤
KR101989604B1 (ko) 피시비형 순시 검출 기능을 가지는 차단기
JP2018105798A (ja) 電流計測システム、及び分電盤
JPS6363974A (ja) 車載電線の電流検出装置
JP6323778B2 (ja) 分電盤用キャビネット及びそれを用いた分電盤
US20140112022A1 (en) Electrical switching apparatus including transductor circuit and alternating current electronic trip circuit
JP6631903B2 (ja) 電流センサ、およびそれを備えた分電盤
RU2780658C1 (ru) Устройство дифференциальной защиты
JP2020068574A (ja) 避雷システム、及び監視方法
JP3046142U (ja) クランプメーターの検査装置
JPH06203737A (ja) 多極形回路遮断器
US20240194387A1 (en) Accessory device for low-voltage switches
EP4177621A1 (en) Electric circuitry for fault current detection in an electric vehicle charging station
JP2017058332A (ja) 電流センサ及び分電盤
JPH023182Y2 (ja)
JP2017207311A (ja) 電力計測システム

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20190121