JP2018132284A - 流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置 - Google Patents

流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2018132284A
JP2018132284A JP2017028180A JP2017028180A JP2018132284A JP 2018132284 A JP2018132284 A JP 2018132284A JP 2017028180 A JP2017028180 A JP 2017028180A JP 2017028180 A JP2017028180 A JP 2017028180A JP 2018132284 A JP2018132284 A JP 2018132284A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
power generation
fluidized bed
bed boiler
operation amount
determination unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017028180A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6278543B1 (ja
Inventor
元尚 是永
Motonao Korenaga
元尚 是永
淳 岩崎
Atsushi Iwasaki
淳 岩崎
津村 俊一
Shunichi Tsumura
俊一 津村
北坂 朋生
Tomoo Kitasaka
朋生 北坂
大塚 徹
Toru Otsuka
徹 大塚
規和 本田
Norikazu Honda
規和 本田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Power Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Hitachi Power Systems Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Hitachi Power Systems Industries Co Ltd filed Critical Mitsubishi Hitachi Power Systems Industries Co Ltd
Priority to JP2017028180A priority Critical patent/JP6278543B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6278543B1 publication Critical patent/JP6278543B1/ja
Publication of JP2018132284A publication Critical patent/JP2018132284A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Turbines (AREA)
  • Control Of Steam Boilers And Waste-Gas Boilers (AREA)

Abstract

【課題】流動層ボイラおよびタービンの協調制御を可能とする流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置を提供する。【解決手段】協調制御運転装置は、電力需要に基づいて設定される設定主蒸気圧力および実主蒸気圧力に基づいて、流動層ボイラへの燃料供給量に関連する命令を決定する燃料供給量決定部と、実発電出力および電力需要に基づいて、流動層ボイラの側からタービンへ供給する主蒸気の圧力を調整する蒸気加減弁を操作するための命令パラメータセットを決定する操作命令決定部と、を備え、操作命令決定部は、電力需要と実発電出力との偏差に基づいて実発電出力からの発電出力の目標操作量を決定する操作量決定部と、命令パラメータセットに含まれる命令パラメータであるパルス幅あるいはサイクルタイムの少なくとも一方を、目標操作量に基づいて決定する命令パラメータ決定部と、を有する。【選択図】 図2

Description

本開示は、流動層ボイラおよびタービンを備えた発電システムの協調制御に関する。
従来から、ボイラでの燃料の燃焼による熱で熱交換器(伝熱管など)を介して生成した蒸気(主蒸気)によりタービンを駆動して発電を行う発電システムが知られており、電力需要に応じて、タービンへ供給する主蒸気の圧力などを蒸気加減弁で制御し、また、ボイラへの燃料の供給量を制御することにより運転される(特許文献1〜3参照)。この種の発電システムの運転制御方式としては、一般に、ボイラ追従方式、タービン追従方式、および、これらの両者の利点を兼ね備えるボイラ・タービン協調制御方式が知られている。ボイラ追従方式では、電力需要に応じたオペレータによる発電出力(タービン速度または発電機負荷)の操作量にあわせ、ガバナ(調速機)が蒸気加減弁を制御(操作)することによりタービン速度または発電機負荷が操作され、これによって変化した主蒸気の圧力に追従してボイラへの燃料供給が自動で行われる。タービン追従方式では、電力需要に応じてオペレータがボイラへの燃料供給を制御し、これによって変化した主蒸気の圧力に追従して蒸気加減弁の制御が自動で行われる。ボイラ・タービン協調制御方式は、上述した蒸気加減弁の制御およびボイラへの燃料供給の制御が電力需要に応じて自動で行われる方式であり、ボイラ安定限界内で要求発電電力に対して迅速に蒸気加減弁が動くと同時に、電力需要に応じてボイラ負荷(燃料供給量)を変える。このため、良好な負荷追従性を得られ、化石燃料(石炭、石炭、天然ガスなど)といった燃料の性状が比較的安定している石炭焚き火力発電プラントで採用されている。
ところで、近年、化石燃料の代替としてリサイクル燃料を用いた環境適合性に優れた流動層ボイラが広く用いられている。流動層ボイラは、燃焼室の底に充填した流動材(媒体)を流動状態にして流動層(流動床)を形成し、この流動層に投入された燃料を瞬時に乾燥、焼却するものである。また、リサイクル燃料としては、間伐材、一般廃材を原料とした木材チップ(木質バイオマス)などが用いられるが、個々の燃料片毎に水分量、かさ密度など性状が異なると共に、例えば、木質チップでは水分量が少ないもので20%、多いもので70%になるなど、性状のばらつきも大きい。このため、流動層ボイラへの燃料供給から燃焼に至るまでのタイミングや、一定量に対する発熱量が供給した燃料に応じて変動し、化石燃料を用いるボイラに比べると、流動層ボイラの出力(燃焼)の変動は大きい。このため、流動層ボイラでタービンを駆動する流動層ボイラ発電システムでは、ボイラの時定数とタービンの時定数との違いが大きいこともあり、ボイラ・タービン協調制御方式での運転は不向きとされ、ボイラ追従方式、あるいは、タービン追従方式のいずれかの運転方式で運転されているのが現状となる。
特許第5659973号 特開2013−181701号公報 特開2013−133988号公報
上述したように、流動層ボイラでの燃料の燃焼を通して生成した主蒸気によりタービンを駆動し、電力需要に応じた発電を行う流動層ボイラ発電システムの運転は、ボイラ追従方式あるいはタービン追従方式で行われている。つまり、流動層ボイラ発電システムの運転をボイラ・タービン協調制御方式で行うものは従来存在しておらず、流動層ボイラ発電システムにおいて協調制御運転が可能となれば、流動層ボイラ発電システムにおいてボイラ追従方式およびタービン追従方式の両方の利点を享受することが可能となる。
上述の事情に鑑みて、本発明の少なくとも一実施形態は、流動層ボイラおよびタービンの協調制御を可能とする流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置を提供することを目的とする。
(1)本発明の少なくとも一実施形態に係る流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置は、
流動層ボイラでの燃料の燃焼を通して生成した主蒸気によりタービンを駆動し、電力需要に応じた発電を行う流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置であって、
前記電力需要を受信する電力需要受信部と、
前記電力需要、および前記主蒸気の実際の圧力である実主蒸気圧力を取得し、前記電力需要に基づいて設定される設定主蒸気圧力および前記実主蒸気圧力に基づいて、前記流動層ボイラへの燃料供給量に関連する命令を決定する燃料供給量決定部と、
前記電力需要、および前記タービンの駆動により実際に発電される実発電出力を取得し、前記実発電出力および前記電力需要に基づいて、前記流動層ボイラの側から前記タービンへ供給する前記主蒸気の圧力を調整する蒸気加減弁を操作するための命令パラメータセットを決定する操作命令決定部と、を備え、
前記操作命令決定部は、
前記電力需要と前記実発電出力との偏差に基づいて、前記実発電出力からの発電出力の目標操作量を決定する目標操作量決定部と、
前記命令パラメータセットに含まれる命令パラメータである、1命令当たりの前記発電出力の操作量である単位操作量を規定するパルス幅、あるいは前記1命令の繰り返し周期を規定するサイクルタイムの少なくとも一方を、前記目標操作量に基づいて決定する命令パラメータ決定部と、を有する。
一般に、流動層ボイラは、燃料の種類及び性状(水分量、かさ密度、発熱量など)のばらつきが大きい例えば木質バイオマスなどを燃料とするため燃焼の変動が大きい。このため、流動層ボイラでタービンを駆動する流動層ボイラ発電システムでは、流動層ボイラへの燃料供給の制御および蒸気加減弁の制御を電力需要に応じて自動で行う協調制御は行われず、電力需要に応じて発電出力を手動で操作したことに伴って行われる蒸気加減弁の制御の結果生じる圧力変化に追従して自動で燃料供給を行うボイラ追従運転、あるいは、電力需要に応じて燃料供給を手動で制御した結果の圧力変化に追従して自動で蒸気加減弁の制御を行うタービン追従運転のいずれかの運転モードで運転されていた。
上記(1)の構成によれば、電力需要と実発電出力との偏差に基づいて決定した発電出力の目標操作量を、一気に蒸気加減弁に反映させるのではなく、パルス幅とサイクルタイムとを含む命令パラメータセットによって発電出力の操作を小刻みに行うことで、目標操作量を分割して少しずつ蒸気加減弁に反映させると共に、パルス幅とサイクルタイムの少なくとも一方を目標操作量に応じて決定するように構成される。これによって、水分量などの性状のばらつきが大きく燃焼が不安定な燃料を用いる流動層ボイラへの燃料供給と、蒸気加減弁の制御とを電力需要に基づいて行っても(協調制御)、流動層ボイラでの燃焼変動に伴う実主蒸気圧力の変動によるタービンへの影響を抑制することができる。したがって、流動層ボイラ発電システムを安定的に自動で制御することができ、流動層ボイラとタービンとの協調制御を実現することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)の構成において、
前記命令パラメータ決定部は、前記目標操作量が大きくなるほど、前記サイクルタイムが短くなるように決定する。
上記(2)の構成によれば、発電出力の目標操作量が大きくなるほど、単位操作量の実行頻度が多くされることで、目標操作量を蒸気加減弁に反映するのに過度に時間を要するような事態を回避することができ、電力需要への実発電出力の追従性を良好に保ちつつ、流動層ボイラを安定的に自動で制御することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(2)の構成において、
前記命令パラメータ決定部は、前記目標操作量から前記サイクルタイムを算出するためのサイクルタイム算出関数を有し、
前記サイクルタイム算出関数において、前記目標操作量が第1所定値より小さい第1領域での傾きは、前記第1所定値以上の第2領域での傾きよりも大きい。
上記(3)の構成によれば、指数関数的なサイクルタイム算出関数を用いることにより、電力需要への実発電出力の追従性を良好に保ちつつ、流動層ボイラを安定的に自動で制御することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(3)の構成において、
前記命令パラメータ決定部は、前記目標操作量が大きくなるほど前記パルス幅が大きくなるように決定する。
上記(4)の構成によれば、発電出力の目標操作量が大きくなるほど、単位操作量が大きくなり、目標操作量を蒸気加減弁に反映するのに過度に時間を要するような事態を回避することができ、電力需要への実発電出力の追従性を良好に保ちつつ、流動層ボイラを安定的に自動で制御することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(4)の構成において、
前記命令パラメータ決定部は、前記目標操作量から前記パルス幅を算出するためのパルス幅算出関数を有し、
前記パルス幅算出関数は、前記目標操作量が正の値または負の値となる少なくとも一方の場合において、前記目標操作量の絶対値が第2所定値よりも大きい範囲では、前記目標操作量の絶対値が大きくなるほど前記パルス幅を大きく算出し、前記目標操作量の絶対値が前記第2所定値以下の範囲では前記パルス幅は所定の固定値を算出する。
上記(5)の構成によれば、電力需要への実発電出力の追従性を良好に保ちつつ、流動層ボイラを安定的に自動で制御することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(5)の構成において、
前記目標操作量決定部は、前記偏差の絶対値が所定の設定値よりも大きい場合には、前記偏差が大きくなるほど前記目標操作量が大きくなるように決定し、前記偏差の絶対値が前記設定値以下の場合には、前記目標操作量を0にする。
上記(6)の構成によれば、電力需要と実発電出力との偏差の大きさに応じて決定される目標操作量に対して、偏差が0でなくても発電出力が実発電出力から操作されないことによって蒸気加減弁が操作されない不感帯領域が設けられる。タービンへ供給される主蒸気Sの圧力、流量などは、蒸気加減弁の操作に対して敏感に反応するところ、上述したような不感帯領域を設けることにより、流動層ボイラの燃焼変動の影響によって過大に変動するのを抑制することができ、タービンに対して安定した主蒸気Sを供給することができ、タービンに供給する主蒸気の安定化を図ることができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(6)の構成において、
前記操作命令決定部によって決定された前記命令パラメータセットに基づいて前記蒸気加減弁を操作するタービンマスタと、
前記タービンマスタによる前記蒸気加減弁の操作に伴う前記実主蒸気圧力を監視する圧力監視部と、をさらに備え、
前記圧力監視部は、前記実主蒸気圧力が所定の上限閾値を超えた場合あるいは所定の下限閾値を下回った場合には、前記タービンマスタに通知する。
上記(7)の構成によれば、実主蒸気圧力の変化が過度に大きい場合や小さい場合に、その旨をタービンマスタに通知することができる。これによって、タービンマスタが例えば蒸気加減弁の操作を停止するといった処理を行うことが可能となり、このような処理を行うことにより、実主蒸気圧力の急激な変化を抑制し、タービンの運転を安定的することができる。
(8)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(7)の構成において、
前記燃料は、種類、性状、発熱量、水分量またはかさ密度の少なくとも1つを含む燃料の性状がばらつく固形燃料である。
このような固形燃料は、例えばバイオマス燃料などが挙げられる。例えば木質バイオマスでは、各々のチップ毎に水分量が20%〜70%というように大きく異なり、かさ密度なども異なる。水分量などが異なると、流動層ボイラに供給された時点から実際に燃焼するまでに要する時間が異なり、かさ密度が異なると発熱量が異なるなど、燃料性状のばらつきは、流動層ボイラの燃焼状態を大きく変動させる。
上記(8)の構成によれば、このような固形燃料を燃料とした場合であっても、流動層ボイラを安定的に自動で制御することができ、流動層ボイラとタービンとの協調制御を実現することができる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、流動層ボイラおよびタービンの協調制御を可能とする流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置が提供される。
本発明の一実施形態に係る協調制御運転装置を備える流動層ボイラ発電システムの構成を概略的に示す図である。 本発明の一実施形態に係る流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置の機能ブロック図である。 本発明の一実施形態に係るサイクルタイム算出関数を示す図である。 本発明の一実施形態に係るパルス幅算出関数を示す図である。 本発明の一実施形態に係る目標操作量算出関数を示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明の幾つかの実施形態について説明する。ただし、実施形態として記載されている又は図面に示されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
図1は、本発明の一実施形態に係る協調制御運転装置1を備える流動層ボイラ発電システム9の構成を概略的に示す図である。図1に示されるように、流動層ボイラ発電システム9は、流動層ボイラ5での燃料Fの燃焼を通して生成した主蒸気Sによりタービン6を駆動し、電力需要D(メガワットデマンド(MWD)あるいはキロワットデマンド(KWD)など)に応じた発電を行う発電システムである。より具体的には、燃料Fを流動層ボイラ5に供給して燃焼させて、伝熱管(不図示)などを流れる流体を加熱し、主蒸気Sを生成する。生成した主蒸気Sは、主蒸気管51に設けられた蒸気加減弁7による圧力、流量等の調整を受けながら、主蒸気管51を通ってタービン6へ供給されるようになっており、主蒸気Sをタービン6に供給することによりタービン6を回転駆動する。タービン6の回転軸は例えば減速機およびカップリングを介して発電機62に接続されており、タービン6の回転駆動により発電機62を駆動させて、発電機出力(後述する実発電出力W)を得る。流動層ボイラ5へ供給する燃料Fは、後述するように、木質バイオマスといったリサイクル燃料であり、このような燃料Fを用いる流動層ボイラ5の出力(燃焼)の変動は大きい。
また、流動層ボイラ発電システム9は協調制御運転装置1を備えている。協調制御運転装置1は、流動層ボイラ発電システム9の運転をボイラ・タービン協調制御方式により行うことが可能な装置である。また、協調制御運転装置1は、主蒸気Sの圧力(後述する実主蒸気圧力P)および発電機出力を監視しつつ、オペレータなどによって設定された電力需要D(則ち負荷)に基づいて、流動層ボイラ5への燃料供給と、ガバナ7Aへの蒸速度指令または負荷指令(速度/負荷指令)のガバナ7Aへの出力を通した蒸気加減弁7の弁開度の制御によるタービン6の回転数の制御と、を行う。図1に示される実施形態では、協調制御運転装置1は、主蒸気管51における蒸気加減弁7の上流側(流動層ボイラ5の側)に設置された圧力検出手段(図1では圧力計52)、および、発電機62の発電機出力を検出可能な発電出力検出手段(図1では電力計63)にそれぞれ接続されており、圧力計52および電力計63の検出値がそれぞれ入力されることにより主蒸気Sの圧力および発電機出力の監視が可能となっている。また、協調制御運転装置1は、燃料供給調節装置53およびガバナ7Aにそれぞれ接続されており、燃料供給調節装置53に対して指令信号を送信することにより、流動層ボイラ5への燃料供給を制御する。他方、ガバナ7Aに対しては、後述するようにして決定した速度/負荷指令信号(命令パラメータセットI)を送信することにより、ガバナ7Aを介した蒸気加減弁7の制御を行う。
以下、流動層ボイラ発電システム9の協調制御運転装置1(以下、単に、協調制御運転装置1という。)について、図2を用いて説明する。図2は、本発明の一実施形態に係る流動層ボイラ発電システム9の協調制御運転装置1の機能ブロック図である。図2に示されるように、協調制御運転装置1は、電力需要受信部11と、燃料供給量決定部2と、操作命令決定部3と、を備える。なお、幾つかの実施形態では、協調制御運転装置1はコンピュータで構成されていても良く、図示しないCPU(プロセッサ)や、ROMやRAMといったメモリ(記憶装置)、燃料供給調節装置53やガバナ7Aとのインタフェースを備えている。そして、主記憶装置にロードされたプログラムの命令に従ってCPUが動作(データの演算など)することで、上記の各機能部を実現する。他の幾つかの実施形態では、協調制御運転装置1は、例えば各機能部をそれぞれ論理回路で実現することで、ハードウェア的に構成されていても良い。各機能について説明する。
電力需要受信部11は、電力需要Dを受信する。換言すれば、電力需要受信部11は、オペレータなどにより入力される電力需要Dの設定値を装置内部(プログラム、回路)に取り込む。また、電力需要受信部11は、燃料供給量決定部2および操作命令決定部3にそれぞれ接続されており、後述するような燃料供給量および発電出力の目標操作量Opの決定に際して用いるために、これらの機能部に対して受信した電力需要Dを送信する。
燃料供給量決定部2は、電力需要受信部11から電力需要Dを受信する共に、圧力計52などによって検出される主蒸気Sの実際の圧力である実主蒸気圧力Pを取得する。そして、燃料供給量決定部2は、電力需要Dに基づいて設定される設定主蒸気圧力Pcおよび実主蒸気圧力Pに基づいて、流動層ボイラ5への燃料Fの燃料供給量に関連する命令を決定する。図2に示される実施形態では、燃料供給量決定部2は、主蒸気圧力設定部21と、信号減算部22と、PI制御部23(P+I)と、信号加算器24と、を備えており、この順序で直列に接続されたこれらの機能部によって上記命令を決定し、燃料供給量決定部2(信号加算器24)に接続されたボイラマスタ27へ送信する。ボイラマスタ27は、受信した上記命令に基づいて決定した流動層ボイラ5への燃料Fの供給量に基づいて、流動層ボイラ5が電力需要Dに見合った蒸気を発生するように燃料供給調節装置53の弁開度を制御して流動層ボイラ5への燃料供給を制御する。この際、流動層ボイラ5において不同膨張が生じない限界の負荷変化率を超えない範囲で燃料供給が行われる。
より詳細には、図2に示される実施形態において、主蒸気圧力設定部21は、電力需要受信部11に接続されており、電力需要受信部11から入力された電力需要Dを設定主蒸気圧力Pcに変換し、設定主蒸気圧力Pcを信号減算部22に送信する。具体的には、電力需要Dと設定主蒸気圧力Pcとの関係を規定した所定の関数(F(D))などを用いて、電力需要受信部11から受信した電力需要Dを設定主蒸気圧力Pcに変換しても良い(図2参照)。信号減算部22は、主蒸気圧力設定部21からの設定主蒸気圧力Pcと共に、圧力計52などによって検出された実主蒸気圧力Pをそれぞれ受信する。そして、設定主蒸気圧力Pcと実主蒸気圧力Pとの偏差(例えばPc−P。以下、適宜、圧力偏差Pdという。)を演算した後、圧力偏差PdをPI制御部23に送信する。PI制御部23は、信号減算部22から受信した圧力偏差Pdが0になるようにPI制御する機能部であり、圧力偏差Pdの大きさに比例するように増加または減少させるべき電力を演算し、その演算結果を信号加算器24に送信する。信号加算器24は、電力需要受信部11とも接続されており、電力需要受信部11からの電力需要DとPI制御部23からの演算結果を加算することにより、流動層ボイラ5へのボイラマスタ指令を決定する。
操作命令決定部3は、電力需要D、およびタービン6の駆動により実際に発電される実発電出力Wを取得し、実発電出力Wおよび電力需要Dに基づいて、流動層ボイラ5の側からタービン6へ供給する主蒸気Sの圧力、流量を調整する蒸気加減弁7を操作するための命令パラメータセットIを決定する。より具体的には、図2に示されるように、操作命令決定部3は、電力需要Dと実発電出力Wとの偏差(例えばD−W。以下、適宜、出力偏差Wdという。)に基づいて、電力需要Dを満たすように実発電出力Wを変化させるのに必要な、実発電出力Wからの発電出力の目標操作量Opを決定する目標操作量決定部32と、命令パラメータセットIに含まれる命令パラメータである、1命令当たりの発電出力の操作量である単位操作量を規定するパルス幅Ip、あるいは1命令の繰り返し周期を規定するサイクルタイムIcの少なくとも一方を、目標操作量Opに基づいて決定する命令パラメータ決定部34と、を備える。そして、図1〜図2に示される実施形態では、上記のサイクルタイムIcの周期でパルス幅Ipに対応する発電出力の操作量(単位操作量)がガバナ7Aに指令される。そして、ガバナ7Aは、この操作量が入力されるたびに、その操作量に対応する発電出力を実現するように、蒸気加減弁7の弁開度を制御することで、操作量を蒸気加減弁7に反映させる。これによって、目標操作量Opが少しずつ蒸気加減弁7に反映される。なお、目標操作量Opは、上記の単位操作量よりも大きい値となる。
図2に示される実施形態では、操作命令決定部3は、信号減算部31と、目標操作量決定部32と、信号選択器33と、命令パラメータ決定部34と、を備えており、この順序で直列に接続されたこれらの機能部によって命令パラメータセットIを決定し、操作命令決定部3(命令パラメータ決定部34)に接続されたタービンマスタ37へ送信する。
より詳細には、操作命令決定部3はおいて、信号減算部31は、電力需要受信部11からの電力需要Dと、電力計63などによって検出された実発電出力Wを受信し、これらに基づいて出力偏差Wdを演算し、目標操作量決定部32に対して送信する。目標操作量決定部32は、信号減算部31から入力された出力偏差Wdに基づいて目標操作量Opを演算し、この目標操作量Opを信号選択器33に送信する。具体的には、出力偏差Wdと上記の目標操作量Opとの関係を規定した所定の関数(Fo(Wd))などを用いて、出力偏差Wdから目標操作量Opを演算しても良い(図2参照)。信号選択器33は、前述した燃料供給量決定部2の信号減算部22とも接続されており、この信号減算部22からの出力を考慮して決められる上下限値と、目標操作量決定部32から入力された目標操作量Opとを比較する。その結果、目標操作量Opが上記の上下限値の範囲内に収まっている場合には、目標操作量Opを命令パラメータ決定部34に送信し、目標操作量Opが上記の上下限値の範囲外にある場合には、目標操作量Opに近い方となる上限値あるいは下限値を命令パラメータ決定部34に送信するようになっている。
そして、操作命令決定部3は、上述した機能部によって決定した命令パラメータセットIを、タービンマスタ37(蒸気加減弁操作実行部)へ送信する。タービンマスタ37は命令パラメータセットIに基づいてガバナ7Aを操作する役割を担い、受信した命令パラメータセットIに基づいて、ガバナ7Aに対して、所定の弁開度といった単位操作量(パルス幅Ip)だけ動かすための操作命令を所定の周期(サイクルタイムIc)で繰り返し実行する。このように、タービンマスタ37が命令パラメータセットIに基づいてガバナ7Aを操作(制御)することによって、例えば目標操作量Opが発電出力をより大きくするものである場合には、目標操作量Opに向けて時間の経過に従って段階的に蒸気加減弁7の開度が大きくされていく。逆に、例えば目標操作量Opが発電出力をより小さくするものである場合には、目標操作量Opに向けて時間の経過に従って段階的に蒸気加減弁7の開度が小さくされていく。
つまり、上記の構成によれば、電力需要Dと実発電出力Wとの偏差に基づいて決定した目標操作量Opを、一気に蒸気加減弁7に反映させるのではなく、パルス幅IpとサイクルタイムIcとを含む命令パラメータセットIによって発電出力の操作を小刻みに行うことで、目標操作量Opを分割して少しずつ蒸気加減弁7に反映させると共に、パルス幅IpとサイクルタイムIcの少なくとも一方を目標操作量Opに応じて決定するように構成される。これによって、水分量などの性状のばらつきが大きく燃焼が不安定な燃料Fを用いる流動層ボイラ5への燃料供給と、蒸気加減弁7の制御(操作)とを電力需要Dに基づいて行っても(協調制御)、流動層ボイラ5での燃焼変動に伴う実主蒸気圧力Pの変動によるタービン6への影響を抑制することができる。したがって、流動層ボイラ発電システム9を安定的に自動で制御することができ、流動層ボイラ5とタービン6との協調制御を実現することができる。
なお、タービンマスタ37によるガバナ7Aの制御や、ボイラマスタ27による燃料供給調節装置53の制御によって、タービン6に供給される実主蒸気圧力Pや主蒸気流量SA、実発電出力Wは変化するが、燃料供給量決定部2や操作命令決定部3の各々による上述した決定を所定の周期などの所定のタイミングで行うことにより、実主蒸気圧力Pや実発電出力Wの変化を上述した決定に反映させることができる。流動層ボイラ5では、燃料Fの性状のばらつきに起因して、燃料供給から燃焼に至るまでのタイミングや一定量に対する発熱量などが、供給した燃料に応じて定まらないのが通常である。ところが、所定の周期で上述した決定を行うことで、燃料Fの性状のばらつきに起因して、タービン6へ供給する主蒸気Sの圧力、主蒸気流量SAなどが過大に変動することや、流動層ボイラ5における不同膨張のおそれが生じるほどの負荷が変化することの防止を図ることができる。
次に、上述した操作命令決定部3に関する幾つかの実施形態について、図3〜図5を用いて説明する。図3は、本発明の一実施形態に係るサイクルタイム算出関数Fcを示す図である。図4は、本発明の一実施形態に係るパルス幅算出関数Fpを示す図である。また、図5は、本発明の一実施形態に係る目標操作量算出関数Foを示す図である。
幾つかの実施形態では、命令パラメータ決定部34は、目標操作量Opが大きくなるほど、サイクルタイムIcが短くなるように決定する。換言すれば、目標操作量Opが大きくなるほど、単位操作量の実行頻度が多くされる。これによって、目標操作量Opを蒸気加減弁7に反映するのに過度に時間を要するような事態を回避することができ、電力需要Dへの実発電出力Wの追従性を良好に保ちつつ、流動層ボイラ5を安定的に自動で制御することができる。
より具体的には、幾つかの実施形態では、図2に示されるように、命令パラメータ決定部34は、目標操作量OpからサイクルタイムIcを算出するためのサイクルタイム算出関数Fcを有している。つまり、サイクルタイム算出関数Fcは目標操作量Opの関数であり(Fc(Op))、命令パラメータ決定部34が利用可能なように、協調制御運転装置1のメモリに保持されている。そして、図3に示されるように、このサイクルタイム算出関数Fcにおいて、目標操作量Opが、任意の値となる第1所定値Vaより小さい第1領域(Op<Va)での傾きは、第1所定値Va以上の第2領域(Op≧Va)での傾きよりも大きくなっていても良い。傾きは、サイクルタイム算出関数Fcの任意の目標操作量Opにおける接線と横軸とのなす角度であり、サイクルタイム算出関数Fcは、上述した傾きの関係となる第1所定値Vaを有している。換言すれば、サイクルタイム算出関数Fcは指数関数的な関数となっており、このようなサイクルタイム算出関数Fcを用いることにより、電力需要Dへの実発電出力Wの追従性を良好に保ちつつ、流動層ボイラ5を安定的に自動で制御することができる。
また、幾つかの実施形態では、命令パラメータ決定部34は、目標操作量Opが大きくなるほどパルス幅Ipが大きくなるように決定する。換言すれば、目標操作量Opが大きくなるほど、単位操作量が大きくなり、目標操作量Opを蒸気加減弁7に反映するのに過度に時間を要するような事態を回避することができ、電力需要Dへの実発電出力Wの追従性を良好に保ちつつ、流動層ボイラ5を安定的に自動で制御することができる。
より具体的には、幾つかの実施形態では、図2に示されるように、命令パラメータ決定部34は、目標操作量Opからパルス幅Ipを算出するためのパルス幅算出関数Fpを有している。つまり、パルス幅算出関数Fpは目標操作量Opの関数でありFp(Op)、命令パラメータ決定部34が利用可能なように、協調制御運転装置1のメモリに保持されている。そして、図4に示されるように、パルス幅算出関数Fpは、目標操作量Opが正の値または負の値となる少なくとも一方の場合において、目標操作量Opの絶対値が第2所定値Vbよりも大きい範囲(|Op|>Vb)では、目標操作量Opの絶対値が大きくなるほどパルス幅Ipを大きく算出し、目標操作量Opの絶対値が第2所定値Vb以下の範囲ではパルス幅Ipは所定の固定値を算出するようになっていても良い。
図4に示される実施形態では、パルス幅算出関数Fpは、目標操作量Op(横軸)が0より大きい正の値となる正の領域(OP>0)においては、目標操作量Opが所定の正の値(第2所定値Vb)までは所定の値(固定値)でパルス幅Ipを算出し、所定の正の値よりも大きくなると目標操作量Opに比例して大きくなるようにパルス幅Ipを算出するようになっている。他方、パルス幅算出関数Fpは、目標操作量Opが0より小さい負の値となる負の領域(OP<0)においてパルス幅Ipは、目標操作量Op(横軸)が所定の負の値(第2所定値Vb)までは所定の値(固定値)でパルス幅Ipを算出し、所定の負の値よりも小さくなると目標操作量Opが小さくなるのに比例して大きくなるようにパルス幅Ipを算出するようになっている。
なお、図4に示される実施形態では、パルス幅算出関数Fpにおいて、目標操作量Opの正の領域(Op>0)と負の領域(Op<0)の各々が有する傾きが変化する所定の値(第2所定値Vb)は同じとなっている。ただし、本実施形態に本発明は限定されず、他の幾つかの実施形態では、上記の正の領域における第2所定値Vbと、負の領域における第2所定値Vbとは、異なる値であっても良い。
上記の構成によれば、電力需要Dへの実発電出力Wの追従性を良好に保ちつつ、流動層ボイラ5を安定的に自動で制御することができる。
また、幾つかの実施形態では、図5に示されるように、目標操作量決定部32は、電力需要Dと実発電出力Wとの偏差(出力偏差Wd)の絶対値が設定値Vdよりも大きい場合には、上記の出力偏差Wdが大きくなるほど目標操作量Opが大きくなるように決定し、上記の出力偏差Wdの絶対値が設定値Vd以下の場合には、目標操作量Opを0にする。つまり、目標操作量決定部32は、出力偏差Wdが0よりも大きくても設定値Vd以下の場合(0<|Wd|<Vd)には発電出力が実発電出力を操作は行わないことで、ガバナ7Aによる蒸気加減弁7の操作を行わず、現状を維持するようになっており、出力偏差Wdに対する不感帯領域を有している。
図2に示される実施形態では、目標操作量決定部32は、協調制御運転装置1のメモリに保持されている目標操作量算出関数Fo(図5参照)を用いて、出力偏差Wdから目標操作量Opを算出するようになっている。また、出力偏差Wdを電力需要D−実発電出力Wとして計算する場合には、出力偏差Wdが正値の場合(Wd>0)における上記の設定値Vdと、負値の場合(Wd<0)における上記の設定値Vdとは同じ値となっているが、他の幾つかの実施形態では両者が同じ値でなくても良い。
上記の構成によれば、電力需要Dと実発電出力Wとの偏差(出力偏差Wd)の大きさに応じて決定される目標操作量Opに対して、出力偏差Wdがあっても、発電出力が実発電出力Wから操作されないことによってガバナ7Aによる蒸気加減弁7の操作が行われない不感帯領域が設けられる。タービン6へ供給される主蒸気Sの圧力、流量などは、蒸気加減弁7の操作に対して敏感に反応するところ、上述したような不感帯領域を設けることにより、流動層ボイラ5の燃焼変動の影響によって過大に変動するのを抑制することができ、タービン6に供給する主蒸気Sの安定化を図ることができる。
また、幾つかの実施形態では、協調制御運転装置1は、上述したタービンマスタ37と、タービンマスタ37による、ガバナ7Aを介した蒸気加減弁7の操作に伴う実主蒸気圧力Pを監視する圧力監視部38と、をさらに備える。そして、圧力監視部38は、実主蒸気圧力Pが所定の上限閾値を超えた場合あるいは所定の下限閾値を下回った場合には、タービンマスタに通知する。つまり、上記の構成によれば、実主蒸気圧力Pの変化が過度に大きい場合や小さい場合に、その旨をタービンマスタ37に通知することができる。これによって、タービンマスタ37が例えばガバナ7Aの操作を停止するといった処理を行うことが可能となり、このような処理を行うことにより、実主蒸気圧力Pの急激な変化を抑制し、タービン6の運転を安定的することができる。
その他、上述した実施形態において、幾つかの実施形態では、流動層ボイラ5に供給される燃料Fは、発熱量、水分量またはかさ密度の少なくとも1つを含む燃料Fの性状がばらつく固形燃料である。より具体的には、燃料Fは、燃料Fの集合から複数回サンプリングした燃料Fについて性状を比較すると、例えば標準偏差などのばらつきを示す統計値が化石燃料のものよりも大きい。このような固形燃料は、例えばリサイクル燃料であり、廃タイヤや、廃プラスチックを含むRPF、低品位炭、バーク、一般廃棄物(生活ごみ)、産業廃棄物(建築廃材含)、汚泥、バイオマス燃料などが挙げられる。例えばバイオマス燃料である木質バイオマスは、各々のチップ毎に水分量が20%〜70%というように大きく異なり、かさ密度なども異なる。水分量が異なると、流動層ボイラ5に供給された時点から実際に燃焼するまでに要する時間が異なり、かさ密度が異なると発熱量が異なるなど、燃料性状のばらつきは、流動層ボイラの燃焼状態を大きく変動させる。しかしながら、上述した実施形態では、このような固形燃料を燃料Fとした場合であっても、流動層ボイラ5を安定的に自動で制御することができ、流動層ボイラ5とタービン6との協調制御を実現することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、上述した実施形態に変形を加えた形態や、これらの形態を適宜組み合わせた形態も含む。
1 協調制御運転装置
11 電力需要受信部
2 燃料供給量決定部
21 主蒸気圧力設定部
22 信号減算部
23 制御部
24 信号加算器
27 ボイラマスタ
3 操作命令決定部
31 信号減算部
32 目標操作量決定部
33 信号選択器
34 命令パラメータ決定部
37 タービンマスタ
38 圧力監視部
5 流動層ボイラ
51 主蒸気管
52 圧力計
53 燃料供給調節装置
6 タービン
62 発電機
63 電力計
7 蒸気加減弁
7A ガバナ
9 流動層ボイラ発電システム
D 電力需要
F 燃料
S 主蒸気
SA 主蒸気流量
P 実主蒸気圧力
Pc 設定主蒸気圧力
Pd 圧力偏差
W 実発電出力
Wd 出力偏差
Op 目標操作量
I 命令パラメータセット
Ic サイクルタイム
Ip パルス幅
Fc サイクルタイム算出関数
Fo 目標操作量算出関数
Fp パルス幅算出関数
Va 第1所定値
Vb 第2所定値
Vd 設定値

Claims (8)

  1. 流動層ボイラでの燃料の燃焼を通して生成した主蒸気によりタービンを駆動し、電力需要に応じた発電を行う流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置であって、
    前記電力需要を受信する電力需要受信部と、
    前記電力需要、および前記主蒸気の実際の圧力である実主蒸気圧力を取得し、前記電力需要に基づいて設定される設定主蒸気圧力および前記実主蒸気圧力に基づいて、前記流動層ボイラへの燃料供給量に関連する命令を決定する燃料供給量決定部と、
    前記電力需要、および前記タービンの駆動により実際に発電される実発電出力を取得し、前記実発電出力および前記電力需要に基づいて、前記流動層ボイラの側から前記タービンへ供給する前記主蒸気の圧力を調整する蒸気加減弁を操作するための命令パラメータセットを決定する操作命令決定部と、を備え、
    前記操作命令決定部は、
    前記電力需要と前記実発電出力との偏差に基づいて、前記実発電出力からの発電出力の目標操作量を決定する目標操作量決定部と、
    前記命令パラメータセットに含まれる命令パラメータである、1命令当たりの前記発電出力の操作量である単位操作量を規定するパルス幅、あるいは前記1命令の繰り返し周期を規定するサイクルタイムの少なくとも一方を、前記目標操作量に基づいて決定する命令パラメータ決定部と、を有することを特徴とする流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置。
  2. 前記命令パラメータ決定部は、前記目標操作量が大きくなるほど、前記サイクルタイムが短くなるように決定することを特徴とする請求項1に記載の流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置。
  3. 前記命令パラメータ決定部は、前記目標操作量から前記サイクルタイムを算出するためのサイクルタイム算出関数を有し、
    前記サイクルタイム算出関数において、前記目標操作量が第1所定値より小さい第1領域での傾きは、前記第1所定値以上の第2領域での傾きよりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置。
  4. 前記命令パラメータ決定部は、前記目標操作量が大きくなるほど前記パルス幅が大きくなるように決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置。
  5. 前記命令パラメータ決定部は、前記目標操作量から前記パルス幅を算出するためのパルス幅算出関数を有し、
    前記パルス幅算出関数は、前記目標操作量が正の値または負の値となる少なくとも一方の場合において、前記目標操作量の絶対値が第2所定値よりも大きい範囲では、前記目標操作量の絶対値が大きくなるほど前記パルス幅を大きく算出し、前記目標操作量の絶対値が前記第2所定値以下の範囲では前記パルス幅は所定の固定値を算出することを特徴とする請求項4に記載の流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置。
  6. 前記目標操作量決定部は、前記偏差の絶対値が所定の設定値よりも大きい場合には、前記偏差が大きくなるほど前記目標操作量が大きくなるように決定し、前記偏差の絶対値が前記設定値以下の場合には、前記目標操作量を0にすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置。
  7. 前記操作命令決定部によって決定された前記命令パラメータセットに基づいて前記蒸気加減弁を操作するタービンマスタと、
    前記タービンマスタによる前記蒸気加減弁の操作に伴う前記実主蒸気圧力を監視する圧力監視部と、をさらに備え、
    前記圧力監視部は、前記実主蒸気圧力が所定の上限閾値を超えた場合あるいは所定の下限閾値を下回った場合には、前記タービンマスタに通知することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置。
  8. 前記燃料は、種類、性状、発熱量、水分量またはかさ密度の少なくとも1つを含む燃料の性状がばらつく固形燃料であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置。
JP2017028180A 2017-02-17 2017-02-17 流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置 Active JP6278543B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017028180A JP6278543B1 (ja) 2017-02-17 2017-02-17 流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017028180A JP6278543B1 (ja) 2017-02-17 2017-02-17 流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6278543B1 JP6278543B1 (ja) 2018-02-14
JP2018132284A true JP2018132284A (ja) 2018-08-23

Family

ID=61195699

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017028180A Active JP6278543B1 (ja) 2017-02-17 2017-02-17 流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6278543B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11371695B2 (en) 2019-10-25 2022-06-28 Miura Co., Ltd. Boiler

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113391615B (zh) * 2021-05-10 2024-04-02 中国大唐集团科学技术研究院有限公司西北电力试验研究院 一种概率统计的变时间脉冲算法
CN113791587B (zh) * 2021-08-05 2023-06-27 神华神东电力有限责任公司 流化床发电机组的协调控制方法、系统、存储介质和装置

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02298609A (ja) * 1989-05-12 1990-12-11 Mitsubishi Heavy Ind Ltd プラント自動負荷制御装置
JPH09250702A (ja) * 1996-03-18 1997-09-22 Hitachi Ltd 火力発電プラント制御装置
JP2000248904A (ja) * 1999-02-26 2000-09-12 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 火力発電プラントの出力制御方法
JP2001082701A (ja) * 1999-09-16 2001-03-30 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ボイラ/タービン発電機制御システム
JP2001295607A (ja) * 2000-04-17 2001-10-26 Babcock Hitachi Kk 火力発電プラントの負荷制御方法と装置
US20080202116A1 (en) * 2005-02-26 2008-08-28 Russell Benstead Method and Apparatus for Improving the Operation of Positive Displacement Expanders
JP2012077617A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Toshiba Corp 発電プラントおよび発電プラント制御装置
JP2013164195A (ja) * 2012-02-10 2013-08-22 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 蒸気圧力制御方法
JP2013181701A (ja) * 2012-03-01 2013-09-12 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 蒸気圧力制御方法
EP2808501A1 (de) * 2013-05-27 2014-12-03 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren zum Betreiben einer GuD-Kraftwerksanlage

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH02298609A (ja) * 1989-05-12 1990-12-11 Mitsubishi Heavy Ind Ltd プラント自動負荷制御装置
JPH09250702A (ja) * 1996-03-18 1997-09-22 Hitachi Ltd 火力発電プラント制御装置
JP2000248904A (ja) * 1999-02-26 2000-09-12 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 火力発電プラントの出力制御方法
JP2001082701A (ja) * 1999-09-16 2001-03-30 Mitsubishi Heavy Ind Ltd ボイラ/タービン発電機制御システム
JP2001295607A (ja) * 2000-04-17 2001-10-26 Babcock Hitachi Kk 火力発電プラントの負荷制御方法と装置
US20080202116A1 (en) * 2005-02-26 2008-08-28 Russell Benstead Method and Apparatus for Improving the Operation of Positive Displacement Expanders
JP2012077617A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Toshiba Corp 発電プラントおよび発電プラント制御装置
JP2013164195A (ja) * 2012-02-10 2013-08-22 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 蒸気圧力制御方法
JP2013181701A (ja) * 2012-03-01 2013-09-12 Nippon Steel & Sumitomo Metal Corp 蒸気圧力制御方法
EP2808501A1 (de) * 2013-05-27 2014-12-03 Siemens Aktiengesellschaft Verfahren zum Betreiben einer GuD-Kraftwerksanlage

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11371695B2 (en) 2019-10-25 2022-06-28 Miura Co., Ltd. Boiler

Also Published As

Publication number Publication date
JP6278543B1 (ja) 2018-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6278543B1 (ja) 流動層ボイラ発電システムの協調制御運転装置
US9447963B2 (en) Dynamic tuning of dynamic matrix control of steam temperature
CA2868093C (en) Steam temperature control using model-based temperature balancing
JP2009150644A (ja) 容器内の液体水位を制御するためのシステムおよび方法
CN108224404B (zh) 锅炉汽包水位控制方法
CN105202571B (zh) 一种火力发电机组主汽压力优化控制方法
JP2010249502A (ja) 複合サイクルプラントを含むシステムおよび方法
WO2019223489A1 (zh) 一种生物质锅炉的锅炉负荷控制系统及控制方法
AU2018270018B2 (en) Boiler combustion control system and boiler combustion control method
KR20140037185A (ko) 재순환식 폐열 증기 발생기의 작동 방법
JP5772644B2 (ja) 蒸気圧力制御方法
JP2018105592A (ja) ミル分級機の回転数制御装置、及びこれに好適な燃料比算定装置
CN112781032A (zh) 循环流化床锅炉二次风的控制方法及控制装置
WO2013046912A1 (ja) 気液二相流体状態制御装置および気液二相流体状態制御方法
CN114922701B (zh) 三炉两机母管制生物质电厂汽轮机压力和功率控制系统
JP6946060B2 (ja) 石炭焚ボイラの制御装置
US20130319403A1 (en) Method for operating a solar-thermal parabolic trough power plant
JP5359384B2 (ja) 循環流動層ボイラの運転制御方法および運転制御装置
WO2022208846A1 (ja) 超臨界圧貫流ボイラおよび超々臨界圧貫流ボイラ向けボイラ燃焼制御システム、およびボイラ燃焼制御方法
Kortela et al. Improvement of load-following capacity of grate boilers based on the combustion power soft-sensor
JP3150536B2 (ja) 定圧貫流ボイラの給水・燃料比率制御装置
CN117128498A (zh) 一种考虑煤质和延迟时间的直流锅炉水煤比控制方法
WO2003102472A1 (en) Method and apparatus in connection with a power boiler
JP7303696B2 (ja) 発電プラントの制御装置、発電プラント、及び、発電プラントの制御方法
KR102086250B1 (ko) 연료성상별 보일러 엔탈피 자동 제어 회로

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171220

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20171220

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180104

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180112

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180112

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6278543

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531