JP2018131588A - フォトスペーサー用樹脂、フォトスペーサー用樹脂組成物、フォトスペーサー及びカラーフィルタ - Google Patents

フォトスペーサー用樹脂、フォトスペーサー用樹脂組成物、フォトスペーサー及びカラーフィルタ Download PDF

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Abstract

【課題】高柔軟性と高復元性とを両立したフォトスペーサー、当該フォトスペーサーを形成するためのフォトスペーサー用樹脂及びフォトスペーサー用樹脂組成物、並びに当該フォトスペーサーを有するカラーフィルタの提供。
【解決手段】式(1)で表されるシリコーン含有モノマーに由来するモノマー単位Aを含み、かつ側鎖に酸基を有するフォトスペーサー用樹脂。更にジオキソラン含有モノマーに由来する構造単位Bを含む、フォトスペーサー用樹脂
Figure 2018131588

(RはH又はメチル基;RはC2〜4のアルキレン基;Rは夫々独立にC1〜4のアルキル基又は置換/非置換のフェニル基;nは正の整数)
【選択図】なし

Description

本発明は、フォトスペーサー用樹脂、フォトスペーサー用樹脂組成物、フォトスペーサー及びカラーフィルタに関する。
従来、液晶表示装置においては、カラーフィルタ側基板と薄膜トランジスタ(TFT)側基板の間に挟持される液晶層の厚みを保持するために、フォトスペーサーが用いられている。
フォトスペーサーは一般に、感光性樹脂組成物を基板に塗布し、乾燥した後に所定の微細パターンを有するフォトマスクを通した光で露光し、現像することにより形成する。しかし、従来の感光性樹脂を用いて形成されたフォトスペーサーは、塑性変形量が大きく、セル組み立て工程での圧着時に、フォトスペーサーの高さにバラツキを生じるという問題があった。
この問題を解決するために、フォトスペーサーの硬さを増加させると、低温下での液晶の収縮にフォトスペーサーが追従できず、気泡が生じて、色抜け、色ムラ等の表示不良が起こるという問題が生じる。
例えば、特許文献1では、低温発泡を生ずることなく、重力不良による色ムラの発生を効果的に抑制できるカラムスペーサを製造することを目的として、カプロラクトン変性された3官能以上の(メタ)アクリレート化合物、側鎖に(メタ)アクリル基とカルボキシル基とを有するアルカリ可溶性(メタ)アクリル共重合体、及び、光反応開始剤を含有するカラムスペーサ用硬化性樹脂組成物が提案されている。
また、近年、液晶表示装置のマザーガラスが大きくなるに従い、基板間に液晶を収容する方法として、従来の液晶流入方法(真空吸引方式)に代わって滴下方式(ODF:One Drop Fill)が提案されている。ODF方式では、所定量の液晶を滴下した後、基板で挟持することによって基板間に液晶を収容するため、従来の真空吸引方式に比べ、工程数および工程時間の短縮が可能である。
しかし、ODF方式の中には液晶を滴下し、基板間に液晶を挟持した後に、真空引きまたは機械的圧力をかけて基板間から気泡を追い出す工程を行う場合がある。この時、フォトスペーサーに圧力をかけて気泡を追い出すことになるが、その際にフォトスペーサーの変形量が小さいと液晶パネル中に気泡が残るといった不良が発生する。そのため、フォトスペーサーには、小さな圧力に対しても大きく変形することが求められる。
一方、液晶パネルを形成した後の問題として、液晶パネル表面を指で押すなどして外部から力または衝撃が液晶パネルに加わった際にフォトスペーサーが潰れてしまうと、部分的にセルギャップが小さくなり、表示不良となることがある。そのため、フォトスペーサーには、復元率が大きく、塑性変形量が小さいことが求められる。
例えば、特許文献2では、ガラス基板に対する密着性や弾性回復力に優れた柱状スペーサーを提供することを目的として、酸基を導入し得るモノマーを必須モノマーとして含むモノマー成分を、ポリシロキサン結合を有し、かつ、チオール基を2個以上有するメルカプト変性ポリシロキサンの存在下で重合して得られる酸基含有ポリマーの酸基に、ラジカル重合性不飽和二重結合と酸基と反応し得る官能基とを有する化合物を反応させることによって得られる感光性ポリマーと、多官能モノマーと、光重合開始剤とを有するアルカリ可溶型硬化性樹脂組成物が提案されている。
特許第3898728号明細書 特開2013−7866号公報
しかし、小さな圧力で大きく変形する柔軟なフォトスペーサーは復元性が悪く、一方、塑性変形量が小さく、復元性に優れるフォトスペーサーは柔軟性に欠けるため、従来のフォトスペーサーでは高柔軟性と高復元性とを両立することは困難であった。
本発明は、高柔軟性と高復元性とを両立したフォトスペーサー、当該フォトスペーサーを形成するためのフォトスペーサー用樹脂及びフォトスペーサー用樹脂組成物、並びに当該フォトスペーサーを有するカラーフィルタを提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、フォトスペーサーの形成樹脂として、以下に示す樹脂を用いることにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、下記一般式(1)で表されるシリコーン含有モノマーに由来するモノマー単位Aを含み、かつ側鎖に酸基を有するフォトスペーサー用樹脂、に関する。
Figure 2018131588
(式中、Rは水素又はメチル基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基であり、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、nは正の整数である。)
前記モノマー単位Aの含有量は、全モノマー単位中に5〜80重量%であることが好ましい。前記モノマー単位Aの含有量が5重量%未満の場合には、フォトスペーサーの柔軟性が十分に発現しない傾向にある。一方、前記モノマー単位Aの含有量が80重量%を超えると、フォトスペーサーのヘイズ(表面粗さ)が大きくなる傾向にある。
前記シリコーン含有モノマーの重量平均分子量は、2000〜8000であることが好ましい。前記シリコーン含有モノマーの重量平均分子量が2000未満の場合には、当該フォトスペーサー用樹脂を含む組成物を基板上に塗布した際にハジキが発生しやすくなり、均一で精度の高いフォトスペーサーを形成することが難しくなる。一方、前記シリコーン含有モノマーの重量平均分子量が8000を超えると、重合して得られる樹脂の溶解性が低下して析出するため、均一に溶解したフォトスペーサー用樹脂組成物を調製することが難しくなる。
前記フォトスペーサー用樹脂は、さらに下記一般式(2)で表されるジオキソラン含有モノマーに由来するモノマー単位Bを含むことが好ましい。
Figure 2018131588
(式中、Rは水素又はメチル基であり、Rは、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜8のアルキレン基であり、R及びRはそれぞれ独立して水素、直鎖、分岐鎖又は環状の炭素数1〜18のアルキル基、もしくは置換基を有していてもよいフェニル基であり、RとRとは結合して環を形成していてもよい。)
前記ジオキソラン含有モノマーを共重合モノマーとして用いることにより、得られるフォトスペーサー用樹脂の溶解性が向上するため、高濃度でフォトスペーサー用樹脂を調製でき、しかも反応時間を大幅に短縮することができる。
前記モノマー単位Bの含有量は、全モノマー単位中に2〜30重量%であることが好ましい。前記モノマー単位Bの含有量が2重量%未満の場合には、上記効果が得られ難い傾向にある。一方、前記モノマー単位Bの含有量が30重量%を超えると、得られるフォトスペーサーの復元性が低下する傾向にある。
前記フォトスペーサー用樹脂の重量平均分子量は、5000〜100000であることが好ましい。前記フォトスペーサー用樹脂の重量平均分子量が5000未満の場合には、得られるフォトスペーサーの柔軟性が低下する傾向にある。一方、前記フォトスペーサー用樹脂の重量平均分子量が100000を超えると、フォトスペーサー用樹脂組成物の現像性が悪くなる傾向にある。
また、本発明は、前記フォトスペーサー用樹脂、多官能モノマー、及び光重合開始剤を含有するフォトスペーサー用樹脂組成物、に関する。
前記フォトスペーサー用樹脂組成物の全固形分中における前記モノマー単位Aの含有量は、3〜20重量%であることが好ましい。前記モノマー単位Aの含有量が3重量%未満の場合には、得られるフォトスペーサーの柔軟性が低下する傾向にある。一方、前記モノマー単位Aの含有量が20重量%を超えると、得られるフォトスペーサーの復元性が低下する傾向にある。
また、本発明は、前記フォトスペーサー用樹脂組成物を硬化して得られるフォトスペーサー、及び当該フォトスペーサーを有するカラーフィルタ、に関する。
本発明のフォトスペーサーは、高柔軟性と高復元性とを両立した、従来にない特性を有するものである。当該フォトスペーサーを用いれば、液晶パネル作製時に液晶中に気泡が残存することを防止でき、また、外部から力や衝撃が液晶パネルに加わった場合でもセルギャップを均一に保つことができるため液晶表示装置の表示品質の劣化を防止できる。
[フォトスペーサー用樹脂]
本発明のフォトスペーサー用樹脂は、下記一般式(1)で表されるシリコーン含有モノマーに由来するモノマー単位Aを含み、かつ側鎖に酸基を有する。
Figure 2018131588
(式中、Rは水素又はメチル基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基であり、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、nは正の整数である。)
前記Rで表される炭素数2〜4のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基等が挙げられる。
前記Rで表される炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
前記シリコーン含有モノマーとしては、例えば、α−ブチル−ω−(3−メタクリロキシプロピル)ポリジメチルシロキサン(例えばJNC株式会社製の「サイラプレーン(登録商標)FM−0721」(商品名))、JNC株式会社製の「サイラプレーン(登録商標)FM−0711(商品名)」及び「サイラプレーン(登録商標)FM−0725(商品名)」、信越化学工業株式会社製の「X−22−174ASX(商品名)」、「X−22−174DX(商品名)」、「X−22−2426(商品名)」、「X−22−2404(商品名)」、及び「KF−2012(商品名)」、東亞合成株式会社製の「AK−5(グレード)」及び「AK−32(グレード)」等が挙げられる。これらシリコーン含有モノマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン含有モノマーの重量平均分子量は特に制限されないが、2000以上であることが好ましく、より好ましくは4000以上であり、また、8000以下であることが好ましく、より好ましくは6000以下である。
前記フォトスペーサー用樹脂中の前記モノマー単位Aの含有量は特に制限されないが、全モノマー単位中に5重量%以上であることが好ましく、より好ましくは8重量%以上であり、さらに好ましくは12重量%以上であり、また、80重量%以下であることが好ましく、より好ましくは60重量%以下であり、さらに好ましくは40重量%以下である。
前記フォトスペーサー用樹脂は、さらに下記一般式(2)で表されるジオキソラン含有モノマーに由来するモノマー単位Bを含むことが好ましい。
Figure 2018131588
(式中、Rは水素又はメチル基であり、Rは、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜8のアルキレン基であり、R及びRはそれぞれ独立して水素、直鎖、分岐鎖又は環状の炭素数1〜18のアルキル基、もしくは置換基を有していてもよいフェニル基であり、RとRとは結合して環を形成していてもよい。)
前記Rで表される直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜8のアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基等が挙げられる。
前記R及びRで表される直鎖、分岐鎖又は環状の炭素数1〜18のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ステアリル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
前記ジオキソラン含有モノマーは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。前記ジオキソラン含有モノマーのうち、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(2−メチル−2−イソブチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル(メタ)アクリレート、(シクロヘキサンスピロ−2−(1,3−ジオキソラン−4−イル))メチル(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。
前記フォトスペーサー用樹脂中の前記モノマー単位Bの含有量は特に制限されないが、全モノマー単位中に2重量%以上であることが好ましく、より好ましくは4重量%以上であり、さらに好ましくは6重量%以上であり、また、30重量%以下であることが好ましく、より好ましくは25重量%以下であり、さらに好ましくは20重量%以下である。
前記フォトスペーサー用樹脂を形成するその他のモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、マレイン酸、及びイタコン酸等のカルボキシル基含有モノマー;無水マレイン酸、及び無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基含有モノマー;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、及びグリシジル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、及びジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、スチレン、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、n−ブチルマレイミド、及びラウリルマイレミド等を共重合モノマーとして用いてもよい。これらモノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、本発明において、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸、メタクリル酸、又はそれらの混合物を意味する。同様に記載されている他の化合物についても同様の意味である。
前記フォトスペーサー用樹脂は、アルカリ現像性を付与するために側鎖に酸基を有する。前記フォトスペーサー用樹脂の側鎖に酸基を導入する方法は特に制限されず、公知の方法を採用でき、例えば、カルボキシル基含有モノマーやカルボン酸無水物基含有モノマーを共重合させる方法、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーを共重合させた重合体にグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有化合物を付加させる事により生成した水酸基に酸無水物を付加させる方法、及びグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマーを共重合させた重合体に(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有化合物を付加させる事により生成した水酸基に酸無水物を付加させる方法等が挙げられる。
また、前記フォトスペーサー用樹脂の側鎖にエチレン性不飽和基を導入してもよい。前記フォトスペーサー用樹脂の側鎖にエチレン性不飽和基を導入する方法としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基含有モノマーを共重合させた重合体に(メタ)アクリル酸等のエチレン性不飽和基とカルボキシル基とを有する化合物を付加する方法、(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーを共重合させた重合体にグリシジル(メタ)アクリレート等のエチレン性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物を付加する方法、及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基含有モノマーを共重合させた重合体に(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等のエチレン性不飽和基とイソシアネート基とを有する化合物を付加する方法等が挙げられる。
前記フォトスペーサー用樹脂の重量平均分子量は特に制限されないが、5000以上であることが好ましく、より好ましくは10000以上であり、さらに好ましくは15000以上であり、また、100000以下であることが好ましく、より好ましくは80000以下であり、さらに好ましくは60000以下である。
[フォトスペーサー用樹脂組成物]
本発明のフォトスペーサー用樹脂組成物は、前記フォトスペーサー用樹脂、多官能モノマー、及び光重合開始剤を含有する。
多官能モノマーを配合することにより、光重合やポストベークの際に、多官能モノマー同士が反応して、あるいは多官能モノマーと前記フォトスペーサー用樹脂中の二重結合とが反応して、三次元架橋された硬化膜が形成される。
多官能モノマーは特に制限されず、例えば、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、及びジアリルベンゼンホスホネート等の多官能芳香族ビニル系モノマー;(ジ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレート等の多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらのうち、官能基数の多い(ジ)ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、(ジ)ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリ(メタ)アクリレートが好ましい。これら多官能モノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
多官能モノマーの含有量は、前記フォトスペーサー用樹脂100重量部に対して40重量部以上であることが好ましく、より好ましくは60重量部以上であり、さらに好ましくは80重量部以上であり、また、250重量部以下であることが好ましく、より好ましくは200重量部以下であり、さらに好ましくは160重量部以下である。多官能モノマーの含有量が40重量部未満の場合には、充分な架橋効果が得られず、本発明の効果が十分に得られない可能性がある。一方、多官能モノマーの含有量が250重量部を超えると、フォトスペーサー用樹脂組成物の現像性が悪くなる傾向にある。
光重合開始剤は特に制限されず、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1;アシルホスフィンオキサイド類およびキサントン類等が挙げられる。これら光重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤の含有量は特に制限されないが、前記フォトスペーサー用樹脂100重量部に対して、1重量部以上であることが好ましく、より好ましくは3重量部以上であり、さらに好ましくは5重量部以上であり、また、20重量部以下であることが好ましく、より好ましくは15重量部以下であり、さらに好ましくは10重量部以下である。
前記フォトスペーサー用樹脂組成物には、光重合開始助剤を添加してもよい。光重合開始助剤としては、例えば、1,3,5−トリス(3−メルカプトプロピオニルオキシエチル)−イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−イソシアヌレート(昭和電工社製、カレンズMT(登録商標)NR1)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)等の3官能チオール化合物;ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(昭和電工社製、カレンズMT(登録商標)PEI)等の4官能チオール化合物;ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−プロピオネート)等の6官能チオール化合物等の多官能チオールが挙げられる。これら光重合開始助剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記フォトスペーサー用樹脂組成物には、熱重合開始剤を添加してもよい。熱重合開始剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物;2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾ化合物等が挙げられる。これら熱重合開始剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記フォトスペーサー用樹脂組成物には、不飽和ポリエステル、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート等のラジカル重合性オリゴマー;エポキシ樹脂等の硬化性樹脂を添加してもよい。
前記フォトスペーサー用樹脂組成物は、溶媒を含有していてもよい。溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル類;メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類;クロロホルム、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これら溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、溶媒の含有量は、樹脂組成物を使用する際の最適粘度に応じて適宜設定すればよい。
前記フォトスペーサー用樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、水酸化アルミニウム、タルク、クレー、硫酸バリウム等の充填材、染料、顔料、消泡剤、カップリング剤、レベリング剤、増感剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、重合抑制剤、増粘剤、及び分散剤等の公知の添加剤を含有していてもよい。
前記フォトスペーサー用樹脂組成物の全固形分中における前記モノマー単位Aの含有量は、3重量%以上であることが好ましく、より好ましくは4重量%以上であり、さらに好ましくは5重量%以上であり、また、20重量%以下であることが好ましく、より好ましくは17重量%以下であり、さらに好ましくは15重量%以下である。
[フォトスペーサー]
本発明のフォトスペーサーの形成方法は特に制限されず、公知の方法で形成することができる。本発明のフォトスペーサーは、例えば、前記フォトスペーサー用樹脂組成物を、ガラス又は透明プラスチックフィルム等の基板に塗布し、乾燥して塗膜を形成し、次いで、フォトリソグラフィーにより形成することができる。フォトリソグラフィーにおいては、例えば、塗膜上にフォトマスクを配置し、紫外線を照射することにより塗膜を光硬化させ、紫外線照射後の塗膜にアルカリ水溶液を散布し、未露光部を溶解、除去して残った露光部を水洗して現像することにより、フォトスペーサーを形成する。その後、ポストベークを行ってもよい。
前記フォトスペーサーの形状は特に制限されないが、例えば、円柱状、角柱状、円錐台形状、角錐台形状等が挙げられる。
前記フォトスペーサーの大きさは特に制限されないが、例えば、上底径は5〜15μm程度であり、下底径は7〜20μm程度であり、高さは液晶セルのセルギャップに応じて適宜設定すればよい。
前記フォトスペーサーは、20mNの荷重を負荷した時の変形量が0.6μm以上であることが好ましく、より好ましくは0.65μm以上であり、さらに好ましくは0.7μm以上である。
また、前記フォトスペーサーは、復元率が70%以上であることが好ましく、より好ましくは72%以上であり、さらに好ましくは75%以上である。なお、復元率の測定方法は実施例の記載による。
[カラーフィルタ]
本発明のカラーフィルタは、前記フォトスペーサーを有するものであればその他は特に制限されない。本発明のカラーフィルタは、例えば、透明基板上に、ブラックマトリックス、赤色画素、緑色画素、及び青色画素からなる着色層が設けられ、その上に透明導電層が設けられ、ブラックマトリックスの所定の位置に前記フォトスペーサーが設けられた構造を有する。本発明のカラーフィルタは、公知の方法により製造することができる。
以下に実施例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
[フォトスペーサー用樹脂の合成]
片末端メタクリルシリコーン(信越化学工業株式会社製、KF―2012、Mw5000)8.9g、グリシジルメタクリレート(GMA)10g、及び2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)0.6gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)107.1gに溶解させて窒素を吹き込みながら反応温度80℃にて7時間反応させた。次にアクリル酸5.1g、メトキノン0.1g、及びトリエチルアンモニウムブロマイド0.1gを加え、空気を吹き込みながら反応温度90℃で48時間反応させた。48時間後に酸価滴定を行い、アクリル酸由来のカルボン酸が消失していることを確認した。次に2-アクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工社製、カレンズAOI)7.4gを加え、空気を吹き込みながら反応温度65℃で6時間反応させた。6時間後にIR分析を行い、イソシアナート基の2270cm−1ピークが消失していることを確認した。最後に無水コハク酸を1.4g加え、空気を吹き込みながら80℃で4時間反応させて固形分濃度30.6重量%の淡黄色透明のフォトスペーサー用樹脂溶液(1)を得た。4時間後IR分析を行い、酸無水物由来の1780cm−1ピークが消失していることを確認した。GPCにて分子量測定した結果、フォトスペーサー用樹脂のMwは30,000であり、フォトスペーサー用樹脂中のシリコーン含有量は27.1重量%であった。なお、分子量測定は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(東ソー(株)製、品番:HLC-8120、カラム:G-5000HXLおよびG-3000HXLの2連結、検出器:RI、移動相:テトラヒドロフラン)にて行った。
[フォトスペーサー用樹脂組成物の調製]
フォトスペーサー用樹脂溶液(1)16.3g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPHA)7.5g、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(BASF社製、Irgacure907)0.3g、2,4−ジエチルチオキサテン−9−オン(LAMBSON、Speedcure DETX)0.1g、及びPGMAc18.7gを加え、組成物中の固形分が30重量%となるフォトスペーサー用樹脂組成物(1)を調製した。組成物の全固形分中におけるシリコーン含有量は10.6重量%であった。
実施例2
[フォトスペーサー用樹脂の合成]
片末端メタクリルシリコーン(信越化学工業株式会社製、KF―2012)8.9g、グリシジルメタクリレート(GMA)6g、及び2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)0.5gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)107.1gに溶解させて窒素を吹き込みながら反応温度80℃にて7時間反応させた。次にアクリル酸3.0g、メトキノン0.1g、及びトリエチルアンモニウムブロマイド0.1gを加え、空気を吹き込みながら反応温度90℃で53時間反応させた。53時間後に酸価滴定を行い、アクリル酸由来のカルボン酸が消失していることを確認した。次に2-アクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工社製、カレンズAOI)4.5gを加え、空気を吹き込みながら反応温度65℃で6時間反応させた。6時間後にIR分析を行い、イソシアナート基の2270cm−1ピークが消失していることを確認した。最後にテトラヒドロ無水フタル酸を1.4g加え、空気を吹き込みながら80℃で4時間反応させて固形分濃度22.2重量%の淡黄色透明のフォトスペーサー用樹脂溶液(2)を得た。4時間後IR分析を行い、酸無水物由来の1780cm−1ピークが消失していることを確認した。GPCにて分子量測定した結果、フォトスペーサー用樹脂のMwは25,000であり、フォトスペーサー用樹脂中のシリコーン含有量は37.4重量%であった。
[フォトスペーサー用樹脂組成物の調製]
フォトスペーサー用樹脂溶液(2)22.5g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPHA)7.5g、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(BASF社製、Irgacure907)0.3g、2,4−ジエチルチオキサテン−9−オン(LAMBSON、Speedcure DETX)0.1g、及びPGMAc12.5gを加え、組成物中の固形分が30重量%となるフォトスペーサー用樹脂組成物(2)を調製した。組成物の全固形分中におけるシリコーン含有量は14.5重量%であった。
実施例3
[フォトスペーサー用樹脂の合成]
片末端メタクリルシリコーン(信越化学工業株式会社製、KF―2012)8.9g、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート(大阪有機化学工業社製、MEDOL−10)5.2g、グリシジルメタクリレート(GMA)21g、及び2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)0.9gを酢酸ブチル110gに溶解させて窒素を吹き込みながら反応温度65℃にて7時間反応させた。次にアクリル酸10.6g、メトキノン0.1g、及びトリエチルアンモニウムブロマイド0.1gを加え、空気を吹き込みながら反応温度90℃で13時間反応させた。13時間後に酸価滴定を行い、アクリル酸由来のカルボン酸が消失していることを確認した。次に2-メタクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工社製、カレンズMOI)17.2gを加え、空気を吹き込みながら反応温度65℃で6時間反応させた。6時間後にIR分析を行い、イソシアナート基の2270cm−1ピークが消失していることを確認した。最後に無水コハク酸を3.0g加え、空気を吹き込みながら80℃で4時間反応させて固形分濃度59.9重量%の淡黄色透明のフォトスペーサー用樹脂溶液(3)を得た。4時間後IR分析を行い、酸無水物由来の1780cm−1ピークが消失していることを確認した。GPCにて分子量測定した結果、フォトスペーサー用樹脂のMwは35,000であり、フォトスペーサー用樹脂中のシリコーン含有量は13.5重量%であった。
[フォトスペーサー用樹脂組成物の調製]
フォトスペーサー用樹脂溶液(3)8.4g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPHA)7.5g、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(BASF社製、Irgacure907)0.3g、2,4−ジエチルチオキサテン−9−オン(LAMBSON、Speedcure DETX)0.1g、及びPGMAc26.6gを加え、組成物中の固形分が30重量%となるフォトスペーサー用樹脂組成物(3)を調製した。組成物の全固形分中におけるシリコーン含有量は5.3重量%であった。
実施例4
[フォトスペーサー用樹脂の合成]
片末端メタクリルシリコーン(信越化学工業株式会社製、KF―2012)8.9g、(2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチルアクリレート(大阪有機化学工業社製、MEDOL−10)5.2g、グリシジルメタクリレート(GMA)10g、及び2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)0.6gを酢酸ブチル65gに溶解させて窒素を吹き込みながら反応温度65℃にて7時間反応させた。次にアクリル酸5.1g、メトキノン0.1g、及びトリエチルアンモニウムブロマイド0.1gを加え、空気を吹き込みながら反応温度90℃で15時間反応させた。15時間後に酸価滴定を行い、アクリル酸由来のカルボン酸が消失していることを確認した。次に2-アクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工社製、カレンズAOI)7.4gを加え、空気を吹き込みながら反応温度65℃で5時間反応させた。5時間後にIR分析を行い、イソシアナート基の2270cm−1ピークが消失していることを確認した。最後に無水コハク酸を1.4g加え、空気を吹き込みながら80℃で4時間反応させて固形分濃度58.5重量%の淡黄色透明のフォトスペーサー用樹脂溶液(4)を得た。4時間後IR分析を行い、酸無水物由来の1780cm−1ピークが消失していることを確認した。GPCにて分子量測定した結果、フォトスペーサー用樹脂のMwは37,000であり、フォトスペーサー用樹脂中のシリコーン含有量は23.4重量%であった。
[フォトスペーサー用樹脂組成物の調製]
フォトスペーサー用樹脂溶液(4)8.6g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPHA)7.5g、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(BASF社製、Irgacure907)0.3g、2,4−ジエチルチオキサテン−9−オン(LAMBSON、Speedcure DETX)0.1g、及びPGMAc26.4gを加え、組成物中の固形分が30重量%となるフォトスペーサー用樹脂組成物(4)を調製した。組成物の全固形分中におけるシリコーン含有量は9.1重量%であった。
比較例1
[フォトスペーサー用樹脂の合成]
グリシジルメタクリレート(GMA)20g、及び2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)0.6gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)82gに溶解させて窒素を吹き込みながら反応温度65℃にて7時間反応させた。次にアクリル酸10.1g、メトキノン0.1g、及びトリエチルアンモニウムブロマイド0.1gを加え、空気を吹き込みながら反応温度90℃で14時間反応させた。14時間後に酸価滴定を行い、アクリル酸由来のカルボン酸が消失していることを確認した。次に2-アクリロイルオキシエチルイソシアナート(昭和電工社製、カレンズAOI)14.9gを加え、空気を吹き込みながら反応温度65℃で6時間反応させた。6時間後にIR分析を行い、イソシアナート基の2270cm−1ピークが消失していることを確認した。最後に無水コハク酸を2.8g加え、空気を吹き込みながら80℃で4時間反応させて固形分濃度58.3重量%の淡黄色透明のフォトスペーサー用樹脂溶液(5)を得た。4時間後IR分析を行い、酸無水物由来の1780cm−1ピークが消失していることを確認した。GPCにて分子量測定した結果、フォトスペーサー用樹脂のMwは35,000であり、フォトスペーサー用樹脂中のシリコーン含有量は0重量%であった。
[フォトスペーサー用樹脂組成物の調製]
フォトスペーサー用樹脂溶液(5)8.6g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPHA)6.5g、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(BASF社製、Irgacure907)0.3g、2,4−ジエチルチオキサテン−9−オン(LAMBSON、Speedcure DETX)0.1g、及びPGMAc24.1gを加え、組成物中の固形分が30重量%となるフォトスペーサー用樹脂組成物(5)を調製した。組成物の全固形分中におけるシリコーン含有量は0重量%であった。
比較例2
[フォトスペーサー用樹脂組成物の調製]
フォトスペーサー用樹脂溶液(5)8.6g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬株式会社製、KAYARAD DPHA)4g、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1−オン(BASF社製、Irgacure907)0.3g、2,4−ジエチルチオキサテン−9−オン(LAMBSON、Speedcure DETX)0.1g、及びPGMAc18.2gを加え、組成物中の固形分が30重量%となるフォトスペーサー用樹脂組成物(6)を調製した。組成物の全固形分中におけるシリコーン含有量は0重量%であった。
[フォトスペーサーの形成]
10cm×10cm四方の各ガラス基板上に、スピンコーターを用いて実施例1〜4、比較例1及び2で調製したフォトスペーサー用樹脂組成物(1)〜(6)をそれぞれ塗布して塗膜を形成し、当該塗膜を90℃のホットプレート上で2分間加熱して溶剤を完全に除去した。その後、得られた塗膜に対して、1cmあたり100個、直径8、9、10、又は11μmの異なる径の開口部を有する複数のフォトスペーサー形成用マスクを通して、超高圧水銀灯の光を100mJ/cm照射した(i線換算で照度20mW/cm)。なお、マスクと基板との間隔(露光ギャップ)100μmにて露光を行った。その後、0.05%KOH水溶液を用いてアルカリ現像を行った。水洗したのち、230℃で30分間ポストベークを行い、フォトスペーサーを形成した。なお、マスク開口径を調整することにより所望のフォトスペーサーを形成することができる。フォトスペーサーは、高さ3μmに揃え、フォトスペーサーの下底径が9〜11μm、上底径が6〜7μmである円柱状のフォトスペーサーを選択して下記の測定を行った。
〔測定方法〕
(変形量及び復元率の測定)
上記で形成した実施例1〜4、比較例1及び2のフォトスペーサー(高さ3μm)に、微小硬さ試験機(フィッシャーインストルメンツ社製、FISCHERSCOPE HM−2000)を用いて、直径50μmの平面圧子により、負荷速度および除荷速度をともに2.0mN/秒として、20mNまで荷重を負荷したのち、5秒間保持し、その後0mNまで除荷した後、5秒間保持し、負荷時の荷重−変形量曲線、及び除荷時の荷重−変形量曲線を作成した。そして、負荷時の荷重20mNでの変形量をL1、除荷時の荷重0mNでの変形量をL2として、下記式により、変形量と復元率を算出した。
変形量(μm)=L1
復元率(%)=(L1−L2)×100/L1
Figure 2018131588
表1の結果から、実施例1〜4のフォトスペーサーは、高柔軟性と高復元性とを両立していることがわかる。また、実施例3及び4では、実施例1及び2に比べて、フォトスペーサー用樹脂の合成時間が大幅に短縮されていることがわかる。比較例1のフォトスペーサーは、復元率は高いが、変形量が小さい(硬い)ことがわかる。比較例2のフォトスペーサーは、変形量は大きい(柔らかい)が、復元率が低いことがわかる。
本発明のフォトスペーサー及びカラーフィルタは、液晶表示装置の構成部材として好適に用いられる。

Claims (10)

  1. 下記一般式(1)で表されるシリコーン含有モノマーに由来するモノマー単位Aを含み、かつ側鎖に酸基を有するフォトスペーサー用樹脂。
    Figure 2018131588
    (式中、Rは水素又はメチル基であり、Rは炭素数2〜4のアルキレン基であり、Rはそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基であり、nは正の整数である。)
  2. 前記モノマー単位Aの含有量は、全モノマー単位中に5〜80重量%である請求項1に記載のフォトスペーサー用樹脂。
  3. 前記シリコーン含有モノマーの重量平均分子量は、2000〜8000である請求項1又は2に記載のフォトスペーサー用樹脂。
  4. さらに下記一般式(2)で表されるジオキソラン含有モノマーに由来するモノマー単位Bを含む請求項1〜3のいずれかに記載のフォトスペーサー用樹脂。
    Figure 2018131588
    (式中、Rは水素又はメチル基であり、Rは、直鎖又は分岐鎖の炭素数1〜8のアルキレン基であり、R及びRはそれぞれ独立して水素、直鎖、分岐鎖又は環状の炭素数1〜18のアルキル基、もしくは置換基を有していてもよいフェニル基であり、RとRとは結合して環を形成していてもよい。)
  5. 前記モノマー単位Bの含有量は、全モノマー単位中に2〜30重量%である請求項1〜4のいずれかに記載のフォトスペーサー用樹脂。
  6. 前記フォトスペーサー用樹脂の重量平均分子量は、5000〜100000である請求項1〜5のいずれかに記載のフォトスペーサー用樹脂。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のフォトスペーサー用樹脂、多官能モノマー、及び光重合開始剤を含有するフォトスペーサー用樹脂組成物。
  8. 前記フォトスペーサー用樹脂組成物の全固形分中における前記モノマー単位Aの含有量は、3〜20重量%である請求項7に記載のフォトスペーサー用樹脂組成物。
  9. 請求項7又は8に記載のフォトスペーサー用樹脂組成物を硬化して得られるフォトスペーサー。
  10. 請求項9に記載のフォトスペーサーを有するカラーフィルタ。
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