JP2018131514A - 組成物、硬化物、熱伝導塗料、熱伝導シート、ポッティング剤および電子部品 - Google Patents

組成物、硬化物、熱伝導塗料、熱伝導シート、ポッティング剤および電子部品 Download PDF

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Abstract

【課題】組成物、硬化物、熱伝導塗料、熱伝導シート、ポッティング剤および電子回路基板を提供すること。【解決手段】本開示は、片末端水酸基含有シリコーン(A)、両末端水酸基含有シリコーン(B)、シランオリゴマー(C)、およびグアニジンもしくは非芳香族性アミジンまたはその塩(D)を含む組成物、組成物の硬化物、組成物およびフィラーを含む熱伝導塗料、熱伝導塗料の硬化物を含む硬化層を含む熱伝導シート、組成物を含むポッティング剤、ならびにポッティング剤の硬化物を含む電子回路基板を提供する。【選択図】なし

Description

本開示は、組成物、硬化物、熱伝導塗料、熱伝導シート、ポッティング剤および電子部品に関する。
シリコーンゲル硬化物は、耐熱性、耐候性、耐油性、耐寒性、電気絶縁性等に優れ、低弾性率かつ低応力であることにより、車載電子部品、民生用電子部品等の電子部品の保護に用いられている。また、近年では、車載電子部品や民生用電子部品の高信頼性化などの要求から、封止に用いられるシリコーンゲルに対する耐熱性の要求が高まってきている。
また、シリコーンゲル組成物は熱伝導率の高い無機フィラーを高充填することで熱伝導塗料に用いられ、さらにそれを成型した後に硬化することで得られる熱伝導シートに用いられている。近年では本用途においても車載用や産業機械用においては、より高温の部材に接した状態で熱伝導することが求められており、高温で使用し続けても硬さが変わらないことが求められている。
通常のシリコーンゲル組成物は、ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、ケイ素原子に結合したビニル基等のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンおよび白金系触媒を含有し、前記ケイ素原子に結合した水素原子のアルケニル基への付加反応により、硬化物を得る付加反応硬化型オルガノポリシロキサン組成物として調製される。
耐熱付与剤などを具備しないシリコーンゲル硬化物の場合、175℃程度の温度にさらされ続けると徐々に硬くなることで応力緩和できなくなりクラックが入り、絶縁性が低下することが知られている。そこで、オルガノシロキサン化合物の構造を最適化することや各種耐熱付与剤を添加する試みがなされている。(たとえば特許文献1〜3)
ところで、オルガノシロキサンの硬化形式にはシリコーンゲルで通常用いられる付加反応の他に縮合反応がある。シラノール基や、加水分解性のアルコキシシリル基等を有するオルガノシロキサンを有機スズや酸や塩基などの触媒を添加し硬化させる手法であり、水やアルコールを副生し系外に出しながら硬化する。縮合反応で硬化するオルガノシロキサンとしては、シーリング剤、接着剤、コーティング剤などに用いられており、硬化後の架橋部位がシロキサン結合となるため、架橋部位が炭素−炭素結合となる付加硬化型よりも耐熱性が高いことが知られている。
特許文献4は両末端にシラノール基を有するポリジオルガノシロキサンと片末端にのみにシラノール基を有するポリジオルガノシロキサン、加水分解性基を複数有するオルガノシロキサン、固体状のオルガノポリシロキサンレジン、高級脂肪酸、硬化触媒を含むオルガノシロキサン組成物を開示する。
特開2008−291148号公報 特開2015−007203号公報 国際公開第2015/056374号 特許第3614958号公報
しかしながら特許文献1〜3に記載の手法によって得られるシリコーンゲル硬化物は耐熱性が向上するものの限定的であり、金属化合物や電気伝導性の添加剤によってシリコーンゲル硬化物の絶縁性が低下することが危惧される。特許文献4に記載の手法により得られる硬化物はエラストマー状であり、ゲル状に硬化することは難しい。
本発明者は鋭意検討の結果、片末端に水酸基を有するシリコーン、両末端に水酸基を有するシリコーン、シランオリゴマー、グアニジンもしくは非芳香族性アミジンまたはその塩を含む組成物により前記課題を解決できることを見出した。
本開示により以下の項目が提供される。
(項目1)
片末端水酸基含有シリコーン(A)
(式中、RA1、RA2、RA3、RA4、RA5、RA6およびRA7はそれぞれ独立してアルキル基またはアリール基であり、RA8およびRA9はそれぞれ独立してアルキレン基またはアリーレン基であり、Xは酸素原子または単結合であり、a1は1以上の整数であり、a2およびa3はそれぞれ独立して0以上の整数である。)
両末端水酸基含有シリコーン(B)
(式中、RB1、およびRB2はそれぞれ独立してアルキル基またはアリール基であり、bは1以上の整数である。)
シランオリゴマー(C)
(式中、RC1およびRC4は、それぞれ独立してアルキル基、アリール基または
(RC5、RC6、およびRC7はそれぞれ独立してアルキル基またはアリール基である)であり、
C2はそれぞれ独立してアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基であり、RC3はそれぞれ独立してアルキル基またはアリール基であり、cは1以上の整数である。)
ならびにグアニジンもしくは非芳香族性アミジンまたはその塩(D)
を含む、組成物。
(項目2)
前記片末端水酸基含有シリコーン(A)と前記両末端水酸基含有シリコーン(B)との重量比(片末端水酸基含有シリコーン(A)の重量/両末端水酸基含有シリコーン(B)の重量)が0.25〜4である、上記項目のいずれか1項に記載の組成物。
(項目3)
前記グアニジンもしくは非芳香族性アミジンまたはその塩(D)が、ジアザビシクロウンデセン・オクチル酸塩である、上記項目のいずれか1項に記載の組成物。
(項目4)
上記項目のいずれか1項に記載の組成物の硬化物。
(項目5)
針入度が40〜130である、上記項目のいずれか1項に記載の硬化物。
(項目6)
上記項目のいずれか1項に記載の組成物およびフィラーを含む、熱伝導塗料。
(項目7)
上記項目のいずれか1項に記載の熱伝導塗料の硬化物を含む硬化層を含む、熱伝導シート。
(項目8)
上記項目のいずれか1項に記載の組成物を含む、ポッティング剤。
(項目9)
上記項目のいずれか1項に記載のポッティング剤の硬化物を含む、電子部品。
本開示において、上述した1または複数の特徴は、明示された組み合わせに加え、さらに組み合わせて提供され得る。当業者は、必要に応じて以下の詳細な説明を読んで理解することにより、上記以外のさらなる実施形態および利点を認識することができる。
本発明のシリコーンゲル組成物は、従来よりも高温での耐熱性に優れたシリコーンゲル硬化物を与えるものである。エラストマー状よりもゲル状の方が柔らかく、そのため応力緩和性に優れ、凹凸へ追随しやすい。
(好ましい実施形態の説明)
以下に本発明の好ましい実施形態を説明する。以下に提供される実施形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の範囲は以下の記載に限定されるべきでない。従って、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行うことができる。また、本発明の以下の実施形態は単独でも使用されあるいはそれらを組み合わせて使用することができる。本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
1つの局面において、本開示は、片末端水酸基含有シリコーン、両末端水酸基含有シリコーン、シランオリゴマー、およびグアニジンもしくは非芳香族性アミジンまたはその塩を含む、組成物を提供する。以下各成分について説明する。
(1.片末端水酸基含有シリコーン(以下(A)成分)ともいう))
1つの実施形態において、片末端水酸基含有シリコーンは、下記式(1)

(式中、RA1、RA2、RA3、RA4、RA5、RA6およびRA7はそれぞれ独立してアルキル基またはアリール基であり、RA8およびRA9はそれぞれ独立してアルキレン基またはアリーレン基であり、Xは酸素原子または単結合であり、a1は1以上の整数であり、a2およびa3はそれぞれ独立して0以上の整数である。)
で示されるものである。
本開示において、アルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等の直鎖アルキル基;イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、イソヘキシル基、イソデシル基等の分岐アルキル基、およびシクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられる(以下、同様)。上記環状アルキル基は、各環上の1つ以上の水素が直鎖アルキル基または分岐アルキル基で置換されていてもよい(以下、同様)。
本開示において、アリール基としては、たとえば、フェニル基、ナフチル基、フェナンスリル基等が挙げられる(以下、同様)。上記アリール基は、各環上の1つ以上の水素が直鎖アルキル基または分岐アルキル基で置換されていてもよく、アリール基上の1つ以上の水素が直鎖アルキル基または分岐アルキル基で置換された基の例として、トリル基等が挙げられる(以下、同様)。
本開示において、アルキレン基としては、たとえば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基、n−ヘキシレン基、n−ヘプチレン基、n−オクチレン基、n−ノニレン基、n−デシレン基等の直鎖アルキレン基;イソプロピレン基、イソブチレン基、イソペンチレン基、イソヘキシレン基、イソデシレン基等の分岐アルキレン基、およびシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の環状アルキレン基が挙げられる(以下、同様)。上記環状アルキレン基は、各環上の1つ以上の水素が直鎖アルキル基または分岐アルキル基で置換されていてもよい(以下、同様)。
本開示において、アリーレン基としては、たとえば、フェニレン基、ナフチレン基、フェナンスリレン基等が挙げられる(以下、同様)。上記アリーレン基は、各環上の1つ以上の水素が直鎖アルキル基または分岐アルキル基で置換されていてもよい(以下、同様)。
片末端水酸基含有シリコーンの例としては、分子鎖片末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖片末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、分子鎖片末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体等が挙げられる。
組成物における片末端水酸基含有シリコーンの含有量の上限の例としては、80、70、60、50、40、30、25重量%等が挙げられ、下限の例としては、75、70、60、50、40、30、25、20重量%等が挙げられる。組成物における片末端水酸基含有シリコーンの含有量の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、組成物における片末端水酸基含有シリコーンの含有量の範囲としては、組成物の全重量に対して、組成物の硬化物の硬化性の観点から、20〜80重量%が好ましい例として挙げられる。
片末端水酸基含有シリコーンの重量平均分子量の上限の例としては、100,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、30,000、20,000、10,000、5,500等が挙げられ、下限の例としては、95,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、30,000、20,000、10,000、5,500、5,000等が挙げられる。片末端水酸基含有シリコーンの重量平均分子量の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、片末端水酸基含有シリコーンの重量平均分子量の範囲としては耐熱性、硬化性、ハンドリング性の観点から、5,000〜100,000が好ましい例として挙げられる。なお上記分子量はゲル浸透クロマトグラフ(GPC、東ソー株式会社製SC8010(ポリスチレン換算))等により測定される(以下、同様)。
片末端水酸基含有シリコーンの数平均分子量の上限の例としては、100,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、30,000、20,000、10,000、5,500等が挙げられ、下限の例としては、95,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、30,000、20,000、10,000、5,500、5,000等が挙げられる。片末端水酸基含有シリコーンの数平均分子量の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、片末端水酸基含有シリコーンの数平均分子量は耐熱性、ハンドリング性の観点から、5,000〜100,000が好ましい例として挙げられる。
a1の上限の例としては、1,350、1,300、1,200、1,100、1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、25、5等が挙げられ、下限の例としては、1,300、1,200、1,100、1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、25、5、1等が挙げられる。a1の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、a1は耐熱性、ハンドリング性の観点から、1〜1,350が好ましい例として挙げられる。
a2の上限の例としては、1,350、1,300、1,200、1,100、1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、25、5、1等が挙げられ、下限の例としては、1,300、1,200、1,100、1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、25、5、1、0等が挙げられる。a2の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、a2は耐熱性、ハンドリング性の観点から、0〜1,350が好ましい例として挙げられる。
a3の上限の例としては、5、4、3、2、1等が挙げられ、下限の例としては、4、3、2、1、0等が挙げられる。a3の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、a3は、耐熱性の観点から、0〜5が好ましい例として挙げられる。
片末端水酸基含有シリコーンの粘度の上限の例としては、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、1、0.1Pa・s/25℃等が挙げられ、下限の例としては、95、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、1、0.1、0.05Pa・s/25℃等が挙げられる。片末端水酸基含有シリコーンの粘度の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、片末端水酸基含有シリコーンの粘度は耐熱性、硬化性、ハンドリング性の観点から、0.05〜100Pa・s/25℃が好ましい例として挙げられる。なお上記粘度はブルックフィールド型粘度計(ローターNo.M3)等により測定される(以下、同様)。
1つの実施形態において、末端水酸基含有シリコーンは、各種公知の製造方法により製造でき、たとえば特許第2550749号公報に記載の手法を用いて製造することができる。
片末端水酸基含有シリコーンの市販品の例としては、JNC株式会社製、サイラプレーンFM0425(式(1)において、RA1〜RA7がメチル基であり、RA8がプロピレン基であり、RA9がエチレン基であり、a2およびa3が1であるもの。(重量平均分子量10000))等が挙げられる。
(2.両末端水酸基含有シリコーン(以下(B)成分ともいう))
1つの実施形態において、両末端水酸基含有シリコーンは、下記式(2)
(式中、RB1、およびRB2はそれぞれ独立してアルキル基またはアリール基であり、bは1以上の整数である。)で示されるものである。
bの上限の例としては、1,350、1,300、1,200、1,100、1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、25、5等が挙げられ、下限の例としては、1,300、1,200、1,100、1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、25、5、1等が挙げられる。bの範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、bは1〜1,350が例として挙げられる。
両末端水酸基含有シリコーンの例としては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジメチルジフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等が挙げられる。
組成物における両末端水酸基含有シリコーンの含有量の上限の例としては、80、70、60、50、40、30、25重量%等が挙げられ、下限の例としては、75、70、60、50、40、30、25、20重量%等が挙げられる。組成物における両末端水酸基含有シリコーンの含有量の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、組成物における両末端水酸基含有シリコーンの含有量の範囲の例としては、組成物の全重量に対して、組成物の硬化物の硬さの観点から、20〜80重量%等が挙げられる。
両末端水酸基含有シリコーンの重量平均分子量の上限の例としては、100,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、30,000、20,000、10,000、5,500等が挙げられ、下限の例としては、95,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、30,000、20,000、10,000、5,500、5,000等が挙げられる。両末端水酸基含有シリコーンの重量平均分子量の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、両末端水酸基含有シリコーンの重量平均分子量としては耐熱性、硬化性、ハンドリング性の観点から、5,000〜100,000が好ましい例として挙げられる。
両末端水酸基含有シリコーンの数平均分子量の上限の例としては、100,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、30,000、20,000、10,000、5,500等が挙げられ、下限の例としては、95,000、90,000、80,000、70,000、60,000、50,000、40,000、30,000、20,000、10,000、5,500、5,000等が挙げられる。両末端水酸基含有シリコーンの数平均分子量の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、両末端水酸基含有シリコーンの数平均分子量は耐熱性、ハンドリング性の観点から、5,000〜100,000が好ましい例として挙げられる。
1つの実施形態において、両末端水酸基含有シリコーンの分子量分布(Mw/Mn)は特に制限されず、たとえば分子量分布が1.3より大きくてもよい。
両末端水酸基含有シリコーンの粘度の上限の例としては、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、1、0.1Pa・s/25℃等が挙げられ、下限の例としては、95、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、1、0.1、0.05Pa・s/25℃等が挙げられる。両末端水酸基含有シリコーンの粘度の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、両末端水酸基含有シリコーンの粘度は0.05〜100Pa・s/25℃が好ましい例として挙げられる。
両末端水酸基含有シリコーンは、各種公知の製造方法により製造でき、たとえば、水またはシラノール含有化合物を停止剤としてジオルガノシクロポリシロキサンを塩基触媒または酸触媒により平衡化するという手法を用いて製造することができる。
両末端水酸基含有シリコーンの市販品としては、たとえば、Bluestar Silicones製,48V3500(数平均分子量35000、式(2)において、RB1およびRB2がメチル基、b=470のもの)等が挙げられる。
(3.シランオリゴマー(以下(C)成分ともいう))
1つの実施形態において、シランオリゴマーは、下記式(3)
(式中、RC1およびRC4は、それぞれ独立してアルキル基、アリール基または
(RC5、RC6、およびRC7はそれぞれ独立してアルキル基またはアリール基である)であり、
C2はそれぞれ独立してアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基であり、RC3はそれぞれ独立してアルキル基またはアリール基であり、cは1以上の整数であり、たとえば2〜50等が例として挙げられる。)で示されるものである。
本開示において、アルコキシ基としては、たとえば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等の直鎖アルコキシ基;イソプロポキシ基、イソブトキシ基、イソペンチルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、イソデシルオキシ基等の分岐アルコキシ基、およびシクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の環状アルコキシ基が挙げられる(以下、同様)。上記環状アルコキシ基は、各環上の1つ以上の水素が直鎖アルキル基または分岐アルキル基で置換されていてもよい(以下、同様)。
本開示において、アリールオキシ基としては、たとえば、フェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、フェナンスリルオキシ基等が挙げられる(以下、同様)。上記アリールオキシ基は、各環上の1つ以上の水素が直鎖アルキル基または分岐アルキル基で置換されていてもよい(以下、同様)。
シランオリゴマーの例としては、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン、テトラアリールオキシシラン等の1種または2種以上の部分加水分解オリゴマー、
(Rは、メチル基又はエチル基を表し、平均繰り返し単位数cは3〜8の整数を表す。)で表されるアルコキシシラン部分縮合物等が挙げられる。
組成物におけるシランオリゴマーの含有量の上限の例としては、1、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.02重量%等が挙げられ、下限の例としては、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、0.1、0.05、0.02、0.01重量%等が挙げられる。組成物におけるシランオリゴマーの含有量の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、組成物におけるシランオリゴマーの含有量の範囲は、組成物の全重量に対して、硬化性、硬化物の硬さの観点から、0.01〜1重量%が好ましい例として挙げられる。
シランオリゴマーの重量平均分子量の上限の例としては、1,000、900、800、700、600、500、400、300、250等が挙げられ、下限の例としては、950、900、800、700、600、500、400、300、250、200等が挙げられる。シランオリゴマーの重量平均分子量の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、シランオリゴマーの重量平均分子量の範囲の例としては相溶性、揮発性の観点から、200〜1,000等が挙げられる。
シランオリゴマーの数平均分子量の上限の例としては、1,000、900、800、700、600、500、400、300、250等が挙げられ、下限の例としては、950、900、800、700、600、500、400、300、250、200等が挙げられる。シランオリゴマーの数平均分子量の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、シランオリゴマーの数平均分子量の範囲として相溶性、揮発性の観点から、200〜1,000等が好ましい例として挙げられる。
1つの実施形態において、シランオリゴマーの分子量分布(Mw/Mn)は1〜3が好ましい例として挙げられる。
シランオリゴマーの粘度の上限の例としては、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、1Pa・s/25℃等が挙げられ、下限の例としては、95、90、80、70、60、50、40、30、20、10、5、1、0.8Pa・s/25℃等が挙げられる。シランオリゴマーの粘度の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、シランオリゴマーの粘度としてハンドリング性の観点から、0.8〜100mPa・s/25℃が好ましい例として挙げられる。
シランオリゴマーは、各種公知の製造方法により製造でき、たとえば、テトラアルコキシシラン、テトラアリールオキシシラン等を加水分解反応および縮合反応させることにより製造できる。テトラアルコキシシランの例としては、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラメトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等が挙げられる。テトラアリールオキシシランの例としては、テトラフェノキシシラン等が挙げられる。
シランオリゴマーの市販品の例としては、三菱化学株式会社製のMS51、MS56、MS57、およびMS56S(式(3)において、RC1〜RC8がメチル基であり、cが2〜100であるもの)等が挙げられる。
(4.グアニジンもしくは非芳香族性アミジンまたはその塩(以下(D)成分ともいう))
本開示において、グアニジンとは、1個の炭素原子に対して、窒素原子が二重結合で1個、単結合で2個結合している構造を含む化合物を意味する。本開示において、アミジンとは、1個の炭素原子に対して、窒素原子が二重結合で1個、単結合で1個結合している構造を含む化合物を意味する。非芳香族性アミジンとは芳香族ではないアミジンを意味する。
グアニジンの例としては、テトラメチルグアニジン(TMG)等の非環状グアニジン、トリアザビシクロデセン等の環状グアニジン等が挙げられる。非芳香族性アミジンの例としては、ジアザビシクロウンデセン(DBU)、ジアザビシクロノネン(DBN)等の環状アミジン等が挙げられる。
グアニジンもしくは非芳香族性アミジンの塩の種類としてはギ酸、酢酸、オクチル酸、ラウリン酸等のカルボン酸塩、リン酸塩、p−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸等のスルホン酸塩、フェノール塩等が挙げられる。含窒素塩基性化合物と塩の組み合わせとしては、グアニジンのカルボン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、フェノール塩、非芳香族性アミジンのカルボン酸塩、リン酸塩、スルホン酸塩、フェノール塩等が挙げられる。上記塩の具体的な例としては、テトラメチルグアニジン・オクチル酸塩、トリアザビシクロデセン・オクチル酸塩、ジアザビシクロウンデセン・オクチル酸塩、ジアザビシクロノネン・オクチル酸塩、テトラメチルグアニジン・ラウリン酸塩、トリアザビシクロデセン・ラウリン酸塩、ジアザビシクロウンデセン・ラウリン酸塩、ジアザビシクロノネン・ラウリン酸塩、テトラメチルグアニジン・リン酸塩、トリアザビシクロデセン・リン酸塩、ジアザビシクロウンデセン・リン酸塩、ジアザビシクロノネン・リン酸塩、テトラメチルグアニジン・p−トルエンスルホン酸、トリアザビシクロデセン・p−トルエンスルホン酸、ジアザビシクロウンデセン・p−トルエンスルホン酸、ジアザビシクロノネン・p−トルエンスルホン酸、テトラメチルグアニジン・カンファースルホン酸、トリアザビシクロデセン・カンファースルホン酸、ジアザビシクロウンデセン・カンファースルホン酸、ジアザビシクロノネン・カンファースルホン酸等が挙げられる。上記グアニジンもしくは非芳香族性アミジンまたはその塩は1種または2種以上を併用して用いることができる。
組成物におけるグアニジンもしくは非芳香族性アミジンまたはその塩の含有量の上限の例としては、3、2.5、2、1.5、1、0.5、0.1、0.05重量%等が挙げられ、下限の例としては、2.5、2、1.5、1、0.5、0.1、0.05、0.01重量%等が挙げられる。組成物におけるグアニジンもしくは非芳香族性アミジンまたはその塩の含有量の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、組成物におけるグアニジンもしくは非芳香族性アミジンまたはその塩の含有量の範囲として、組成物の全重量に対して、硬化性、相溶性の観点から、0.01〜3重量%が好ましい例として挙げられる。
片末端水酸基含有シリコーン、両末端水酸基含有シリコーンおよびシランオリゴマーの合計重量に対するグアニジンもしくは非芳香族性アミジンまたはその塩の含有量の上限の例としては、3、2.5、2、1.5、1、0.5、0.1、0.05重量%等が挙げられ、下限の例としては、2.5、2、1.5、1、0.5、0.1、0.05、0.01重量%等が挙げられる。片末端水酸基含有シリコーン、両末端水酸基含有シリコーンおよびシランオリゴマーの合計重量に対するグアニジンもしくは非芳香族性アミジンまたはその塩の含有量の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、片末端水酸基含有シリコーン、両末端水酸基含有シリコーンおよびシランオリゴマーの合計重量に対するグアニジンもしくは非芳香族性アミジンまたはその塩の含有量の範囲の例として、硬化性、相溶性の観点から、0.01〜3重量%が好ましい例として挙げられる。
(5.組成物)
本実施形態に係る組成物には、必要に応じてシリコーンオイル(以下(E)成分ともいう)を含めてよい。本開示において、シリコーンオイルとは、水酸基、アルコキシ基等の反応性基を含有しないシリコーンを意味する。
組成物の全重量に対するシリコーンオイルの含有量の上限の例としては、40、30、20、10、5、1重量%等が挙げられ、下限の例としては、35、30、20、10、5、1、0重量%等が挙げられる。組成物の全重量に対するシリコーンオイルの含有量の範囲は、上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、シリコーンオイルの含有量の範囲として、組成物の全重量に対して、硬化性、オイルブリード(硬化物内に存在するシリコーンオイルが徐々に染み出すこと)の観点から、0〜40重量%が好ましい例として挙げられる。
片末端水酸基含有シリコーンおよび両末端水酸基含有シリコーンの合計重量に対するシリコーンオイルの含有量の上限の例としては、40、30、20、10、5、1重量%等が挙げられ、下限の例としては、35、30、20、10、5、1、0重量%等が挙げられる。片末端水酸基含有シリコーンおよび両末端水酸基含有シリコーンの合計重量に対するシリコーンオイルの含有量の範囲は、上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、片末端水酸基含有シリコーンおよび両末端水酸基含有シリコーンの合計重量に対して、硬化性、オイルブリードの観点から、0〜40重量%が好ましい例として挙げられる。
シリコーンの市販品の例としては、Bluestar Silicones社製のBLUESIL−RT GEL8208、BLUESIL−RT GEL8260、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のTSE−3051、信越化学工業株式会社製のKE−1051J 等が挙げられる。
本実施形態に係る組成物には、必要に応じて有機溶媒を含めてよい。具体的には、たとえば、トルエン、キシレン、ベンゼン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられ、二種以上を併用できる。これらの中でも100℃程度の加熱で除去可能な点でトルエンが好ましい。
組成物の全重量に対する有機溶媒の含有量の上限の例としては、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10重量%等が挙げられ、下限の例としては、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、0重量%等が挙げられる。組成物の全重量に対する有機溶媒の含有量の範囲は上記上限および下限の値を選択して適宜設定できる。1つの実施形態において、有機溶媒の含有量の範囲として、組成物の全重量に対して、硬化時の収縮の観点から、0〜100重量%が好ましい例として挙げられる。
本実施形態に係る組成物には、片末端水酸基含有シリコーン、両末端水酸基含有シリコーン、シランオリゴマー、グアニジンもしくは非芳香族性アミジンまたはその塩、シリコーンオイル、有機溶媒以外のものを添加剤として含有できる。添加剤の例としては、硬化遅延剤、無機蛍光体、老化防止剤、ラジカル禁止剤、紫外線吸収剤、接着性改良剤、難燃剤、界面活性剤、保存安定改良剤、オゾン劣化防止剤、重金属不活性化剤、光安定剤、増粘剤、可塑剤、カップリング剤、酸化防止剤、熱安定剤、導電性付与剤、帯電防止剤、放射線遮断剤、核剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、金属不活性化剤、物性調整剤、高級脂肪酸、無機フィラー等が挙げられる。たとえば無機フィラーを含有すると、硬化物の屈折率や組成物の流動性を調整したり、その強度を向上させたりできる。無機フィラーの種類は限定されず、たとえばアルミナ、水酸化アルミニウム、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定形シリカ、疎水性超微粉シリカ、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられる。
上記添加剤は、本実施形態に係る組成物において所望される効果を損ねない限りにおいて、添加剤の含有量は特に制限されない。1つの実施形態において添加剤の含有量は、組成物の全重量に対して、1重量%未満、0.5重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満等が例として挙げられる。別の実施形態において添加剤の含有量は片末端水酸基含有シリコーンおよび両末端水酸基含有シリコーンの合計重量に対して、1重量%未満、0.5重量%未満、0.1重量%未満、0.05重量%未満等が例として挙げられる。
片末端水酸基含有シリコーンと両末端水酸基含有シリコーンとの比率(片末端水酸基含有シリコーンの重量/両末端水酸基含有シリコーンの重量)の上限の例としては、4、3、2、1、0.5等が挙げられ、下限の例としては、3.5、3、2、1、0.5、0.25等が挙げられる。片末端水酸基含有シリコーンと両末端水酸基含有シリコーンとの比率の範囲は、上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、片末端水酸基含有シリコーンと両末端水酸基含有シリコーンとの重量比(片末端水酸基含有シリコーンの重量/両末端水酸基含有シリコーンの重量)の範囲の例としては、硬化物の硬さの観点から、0.25〜4等が挙げられる。
片末端水酸基含有シリコーンとシランオリゴマーとの重量比(片末端水酸基含有シリコーンの重量/シランオリゴマーの重量)の上限の例としては、8,000、7,000、6,000、5,000、4,000、3,000、2,000、1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、25等が挙げられ、下限の例としては、7,500、7,000、6,000、5,000、4,000、3,000、2,000、1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、25、20等が挙げられる。片末端水酸基含有シリコーンとシランオリゴマーとの比率の範囲は、上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、片末端水酸基含有シリコーンとシランオリゴマーとの比率(片末端水酸基含有シリコーンの重量/シランオリゴマーの重量)の範囲の例としては、硬化性、硬化物の硬さの観点から、20〜8,000等が挙げられる。
両末端水酸基含有シリコーンとシランオリゴマーとの重量比(両末端水酸基含有シリコーンの重量/シランオリゴマーの重量)の上限の例としては、8,000、7,000、6,000、5,000、4,000、3,000、2,000、1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、25等が挙げられ、下限の例としては、7,500、7,000、6,000、5,000、4,000、3,000、2,000、1,000、900、800、700、600、500、400、300、200、100、50、25、20等が挙げられる。両末端水酸基含有シリコーンとシランオリゴマーとの比率の範囲は、上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、両末端水酸基含有シリコーンとシランオリゴマーとの比率(両末端水酸基含有シリコーンの重量/シランオリゴマーの重量)の範囲は、硬化性、硬化物の硬さの観点から、20〜8,000が好ましい例として挙げられる。
片末端水酸基含有シリコーンおよび両末端水酸基含有シリコーンとシランオリゴマーとの重量比(片末端水酸基含有シリコーンおよび両末端水酸基含有シリコーンの合計重量/シランオリゴマーの重量)の上限の例としては、10,000、9,000、8,000、7,000、6,000、5,000、4,000、3,000、2,000、1,000、500、200等が挙げられ、下限の例としては、9,500、9,000、8,000、7,000、6,000、5,000、4,000、3,000、2,000、1,000、500、200、100等が挙げられる。片末端水酸基含有シリコーンおよび両末端水酸基含有シリコーンとシランオリゴマーとの比率の範囲は、上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、片末端水酸基含有シリコーンおよび両末端水酸基含有シリコーンとシランオリゴマーとの比率(片末端水酸基含有シリコーンおよび両末端水酸基含有シリコーンの合計重量/シランオリゴマーの重量)の範囲は、硬化性、硬化物の硬さの観点から、100〜10,000が好ましい例として挙げられる。
組成物の粘度の上限の例としては、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.1Pa・s/25℃等が挙げられ、下限の例としては、9、8、7、6、5、4、3、2、1、0.5、0.1、0.05Pa・s/25℃等が挙げられる。組成物の粘度の範囲は、上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、上記組成物の粘度の例としてはハンドリング性の観点から、0.05〜10Pa・s/25℃等が挙げられる。
本実施形態に係る組成物は、片末端水酸基含有シリコーン、両末端水酸基含有シリコーン、シランオリゴマー、およびグアニジンもしくは非芳香族性アミジンまたはその塩、ならびに必要に応じて有機溶媒および/または添加剤を任意の順序で混合することにより調製できる。混合手段も特に限定されない。
(6.硬化物)
1つの局面において、本開示は、上記組成物の硬化物を提供する。本発明の硬化物は、本発明の組成物を硬化させたものである。硬化条件は特に限定されないが、通常、20〜180℃で10分〜48時間程度静置することにより硬化物を作成する。
硬化物の針入度の上限の例としては、130、120、110、100、90、80、70、60、50、45等が挙げられ、下限の例としては、115、110、100、90、80、70、60、50、45、40等が挙げられる。硬化物の針入度の範囲は、上記上限および下限の値を選択して適宜設定することができる。1つの実施形態において、上記硬化物の針入度は、40〜130、50〜100であり、数字が大きいほど硬化物が柔らかいことを示す。なお、本開示において、針入度とはJISK2220で規定の手法により測定した値、すなわち、9.38gの1/4コーン(形状規定)を落としたときに、沈みこんだ長さ(mm)の10倍の値を意味する。
(7.熱伝導塗料)
1つの局面において、本開示は、上記硬化物およびフィラーを含む、熱伝導塗料(シリコーン接着剤)を提供する。上記熱伝導塗料の製造方法は、特に限定されず、公知の手法が適用されるが、たとえば、上記組成物およびフィラーを含む分散液を作成する工程を含む方法により製造することができる。フィラーの例としては熱伝導フィラー等が挙げられる。
(8.熱伝導シート)
1つの局面において、本開示は、上記熱伝導塗料の硬化物を含む硬化層を含む、熱伝導シートを提供する。上記熱伝導シートの製造方法は、特に限定されず、公知の手法が適用されるが、たとえば、上記熱伝導塗料を離型フィルムに塗布する工程、塗布面の上に離型フィルムを貼り付ける工程を含む方法により製造することができる。
(9.ポッティング剤)
1つの局面において、本開示は、上記組成物を含む、ポッティング剤を提供する。また本開示において「ポッティング剤」とは、電子回路基板や半導体素子に対し電気的絶縁、保護、防湿の目的で使用される剤を意味する。上記ポッティング剤は、太陽電池、リチウムイオン2次電池等の電池、電車、自動車、二輪車等において用いられる車載電子部品、エアコン等に用いられる民生用電子部品に対して用いられる。
(10.電子部品)
1つの局面において、本開示は、上記ポッティング剤の硬化物を含む、電子部品を開示する。上記電子部品の例としては通常ケース内に装着されており、ケースの中にポッティング剤を流し込む工程、硬化させる工程を含む製造方法により得られる電子回路基板を含むものや電子部品に含まれる半導体を封止する際にポッティング剤を用い、硬化させる工程を含む製造方法により得られるもの等が挙げられる。電子回路基板の例としては、リジットプリント回路基板や、フレキシブルプリント回路基板等が挙げられる。上記電子部品の例としては、太陽電池、リチウムイオン2次電池等の電池、電車、自動車、二輪車等において用いられる車載電子部品、エアコン等に用いられる民生用電子部品等が挙げられる。
以下、実施例および比較例を通じて本発明を具体的に説明する。但し、上述の好ましい実施形態における説明および以下の実施例は、例示の目的のみに提供され、本発明を限定する目的で提供するものではない。従って、本発明の範囲は、本明細書に具体的に記載された実施形態にも実施例にも限定されず、特許請求の範囲によってのみ限定される。また、各実施例及び比較例において、特に説明がない限り、部、%等の数値は重量基準である。
合成例1
ヘキサメチルシクロトリシロキサン400部を無水テトラヒドロフラン400部に溶解して、攪拌装置、サンプリング装置、温度計保護管、シリコンゴムセプタムを具備した1000mLのフラスコに仕込んだ。ここにトリメチルシラノールを1.4部窒素気流下でブチルリチウムのヘキサン溶液(1.6mol/L)3mLを添加して重合を開始した。25℃で20時間重合反応させた後、酢酸0.3重量部を加え、反応を停止した。生成したリチウムの酢酸塩を水洗により除き、続いてエバポレーターにより溶媒等の低沸点化合物を留去して、目的とする片末端がシラノール封鎖されもう片末端がトリメチルシリル基で封鎖されたポリジメチルシロキサン(以下A1)を370部得た。A1の重量平均分子量は27,000であった。重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値として求めた。
実施例1
合成例1で得られた片末端シラノール基ポリジメチルシロキサン(A1)50部、両末端シラノール基ポリジメチルシロキサン(製品名「BLUESIL FLD48V750」 Mw18,000 BluestarSilicone社製)50部、テトラメトキシシランの部分縮合物 (製品名「MKCシリケート MS51」 平均繰り返し単位5 三菱化学株式会社製)0.06部、ジアザビシクロノネンのオクチル酸塩(製品名「U−CAT1102」 サンアプロ株式会社製)0.10部をよく混合し、オルガノシロキサン組成物を調製した。
実施例2〜7、比較例1〜4
表1に示す原料をそれぞれの部数で混合し、オルガノシロキサン組成物を調製した。
A1 片末端シラノール基で封鎖され、もう片末端がトリメチルシリル基封鎖ポリジメチルシロキサン
B1 両末端シラノール基ポリジメチルシロキサン 製品名「BLUESIL FLD48V750」 Mw18,000 BluestarSilicone社製
B2 両末端シラノール基ポリジメチルシロキサン-ポリジフェニルシロキサンコポリマー PDS−0332 メチル:97mol%フェニル3mol%、Mw 35,000 Gelest社製
C1 テトラメトキシシランの部分縮合物 製品名「MKCシリケート MS51」 平均繰り返し単位5 三菱化学株式会社製
C2 メチルトリメトキシシランの部分縮合物 製品名「MTMS−A」平均繰り返し単位5 多摩化学工業株式会社製
D1 ジアザビシクロノネンのオクチル酸塩 製品名「U−CAT1102」 サンアプロ株式会社製
D2 テトラメチルグアニジン11.5gにラウリン酸を40.1g添加し、室温で1時間撹拌し作製したテトラメチルグアニジンのラウリン酸塩
D3 ジアザビシクロノネン 製品名「DBN」 サンアプロ株式会社製
D4 ジオクチルスズジラウレート 製品名「ネオスタンU−810」 日東化成株式会社製
D5 2−エチル−4−メチルイミダゾール 製品名「キュアゾール2E4MZ」 四国化成工業株式会社製
E1 両末端トリメチルシリル基封鎖ポリジメチルシロキサン 製品名「BLUESIL FLD 47V350」 BluestarSilicone社製
実施例1〜7、比較例1〜4に係る組成物を、アルミカップに硬化後の厚みが15mmになる量で注入し、150℃で12時間加熱することで硬化物を得た。比較例2,4は加熱後も液状のままであり硬化物が得られなかった。比較例1の硬化物はエラストマー状であり、デュロメーター硬度A20であった。
比較例5
両末端にビニル基を有するポリジメチルシロキサン(Mw22,000;製品名「621V600」、BluestarSilicone社製)100部、ケイ素原子に直接結合した水素原子を平均で30個有するメチルハイドロジェンポリシロキサン(Mw4,300;製品名「XL319」、BluestarSilicone社製) 1.22部、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン(Pt濃度2.7%)0.037部、及び反応制御剤としてエチニルシクロヘキサノール(ECH) 0.1部をよく混合し、オルガノシロキサン組成物を調製した。本組成物をアルミカップに硬化後の厚みが15mmになる量で注入し、150℃で1時間加熱することで硬化物を得た。
比較例6
両末端にビニル基を有するポリジメチルシロキサン(Mw7,500;製品名「621V100」、BluestarSilicone社製)100部、XL319を1.13部、両末端にSiH基を有するポリジメチルシロキサン(Mw1,300;製品名「620H2」BluestarSilicone社製)14.33部、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン(Pt濃度2.7%)0.042部、及び反応制御剤としてECH0.1部をよく混合し、オルガノシロキサン組成物を調製した。本組成物をアルミカップに硬化後の厚みが15mmになる量で注入し、150℃で1時間加熱することで硬化物を得た。
<硬化物の針入度の測定、及び耐熱性の評価>
実施例1〜7 比較例1〜6に係る硬化物の針入度を25℃で測定した。耐熱性の評価は硬化物を220℃の乾燥機に静置し、24時間おきに取り出し、25℃で針入度を測定し、初期の針入度の半分以下になる時間を測定した。
表2を通じ、実施例に係る硬化物はいずれも高温下に長期間に渡って曝されてもゲル状を保っていることが解る。

Claims (9)

  1. 片末端水酸基含有シリコーン(A)
    (式中、RA1、RA2、RA3、RA4、RA5、RA6およびRA7はそれぞれ独立してアルキル基またはアリール基であり、RA8およびRA9はそれぞれ独立してアルキレン基またはアリーレン基であり、Xは酸素原子または単結合であり、a1は1以上の整数であり、a2およびa3はそれぞれ独立して0以上の整数である。)
    両末端水酸基含有シリコーン(B)
    (式中、RB1、およびRB2はそれぞれ独立してアルキル基またはアリール基であり、bは1以上の整数である。)
    シランオリゴマー(C)
    (式中、RC1およびRC4は、それぞれ独立してアルキル基、アリール基または
    (RC5、RC6、およびRC7はそれぞれ独立してアルキル基またはアリール基である)であり、
    C2はそれぞれ独立してアルキル基、アリール基、アルコキシ基またはアリールオキシ基であり、RC3はそれぞれ独立してアルキル基またはアリール基であり、cは1以上の整数である。)
    ならびにグアニジンもしくは非芳香族性アミジンまたはその塩(D)
    を含む、組成物。
  2. 前記片末端水酸基含有シリコーン(A)と前記両末端水酸基含有シリコーン(B)との重量比(片末端水酸基含有シリコーン(A)の重量/両末端水酸基含有シリコーン(B)の重量)が0.25〜4である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記グアニジンもしくは非芳香族性アミジンまたはその塩(D)が、ジアザビシクロウンデセン・オクチル酸塩である、請求項1または2に記載の組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物の硬化物。
  5. 針入度が40〜130である、請求項4に記載の硬化物。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物およびフィラーを含む、熱伝導塗料。
  7. 請求項6に記載の熱伝導塗料の硬化物を含む硬化層を含む、熱伝導シート。
  8. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物を含む、ポッティング剤。
  9. 請求項8に記載のポッティング剤の硬化物を含む、電子部品。
JP2017025355A 2017-02-14 2017-02-14 組成物、硬化物、熱伝導塗料、熱伝導シート、ポッティング剤および電子部品 Active JP6844297B2 (ja)

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