JP2018131451A - 医薬組成物 - Google Patents

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Tetsuya Arai
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Abstract

【課題】内臓脂肪の蓄積抑制および/または低減に対して優れた効果を有する防風通聖散を提供する。
【解決手段】
(A)ゲニポシド及びゲニポシド酸から選択されるゲニポシド類100重量部に対して、(B)センノシドを6〜12重量部の割合で含むことを特徴とする防風通聖散。
【選択図】なし

Description

本発明は、肥満症、特に内臓脂肪型肥満症に対して効果的な防風通聖散に関する。
脂肪の過剰な蓄積によって、糖尿病、高脂血症、動脈硬化等をはじめとする生活習慣病を引き起こす可能性があるとされており、特に内臓脂肪型肥満の場合にはこれらの疾患の発症率が高まることが指摘されている。近年、特に生活習慣病や肥満に対する関心がさらに高まっており、より一層、肥満、特に内臓脂肪型肥満の予防、改善および/または治療に有効な医薬品の開発が求められていた。
現在、抗肥満関連の医薬品として利用されているものとしては、防風通聖散などの漢方薬があげられ、近年特に、内臓脂肪の減少に効果があることが確認されている(例えば、非特許文献1を参照)。しかしながら、防風通聖散においても、肝障害という副作用があるため(例えば非特許文献2を参照)、内臓脂肪減少効果を求めるがために投与量を多くすることは問題があり、逆に投与量を少なくしすぎると、内臓脂肪減少効果を得ることができなくなってしまうという問題があった。
この様な背景から、副作用を生じるほどに投与量を多くすることなく、肥満、特に内臓脂肪型肥満の予防、改善および/または治療に有効である医薬品の開発が求められていた。
平成14年度 科学技術総合研究委託費 地域先導研究 研究成果報告書 ツムラ防風通聖散エキス顆粒(医療用)添付文書
本発明は、体内脂肪の蓄積抑制および/または低減に対して優れた効果を有する医薬組成物、特に防風通聖散を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、ゲニポシド類とセンノシド類を所定の配合比率で含有する防風通聖散が、内臓脂肪の蓄積抑制および/または低減に有効であることを見出した。本発明はこの様な知見に基づいてさらに研究を重ねた結果完成されたものである。
本発明は以下の防風通聖散を提供するものである。
項1:(A)ゲニポシド及びゲニポシド酸から選択される少なくとも1種のゲニポシド類の総量100重量部に対して、センノシドを6〜12重量部の割合で含むことを特徴とする防風通聖散。
項2:(A)ゲニポシド類がゲニポシドである項1記載の防風通聖散。
項3:(B)センノシドがセンノシドAである項1又は2記載の防風通聖散。
本発明の防風通聖散は、体内脂肪の蓄積抑制および/または低減に優れた効果を奏する。より詳しくは、本発明の防風通聖散は、内臓脂肪の蓄積抑制および/または低減に優れた効果を有する。従って、本発明の防風通聖散は、肥満の軽減、特に内臓脂肪型肥満の予防、改善および/または治療において有効である。
近年、内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖、高血圧および高脂血症のうち2つ以上を合併したメタボリックシンドロームに罹患することによって、心筋梗塞、脳梗塞等の発症率が高まることが指摘されている。本発明の防風通聖散は、上記のような優れた内臓脂肪蓄積抑制および/または低減効果を発揮することにより、メタボリックシンドロームの予防、改善および/または治療用医薬組成物としても有用である。
本発明は、(A)ゲニポシド及びゲニポシド酸から選択される少なくとも1種のゲニポシド類の総量100重量部に対して、(B)センノシドを6〜12重量部の割合で含むことを特徴とする防風通聖散にかかるものである。
なお、本明細書において「体内脂肪」とは、皮下脂肪、内臓脂肪、中性脂肪、遊離脂肪酸およびコレステロールをいう。以下、各成分について説明する。
(1)防風通聖散
本発明において防風通聖散の植物原料としては、具体的には、例えばマオウ(Ephedra sinica Stapf,Ephedra intermedia Schrenk et C.A. Meyer,Ephedra equisetina Bunge)、カンゾウ(Glycyrrhiza uralensis Fischer,Glycyrrhiza glabra Linne)、ショウキョウ(Zingiber officinale Roscoe)、ケイガイ(Schizonepeta tenuifolia Briquet)、レンギョウ(Forsythia suspense Vahl, Forsythia viridissima Lindley)、トウキ(Angelica acutiloba Kitagawa, Angelica acutiloba Kitagawa var. sugiyamae Hikino)、シャクヤク(Paeonia lactiflora Pallas)、センキュウ(Cnidium officinale Makino)、サンシシ(Gardenia jasminoides Ellis)、ハッカ(Mentha arvensis Linne var. piperascens Malinvaud)、ボウフウ(Saposhnikovia divaricata Schischkin)、ダイオウ(Rheum palmatum Linne, Rheum tanguticum Maximowicz, Rheum officinable Baillon, Rheum coreanum Nakaiまたはそれらの種間雑種)、ビャクジュツ(Atractylodes japonica Koidzumi ex Kitamura, Atractylodes ovata De Candolle)、キキョウ(Platycodon grandiflorum A. De Candolle)、オウゴン(Scutellariae baicalensis Georgi)、ボウショウ(芒硝:硫酸ナトリウム)、カッセキ(滑石:天然含水ケイ酸アルミニウムおよび二酸化ケイ素含有物)およびセッコウ(石膏:含水硫酸カルシウム)である。これらの植物原料は、日本薬局方に準じて使用部位が規定されている。
後述する(A)ゲニポシド類は、上記原料のうちサンシシ(アカネ科クチナシ(Gardenia jasminoides Ellis)の果実)に含まれている成分であり(以下、これを単に「(A)成分」と称する場合がある)、また(B)センノシドは、上記原料のうちダイオウ(Rheum palmatum Linne, Rheum tanguticum Maximowicz, Rheum officinable Baillon, Rheum coreanum Nakaiまたはそれらの種間雑種)に含まれている成分である(以下、これを単に「(B)成分」と称する場合がある)。
本発明の防風通聖散は、前述するように、これら(A)及び(B)成分を後述する特定の割合で含むことを特徴とするものであり、その限りにおいて、原材料の選択、その他の成分の割合、防風通聖散の調製方法及びその形状に特に制限はなく、従前の方法及び処方等に準じて調製することができる。
本発明において防風通聖散の調製は、例えば、「一般用漢方処方の手引き」(厚生省薬務局監修、日薬連漢方専門委員会編集、薬業時報社発行)に準じて行うことができる。「一般用漢方処方の手引き」によれば、その成分および分量は、トウキ1.2(重量部、以下同じ)、シャクヤク1.2、センキュウ1.2、サンシシ1.2、レンギョウ1.2、ハッカ1.2、ショウキョウ1.2、ケイガイ1.2、ボウフウ1.2、マオウ1.2、ダイオウ1.5、ボウショウ1.5、ビャクジュツ2.0、キキョウ2.0、オウゴン2.0、カンゾウ2.0、セッコウ2〜3、カッセキ3〜5とされており、原則として、これを、その20倍重量(従って560〜620重量部)の湯で抽出した後、1/2容量になるまで濃縮し、固形分を除いたもの(抽出液)を用いることができるが、本発明においては、さらに上記(A)及び(B)成分が後述する特定の割合になるように、サンシシ及びダイオウを刻む際の粗さの程度、抽出時間、抽出温度を調整する。
なお、書簡によっては、上記成分中、ビャクジュツを含まないもの(例えば「経験漢方処方分量集」、大塚敬節・矢数道明監集、医道の日本社発行)や、オウゴンを含まないもの(例えば「続漢方あれこれ」大阪読売新聞社編、浪速社発行)や、上記分量中、1.2(重量部)をすべて1.5(重量部)としているもの(例えば「明解漢方処方」、西岡一夫、高橋真太郎共著、浪速社発行)など、成分や成分比が多少異なるものもある。また、防風通聖散エキスの作り方として、ボウショウ以外の上記各成分に水400重量部を加え、200重量部まで煎じて、かすを除き、次いでボウショウを加えるとしているもの(例えば「和漢薬ハンドブック」、久保道徳、森山健三共著、保育社発行)のように、作り方が上記と多少異なるものもある。本発明の防風通聖散は、(A)成分及び(B)成分の割合が本発明で規定する範囲を逸脱しない限り、これらの差異は特に制限されず、上記従来公知の方法を適宜設計変更して使用することができる。
本発明が対象とする防風通聖散の形態及び形状は特に制限されず、例えば漢方生薬調査会により定められた「漢方製剤の基本的取扱い方針」に規定されるように、現在繁用されている漢方関係の書簡に記載されている漢方処方(生薬配合物)やこれらの漢方処方から得られるエキスおよびエキス末が包含される。すなわち、本発明において防風通聖散は、上記の植物原料から溶媒で抽出して調製されるエキス(エキス形態)を使用してもよく、また当該エキスを常法により粉末状または顆粒状に製剤化した、いわゆるエキス末(エキス末形態)、並びにさらにこれを打錠して錠剤形態としたものを使用してもよい。好ましい形態としては、エキスを常法により粉末状または顆粒状に製剤化したエキス末形態、またはこれを打錠した錠剤形態である。
かかるエキス末の製造方法としては、例えば、上記各植物原料の混合物に対し、約10〜20倍量の水を加え、80〜100℃程度で1〜3時間程度撹拌抽出し、温時遠心分離もしくは、ろ過して抽出液を得、これを減圧下に濃縮し、スプレードライ法等により乾燥エキス末とするか、或いはエキスの濃度を高めた軟エキスに適当な吸着剤(例えば無水ケイ酸、デンプン等)を加えて吸着エキス末とする方法が挙げられる。
(2)(A)成分:ゲニポシド類
本発明において、(A)成分:ゲニポシド類としては、アカネ科クチナシ(Gardenia jasminoides Ellis)の果実(生薬:サンシシ)に含まれるイリドイド配糖体であるゲニポシド及びゲニポシド酸を挙げることができる。これらは大腸内容物輸送を促進したり、持続的な胆汁分泌亢進作用が知られている。本発明の防風通聖散は、(A)成分として、ゲニポシド及びゲニポシド酸の少なくとも1種を含有していればよく、必ずしも両方を含有している必要はない。ゲニポシド及びゲニポシド酸のうち、好ましくはゲニポシドである。
本発明で規定する防風通聖散中のゲニポシド類の量は、一般的な高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定されるゲニポシド及びゲニポシド酸の総量である。具体的には、サンシシ中のゲニポシド類は、第十六改正日本薬局方(2011年)の1508〜1509頁の「サンシシ」、防風通聖散エキス中のゲニポシド類は、第十六改正日本薬局方(2011年)の1471〜1473頁の「加味逍遥散エキス」の記載に従い、それぞれ検出・定量することができる。
本発明の防風通聖散において、(A)ゲニポシド類の含有量は、特に限定されないが、通常、0.35〜2.5重量%の範囲であり、好ましくは0.45〜2.5重量%、より好ましくは0.6〜2.5重量%である。
(3)(B)成分:センノシド
本発明において、(B)成分:センノシドとしては、ダイオウ(Rheum palmatum Linne, Rheum tanguticum Maximowicz, Rheum officinable Baillon, Rheum coreanum Nakaiまたはそれらの種間雑種)に含まれるセンノシドA及びセンノシドBを挙げることができる。これらのセンノシドは、腸内細菌により加水分解され活性本体のレインアンスロンに代謝変換され、瀉下作用を発揮することが知られている。本発明の防風通聖散は、(B)成分として、センノシドA及びセンノシドBの少なくとも1種を含有していればよく、必ずしも両方を含有している必要はない。センノシドA及びセンノシドBのうち、好ましくはセンノシドAである。
本発明に規定する防風通聖散中のセンノシドの量は、一般的な高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定されるセンノシドA及びセンノシドBの総量である。具体的には、ダイオウ中のセンノシドは、第十六改正日本薬局(2011年)の1539〜1540頁の「ダイオウ」、防風通聖散エキス中のセンノシドは、第十六改正日本薬局方(2011年)の1541〜1542頁の「大黄甘草湯エキス」の記載に従い、それぞれ検出・定量することができる。
本発明の防風通聖散において、(A)センノシドの含有量は、特に限定されないが、通常、0.04〜0.3重量%の範囲であり、好ましくは0.05〜0.3重量%、より好ましくは0.07〜0.3重量%である。
(4)(A)成分と(B)成分との配合比率
本発明の防風通聖散において、前述する(A)成分と(B)成分の配合比率は、(A)成分100重量部に対して、(B)成分が6〜12重量部である。この範囲内であれば、(B)成分の含有量に比例して効率よく体内脂肪の蓄積抑制および/または低減効果を奏する。好ましくは、(A)成分100重量部に対して、(B)成分が8〜12重量部である。
本発明の防風通聖散の投与量は、患者の状態や症状の程度によって適宜変更され得るが、成人一人(体重60kg)に対する1日あたりの(A)成分に換算して通常15〜90mg程度、好ましくは20〜90mg程度、より好ましくは25〜90mg程度である。本発明の防風通聖散は、前記(A)成分の投与量を満たすように調製される。この範囲内であれば、本発明の防風通聖散は、上記配合量の(A)成分に前述する配合比率になるように(B)成分の割合を調整して製剤化することによって、本来十分に得られなかった、優れた内臓脂肪の蓄積抑制および/または低減効果を発揮し得る。
本発明の防風通聖散において、上記(A)成分および(B)成分の配合量および配合比率は、従来公知の方法により、調製することができる。具体的には、本発明の防風通聖散を調製する際に、各成分が上記配合量および配合比率を充足するように、予め原料(サンシシ、ダイオウ)中の(A)成分および(B)成分の含有量を前述の第十六改正日本薬局方に従って測定し、その結果に基づいて使用する原料を選択するのが望ましい。また、得られる防風通聖散中の各成分の含有量は、原料を刻む際の粗さの程度、抽出時間、抽出温度を調整する等の条件によっても適宜調整することができる。防風通聖散中に含まれる(A)成分および(B)成分の量は、下記実施例に記載される条件に従って確認することができる。
(5)その他の成分
本発明の防風通聖散は、上記有効成分と薬学的に許容される従来公知の担体、賦形剤等を組み合わせて各種剤型に調製され得る。
本発明の防風通聖散は、経口投与形態であれば限定されず、液剤(シロップ等を含む)等の液状製剤(懸濁剤含む)や、錠剤、丸剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤(ソフトカプセルを含む)等の固形製剤のいずれでもよい。
本発明の防風通聖散を液状製剤の形態とする場合、凍結保存することもでき、また凍結乾燥等により水分を除去して保存してもよい。凍結乾燥製剤やドライシロップ等は、使用時に滅菌水等を加え、再度溶解して使用される。
本発明の防風通聖散を固形剤の形態とする場合、例えば、錠剤の場合であれば、担体として当該分野で従来公知のものを広く使用することができる。このような担体としては、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、尿素、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、ケイ酸等の賦形剤;水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、セラック、メチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、アルギン酸ナトリウム等の結合剤;乾燥デンプン、カンテン末、ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、クロスポビドン、ポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等の崩壊剤;カカオバター、水素添加油等の崩壊抑制剤;第4級アンモニウム塩、ラウリル硫酸ナトリウム等の吸収促進剤;グリセリン等の保湿剤;デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着剤;精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチレングリコール等の滑沢剤等を使用できる。さらに錠剤は、必要に応じ通常の剤皮を施した錠剤、例えば糖衣錠、ゼラチン被包錠、腸溶被錠、フィルムコーティング錠あるいは二重錠、多層錠とすることができる。また、前記有効成分を含有する組成物を、ゼラチン、プルラン、デンプン、アラビアガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等を原料とする従来公知のカプセルに充填して、カプセル剤とすることができる。
また、丸剤の形態とする場合、担体として当該分野で従来公知のものを広く使用できる。その例としては、例えばブドウ糖、乳糖、デンプン、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等の賦形剤、アラビアゴム末、トラガント末、ゼラチン、エタノール等の結合剤、ラミナラン、カンテン等の崩壊剤等を使用できる。
上記以外に、添加剤として、例えば、界面活性剤、吸収促進剤、吸着剤、充填剤、防腐剤、安定剤、乳化剤、可溶化剤、浸透圧を調節する塩を、得られる製剤の投与単位形態に応じて適宜選択し使用することができる。
また、アミノ酸、ビタミン類、有機酸塩類等の他の活性成分を含有させても良い。他の活性成分としては、例えば、バリン、ロイシン、イソロイシン、トレオニン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、リジン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、システイン、シスチン、チロシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒドロキシリジン、アルギニン、オルニチン、ヒスチジン等のアミノ酸;ビタミンA1、ビタミンA2、カロチン、リコピン(プロビタミンA)、ビタミンB6、ビタミンB1、ビタミンB2、アスコルビン酸、ニコチン酸アミド、ビオチン等のビタミン類;塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩や、クエン酸塩、酢酸塩、リン酸塩等の有機酸塩類が挙げられる。
これらの形態はいずれも当該分野における通常の方法を用いて調製でき、例えば、錠剤は、上記有効成分と、不溶性食物繊維およびその他錠剤を得るために必要な賦形剤等を適宜添加し、よく混合分散させたのち打錠して得ることができる。また、散剤は、上記有効成分と、不溶性食物繊維およびその他散剤を得るために必要な賦形剤等を適宜添加し、好適な方法にて混合、粉体化して得ることができる。
(6)適用
本発明の防風通聖散の投与量は、上記(4)に記載の(A)成分の総量に基づく投与量(1日当たりの投与量)に従って適宜設定することができ、通常一日2〜3回に分けて経口投与の形態で用いられる。服用時刻は、特に限定されないが、食前または食間が好ましい。
本発明の防風通聖散は、成人一人(体重60kg)1日あたり、乾燥エキスとして通常1〜10g程度、好ましくは1.5〜8g程度、より好ましくは1.5〜6g程度である。
本発明の防風通聖散は、内臓脂肪蓄積抑制および/または低減に優れた効果を発揮するものである。従って、本発明の防風通聖散は、抗肥満用製剤(特に抗内臓脂肪型肥満用製剤)等として好適に使用され得る。
内臓脂肪型肥満とは、内臓のまわりに脂肪が蓄積するタイプの肥満症であり、メタボリックシンドロームタイプの肥満として認識されている。内臓脂肪型肥満の判定基準は、日本肥満学会の肥満症治療ガイドライン2006によると、(i)「ウェスト径が男性85cm以上、女性90cm以上」(ii)「腹部CTスキャンによる内臓脂肪面積が100cm以上」の2つの条件を満たしたものとされている。本発明の防風通聖散は、内臓脂肪の蓄積が原因となるメタボリックシンドロームの予防、改善および/または治療用としても好適である。
以下に実施例等を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、下記の実施例において特に言及しない場合は、「部」は重量部を、「%」は重量%を意味するものとする。
実施例1〜8、比較例1〜5
SDラット(4週齢)雄を1週間馴化した後、普通飼料CE−2(日本クレア製)にラードを20%配合した飼料(高脂肪食)にて飼育し、肥満モデルラット(13群、各群6匹)を作製した。1日1回、表1および2に示される量のゲニポシド((A)成分)とセンノシドA((B)成分)をそれぞれ含有する防風通聖散エキス(実施例1〜8、比較例1〜5)を、5ml/day/kgとなるように4週間経口投与し、堵殺後、内臓脂肪を摘出して重量を測定した。各群において、測定した内臓脂肪重量の平均値を算出し、「4週間服用後の内臓脂肪重量」とした。
ここで、防風通聖散エキスの調製に際して、原料生薬を、トウキ1.2(重量部、以下同じ)、シャクヤク1.2、センキュウ1.2、サンシシ1.2、レンギョウ1.2、ハッカ1.2、ショウキョウ1.2、ケイガイ1.2、ボウフウ1.2、マオウ1.2、ダイオウ1.5、ボウショウ1.5、ビャクジュツ2.0、キキョウ2.0、オウゴン2.0、カンゾウ2.0、セッコウ2.0およびカッセキ3.0の割合で用い、これらを刻んだ後、水20倍重量(560重量部)を用いて約100℃で1時間抽出し、遠心分離して抽出液を得、減圧下で濃縮してスプレードライヤーを用いて乾燥した。なお、スプレードライヤーによる乾燥は、抽出液を回転数10000rpmのアトマイザーに落下させ、150℃の空気の熱風を供給して行った。
防風通聖散エキスは、それぞれ原料として使用するサンシシおよびダイオウを、(A)成分や(B)成分の含有量に基づいて選択したり、サンシシ及びダイオウを刻む際の粗さの程度を調整することで、(A)成分および(B)成分の含有量が、表1に記載する割合になるように調製した。サンシシに含まれる(A)成分の量の確認は、第十六改正日本薬局方(2011年)の1508〜1509頁の「サンシシ」の定量法に、また、ダイオウに含まれる(B)成分の量の確認は、第十六改正日本薬局(2011年)の1539〜1540頁の「ダイオウ」の定量法にそれぞれしたがって行った。
また、防風通聖散エキス中の(A)成分および(B)成分の量の確認については以下の方法に従って行った。
(A)成分の定量方法
防風通聖散エキス0.5gを50%メタノールで十分に抽出したのち、第十六改正日本薬局方(2011年)の1471〜1473頁「加味逍遥散エキス」に記載の定量法にしたがって定量した。カラムはCOSMOSIL「5C18−MS−II」(内径4.6×150mm)(ナカライテスク株式会社製)を、カラム温度は40℃にて、移動相は、水とアセトニトリル(和光純薬工業株式会社製)、リン酸(和光純薬工業株式会社製)が、900:100:1となる混液を用い、紫外吸光光度計(株式会社島津製作所製)にて240nmの吸光度を測定することによって行った。
(B)成分の定量方法
防風通聖散エキス0.2gを酢酸エチル20mL及び水10mLを加えて十分に抽出したのち、第十六改正日本薬局方(2011年)の1541〜1542頁「大黄甘草湯エキス」に記載の定量法にしたがって定量した。カラムはCOSMOSIL「5C18−MS−II」(内径4.6×150mm)(ナカライテスク社製)を、カラム温度は30℃にて、移動相に水とアセトニトリル(和光純薬工業株式会社製)とリン酸(和光純薬工業株式会社製)が2460:540:1となる混液を用い、紫外吸光光度計(株式会社島津製作所製)にて340nmの吸光度を測定した。
コントロール群(比較例1)は、防風通聖散エキスの代わりにCMC(カルボキシメチルセルロース)水溶液を飲ませた。各実施例1〜8、及び比較例2〜5の「4週間服用後の内臓脂肪重量」を、比較例1の「4週間服用後の内臓脂肪重量」で除算した値に100を乗じた値を、「内臓脂肪に対する効果」(単位%)とした。この場合、値が小さくなるほど、内臓脂肪重量が低下していること、つまり内臓脂肪に対する効果が高いことを意味する。結果を表1および2に示す。
ここで、ヒトへの投与量については、動物への投与量から薬理効果と薬物動態の種差を考慮し、「CRCテキストブック 日本臨床薬理学会認定CRCのための研修ガイドライン」に基づいて行った。具体的には、丸ごとの動物への投与量Xmg/kg/dayを、ヒトへの投与量Xmg/body/dayとして換算した。
表1の比較例2によれば、本試験期間において、(A)成分100重量部あたり、(B)成分が6重量部未満であれば、4週間服用後の「内臓脂肪重量」が比較例1と比べて減少が限定的であり(10%未満)、内臓脂肪に対して十分な効果を発揮しないことが確認できる。しかし、実施例1〜4のように、(A)成分100重量部に対する(B)成分の割合を6〜12重量部とすると、いずれも、比較例1の結果に比べて25%以上という、内臓脂肪の蓄積抑制効果を非常に高く発揮することが示された。また、表2のように、(A)成分および(B)成分の投与量を増加させた場合でも、実施例1〜4と同様に、優れた内臓脂肪蓄積抑制効果が見られた。一方、比較例3のように、(A)成分100重量部に対して、(B)成分の割合を12重量部より多くすると、(B)成分の投与量に対する効果が見られにくくなった。
本発明の防風通聖散であれば、比較的低用量であってもセンノシド((B)成分)との配合比率を調整することによって、優れた内臓脂肪の蓄積抑制効果を発揮し得ることが示された。
処方例1〜36
以下に処方例を示すが、本発明はこれらに限定されない。下記処方例1〜36に記載の処方に従って常法により錠剤を製した。
処方例1および4について、被験者をウェスト周りが85cm以上の男性とし、それぞれ6名ずつに防風通聖散を1ヶ月間、1日3回にわけて食前または食間に服用させた。服用前と服用1ヶ月後に、「全身用X線コンピューター断層装置 Pronto Xi・Si」(株式会社日立メディコ製)にて臍部CT撮影を行い、内臓脂肪面積を測定した。測定した内臓脂肪面積の平均値を算出した(小数点第2位以下を四捨五入)。
処方例1および4は、服用前後において、内臓脂肪に12%以上の減少が見られた((処方例1)服用前:109.3cm、1ヶ月服用後:96.1cm、変化率:87.9%、(処方例4)服用前:128.5cm、1ヶ月服用後:112.5cm、変化率:87.5%)。このことから、動物実験の結果と同様に、ヒトにおいても(A)成分100重量部に対する(B)成分の配合比率が6〜12重量部である場合に、内臓脂肪に対して効果があること、特に内臓脂肪の減少効果が得られることが示された。

Claims (1)

  1. (A)ゲニポシド及びゲニポシド酸から選択される少なくとも1種のゲニポシド類の総量100重量部に対して、(B)センノシドを6〜12重量部の割合で含むことを特徴とする防風通聖散。
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