JP2018130915A - 漆製品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また、最近では特許文献1で開示されるように、非浸透性かつ可撓性のある基材、例えばポリプロピレン製の抜き型の表面に漆を主成分とする塗料を塗布し、これを乾燥・硬化させた後にその上層に再度漆塗料を塗布し、これを乾燥・硬化するという塗布工程を繰り返すことで漆塗料を塗り重ねた積層体を抜き型上に形成し、次いで抜き型を撓ませることで積層体を抜き型から離型させて得た漆製品が提案されてきている。
しかしながら、単一素材であるためにデザイン性の自由度が少なく、更にこれら漆製品を活用した創作性に富んだ製品が望まれるようになってきた
図1乃至図7を参照して、例えば漆製品10のコップ11を製造する場合を例として、漆製品及び漆製品の製造方法を説明する。主に図7の製造工程を示すフロー図に従って説明する。本実施形態ではコップ11を例にして説明するが、その他にも杯・皿・重箱・茶わん・徳利・水差し・湯飲み・わん・コーヒーカップ・銘々皿・取り皿・盛器・菓子器・盃・ぐいのみ・片口・屠蘇器・手桶・飾り皿・棗・炉縁・喰籠・茶杓・茶箱・たる・盆・ぜん・はし・はし箱・茶托・花瓶・香炉・香合・水盤・花器等にも応用でき、後述する造形物にも適用が可能である。
そして、基材31を硬化しないうちに、コップ22を、その基材31の中に埋没させて型を取る。基材31がある程度硬化すれば、基材31からコップ22を取り除く。
そして、次に乾燥工程(S5)を行う、漆塗料を塗った製品10を乾燥させる工程である。乾燥工程(S5)は、温度23℃から27℃の室温、湿度70〜80%程度の雰囲気の暗室に12時間程度静置して乾燥・硬化させる。漆は、主成分であるウルシオールと酸化酵素ラッカーゼが空気中の水分から酸素を取り込み酸化重合が起こり硬化する。
そして、図5に示すように漆塗料の漆塗り工程(S4)と乾燥工程(S5)を複数回繰り返す(S6)ことで、下地13の上に本塗り14を積み重ね積層体として厚みを増していくと同時に、漆製品10の色合い等を調整していく。
また、漆製品10で型を作ることは、漆製品10は最初、液状であるため型を最初から形成することは難しく、所望する異素材20により型を形成することで、異素材20の一部を取り込むことが容易となり、また最初に形状が形成されている異素材20から型を取ることで型作りも容易となる。
次に、他の実施例として、紙を型として利用し漆製品を形成する製造工程を図7乃至図9を参照し説明する。尚、上述した工程と同じ工程は同じ符号を付し、同じ工程であることから詳細は省略する。
図7は、実施形態の漆製品10及び110の製造工程を示すフロー図である。図8(A)は、型130を成形する様子を示す概要図である。図8(B)は、型130の上で漆製品110を成形した様子を示す概要図である。図9は、漆製品110を型130から離型した様子を示す概要図である。
次に上述した乾燥工程(S5)を行い。漆塗り工程(S4)及び乾燥工程(S5)を複数回行い、形状として完成すれば、図9に示すように型130から漆製品110を離型する離型工程(S7)を行う。そして、最後に上述した仕上げ工程(S8)を行う。
以下に本実施形態の技術的特徴点の一例を括弧に内に示すが、特に限定するものでもなく例示しているものであり、これら特徴から考えられる効果についても記載する。
漆製品(例えば、主に漆製品10、110)とは異なる素材となる異素材製品(例えば、主に異素材20、120)から型(例えば、主に基材31、型130)を成形し(例えば、主に型取り工程(S1))、前記異素材製品から前記型を成形した一部分と同じ形状の部分となる部品(例えば、主に部品23、陶磁器122)を作成し(例えば、主に部品取り工程(S2))、前記部品を前記型と同じ形状の箇所に仮止めを行い(例えば、主に部品貼り付け工程(S3))、その後、前記型及び前記部品の少なくとも周囲に漆塗料(例えば、主に下地13)を塗布し(例えば、主に漆塗り工程(S4))、その漆塗料を乾燥し(例えば、主に乾燥工程(S5))、漆塗料(例えば主に本塗り14)の塗布及び漆塗料の乾燥を繰り返し行い(例えば、主にS6)、前記部品と共に漆製品の積層体を形成し、前記型から前記部品と共に離型(例えば、主に離型工程(S7))して漆製品を得るようにしたことを特徴とする。
前記漆塗料との間に密着する粘土状の補強材(例えば、主に補強材15)を前記部品の周囲に敷設し、前記補強材を乾燥させて硬化させ前記漆製品を得るようにしたことを特徴とする。
以上の製造方法によって、異素材を漆製品に取り込む際に、漆塗料が異素材から剥がれ難く又異素材と漆塗料の積層体の補強にも役立つ。
前記補強材の上から前記漆塗料(例えば、主に本塗り14)を塗布し、乾燥させて硬化し前記漆製品を得るようにしたことを特徴とする。
以上の製造方法によって、漆塗料を硬化させる方法と同じ方法で乾燥させることができるので作業上利便性が良い。また、漆を塗ることで硬化させ硬くより丈夫な製品となる。
焼き入れして形成した土又は石と、漆とを練り混ぜて形成した前記補強材を使用し前記漆製品を得るようにしたことを特徴とする。
以上の製造方法によって、漆塗料と補強材の密着性が良くなり、漆塗料が塗りやすくなると同時に、漆塗料がなじみやすく補強としての役割が強化される。
前記部品を得る工程は、前記異素材製品を破壊し、破壊した前記異素材製品の一部から抽出した前記部品であることを特徴とする請求項1に記載の漆製品の製造方法。
以上の製造方法によって、加工した物ではでない、今までにない形状の部品を取り込むことができるので、デザイン性に豊かな漆製品が製造することができる。
漆とは異なる異素材(例えば、主に異素材20、120)を一部に含み、前記異素材以外の部分を漆により形状(例えば、主にコップ11、漆製品10、110)を形成したことを特徴とする。
以上の漆製品によって、今までにデザイン性に豊かな漆製品ができる。
前記異素材は、透明なガラス製品(例えば、ガラスのコップ22)であることを特徴とする。
以上の漆製品によって、ガラスに加工しなければ、ガラスに漆を取り入れることは出来なかったが、漆製品にガラスを取り込むことが可能であるため、ガラスそのものと漆そのものを手触りや質感を楽しむことが可能となった。
20・120…異素材、21・121…模様、22…コップ、23…部品、30…型枠、
31…基材、32・133…貼付位置、111…漆塗料、122…陶磁器、130…型、
131…紙、135…離型剤。
Claims (7)
- 漆製品とは異なる素材となる異素材製品から型を成形し、前記異素材製品から前記型を成形した一部分と同じ形状の部分となる部品を作成し、前記部品を前記型と同じ形状の箇所に仮止めを行い、その後、前記型及び前記部品の少なくとも周囲に漆塗料を塗布し、その漆塗料を乾燥し、漆塗料の塗布及び漆塗料の乾燥を繰り返し行い、前記部品と共に漆製品の積層体を形成し、前記型から前記部品と共に離型して漆製品を得るようにしたことを特徴とする漆製品の製造方法。
- 前記漆塗料との間に密着する粘土状の補強材を前記部品の周囲に敷設し、前記補強材を乾燥させて硬化させ前記漆製品を得るようにしたことを特徴とする請求項1に記載の漆製品の製造方法。
- 前記補強材の上から前記漆塗料を塗布し乾燥させて硬化し前記漆製品を得るようにしたことを特徴とする請求項2に記載の漆製品の製造方法。
- 焼き入れして形成した土又は石と、漆とを練り混ぜて形成した前記補強材を使用し前記漆製品を得るようにしたことを特徴とする請求項2に記載の漆製品の製造方法。
- 前記部品を得る工程は、前記異素材製品を破壊し、破壊した前記異素材製品の一部から抽出した前記部品であることを特徴とする請求項1に記載の漆製品の製造方法。
- 漆とは異なる異素材を一部に含み、前記異素材以外の部分を漆により形状を形成したことを特徴とする漆製品。
- 前記異素材は、透明なガラス製品であることを特徴とする請求項6に記載の漆製品。
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KR102143049B1 (ko) * | 2019-03-22 | 2020-08-13 | 강정은 | 유리 제품에 옻칠하는 방법 |
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JPS4993416A (ja) * | 1972-10-30 | 1974-09-05 | ||
JP2011121350A (ja) * | 2009-12-14 | 2011-06-23 | Taiseisha Co Ltd | 色漆の絵付技法及び色漆絵付製品 |
JP2015134479A (ja) * | 2014-01-20 | 2015-07-27 | 数明 都築 | 漆製品の製造方法 |
JP2016094320A (ja) * | 2014-11-17 | 2016-05-26 | 株式会社スパティウムアデレ | ガラス表面の加飾方法 |
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2017
- 2017-02-17 JP JP2017027415A patent/JP6570131B2/ja active Active
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