JP2018130678A - 空気ダクト清掃用ロボット - Google Patents
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Abstract
Description
このような場合、孔を開けずにダクト内を清掃できるようにすることが必要であるが、この方法として、ダクト内を走行できるロボットを採用することが考えられる。特許文献2には、この趣旨の技術が開示されている。
しかしながら、特許文献2では、自動車を模した車体に四つの駆動輪を設けた機構(四輪駆動機構)がロボットとして採用されているので、構造的に大がかりであり、横幅がかなりある。このため、内部空間が狭いダクト(細いダクト)には向かない。
本願の発明は、この点を考慮して為されたものであり、内部空間が狭い細いダクトの清掃を好適に行える清掃用ロボットを提供することを目的としている。
平面視で一列に配列された三組以上又は三個以上の車輪と、
三組以上又は三個以上の車輪のうちの一組又は一個の車輪を間に介在させながら連結された二個以上のリンクと、
少なくとも一組又は一個の車輪を駆動して各リンク及び各車輪を一体に移動させる移動用駆動源とを備えており、
二個以上のリンクは、平面視で同一直線上に延びる長尺な部材であって、先頭に向かって交互に斜め上又は斜め下に延びており、
最も後ろ側に位置するリンクの後端には、三組以上又は三個以上の車輪のうちの一組又は一個の車輪が取り付けられ、最も前側に位置するリンクの先端には、三組以上又は三個以上の車輪のうちの他の一組又は一個の車輪が取り付けられており、
各車輪が空気ダクトの内壁面に当接するように弾性力を作用させる弾性部材がいずれかの車輪の車軸又はリンクに設けられており、
最も前側に位置するリンクの先端に連結された一組又は一個の車輪は、方向制御用車軸を介して当該リンクに連結されており、方向制御用車軸は、リンクの長さ方向に交差する向きに向いており、
方向制御用車軸には、方向制御用車軸の向きを変更して移動用駆動源による移動の方向を制御する方向制御用駆動源が設けられており、
いずれかの車輪又はリンクには清掃用ブラシが連結されており、
清掃用ブラシは、ロッド部と、ロッド部に設けた繊毛とから成っており、ロッド部は繊毛の先端が空気ダクトの内壁面に到達可能な長さであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項2記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記清掃用ブラシのロッド部は、前記方向制御用車軸に連結されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項3記載の発明は、前記請求項1又は2の構成において、前記清掃用ブラシは、前記繊毛の交換が可能な状態で取り付けられているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項4記載の発明は、前記請求項3の構成において、前記清掃用ブラシは、全体に着脱可能に連結されているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項5記載の発明は、前記請求項1乃至4いずれかの構成において、前記清掃用ブラシのロッド部は可撓性であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項6記載の発明は、前記請求項1乃至5いずれかの構成において、前記弾性部材は、隣り合う二個のリンクの間に位置する車輪の車軸に設けられたものであって、当該二個のリンクが成す側面視の角度が180度より小さい角度においてさらに小さな角度になるように弾性力を作用させるものであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項7記載の発明は、前記請求項1乃至6いずれかの構成において、前記移動用車輪は、オムニホイールであるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項8記載の発明は、前記請求項1乃至7いずれかの構成において、前記車輪の組の数又は前記車輪の数は三個であり、前記リンクの数は二個であるという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項9記載の発明は、前記請求項1乃至7いずれかの構成において、前記車輪の組の数又は前記車輪の数は四個であり、前記リンクの数は三個であるという構成を有する。
また、請求項2記載の発明によれば、上記効果に加え、清掃用ブラシが方向制御用車軸に連結されているので、方向制御用車軸の動きを利用して清掃用ブラシの動作範囲を大きくすることができ、構造的に簡略になる。
また、請求項3記載の発明によれば、上記効果に加え、清掃用ブラシの繊毛が交換可能であるので、摩耗した際、ロボット全体を交換する必要がない。
また、請求項4記載の発明によれば、上記効果に加え、清掃用ブラシ全体を交換することができるので、繊毛の固定強度が低くなる問題がない。
また、請求項5記載の発明によれば、上記効果に加え、清掃用ブラシのロッド部が可撓性であるので、汚れの擦り出しがより十分に行えたり、清掃用ブラシの損傷が防止されたり、ロボットの移動がスムーズになったりする効果が得られる。
また、請求項6記載の発明によれば、上記効果に加え、弾性部材が車軸に内蔵されているので、より構造が簡略化される。
また、請求項7記載の発明によれば、上記効果に加え、螺旋状の移動を行いながら清掃用ブラシで空気ダクトの内壁面を擦ることができるので、周方向の全域について容易に清掃を行うことができる。
また、請求項8記載の発明によれば、上記効果に加え、車輪の組の数又は車輪の数は三個であり、リンクの数は二個であるので、内部空間が狭く屈曲箇所が多い空気ダクトの清掃用により適したものとなる。
また、請求項9記載の発明によれば、上記効果に加え、車輪の組の数又は車輪の数は四個であり、リンクの数は三個であるので、内部空間が狭く屈曲箇所が多い空気ダクトの清掃用により適したものとなる。
図1〜図3は、実施形態の空気ダクト清掃用ロボットの概略図であり、図1は斜視概略図図2は平面概略図、図3は側面概略図である。
図1〜図3に示す空気ダクト清掃用ロボットは、狭い空気ダクト内の清掃を考慮し、車輪連結型ロボットの構造を採用している。車輪連結型ロボットは、長尺ロボットの一種であり、三組又は三個以上の車輪を二個以上のリンクで連結した構造を有する。各リンクは平面視では一直線上になるので、ロボット全体として長尺なものとなる。
車軸110,120,130はリンク21,22の両側に取り付けられて、各車軸110,120,130の向きは平面視でリンク21,22の長さ方向に対して垂直である。各車軸110,120,130は、リンク21,22の幅よりも僅かに長い程度である。従って、各車軸110,120,130の両側に取り付けられた車輪11,12,13は、リンク21,22の幅に対して少しはみ出している程度である。
この実施形態では、移動用車輪11,12としてはオムニホイールが使用されている。このため、移動用車輪11,12は、前後方向(平面視でリンク21,22の長さ方向)に移動可能なほか、左右方向(平面視でリンク21,22の幅方向)にも移動可能である。
このような方向制御用車輪13の形状は、実施形態のロボットが、断面円形の空気ダクトの清掃用にも使用されることを考慮したものである。従って、方向制御用車輪13の半球の曲率は、想定される空気ダクトの内面の断面形状における円弧の曲率を考慮して選定される。方向制御用車輪13は、ウレタンのような樹脂製であり、ダクトの内壁面との間で適度な摩擦力が生じるようになっている。
この実施形態では、車輪11,12,13を駆動する駆動源として二種類のものが設けられている。一つは、ロボット全体を移動させるための駆動源(移動用駆動源)31,32である。もう一つは、移動の方向を制御するための駆動源(方向制御用駆動源)33である。
各移動用駆動源31,32としては、DCサーボモータ等のモータが使用されている。第一の移動用駆動源31の出力軸は、第一の傘歯車(符号省略)を介して第一車輪11の車軸110に連結されている。また、第二の移動用駆動源32の出力軸は、第二の傘歯車(符号省略)を介して第二車輪12の車軸120に連結されている。このため、第一の移動用駆動源31が動作すると第一の傘歯車を介して第一車輪11が回転し、第二の移動用駆動源32が動作すると第二の傘歯車を介して第二車輪12が回転する。回転の向きに応じ、ロボットが前進又は後退をする。
尚、方向制御用車輪13は、方向制御用車軸130に対して不図示のベアリングを介して装着されている。従って、上記のように移動用駆動源31,32が動作してロボットが前進又は後退する際、方向制御用車輪13は従動して回転する。方向制御用車軸130は、第二のリンク22に直結されているので、回転しない。
上述した駆動源に対しては、ロボットケーブル4内に含まれる給電線を介して外部から電力が供給されるようになっている。ロボットケーブル4内には、各駆動原の動作速度や回転の向き、回転量等を制御する信号線も含まれている。リモートコントローラは、これら信号線を介して各駆動原を制御する制御ユニットや制御のための操作部を含んでいる。
図4に示すように、ロッド部51の一端は方向制御用車軸130に連結されている。ロッド部51は、二分割可能となっており、ビス止めによって両者は連結されている。ロッド部51の一方は、方向制御用車軸に固定されており、他方は先端側に延びて繊毛を固定している。即ち、ロッド部51は、方向制御用車軸130に対してビス止めされていて着脱可能な構造となっている。この他、ロッド部51の後端部の周面がねじ切りされていて、ねじ込み式で着脱される構造が採用されることもある。
実施形態のロボットを使用して空気ダクト9を清掃する場合、空気ダクト9における既存の開口からロボットを空気ダクト9内に進入させる。「既存の開口」とは、清掃用に新たに開口を設けることなくという意味である。例えば、空調ダクトであれば、空調機器本体と空調ダクトの接続部分を外して空調ダクトの端面開口からロボットを進入させる。換気ダクトであれば、建物の外壁面等に設けられた換気口からロボットを進入させたり、屋内に設けられた換気ファンを取り外し、屋内側からロボットを進入させたりする。排気ダクトであれば、排気ファンの接続部分を外してそこからロボットを進入させたり、屋外の排気ダクトの終端開口からロボットを進入させたりする。
また、一台のロボットを繰り返し空気ダクト清掃用に使用すると、清掃用ブラシ5の繊毛52が摩耗する。この場合は、清掃用ブラシ5をロッド部51の連結部分から取り外して新品と交換する。
尚、発明者の検討によると、空気ダクト清掃、特に家庭用等の内部空間が狭く屈曲箇所の多い空気ダクトの清掃用としては、車輪及びリンクの数は小さい方が好ましく、三組の車輪と二個のリンク、又は四個の車輪と三個のリンクぐらいが適当である。
また、清掃用ブラシ5のロッド部51が可撓性であるので、繊毛52を空気ダクトの内壁面に押し付けることで汚れの擦り出しが効率良く行われる。加えて、可撓性のロッド部51は、ロボットが空気ダクトの屈曲部を曲がる際の動きを円滑にしたり衝撃を吸収して清掃用ブラシ5の損傷を防いだりする効果がある。
CCDイメージセンサを使用した高性能のカメラが市販されているので、上記目的のカメラとして利用できる。ロボットとリモートコントローラとをつなぐロボットケーブル4内には、カメラへの給電線や制御信号線、カメラから撮影データを送るデータ線等が含められる。
薬液としては、典型的には厨房設備の排気ダクトにおいて油汚れを除去するためのもの(油を空気ダクトの内壁面から浮かせる性質を持ったもの)が採用される。薬液は、ノズルから噴射されて空気ダクトの内面に散布される。このため、こびりついた油汚れが容易に除去できる。この他、例えば消毒用の薬液が使用されることもあり、これは、厨房設備の排気ダクト以外でもあり得る(例えば病院における空調ダクト等)。
また、弾性部材が各リンク21,22に内蔵されることもあり得る。例えば各リンク21,22を長さ方向に縦設した二つの部材から成るものとし、両者の間に弾性部材を設ける。弾性部材の弾性力は、両者が離れる向きとし、この弾性力に抗して二つの部材を押し込みながらロボットを空気ダクト内に進入させるようにする。
尚、清掃用ブラシ5については、先頭の方向移動用車軸に設けることは上述した意義があるが、いずれかのリンク21,22に設けても良い。ロッド部51や繊毛52を適宜の長さとしたり、複数のブラシを設けたりすることで、空気ダクトの内壁面の清掃が適宜行われる構造を採用し得る。
110 移動用車軸
12 第二車輪(移動用車輪)
120 移動用車軸
13 方向制御用車輪
130 方向制御用車軸
21 第一のリンク
22 第二のリンク
31 移動用駆動源
32 移動用駆動源
33 方向制御用駆動源
4 ロボットケーブル
5 清掃用ブラシ
51 ロッド部
52 繊毛
6 弾性部材としての板バネ
Claims (9)
- 空気ダクトの内壁面を清掃する空気ダクト清掃用ロボットであって、
平面視で一列に配列された三組以上又は三個以上の車輪と、
三組以上又は三個以上の車輪のうちの一組又は一個の車輪を間に介在させながら連結された二個以上のリンクと、
少なくとも一組又は一個の車輪を駆動して各リンク及び各車輪を一体に移動させる移動用駆動源とを備えており、
二個以上のリンクは、平面視で同一直線上に延びる長尺な部材であって、先頭に向かって交互に斜め上又は斜め下に延びており、
最も後ろ側に位置するリンクの後端には、三組以上又は三個以上の車輪のうちの一組又は一個の車輪が取り付けられ、最も前側に位置するリンクの先端には、三組以上又は三個以上の車輪のうちの他の一組又は一個の車輪が取り付けられており、
各車輪が空気ダクトの内壁面に当接するように弾性力を作用させる弾性部材がいずれかの車輪の車軸又はリンクに設けられており、
最も前側に位置するリンクの先端に連結された一組又は一個の車輪は、方向制御用車軸を介して当該リンクに連結されており、方向制御用車軸は、リンクの長さ方向に交差する向きに向いており、
方向制御用車軸には、方向制御用車軸の向きを変更して移動用駆動源による移動の方向を制御する方向制御用駆動源が設けられており、
いずれかの車輪又はリンクには清掃用ブラシが連結されており、
清掃用ブラシは、ロッド部と、ロッド部に設けた繊毛とから成っており、ロッド部は繊毛の先端が空気ダクトの内壁面に到達可能な長さであることを特徴とする空気ダクト清掃用ロボット。 - 前記清掃用ブラシのロッド部は、前記方向制御用車軸に連結されていることを特徴とする請求項1記載の空気ダクト清掃用ロボット。
- 前記清掃用ブラシは、前記繊毛の交換が可能な状態で取り付けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の空気ダクト清掃用ロボット。
- 前記清掃用ブラシは、全体に着脱可能に連結されていることを特徴とする請求項3記載の空気ダクト清掃用ロボット。
- 前記清掃用ブラシのロッド部は可撓性であることを特徴する請求項1乃至4いずれかに記載の空気ダクト清掃用ロボット。
- 前記弾性部材は、隣り合う二個のリンクの間に位置する車輪の車軸に設けられたものであって、当該二個のリンクが成す側面視の角度が180度より小さい角度においてさらに小さな角度になるように弾性力を作用させるものであることを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の空気ダクト清掃用ロボット。
- 前記移動用車輪は、オムニホイールであることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の空気ダクト清掃用ロボット。
- 前記車輪の組の数又は前記車輪の数は三個であり、前記リンクの数は二個であることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の空気ダクト清掃用ロボット。
- 前記車輪の組の数又は前記車輪の数は四個であり、前記リンクの数は三個であることを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の空気ダクト清掃用ロボット。
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