以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技場内には多数の遊技機1(第2価値付与手段)が設置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2(価値受付手段、価値付与手段、第1状態切替手段、記録媒体保持手段、発行手段、第2状態切替手段、許容手段、乗入処理手段、認証手段、設定手段、乗入価値特定手段、第1価値付与手段、状態切替手段、抑制手段、貯蓄手段)及び情報表示装置3が設置されている。これら遊技機1、遊技装置2及び情報表示装置3は、中継装置4と接続されている。中継装置4は、LAN5を介して管理装置6(設定手段、貯蓄手段)と接続されている。
遊技場にはPOS7(設定手段、価値受付手段、交換手段、貯蓄手段、合算手段、判定手段、取込手段、返却手段、レート特定手段、対象レート特定手段)や残高精算機(図示せず)も設置されている。POS7及び残高精算機も、LAN5を介して管理装置6と接続されている。POS7は、遊技場内の景品交換カウンタに設けられており、遊技場の係員により操作される。POS7は、カードリーダ(図示せず、価値受付手段)を付属しており、一般カード8(第2記録媒体)を当該カードリーダにより受け付けると、その受け付けた一般カード8に記録されている持玉(遊技により獲得された遊技価値である獲得価値(第1獲得価値))に基づいて景品交換に関わる景品交換が可能であるか否かの判定や、景品交換に関わる情報の記憶等の景品交換処理を行う(獲得価値について精算処理を行う)。この場合、POS7は、一般カード8に記録されている獲得価値の大きさを取扱うときは、管理装置6が一般カード8に対応して予め記憶している獲得価値の大きさと照合した上で獲得価値の取扱いを有効とし、その有効とした獲得価値の範囲内での景品交換を許容する。また、残高精算機は、一般カード8を受け付けると、その受け付けた一般カード8に記録されている残高の返却処理を行う(貨幣価値の精算処理を行う)。
図1では遊技機1としてパチンコ玉を遊技媒体とするパチンコ機を図示したが、遊技場には玉を遊技媒体とするパチンコ機が設置されたパチンココーナーと、メダルを遊技媒体とするスロットマシンが設置されたスロットコーナーとが設けられている。パチンココーナーには、レートが1個4円のパチンコ機が設置された4パチコーナーと、レートが1個2円のパチンコ機が設置された2パチコーナーと、レートが1個1.67円のパチンコ機が設置された1.67パチコーナーと、レートが1個1円のパチンコ機が設置された1パチコーナーとが設けられている。スロットコーナーには、レートが1枚20円のスロットマシンが設置された20スロコーナーが設けられている。つまり、遊技場には、遊技機1にて使用する遊技価値の種類及びレートが異なるコーナーが複数設けられている。尚、レートとしては貸出レートと交換レートとを同一レートとしているが異なるレートを採用しても良い。
管理装置6は、遊技場内の例えば事務室等に設置されており、遊技場の管理者が操作するキーボード9、モニタ10、プリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)から送信される遊技信号を受信することにより、遊技機1、遊技装置2等の稼動状況を管理すると共に、遊技者毎の獲得価値の大きさ(持玉、会員の場合には貯玉(第2獲得価値)を記憶管理する。尚、図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。
管理装置6は、記憶しているコンピュータプログラムにしたがって作動し、遊技機1の稼動状況を示す遊技データを表示する遊技情報表示サービス、並びに遊技者が遊技により獲得した遊技媒体を一旦貯蓄し、当日或いは後日遊技に再利用できるようにする貯玉サービスを実行可能となっている。これらのサービスを実行するために、遊技機1や遊技装置2等から入出力部に入力される遊技信号に基づいて、遊技機1の稼動状態を特定して遊技機1毎に遊技情報を管理するようになっている。
遊技機1は、CRパチンコ機であり、盤面11に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル12、上部受皿13、下部受皿14を有すると共に、盤面11に、液晶表示部15、普図入賞口16、第1始動口17、第2始動口18、大入賞口19等を有する。
遊技機1は、以下に示すように動作する。
(1)第1始動口17は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口18は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口17,18への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を液晶表示部15にて行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。尚、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
(3)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は1/360であり、大当りがその後確変状態(確変)となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率は(通常状態、確変状態共に)66.6%である。大当りが発生すると15ラウンド(R)分だけ大入賞口19を開放する。1Rの上限入賞数は10玉、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数または上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
(4)確変中は大当り確率が1/31に向上すると共に、第2始動口18への入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。尚、確変は次回大当りまで継続するので、大当り後に大当りでも確変でもない状態である通常遊技状態(通常状態)となる大当り(通常大当り)が発生するまで継続し、その後は所定数(例えば100回)の図柄変動を行うまで時短状態となり、その後に通常状態となる。
(5)第2始動口18は普図入賞口16への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普図1回の変動時間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。また、開放時間は通常状態では0.3秒であり時短状態では5秒となる。即ち、時短状態では通常状態と比較して普図変動時間が短くなる一方、開放時間は長くなることで第2始動口18の入賞率が高くなる。尚、スロットマシンも設置されるが詳細な説明は省略する。
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打込みや各始動口17、18への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示す遊技信号を送信する。
アウト信号=消費玉を回収するアウトBOXから送信される消費価値(アウト)を特定可能な信号(稼動信号)である。消費(使用、打込、回収)玉10玉に対して1パルスが送信されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から送信される信号でも良い。
セーフ信号=遊技機1から出力される入賞付与価値(セーフ)を特定可能な信号である。払出(付与)玉10玉に対して1パルスが送信されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から送信される補給信号をセーフ信号としても良い。
始動信号=遊技機1から出力される始動入賞により変動(作動)する液晶表示部15(役物)におけるスタート処理(図柄変動、役物作動、単位遊技)を特定可能な信号である。図柄変動確定時に出力されるので、始動信号の受信に応じてスタート処理を特定し、「始動信号×1」をスタート(スタート処理数)として特定する。尚、始動入賞を示す信号としても良い。
大当り信号=遊技機1から送信される大当り期間を特定可能な信号である。大当り中にレベル送信される状態信号であるので、大当り信号の受信中を大当り中として特定する。
特別状態信号=遊技機1から送信される特別状態(甘中)を特定可能な信号である。第2始動口18の入賞率が向上する特別状態中(時短中)にレベル送信される状態信号であるので、特別状態信号の受信中を特別状態中として特定する。尚、大当り確率が向上する確変中にレベル送信される状態信号(確変信号)であっても良い。また、大当り信号と特別状態信号の何れも受信していない期間を通常状態として特定する。
遊技装置2は、所謂各台計数機能付の貸出機であり、遊技装置2の遊技状態を示す状態表示部20、貨幣(遊技者所有の貨幣価値、有価価値の一つ)が投入される貨幣投入口21、遊技者からの操作入力を受け付けると共に遊技の進行に伴って図柄変動回数(スタート回数)や大当り確率等の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部22、持玉または貯玉を払い出すための払出釦23、払出された玉が通過する払出ノズル24、一般カード8が挿入されるカード挿入口25、遊技機1の下部受皿14の下方に位置する着脱可能な計数受皿26等を有する。
遊技装置2は、以下に示す機能を備えている。
(1)貨幣が貨幣投入口21に投入されたことで、貨幣を受け付け(貨幣受付処理)すると、遊技機1と遊技装置2との双方において入金額を残高に加算して表示する。残高がある状態で遊技機1の貸出釦(図示せず)が押下(貸出操作、付与操作)されると、1回の貸出単位分の貸出玉(対価付与価値)を遊技機1内部の払出機構から払い出し(貨幣価値と引換に、遊技に使用可能な遊技価値を付与する付与処理である貸出処理を行い)、その対価分を残高から減算する。尚、貨幣は複数回分の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。尚、玉の払出を遊技装置2により行っても良い。
(2)遊技機1の下部受皿14が操作された(開放された)ことで、下部受皿14から落下した玉を計数受皿26で受けると、その受けた玉を持玉(計数玉)として計数して液晶表示部22に表示する。持玉がある状態で遊技装置2の払出釦23が押下(払戻操作)されると、持玉の一部を遊技機1内部の払出機構から払い出し(獲得価値と引換に、遊技に使用可能な遊技価値を付与する付与処理である払戻処理を行い)、その払出分を持玉数から減算する。尚、この場合も、玉の払出を遊技装置2により行っても良い。
(3)残高または持玉がある状態で遊技機1の返却釦(図示せず)が押下されると(発行操作を受け付けると)、残玉及び合計持玉(引換分を除いた残有価価値)を特定可能な一般カード8を発行する(発行処理を行う)。一般カード8がカード挿入口25に挿入されている状態で返却釦が操作されたときには、そのカード挿入口25に挿入されている一般カード8に残高及び合計持玉の情報を記録して発行し、一般カード8がカード挿入口25に挿入されていない状態で返却釦が操作されたときには、カードストック部(図示せず)にストックしているICカード(貯留記録媒体)をカード挿入口25に繰出して残高及び合計持玉を記録する(対応付ける)ことで一般カード8として発行する。一般カード8を発行すると、自装置を特定可能な情報(遊技装置ID、装置識別情報)、発行した一般カード8を特定可能な情報(カードID、記録媒体情報)、一般カード8に記録した残高及び合計持玉の情報等を含む発行情報を管理装置6に送信する。尚、残高や合計持玉の一部を発行対象とする分割発行も可能とする。また、一般カード8を受け付けた場合は、その残高や持玉を引継ぐ。
(4)会員カード(第1記録媒体)もカード挿入口25へと挿入することで受付可能で、会員カードに対しても一般カード8同様に持玉や残高を対応付け可能である。但し、残高は一般カード8同様に会員カードに書き込まれるが、持玉は持玉情報が会員カードには書込まれず、管理装置6にて会員カードのIDである会員IDに対応付けて管理され、会員IDが対応づけられると貯玉として特定される。即ち、遊技者の獲得価値として会員IDに対応付けられた獲得価値が貯玉であり、未対応のものが持玉となり、貯玉は営業日当日以外の期間を含む期間にて獲得した遊技価値である第2獲得価値であるから、翌日以降も払戻処理や景品交換等を可能とするが、持玉は当日限り有効等、異なる有効期限が設けられる等の違いがある。
(5)中継装置4との間でデータ通信(シリアル通信)を行うことで、上記した貨幣受付処理、付与処理、計数処理、払戻処理、発行処理、カード受付処理等の各処理、残高や貸出玉数、入金額、貸出玉数、貸出玉の対価となる売上額、計数玉、払戻玉等の値を特定する。これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定しても良い。尚、貸出玉や持玉の一部を払い出す際のデータ通信については中継装置4を介さずに遊技機1との間で直接行っても良い。
管理装置6には、会員カードの会員IDに対して上述した各コーナーのレートに対応する複数の口座が設定されており、玉やメダルを計数した場合に会員カードと対応付けて貯玉(預け入れ)することができる。つまり、本実施形態では、会員IDに対応付けて4パチ口座、2パチ口座、1.67パチ口座、1パチ口座、20スロ口座がそれぞれ設定されており、コーナーで使用可能なメイン口座(コーナーで優先的に使用する遊技媒体の持玉または貯玉のこと)、例えば、4パチコーナーであれば4パチ口座以外のサブ口座(2パチ口座、1.67パチ口座、1パチ口座、20スロ口座)を使用可能な乗入が可能となっている。例えば、4パチコーナーにおいて1パチ口座に1000個貯玉或いは持玉(当日貯玉)があれば、4円玉250個として貯玉の再プレイ、或いは持玉の払出に使用できる。
尚、持玉または貯玉の乗入は、オプションによりその運用が設定可能となっている。また、パチンコ機のみの乗入が可能、スロットマシンのみの乗入が可能、更に両方の乗入が可能な運用も設定可能となっている。
図2は乗入に関する設定である乗入設定1を示しており、管理装置6に対する設定操作に応じて各遊技装置2へ送信されることで各遊技装置2に設定される。
乗入設定1には、以下の項目が設定されている。
種別=レートに応じた遊技機グループ。尚、別途、対応する台番範囲が設定され、遊技装置2に対応する台番が属する台番範囲の種別が、当該遊技装置2の自レート(自種別、付与レート)となり、それ以外の種別が他レート(他種別)となり、その持玉や貯玉が他獲得価値となる。
認証上限(認証許容値)=遊技者が暗証番号や指紋認証等(認証情報)の認証処理の1回当りに許容される再プレイ数の上限。
再プレイ上限(付与許容値)=1営業日当り、1つの会員IDに対して許容される再プレイ数の上限。この上限値は乗入処理に関わらず該当レートにて払出された玉数の合計値と比較され、この上限値までの再プレイが許容される。
払出単位(基準操作付与単位)=遊技価値を付与する場合に、対価を貨幣価値とする貸出処理、対価を持玉とする払戻処理、或いは対価を貯玉とする再プレイ処理を行う場合の1回の操作に応じて払出される遊技媒体の基本となる上限値。
対価額単位=払出単位分の貸出処理を行った場合に減算される貨幣価値(レート情報)
換算基準値=該当レートの価値情報であり、対価額単位÷払出単位により示される1遊技価値当りの貨幣価値(レート)を示す。乗入処理を行う場合、乗入先の換算基準値を乗入元の換算基準値にて除した値が乗入時の換算率となる。例えば4パチから1パチに乗入る場合、乗入先となる1パチの換算基準値(1)を乗入元となる4パチの換算基準値(4)にて除した1/4が換算率となり、乗入払出により1パチにて払い出した玉数に換算率を乗じた値を対価として4パチから減算する。
尚、図2では、20スロについても換算基準値等を設定し乗入可能としているが、玉やメダル等異なる媒体間の乗入を禁じたり制限したりしても良い。
発行下限数(基準獲得価値)=一般カード8を発行するために最低限必要な遊技価値の基準値を示し、該当遊技価値がこの基準値未満の場合は、発行条件が成立せず、一般カード8の持ち去りによる一般カード8のコスト分の遊技場における損害を考慮して発行処理を行わない。
再P単位(第2の最小付与単位)=再プレイ処理を行う場合の払出単位(パチンコ玉は遊技機1からの払出となるため、遊技機1から払出を行う際の最低払出数)。
一方、遊技装置2には図3に示す乗入設定2が設定されており、乗入設定1と同様に管理装置6に対する設定操作に応じて各遊技装置2に設定される。この乗入設定2は、後述する乗入操作に応じて、レート(種別)の異なる持玉や貯玉(持玉等)を自身に対応した種別(自種別)の再プレイ処理(貯玉乗入払出)や払戻処理(持玉乗入払出)を行うための換算処理である乗入処理を行う際に、乗入設定1と同様に参照されるように設定されている。即ち、乗入設定2では、乗入処理時に整数とならない(小数点未満の)端数が発生しないように乗入設定1の払出単位とは異なる払出単位を含む払出単位(乗入単位)を乗入の組み合わせに応じて設定している。つまり、持玉を対価とする持玉乗入払出は1玉単位(払出ノズル24による払出単位(第1の最小付与単位、基準最小付与単位))で払い出す遊技装置2の払出ノズル24を払出手段とする一方、貯玉を対価とする貯玉乗入払出は25玉単位(遊技機1による払出単位(第2の最小付与単位、基準最小付与単位))で払い出す遊技機1を払出手段とするが、端数を考慮して乗入対象となるレートの組み合わせ、及び対象となる払出手段に応じて各々異なる払出単位を設定している。
図3は、乗入元から乗入先へと乗入処理を行った場合の払出単位(乗入操作付与単位。但し「最小」を除く)を上段(「払出」)に示し、その払出単位分の払出を行った場合に乗入元の対価となる持玉または貯玉減算値を下段(「対価」)に示し、更に乗入対象が持玉であれば左側(「持玉」)、貯玉であれば右側(「再P」)に示している。また、中央(「最小」)は持玉乗入時の最小乗入単位(乗入最小付与単位)を示している。つまり、貯玉が対象の場合は乗入設定1の払出単位未満の払出を行わないことを条件として乗入処理を行うことから、1種類のみを設定するものの、持玉が対象の場合には、そのような条件なく乗入処理を行うことから乗入設定1の払出単位未満であっても「最小」の単位分の払出を可能とするため、2種類の払出単位を設定している。ここで、図3に斜線領域で示した箇所は図2で示す乗入先の払出単位とは異なる払出単位が設定されており、この点について持玉を対象として4パチから2パチへと乗入処理を行う場合について説明する。
4パチから2パチへと乗入処理を行う場合、換算率は1/2(=2÷4)となる。ここで、2パチの払出単位である125玉の払出を行うと、4パチの減算対象は62.5(=125×1/2)玉となってしまい、整数単位で減算することが出来なくなる。そこで、減算対象が整数となる乗入先の払出単位以上である最小値(126)を払出単位として設定し、対応する減算値である63を併せて設定することで減算対象を整数としたままでの乗入処理を可能としている。斜線領域で示す他の箇所の各値も同様の特定方法にて特定しており、以下、特定方法について具体的に説明する。
払出単位は、上記したように図2の乗入先の払出単位に対応する乗入元の減算値が整数とならなければ、乗入先の払出単位に1を加算し、その値に対応する乗入元の減算値が整数とならなければ更に乗入先の払出単位に1を加算するという処理を対応する乗入元の減算値が整数となるまで繰返すことにより最終的に特定出来る。尚、図3の乗入設定2は説明の都合上設定値として例示したものであり、図2を設定すれば、上記処理等により図3の各設定値を特定可能であるので、乗入設定2を遊技装置2に別途設定しなくとも、図2の設定に応じてまたは乗入処理時に毎回処理を行う等して設定しても良いし、図3の設定を管理者による操作入力等により行っても良い。
次に貯玉を対象とした場合の乗入設定について説明する。持玉の乗入払出時には払出ノズル24から玉を払い出すことから1玉単位にて払出単位を調整したが、貯玉乗入払出時には遊技機1から乗入玉を払い出すため、遊技機1での払出単位に合わせて乗入時の払出単位を調整する必要がある。これについて上記同様に4パチから2パチへと乗入処理を行う場合を例示して説明する。
この場合、上記同様に乗入先の2パチの払出単位(125)の場合の乗入元の4パチの減算対象を整数と出来ないため(62.5)、再P単位(遊技機1の払出単位)の倍数を加算した値の内、対応する減算対象が整数となる最小値(150)を払出単位とする。このような方法により、遊技機1での払出単位(再P単位の倍数)にて乗入時の払出単位を調整可能となり、「再P単位」の倍数とならない払い出しを行わないようにできる。
払出単位の特定方法としては、上記同様に対応する減算値が整数とならない場合に、基準となる払出単位に再P単位を順次加算していき、対応する減算値が整数となった場合にその値を払出単位として特定する方法を例示出来る。尚、他は上記同様である。
「最小」の特定方法も同様であり、まず乗入先に対する1玉の払出にて乗入元の減算値が整数となれば1玉を最小の払出とし、整数とならなければ対応する乗入元の減算値が整数となるまで順次1を加算するという上記同様の方法にて特定すれば良い。尚、貯玉については払出単位以下の払出を行わない構成を例示したが、払出単位以下の払出を行う場合には上記同様に再P単位の倍数にて「最小」を特定すれば良い。このような設定を行うことにより、払出手段の最小払出単位(基準最小付与単位)とは異なる払出単位である「最小」にて後述するように払出処理を行う場合に、「最小」の倍数とならない払い出しを行わないようにできる。
本実施形態では乗入時の払出を持玉では1玉単位で払出可能な払出ノズル24にて払い出し、貯玉では再P単位で払い出す遊技機1から払い出すことにより上記のような処理となるが、払出手段が遊技機1なのか払出ノズル24なのかにより、上記処理を適宜振分けて行っても良い。勿論、他の払出手段を採用し、上記とは異なる払出単位でしか払出せない場合は、再P単位と同様に払出単位を別途設定すれば良い。
図8は遊技装置2の乗入処理に関する処理を示すフローチャートである。遊技装置2は、貨幣を受け付けたか(S101:NO)、計数玉を受け付けたか(S102:NO)、貸出操作を受け付けたか(S103:NO)、乗入操作が有るか(S104:NO)、払出操作を受け付けたか(S109:NO)、持玉分割発行操作を受け付けたか(S111:NO)、残高分割発行操作を受け付けたか(S112:NO)、全発行操作を受け付けたか(S116:NO)、一般カード8または会員カードを受け付けたか(S117:NO)の待機フローを実行している。
遊技者が遊技装置2に貨幣を投入したり、遊技機1の貸出釦を押下すると、遊技装置2は、貨幣を受け付けたり(S101:YES)、貸出操作を受け付けたりするので(S103:YES)、貨幣受付処理や貸出処理等の各対応処理を行ってから(S122)、残高等を対象として記憶領域を更新する(S135)。
遊技者が一般カード8または会員カードを遊技装置2に挿入すると、遊技装置2は、カードを受け付け(S117:YES)、後述する持玉乗入フラグを0としてから(S118)、管理装置6へ問合せ(S119)、記憶領域を更新することで(S120)、一般カード8または会員カードに対応したデータを引継ぐ等の記録媒体受付処理を行う。つまり、乗入状態にて会員カードを挿入した場合は乗入状態を終了する。これは、会員カードと一般カード8との持玉が合算される場合があり、この場合の処理の複雑化、及び遊技者の混乱を防止するためである。
尚、本実施形態では、会員カードは一般カード8の受付状態でも受付可能とするが、一般カード8は、一般カード8や会員カードの受付状態(持玉がある状態を含む)では受付不能としているが、受付可能とした場合に貯玉乗入状態を終了しても良い。
図4及び図5は遊技装置2の記憶領域を示しており、受け付けた貨幣価値の内、貸出処理の対価となっていない貨幣価値である残高と、当日の遊技により遊技者が獲得した遊技価値の内、払戻処理や持玉乗入払出、或いは景品交換等の対価となっていない遊技価値である持玉と、前日以前も含め、遊技者の持玉の内、会員IDに対応付けて遊技場へと預け入れられた持玉である貯玉と、払戻処理や乗入処理、或いは再プレイ処理により払出された遊技価値を示す再プレイ数とがレート別に(種別単位で)記憶される。
図4に示す記憶領域1では、利用可能な貯玉の口座としては4パチ、1.67パチ、1パチ、20スロがあり、1.67パチにて3000玉分、20スロにて500枚分の自種別の再プレイを行った状態を示している。
さて、遊技者がメイン口座とは異なるサブ口座(他口座)の持玉または貯玉を利用する場合は、待機画面にて液晶表示部22のいずれかをタッチする。すると、メニュー画面が表示される。
図7は遊技装置2での乗入操作時における液晶表示部22に表示される各画面例を示している。メニュー画面1にはタイトル表示部22aに「メニュー」が表示されると共に、「持ち玉共有」釦22b、「他口座利用」釦22c、「入金残高取出」釦22d、「会員カード挿入」釦22eが表示されており、「次」釦22fをタッチすることにより次のメニュー画面を表示することが出来る。尚、図7では会員カード挿入釦が活性化されているが、会員カード挿入中であれば非活性状態となる。
遊技者が「他口座利用」釦22cをタッチすると、遊技装置2は、乗入操作が有ったと判断し(S104:YES)、乗入元となる持玉が有るかを確認する(S105)。図4に示すように乗入元となる持玉が無ければ(S105:NO)、貯玉を対象とした選択画面を表示し、乗入元選択操作が有るかを判定する(S106)。つまり、選択対象となる口座の選択優先順は、他種別の持玉が有る場合は貯玉の有無に関わらず利用可能な全ての種別の持玉を選択対象とし、他種別の持玉がなく他種別の貯玉がある場合は利用可能な全ての種別の貯玉を選択対象とする。
図7に示す選択画面は、1.67パチコーナーの遊技装置2において図4に示す記憶情報の場合の表示例を示している。タイトル表示部22aには「口座選択」が表示されていると共に、選択可能な口座が表示される。図4の場合、2パチの貯玉がないので他種別の貯玉の内、2パチのみが選択不能となり、「4パチ」釦22g、「1パチ」釦22h、「20スロ」釦22iが活性化される。尚、利用可能な持玉も貯玉もない場合は他口座利用釦が非活性化され、選択不能となる。
この選択画面において遊技者が乗入元となる種別を選択すると、遊技装置2は、乗入元選択操作が行われたとし(S106:YES)、認証処理を実行してから(S107)、貯玉乗入フラグ及び貯玉認証フラグを1とすることで(S108)、貯玉乗入状態(第2乗入状態)及び貯玉認証状態へと切替える。認証処理では、図7に示すように暗証番号を入力するための認証画面を表示する。この認証画面では、タイトル表示部に「暗証番号入力」を表示すると共に、キーボード22jを表示する。
この認証画面において、会員の遊技者が予め登録されている暗証番号をキーボード22jにより入力する等して認証されると、確認画面1のように乗入元種別22kと乗入先種別22l、乗入元の貯玉数22m、及び乗入値22nが表示される。
図7に示す確認画面1では、乗入元種別が4パチ、乗入先種別が1.67パチ、図4を参照して乗入元の貯玉数が800玉、乗入値が1800玉であることを示している。以下、4パチを乗入元、1.67パチを乗入先とした乗入処理を例に挙げ、貯玉に基づく乗入処理について説明する。
乗入先の1.67パチの払出単位は図2によると150であるが、図3より4パチを乗入元とする乗入時の払出単位は上記した端数処理により300となる。そして、換算率は5/12(=5/3÷4)となり、4パチの貯玉800玉を換算率にて除した1.67パチへの換算値は1920(800÷5/12)玉となる。この1920玉は1.67パチの認証上限(3000)以下であり、且つ現在の1.67パチの再プレイ数である3000玉との合計値である4920玉は図2の1.67パチの再プレイ上限(7000)以下であることから許容される。しかし、貯玉により乗入する場合、払出単位の倍数とすることを更に条件としているため、換算値である1920玉を払出単位である300にて除した商である6に払出単位である300を乗じた値(1800玉)が乗入値として特定される。即ち、換算値以下の値であって、図3の払出単位の倍数の最大値が乗入処理により払出処理が許容される遊技価値である乗入値(乗入価値)となる。
即ち、図4のような貯玉を対象とした乗入処理(貯玉乗入処理)では乗入先の乗入値(換算値)が、再プレイ時の認証により許容される再プレイ玉数である認証上限に達しないこと、及び営業日当日の再プレイ玉数の累計値と乗入値との合計が図2の再プレイ上限に達しないことを条件にすると共に、図3の対応する払出単位の倍数となるように特定される。尚、再プレイ玉数と同様に乗入払出を行った値を管理し、その値と新たな乗入値との合計が別途設定される乗入上限(乗入付与許容値、例えば50000)を超過しないように乗入値を特定しても良い。また、認証上限や再プレイ上限等の上限との比較対象として乗入先ではなく乗入元(乗入払出に応じて徴収された持玉)を採用して比較して乗入値を特定しても良いし、両者を共に比較して乗入値を特定しても良い。
一方、換算値が認証上限を超える場合には認証上限を対象として(換算値を認証上限とした上で)、上記同様に払出単位の倍数となるように払出単位を考慮した上で乗入値を特定し、再プレイ数と換算値との合計が再プレイ上限を超える場合には、再プレイ上限から再プレイ数を除いた値を対象として乗入値を特定する。また、換算値が認証上限と再プレイ上限のいずれも超える場合は認証上限と再プレイ上限から再プレイ数を除いた値との内、小さい方を対象として乗入値を特定するが、いずれも上記同様に払出単位の倍数を乗入値として特定する。このよう認証上限を考慮して乗入処理を行うため、認証上限を超える乗入値が特定されることがなく、乗入値分の払出処理を行えば再度認証処理を伴う乗入処理を行う必要が生ずるので、認証処理が定期的に行われることになる。
尚、上記例では認証上限について乗入先の認証上限(第1認証許容値)を参照対象としたが(第1認証比較処理)、乗入元の認証上限(第2認証許容値)を参照対象としても良い(第2認証比較処理)。即ち、上記例であれば乗入元となる4パチの貯玉(800)が認証上限(2500)を超えないかを条件とする一方、換算値(1920)と乗入先の認証上限(3000)とは比較しないという構成も例示出来るし、双方の認証上限を比較し、いずれかが認証上限を超える場合にはその認証上限にて乗入処理を行うようにしても良い。再プレイ上限も同様である。また、いずれの場合も乗入元と乗入先との双方の比較を行い、双方共に超過する場合は、より小さな値または大きな値の内、予め設定した方の値を採用しても良い。尚、これらの場合も上記同様に払出単位を考慮する必要がある。
以上のような乗入処理により、図7に示す例では、4パチの乗入元貯玉が800玉の場合、1.67パチの乗入値が1800玉となり、払出釦23に対する操作により1800玉までの乗入付与処理が可能となる。
図6は乗入状態に関わる遊技装置2の記憶領域3を示しており、「状態」は、現在の状態が、貯玉乗入状態、持玉乗入状態、貯玉認証状態、いずれでもない通常状態のいずれの状態であるのかを示している。尚、貯玉認証状態であるかに関わらず自種別の持玉があれば持玉を対価とした払出処理である払戻処理が行われ、持玉がなく貯玉認証状態であれば貯玉を対価とした払出処理である再プレイ処理が行われる。「乗入値」は図4にて説明したように特定した乗入値が記憶され、「乗入払出」は対応する状態にて払出を行った玉数を示している。図6の場合、図4のように乗入値を特定して乗入値を「1800」とする貯玉乗入状態となり、その後、600玉(払出単位2回)分の乗入払出を行った状態を示している。尚、乗入払出が乗入値に達することで乗入値分の乗入払出処理を行った旨を特定し、その場合は乗入状態を終了する。また、自種別の再プレイについても、認証処理時に再プレイ玉数等を参照し、乗入値同様に再プレイ可能な玉数を特定した上で貯玉認証状態となり、その再プレイ可能な玉数分の再プレイ処理を行うことにより貯玉認証状態を終了する。
尚、後述する貯玉乗入フラグが1の状態が貯玉乗入状態、持玉乗入フラグが1の状態が持玉乗入状態、貯玉認証フラグが1の状態が認証処理により再プレイが可能な貯玉認証状態に対応する。
図5の記憶領域2は図4の状態から、払出単位4回分の乗入払出を行い、その後、1.67パチにて3521玉の持玉を得た状態を示している。ここで、遊技者が図5に示す状態から遊技する遊技機1を変更する台移動にて4パチコーナーへと台移動し、1.67パチの持玉を4パチにて乗入る場合の持玉乗入処理を説明する。
遊技装置2は、図5のように持玉(1.67パチが3521玉)が有る場合は(S105:YES)、持玉を対象とした選択画面を表示し、この選択画面において乗入元となる種別(1.67パチ)の乗入元選択操作が有ったときは(S123:YES)、持玉乗入フラグを1とすると共に(S124)、貯玉認証フラグを0とすることで(S125)、持玉乗入状態(第1乗入状態)へと切替える。このとき、図5を参照して確認画面2を表示する。確認画面2の表示は確認画面1の表示とほぼ同じであるが、乗入対象が持玉となる点で異なっている。この場合、持玉の乗入時には暗証入力を必要としないので、認証画面が表示されないと共に認証上限も再プレイ上限も参照されない。また、会員カードが対象となっている場合は発行下限数が参照されることはないが、一般カード8が対象となっている場合には、一般カード8の持ち去りによる一般カード8のコスト分の遊技場における損害を考慮して以下のように発行下限数が参照される。
即ち、持玉を対象とした乗入処理(持玉乗入処理)では乗入元の持玉から、図2の発行下限数を差引いた上で乗入処理を行う。この場合、乗入元の持玉から発行下限数を差引いた値からの換算値以下の値であって、図3の「最小」(最小単位)の対価の倍数の最大値を乗入値として特定するが、乗入元以外の口座の持玉が発行下限数以上であれば発行下限数を差引くことなく乗入処理を行う。図5に示す例では、乗入元以外の口座の持玉が0であることから、乗入元の持玉から発行下限数を差引くことになる。
具体的には、1.67の持玉3521玉から1.67の発行下限数(250)を差引いた(除外処理した)値(3271)を、図3の最小の対価(12)にて除した商(272)にその最小の対価を乗じた値(3264)、即ち発行下限数を差引いた値以下であり、最小の対価の倍数となる最大値を対象として、換算率(12/5=4÷5/3)にて除した値(1360)を乗入値とし(図7の確認画面2参照)、図3の払出単位(125玉)にて払い出す。即ち、払出単位×10回分(1250玉)と、残り(110玉)とが乗入値となる。尚、発行下限数を差引いた値を換算率にて除した商(1362)以下の値の内、払出の最小(5)の倍数の最大値という方法にて特定することも可能である。この場合、乗入元以外の種別にて発行下限数分の持玉があり、発行条件が成立すれば、上記のような発行下限数を差し引かずに(除外処理を抑制して)乗入値を特定する。
以上のような処理により、乗入元の持玉を発行下限数以上としたまま整数単位にて乗入に応じた乗入元の持玉の減算が可能となる。
尚、貯玉を対象とした乗入処理を含んで乗入自体に乗入上限を設けても良い。この場合、乗入先または乗入元となる種別単位で乗入上限を設け、再プレイ上限と同様に乗入により乗入元にて徴収した玉数や乗入先にて払い出した玉数の営業日当日の累計値が乗入上限を超えないように乗入値を特定すれば良い。勿論、払出単位等の他の条件を考慮する必要はあるし、認証上限と同様に乗入元と乗入先との双方を対象として其々特定する等しても良い。この場合、再プレイと払戻処理とによる乗入玉数との合計値と、新たに特定する乗入値との合計値が乗入上限を超過しないことを条件として乗入値を特定することが望ましいが、貯玉乗入払出と持玉乗入払出とを区分しても良い。また、貯玉と持玉とで区分して乗入上限を設定し、それぞれの乗入値を管理して、それぞれの特定の際に別々に参照しても良い。更に、乗入上限と比較するのは乗入値であっても良いし、乗入により払い出した遊技価値であっても良いし、その対価分であってもいずれでも良い。
さて、遊技者が払出釦23を押下すると、遊技装置2は、払出操作を受け付け(S109:YES)、払出操作受付処理を行う(S110)。
図9は、遊技装置2による払出操作受付処理を示すフローチャートである。遊技装置2は、貯玉乗入フラグが1か(S201:NO)、持玉乗入フラグが1か(S202:NO)、自種別の持玉が有るか(S203:NO)、貯玉認証フラグが1か(S204:NO)の優先順で対応する処理が可能かを判断する。貯玉乗入フラグが1の場合(S201:YES)、つまり貯玉乗入状態では、乗入付与処理された貯玉を対価とする貯玉乗入払出処理を行う(S207)。持玉乗入フラグが1の場合(S202:YES)、つまり持玉乗入状態では、乗入付与処理された持玉を対価とした持玉乗入払出処理を行う(S208)。貯玉乗入フラグ及び持玉乗入フラグが0で自種別の持玉が有る場合(S203:YES)、つまりいずれの乗入状態でもない状態で自種別の持玉が有る場合は、持玉を対価とした払戻処理を行う(S209)。乗入状態でなく且つ自種別の持玉が無い状態で、貯玉認証フラグが1の場合(S204:YES)、つまり貯玉認証状態では、貯玉を対価とした再プレイ処理を行う(S210)。そして、上記各処理の終了後、記憶領域を更新する(S211)。つまり、払出釦23の押下に応じて乗入付与処理された玉を払い出した場合、対価となる乗入元の持玉等を減少させる。この場合、乗入状態中に自種別の持玉を獲得しても乗入状態は継続され、その後、乗入した持玉を使用し尽くす等の終了条件を満たすと乗入状態が終了する。いずれの払出処理も出来ず、さらに貯玉認証されていない状態では(S204:NO)、上記した認証処理を実行し(S205)、認証できれば、貯玉認証フラグを1とし(S206)、再プレイ処理を可能とする。尚、周知の通り、再プレイ処理よりも払戻処理の方を優先させるので、貯玉認証フラグも計数玉の受け付けに応じて0となる。また、乗入元となる貯玉がない場合や、キャンセル操作等があり選択操作が行われなければ、認証処理が行われることはない。
乗入状態では図7に示すメニュー画面1がメニュー画面2のように変更され、「他口座利用」釦22cに代えて「他口座利用終了」釦22c’が表示される。そして、「他口座利用終了」釦22c’のタッチ(解除操作)により確認画面3が表示され、「OK」釦22oのタッチにより乗入状態を解除(終了)可能となる。
ここで、乗入状態は、上記解除操作に加えて、乗入値分の乗入払出、及び一般カード8または会員カードの発行処理を行ったこと等により成立する乗入終了条件が成立した場合に終了するが、乗入状態中に乗入先(自種別)にて遊技者が遊技により出玉を獲得し、遊技装置2が計数玉(レートに対応付けられていない獲得価値)を受け付けた場合にも(S102:YES)、貯玉乗入フラグ及び貯玉認証フラグが0とすることで(S121)、貯玉乗入状態及び貯玉認証状態が終了する。この場合、持玉乗入フラグは0としないので、持玉乗入状態は計数玉を受け付けた場合であっても継続される。つまり、持玉を獲得した場合、持玉の乗入状態は継続する一方、貯玉の乗入状態は終了する。これは、乗入状態の継続については状態の変化により遊技者が意図せずに対価の対象が変更されることでの混乱を防止するためである一方、乗入状態の終了については、貯玉乗入払出は再プレイ上限等が参照される制限のある、言わば遊技者にとって不利な払出処理であるため、その不利な払出処理を行う必要なく払出処理が可能となることから、乗入状態を終了することで遊技者の不利な状態を終了させるためである。勿論、混乱を防止するため貯玉の乗入状態を継続しても良いし、上記を考慮することなく持玉の乗入状態を終了しても良い。尚、計数玉を受け付けた場合、当然ではあるが、遊技装置2の自種別を計数玉に対応付ける。
更に本実施形態では乗入元と乗入先との組み合わせがいずれであっても乗入処理を可能としたが、例えば種別をグループ分けして、同一グループ内でのみ乗入処理を許容しても良い(グループ手段)。例えば、4パチと2パチをAグループ、1.67パチと1パチとをBグループとした場合、4パチの遊技装置2では2パチを乗入元とする乗入処理を可能とするが、1.67パチ、1パチ、或いは20スロを乗入元とした乗入処理は抑制するようにしても良い。この場合、図7の選択画面にて遊技装置2が属する種別グループと同一グループの種別であって、乗入するための持玉や貯玉があることを条件として種別に対応した釦を表示することで、他グループの乗入処理を抑制すれば良い。このような構成によれば、乗入を認めるレート間の乗入は許容する一方、乗入を認めないレート間の乗入は抑制可能とすることを望む遊技場のニーズに適切に応えることが可能となる。
図7のメニュー画面にて遊技者が「入金残高取出」釦22dをタッチすると、遊技装置2は、残高分割発行操作を受け付け(S112:YES)、会員カード受付中でなければ(S113:NO)、そのまま乗入状態を継続して残高分割発行処理を行う(S115)。会員カード受付中なら(S113:YES)、貯玉乗入フラグ及び持玉乗入フラグを0とすることで(S114)、乗入状態を終了する。つまり、乗入状態で残高分割発行操作が行われた場合、会員カード受付中であれば乗入状態が終了する。これは、入金残高の取出の際に会員カードに残高を対応付けて発行することで乗入元の対象が会員カードから一般カード8に移行するため、一旦乗入状態を終了することにより、処理の複雑化、及び遊技者の混乱を防止するためである。また、フローチャートへの記載は省略したが、会員カードを発行するため貯玉認証フラグも0となる。ここで、残高分割発行処理等について説明する。残高分割発行処理は、残高と持玉とを受け付けている状態で、残高のみを発行対象とした発行処理である。この場合、残高は発行した記録媒体側、持玉は遊技装置2側に対応付けられる。そしれ、残高分割発行処理は遊技者本人が残高を精算するために行われるので、会員カードを受け付けていれば会員カードが発行対象となる。一方で、持玉発行処理は持玉の一部を発行対象とした発行処理となるが、残高分割発行処理として、残高の一部を発行対象としても良く、この場合は、遊技者以外に残高を分けることが目的となるため、一般カード8を発行対象としても良い。
以上のように持玉を分割する場合は他の遊技者へとカードを渡すため一般カード8が発行対象となるが、残高を分割する場合は、持玉を残したまま全残高を対象として発行するため、遊技中に遊技者自身が残高精算のために発行処理を行うことであるから、会員カードの挿入状態では会員カードが発行対象となり、会員カードが挿入されていない状態では一般カード8が発行対象となる。
即ち、図7のメニュー画面にて遊技者が「持ち玉共有」釦22bをタッチすると、遊技装置2は、持玉分割発行操作を受け付け(S111:YES)、会員カード受付中でなければ(S126:NO)、そのまま持玉分割発行処理を行い(S130)、更に会員カード排出フラグが0であれば(S131:NO)、そのまま記憶領域を更新する(S135)。このように持玉分割発行処理では、持玉乗入状態を継続したまま一般カード8に指定分の自種別の持玉を対応付ける。つまり、乗入状態であっても自種別のみを対象とした分割発行を可能としている。これは、乗入処理を行っていない場合は自種別のみを対象として持玉分割発行処理が可能なため、乗入処理を行ってもその条件を継続するためである。また、会員カード挿入中でも(S126:YES)、持玉または貯玉を対象とした分割発行処理は可能だが、この場合、貯玉認証フラグ及び持玉乗入フラグを0とすることで(S127)、乗入状態を終了し、会員カードを排出し(S128)、会員カード排出フラグを1としてから(S129)、指定した持玉または貯玉を対応付けた一般カード8を発行する(S130)。また、その後の再プレイ等の処理は、会員カード排出フラグが1であることから(S131:YES)、会員カードの挿入を条件として行われ(S132:YES)、記憶領域を更新する(S135)。会員カードを挿入せずにキャンセル操作等が行われれば(S132:NO)、先の会員カードの排出により会員カードを対象とした発行処理が行われたものとする(S133)。
尚、会員カード排出フラグはS132の判定後に0となり、排出会員カードを受け付けた場合のその後の処理としては、貯玉認証状態を継続させれば良いが、貯玉乗入状態や持玉乗入状態は継続させても、終了させたままとしても良い。また、残高分割発行も含め上述した一般カード8挿入中の分割発行処理はいずれも一般カード8の発行処理を行った場合に乗入状態を継続する例外となる。
遊技装置2は、全発行処理を行うための全発行操作(遊技機1の返却釦の押下)を受け付けると(S116:YES)、残高や持玉等の発行可能な有価価値全てを発行対象とした全発行処理を行い(S134)、記憶領域を更新する(S135)。この際にも乗入終了条件が成立するため対応するフラグが0となって乗入状態等が終了する。
一方、POS7では一般カード8や会員カードに対応付けられた持玉や貯玉を受け付けた場合、通常の処理としてその持玉や貯玉の種別にて交換処理を行うが、その種別とは異なる種別の持玉等を合算操作に応じて更に受け付けた場合、異種別合算として交換種別(交換処理の対象となる種別)を基準種別(規定レート)とし、その基準種別に対応した値となる様にレート間の換算を行った上で異種別の持玉または貯玉を合算(異種別合算)する合算処理を行う。尚、受付可能な種別は最初に受け付けた種別に対して設定情報にて異種別合算が許容される種別の持玉等に限定される。
図10はPOS7における異種別合算に関する設定情報を示しており、管理装置6への設定操作に応じて各POS7へと設定される。異種別合算は、図10の「異種別合算」が(○)となっている種別を対象として、異種別合算する場合は「優先順」が最上位の種別(基準種別)の換算値として合計する。つまり、図10の設定の場合は、異種別合算する際の基準種別は最上位の4パチとなる。尚、基準種別(4パチ)の持玉や貯玉を受け付けていない場合でも、異種別合算した時点で基準種別へと換算する。尚、種別により区分けした交換景品の対価玉数(対価)等の周知の基本的な設定も当然ながら設定されている。
図15は、POS7による異種別合算に関するフローチャートを示している。尚、初期状態では後述する異種別合算フラグは0に設定されている。POS7は、持玉または貯玉を受け付けたか(S301:NO)を判定する待機フローを実行している。係員が遊技者から受取った一般カード8や会員カード等をPOS7で読取ると、POS7は、持玉や貯玉を受け付け(S301:YES)、交換種別を受付種別としてから(S302)、交換種別を受け付けた持玉等の種別として交換処理を開始する。
図11はPOS7にて一般カード8を受け付けた例を示しており、以下の項目が設定されている。
受付順=一般カード8を受け付けた順番
受付種別=受け付けた一般カード8により特定される持玉の種別
受付玉数=受け付けた一般カード8により特定される持玉の玉数
合算種別=交換処理上で対象となる種別(交換種別)
受付換算値=受付玉数の合算種別における換算値
前換算値=一般カード8の受付前に受け付けていた合算種別の玉数(合算玉数)を新たな合算種別にて換算した値
合算玉数=受付換算値と前換算値との合計値、即ち、受け付けた一般カード8の持玉を合算種別にて換算した値であって、交換処理対象となる持玉
図11に示す例では、受付順1(最初の受け付け)で1パチ4003玉(獲得価値)の一般カード8を受け付けており、通常の一般カード8の受け付けとなるので、合算種別(1パチ)、受付換算値(4003)、及び合算玉数(4003)は受け付けた一般カード8に対応付けられた持玉のままとなる。
POS7は、交換処理中は、終了操作を受け付けたか(S303:NO)、貯玉または再持玉操作を受け付けたか(S309:NO)、景品選択操作を受け付けたか(S315:NO)、持玉または貯玉を受け付けたか(S317:NO)、保留操作を受け付けたか(S321:NO)の待機フローを実行する。
さて、係員は、複数の一般カード8を受け付ける場合、POS7の図示しない合算釦を押下する。例えば最初の一般カード8を受け付けた状態で合算釦を押下することで、次の一般カード8を受け付けられるようになる。POS7は、その状態で一般カード8を受け付けた場合(S317:YES)、交換種別(同一種別)の持玉等を受け付けたのであれば、複数種別とはならず(S318:NO)、通常の合算処理として、そのまま合算種別を維持する。交換種別以外(異なる種別)の持玉等を受け付けた場合は(S318:YES)、異種別合算として異種別合算フラグを1とすることで(S319)、異種別合算として基準種別へと合算種別を変更する(S320)。尚、異種別合算を既に行っていれば新たに複数種別の合算となるわけではない。また、異種別合算不可の種別が対応付けられた一般カード8を受け付けた場合は、その受け付けを拒否する。また、同一の一般カード8に複数種別の持玉が対応付けられている場合もいずれかを選択して受け付けた後、合算釦を押下した上で再度一般カード8を受け付けることで持玉を受け付ける。
図11に示す例では、受付順2で4パチ500玉(異なるレートの獲得価値)の一般カード8を受け付けている。この場合、受付順1の状態で新たな種別一般カード8を受け付けた場合であり、受付前の合算種別(1パチ)と受け付けた一般カード8の種別(4パチ)とが異なるため、基準種別(4パチ)へと合算種別を変更する。つまり、受付順2では、受付換算値は受け付けた一般カード8の持玉(500)とするものの、前換算値は基準種別の換算値(この場合、換算率は1/4なので、4003×1/4=1000.75)となり、その合計が合算玉数(1500.75)となる。
ここで、一般カード8から持玉を取込む場合、取込み対象となる種別の持玉を選択するが、この選択により一般カード8の持玉との対応付けを解消することを条件としてPOS7へと取込む。尚、対応付けの解消とは、一般景品との交換を行うべくPOS7へと取込んだため、新たな交換や再プレイ等が出来ないようにするということであり、図11のような交換情報等の情報における対応付けをも解消する訳ではない。
受付順3では2パチ2001玉の一般カード8を受け付けており、異種別合算処理を特定している状態で新たな一般カード8を受け付けたため、合算種別は基準種別(4パチ)を維持し、受付換算値は合算種別の換算値(1000.5=2001×1/2)とし、前換算値は受付順2の合算玉数のままとして、合算玉数を求める(2501.25=1000.5+1500.75)。尚、上記のように小数点以下についても処理対象とする。
この状態では更に1.67パチ等異種別合算が可能な種別の一般カード8を受付可能とするものの、図10に示す異種別合算が不能な種別の20スロの一般カード8は受付不能となる。尚、合算時に同一の一般カード8に複数の種別が対応付けられている場合、異種別合算が可能な種別を対象としていずれの種別の持玉を合算対象とするかを選択することで合算対象を特定する。また、異種別合算が不能な種別は選択対象等にはならず合算対象とならない。
本実施形態では複数の種別を合算する場合を説明したが、種別をグループ化し、最初に受け付けた種別と同一グループの種別に限定して異種別合算を行っても良い。即ち、図10の「異種別合算」の設定として可能(○)か否か(×)を設定したが、例えば4パチと2パチとをAグループ、1.67パチと1パチとをBグループに区分し(グループ手段)、同一グループ内の他種別の持玉や貯玉(付与グループ他価値)に限定して異種別合算を許容するようにしても良い。この場合、合算時に受付済みの種別のグループと異なるグループの種別の持玉は受け付けを拒否する構成とすれば良い。尚、異種別合算を可能とするか否かや対象となるグループは交換処理の最初に受け付けた種別により特定される。即ち、図11に示すように1パチを最初に受け付けたことにより図10に示すように異種別合算が禁止された20スロが受付不能となったが、20スロを最初に受け付ければ1パチや4パチ等が交換処理を終えるまで受付不能となる。このような構成によれば、異種別合算を遊技場が希望するグループ内のレート間の処理に留めることが可能となり、無暗に異種別合算が行われる虞を軽減出来る。
また、異種別合算する場合に、基準種別(4パチ)の持玉を受け付けていなくとも基準種別にするようにしたが、基準種別の持玉の受け付けを条件として交換種別を基準種別としても良い。この場合、受け付けた持玉の種別の内、最も優先順位の高い種別を合算種別とすれば良い。
POS7は、係員により景品選択操作が行われた場合は(S315:YES)、景品選択処理を実行する(S316)。この景品選択処理では、残り(後述する交換可能数分の持玉や貯玉)を選択景品の対価分減算して選択景品を仮交換状態とする。
図12は、図11に示す受付順3までの一般カード8を受け付けた上で、一般景品1と一般景品2とを交換景品として選択した交換処理中のPOS7の表示画面例を示している。即ち、種別表示部7aにて合算種別、受付数表示部7bにて受け付けた一般カード8の枚数と括弧書きにて持玉の受付回数(1枚の一般カードにて2種別受け付けた場合は2を加算)、一般景品表示部7cでは選択された一般景品の選択状況を表示している。
ここで、総数表示部7dでは合算玉数を総数として表示し、交換可能表示部7eでは総数から選択された景品(図12に示す状態では一般景品のみ)の対価玉数を除いた値(交換可能数)を表示し、特殊景品表示部7fでは交換可能数を全て特殊景品にて交換した場合に交換可能な特殊景品数を大、小の種類別にて表示し、端数表示部7gでは特殊景品表示部にて表示される特殊景品を交換した場合に、その分を含めた交換景品の対価を交換可能数から減算した値を表示し、記録媒体表示部7hでは受け付けた記録媒体の種類を表示している(図12では斜線領域で示している)。尚、総数等は実際には整数とならない端数も含む値となり、混乱を防止するため整数部分のみを表示対象としているが、小数部分を表示対象としても良い。
記録媒体情報表示部7iでは受け付けた最新の記録媒体の情報(対応付けられた持玉等)を表示している。図11の場合、「入力3」として受付順を表示すると共に、一般カード8のIDと種別単位の持玉数と残高とが対応付けられているかを示しているが、既に取込み済みの持玉(この場合2パチ)は既に対応付けが解消されているため非表示となる。この状態にて操作釦の一つである「入力表示切替」釦7jを押下するとその1回前に受け付けた一般カード8、更に押下するとその前を対象として記録媒体の情報を表示する。尚、受け付けた場合に記録媒体情報表示部7iを非表示とし、「入力表示切替」釦7jの押下により図12のような表示へと切替えるようにしても良い。この場合、表示開始前は一般景品表示部7cが拡張された状態となる。また、図12では一般カード8を受け付けており貯玉出来ないことで交換可能数が予め設定される終了基準値未満にならないと交換処理を終了可能とならないことから、終了可否表示部7kは終了を禁止する表示となっている。
図12の状態にて図示しない交換釦が押下されると、特殊景品表示部7fにて表示される特殊景品を交換対象として特定し、その旨を示すべく特殊景品表示部7fの表示を反転させ、その対価分を除いた値を交換可能表示部7fに交換可能数として表示する。また、交換可能数が終了基準値未満になると、終了可否表示部7kが現在の終了を許容しない表示から許容する表示へと変更され、交換処理の終了が許容される。終了が許容されることにより交換処理を終了する場合、端数表示部7gに表示されている端数の11玉、正確には4パチの11.25玉が取込み玉として遊技場への取込み対象となる。即ち、合算種別を対象として整数とならない数値も取込みを許容している。
また、会員カードを受け付けていない場合等には一般カード8へと持玉等を戻す再持玉処理(返却処理)も可能としており、再持玉処理を行う場合の種別は最初に受け付けた種別、或いはその種別に対して異種別合算処理が許容される種別の中から選択することにより特定される。即ち、POS7は、受け付けた操作が再持玉操作であれば(S310:再持玉操作)、異種別合算フラグが1かを判定し(S323)、異種別合算でなければ(S323:NO)、通常の交換処理として交換種別を対象として再持玉処理を行う(S324)。異種別合算であれば(S323:YES)、口座選択処理を実行し(S325)、選択(返却レート指定操作)された種別を対象として受け付けた一般カード8に対して残りを持玉として対応付ける再持玉処理を行い(S326)、整数とならない端数分があれば基準種別へ取込む(S327)。尚、種別を選択させずに受け付けた種別に対して別々に再持玉処理を行っても良く、この場合、端数が発生しないので取込む必要性がなくなる。
また、受け付けた操作が貯玉操作であれば(S310:貯玉操作)、異種別合算フラグが1かを判定し(S311)、異種別合算でなければ(S311:NO)、通常の交換処理として交換種別を対象として残りの貯玉処理を行う(S328)。異種別合算であれば(S311:YES)、口座選択処理を実行する(S312)。この口座選択処理では、貯玉処理対象となる種別の口座を選択するための確認画面を表示し、口座の選択を受け付けると、選択された種別を対象として残りの貯玉処理を行い(S313)、整数とならない端数分は基準種別にて取込む(S314)。
図13はPOS7における確認画面を示している。この確認画面では、図11の受付順の内、受付順1と受付順2とを会員カードによる持玉または貯玉により異種別合算する一方、受付順3は図11と同様に一般カード8により受け付けて図14で示す交換情報の状態とし、交換可能数分を貯玉処理する場合における表示画面例を示している。
ここで、貯玉を受け付ける場合、受付種別を選択すると共に取込む貯玉数を指定可能にPOS7へと取込むことは可能であるが、同一種別を玉数を分ける等して複数回取込んで合算することは処理や交換情報等が複雑化することを考慮して禁止している。尚、持玉と貯玉との同一種別の合算や持玉の同一種別の受け付けは許容される。
図13のように会員カードを受付けている状態では、貯玉出来ることから終了基準値未満にならなくとも交換処理を終了可能であることから、終了可否表示部7kは終了を許容する表示となっている。
確認画面では、異種別合算を行った上で残りの持玉等を貯玉処理(貯蓄処理)することを可能とするために、その対象となる種別(レート)を指定(レート指定操作)するか、基準種別(規定レート)とする(規定レート操作)かの操作を受け付ける確認表示部7lをポップ表示する。いずれの口座に貯玉する場合も、貯玉処理する際に異種別合算により整数とならない端数が生じた場合は基準種別にて遊技場側に持玉等を取込む取込処理を行う。これは、いずれの場合も異種別合算処理を行った上で貯玉処理を行う場合、遊技者の口座へと整数とならない端数を対応付けることは管理や処理が複雑化するため遊技場が取込むことになるからである。こうすることで、端数が発生するにしても基準種別だけを対象として発生させられるようになり、管理を簡素化出来る。
確認表示部7lでは「実行」釦7l1と「口座指定」釦7l2と「キャンセル」釦7l3を表示可能で、異種別合算処理を行った場合には「口座指定」釦7l2が、行わなかった場合(通常の受け付け)には「実行」釦7l1が活性化される。図13では異種別合算しているため「口座指定」釦7l2が活性化されており、「口座指定」釦7l2を押下すると、別途、いずれかの口座を指定可能な表示画面が表示されると共に、遊技者へと選択可能な口座を示す画面が表示される口座選択処理が行われる。その表示により遊技者が口座を指定すると、その指定された口座を対象として景品交換した残りの玉数を示す交換可能数分(図13の場合1261玉)の貯玉処理(対象口座に対して加算する処理)が行なわれる。尚、口座選択する際に基準種別を選択することも可能である。
一方で、異種別合算処理を行わなかった場合には、従来と同様に「実行」釦7l1の押下に応じて交換対象となっている種別の口座へと貯玉処理が行われる。また、その処理前に「キャンセル」釦7l3の操作を行えば貯玉操作前の状態へと戻る。
POS7は、交換処理を一旦保留すべく紙状のレシートである保留券へと持玉を対応付ける保留操作を受け付けると(S321:YES)、交換種別を対象として残りを特定可能な保留券を発行する(S322)。
また、異種別合算状態で終了操作を受け付けた場合に(S303:YES)、会員カードを受け付けていなければ(S304:NO、S329:YES)、残りを基準種別を対象として取込む(S331)。会員カードを受け付けていれば(S304:YES、S305:YES)、基準種別を対象として残り(残価値)を貯玉処理(貯蓄処理)する(S306)。このとき、整数とならない端数分は基準種別にて取り込む(S307)。このように終了操作に応じて所謂自動貯玉を行い、異種別合算状態であれば基準種別を対象として、その種別の持玉や貯玉を受け付けたか否かに関わらず貯玉処理が行われる。このように貯玉操作と終了操作とにより、貯玉処理対象となる口座を基準種別とするか、別途指定する指定選択とするかを選択可能に構成しているが、いずれの操作においても基準種別と指定選択とを選択可能としても良いし、遊技者により選択可能としても良い。尚、会員カードを受け付けている場合に(S304:YES)、異種別合算フラグが0であるときは(S305:NO)、通常の交換処理とし、交換種別を対象として残りを貯玉処理する(S332)。また、会員カードを受け付けていない場合に(S304:NO)、異種別合算フラグが0のときは(S329:NO)、交換種別にて取込む(S330)。このように会員カードを受け付けていない場合、周知の通り、終了操作は残りが別途設定される終了基準値未満であることを条件として受け付けられる。
尚、交換処理を終了するための各処理の実行後は仮交換状態とした選択景品の交換を確定する(S308)。
交換終了後は受け付け対象となった持玉の内訳や交換景品、及び小数点以下を含む取込み玉を示す交換情報(管理情報)が管理装置6へと送信され、管理装置6ではこの交換情報の集計等を行ったり、履歴等を管理したりする。
図14は図11で示す例の異種別合算を行った上で景品交換を行った場合に管理装置6へと送信する交換情報を例示している。尚、図14では省略しているが一般カード8のID等も交換情報により特定可能とする。
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することが出来る。
遊技装置2にて乗入中に残高や持玉の分割発行を行う場合に会員カード受付中であれば乗入状態を終了するようにしたので、会員カードに対応付けられた他種別の持玉や貯玉を対価とした乗入処理を行っている状態で対応する一般カード8が排出された場合に、他の対象へと対価を変更する等して処理を複雑化する虞を軽減出来、適切に乗入付与処理を行うことが可能となる。
乗入中は自種別の持玉分割を可能とする一方、他種別の持玉分割は抑制するようにしたので、無暗に多数の遊技価値を分割発行処理の対象とする虞を軽減出来る。また、乗入状態となっていない場合に他種別の持玉分割発行処理を認めていない場合であれば、乗入状態となったことで認めていない他種別の持玉分割発行処理が許容される虞も軽減出来る。
乗入中に会員カードを受け付けた場合に乗入状態を終了するようにしたので、システム上の処理が複雑化する虞を軽減出来る。
持玉があれば持玉、持玉がなければ貯玉を対象として乗入処理を行うようにしたので、遊技場の方針として多数を占める貯玉よりも持玉を制限が少なく遊技者にとって利用し易い方針がとられている場合に、遊技者にとって利用し難い貯玉を無暗に乗入付与処理の対象とする虞を軽減出来、遊技者にとって利用し易いシステムになり得る。
会員の認証処理に応じた乗入処理を行う場合に、乗入先の乗入値が認証上限を超えないことを条件として乗入付与処理を許容するので、乗入付与処理の対象となる遊技価値が乗入値を超えるような乗入付与処理を行う場合には、認証処理を伴う乗入付与処理を再度行う必要が生じる。これにより、他人により不正に乗入付与処理を行われる場合であっても、定期的な認証処理が必要となるので、多大な被害を遊技者が受けることを軽減出来る。
認証上限は乗入先を対象としたので、レート間の価値の差が大きい場合に、換算後の遊技価値が極めて大きな値となるような実質的に意味のない認証処理が行われることを防止出来る。
再プレイ上限値を超えないように乗入処理を行うようにしたので、認証上限と再プレイ上限値とを考慮した上での乗入付与処理が可能となる。
貯玉乗入処理時には認証処理を要するが、持玉乗入処理時には認証処理を不要としたので、もしもの場合の被害を抑えつつも、必要性の低い認証処理を抑えた適度な認証処理が可能となる。
乗入元と乗入先との組み合わせに応じて払出の最小単位を設定し、その最小単位に応じた持玉乗入払出が行われるように持玉乗入元の乗入値を特定するようにしたので、乗入付与処理に応じて他種別の持玉を対価として徴収する場合であっても、整数とならない端数が発生する虞を軽減出来る。
乗入時の玉の払出が遊技機1なのか払出ノズル24なのかにより乗入付与処理時の最小単位を異なる値としたので、適正に乗入付与処理を行うことが出来る。
遊技機1及び払出ノズル24の構成上の最小の払出単位の倍数であり、更にその対価が整数となる値を乗入払出の最小単位としたので、乗入払出の最小単位が遊技機1及び払出ノズル24の構成上不可能な払出処理を行う払出単位となる虞を軽減出来ると共に、その対価となる他種別の持玉や貯玉が整数となることで乗入払出に応じて徴収する場合であっても、整数とならない端数が発生する虞を軽減出来る。
乗入の組み合わせに応じて1回の払出操作に応じた払出単位を変更するようにしたので、払出単位と乗入払出単位とが区分して設定されると共に、乗入払出単位は持玉乗入時の最小乗入単位の倍数を示すことにより、整数とならない端数を徴収する虞を軽減しつつも、1回の払出操作に応じた払出操作受付処理が行われる都度、対価を徴収し得るようになる。
乗入後、自種別の持玉が発生しても乗入状態を継続し、自種別の持玉の払出を抑制するようにしたので、遊技者がいずれのレートを対価として乗入付与処理が行われているのかを把握出来ずに混乱してしまうことを抑制できる。
発行下限数を除外して乗入処理を行う場合に、乗入元以外の種別にて発行下限数分の持玉が残っていれば乗入元については発行下限数を除外せずに乗入処理を行うようにしたので、乗入処理の対象となる種別の持玉により発行条件が成立する場合に、必要以上に乗入処理を制限する虞を軽減出来る。
POS7にて異種別合算処理を行った上での貯玉処理時に、貯玉対象となる種別への貯玉にて整数とならない端数が発生する場合、その端数を遊技場が取り込むようにしたので、整数とならない端数の貯玉の発生を防止して貯玉処理の対象を整数に保つことができる。
異種別合算処理を行った上で貯玉処理を行う場合に、貯玉対象となる口座を指定するか、基準種別へと貯玉するかを選択可能としたので、遊技者の任意に応じたレートへと貯玉処理ができるようになると共に、遊技者からの要望が特にない場合には、遊技場等が定めた基準種別へと貯玉処理できるようになる。また、いずれの場合もレートにより区分して貯玉処理が行われることを防止できる。
貯玉対象となる口座を指定した場合も基準種別とした場合も端数分は基準種別にて取り込むようにしたので、整数とならない端数について取込処理を行う場合に、取込処理で端数が発生するレートを基準種別に留め、全てのレートに端数が生ずる虞を軽減出来る。
持玉を受け付けた場合にその持玉の種別を交換種別とする一方、その状態にて交換種別とは異なる種別の持玉を受け付けた場合は、異種別合算として基準種別へと交換種別を変更するようにしたので、異種別合算を行った交換処理が基準種別へと集結され、交換処理の管理情報を管理し易くなる。
一般カード8へ再持玉する場合に、異種別合算可能な種別から選択可能に再持玉するようにしたので、異種別合算を遊技場が希望するグループ内のレート間の処理に留めることが可能となり、無暗に異種別合算が行われる虞を軽減出来る。
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張できる。
遊技装置2は、図6のように乗入値と乗入払出とを管理し、乗入払出が乗入値となった場合に乗入状態を終了することで、乗入付与処理の対象となる遊技価値が乗入価値を超えないことを条件として乗入付与処理を許容する構成を例示したが、例えば乗入値を乗入払出により減算していき、0となった場合に乗入状態を終了する等、どのような構成を採用しても良い。また、他も含めて超えないとは超過するだけなく以上とならない構成も包含する。同様に達しないとは未満だけなく以下とならない構成も包含する。
認証処理として暗証番号の入力を例示したが、例えば指紋認証や会員カードとは異なる記録媒体の提示等、本人であることを認証出来ればどのような認証処理を採用しても良い。
記録媒体に獲得価値を対応付けておき、その記録媒体を受け付けること、及び遊技媒体を計数した場合に計数した遊技装置2の自種別を対応付けることでレートを特定可能な獲得価値を受け付ける構成を例示したが、いずれか一方の受け付けのみを採用しても良いし、例えば指紋等の記録媒体以外の識別情報に獲得価値を対応付けておき、その識別情報を受け付けることにより獲得価値を受け付ける構成を採用しても良い。
付与許容値(再プレイ上限)等に対応する所定期間として1営業日を例示したが、例えば1週間や1月間、或いは午前中等、どのような期間を採用しても良い。
遊技者による乗入操作が行われることを状態切替条件として例示したが、他に、自種別の持玉がなく他種別の乗入可能な持玉があれば、遊技者の操作を伴うことなく成立するという条件を状態切替条件とする等、状態切替条件等の条件は適当な条件であればどのような条件を採用しても良い。
通常の付与処理を行う付与手段を乗入状態へと切り替えることで乗入付与処理を行うことを例示したが、通常の付与処理を行う付与手段と、乗入付与処理とを行う付与手段とを区別して設けて、乗入状態に関わりなく乗入付与処理を行うようにしても良い。
例示した設定値は予め設定されれば、遊技場管理者が任意に設定しても、管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)の管理サーバから設定情報をダウンロードして設定しても良い。
記録媒体としてカードを例示したが、有価価値を特定可能な情報を記録可能であれば例えばコイン等の他の記録媒体であっても良い。
遊技装置2として貨幣受付処理や、その貨幣による対価付与処理(貸出処理)の所謂貸出機の機能を備えた遊技装置を例示したが、持玉の計数や払戻しが可能であれば、必ずしも貸出機の機能を備える必要はない。
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用する等して間接的に特定しても良い。また、数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。
対象となる遊技機は遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示したパチンコ遊技機以外のパチンコ遊技機やスロットマシン等も採用できる。尚、所謂封入式等を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。また、封入式等の場合、有価価値を遊技に消費出来る状態とすることが遊技に使用可能な遊技価値を付与する対価付与処理となる。
例示した処理は遊技装置2だけでなく、中継装置4や管理装置6等、どのような機器により行っても良い。また、変形例を含む例示した構成をどのように組み合わせても、適宜採用しなくても良く、更に設定により有効、無効を切り替えるように構成しても良い。