以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、遊技機としてのスロットマシン100は、前面が開口した筐体102と、筐体102の前面一端に回動可能に上下に並んで配置される前面上扉104および前面下扉106とが設けられている。前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓108が設けられており、筐体102内の図柄表示窓108に対応する位置には、3つのリール110(左リール110a、中リール110b、右リール110c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられている。左リール110a、中リール110b、右リール110cには、図3(a)の図柄配列に示すように、20に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列されており、遊技者は、図柄表示窓108を通じて、上段、中段、下段に位置する、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの3つの連続する合計9個の図柄を視認することができる。
前面下扉106の上部には操作部設置台112が形成され、操作部設置台112には、メダル投入部114、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120、演出スイッチ122等が設けられている。メダル投入部114は、メダル投入口114aを通じて遊技媒体としてのメダルの投入を受け付ける。ベットスイッチ116は、スロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)されているメダルのうち、1遊技で必要とされる規定数のメダルを投入(ベット)する。
スタートスイッチ118は、例えば傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による遊技の開始操作を検出する。ストップスイッチ120(ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120c)は、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに対応して設けられており、遊技者の停止操作を検出する。演出スイッチ122は、例えば、押圧スイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な画像を表示する液晶表示部124が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ126が設けられる。また、前面上扉104の裏面における液晶表示部124の左右位置や前面下扉106の裏面における左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ128が設けられている。
操作部設置台112には、メインクレジット表示部130およびメイン払出表示部132が設けられている。また、図柄表示窓108と操作部設置台112との間には、サブクレジット表示部134およびサブ払出表示部136が設けられている。これらメインクレジット表示部130およびサブクレジット表示部134にはクレジットされているメダルの枚数(クレジット枚数)が表示され、メイン払出表示部132およびサブ払出表示部136にはメダルの払出枚数が表示される。また、サブ払出表示部136の横には区間表示器160が設けられている。区間表示器160では、後述する有利区間に滞在しているか否かが表される。
筐体102内におけるリール110の下方には、メダル排出口140aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)142が設けられている。また、前面下扉106の前面下部には、メダル排出口140aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部140が設けられている。また、筐体102内には、電源スイッチ144が設けられている。電源スイッチ144は、スロットマシン100を管理する管理者が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
スロットマシン100では、規定数のメダルがベットされると、有効ラインAが有効化するとともに、スタートスイッチ118に対する操作が有効となり、遊技が開始可能となる。ここで、ベットは、ベットスイッチ116の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部114を通じてメダルを投入する場合と、詳しくは後述するリプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。また、有効ラインAは、当選役の入賞を判定するためのラインであり、本実施形態では1本である。有効ラインAは、図3(b)に示すように、図柄表示窓108に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、左リール110aの中段、中リール110bの中段、右リール110cの中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインに設定されている。無効ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示する、当選役の入賞判定には用いられない有効ラインA以外のラインであり、本実施形態では、図3(b)に示す4つの無効ラインB1、B2、C1、C2を想定している。
そして、遊技が開始可能な状態で、遊技者によりスタートスイッチ118が操作されると、遊技が開始され、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転されるとともに、当選種別抽選等が実行される。その後、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cをそれぞれ停止させる。そして、当選種別抽選の抽選結果および有効ラインAに表示された図柄の組み合わせによって、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合にはメダルの払い出しが実行され、メダルの払い出しを受け得る当選種別に非当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合には左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって、遊技が終了する。
なお、本実施形態において、上記1遊技は、メダル投入部114を通じたメダルの投入、ベットスイッチ116の操作を通じたクレジットされているメダルの投入、または、リプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転制御されるとともに当選種別抽選が実行され、当選種別抽選の抽選結果および遊技者による複数のストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、操作されたストップスイッチ120a、120b、120cに対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cがそれぞれ停止制御され、メダルの払い出しを受け得る当選役が入賞した場合、そのメダルの払い出しが実行されるまでの遊技をいう。また、メダルの払い出しを受け得る当選種別に非当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合、左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって1遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の当選の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ118の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、遊技の進行を制御する主制御基板200と、遊技の進行に応じた演出を制御する副制御基板202とを含む制御基板が設けられている。また、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。なお、メインRAM200cは、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてRAMクリアが実行されない限り、データが消去されることなく保持される。
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314、コマンド送信手段316等の機能部を有する。
主制御基板200では、メダル投入口114aへのメダルの投入を検出する投入メダル検出部114b、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118およびストップスイッチ120a、120b、120cから各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、メインCPU200aが種々の処理を実行する。
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118の操作に基づき、詳しくは後述するように、当選役の当否、より詳しくは、当選役が含まれる当選種別の当否を決定する当選種別抽選を行う。
リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止制御する。
また、主制御基板200には、リール駆動制御部150が接続されている。このリール駆動制御部150は、スタートスイッチ118の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ152を駆動する。また、リール駆動制御部150は、ストップスイッチ120の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路154の検出信号に基づいて、ステッピングモータ152の駆動を停止する。
判定手段308は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたこと(入賞したこと)に基づいて、当該当選役に対応する数だけメダルを払い出す。また、主制御基板200には、メダル払出装置142が接続されており、払出制御手段310は、メダルの払出枚数を計数しながらメダルを排出する。
遊技状態制御手段312は、当選種別抽選の結果や判定手段308の判定結果を参照し、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させる。また、演出状態制御手段314は、当選種別抽選の結果、判定手段308の判定結果、遊技状態の遷移情報を参照し、複数種類の演出状態のいずれかに演出状態を移行させる。
コマンド送信手段316は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、遊技状態制御手段312、演出状態制御手段314等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定し、決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。
また、主制御基板200には、乱数発生器200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の数値範囲内でループさせ、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
また、副制御基板202では、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、演出スイッチ122から検出信号を受信するとともに、受信されたコマンドに基づいて液晶表示部124、スピーカ128、演出用ランプ126の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部124に表示される画像データや、演出用ランプ126、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ128から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段334は、決定した遊技の演出を実行する。演出には、後述するART遊技状態(AT状態)において、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作態様を報知し、遊技利益の大きい特定の当選役の入賞を補助する補助演出も含まれる。
なお、以下では、液晶表示部124、演出用ランプ126、スピーカ128、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136といった、副制御基板202を含む、主制御基板200以外の基板で管理される報知手段を他報知手段という場合がある。これに対し、メインクレジット表示部130、メイン払出表示部132といった、主制御基板200で管理される報知手段を主報知手段(指示モニタ)という場合がある。
(主制御基板200で用いられるテーブル)
図5は、当選役を説明するための説明図であり、図6および図7は、当選種別抽選テーブルを説明するための説明図である。
スロットマシン100においては、詳しくは後述するように、複数種類の遊技状態および演出状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態および演出状態が移行される。そして、主制御基板200では、遊技状態制御手段312により管理、制御される遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値(遊技利益を得る容易性を段階的に示したもの)と現在の遊技状態に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ118の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別に対応するか判定する。
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役が含まれる。リプレイ役は、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度遊技を実行できる役である。小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、遊技状態制御手段312により管理される遊技状態をボーナス遊技状態に移行させることができる役である。
本実施形態における当選役は、図5に示すように、リプレイ役として、当選役「移行リプレイ1」〜「移行リプレイ4」、「通常リプレイ1」〜「通常リプレイ3」、「チェリーリプレイ1」〜「チェリーリプレイ2」、「BAR煽りリプレイ」、「BAR揃いリプレイ」、「チャンスリプレイ」(以下、かかる12個のリプレイ役を単に当選役「リプレイ」と略す場合がある)が設けられている。
また、小役として、当選役「1枚役1」〜「1枚役16」(以下、かかる16個の小役を単に当選役「1枚役」と略す場合がある)、当選役「ベル1」〜「ベル5」(以下、かかる5個の小役を単に当選役「ベル」と略す場合がある)、当選役「チェリー」、当選役「スイカ1」〜「スイカ4」(以下、かかる4個の小役を単に当選役「スイカ」と略す場合がある)、当選役「リーチ目1」〜「リーチ目3」(以下、かかる3個の小役を単に当選役「リーチ目」と略す場合がある)が設けられている。
また、ボーナス役として、当選役「RBB1」、「RBB2」、「CBB1」、「CBB2」(以下、かかる6個のボーナス役を単に当選役「BB」と略す場合がある)が設けられている。図5では、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに、各当選役を構成する1または複数の図柄が対応付けられている。なお、図5中「ANY」は、対応する有効ラインA上にいずれの図柄が停止してもよいことを示す。また、当選役「チェリーリプレイ1」〜「チェリーリプレイ2」、「チャンスリプレイ」、「チェリー」、「スイカ」は、当選役「BB」を除く他の当選役よりも得られる特典(遊技利益)が高くなるように設定される所謂レア役である。
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、リール110の回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、入賞可能な当選役に対応する図柄がリール110中に複数あり、いずれもリール110の引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ120が押圧操作されたときに、入賞可能な当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別に含まれる当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様にも応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。
そして、例えば、当選役「移行リプレイ1」〜「移行リプレイ4」、当選役「通常リプレイ1」〜「通常リプレイ2」、当選役「ベル1」〜「ベル5」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている。このような当選役をPB=1と表す場合がある。一方、例えば、当選役「チェリー」、当選役「スイカ」、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ずしも有効ラインA上に表示可能なように配列されていないので、所謂とりこぼしが発生する場合がある。このような当選役をPB≠1と表す場合がある。
図6および図7に示すように、当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域が区画されており、各遊技状態によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、ハズレ(不当選)の有無が異なったりする。図6および図7では、各遊技状態(RT0遊技状態(RT0)、RT1遊技状態(RT1)、RT2遊技状態(RT2)、RT3遊技状態(RT3)、RT4遊技状態(RT4)、内部中遊技状態(内部中)、当選役「RBB1」が入賞したボーナス遊技状態(BB1)、当選役「RBB2」が入賞したボーナス遊技状態(BB2)、当選役「CBB」が入賞したボーナス遊技状態(CBB1)、当選役「CBB2」が入賞したボーナス遊技状態(CBB2))毎に割り当てられた当選領域(当選種別)を「○」や「●」で表しているが、実際には、複数の遊技状態それぞれに対応する当選種別抽選テーブルがメインROM200bに記憶されている。なお、「○」はその当選種別の当選確率に設定差(設定値毎の差)が無い設定差無当選種別であることを示し、「●」はその当選種別の当選確率に設定差が有る設定差有当選種別であることを示している。当選種別抽選テーブルでは、区画化された各当選領域にはそれぞれ当選範囲を示す数値である所定の置数(当選範囲値)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の置数を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、置数を取得し、その置数を当選種別抽選乱数から減算して、その減算値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を当選種別抽選の抽選結果としている。
図6および図7の当選種別抽選テーブルによれば、例えば当選領域1には、当選種別「ハズレ」が対応付けられており、かかる当選種別に当選すると、図5に示したいずれの当選役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されることはなく、メダルの払い出し等が行われることはない。ただし、後述するように、BB内部当選フラグが次遊技に持ち越されている場合、当選種別「ハズレ」の当選により、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。
また、当選領域2〜26には、1のリプレイ役が単独で、または、複数のリプレイ役が重複して対応付けられている。そして、複数の当選役が重複して含まれる当選種別に当選した場合には、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作される順番が設定されている。
以下の説明において、左リール110a、中リール110b、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順1」とし、左リール110a、右リール110c、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順2」とし、中リール110b、左リール110a、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順3」とし、中リール110b、右リール110c、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順4」とし、右リール110c、左リール110a、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順5」とし、右リール110c、中リール110b、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順6」とする。
例えば、RT1遊技状態において、当選種別「移行リプレイ1」に当選し、打順1による操作が行われた場合、RT2遊技状態への移行を示す当選役「移行リプレイ2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。また、打順2〜打順6による操作が行われた場合、RT3遊技状態への移行を示す当選役「移行リプレイ3」、「移行リプレイ4」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に優先的に表示されるように停止制御がなされる。
また、当選領域28〜39には、当選役「ベル」と当選役「1枚役」とが重複して含まれる当選種別「打順ベル左1」〜「打順ベル右4」(以下、かかる12個の当選種別を単に当選種別「打順ベル」と略す場合がある)がそれぞれ対応付けられている。なお、当選領域28〜39の当選確率(置数の数)は等しくなるように設定されている。遊技者は、通常、いずれの当選種別に当選しているのかを知ることができないため、上記のような当選領域28〜39を設けることにより、当選役「ベル」を入賞させにくくしている。また、当選役「1枚役」が優先的に表示される打順でストップスイッチ120a、120b、120cが操作されても、必ずしも当選役「1枚役」に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させられるとは限らないので、その操作態様によっては、とりこぼしが発生することがある(PB≠1)。
また、当選領域50には、当選役「RBB1」が含まれる当選種別「RBB1」が対応付けられており、当選領域51には、当選役「RBB2」が含まれる当選種別「RBB2」が対応付けられており、当選領域52、53には、当選役「CBB1」が含まれる当選種別「CBB1」、「CBB2」が対応付けられており、当選領域54、55には、当選役「CBB2」が含まれる当選種別「CBB3」、「CBB4」が対応付けられている。なお、以下では、当選種別「RBB1」、「RBB2」、「CBB1」、「CBB2」、「CBB3」、「CBB4」を単に当選種別「BB」と略す場合がある。
なお、上述したいずれかの当選種別に当選すると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(オン)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、各リール110の停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該遊技の終了後に内部当選フラグがオフされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。これに対して、当選役「BB」が含まれる当選種別に当選した場合には、BB内部当選フラグが成立(オン)するとともに、当選役「BB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、BB内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。なお、リプレイ役である当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選種別に含まれる当選役「リプレイ」のうちのいずれかの当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがオフされる。
(遊技状態の遷移)
ここで、図8を用い、上記ボーナス遊技状態を含む遊技状態の遷移について説明する。ここでは、RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態(後述するART遊技状態となる場合あり)、RT3遊技状態、RT4遊技状態、内部中遊技状態、ボーナス遊技状態といった複数の遊技状態が準備されている。RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態は、それぞれリプレイ役の当選確率が設定された(RT0遊技状態=1/7.3、RT1遊技状態=1/1.4、RT2遊技状態=1/1.4、RT3遊技状態=1/7.3、RT4遊技状態=1/7.3)、所謂、RT遊技状態であり、後述するように、所定の当選役が有効ラインA上に表示されることで、あるいは、ボーナス役の当選に関連してRT遊技状態が遷移する。ここでは、RT1遊技状態およびRT2遊技状態のリプレイ役の当選確率が比較的高く設定されており、遊技者はRT1遊技状態やRT2遊技状態に移行することで、遊技を有利に進行することができる。
通常遊技状態におけるRT0遊技状態は、複数の遊技状態における初期状態に相当する遊技状態である。RT0遊技状態において、当選種別「打順ベル」に当選し、いずれの小役(当選役「ベル」、「1枚役」)に対応する図柄の組み合わせも有効ラインA上に表示されなかった場合に表示されるブランク図柄組み合わせに対応する図柄の組み合わせが有効ラインA上に表示された場合に、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRT1遊技状態に移行させる(1)。
また、RT1遊技状態において、当選種別「移行リプレイ1」〜「移行リプレイ6」のいずれかに当選し、かつ、当選役「移行リプレイ2」に対応する図柄組み合わせが表示された場合に、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRT2遊技状態に移行させる(2)。かかるRT2遊技状態では、所定の条件下で補助演出を行う、所謂、ATを並行して実行すること(AT演出状態)を想定しており、本実施形態においては、RT2遊技状態と並行してATを実行している状態をART遊技状態という。
また、RT2遊技状態において、当選種別「移行リプレイ13」〜「移行リプレイ15」のいずれかに当選し、かつ、当選役「移行リプレイ1」に対応する図柄組み合わせが表示された場合、また、当選種別「打順ベル」に当選し、いずれの小役(当選役「ベル」、「1枚役」)に対応する図柄の組み合わせも有効ラインA上に表示されなかった場合、つまり、ブランク図柄組み合わせに対応する図柄の組み合わせが有効ラインA上に表示された場合に、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRT1遊技状態に移行させる(3)。
また、RT1遊技状態において、当選種別「移行リプレイ1」〜「移行リプレイ12」のいずれかに当選し、かつ、当選役「移行リプレイ3」または当選役「移行リプレイ4」に対応する図柄組み合わせが表示された場合に、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRT3遊技状態に移行させる(4)。また、RT0遊技状態において、当選種別「移行リプレイ7」〜「移行リプレイ12」のいずれかに当選し、かつ、当選役「移行リプレイ3」または当選役「移行リプレイ4」に対応する図柄組み合わせが表示された場合に、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRT3遊技状態に移行させる(5)。また、遊技状態制御手段312は、RT3遊技状態において、当選種別「BB」に当選することなく、所定の遊技数(例えば、16遊技)が経過すると、遊技状態をRT0遊技状態に移行させる(6)。
また、RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態のいずれかの遊技状態での当選種別抽選において、ボーナス役を含む当選種別のいずれかに当選し、BB内部当選フラグが成立すると、遊技状態制御手段312は、遊技状態をボーナス遊技状態の準備状態に相当する内部中遊技状態に移行する(7)。このとき、ボーナス役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、そのままBB内部当選フラグが次遊技に持ち越され(内部中遊技状態が維持され)、次回以降の遊技においてもボーナス役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。内部中遊技状態では、その前段(直前)の遊技状態よりリプレイ役(例えば、当選種別「通常リプレイ1」)の当選確率が高く(例えば、1/3.0)設定されるので、メダルの消費を抑えつつ、ボーナス役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させるように狙うことができる。そして、遊技者が、ボーナス役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させると、遊技状態制御手段312は、遊技状態を、内部中遊技状態からボーナス遊技状態に移行する(8)。また、ボーナス遊技状態において、それぞれのボーナス役に対応付けられた所定枚数を超えるメダルが払い出されると、遊技状態制御手段312は、ボーナス役を含む当選種別が決定されたときの遊技状態に拘わらず、遊技状態を、ボーナス遊技状態からRT4遊技状態に移行する(9)。したがって、ボーナス役に当選すると、RT0遊技状態〜RT3遊技状態に移行する前に、必ず、RT4遊技状態を経由することとなる。
そして、RT4遊技状態において、当選種別「打順ベル」に当選し、いずれの小役(当選役「ベル」、「1枚役」)に対応する図柄の組み合わせも有効ラインA上に表示されなかった場合に、ブランク図柄組み合わせに対応する図柄の組み合わせが有効ラインA上に表示されて、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRT1遊技状態に移行させる(10)。
(演出状態の遷移)
図9は、主制御基板200における演出状態の遷移を説明するための説明図である。以下、主制御基板200において演出状態制御手段314により遷移される演出状態(非AT演出状態、AT演出状態)について詳述する。
(非AT演出状態)
非AT演出状態は、通常演出状態とチャンス演出状態(チャンスゾーン)とが設けられている。非AT演出状態が実行される際、補助演出の実行頻度がAT演出状態より極めて低く、補助演出がほぼ行われないので、獲得できるメダルの枚数が制限される。通常演出状態は、副制御基板202で管理される複数の演出状態のうち、初期状態に相当する遊技状態である。
演出状態制御手段314は、通常演出状態における所定の契機で遊技状態をチャンス演出状態に移行し(1)、チャンス演出状態のまま所定の条件が満たされると、例えば、所定の遊技数が消化されると、通常演出状態に戻す(2)。また、演出状態制御手段314は、通常演出状態およびチャンス演出状態において、演出状態をAT演出状態に移行することができる(3)。ただし、チャンス演出状態の方が通常演出状態よりAT演出状態に移行し易いように設定されている。例えば、通常演出状態およびチャンス演出状態のいずれの遊技状態においても、当選種別抽選により決定された当選種別に基づいてAT演出状態へ移行するか否かが抽選(演出状態抽選)により決定される場合に、当選種別毎に対応付けられたAT演出状態へ移行する確率が通常演出状態よりチャンス演出状態の方が高くなっている。したがって、遊技者は、通常演出状態より、チャンス演出状態に滞在することを望むこととなる。また、AT演出状態に移行することなく非AT演出状態で所定の遊技数が消化されると(所謂、天井到達)、演出状態制御手段314は、遊技状態をAT演出状態へ移行する。
(AT演出状態)
AT演出状態では、補助演出によって正解操作態様が報知されることで、メダルの消費を抑えつつ、多くのメダルを獲得することが可能となる。したがって、遊技者は、AT演出状態において、非AT演出状態と比べ、遊技を有利に進行することができる。
また、AT演出状態では、通常AT演出状態、チャンスAT演出状態(特化ゾーン)といった2つのAT演出状態が設けられている。通常AT演出状態は、所定の継続遊技数(例えば、50遊技)を1セットとしてセット数管理により遊技が進行する。演出状態制御手段314は、演出状態が通常AT演出状態に設定されると、ストック(保持)されているセット数を1減算するとともに、継続遊技数を50遊技に設定する。そして、継続遊技数の遊技が終了すると、演出状態制御手段314は、セット数が0であるか(セット数がストックされているか)判定し、セット数が0でない場合には、ストックされているセット数を1減算して、通常AT演出状態を継続させる(4)。ただし、通常AT演出状態の継続時の継続遊技数は30遊技以上の所定の遊技数となる。一方、ストックされているセット数が0である場合には、演出状態制御手段314は、通常AT演出状態を終了し、演出状態をチャンス演出状態へ移行する(5)。また、演出状態制御手段314は、通常AT演出状態において所定条件を満たすと、演出状態をチャンスAT演出状態に移行することができる(6)。
チャンスAT演出状態は、所定の遊技数が経過するまで継続し、その間に、通常AT演出状態のセット数を上乗せする。そして、所定の遊技数が終了すると、演出状態制御手段314は、演出状態を通常AT演出状態に移行する(7)。
なお、遊技状態および演出状態のいずれにおいても、所定の当選役の入賞または取りこぼしを移行条件とする場合、移行条件を満たすまでの準備状態を経由して(例えば、非AT演出状態から通常AT演出状態(3)、通常AT演出状態からチャンス演出状態(5))、移行先の遊技状態や演出状態に移行する場合がある。
(区間表示器160の点灯)
ところで、上述したようなボーナス遊技状態やAT演出状態への移行頻度が偏ると射倖性が過度に高まってしまう懸念がある。そこで、メダルの獲得性能が高い遊技状態が偏っているか否かを統括的かつ画一的に判定すべく、有利区間比率といった判断基準を設ける。有利区間比率は、有利区間に滞在している遊技数である滞在遊技数を、遊技数の総数である総遊技数で除算し、%で示した値を言う。ここで、有利区間は、指示機能に係る性能を有する区間、すなわち、補助演出(指示機能)を実行する区間を含んだ遊技者にとって有利な区間である。したがって、遊技者にとって有利でなくてはならず、補助演出がないと選択当選役を取りこぼしてしまう当選態様のうち、選択当選役の配当が最大(ここでは、8枚)となる選択当選種別において、選択当選種別の入賞を補助する補助演出(最大払出枚数を獲得できる補助演出)を少なくとも1回行わなければ有利区間を終了してはならないこととなる。ただし、有利区間は、最大で1500遊技までと決まっており、1500遊技を超えた場合、現在の遊技状態が、RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT2遊技状態、RT3遊技状態、RT4遊技状態、内部中遊技状態、ボーナス遊技状態のいずれであるか、また、その1500遊技の有利区間において最大払出枚数を獲得できる(最大払出枚数の選択当選役を入賞し得る操作態様を報知する)補助演出が行われたか否かに拘わらず(最大払出枚数を獲得できる補助演出が実行されなかったとしても)、それまで継続していた有利区間を強制的に終了させ、有利区間で更新された情報をリセットする初期化処理を行うこととなる。また、このような有利区間に属している状態を、有利状態と総称し、有利区間に属していない(有利区間ではない非有利区間に属する)状態を非有利状態と総称する。なお、上述した通常AT演出状態およびチャンスAT演出状態は、最大払出枚数を獲得できる補助演出が実行される点で有利状態に含まれ、そのような有利状態中(有利区間中)に実行されるボーナス遊技状態や内部中遊技状態も有利状態に含まれる。
したがって、有利区間比率は、AT演出状態および非AT演出状態における全ての遊技数に対する、AT演出状態およびチャンス演出状態で遊技した滞在遊技数の比率を表すこととなる。かかる有利区間比率を導出し、それが所定の範囲に含まれているか否かを判定することで、スロットマシン100の適正さを把握できる。また、このような有利区間比率を、管理者が、所定の確認処理を通じて目視できる構成とすることで、不正行為を防止することが可能となる。
図10は、区間表示器160の点灯タイミングを説明するための説明図である。上述の有利区間に属する有利状態が開始されると、演出状態制御手段314は、有利区間に滞在していることを、区間表示器160の点灯を通じて報知する。なお、有利区間ではない非有利区間においては、区間表示器160を点灯しない。例えば、図9で説明した非AT演出状態において、AT演出状態への移行が決定されると、演出状態制御手段314は、図10(a)のように、そのAT演出状態の開始タイミングで区間表示器160を点灯し、AT演出状態が終了すると(その遊技で、ストップスイッチ120a、120b、120cのうち既に2つのストップスイッチが有効に操作された後における、最後(3番目)のストップスイッチの操作(以下、単に「第3停止」という)以降)、区間表示器160を消灯する。
また、図9で説明した非AT演出状態において、チャンス演出状態への移行が決定されると、演出状態制御手段314は、図10(b)のように、そのチャンス演出状態が決定された遊技の次遊技の開始まで(リプレイ役が入賞した場合は次遊技のスタートスイッチ118の操作が有効になる前まで、リプレイ役以外の当選役が入賞した場合は次遊技のベットスイッチ116の操作が有効になる前まで)に区間表示器160を点灯し、チャンス演出状態が終了すると(その遊技の第3停止以降)、区間表示器160を消灯する。
なお、通常演出状態等、非有利区間に属する非有利状態においては、AT演出状態等、有利状態への移行を決定するとともに、その有利状態中に行う補助演出(指示機能)に係る処理を決定することができる。かかる補助演出に係る処理としては、継続遊技数の上乗せ、継続等、補助演出に係る直接的な処理、抽選条件や演出状態の移行等の間接的な処理、および、有利状態の終了に係る処理が含まれる。このような補助演出に係る処理は、全設定で当選確率が共通している当選種別(設定差無当選種別)の当選に基づき実行することができる。また、ボーナス遊技状態においては、そのボーナス遊技状態へ移行するための当選種別の当選確率が全設定共通であることを条件に、全設定で当選確率が共通している当選種別の当選に基づき補助演出に係る処理を実行することができる。
これは、AT演出状態への移行確率が設定値に応じて変化すると、スロットマシン100の技術上の規格に定められていない手法でメダルの獲得性能を変化させることになるので、当選種別抽選の結果に基づくAT演出状態の移行確率は、予め定められた全設定共通の確率が望ましいという要請に基づいている。かかる要請に則ると、設定値毎に当選確率が異なる設定差有当選種別に基づいては新たに有利状態への移行を決定しないようにする。なお、本実施形態において、ボーナス役を含む設定差無当選種別には、当選種別「RBB1」、「RBB2」、「CBB1」、「CBB3」が該当し(以下、単に当選種別「設定差無ボーナス」と称する場合がある)、ボーナス役を含む設定差有当選種別には、当選種別「CBB2」、「CBB4」が該当する(以下、単に当選種別「設定差有ボーナス」と称する場合がある)。
したがって、当選種別「BB」(ボーナス役を含む当選種別)のうち、当選種別「設定差無ボーナス」にのみ、その当選に基づいてAT演出状態への移行を決定し、区間表示器160を点灯することができる。ただし、当選種別「設定差無ボーナス」の当選に基づいてAT演出状態への移行も決定する場合、すなわち、当選種別「設定差無ボーナス」に基づくボーナス遊技状態の後に、AT演出状態に移行する場合、当選種別「設定差無ボーナス」に基づくボーナス遊技状態中ではなく、当選種別「設定差無ボーナス」の当選時にAT演出状態への移行も決定することになる。
ここで、当選種別「設定差無ボーナス」の当選に基づいてAT演出状態に移行することが決定された場合は、AT演出状態のみならず、その前のボーナス遊技状態も有利状態(有利区間)となる。したがって、当選種別「設定差無ボーナス」の当選に基づいてAT演出状態に移行することが決定された場合、演出状態制御手段314は、図10(c)のように、少なくとも、ボーナス遊技状態の最初の1遊技の開始可能時には区間表示器160を点灯していなければならない。ただし、当選役「RBB1」、「RBB2」、「CBB1」、「CBB2」等、レギュラーボーナス(RB:第1種特別役物)またはボーナス遊技状態(役物連続作動装置)のいずれかに該当する場合には、その当選時(内部中遊技状態への移行時)ではなく、ボーナス役が入賞した遊技が終了してから区間表示器160を点灯することができる。具体的には、少なくともボーナス役が入賞した遊技の次の遊技が開始可能となる以前に区間表示器160を点灯すれば足りる。ここで、ボーナス役が入賞した遊技の次の遊技とは、ボーナス役に基づくボーナス遊技状態の開始遊技(最初の1遊技)である。また、遊技が開始可能となるとは、その遊技に関し、メダル投入部114を通じたメダルの投入、ベットスイッチ116の操作を通じたクレジットされているメダルの投入が可能になること、または、リプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づくメダルの自動投入のいずれかが行われてから、遊技者によるスタートスイッチ118の操作が可能になることである。したがって、例えば、ボーナス役が入賞した遊技の次の遊技が開始可能となる直前のタイミングや、入賞した遊技の第3停止タイミングで区間表示器160が点灯されることとなる。そして、当選種別「設定差無ボーナス」の当選に基づくAT演出状態が終了し、有利状態の終了条件を満たすと、区間表示器160を消灯する。
なお、当選種別「設定差無ボーナス」には当選したものの、AT演出状態への移行が決定されていない場合、そのボーナス遊技状態は有利状態(有利区間)とはならない。したがって、演出状態制御手段314は、図10(d)のように、ボーナス遊技状態が開始されたか否かに拘わらず、区間表示器160の消灯状態を維持することとなる。
図10(c)、図10(d)を用いて説明したように、当選種別「設定差無ボーナス」の当選時に、AT演出状態への移行も決定されると、ボーナス役の入賞時(正確には入賞した遊技の次遊技が開始可能となる以前)に区間表示器160が点灯し、当選種別「設定差無ボーナス」の当選時に、AT演出状態への移行が決定されないと、ボーナス役の入賞時に区間表示器160が点灯することはない。そうすると、ボーナス役の入賞時に区間表示器160が点灯すると、遊技者は、そのボーナス遊技状態の後にAT演出状態に移行することを把握することができ、一方、ボーナス役の入賞時に区間表示器160が点灯しないと、遊技者は、そのボーナス遊技状態の後にAT演出状態には移行しないことを把握し(AT演出状態の期待が断たれ)、そのボーナス遊技が退屈な遊技となってしまう。そこで、AT演出状態への移行有無の把握タイミングを遅らせ、遊技性の向上を図る。
まず、上述したように、有利区間に属する有利状態として、AT演出状態のみならず、チャンス演出状態も含める。チャンス演出状態は、非AT演出状態であるものの、図9を用いて説明したように、通常演出状態(非有利状態)よりAT演出状態に移行し易いように設定されているので、有利状態として位置付けることができる。そして、当選種別「設定差無ボーナス」の当選時において、演出状態制御手段314は、AT演出状態やチャンス演出状態への移行を抽選により決定する。このように、当選種別「設定差無ボーナス」の当選に基づいてチャンス演出状態に移行することが決定された場合、当選種別「設定差無ボーナス」に基づくボーナス遊技状態の終了後、チャンス演出状態が実行され、所定の遊技数(例えば16〜32遊技のいずれかの遊技数)を消化するまでにAT演出状態への移行が決定されないと、チャンス演出状態が終了したことで有利状態が終了し、演出状態が通常演出状態に移行する。また、ボーナス遊技状態後のチャンス演出状態は有利区間に属するので、当選種別「設定差無ボーナス」の当選に基づいてチャンス演出状態に移行することが決定された場合は、チャンス演出状態のみならず、その前のボーナス遊技状態も有利状態となる。そうすると、演出状態制御手段314は、ボーナス遊技状態の開始時に区間表示器160を点灯することができる。
図11は、区間表示器160の点灯タイミングを説明するための説明図である。当選種別「設定差無ボーナス」の当選に基づいてAT演出状態に移行することが決定された場合、演出状態制御手段314は、図11(a)のように、少なくとも、ボーナス遊技状態の開始可能時に区間表示器160を点灯し、AT演出状態の終了時(その遊技の第3停止以降)に有利状態を終了するとともに区間表示器160を消灯する。
また、当選種別「設定差無ボーナス」には当選したものの、AT演出状態への移行が決定されていない場合も、少なくともチャンス演出状態への移行を決定する。この場合、演出状態制御手段314は、図11(b)のように、少なくとも、ボーナス遊技状態の開始可能時に区間表示器160を点灯し、そのチャンス演出状態中にAT演出状態への移行が決定されなければ、チャンス演出状態の終了(その遊技の第3停止以降)をもって有利状態を終了するとともに区間表示器160を消灯する。
図11(a)と図11(b)とを比較して理解できるように、有利状態としてチャンス演出状態を採用することで、当選種別「設定差無ボーナス」の当選時にAT演出状態への移行が決定された場合であっても、決定されなかった場合であっても区間表示器160を点灯することが可能となる。こうして、遊技者は、ボーナス遊技状態の開始可能時に区間表示器160が点灯しただけでは、それがAT演出状態への移行を示しているか否か把握できないので、AT演出状態へ移行する期待感をボーナス遊技状態の終了時まで維持することができる。
また、たとえ、ボーナス遊技状態が終了したときにAT演出状態へ移行しなかったとしても、通常演出状態よりAT演出状態への移行確率の高いチャンス演出状態には移行するので、遊技者は、ボーナス遊技状態に引き続き、チャンス演出状態の終了時までAT演出状態へ移行する期待感を維持することができる。
なお、このようなチャンス演出状態においては、以下の様に遊技が進行する。まず、チャンス演出状態への移行が決定されると、併せて、その遊技数が、例えば、16〜32遊技のいずれかに決定される。なお、チャンス演出状態の遊技数は任意に決定することができる。そして、チャンス演出状態の開始可能時に、区間表示器160が消灯していれば区間表示器160を点灯し、既に区間表示器160が点灯していればその点灯状態を維持する。
そして、チャンス演出状態が開始されると、通常演出状態とは異なる複数種類の連続演出のいずれかの演出が実行される。そして、演出状態制御手段314は、チャンス演出状態の間、通常演出状態より高い確率でAT演出状態への移行を決定する。ただし、AT演出状態への移行が決定されたとしても直ちにその旨が報知されず、チャンス演出状態の終了遊技より例えば5遊技前から開始されるジャッジ演出において、当該チャンス演出状態中にAT演出状態への移行が決定されているか否かの結果が報知される。例えば、チャンス演出状態中のいずれかの遊技においてAT演出状態への移行が決定された場合、ジャッジ演出において最終的にAT演出状態への移行が決定されていることが報知され、その後、演出状態がAT演出状態に移行する。このとき、区間表示器160では点灯状態が維持される。一方、チャンス演出状態のいずれの遊技においてもAT演出状態への移行が決定されなかった場合、ジャッジ演出において最終的にAT演出状態への移行が決定されなかったことが報知され、その後、通常演出状態に移行し、有利状態が終了して区間表示器160が消灯する。
また、かかるチャンス演出状態において実行される複数の連続演出は、通常演出状態におけるAT演出状態への所謂前兆演出として用いられる場合がある。すなわち、通常演出状態の当選種別抽選において、例えば、AT演出状態への移行が決定される確率が高いレア役に当選した場合、そのレア役の当選によりAT演出状態への移行が決定されたか否かの期待感を維持すべく、演出制御手段334は、直ちにAT演出状態への移行が決定されたことを報知せず、チャンス演出状態において実行される複数の連続演出を実行した後のジャッジ演出においてAT演出状態へ移行したことを報知する。
かかる構成により、遊技者は、チャンス演出状態において実行される連続演出が開始されたことにより、それ以前に当選した当選種別(たとえばレア役)によってAT演出状態へ移行している可能性があること、および、チャンス演出状態において高い確率でAT演出状態への移行が決定する可能性があることの両方に期待することができる。
(チャンス演出状態における補助演出)
ここで、上記のチャンス演出状態における補助演出について述べる。上述したように、チャンス演出状態は、非AT演出状態であるものの、通常演出状態(非有利状態)よりAT演出状態に移行し易いように設定されているので、有利区間に属する有利状態として位置付けられる。しかし、チャンス演出状態を有利状態とする以上、メダルの払い出しにつき遊技者にとって何かしら有利でなければならない。
図11(b)に示したチャンス演出状態については、ボーナス遊技状態に連続しているので、既に、メダルの払い出しについてボーナス遊技というメダルの払い出しについて遊技者にとって有利となる遊技利益を得ており、さらに、遊技利益を与える必要がない。有利状態中に、レギュラーボーナス(RB:第1種特別役物)またはボーナス遊技状態(役物連続作動装置)が実行(作動)された場合は、補助演出を実行することなく、そのボーナス遊技状態の終了後、任意に有利状態を終了してよい仕様としている。また、AT演出状態に連続してチャンス演出状態に移行した場合も、有利状態中に、最大払出枚数を獲得できる補助演出が少なくとも1回は実行されるAT演出状態が実行された場合は、既に、メダルの払い出しについて遊技利益を得ており、補助演出を実行することなく、そのAT演出状態の終了後、任意に有利状態を終了することができる。したがって、ボーナス遊技状態またはAT演出状態への移行に基づいてチャンス演出状態に移行した場合は、上記のように、チャンス演出状態を終了するための、最大払出枚数を獲得できる補助演出を行うことなく、初期化処理を実行して、任意に有利状態を終了してよいことにしている。
一方、図10(b)に示した、有利区間中にAT演出状態に基づく補助演出やボーナス遊技が行われない単独で実行されるチャンス演出では、何かしら遊技者にとってメダルの払い出しについて有利な処理を行わなければならない。かかる有利な処理として、ここでは、最大払出枚数を獲得できる補助演出を少なくとも1遊技分実行することとする。有利区間(有利状態)中は、最低でも1回、最大払出枚数を獲得できる補助演出を行うという仕様としている。
ただし、このように、ボーナス遊技状態を経由しないチャンス演出状態において、一律に、チャンス演出状態を終了するための、最大払出枚数を獲得できる補助演出を少なくとも1回は行うこととすると、チャンス演出状態において、遊技者は最低1回最大払出枚数を獲得できることになり、チャンス演出状態を経由した場合の期待獲得枚数(ベース)が高まる。さらに、このようなチャンス演出状態の出現頻度が高い遊技性を採用すると、期待獲得枚数がその頻度の分だけ高くなる。そうすると、出玉率を一定の範囲に収めるようにするには、その高まった期待獲得枚数(純増)を相殺するように、AT演出状態の期待獲得枚数を低くしなければならなくなり、AT演出状態がインパクトに欠けるものとなってしまう。そこで、本実施形態では、ボーナス遊技状態を経由しないチャンス演出状態での期待獲得枚数の低減を行う。
図12は、チャンス演出状態における補助演出の実行態様を説明するための説明図である。例えば、通常演出状態においてチャンス演出状態への移行が決定され、ボーナス遊技状態を経由することなくチャンス演出状態が開始されると、通常演出状態とは異なる複数種類の連続演出のいずれかの演出が実行される。そして、チャンス演出状態が残り5遊技となるとジャッジ演出が実行され、そのジャッジ演出において、当該チャンス演出状態中にAT演出状態への移行が決定されているか否かの結果が報知される。例えば、チャンス演出状態中のいずれかの遊技においてAT演出状態への移行が決定された場合、ジャッジ演出において最終的にAT演出状態への移行が決定されていることが報知される。
そして、演出状態制御手段314は、チャンス演出状態の終了条件を満たしたとき、すなわち、決定された遊技数(16〜32遊技のいずれかの遊技数)が経過し、AT演出状態への移行が決定されているか否かを報知したとき、上記のようにAT演出状態への移行が決定されていれば、図12(a)のように、最大払出枚数を獲得できる補助演出を実行させることなくチャンス演出状態を終了し、AT演出状態に即座に移行する。したがって、区間表示器160では点灯状態が維持される。
ここでは、チャンス演出状態に引き続きAT演出状態が実行されるので、両演出状態を連続した有利状態とみなすことができる。有利状態であるAT演出状態において、本実施形態のように、最大払出枚数を獲得できる補助演出が少なくとも1回は実行される仕様を採用している場合、その前段に位置するチャンス演出状態において最大払出枚数を獲得できる補助演出を行う必要はなく、また、AT演出状態後にも最大払出枚数を獲得できる補助演出を行う必要がない。したがって、チャンス演出状態においてAT演出状態への移行が決定された場合は、上記のように、最大払出枚数を獲得できる補助演出を行うことなく、任意にチャンス演出状態を終了してAT演出状態に移行してもよい。なお、AT演出状態において最大払出枚数を獲得できる補助演出が実行されなかった場合、そのAT演出状態の終了後、最大払出枚数を獲得できる補助演出を少なくとも1回は実行しないと有利状態を終了することができない。
一方、チャンス演出状態中のいずれの遊技においてもAT演出状態への移行が決定されなかった場合、ジャッジ演出において最終的にAT演出状態への移行が決定されなかった旨、および、チャンス演出状態が終了する旨が報知される。
ただし、演出状態制御手段314は、図12(b)のように、チャンス演出状態の終了条件を満たし、チャンス演出状態が終了する旨を報知しても、直ちに、チャンス演出状態を終了せず、最大払出枚数を獲得できる選択当選種別の当選を待ち(チャンス演出終了待機状態に移行し)、当該選択当選種別の当選時に補助演出を行った後、チャンス演出状態を終了する。そして、演出状態制御手段314は、チャンス演出終了待機状態の終了に伴い、有利状態を終了し、演出状態を通常演出状態に移行して、区間表示器160を消灯する。
ここでは、演出状態制御手段314が、チャンス演出状態においてAT演出状態への移行を抽選により決定し、AT演出状態への移行が決定されれば、最大払出枚数を獲得できる補助演出を実行させることなく、AT演出状態に移行することを前提に、チャンス演出状態が終了条件を満たすまで待って、終了条件を満たしたときに、AT演出状態への移行が決定されていなければ、初めて、最大払出枚数を獲得できる補助演出を実行させる。かかる構成により、チャンス演出状態中のいずれかにおいてAT演出状態への移行が決定されれば、例えば、チャンス演出状態の最後の遊技においてAT演出状態への移行が決定された場合であっても、チャンス演出状態中に無駄に補助演出を行わなくて済むので、ボーナス遊技状態を経由しないチャンス演出状態等の有利状態であり、AT演出状態ではない状態における期待獲得枚数を低減することが可能となる。
また、上述したように、ボーナス遊技状態を経由するチャンス演出状態については、AT演出状態への移行有無に拘わらず、最大払出枚数を獲得できる補助演出を実行させることなくチャンス演出状態を終了できるので、チャンス演出状態等の有利状態であり、AT演出状態ではない状態における期待獲得枚数をより低減することが可能となる。
なお、ここでは、AT演出状態以外の有利状態として、通常演出状態(非有利状態)よりAT演出状態へ移行する確率が高いチャンス演出状態を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、それが遊技者にとって有利な状態であれば、様々な遊技の状態を採用することができる。
また、ここでは、通常演出状態(非有利状態)において、当選種別「設定差無ボーナス」の当選時に、AT演出状態およびチャンス演出状態のいずれかを必ず決定し、区間表示器160を点灯する例を挙げて説明したが、必ずしも有利状態への移行を決定する必要はなく、例えば、通常演出状態等、非有利区間に属する非有利状態への移行も併せて決定してもよい。この場合、有利状態への移行が決定された場合、区間表示器160を点灯し、有利状態への移行が決定されなかった場合、区間表示器160の消灯を維持することとなる。
また、ここでは、有利状態であるがAT演出状態ではないチャンス演出状態においてAT演出状態への移行が決定されなかった場合、補助演出を補助演出報知手段に実行させた後、チャンス演出状態を終了し、また、AT演出状態への移行が決定されていれば、チャンス演出状態を終了するための補助演出を補助演出報知手段に実行させることなく、AT演出状態に移行する例を挙げて説明したが、AT演出状態への移行が決定されるタイミングは、チャンス演出状態中に限らず、チャンス演出状態への移行が決定されたタイミング(チャンス演出状態への移行時)も含まれる。したがって、例えば、通常演出状態において、チャンス演出状態への移行が決定されたが、AT演出状態への移行が決定されなかった場合、移行後のチャンス演出状態でAT演出状態への移行が決定されなければ、補助演出を補助演出報知手段に実行させた後、チャンス演出状態を終了し、また、通常演出状態において、チャンス演出状態への移行とAT演出状態への移行とが同時に決定された場合、チャンス演出状態を終了するための補助演出を補助演出報知手段に実行させることなく、AT演出状態に移行することとなる。
ところで、図12(b)を用いて説明したように、ここでは、チャンス演出状態の終了条件を満たしたときにAT演出状態への移行が決定されていなければ、最大払出枚数を獲得できる選択当選種別の当選を待つチャンス演出終了待機状態に移行する。かかるチャンス演出終了待機状態では、最早、チャンス演出状態が終了しているので、通常演出状態よりAT演出状態に移行し易い等の遊技利益は付与されていない。ただし、図12(b)のように、チャンス演出終了待機状態が終了するまで区間表示器160が点灯し続けるので、遊技者に期待感を与えるべく、通常演出状態より少し有利な遊技性を取り入れる。
例えば、チャンス演出終了待機状態が終了するまでに、特定の当選種別(例えば、当選種別「打順チャンスリプレイ1」に当選すると、チャンス演出状態を再度実行したり、AT演出状態に移行したりすることができる。なお、チャンス演出終了待機状態に限らず、チャンス演出状態においても、特定の当選種別の当選を契機に抽選によりチャンス演出状態への移行やAT演出状態への移行を決定するとしてもよい。
そうすると、遊技者は、最大払出枚数の選択当選役が含まれる選択当選種別が当選して最大払出枚数を獲得できる補助演出が実行される前に、そのような特定の当選種別に当選することを期待することになる。ここで、例えば、特定の当選種別に当選しなかったとしても、最大払出枚数の選択当選役が含まれる選択当選種別以外の当選種別が当選したのであれば、まだ次遊技以降で特定の当選種別に当選する可能性が残されるので、遊技者は安堵できる。
しかし、当該チャンス演出終了待機状態の終了条件は、最大払出枚数の選択当選役が含まれる選択当選種別が当選し、最大払出枚数を獲得できる補助演出が実行されることなので、遊技者は、スタートスイッチ118の操作に応じ、これまで出現しなかった補助演出が出現しただけでチャンス演出終了待機状態が終了することを把握してしまう。また、その把握タイミングは、ストップスイッチ120の第1停止〜第3停止のタイミングではなく、スタートスイッチ118を操作したタイミングとなるので、遊技者は、遊技の開始直後にチャンス演出状態が終了することを把握でき、最大払出枚数が獲得できるにも拘わらず、その遊技の興趣が低減されてしまう。そこで、本実施形態では、チャンス演出終了待機状態が終了するかのようなフェイク演出を設けて遊技性の向上を図る。
演出状態制御手段314は、チャンス演出終了待機状態において、最大払出枚数の小役が含まれる選択当選種別、例えば、当選種別「打順ベル」が当選すると、補助演出を実行する補助演出報知手段(主報知手段および他報知手段)を通じて、正解操作態様を報知する。そして、遊技者は、かかる補助演出に従って正解操作態様による操作を行うことで、正解当選役である当選役「ベル1」や当選役「ベル2」を入賞させることができる。
ここで、演出状態制御手段314は、操作態様(打順)に拘わらず、当選役「ベル1」をPB=1で入賞可能な当選種別「共通ベル」の当選時に、フェイク演出として、補助演出に類似した、任意の操作態様を報知する演出を演出制御手段334に実行させる。そして、遊技者は、かかる操作態様に従って操作を行うが、そもそも当選役「ベル1」はPB=1で入賞可能な当選種別なので、指示された操作態様(打順)による操作の実行有無に拘わらず、当選役「ベル1」を入賞させることができる。
このようなフェイク演出は、当選種別「打順ベル」に当選したときの操作態様の報知を真似た演出であり、かつ、入賞した当選役が補助演出と等しいので、遊技者は、チャンス演出終了待機状態の終了を示す補助演出と、チャンス演出終了待機状態を継続可能なフェイク演出とを見分けることができない。したがって、遊技者は、かかる操作態様が報知された時点で、チャンス演出終了待機状態の終了を覚悟し、当選役「ベル1」の当選をもってチャンス演出終了待機状態の終了を確実なものとしつつ、これがフェイク演出であった場合に、チャンス演出終了待機状態の継続に安堵することとなる。
図13は、フェイク演出を説明するための説明図である。例えば、図13(a)のように、チャンス演出終了待機状態において、最大払出枚数の選択当選役が含まれる選択当選種別が当選する前に、最大払出枚数の小役をPB=1で入賞可能な当選種別(例えば、当選種別「共通ベル」)に当選したとする。演出状態制御手段314は、かかる当選種別の当選に応じ、打順1〜6のいずれか1の操作態様を抽選により決定する。そして、フェイク演出として、その操作態様を、補助演出報知手段としての主報知手段(メインクレジット表示部130、メイン払出表示部132等)を通じて報知するとともに、演出制御手段334を介し、補助演出報知手段としての他報知手段(液晶表示部124、演出用ランプ126、スピーカ128、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136等)を通じて報知する。遊技者は、かかる操作態様の報知に従って操作を行い、当選役「ベル1」を入賞させることができる。しかし、ここでは、操作態様の報知が行われ、かつ、当選役「ベル1」が入賞しているもののチャンス演出終了待機状態が終了しない。したがって、演出制御手段334は、かかるフェイク演出に応じて、チャンス演出終了待機状態がまだ継続する旨の演出を実行する。
このようにして継続したチャンス演出終了待機状態において、仮に、特定の当選種別に当選した場合、図13(a)のように、演出状態制御手段314は、例えば、AT演出状態に移行する。このとき、演出制御手段334は、チャンス演出終了待機状態からAT演出状態に移行することの逆転的な演出を行ってもよい。一方、特定の当選種別に当選することなく、最大払出枚数の小役が含まれる選択当選種別が当選してしまうと、演出状態制御手段314は、図13(b)のように、正解操作態様を、補助演出報知手段としての主報知手段を通じて報知するとともに、演出制御手段334を介し、補助演出報知手段としての他報知手段を通じて報知し、当該チャンス演出終了待機状態を終了するとともに有利状態を終了し、通常演出状態に移行する。
このように、チャンス演出終了待機状態において、選択当選種別以外の当選種別の当選時に、任意の操作態様を実行する構成により、チャンス演出終了待機状態が終了するかもしれないというフェイク演出を実行することができ、遊技性の向上を図ることが可能となる。
また、上記のように、チャンス演出終了待機状態の終了時(当選種別「打順ベル左1」〜「打順ベル左4」の当選時)に入賞する当選役(当選役「ベル1」)と、フェイク演出の実行時に入賞する当選役(当選役「ベル1」)とを等しくすることで(少なくとも、表示された図柄組み合わせを等しくすることで)、第3停止が完了して当選役「ベル1」が入賞したとしても、遊技者は、まだ、チャンス演出終了待機状態が継続するという期待を持てるので、さらなる遊技性の向上を図ることができる。
なお、ここでは、選択当選種別の当選比率と、最大払出枚数の小役をPB=1で入賞可能な当選種別との当選比率を変更することで、チャンス演出終了待機状態の継続と終了のバランスを調整することができる。
また、ここでは、フェイク演出として、打順1〜6のいずれか1の操作態様を抽選により決定する例を挙げているが、いずれかの打順を固定的に決定するとしてもよい。また、打順1〜6のいずれかの打順の出現頻度を偏らせ、打順に応じて、チャンス演出終了待機状態の継続確率を異ならせるとしてもよい。例えば、フェイク演出において、打順1、3、5の出現頻度が高く、打順2、4、6の出現頻度を低くすることで、遊技者は、打順1、3、5が報知されると、打順2、4、6が報知された場合よりもチャンス演出終了待機状態の継続に期待することができる。
また、ここでは、有利状態の終了条件を満たしてから有利状態を終了させるための補助演出を実行させるまでに、特定の当選種別に応じてチャンス演出状態またはAT演出状態に移行する例を挙げて説明したが、ここで付与される遊技利益としては、遊技を有利に進行可能な、遊技者に有利な様々な遊技利益を適用することができる。
また、ここでは、演出状態制御手段314が、選択当選種別の当選時における補助演出、および、選択当選種別以外の当選種別の当選時における任意の操作態様の報知(フェイク演出)を、主報知手段、および、演出制御手段334を介した他報知手段の双方で行うとしている。かかる構成により、以下の効果が生じる。主制御基板200以外の基板(例えば、副制御基板202)が出玉率に影響を与えることを防止することを目的として、AT演出状態の管理を主制御基板200で行うこととなり、これに伴い、操作態様により払出数が変化し得る、つまり、遊技の結果に影響を与える当選種別「打順ベル」に対する補助演出は、主報知手段を通じて実行しなければならなくなった。したがって、他報知手段を通じた補助演出は、あくまで、主報知手段の補助演出に合わせた演出という位置付けになる。しかし、フェイク演出における、最大払出枚数の小役をPB=1で入賞可能な当選種別(例えば、当選種別「共通ベル」)が当選した場合は、操作態様により遊技の結果に影響を与えることがないので、上記当選種別「打順ベル」のように、必ずしも、主報知手段で報知を行わなければならないというわけではない。ただし、本実施形態では、チャンス演出終了待機状態の終了契機となる補助演出もフェイク演出も主報知手段および他報知手段の双方で行い、演出の挙動を合わせることで、操作態様を報知されただけでは、遊技者は、チャンス演出終了待機状態の終了契機となる補助演出なのか、フェイク演出なのか判別できず、遊技者に対し、いずれの当選種別が当選したかを分かりにくくすることが可能となる。また、かかる場合に限らず、選択当選種別の当選時における補助演出は主報知手段および他報知手段の双方で行い、選択当選種別以外の当選種別の当選時における任意の操作態様の報知は他報知手段のみで行う、すなわち、フェイク演出に関しては、例えば、副制御基板202における演出制御手段334が、主制御基板200と独立して行ってもよい。かかる構成により、判別要素とはなるものの、フェイク演出に関する処理負荷を副制御基板202に担わせることができるので、主制御基板200の処理負荷の軽減を図りつつ、遊技者の残念感を払拭することができる。
また、ここでは、フェイク演出を行う対象として、最大払出枚数の小役をPB=1で入賞可能な当選種別を例に挙げて説明したが、選択当選種別以外であれば、いずれの当選種別でフェイク演出を行ってもよい。また、フェイク演出を行う頻度も任意に調整することができる。
(チャンス演出状態中のボーナス役当選)
ところで、上述したように、設定差無当選種別の当選時に有利状態に属する状態を決定することができるが、設定差有当選種別の当選時には新たに有利状態に属する状態を決定することができない。このような規定では、非有利状態において、他の当選役と重複した場合も、さらに、内部中遊技状態やボーナス遊技状態においても同じように有利状態に属する状態を決定することが制限される。したがって、非有利状態において当選種別「設定差有ボーナス」を当選種別抽選により決定する場合には、そのボーナス遊技状態の後に当選種別「設定差有ボーナス」に基づく有利状態を新たに付与することの決定ができないので、非有利状態において設定差が存在しないボーナス役が入賞したら遊技者は有利状態へ移行する期待を持てるが、設定差が存在するボーナス役が入賞すると有利状態へ移行する可能性がなくなるといった単調な遊技性になってしまう。また、チャンス演出状態は有利状態であるため、チャンス演出状態中にボーナス役を含む当選種別「BB」に当選した場合、その当選種別「BB」が当選種別「設定差無ボーナス」であるか当選種別「設定差有ボーナス」であるかに拘わらず、区間表示器160の点灯を継続できるので、点灯有無によっては、当選種別「BB」に基づいてさらなる有利状態が決定されたか否か分からない。しかし、上記のように、設定差が存在しないボーナス役と、設定差が存在するボーナス役とを判別できると、遊技者は、入賞したボーナス役に応じてさらなる有利状態の決定の可能性が有るか無いか把握できてしまい、やはり、単調な遊技性となってしまう。そこで、本実施形態では、同一のボーナス役(当選役「CBB1」、「CBB2」)を含む異なる当選種別を準備し、一方の当選種別には設定差を設けず(設定差無当選種別)、他方の当選種別には設定差を設ける(設定差有当選種別)といった仕様を採用する。こうすることで、そのボーナス役が入賞した場合であっても、そのボーナス役を含む当選種別の設定差の有無を把握できず、遊技者は、有利状態への移行に期待を持つことができる。
ここで、所定の抽選確率でしか決定されない遊技利益が運良く重なった場合、遊技者に、さらなる遊技利益を与えるといったインパクトのある遊技性の採用を検討する。例えば、滞在期間が短いチャンス演出状態において、当選確率の低い当選種別「BB」に当選した場合、AT遊技状態への移行を確定するといった遊技性を採用する。
ここで、設定差無当選種別に基づいてはAT演出状態への移行を任意に決定することができるので、当然、チャンス演出状態において、当選種別「設定差無ボーナス」に当選した場合、AT遊技状態への移行を確定することができる。しかし、チャンス演出状態中であっても、設定差有当選種別に基づいてはAT演出状態への移行を決定することはできない。そうすると、上記のように、同一のボーナス役を含む異なる当選種別を準備し、一方の当選種別には設定差を設けず(設定差無当選種別)、他方の当選種別には設定差を設ける(設定差有当選種別)といった仕様を採用した場合、チャンス演出状態において、同一のボーナス役が入賞したにも拘わらず、当選したのが当選種別「設定差無ボーナス」であればAT演出状態への移行が確定し、当選種別「設定差有ボーナス」であればAT演出状態へは移行しないといった状況が生じてしまう。
このような状況下では、当選種別「設定差有ボーナス」の入賞によりAT演出状態への移行が決定されなかった場合に、チャンス演出状態中にボーナス役が入賞したことを喜ぶ遊技者を落胆させるだけでなく、チャンス演出状態中にボーナス役が入賞するとAT演出状態に必ず移行すると確信している遊技者に不信感を与えてしまう。そこで、本実施形態では、チャンス演出状態等の有利状態中に、ボーナス役を含む当選種別に当選した場合、その設定差の有無に拘わらず、AT演出状態への移行確定等の特定の遊技利益を与える。
図8に示した遊技状態の遷移において、遊技状態は、通常、RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT3遊技状態のいずれかに滞在している。このようなRT0遊技状態、RT1遊技状態、RT3遊技状態のいずれにおいても、演出状態が非AT演出状態であれば、AT演出状態への移行抽選が行われる。ただし、RT0遊技状態、RT1遊技状態、RT3遊技状態が非AT演出状態(非有利状態)であれば、上述したように、当選領域毎に一律の確率でAT演出状態(有利状態)への移行を抽選しなければならず、設定、および、遊技状態がRT0〜RT4遊技状態のいずれであるかを参照してAT演出状態への移行を抽選することができない。すなわち、非AT演出状態では、AT演出状態への移行決定に当選領域を参照することはできるが、遊技状態がRT0〜RT4遊技状態のいずれであるかを参照することはできない。
しかし、チャンス演出状態(有利状態)では、その性能(例えば、継続遊技数の上乗せ)について遊技状態がRT0〜RT4遊技状態のいずれであるかを参照してもよい。そこで、チャンス演出状態において当選種別「BB」に当選した場合、遊技状態を参照してAT演出状態への移行を確定する。
具体的に、図8に示したように、遊技状態制御手段312は、ボーナス役を含む当選種別が決定されたときの遊技状態に拘わらず、ボーナス遊技状態の終了後、遊技状態を、ボーナス遊技状態からRT4遊技状態(特定遊技状態)に移行する仕様を採用する。したがって、ボーナス役に当選すると、RT0遊技状態〜RT3遊技状態に移行する前に、必ず、RT4遊技状態を経由することとなる。続いて、ボーナス遊技状態が終了したことに伴い再開されたチャンス演出状態において遊技状態を参照し、遊技状態がRT4遊技状態であれば、AT演出状態への移行を確定する。かかる遊技性を実現するためには、RT4遊技状態は少なくとも1遊技あれば足りる。なお、かかる場合に限らず、RT4遊技状態を2遊技以上継続し、RT4遊技状態で1遊技以上遊技を行ったことをAT演出状態への移行条件としてもよい。
図14は、ボーナス役の当選に基づくAT演出状態への移行態様を説明するための説明図である。ここでは演出状態の遷移と遊技状態の遷移を時系列に示している。例えば、図14(a)のように、チャンス演出状態において、ボーナス役を含む当選種別に当選したとする。そうすると、その当選種別が当選種別「設定差無ボーナス」であるか当選種別「設定差有ボーナス」であるかに拘わらず、ボーナス遊技状態が終了すると、遊技状態制御手段312は、遊技状態をRT4遊技状態に移行する。このとき、演出状態は、ボーナス遊技状態が開始される前のチャンス演出状態に戻る。そうすると、演出状態がチャンス演出状態であり、かつ、遊技状態がRT4遊技状態となる状態を生成できる。このとき、演出状態制御手段314は、遊技状態がRT4遊技状態であることを参照して、AT演出状態への移行を確定する。
ただし、演出状態制御手段314は、即座にAT演出状態を開始せず、その準備状態(AT準備状態)を経由する。具体的に、AT演出状態への移行が決定されたときには遊技状態がRT4遊技状態となっているので、遊技状態制御手段312は、当選種別「打順ベル」に当選した場合に、いずれの小役(当選役「ベル」、「1枚役」)に対応する図柄の組み合わせも有効ラインA上に表示させないようにして、遊技状態をRT1遊技状態に移行する。また、遊技状態がRT1遊技状態となると、遊技状態制御手段312は、当選種別「移行リプレイ1」〜「移行リプレイ6」のいずれかに当選した場合、かつ、当選役「移行リプレイ2」に対応する図柄組み合わせが表示された場合に、遊技状態制御手段312は、補助演出を通じて遊技状態をRT2遊技状態に移行させ、演出状態制御手段314は、AT演出状態を開始する。
このように、ボーナス役を含む当選種別が決定されたときの遊技状態に拘わらず、ボーナス遊技状態の終了後、遊技状態を、ボーナス遊技状態からRT4遊技状態に移行し、かつ、チャンス演出状態において遊技状態を参照して、遊技状態がRT4遊技状態であれば、AT演出状態への移行を確定する構成により、チャンス演出状態中にボーナス役が入賞すると、ボーナス遊技状態終了後にAT演出状態に必ず移行するといったインパクトのある遊技性を遊技者に提供することが可能となる。
また、ここでは、当選役「CBB1」、「CBB2」のいずれかが含まれる当選種別「設定差無ボーナス」、および、当選種別「設定差有ボーナス」のいずれかが当選した場合においてもAT演出状態への移行が決定されるので、仮に、当選種別「設定差有ボーナス」の当選に基づいてAT演出状態への移行が決定されたとしても、遊技者は、当選種別「設定差無ボーナス」に当選したのでAT演出状態に移行したのかもしれないと考え、設定差有当選種別に基づいてAT演出状態へ移行したことに違和感を覚えないで済む。
なお、このようにチャンス演出状態中のボーナス役の入賞に基づいて、結果的に、AT演出状態への移行が必ず決定される場合、チャンス演出状態においてボーナス役が当選した時点でAT演出状態への移行が確定したことになる。そうすると、演出制御手段334は、チャンス演出状態中にボーナス役を含む当選種別が当選すると、そのボーナス役に基づくボーナス遊技状態の当選時からボーナス遊技状態が終了するまでに、AT演出状態への移行が決定されたことを報知すること(確定演出)が可能となる。例えば、演出制御手段334は、ボーナス役が入賞した時点で、ボーナス遊技状態が開始される旨の演出とともに、そのボーナス遊技状態後にAT演出状態に移行することを報知する。なお、AT演出状態への移行が決定されたことの報知は、そのボーナス役に基づくボーナス遊技状態の当選時からボーナス遊技状態が終了するまでに拘わらず、ボーナス遊技状態終了後のRT4遊技状態において実行してもよい。
かかる構成により、チャンス演出状態中にボーナス役が含まれる当選種別に当選したこと、すなわち、ボーナス遊技状態とともに、その後のAT演出状態への移行も決定されたことの遊技利益の高さを、インパクトのある演出で遊技者に報知することが可能となる。遊技者は、かかる演出を受けて歓喜することとなる。
ただし、上記のように、ボーナス遊技状態の終了後に、必ずRT4遊技状態に移行するといった遊技性を採用すると、図11(b)を用いて説明したボーナス遊技状態後にチャンス演出状態に移行する遊技性と相まって、意図せず、RT4遊技状態かつチャンス演出状態という状況が生じてしまう。仮に、このようなボーナス遊技状態の後に、必ず、チャンス演出状態かつRT4遊技状態となると、結局、いかなるボーナス遊技状態であっても必ずAT演出状態に移行することとなってしまい、設計者の意図する仕様と異なることとなる。
そこで、本実施形態では、RT4遊技状態およびチャンス演出状態の移行が決定し、RT4遊技状態と同時、または、その開始以降にチャンス演出状態が開始される場合、RT4遊技状態が終了するのを待って、チャンス演出状態を開始する。
例えば、図14(b)のように、チャンス演出状態ではない通常演出状態において、ボーナス役を含む当選種別に当選したとする。そうすると、その当選種別が当選種別「設定差無ボーナス」であるか、当選種別「設定差有ボーナス」であるかに拘わらず、ボーナス遊技状態が終了すると、遊技状態をRT4遊技状態に移行する。このとき、演出状態制御手段314は、演出状態を直ちにチャンス演出状態とはせず、チャンス演出状態の準備状態(チャンス準備状態)を経由させてチャンス演出状態に移行させる。かかるチャンス準備状態は、AT演出状態への移行に期待できるチャンス演出状態の前兆の位置付けであるため有利状態として扱われるものの、その遊技利益は、通常演出状態と同等であるとし、チャンス演出状態における、例えば、当選種別毎に対応付けられたAT演出状態へ移行する確率が通常演出状態より高い、AT演出状態への移行決定に遊技状態を参照するといった遊技利益を有さない仕様とする。
そして、演出状態制御手段314は、遊技状態制御手段312が遊技状態をRT4遊技状態以外の遊技状態に移行した後、チャンス演出状態を開始する。具体的に、ボーナス遊技状態の終了後は遊技状態がRT4遊技状態となっているので、遊技状態制御手段312は、当選種別「打順ベル」に当選した場合に、いずれの小役(当選役「ベル」、「1枚役」)に対応する図柄の組み合わせも有効ラインA上に表示させないようにして、遊技状態をRT1遊技状態に移行する。このとき、演出制御手段334は、チャンス演出状態を開始するまでのチャンス準備状態において、その前兆を意味する演出を実行する。そして、演出状態制御手段314は、RT4遊技状態が終了する(RT1遊技状態が開始する)と同時、または、その終了以降にチャンス演出状態を開始する。かかるチャンス演出状態において、AT演出状態への移行が決定していない場合、演出状態制御手段314は、有利状態を終了するとともに演出状態を通常演出状態に移行する。
なお、ボーナス遊技状態後のRT4遊技状態において、仮に、抽選によりチャンス演出状態が決定された場合であっても、演出制御手段334は、ボーナス遊技状態に基づくチャンス演出状態とは独立して、RT4遊技状態が終了した後にチャンス演出状態を開始することとなり、AT演出状態が確定するという恩恵は得られない。同様に、ボーナス遊技状態後のRT4遊技状態においてチャンス演出状態ではない状態で当選種別「BB」が決定されたとしても、チャンス演出状態へは移行することはないので、AT演出状態が確定するという恩恵は得られない。
このような、チャンス演出状態開始の待機処理は以下のようにして実現される。すなわち、チャンス演出状態が決定されると、チャンス演出状態へ移行するまでのチャンス準備状態の遊技数が決定され、そのチャンス準備状態の遊技数の計数が開始され、決定された遊技数が消化されると、チャンス演出状態へ移行する。ただし、RT4遊技状態、内部中遊技状態、または、ボーナス遊技状態の間はそのカウンタを更新せず(進めず)、RT4遊技状態、内部中遊技状態、および、ボーナス遊技状態のいずれもが終了してから初めてカウンタの更新を始める。したがって、ボーナス遊技状態後のRT4遊技状態において、仮に、抽選によりチャンス演出状態が決定された場合であっても、また、当選種別「BB」が決定された場合であっても、チャンス準備状態のカウンタが更新されないので、演出状態はチャンス演出状態に移行することはなく、すなわち、RT4遊技状態とチャンス演出状態とが同時に成り立つことはなく、AT演出状態が確定することはない。なお、チャンス演出状態中にボーナス役が含まれる当選種別に当選した場合、ボーナス遊技状態が終了すると、上記のチャンス準備状態を経由することなく、チャンス演出状態に直接移行する(戻る)。したがって、この場合には、RT4遊技状態とチャンス演出状態とが同時に成り立つこととなる。
なお、ここでは、特定遊技状態として、RT4遊技状態を挙げて説明しているが、ボーナス遊技状態の終了後に移行可能な遊技状態であれば、様々な遊技状態を設定することができる。なお、ボーナス遊技状態の終了後に特定遊技状態へ移行することは必要であるが、特定遊技状態へ移行可能な遊技状態はボーナス遊技状態のみならず、それ以外の遊技状態から特定遊技状態に移行しても構わない。ただし、当選種別「BB」の当選時にチャンス演出状態であることを条件にAT演出状態へ移行する仕様を実現するためには、ボーナス遊技状態の終了後でのみ特定遊技状態に移行できるようになっているのが望ましい。
また、ここでは、チャンス演出状態以外におけるボーナス遊技状態後に、RT4遊技状態が終了してからチャンス演出状態を開始する例を挙げて説明したが、ボーナス遊技状態に限らず、RT4遊技状態が実行される場合であり、かつ、そのRT4遊技状態が開始されるのと同時またはそれ以降にチャンス演出状態が開始される場合は、RT4遊技状態とチャンス演出状態が重ならないよう、RT4遊技状態が終了してからチャンス演出状態を開始する。
また、ここでは、特定演出状態として非有利状態から移行するチャンス演出状態を挙げて説明しているが、かかる場合に限らず、有利状態中のチャンス演出状態、AT演出状態等、様々な有利状態を適用することができる。また、特定の遊技利益としてAT演出状態への移行を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、例えば、AT演出状態への移行が既に確定していたり、既にAT演出状態であった場合、そのAT演出状態のセット数を追加するとしてもよい。
また、ここでは、当選した当選種別「BB」が、当選種別「設定差無ボーナス」であるか当選種別「設定差有ボーナス」であるかに拘わらず、ボーナス遊技状態が終了すると、遊技状態をRT4遊技状態に移行する例を挙げて説明した。これは、ボーナス遊技状態から一律にRT4遊技状態に移行することで、チャンス演出状態中にボーナス役を含む当選種別に当選した場合、一律にAT演出状態に移行させるためである。しかし、当選種別「BB」の種類に応じて移行するRT遊技状態を変えることができる場合、ボーナス遊技状態から一律にRT4遊技状態に移行しなくてもよい。すなわち、当選種別「設定差無ボーナス」についてはチャンス演出状態において遊技状態を参照することなくAT演出状態への移行を決定できるので、少なくとも当選種別「設定差有ボーナス」の当選に基づくボーナス遊技状態の後に、RT4遊技状態に移行できれば、チャンス演出状態中にボーナス役を含む当選種別に当選した場合、一律にAT演出状態に移行させる遊技性を実現することが可能となる。
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
(主制御基板200のメイン処理)
図15は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、まず、主制御基板200のメイン処理に沿って、初期化後の1遊技の概略を説明し、その後、各処理の詳細について説明する。また、ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。また、詳細な説明は省略するが、各処理が遂行される際、各処理において用いられるスイッチ(ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120a、120b、120c)は、処理の開始時に有効化され、処理の終了時に無効化される。
(ステップS100)
電源スイッチ144を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、リール110の回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各リール110が回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cの初期化(RAMクリア)は行われない。
(ステップS200)
続いて、遊技者によるベットスイッチ116の操作、または、メダル投入部114へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。また、コマンド送信手段316は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS300)
次に、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ118の操作待ち状態に移行する。ここで、当選種別抽選手段304は、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された当選種別抽選乱数から、スタートスイッチ118が操作された時点における1の当選種別抽選乱数を取得する。そして、当選種別抽選手段304は、図6、図7に示した当選種別抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選種別抽選テーブルを決定するとともに、取得した当選種別抽選乱数が、決定した当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選種別または不当選を抽選結果として決定する。
また、コマンド送信手段316は、スタートスイッチ118の操作に応じて抽選結果が決定された後、当選種別抽選の抽選結果(当選種別または不当選)や遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS400)
スタートスイッチ118が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ152を駆動して左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転を開始し、左リール110a、中リール110b、右リール110cの全てが定速回転となったところで、ステップS500に処理を移す。
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cを有効化し、遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を受け付けると、その操作に対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cのいずれか)を停止制御する。
また、コマンド送信手段316は、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップスイッチ120a、120b、120cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。
(ステップS600)
次に、判定手段308は、図3(b)に示した有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。また、コマンド送信手段316は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせや、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。
(ステップS700)
続いて、払出制御手段310は、ステップS600における判定結果に基づき、例えば、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ラインA上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、遊技状態制御手段312は、ボーナス遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態をボーナス遊技状態からRT4遊技状態に移行する。このように、払出制御手段310は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせに対応して種々の処理を遂行し、当該1遊技を終了する。また、コマンド送信手段316は、メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、生成された払出コマンドを副制御基板202に送信する。
ステップS200からステップS700までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS700までを繰り返すこととなる。
(抽選処理S300)
図16および図17は、上記ステップS300の抽選処理を示したフローチャートである。ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
(ステップS301)
まず、演出状態制御手段314は、現在の演出状態がチャンス演出状態であり、かつ、当選種別抽選により決定された当選種別がボーナス役を含む当選種別であるか否か判定する。その結果、チャンス演出状態であり、かつ、ボーナス役を含む当選種別であれば、ステップS302に処理を移し、チャンス演出状態ではない、または、ボーナス役を含む当選種別でなければ、ステップS303に処理を移す。
(ステップS302)
上記ステップS301においてチャンス演出状態であり、かつ、ボーナス役を含む当選種別であると判定されれば、演出状態制御手段314は、演出制御手段334に、ボーナス役に当選した旨に加え、AT演出状態への移行が決定した旨を報知させる。こうして、ボーナス遊技状態が開始可能であるとともに、その後のAT演出状態への移行も決定されていることの遊技利益の高さをインパクトのある演出で遊技者に報知することが可能となる。
(ステップS303)
続いて、演出状態制御手段314は、現在の演出状態がAT演出状態であるか否か判定する。その結果、AT演出状態であれば、ステップS304に処理を移し、AT演出状態でなければ、ステップS307に処理を移す。
(ステップS304)
上記ステップS303においてAT演出状態であると判定されれば、演出状態制御手段314は、補助演出を行う対象となる当選種別、例えば、選択当選種別の当選時において、演出制御手段334に補助演出を実行させる。
(ステップS305)
続いて、演出状態制御手段314は、AT演出状態の終了条件を満たしたか否か、例えば、AT演出状態における遊技数が1セットの継続遊技数(例えば、50遊技)に到達し、かつ、ストックされているセット数が0であるか否か判定する。その結果、AT演出状態への移行終了条件を満たしていれば、ステップS306に移行し、AT演出状態への移行終了条件を満たしていなければ、ステップS307に移行する。
(ステップS306)
上記ステップS305においてAT演出状態の終了条件を満たしていると判定されれば、演出状態制御手段314は、演出状態を通常演出状態に移行する。
(ステップS307)
続いて、演出状態制御手段314は、現在の演出状態が、チャンス演出状態の終了を待つチャンス演出終了待機状態であるか否か判定する。その結果、チャンス演出終了待機状態であれば、ステップS308に処理を移し、チャンス演出終了待機状態でなければ、ステップS315に処理を移す。
(ステップS308)
上記ステップS307においてチャンス演出終了待機状態であると判定されれば、演出状態制御手段314は、当選種別抽選により決定された当選種別が特定の当選種別であるか否か判定する。その結果、特定の当選種別であれば、ステップS309に処理を移し、特定の当選種別でなければ、ステップS310に処理を移す。
(ステップS309)
上記ステップS308において当選種別抽選により決定された当選種別が特定の当選種別であると判定されれば、演出状態制御手段314は、演出状態をAT演出状態に移行する。こうして、チャンス演出終了待機状態であっても、特定の当選種別に当選することでAT演出状態に移行することが可能となる。
(ステップS310)
上記ステップS308において当選種別抽選により決定された当選種別が特定の当選種別ではないと判定されれば、演出状態制御手段314は、当選種別抽選により決定された当選種別が当選種別「共通ベル」であるか否か判定する。その結果、当選種別「共通ベル」であれば、ステップS311に処理を移し、当選種別「共通ベル」でなければ、ステップS312に処理を移す。
(ステップS311)
上記ステップS310において当選種別抽選により決定された当選種別が当選種別「共通ベル」であると判定されれば、演出状態制御手段314は、演出制御手段334に、補助演出に類似した任意の操作態様を報知するフェイク演出を実行させる。こうして、操作態様を報知する演出が実行されても、遊技者は、チャンス演出終了待機状態が終了しないかもしれないと期待することができる。
(ステップS312)
上記ステップS310において当選種別抽選により決定された当選種別が当選種別「共通ベル」ではないと判定されれば、演出状態制御手段314は、当選種別抽選により決定された当選種別が選択当選種別であるか否か判定する。その結果、選択当選種別であれば、ステップS313に処理を移し、選択当選種別でなければ、ステップS315に処理を移す。
(ステップS313)
上記ステップS312において当選種別抽選により決定された当選種別が選択当選種別であると判定されれば、演出状態制御手段314は、演出制御手段334に、補助演出を1回実行させる。
(ステップS314)
続いて、演出状態制御手段314は、有利状態を終了するとともに演出状態を通常演出状態に移行する。こうして、補助演出の実行を契機にチャンス演出終了待機状態が終了する。
(ステップS315)
次に、演出状態制御手段314は、現在の演出状態がチャンス演出状態であるか否か判定する。その結果、チャンス演出状態であれば、ステップS316に処理を移し、チャンス演出状態でなければ、ステップS324に処理を移す。
(ステップS316)
上記ステップS315においてチャンス演出状態であると判定されれば、演出状態制御手段314は、現在の遊技状態がRT4遊技状態であるか否か判定する。その結果、RT4遊技状態であれば、ステップS317に処理を移し、RT4遊技状態でなければ、ステップS318に処理を移す。
(ステップS317)
上記ステップS316においてRT4遊技状態であると判定されれば、演出状態制御手段314は、演出状態をAT演出状態に移行する。こうして、チャンス演出状態中にボーナス役を含む当選種別が決定された場合にAT演出状態への移行を確定できる。
(ステップS318)
上記ステップS316においてRT4遊技状態ではないと判定されれば、演出状態制御手段314は、当選種別抽選により決定された当選種別に基づいて、AT演出状態への移行を抽選により決定する。
(ステップS319)
続いて、演出状態制御手段314は、ステップS318の抽選においてAT演出状態への移行が決定されたか否か判定する。その結果、AT演出状態への移行が決定されていれば、ステップS317に処理を移し、AT演出状態への移行が決定されていなければ、ステップS320に処理を移す。ここでは、最大払出枚数を獲得できる補助演出が少なくとも1回は実行されるAT演出状態への移行が決定されると、チャンス演出状態中に補助演出を行わなくて済むので、ボーナス遊技状態を経由しないチャンス演出状態での期待獲得枚数を低減することが可能となる。
(ステップS320)
次に、演出状態制御手段314は、チャンス演出状態として決定された遊技数に到達したか否か判定する。その結果、決定された遊技数に到達していれば、ステップS321に移行し、決定された遊技数に到達していなければ、ステップS324に移行する。
(ステップS321)
上記ステップS320において決定された遊技数に到達していると判定されれば、演出状態制御手段314は、当該チャンス演出状態がボーナス遊技状態、または、最大払出枚数を獲得できる補助演出を少なくとも1回実行したAT演出状態を経由したチャンス演出状態か否か判定する。その結果、ボーナス遊技状態またはAT演出状態を経由したチャンス演出状態であればステップS322に処理を移し、ボーナス遊技状態またはAT演出状態を経由したチャンス演出状態でなければ、ステップS323に処理を移す。
(ステップS322)
上記ステップS321においてボーナス遊技状態、または、最大払出枚数を獲得できる補助演出を少なくとも1回実行したAT演出状態を経由したチャンス演出状態であると判定されれば、演出状態制御手段314は、チャンス演出状態を終了し、演出状態を通常演出状態に移行する。ここでは、ボーナス遊技状態を経由してチャンス演出状態が実行された場合、チャンス演出状態中に補助演出を行わなくて済むので、チャンス演出状態での期待獲得枚数を低減することが可能となる。
(ステップS323)
上記ステップS321においてボーナス遊技状態、または、最大払出枚数を獲得できる補助演出を少なくとも1回実行したAT演出状態を経由したチャンス演出状態ではないと判定されれば、演出状態制御手段314は、チャンス演出状態を終了し、演出状態をチャンス演出終了待機状態に移行する。
(ステップS324)
続いて、演出状態制御手段314は、現在の演出状態がチャンス準備状態であるか否か、すなわち、チャンス演出状態への移行が決定されているが、チャンス演出状態へ移行するためのチャンス準備状態として決定された所定の遊技数が消化されていないか否か判定する。その結果、チャンス準備状態であれば、ステップS325に処理を移し、チャンス準備状態でなければ、当該抽選処理S300を終了する。
(ステップS325)
上記ステップS324において現在の演出状態がチャンス準備状態であると判定されれば、演出状態制御手段314は、現在の遊技状態がRT4遊技状態、内部中遊技状態、または、ボーナス遊技状態であるか否か判定する。その結果、RT4遊技状態、内部中遊技状態、または、ボーナス遊技状態であれば、ステップS326に処理を移し、RT4遊技状態、内部中遊技状態、または、ボーナス遊技状態のいずれでもなければ、ステップS327に処理を移す。
(ステップS326)
上記ステップS325においてRT4遊技状態、内部中遊技状態、または、ボーナス遊技状態であると判定されれば、演出状態制御手段314は、チャンス準備状態の遊技数を計数するカウンタの更新を停止し(開始しないもしくは中断し)、当該抽選処理S300を終了する。こうして、ボーナス遊技状態後のRT4遊技状態において、仮に、抽選によりチャンス演出状態が決定された場合であっても、当選種別「BB」が決定された場合、または、その内部中遊技状態やボーナス遊技状態に滞在している場合であっても、チャンス準備状態のカウンタが更新されないので、演出状態はチャンス演出状態ではなく通常演出状態であり、すなわち、RT4遊技状態中にチャンス演出状態に移行することはなく、AT演出状態が確定するといったことが生じ得ない。
(ステップS327)
上記ステップS325においてRT4遊技状態、内部中遊技状態、または、ボーナス遊技状態のいずれでもないと判定されれば、演出状態制御手段314は、チャンス準備状態の遊技数を計数するカウンタの値が、チャンス準備状態として決定された所定の遊技数に到達しているか否か判定する。その結果、所定の遊技数に到達していれば、ステップS329へ処理を移し、所定の遊技数に到達していなければ、ステップS328へ処理を移す。
(ステップS328)
上記ステップS327においてカウンタ値が所定の遊技数に到達していないと判定されれば、演出状態制御手段314は、チャンス演出状態の遊技数を計数するカウンタを更新し、当該抽選処理S300を終了する。
(ステップS329)
上記ステップS327においてカウンタ値が所定の遊技数に到達していると判定されれば、演出状態制御手段314は、演出状態をチャンス演出状態に移行し、当該抽選処理S300を終了する。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
また、上述した実施形態において、AT演出状態は、設定された継続遊技数に到達することで終了する旨、説明したが、かかる場合に限らず、補助演出を受け得るAT演出状態は、補助演出により正解操作態様を報知する遊技数であるナビ回数に到達したこと、設定された払出枚数に到達したこと、または設定された獲得枚数(払出枚数−投入枚数)に到達したこと等、補助演出を受け得る様々な遊技機会の消化により終了するとしてもよい。また、上述した実施形態においては、補助演出を受け得る各演出状態において、継続遊技数の上乗せ抽選が行われ、当選することで継続遊技数が延長される旨、説明したが、かかる場合に限らず、補助演出を受け得る様々な遊技機会の数を増減したり、変更したりする等、その演出状態の終了条件を変更する様々な抽選を行うことができる。
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。