以下、本発明の一形態に係るゲームシステムについて説明する。図1は、本発明の一形態に係るゲームシステムの全体構成の概要を示す図である。図1に示すように、ゲームシステム1は、センターサーバ2及びゲーム機GMを含んでいる。ゲーム機GMは、ネットワーク3を介してセンターサーバ2に接続される。一例として、ゲーム機GMは、業務用(商業用)のゲーム機として構成されてよい。業務用のゲーム機は、有料或いは無料で所定範囲のゲームをプレイさせるゲーム機である。一例として、ゲーム機GMは、有料で音楽ゲームを提供してよい。具体的には、ゲーム機GMは、例えば、所定の対価の消費と引き換えに、その対価に応じた範囲で音楽ゲームを提供してよい。ゲーム機GMは、店舗4等の商業施設に適当な台数ずつ設置されてよい。
センターサーバ2は、一台の物理的装置によって構成される例に限らない。例えば、複数の物理的装置としてのサーバ群によって一台の論理的なセンターサーバ2が構成されてもよい。また、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ2が構成されてもよい。さらに、ゲーム機GMがセンターサーバ2として機能してもよい。
また、センターサーバ2には、例えば、ネットワーク3を介して、ユーザ端末5が接続されてよい。ユーザ端末5は、センターサーバ2から配信されるソフトウェアを実行することにより、各種の機能を発揮するネットワーク端末装置の一種である。図1の例では、ユーザ端末5の一例として、携帯電話(スマートフォンを含む)が利用されている。また、ユーザ端末5として、例えば、その他にもパーソナルコンピュータ、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供される各種のネットワーク端末装置が利用されてよい。
ネットワーク3は、一例として、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するように構成されてよい。典型的には、WANとしてのインターネットと、LANとしてのイントラネットと、を組み合わせてネットワーク3が構成されてよい。図1の例では、センターサーバ2及びゲーム機GMはルータ3aを介して、ユーザ端末5はアクセスポイント3bを介して、それぞれネットワーク3に接続されている。
なお、ネットワーク3は、TCP/IPプロトコルを利用する形態に限定されない。ネットワーク3として、通信用の有線回線、或いは無線回線(赤外線通信、近距離無線通信等を含む)等を利用する各種の形態が利用されてよい。或いは、ユーザ端末5とゲーム機GM等との通信は、例えば、通信用の回線(有線及び無線を含む)を利用せずに、二次元コード等、各種情報を含むように所定の規格に準拠して生成されるコード(例えば、二次元コード)を利用して実現されてよい。したがって、ネットワーク(或いは通信回線)の用語は、このようなコードを利用する通信方法等、回線を利用せずに情報の送受信をする形態を含んでよい。
センターサーバ2は、ゲーム機GM又はそのユーザに対して各種のゲーム機用サービスを提供する。ゲーム機用サービスとして、例えば、ゲーム機GMからユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証するサービスが提供されてよい。また、認証したユーザのプレイデータをゲーム機GMから受け取って保存し、或いは保存するプレイデータをゲーム機GMに提供するサービスが提供されてもよい。さらに、ゲーム機用サービスには、ネットワーク3を介してゲーム機GMのプログラム或いはデータを配信し、更新するサービス、ネットワーク3を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングするマッチングサービス等が含まれていてもよい。
また、センターサーバ2は、ネットワーク3を介してユーザ端末5のユーザに各種のWebサービスを提供する。Webサービスには、例えば、ゲーム機GMが提供するゲームに関する各種の情報を提供するゲーム用情報サービスが含まれてよい。また、例えば、Webサービスには、各ユーザ端末5に各種データ或いはソフトウェアを配信(データ等のアップデートを含む)する配信サービスが含まれてもよい。さらに、Webサービスには、その他にもユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービス、各ユーザを識別するためのユーザIDを付与するサービス等のサービスが含まれてよい。
図2は、ゲーム機GMの外観の一例を示す図である。図2に示すように、例えば、ゲーム機GMは、筐体6を備えていてよい。また、筐体6には、例えば、収容部CA及びコントロールパネル部7が設けられていてよい。収容部CAは、ユーザを内部に収容するための空間を形成する部分である。そして、例えば、ユーザは、収容部CAにおいて、つまり筐体6の内部において音楽ゲームをプレイしてよい。
例えば、収容部CAは、囲い部CA1、ステージ部CA2、及び開口部CA3を含んでいてよい。ステージ部CA2は、ユーザがゲームをプレイするための部分である。このため、ステージ部CA2は、ユーザを乗せるための部分として使用されてよい。換言すれば、ステージ部CA2は、筐体6の内部においてユーザが行動可能な範囲として機能してよい。なお、ステージ部3は囲い部4の一部として機能してもよい。或いは、ステージ部3は省略されてもよい。この場合、例えば、各ゲーム機GMにおいて共通の背景(床面)が形成されるように、ステージ部4の代わりに共通のカーペットが使用されてもよい。さらに、例えば、各店舗4の床が共通する場合等、後述のSRゲーム空間に影響が生じない場合には、このようなカーペットも省略されてよい。つまり、筐体1は下方が床面等に開口していてもよい。
囲い部CA1は、ステージ部CA2を囲うように位置する部分である。例えば、囲い部CA1は、ステージ部CA2においてユーザがゲームをプレイする場合に正面に位置する正面壁CA1a、左右の側面にそれぞれ位置する二つの側面壁CA1b、及び上方において天井を形成する天井板CA1cを含んでいてよい。また、開口部CA3は、筐体6の内部と外部とを接続するために開口する部分である。開口部CA3には、例えば、柱部8が更に設けられていてよい。柱部8は、開口部CA3を左右に分断するように天井板CA1cからステージ部CA2まで延びる部分である。結果として、収容部CAには、柱部8を挟むように左右に位置する二つの開口部CA3が設けられてよい。
また、コントロールパネル部7は、各種の装置が設けられる部分である。例えば、このような各種の装置として、コントロールパネル部7には、コントロールパネルが設けられてよい。コントロールパネルは、ゲームに関する各種の操作を入力するための周知の入力装置である。さらに、コントロールパネル部7は、例えば、その他にも対価を徴収するための対価徴収装置、或いは音楽ゲームを提供するための制御ユニット等を各種の装置として収納するように構成されていてよい。同様に、コントロールパネル部7には、例えば、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置(例えば後述の棒状の操作部を有する入力装置)或いは各種の画像を表示する表示装置等の各種の接続機器が配置されていてもよい。また、コントロールパネル部7は、例えば、柱部8の内側に配置されてよい。つまり、柱部8の影(内部側)に位置するように収容部CAの内部に配置されてよい。
さらに、筐体6には、例えば、収容部CAの内部に位置検出装置9が設けられていてもよい。具体的には、例えば、収容部CAには、対角線上に位置するように天井板CA1cの二隅に二つの位置検出装置9が配置されていてもよい。そして、これらの位置検出装置9は、例えば、後述のように棒状(ユーザに把持して使用されるタイプ)の操作部を介してユーザの動作がプレイ行為として利用される場合に、収容部CA内におけるその棒状の操作部の位置を検出するために使用されてよい。なお、その他にも、ゲーム機GMには、電源スイッチ、電源ランプ或いはスピーカといった通常の業務用のゲーム機が備えている各種の入力装置及び出力装置が設けられ得るが、図1ではそれらの図示を省略している。
また、収容部CA(筐体6の内部)には椅子(不図示)が配置されてよい。つまり、筐体6は、ユーザが収容部CAにおいて椅子に座って音楽ゲームをプレイするように構成されていてよい。具体的には、例えば、椅子は、操作の便宜のために、ステージ部CA2上のコントロールパネル部7の付近に配置されてよい。また、この場合、コントロールパネル部7の操作や入力装置等の各種設定の第三者(ゲームをプレイするユーザ以外の者)による実行を許容するように、椅子とコントロールパネル部7との間には間隔があけられていてよい。つまり、椅子は、コントロールパネル部7との間に第三者が介在するための間隔をあけて配置されていてもよい。一方で、ユーザのプレイ行為を入力するための入力装置やゲームをプレイするためのゲーム空間を表示する表示装置等がコントロールパネル部7に配置される場合には、それらを椅子に座ったユーザが使用可能なように、椅子は入力装置や表示装置等が使用される位置に配置されてよい。つまり、椅子は、例えば、第三者の介在と入力装置等の使用との両方を許容する程度の間隔がコントロールパネル部7との間に形成されるように、ステージ部CA2に配置されてよい。
さらに、椅子は、ユーザの動作をプレイ行為として許容するように、囲い部CA1との間にも所定の間隔をあけて配置されてよい。例えば、所定の間隔として、少なくとも椅子に座った状態においてユーザによって実行される動作を許容するための間隔が採用されてよい。具体的には、例えば、椅子は、正面壁CA1aの方向を向くように配置されてよい。つまり、椅子は、ユーザが正面壁CA1aの方向を向いて座るように配置されてよい。そして、正面壁CA1aとの間にユーザの動作を許容するための間隔をあけるように配置されてよい。同様に、椅子は、左右の側面壁CA1bとの間にもユーザの動作を許容するための間隔をあけるように配置されていてよい。つまり、椅子は、ユーザがそこに座っている場合に左右の側方及び前方へのユーザの動作を許容するように、正面壁CA1a及び側面壁CA1bとの間に所定の間隔(前方の間隔と側方の間隔とは相違していてもよい)をあけて配置されてよい。換言すれば、囲い部CA1は、椅子の前方及び側方との間にユーザの動作を許容するための所定の間隔を形成するように設けられていてよい。なお、ユーザが椅子に座ってプレイする場合には、天井板CA1cとの間にも間隔が形成されるため、上方への動作も当然許容されてよい。
次に、音楽ゲームを提供するためのゲームシステム1の制御系の要部について説明する。図3は、ゲームシステム1の制御系の要部の構成を示す図である。図3に示すように、センターサーバ2は、制御ユニット10と、記憶ユニット11と、を備えている。制御ユニット10は、例えば、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されてよい。なお、制御ユニット10には、キーボード等の入力装置、モニタ等の出力装置等が接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
記憶ユニット11は、制御ユニット10に接続されている。記憶ユニット11は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、磁気テープ等の大容量記憶媒体により構成されていてよい。記憶ユニット11には、サーバ用データ14及びサーバ用プログラム15が記憶されている。サーバ用プログラム15は、センターサーバ2がゲーム機GM等に各種のサービスを提供するために必要なコンピュータプログラムである。制御ユニット10がサーバ用プログラム15を読み取って実行することにより、制御ユニット10の内部には、例えば、ゲーム機サービス管理部16及びWebサービス管理部17が設けられてよい。
ゲーム機サービス管理部16は、上述のゲーム機用サービスを提供するための処理を実行する。一方、Webサービス管理部17は、上述のWebサービスを提供するために必要な処理を実行する。ゲーム機サービス管理部16及びWebサービス管理部17は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせにより実現される論理的装置である。なお、制御ユニット10の内部には、その他にも各種の論理的装置が設けられ得る。しかし、それらの図示は省略した。
サーバ用データ14は、サーバ用プログラム15の実行に伴って参照されるデータである。例えば、サーバ用データ14は、各ユーザを識別するためのユーザID等の各種IDを管理するためのID管理データ、各ユーザの過去の実績や固有の設定等を管理するためのプレイデータ、或いは後述のシーケンスデータ等を含んでいてよい。しかし、それらの図示は省略した。
一方、ゲーム機GMには、コンピュータとしての制御ユニット20と、記憶ユニット21と、表示装置DPと、位置検出装置9と、入力装置22と、対価徴収装置23と、が設けられている。記憶ユニット21、表示装置DP、位置検出装置9、入力装置22、及び対価徴収装置23は、いずれも制御ユニット20に接続される。また、制御ユニット20、記憶ユニット21、及び対価徴収装置23は、例えば、コントロールパネル部7に収納されてよい。
制御ユニット20は、例えば、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置(一例としてROM及びRAM)等の各種周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されてよい。なお、制御ユニット20には、上述のスピーカ等のその他の公知のゲーム機と同様の各種の入力装置或いは出力装置が接続され得る。しかし、それらの図示は省略した。
表示装置DPは、制御ユニット20の出力信号に応じて各種の画像を表示する周知の表示装置である。例えば、表示装置DPは、音楽ゲームの進行に使用されるゲーム空間を表示してよい。また、表示装置DPは、例えば、このようなゲーム空間としてバーチャルリアリティ(以下、VRと呼ぶ場合がある)を演出するための各種画像を含むゲーム空間(以下、VRゲーム空間と呼ぶ場合がある)を表示してよい。さらに、例えば、表示装置DPは、このようなVRゲーム空間を表示するために、誘導部DP1及び表示面DP2を有していてよい。誘導部DP1は、ユーザの視線をゲーム空間に誘導するための部分である。例えば、誘導部DP1は、ユーザの視界を覆うことによりそのユーザの視線を表示面DP2に誘導するように形成されていてよい。表示面DP2は、ゲーム空間に対応するゲーム画面を表示するための部分である。例えば、表示面DP2には、上述のVRゲーム空間等の各種のゲーム空間に対応するゲーム画面が表示されてよい。また、表示面DP2は、例えば、誘導部DP1が形成された筐体部に、この誘導部DP1を介して視認されるように、収容されていてもよい。そして、表示装置DPは、そのような筐体部を介して誘導部DP1の先に露出する表示面DP2を覗き込むように使用されてよい。
具体的には、例えば、このような表示装置DPとして、ヘッドマウント型の表示装置(いわゆるヘッドマウントディスプレイ。以下、このような表示装置DPをHMDと呼ぶ場合がある)が採用されてよい。HMDは、上述のような筐体部と表示装置とが一つに組み合わされた周知の表示装置である。HMDは、ユーザの意識がゲーム空間に入りこめるように、一般的に例えば上述の誘導部DP1等を介してユーザの視界をゲーム空間の表示に制限するように構成されている。このようなHMDは、装着用のベルト等を介してユーザの頭部にハンドフリーに(手が自由に動かせるように)装着される場合が多い。さらに、HMDは、ユーザの頭部に装着された状態においてユーザの視野範囲に位置する現時点の現実空間の映像(画像)を表示するように構成されている場合もある。このような場合、例えば、HMDには、視野範囲に位置する現時点の現実空間を撮影するためのカメラ(撮影装置)が設けられていてよい。一例として、このようなHMDが表示装置DPとして使用されてよい。つまり、ヘッドマウント型の表示装置DPは、一例として、ユーザの頭部に装着された状態においてユーザの視野範囲に応じた現実空間の映像をゲーム空間の少なくとも一部として利用するように構成されていてよい。さらに、ヘッドマウント型の表示装置DPは、例えば、現実空間の映像に仮想的画像を付加することにより現実空間を拡張した拡張現実ゲーム空間或いはユーザが表示装置DPを使用している時点の現実空間(現時点の現実空間)とは別時点(別の場所である場合を含む)の現実空間の映像(現時点の現実空間の映像を代替する代替現実空間)を表示するように構成されていてもよい。
入力装置22は、ユーザのプレイ行為を入力するための周知の入力装置である。入力装置22は、このような入力のために、例えば、プレイ行為に応じた信号を制御ユニット10に出力してよい。また、入力装置22は、例えば、このようなプレイ行為として、ユーザの動作を入力可能に構成されていてよい。より具体的には、入力装置22は、例えば、ユーザによって操作される操作部22aを有していてよい。また、このような操作部22aは、例えば、棒状に構成されていてもよい。そして、このような棒状の操作部22aを通じて、プレイ行為として、スポーツのテニスで使用されるラケットのように操作部22aを各種の方向に振る動作が採用されてもよい。つまり、入力装置22は、操作部22aを介してテニスラケットを振る場合と同様の動作をプレイ行為として入力するように構成されていてよい。また、例えば、上述のようにユーザが椅子に座ってゲームをプレイする場合には、このようなテニスラケットを振るような動作として、主として椅子の前方、左右の側方、及び上方において実行される動作がプレイ行為として利用されてよい。
位置検出装置9は、対象の位置を検出するための周知の検出装置である。例えば、位置検出装置9は、対象の位置として操作部22aの位置を検出するように構成されていてよい。つまり、棒状の操作部22aがユーザによって各種の方向に振られた場合に、その操作部22aの位置(操作部22aの移動の軌跡)を検出するように構成されていてよい。具体的には、例えば、位置検出装置9は、上述のように天井板4cの二隅に配置される二つの位置検出装置9を含んでいてよい。そして、これらの二つの位置検出装置9は、例えば、制御ユニット10からの信号に基づいて(或いは自己制御のもと所定の周期で)操作部22aに向かって赤外線を射出するように構成されていてよい。また、操作部22aは、各位置検出装置9からの赤外線を受信するように構成されていてよい。そして、操作部22aは、例えば二つの位置検出装置9から射出される赤外線の受信時期の相違等に基づいて位置を算出することにより自己の位置を取得し、それを制御ユニット20に出力してよい(或いは受信結果を制御ユニット20に出力し、制御ユニット20が操作部22aの位置を算出してもよい)。
なお、位置検出装置9は、このような構成に限定されない。例えば、位置検出装置9として、カメラが利用されてもよい。或いは、操作部22a(或いは入力装置22)に自己の位置を算出可能なジャイロセンサ等が設けられている場合には、位置検出装置9は省略されてもよい。一方で、精度向上のために、赤外線及びジャイロセンサ等、これらの各種方法が兼用されてもよい。
対価徴収装置23は、所定の対価を徴収するための周知の装置である。例えば、このような対価徴収装置23として、カードリーダ或いはコイン徴収装置が利用されてよい。具体的には、例えば、所定の対価としてカードに記憶された対価が利用される場合には、その対価の残量を読み取って消費するカードリーダが対価徴収装置23として利用されてよい。同様に、所定の対価としてコインが利用される場合には、そのコインを徴収するコイン徴収装置が対価徴収装置23として利用されてよい。そして、対価徴収装置23は、徴収結果に応じた信号を制御ユニット20に出力してよい。
一方、記憶ユニット21は、各種のデータ等の情報を記憶する周知のユニットである。例えば、記憶ユニット21は、電源の供給がなくても記憶を保持可能なように、例えば、磁気記録媒体や光記録媒体、フラッシュSSD(Solid State Drive)などにより構成されてよい。記憶ユニット21には、ゲームプログラム24及びゲームデータ25が記憶される。ゲームプログラム24は、ゲーム機GMが音楽ゲームを提供するために必要なコンピュータプログラムである。ゲームプログラム24の実行に伴って、制御ユニット20の内部には、例えば、ゲーム提供部27が設けられてよい。ゲーム提供部27は、音楽ゲームを提供するために必要な各種処理を実行する。また、ゲーム提供部27は、コンピュータハードウェアとコンピュータプログラムとの組み合わせにより実現される論理的装置である。なお、制御ユニット20の内部には、その他にも各種の論理的装置が設けられ得る。しかし、それらの図示は省略した。
ゲームデータ25は、ゲームプログラム24の実行に伴って参照されるデータである。ゲームデータ25は、例えば、音楽ゲームの提供に必要な各種のデータを含んでいてよい。また、このようなデータには、例えば、シーケンスデータ26が含まれてよい。シーケンスデータ26は、適切なプレイ行為を実行すべき実行時期を案内するためのデータである。シーケンスデータ26の詳細は後述する。
また、ゲームデータ25は、例えば、その他にも表示装置DPに画像(ゲーム空間を含む)を表示させるための画像データ、スピーカに楽曲を再生させるための楽曲データ、或いは上述のID管理データ及びプレイデータを含んでいてもよい。また、例えば、このようなID管理データ及びプレイデータは、必要な部分が含まれるように、少なくとも一部がセンターサーバ2から提供されてよい。しかし、それらの図示は省略した。
次に、ゲーム機GMが提供する音楽ゲームについて説明する。ゲーム機GMは、一例として複合型の音楽ゲームを提供する。音楽ゲームは、適切なプレイ行為の実行時期を評価するタイプのタイミングゲームの一種である。音楽ゲームでは、このような実行時期として、楽曲のリズムと一致する時期が利用される。つまり、音楽ゲームは、音楽のリズムに対応する時期に適切なプレイ行為をユーザに要求するタイプのタイミングゲームである。例えば、音楽ゲームは、表示装置DPを通じて、そのような実行時期を案内してよい。また、例えば、表示装置DPは、このような実行時期を、現在時刻の基準として機能する基準標識及び各実行時期を指示するための指示標識を含むゲーム空間の表示を通じて案内してよい。また、例えば、このようなゲーム空間は、各指示標識と基準標識との位置が各実行時期において一致するように生じる相対的変位を通じて各実行時期を案内してよい。そして、音楽ゲームは、そのような実行時期において、ユーザにプレイ行為を要求してよい。また、例えば、このような要求は、実行時期に合わせて実際にプレイ行為が実行された場合に、その実際のプレイ行為を評価することにより実現されてもよい。
さらに、例えば、このようなゲーム空間は、所定の間隔をあけて配置される複数の基準部を含んでいてよい。この場合、実行時期は、例えば、それらの基準部の間を移動する指示標識を通じて案内されてよい。つまり、音楽ゲームは、それらの基準部の少なくとも一つが基準標識として機能するようにそれらの基準部の間を移動する指示標識をゲーム空間に提示することによりその指示標識の移動を通じて実行時期を案内してよい。具体的には、例えば、音楽ゲームが一人でプレイされる場合は一つの基準部が基準標識として機能してよいし、或いは二人でプレイされる場合には二つの基準部がそれぞれ基準標識として機能してもよい。そして、そのような基準部(基準標識)への指示標識の到達に合わせて実際にプレイ行為が実行された場合に、その実際のプレイ行為が評価されてよい。
複合型の音楽ゲームは、上述のような音楽ゲームと別の種類のゲームとが複合的に組み合わされたゲームである。具体的には、例えば、ゲーム機GMは、このような複合型の音楽ゲームとして、上述の音楽ゲームにテニスゲームの要素が組み合わされたテニス型の音楽ゲームを提供してよい。テニス型の音楽ゲームは、テニスのラケットを振る動作を実行すべき実行時期を音楽のリズムに合わせて案内するタイプのゲームである。例えば、このような実行時期は、上述の指示標識に対応するテニスボールが各実行時期に基準標識に到達するように移動するゲーム空間を通じて案内されてよい。また、ゲーム空間は、例えば、上述の複数の基準部として機能する複数の壁を更に含んでいてよい。そして、テニスボールは、少なくとも実行時期に基準標識に到達するように、それらの壁及び基準標識の間を移動してよい。さらに、そのようなテニスボールに対してラケットを振る動作が実行された場合には、その動作に応じてテニスボールの進行方向等を変化させてよい。つまり、テニスボールの基準標識の到達に合わせて、ラケットを振る動作が要求されてよい。
なお、テニス型の音楽ゲームでは、そのような動作の実際の実行時期は、テニスボールが基準標識に到達すべき実行時期、つまり本来の実行時期に基づいて評価(得点化)されてもよいし、評価されなくてもよい。例えば、実際の実行時期が評価(得点化)される場合には、そのような評価結果として効果音の再生(演奏の一部の再生を含む)が採用されてもよい。或いは、得点化されず、効果音の再生だけが実行されてもよい。
同様に、ラケットを振る動作に応じて進行方向等が変化したテニスボール(打ち返されたテニスボール)も評価(得点化)の対象とされてもよいし、されなくてもよい。具体的には、例えば、打ち返されたテニスボールは、いわゆるスポーツのテニスと同様に評価されてもよい。つまり、例えば、そのようなテニスボールは、所定の範囲内にダイレクトに打ち返され、対戦相手(コンピュータを含む)が返球できなかった場合に評価されてもよい。或いは、打ち返されたテニスボールは、対戦相手に衝突した場合にそのテニスボールの衝突速度や方向、位置等を基準にその対戦相手へのダメージの多寡として評価(数値化)されてもよい。つまり、テニス型の音楽ゲームは、テニスボールを通じて対戦相手とバトルするバトル型のゲームとして構成されてもよい。
図4を参照して、上述のようなゲーム空間の一例について更に説明する。図4は、このようなゲーム空間として表示装置DPの表示面DP2に表示されるVRゲーム画面の一例を模式的に示す模式図である。また、図4の例は、テニス型の音楽ゲームがバトル型のテニスゲームとして構成されている場合のVRゲーム画面の一例を示している。この場合、図4に示すように、VRゲーム画面30は、例えば、基準ライン画像31、ボール画像32、ラケット画像33、敵画像34、及び空間画像35を含んでいてよい。
空間画像35は、ゲーム空間の範囲を示すための画像である。例えば、空間画像35は、正面壁画像35a、左右の側壁画像35b、天井画像35c、及びステージ画像35dを含んでいてよい。正面壁画像35aは奥行き方向の限界範囲に対応する壁を、左右の側壁画像35bは左右方向の限界範囲に対応する壁を、天井画像35cは上方の限界範囲に対応する天井を、ステージ画像35dは下方の限界範囲に対応する床(例えばステージ部CA2や地面等に対応していてよい)を、それぞれ示す画像である。例えば、左右の側壁画像35b、天井画像35c、及びステージ画像35dは、奥行き方向の奥側に位置する正面壁画像35aから手前側に向かって延びるように表示されてよい。また、これらの幅は、仮想的3次元空間を演出するように、例えば、手前側に近づくに従って徐々に大きくなってよい。
基準ライン画像31は、所定の時期を示す基準として機能する画像である。例えば、基準ライン画像31は、ゲーム空間(立体感)を演出するために、矩形に形成されてよい。具体的には、基準ライン画像31は、左右の側壁画像35b、天井画像35c、及びステージ画像35dに沿うように位置する矩形に形成されてよい。つまり、基準ライン画像31は、ゲーム空間の左右方向及び上下方向の限界を示すように、外延に位置していてよい。また、基準ライン画像31は、例えば、所定の時期として音楽(楽曲)のリズムのうちの拍を示してもよい。そして、基準ライン画像31は、各拍を示す複数の基準ライン画像31を含んでいてよい。具体的には、例えば、基準ライン画像31は、手前側から奥側(奥行き方向)に向かって順に位置するように、第1基準ライン画像31A及び第2基準ライン画像31Bを含んでいてよい。また、奥行き方向は、奥側から手前側に向かうに従って時間経過を示す時間軸として機能してよい。そして、最も手前側の第1基準ライン画像31Aは、ラケットを振る動作をすべきベストタイミング(実行時期)に対応する基準ライン画像31として機能してよい。つまり、例えば、第1基準ライン画像31Aは、上述の基準標識として機能してよい。
ボール画像32は、上述のテニスボールとして機能する画像である。例えば、ボール画像32は、打ち返すべきテニスボールに対応する第1ボール画像32A、及び打ち返された後のテニスボールに対応する第2ボール画像32Bを含んでいてよい。つまり、適切なラケットを振る動作が実行された場合に、第1ボール画像32Aが第2ボール画像32Bに変化してよい。また、これらの第1ボール画像32A及び第2ボール画像32Bは、配色の相違を通じて区別されてよい。
ボール画像32は、各種の経路でゲーム空間内を移動してよい。例えば、このような経路には、ゲーム空間の外延、つまり正面壁画像35a、左右の側壁画像35b、天井画像35c、及びステージ画像35dといった空間画像35に衝突する経路が含まれていてよい。そして、ボール画像32は、そのような衝突に伴い、側壁画像35b等で跳ね返りつつ、ゲーム空間内を移動してよい。つまり、ボール画像32は、衝突を通じて移動方向を変えることにより、側壁画像35b等の空間画像35とユーザの位置(例えば第1基準ライン画像31Aが機能してもよい)との間を移動するようにゲーム空間(VRゲーム画面30)内に表示されてよい。この場合、正面壁画像35a、左右の側壁画像35b、天井画像35c、及びステージ画像35dといったボール画像32の跳ね返る部分、及びラケットを振る動作をすべきユーザの位置(例えば第1基準ライン画像31A)が本発明の複数の基準部として機能する。また、これらのうち第1基準ライン画像31Aが本発明の一つの基準部として、正面壁画像35aが本発明の次の基準部として、それぞれ機能する。
具体的には、例えば、第1ボール画像32Aは、奥側から出現し、手前側に向かって移動してよい。また、例えば、ラケットを振る動作に伴い、第1ボール画像32Aは、移動方向が相違する第2ボール画像32Bに変化してよい。例えば、第2ボール画像32Bの移動速度及び移動方向(経路)は、例えば、実際のテニスと同様に、ラケットを振る動作に応じて決定されてよい。第2ボール画像32Bの移動速度及び移動方向の決定については、更に後述する。
さらに、第2ボール画像32Bは、正面壁画像35a(或いは敵画像34でもよい)で跳ね返った場合には、再度第1ボール画像32Aに変化してもよい。つまり、第2ボール画像32Bは、正面壁画像35aで跳ね返ることにより再度第1ボール画像32A(第1基準ライン画像31Aへの到達によりプレイ行為を案内するボール画像32)に変化してもよい。結果として、テニス型の音楽ゲームは、テニスの壁打ち或いはスカッシュ等と同様に、一つの同じボール画像32を通じて何度もプレイ行為を要求するように構成されてよい。
一方、ラケット画像33は、ラケットを振る動作としてボール画像32(テニスボール)を打ち返すための画像である。例えば、ラケット画像33は、入力装置22の操作部22aに対する操作に応じて位置が変化してよい。具体的には、例えば、ラケット画像33の位置は、現実空間における操作部22aの位置の変化に応じて移動(動作)するように変化してよい。そして、ラケット画像33の位置と第1ボール画像32Aの位置とが一致した場合に、その第1ボール画像32Aを第2ボール画像32Bに変化させてよい。つまり、このような場合に、第1ボール画像32A(テニスボール)が打ち返されてよい。操作部22aの向き(例えば水平方向に対する角度等)についても同様である。つまり、操作部22aの向きはラケット画像33の向きとして反映されてよい。また、例えば、ラケット画像33として、テニスラケットを模した形状の画像が使用されてよい。
また、敵画像34は、音楽ゲームを通じて倒すべき敵を示す画像である。例えば、敵画像34は、新しいボール画像32の出現位置として機能してよい。つまり、敵画像34は、例えば各拍の時期に各基準ライン画像31に到達するように奥側から手前側に向かって第1ボール画像32Aを放出してよい。そして、敵画像34は、例えば、第2ボール画像32Bとの衝突に伴いダメージを受け、そのダメージが所定値以上になった場合に消滅してもよい。つまり、第2ボール画像32Bを利用して敵画像34に所定値以上のダメージを与えた場合に、敵画像34が倒され、音楽ゲームはクリアされてよい。
次に、ボール画像32がラケット画像33によって打ち返された場合の移動速度及び移動方向の決定、つまり第2ボール画像32Bの移動速度及び移動方向の決定について説明する。第2ボール画像32Bの移動速度及び移動方向は、上述の通り、実際のテニスと同様に決定されてよい。また、例えば、音楽ゲームは、このようなテニスと同様の動作として、複数種類の動作を許容してよい。つまり、音楽ゲームへのプレイ行為は、複数種類のプレイ行為としてそれぞれ機能する複数種類の動作を含んでいてよい。そして、それらの動作の種類に応じて、第2ボール画像32Bの移動速度及び移動方向が決定されてよい。さらに、第2ボール画像32Bの移動速度及び移動方向の決定には、そのような動作の実際の実行時期が考慮されてもよい。つまり、第2ボール画像32Bの移動速度及び移動方向は、例えば、ユーザによって実行された動作の種類及びそのような動作の実際の実行時期に応じて決定されてよい。
具体的には、例えば、動作の種類は、動作速度(操作部22aを振る動作の速度、つまり移動させる速度)、第1ボール画像32Aとラケット画像33との接触角度、及び第1ボール画像32Aとラケット画像33との接触位置(つまりラケット画像33の打ち返し位置)の少なくとも一つの相違に応じて異なっていてよい。つまり、ラケットを振る動作は、例えば動作速度、接触角度及び打ち返し位置に応じて複数種類に分類されてよい。そして、第2ボール画像32Bの移動速度及び移動方向は、例えば、それらの動作速度、接触角度及び打ち返し位置に加えて、それらに対応するラケットを振る動作の実際の実行時期(第1ボール画像32Aの打ち返しのタイミング)に基づいて決定されてよい。
図5及び図6は、ラケットを振る動作に応じて変化する第2ボール画像32Bの移動速度及び移動方向を説明するための説明図である。より具体的には、図5は、ラケットを振る動作の速度に応じて変化する第2ボール画像32Bの移動速度及び移動方向を説明するための説明図である。また、図5の例は、操作部22aの操作速度(動作速度)は相違するものの、操作の時期(打ち返しのタイミング)、接触角度及びラケット画像33の打ち返し位置が同じ場合を示している。この場合、図5に示すように、例えば、第2ボール画像32Bは、ラケットを振る動作の速度に応じて複数の移動速度Vで正面壁画像35aに向かって移動してよい。
具体的には、このような移動速度Vは、例えば、第1移動速度V1、第2移動速度V2、及び第3移動速度V3を含んでいてよい。例えば、第1移動速度V1は操作部22aが大きく振られた場合(例えば第1破線41で示されるラケット画像33の軌跡に対応する動作が実行された場合)の移動速度Vに、第2移動速度V2は操作部22aが少し振られた場合(例えば第2破線42で示されるラケット画像33の軌跡に対応する動作が実行された場合)の移動速度Vに、第3移動速度V3は操作部22a(ラケット画像33)の位置だけが調整された場合(例えば操作部22aが後方から前方に振られるのではなく、左右方向に移動される操作だけが実行された場合)の移動速度Vに、それぞれ対応してよい。そして、例えば、スポーツのテニスと同様に、操作部22aを振りかぶる動作が大きいほど、移動速度Vは大きくなってよい。つまり、第1移動速度V1、第2移動速度V2、及び第3移動速度V3は、ラケットの動作速度が速いほど速くなるように、操作部22aの操作速度が速い動作に順に対応してよい。そして、第2ボール画像32Bは、ラケットの動作速度が速い場合には速く、遅い場合は遅くなるように、これらのいずれかの移動速度Vで正面壁画像35aに向かって移動してよい。
同様に、例えば、第2ボール画像32Bは、移動速度Vに応じて複数の移動経路Wを通じて移動してよい。例えば、このような移動経路Wは、第1移動経路W1、第2移動経路W2、及び第3移動経路W3を含んでいてよい。第1移動経路W1及び第2移動経路W2は、いずれも第2ボール画像32Bがダイレクトに(ステージ画像35d等の空間画像35に当たらずに)正面壁画像35a(敵画像34でもよい)まで移動する場合の移動経路Wである。例えば、第1移動経路W1として横から見た場合に上方にやや湾曲しつつ正面壁画像35aまで届く経路Wが、第2移動経路W2として直線的に(例えばほぼ水平に)正面壁画像35aまで届く経路Wが、それぞれ採用されてよい。つまり、第1移動経路W1は、第2移動経路W2よりも移動距離が長く形成されていてよい。一方、第3移動経路W3は、ステージ画像35dで数回バウンド(衝突)しつつ正面壁画像35aまで延びる経路Wである。そして、第2ボール画像32Bは、移動速度Vに応じて、これらの3つの移動経路W1〜W3のいずれかを移動してよい。
具体的には、例えば、第2ボール画像32Bが正面壁画像35aに到達すべき到達時期は、予め指定されていてもよい。例えば、一つの同じボール画像32を通じて何度もプレイ行為が要求される場合、つまり第2ボール画像32Bが正面壁画像35aへの衝突を通じて再度第1ボール画像32Aに変化する場合、その第2ボール画像32Bを再度第1ボール画像32A(プレイ行為の実行時期を案内するボール画像32)として機能させるために、第2ボール画像32Bの正面壁画像35aへの到達時期が予め指定されていてもよい。そして、このような場合、その到達時期に正面壁画像35aに到達するように、移動速度Vに基づいて第2ボール画像32Bの移動経路Wが決定されてよい。つまり、第2ボール画像32Bが到達時期に正面壁画像35aに到達するように、移動速度Vが速くなるに従って距離の長い移動経路Wが使用されてよい。
図5の例では、第2ボール画像32Bが第1移動速度V1で移動する場合には第1移動経路W1が、第2移動速度V2で移動する場合には第1移動経路W1よりも距離の短い第2移動経路W2が、それぞれ移動経路Wとして利用されている。つまり、第2ボール画像32Bが固定的な到達時期に正面壁画像35aに到達するように、ラケットの動作速度が速いほど長い距離の移動経路Wを速い移動速度Vで移動している。
一方で、図5の例では、第2ボール画像32Bが第3移動速度V3で移動する場合には第3移動経路W3が使用されている。第3移動経路W3は、第1移動経路W1よりも距離が長くなる可能性がある。つまり、移動速度Vが遅い場合でも、例えば最も早い移動速度Vのそれよりも距離の長い移動経路Wを第2ボール画像32Bは例外的に移動してよい。例えば、このような例外的な移動経路Wは、ゲームのプレイ状況が除外条件を満たす場合に使用されてよい。また、例えば、このようなプレイ状況として第2ボール画像32Bの移動速度Vが利用されてよい。具体的には、例えば、第2ボール画像32Bの移動速度Vが除外条件を満たす場合に、このような特別(例外的)な移動経路Wが使用されてよい。また、このような除外条件として、例えば、第2ボール画像32Bの移動速度Vが所定値(例えば予め設定されていてよい)未満の場合に満たされる条件が採用されてよい。つまり、第2ボール画像32Bの移動速度Vが所定値よりも小さい場合には、実際のテニスにおいて生じ得るボールが相手やネットまで届かない状況を再現するように、第2ボール画像32Bはダイレクトで正面壁画像35aまで届かない特別な移動経路W(例えば第3移動経路W3)を例外的に移動してもよい。
また、例えば、第2ボール画像32Bが例外的な移動経路W(例えば第3移動経路W3)を移動する場合、第2ボール画像32Bが正面壁画像35aに到達すべき時期は予め指定された到達時期に縛られなくてもよい。つまり、到達時期が予め指定されている場合でも、その到達時期に到達しない移動速度V及び移動経路Wを第2ボール画像32Bは例外的に有していてよい。より具体的には、例えば、第2ボール画像32Bが第3移動経路W3で移動する場合、第2ボール画像32Bは正面壁画像35aに到達時期に到達しなくてもよい。換言すれば、この場合、第2ボール画像32Bは予め指定された到達時期とは別の到達時期に正面壁画像35aに到達してよい。また、例えば、このような別の到達時期として第3移動速度V3で第3移動経路W3を移動した場合の到達時期、つまり指定の到達時期に対応するように距離等が調整されない場合の到達時期が採用されてよい。さらに、この場合、例えば、正面壁画像35aへの到達に伴い第2ボール画像32Bが変化すべき第1ボール画像32Aは、その第2ボール画像32Bの到達とは無関係に(例えば敵画像34の放出等を通じて)新しく出現してよい。そして、この場合、例えば、第2ボール画像32Bは、正面壁画像35aへの到達に伴い、第1ボール画像32Aに変更せず、VRゲーム画面30から消滅してよい。
なお、第2ボール画像32Bの移動速度V及び移動経路Wは、上述の通り打ち返しの位置や接触角度に応じて変化してもよい。つまり、打ち返し位置や接触角度が移動速度V及び移動経路Wの少なくともいずれか一方に反映されてもよい。打ち返し位置の反映は、例えば、スポーツのテニスと同様に、ラケット画像33を複数の打ち返し範囲に分類することにより実現されてよい。具体的には、例えば、ラケット画像33が中心範囲とその周辺の周辺範囲を打ち返し範囲として含む場合には、ボール画像32が中心範囲に当たったときに移動速度Vが上昇し、周辺範囲に当たったときに移動速度Vが減少するように、実行されてもよい。同様に、例えば、第2ボール画像32Bは中心範囲に当たった場合には上述の第1移動経路W1〜第6移動経路W6を通じて移動する一方で、周辺範囲に当たった場合にはそれらの第1移動経路W1等から更に左右にずれた別の移動経路W(例えばいずれの移動経路Wも側壁画像35b等を経由することにより第1移動経路W1等より長くてよい)を通じて移動してもよい。また、接触角度の反映は、例えば、接触角度に応じた移動方向(例えば接触角度がそのまま利用されてもよいし、方向用の反発係数等が掛け算されてもよい)を決定することにより実行されてよい。同様に、例えば、速度用の反発係数等との掛け算を通じて、接触角度は移動速度Vに反映されてもよい。
一方、図6は、打ち返しのタイミングに応じて変化する第2ボール画像32Bの移動速度V及び移動経路Wを説明するための説明図である。また、図6の例は、図5の例と同様の動作速度及び打ち返しの位置であるものの、打ち返しのタイミングが図5の例よりも少し早い場合を示している。例えば、図6に示すように、たとえラケットを振る動作の動作速度等が図5の例と同じであっても打ち返しのタイミングが相違する場合には、図5の例とは異なる移動速度Vで更に別の移動経路Wを通じて第2ボール画像32Bは正面壁画像35aに向かって移動してよい。
具体的には、例えば、第2ボール画像32Bの移動速度Vは、更に第4移動速度V4、第5移動速度V5、及び第6移動速度V6を含んでいてよい。また、例えば、第4移動速度V4は第1移動速度V1よりも、第5移動速度V5は第2移動速度V2よりも、第6移動速度V6は第3移動速度V3よりも、それぞれ少し早い速度に設定されていてよい。そして、例えば、第4移動速度V4〜第6移動速度V6は、第1移動速度V1〜第3移動速度V3の代わりに使用されてよい。つまり、第4移動速度V4〜第6移動速度V6は、ラケットを振る動作の動作速度等が図5の例と同じでありながら打ち返しのタイミングが少し早い場合に、第1移動速度V1〜第3移動速度V3の代わりに順に使用されてよい。そして、第2ボール画像32Bは、ラケットを振る動作の長期化が移動速度Vの増加として反映されるように、正面壁画像35aまで速い速度で移動してよい。
同様に、例えば、第2ボール画像32Bの移動経路Wは、更に第4移動経路W4、第5移動経路W5、及び第6移動経路W6を含んでいてよい。そして、例えば、第4移動経路W4〜第6移動経路W6は、第1移動経路W1〜第3移動経路W3の代わりに順に使用されてよい。つまり、第4移動経路W4〜第6移動経路W6は、ラケットを振る動作の動作速度等が図5の例と同じでありながら打ち返しのタイミングが少し早い場合に、第1移動経路W1〜第3移動経路W3の代わりに順に使用されてよい。そして、第4移動経路W4〜第6移動経路W6は、第4移動速度V4〜第6移動速度V6で第2ボール画像32Bが移動する場合の移動経路Wとして使用されてよい。
具体的には、第5移動経路W5は、例えば、斜め下方にやや傾斜しつつ直線状に正面壁画像35aまでダイレクトに延びていてよい。この場合、第5移動経路W5の距離は、やや下方に傾斜している分、第2移動経路W2よりも長い。また、第4移動経路W4は、例えば、第4移動経路W4よりも更に下方に傾斜することによりステージ画像35dに衝突しつつ正面壁画像35aまで延びていてよい。つまり、第4移動経路W4は、ステージ画像35dで一度跳ね返りつつ正面壁画像35aまで延びていてよい。結果として、第4移動経路W4の距離は、やはり第1移動経路W1よりも長くなってよい。一方、第6移動経路W6は、例えば、第3移動経路W3よりも少し手前においてステージ画像35dに衝突し、そこで数回バウンド(衝突)しつつ正面壁画像35aまで移動してよい。また、第6移動経路W6のバウンド回数は適宜でよい。例えば、第3移動経路W3より多くてもよいし、同じでもよい。そして、第6移動経路W6の距離は、第3移動経路W3よりも更に長くなっていてよい。このため、図5の例と同様の動作速度及び打ち返しの位置が同じであっても打ち返しのタイミングが図5の例よりも少し早い場合には、第2ボール画像32Bは第1移動速度V1〜第3移動速度V3よりも早い第4移動速度V4〜第6移動速度V6で移動してよい。
なお、例えば、第6移動速度V6は、第3移動経路W3と同様の例外的な移動経路Wである第6移動経路W6で使用されるため、第3移動速度V3よりも遅くなっていてもよい。つまり、第6移動速度V6の場合、第2ボール画像32Bは指定の到達時期に縛られないため、第3移動経路W3の場合よりも更に遅い時期に正面壁画像35aに到達してもよい。また、打ち返しのタイミングの相違は、移動速度Vに反映されなくてもよい。つまり、例えば、図6の例において第2ボール画像32Bが第4移動経路W4〜第6移動経路W6を移動する場合の移動速度Vは、図5の例の場合と同様に第1移動速度V1〜第3移動速度V3であってもよい。一方、打ち返しのタイミングが相違する場合は接触角度も相違する場合が多く、図6の例の場合も図5の例と比較して接触角度が変化している。このため、移動方向(経路)の変化は、打ち返しのタイミングの相違ではなく接触角度の相違として反映されてもよい。この場合、打ち返しのタイミングは、例えば、主として移動速度Vの変化として反映されてもよい。
次に、シーケンスデータ26の詳細について説明する。シーケンスデータ26は、上述の通り、音楽ゲームにおいて適切なプレイ行為を実行すべき実行時期をユーザに案内するためのデータである。さらに、シーケンスデータ26は、第2ボール画像32Bの正面壁画像35aへの到達時期が指定される場合には、このような到達時期の情報を含んでいてもよい。図7は、シーケンスデータ26の内容の一例を説明するための説明図である。図7に示すように、シーケンスデータ26は、例えば、“到達時期”、及び“到達位置”の情報を含んでいてよい。
“到達時期”は、ボール画像32が正面壁画像35aや第1基準ライン画像31A等に到達すべき到達時期を指定する情報である。例えば、“到達時期”の情報として、小節や拍といった楽曲中の時期を指定する情報が利用されてよい。“到達位置”は、“到達時期”においてボール画像32が到達すべき位置を指定する情報である。例えば、“到達位置”の情報として、正面壁画像35aや第1基準ライン画像31Aを指定する情報が使用されてよい。そして、例えば、“到達位置”によって第1基準ライン画像31A(基準標識)が指定されている場合の“到達時期”(例えば複数のユーザがプレイする場合等において複数の基準標識が存在するときはそれらの基準標識に対応する“到達時期”)が実行時期として機能してよい。同様に、“到達位置”の情報は、ボール画像32の配色の決定に使用されてもよい。一例として、シーケンスデータ26は、これらの情報が互いに関連付けられるように記述されたレコードの集合として構成されてよい。また、この場合、シーケンスデータ26が“到達時期”の情報を含むことにより本発明の時期データとして機能する。
次に、経路決定処理及び評価処理について説明する。経路決定処理は、プレイ行為の種類に応じて第2ボール画像32Bの移動速度V及び移動経路Wを決定するための処理である。評価処理は、ユーザのプレイ行為を評価するための処理である。より具体的には、例えば、評価処理は、音楽ゲームがバトル型のテニスゲームとして構成されている場合のユーザのプレイ行為を評価するための処理として機能してよい。経路決定処理は図8のルーチンを通じて、評価処理は図9のルーチンを通じて、いずれもゲーム機GMの制御ユニット20によって実現されてよい。より具体的には、図8及び図9のルーチンは、いずれも制御ユニット20のゲーム提供部27を通じて実行されてよい。なお、ゲーム機GMの制御ユニット20及びセンターサーバ2の制御ユニット10は、この処理の他にも各種の周知な処理等を、それぞれ単独で或いは互いに協働して実行する。しかし、それらの詳細な説明は省略する。
図8は、経路決定処理を実現するための経路決定処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図8のルーチンは、例えば、ラケット画像33を通じてボール画像32が打ち返された場合、つまり第1ボール画像32Aが第2ボール画像32Bに変化した場合に実行されてよい。
図8のルーチンが開始されると、ゲーム提供部27は、まずステップS11においてプレイ行為の結果を取得する。具体的には、例えば、ゲーム提供部27は、プレイ行為の種類を特定するために、プレイ行為の結果としてラケット(操作部22a)を振る動作の動作速度、接触角度及びその打ち返し位置の情報を取得してよい。さらに、ゲーム提供部27は、プレイ行為の結果として、ラケット画像33を通じて第1ボール画像32Aを打ち返すタイミング、つまりプレイ行為の実際の実行時期の情報を取得してもよい。
続くステップS12において、ゲーム提供部27は、第2ボール画像32Bの移動速度Vを算出する。例えば、ゲーム提供部27は、上述の通り、操作部22aの振る動作の動作速度に基づいて第2ボール画像32Bの移動速度Vを算出してよい。この場合、例えば、ゲーム提供部27は、反発係数等の各種の係数を算出に使用してよい。或いは、ゲーム提供部27は、このような各種の係数に基づいて複数の移動速度Vの候補から適切な移動速度Vを決定することにより算出してもよい。さらに、ゲーム提供部27は、この算出において、上述の通り、打ち返すタイミング、接触角度及び打ち返し位置を考慮してもよい。
次のステップS13において、ゲーム提供部27は、移動経路Wを決定する。例えば、ゲーム提供部27は、複数の移動経路Wの候補からステップS12で算出した移動速度Vに対応する適切な移動経路Wを選択することにより移動経路Wを決定してもよい。或いは、ゲーム提供部27は、例えば、ステップS11で取得した打ち返すタイミング、接触角度、打ち返しの位置、及びステップS12で算出した移動速度Vに基づいて、随時適切な移動経路Wを算出(設定)してもよい。この場合、例えば、ゲーム提供部27は、打ち返すタイミングや打ち返しの位置等により、まず直線的に正面壁画像35aに向かう第2移動経路W2或いは第5移動経路W5を設定してよい。続いて、ゲーム提供部27は、例えば、ステップS12で算出した移動速度Vを基準にした場合に、第2移動経路W2或いは第5移動経路W5が適切でないとき、つまりそれらの移動経路W2、W5では適切な到達時期に到達しないとき、適切な到達時期に到達する距離に該当するように、それらを湾曲させる或いはより下方に傾斜させるといった具合に変化させることにより第1移動経路W1或いは第4移動経路W4を設定してよい。
ゲーム提供部27は、第3移動経路W3及び第6移動経路W6を同様に随時設定してもよい。具体的には、ゲーム提供部27は、まずステップS12で算出した移動速度Vが除外条件を満たすか否か、つまり所定値未満か否か判別してよい。次に、その結果が否定的結果の場合、つまり所定値以上の場合、ゲーム提供部27は上述の通り第2移動経路W2を設定のうえ、移動速度Vに基づいて微調整を実行してよい。一方、その結果が肯定的結果の場合、つまり所定値未満の場合に、ゲーム提供部27は、例えば打ち返すタイミングや接触位置(接触範囲)を更に考慮し、所定の角度以上に傾斜する第3移動経路W3或いは第6移動経路W6を設定してよい。そして、ゲーム提供部27は、第3移動経路W3等が設定される場合には、第2ボール画像32Bの到達時期を更に例外として設定してよい。つまり、ステップS12で算出した移動速度Vで第3移動経路W3等によってより自然に正面壁画像35aに到達するように、シーケンスデータ26による到達時期の指定からその第2ボール画像32Bを除外してよい。
なお、ゲーム提供部27は、移動速度Vが更に延長条件を満たす場合には、例えばバウンド回数を増やす等により第3移動経路W3や第6移動経路W6を設定してもよい。また、ゲーム提供部27は、第2ボール画像32Bの到達時期を例外に設定する場合、その第2ボール画像32Bが正面壁画像35aに到達したときに変化予定であった第1ボール画像32Aを本来の到達時期(シーケンスデータ26で指定の到達時期)に正面壁画像35a等から新しく出現させるための処理を別途実行してよい。ラケット画像33によって適切に打ち返されず、VRゲーム画面30から消えた場合も同様である。また、例えば、ユーザの空振り等により第1ボール画像32Aが打ち返されずに消えたときには、その第1ボール画像32Aが打ち返された場合の第2ボール画像32Bに対応すべきシーケンスデータ26の到達時期をスキップする処理をゲーム提供部27は実行してもよい。
ゲーム提供部27は、例えば、上述のようにステップS13において移動経路Wを決定してよい。そして、ゲーム提供部27は、ステップS13の処理を終えると、今回のルーチンを終了する。これにより、プレイ行為に応じて移動速度V及び移動経路Wが変化するように、第2ボール画像32Bの表示が制御される。より具体的には、例えば、操作部22aに対する操作速度(動作速度)やラケット画像33の接触位置等が相違するプレイ行為の種類及びそのプレイ行為の実際の実行時期に基づいて移動速度V及び移動経路Wが変化するように、第2ボール画像32Bの表示が制御される。
また、図9は、評価処理を実現するための評価処理ルーチンのフローチャートの一例を示す図である。図9のルーチンは、例えば、正面壁画像35a側に対応するシーケンスデータ26の到達時期が到来する毎に実行されてよい。図9のルーチンが開始されると、ゲーム提供部27は、まずステップS21において第2ボール画像32Bが敵キャラクタと衝突したか否か判別する。具体的には、例えば、ゲーム提供部27は、第2ボール画像32Bの位置と敵画像34の位置とが一致した場合に衝突したと、一致しなかった場合に衝突していないと判別してよい。そして、この判別結果が否定的結果の場合、つまり第2ボール画像32Bが敵キャラクタと衝突していない場合、ゲーム提供部27は以降の処理をスキップし、今回のルーチンを終了する。
一方、ステップS22の判別結果が肯定的結果の場合、つまり第2ボール画像32Bが敵キャラクタと衝突している場合、ゲーム提供部27はステップS22に進む。ゲーム提供部27は、ステップS22において、第2ボール画像32Bと敵キャラクタとの間の衝突速度を取得する。具体的には、ゲーム提供部27は、例えば、敵画像34の位置と一致した際の第2ボール画像32Bの移動速度Vを衝突速度として取得してよい。また、このような移動速度Vは、例えば、図8のステップS12の処理結果から取得されてもよいし、それと同様な処理によって取得されてもよい。
続くステップS23において、ゲーム提供部27は、敵キャラクタに与えるべきダメージの量(例えば敵キャラクタにヒットポイントとして設定されている数値を減少させるべき量)を算出する。このダメージの量は、例えば、ステップS22で算出された衝突速度が速くなるほどに値が大きくなるように、予め設定されていてよい。また、この量には、第2ボール画像32Bを実際に打ち返した時期(プレイ行為の実際の実行時期)と本来の実行時期(シーケンスデータ26の到達時期)との間の一致度(例えば一致するほど高くなるように)が反映されてもよい。さらに、敵キャラクタ(敵画像34)には弱点が設けられていてもよい。そして、そのような弱点に第2ボール画像32Bが衝突した場合には、通常よりも大きなダメージが付与されてよい。例えば、このような弱点は、敵画像34の背後に設定されてもよい。そして、例えば、このような弱点に第2ボール画像32Bを衝突させるための移動経路Wとして、左右の側壁画像35b等の空間画像35の左右及び上下各所(正面壁画像35aを含んでよい)で跳ね返るような間接的な移動経路Wが利用されてよい。このような間接的な移動経路Wは距離が長くなるため、正面壁画像35aへの到達時期が指定されている場合には、第2ボール画像32Bの移動速度Vを上げるような動作をユーザに要求することができる。また、例えば敵画像34が向きを変える場合には、そのような向きの変化のタイミングに合わせたプレイ行為をユーザに要求することができる。これらにより、移動経路Wの選択に関する戦略性や追加的なタイミング調整の要素をゲームに付加することができるので、ゲームの興趣性を向上させることができる。
次のステップS24において、ゲーム提供部27は、ステップS23で算出したダメージの量を実際に敵キャラクタに付与する。具体的には、ゲーム提供部27は、ステップS23で算出したダメージの量を、例えば、敵キャラクタが有するヒットポイントから減少させることにより敵キャラクタに付与してよい。
続くステップS25において、ゲーム提供部27は、ステップS24のダメージ付与の結果、敵キャラクタに所定量以上のダメージを与えたか否か判別する。具体的には、例えば、ゲーム提供部27は、ステップS24のダメージ付与の結果、敵キャラクタのヒットポイントの残量がゼロに該当するか否か判別してよい。また、例えば、ゲーム提供部27は、ゼロに該当する場合に所定量以上のダメージを与えたと、ゼロに該当しない場合に所定量以上のダメージを与えていないと、それぞれ判別してよい。そして、この判別結果が否定的結果の場合、つまり所定量以上のダメージを与えていない場合、ゲーム提供部27は以降の処理をスキップして今回のルーチンを終了する。
一方、ステップS25の判別結果が肯定的結果の場合、つまり所定量以上のダメージを与えている場合、ゲーム提供部27はステップS26に進む。ゲーム提供部27は、ステップS26において、敵キャラクタの攻略(敵キャラクタへの勝利)を示すように、ゲームクリアを案内する。具体的には、例えば、ゲーム提供部27は、敵キャラクタ討伐や音楽ゲームクリア(或いはミッションクリア)等を示す情報をVRゲーム画面30に追加的に表示することにより、このような案内を実現してよい。そして、ステップS26の処理を終えると、ゲーム提供部27は今回のルーチンを終了する。これにより、テニス型の音楽ゲームにおいてバトルが実現される。換言すれば、打ち返されたボール画像32の衝突速度に応じて敵キャラクタ(対戦相手)にダメージを与えるバトル型のテニスゲームとして音楽ゲームが提供される。
以上に説明したように、この形態によれば、プレイ行為の結果に応じて指示標識の移動速度が算出され、その移動速度を基準に移動経路が決定される。具体的には、例えば、ユーザの動作速度、接触角度及びラケット画像33の接触位置といったプレイ行為の種類、並びにそのプレイ行為の実際の実行時期(ラケット画像33を通じてボール画像32を打ち返すタイミング)に基づいてまず優先的に第2ボール画像32Bの移動速度Vが決定され、その移動速度Vを前提に移動経路Wが決定される。これにより、ユーザのプレイ行為を優先的に第2ボール画像32Bの移動速度Vに反映することができる。そして、そのような第2ボール画像32Bの移動速度Vを前提に、その移動速度Vに応じた移動経路Wを設定することができる。具体的には、例えば、第1移動速度V1〜第6移動速度V6に応じて、これらにそれぞれ対応する第1移動経路W1〜第6移動経路W6を設定することができる。結果として、プレイ行為が指示標識の移動速度に反映される方が自然な音楽ゲームを提供することができる。より具体的には、例えば、ユーザのラケットを振る動作の動作速度が第2ボール画像32Bの移動速度Vに反映されるテニス型の音楽ゲームを提供することができる。これにより、単なる音楽ゲームではなく、このようなテニス等のプレイ行為が指示標識の移動速度に反映される方が自然なタイプの複合型の音楽ゲームを提供することができるので、ゲーム開発の自由度を拡大することができる。
また、除外条件が満たされる場合には、シーケンスデータ26で指定される到達時期から第2ボール画像32Bの到達時期が除外される。つまり、第2ボール画像32Bの実際の到達時期が予め指定されたものから別のものに変更される。これにより、除外条件を利用し、到達時期に縛られない第2ボール画像32Bを設けることができる。結果として、第2ボール画像32Bの移動の自由度を向上させることができるので、ひいてはゲーム開発の自由度の更なる向上につなげることができる。
以上の形態において、ゲーム機GMの制御ユニット20が、図8のルーチンを実行することにより本発明の速度算出手段及び経路決定手段として機能する。また、ゲーム機GMの記憶ユニット21が、シーケンスデータ26を記憶することにより本発明のデータ記憶手段として機能する。
本発明は上述の形態に限定されず、適宜の形態にて実施することができる。例えば、上述の形態では、第2ボール画像32Bの移動速度Vは初速と正面壁画像35aに到達したときの到達時の速度とが一致している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、実際のテニス等と同様の感覚が与えられるように減速係数等を通じてボール画像32の移動速度Vは徐々に減速されてもよい。
また、上述の形態では、除外条件が満たされる場合には、第3移動経路W3等の経路を通じて到達時期が変更されつつ第2ボール画像32Bは正面壁画像35a(到達位置)まで到達している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、除外条件が満たされる場合には、正面壁画像35aまでの移動の途中においてVRゲーム画面30から消滅してもよい。この場合、第2ボール画像32Bは、打ち返されてから所定時間経過後に消滅してもよいし、減速係数等に基づく移動速度Vの減速に応じて速度がゼロになったときに消滅してもよい。或いは、例えば延長条件等に基づいて正面壁画像35aまでの移動途中において所定数バウンドした場合に第2ボール画像32Bは消滅してもよい。さらに、本発明は、第2ボール画像32Bの実際の到達時期がシーケンスデータ26で指定される到達時期から除外される形態にも限定されない。例えば、第2ボール画像32Bは、単にシーケンスデータ26の到達時期の到来に合わせて消滅してもよい。つまり、第2ボール画像32Bの到達位置が変更されてもよい。或いは、第2ボール画像32Bは、上述のような時期にVRゲーム画面30から消滅しつつも、ユーザには見えない状況においてシーケンスデータ26で指定される到達時期に正面壁画像35aに到達するように移動を継続してもよい。
また、上述の形態では、ゲーム機GMはテニス型の音楽ゲームを提供している。しかし、ゲーム機GMが提供するゲームは、このような形態に限定されない。例えば、音楽ゲームは、野球やサッカー、バスケットボール等の各種のスポーツゲームと複合されてよい。また、ゲーム機GMが提供するゲームは、音楽ゲームにも限定されない。ゲーム機GMは、例えば、複数の基準部間を指定された時期に到達するように移動する指示標識によってユーザのプレイ行為の時期を案内する各種のタイミングゲームを提供してよい。
同様に、プレイ行為も上述のラケットを振る動作に限定されない。例えば、上述のような各種のゲームに対応する適宜の行為(操作部に対する指先の操作を含む)がプレイ行為として利用されてよい。そして、そのような各種のプレイ行為に関連する各種の要素の相違がプレイ行為の種類として反映されてよい。
また、上述の形態では、制御ユニット20及び記憶ユニット21がゲーム機GMに設けられている。しかし、本発明のゲーム機GMは、このような形態に限定されない。例えば、クラウドコンピューティングを利用してネットワーク上に論理的に制御ユニット20及び記憶ユニット21が設けられてもよい。つまり、ゲーム機GMは、ネットワーク3を通じて制御ユニット20の処理結果を提供する端末として構成されていてもよい。さらに、本発明のゲームシステムは、センターサーバ2が省略され、一台のゲーム機GMによって実現されてもよい。
以下に、上述の内容から得られる本発明の一例を記載する。なお、以下の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明のゲームシステムは、所定の間隔をあけて配置される複数の基準部(35a、31A)及び当該複数の基準部間を移動する指示標識(32)を含むゲーム画面(30)を表示する表示装置(DP)と、前記指示標識が前記複数の基準部にそれぞれ到達すべき複数の到達時期が記述された時期データ(26)を記憶するデータ記憶手段(21)とに接続され、前記指示標識が前記複数の基準部の少なくとも一つに到達する到達時期において前記指示標識に対するプレイ行為を要求するゲームを提供するゲームシステム(1)であって、前記プレイ行為として複数種類のプレイ行為が許容される場合に、前記指示標識に対して実行された実際のプレイ行為の種類に応じて、前記指示標識が前記一つの基準部(31A)から次の基準部(35a)に向かって移動するときの移動速度(V)を算出する速度算出手段(20)と、前記時期データの前記次の基準部に対応する到達時期に前記指示標識が前記次の基準部に到達するように、前記指示標識が前記次の基準部に向かって移動するときの移動経路(W)を決定する経路決定手段(20)と、を備えている。
本発明によれば、プレイ行為の種類に応じて指示標識の移動速度が算出され、その移動速度を基準に移動経路が決定される。つまり、まず優先的に指示標識の移動速度が決定され、その移動速度を前提に移動経路が決定される。これにより、プレイ行為を優先的に指示標識の移動速度に反映することができる。そして、そのような指示標識の移動速度を前提に、その移動速度に応じた移動経路を設定することができる。結果として、プレイ行為が指示標識の移動速度に反映される方が自然なゲームを提供することができるので、ゲーム開発の自由度を拡大することができる。
移動経路は、移動速度に応じて適宜に設定されてよい。例えば、本発明のゲームシステムの一態様において、前記経路決定手段は、前記移動速度が除外条件を満たす場合には、前記指示標識が前記時期データの前記次の基準部に対応する到達時期とは別の到達時期に前記次の基準部に到達するように、前記指示標識が前記別の到達時期に前記次の基準部に到達する特別な移動経路に前記移動経路を決定してもよい。この場合、除外条件を利用し、到達時期に縛られない指示標識を設けることができる。これにより、指示標識の移動の自由度を拡大することができるので、ひいてはゲーム開発の自由度の更なる拡大につなげることができる。
指示標識の移動速度は、実際のプレイ行為の種類に基づいて適宜に算出されてよい。また、その移動速度の算出には、その他にも各種の要素が利用されてよい。例えば、本発明のゲームシステムに一態様において、前記速度算出手段は、前記実際のプレイ行為が実行された実際の実行時期を更に利用し、当該実際の実行時期及び前記実際のプレイ行為の種類の両方に基づいて前記移動速度を算出してもよい。
プレイ行為の種類は、プレイ行為に関する各種の要素の相違に応じて分類されてよい。例えば、本発明のゲームシステムに一態様において、前記プレイ行為としてユーザの動作を入力するための入力装置(22)に接続され、前記速度算出手段は、前記複数種類のプレイ行為として動作速度の相違する前記ユーザの動作を利用することにより前記ユーザの動作の動作速度に応じて前記移動速度を算出してもよい。
一方、本発明のコンピュータプログラムは、前記表示装置及び前記データ記憶手段に接続されるコンピュータ(20)を、上述のゲームシステムの各手段として機能させるように構成されたものである。本発明のコンピュータプログラムが実行されることにより、本発明のゲームシステムを実現することができる。