JP2018129938A - 回転電機 - Google Patents
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Abstract
Description
ロータコアにフラックスバリアを設けることにより、磁石端部におけるパーミアンス係数の低下を抑制でき、回転電機の減磁耐力を上げることができる。
また、永久磁石の端部に膨出部を形成することにより、永久磁石の端部のパーミアンス係数を、永久磁石の中央部のパーミアンス係数まで高めることができる。これにより、永久磁石のパーミアンス分布を均一化でき、磁石磁束を効率例に取り出すことができる。
また、永久磁石の端部に膨出部を形成することにより、永久磁石の端部のパーミアンス係数を、永久磁石の中央部のパーミアンス係数まで高めることができる。これにより、永久磁石のパーミアンス分布を均一化でき、磁石磁束を効率例に取り出すことができる。
さらに、永久磁石の両端部のパーミアンス係数を高くすることにより、永久磁石の両端部の減磁を防ぐためのフラックスバリアを除去、あるいは小さく抑えることができる。これにより、永久磁石の磁石磁束を最大限に活用することができる。
また、永久磁石の中央部に中央凹部を形成することにより、永久磁石の中央部のパーミアンス係数を永久磁石の両端部のパーミアンス係数に一層近づけることができる。よって、永久磁石の全体のパーミアンス分布を一層均一化できる。これにより、永久磁石の動作点をBHmax(永久磁石の最大エネルギー積)に近づけることができ、回転電機のトルク密度(トルク)を向上させることができる。
[第1実施形態]
図1に示すように、回転電機10は、ステータ12と、ロータ14とを備えている。
ステータ12は、環状のステータコア16と、ステータコア16に複数配列されたコイル17とを備えている。
ステータコア16は、例えば、プレス抜きされた複数枚の磁性体製の鋼板が積層されて構成されている。磁性体製の鋼板として珪素鋼板が挙げられる。ステータコア16は、内周壁16aに沿って複数配列されたティース18と、ティース18間に形成されたスロット19とを有する。
スロット19は、ステータコア16の内周壁16aに沿って等ピッチで配列されている。スロット19にステータコア16が取り付けられている。
ロータコア22は、例えば、プレス抜きされた複数枚の磁性体製の鋼板が積層されて構成されている。磁性体製の鋼板として珪素鋼板が挙げられる。ロータコア22は、磁石群24を収容する磁石収容部26を複数個有する。ロータコア22の中心部にはロータ軸孔22aが貫通されている。ロータ軸孔22aには出力軸(図示略)が貫通された状態で固定されている。
第1磁石31は、第1収納部35に埋設されている。第2磁石32は、第2収納部36に埋設されている。第3磁石33は、第3収納部37に埋設されている。これにより、磁石群24(すなわち、第1磁石31と、第2磁石32と、第3磁石33)は、ロータ14の中心軸23を軸として回転対称に配置されている。また、磁石群24(すなわち、第1磁石31と、第2磁石32と、第3磁石33)は、ロータコア22の周方向に交互に異なる磁極となるようにロータコア22内に磁極として埋設されている。
よって、第1磁石31は、一方端部31aのうち、ロータコア22の外周面22b側の部位に膨出部45が形成されている。膨出部45は、ロータコア22の外周面22b側の部位から外周面22bへ向けて湾曲状に膨出されている。すなわち、第1磁石31は、減磁しやすい一方端部31aの厚さ寸法が大きく形成されている。これにより、第1磁石31の一方端部31aの減磁を抑制できる。
これにより、第1磁石31を、矩形体に形成した場合と比べて体積を増やすことなく、第1磁石31の一方端部31aを、第1磁石31の中央部31cと同様に減磁を起こり難くすることができる。
さらに、第1磁石31を、矩形体に形成した磁石と比べて同じ体積にできる。よって、第1磁石31の重量を増すことなく、第1磁石31の一方端部31aの減磁を抑制でき、第1磁石31のパーミアンス分布を均一化できる。
また、第2磁石32は、他方端部32bのうち、ロータコア22の外周面22b側の部位に第2膨出部52が形成されている。第2膨出部52は、ロータコア22の外周面22b側の部位から外周面22bへ向けて湾曲状に膨出されている。
すなわち、第2磁石32は、減磁しやすい一方端部32aおよび他方端部32bの厚さ寸法が大きく形成されている。これにより、第2磁石32の一方端部32aおよび他方端部32bの減磁を抑制できる。
これにより、第2磁石32を、矩形体に形成した場合と比べて体積を増やすことなく、第2磁石32の一方端部32aおよび他方端部32bを、第2磁石32の中央部32cと同様に減磁を起こり難くすることができる。
さらに、第2磁石32を、矩形体に形成した磁石と比べて同じ体積にできる。よって、第2磁石32の重量を増すことなく、第2磁石32の一方端部32aおよび他方端部31bの減磁を抑制でき、第2磁石32のパーミアンス分布を均一化できる。
すなわち、第3磁石33は、一方端部33aのうち、ロータコア22の外周面22b側の部位に膨出部55が形成されている。膨出部55は、ロータコア22の外周面22b側の部位から外周面22bへ向けて湾曲状に膨出されている。
また、第3磁石33は、中央部33cのうちロータコア22の外周面22bの反対側の部位に中央凹部56が形成されている。中央凹部56は、中央部33bのうちロータコア22の外周面22bの反対側の部位(反対側の面)から外周面22bへ向けて凹状に形成されている。
また、第3磁石33の重量を増すことなく、第3磁石33の一方端部33aの減磁を抑制でき、第3磁石33のパーミアンス分布を均一化できる。
ここで、第3収納部37に形成されたフラックスバリア37aを利用して膨出部55を配置することも可能である。この場合、フラックスバリア37aを小さくできる。これにより、磁気抵抗を小さく抑えることができ、磁石磁束を効率的に取り出すことができる。
磁石群24のうち、第1磁石31の一方端部31aに膨出部45が形成され、第3磁石33の一方端部33aに膨出部55が形成されている。よって、磁石群24は、第1磁石31の一方端部31aおよび第3磁石33の一方端部33aの減磁を抑制でき、パーミアンス分布を均一化できる。
すなわち、第1磁石31、第2磁石32および第3磁石33の型を用意し、この型を用いて、第1磁石31、第2磁石32および第3磁石33を熱間加工する。
または、第1磁石31、第2磁石32および第3磁石33をボンド磁石により形成する。
さらに、第1磁石31、第2磁石32および第3磁石33を機械加工により形成する。
まず、回転電機10のトルク(Nm)と電流位相(角度)との関係を図3に基づいて説明する。図3のグラフにおいて、縦軸はトルク(Nm)を示し、横軸は電流位相(角度)を示す。実線で示すグラフG1は第1実施形態の回転電機10を示し、破線で示すグラフG2は第1比較例の回転電機を示す。第1比較例は、第1実施形態の磁石群24を変えたもので、その他の構成は第1実施形態と同様である。第1比較例の磁石群は、第1磁石、第2磁石および第3磁石が矩形体に形成されている。
図3に示すように、第1実施形態のグラフG1は、第1比較例のグラフG2に比べてトルクが大きいことがわかる。
図4に示すように、第1実施形態のグラフG4は、第1比較例のグラフG5に比べて誘導電圧低下率(%)が小さいことがわかる。
図5に示すように、回転電機70は、第1実施形態の磁石群24および磁石収容部26を単一の永久磁石75および磁石収容部77に代えたもので、その他の構成は第1実施形態の回転電機10と同様である。
永久磁石75は、磁石収容部77に埋設されている。永久磁石75は、ロータ72の軸線方向から見て一文字状に配置されている。
永久磁石75は、ロータ14の中心軸23(図1参照)から半径方向外側に延びる直線41に対して永久磁石75の長手方向が直交した状態に配置されている。永久磁石75は、一方端部75aおよび他方端部75bがロータコア22の外周面22bの近傍に配置されている。
また、永久磁石75は、他方端部75bのうち、ロータコア22の外周面22b側の部位に第2膨出部82が形成されている。第2膨出部82は、ロータコア22の外周面22b側の部位から外周面22bへ向けて湾曲状に膨出されている。
すなわち、永久磁石75は、減磁しやすい一方端部75aおよび他方端部75bの厚さ寸法d1が大きく形成されている。これにより、永久磁石75の一方端部75aおよび他方端部75bの減磁を抑制できる。
よって、永久磁石75は、減磁し難い中央部75cの厚さ寸法d2が、厚さ寸法d1より小さく形成されている。
これにより、永久磁石75の全体を、矩形体に形成した場合と比べて体積を増やすことなく、永久磁石75の一方端部75aおよび他方端部75bを、永久磁石75の中央部75cと同様に減磁を起こり難くすることができる。
さらに、永久磁石75を、矩形体に形成した磁石と比べて同じ体積にできる。よって、永久磁石75の重量を増すことなく、永久磁石75の一方端部75aおよび他方端部75bの減磁を抑制でき、永久磁石75のパーミアンス分布を均一化できる。
まず、回転電機70のパーミアンス係数を図6に基づいて説明する。図6のグラフにおいて、縦軸はパーミアンス係数を示す。グラフG5は第2実施形態の一方端部75aおよび他方端部75bのパーミアンス係数を示す。グラフG6は第2実施形態の中央部75cのパーミアンス係数を示す。また、グラフG7は第2比較例の一方端部75aおよび他方端部75bのパーミアンス係数を示す。グラフG8は第2比較例の中央部75cのパーミアンス係数を示す。
第2比較例は、第2実施形態の永久磁石75を矩形体の永久磁石に代えたものでその他の構成は第2実施形態と同様である。
一方、第2実施形態の回転電機70は、永久磁石75の一方端部75aおよび他方端部75bのパーミアンス係数と、中央部75cのパーミアンス係数とが略同じ大きさに保たれていることがわかる。
第2比較例は、第2実施形態の永久磁石75を矩形体の永久磁石に代えたものでその他の構成は第2実施形態と同様である。
図7に示すように、第2比較例の回転電機は、第2実施形態の回転電機70と比べて小さいことがわかる。
図8に示すように、永久磁石90は、一方端部90aのうち、ロータコア22の外周面22b(図5参照)側の部位に第1膨出部91が形成されている。第1膨出部91は、ロータコア22の外周面22b側の部位から外周面22bへ向けて膨出されている。第1膨出部91は、頂面91a、一方端面91bおよび傾斜面91cで台形状に形成されている。
すなわち、永久磁石90は、減磁しやすい一方端部90aおよび他方端部90bの厚さ寸法d1が大きく形成されている。
また、永久磁石90の中央部90cに中央凹部93が形成されることにより、永久磁石90の全体のパーミアンスを一層均一化できる。
図9に示すように、永久磁石100は、一方端部100aのうち、ロータコア22の外周面22b(図5参照)側の部位に第1膨出部101が形成されている。第1膨出部101は、ロータコア22の外周面22b側の部位から外周面22bへ向けて膨出されている。第1膨出部101は、頂面101a、一方端面101bおよび他方端面101cで矩形状に形成されている。
すなわち、永久磁石100は、減磁しやすい一方端部100aおよび他方端部1お0aの厚さ寸法d1が大きく形成されている。
また、永久磁石100の中央部100cに中央凹部103が形成されることにより、永久磁石100の全体のパーミアンスを一層均一化できる。
例えば、第1実施形態では、膨出部45,55、第1膨出部51、および第2膨出部52を湾曲状に形成した例について説明したが、これに限定するものではない。その他の例として、各膨出部を台形状や矩形状などの他の形状に形成することも可能である。
12…ステータ
14…ロータ
22…ロータコア
22b…ロータコアの外周面(ロータコアの外周面)
24…磁石群
31〜33…第1〜第3の磁石(永久磁石)
31a,32a,33a,75a,90a,100a…一方端部(端部)
31b,32b,75b,90b,100b…他方端部(端部)
31c,32c,33b,75c,90c,100c…中央部
45,55…膨出部
46,53,56,83,93,103…中央凹部
51,81,91,101…第1膨出部(膨出部)
52,82,92,102…第2膨出部(膨出部)
75,90,100…永久磁石
Claims (4)
- ロータコアに複数の永久磁石が埋設された回転電機において、
前記永久磁石の端部には、前記ロータコアの外周面へ向けて膨出する膨出部が形成されていることを特徴とする回転電機。 - 前記永久磁石は、前記ロータコアの軸線方向から見てV字状に複数個配置され、
複数個の永久磁石のうち、前記ロータコアの半径方向に対して傾斜状に配置された永久磁石において、前記ロータコアの外周面に近い方の端部には、前記ロータコアの外周面へ向けて膨出する膨出部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。 - 前記永久磁石は、前記ロータコアの軸線方向から見て一文字状で、かつ、前記ロータコアの半径方向に対して直交するように配置され、
前記永久磁石の両端部には、前記ロータコアの外周面へ向けて膨出する膨出部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の回転電機。 - 前記永久磁石は、
前記ロータコアの外周面側の面の中央部に、前記外周面の反対側に凹む中央凹部が形成され、または、前記外周面の反対側の面の中央部に、前記外周面側に凹む中央凹部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転電機。
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