本出願に係る電子機器、制御方法、及び制御プログラムを実施するための実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下では、電子機器の例として、スマートフォンについて説明する。以下の説明において、同様の構成要素について同一の符号を付すことがある。さらに、重複する説明は省略することがある。
図1を参照しつつ、複数の実施形態の一例に係るスマートフォン1の機能構成の一例を説明する。図1は、スマートフォン1の機能構成を示すブロック図である。
図1に示すように、スマートフォン1は、タッチスクリーンディスプレイ2と、1もしくは複数のボタン3と、照度センサ4と、近接センサ5と、通信ユニット6と、レシーバ7と、マイク8と、ストレージ9と、コントローラ10と、スピーカ11と、カメラ12と、カメラ13と、コネクタ14と、加速度センサ15と、地磁気センサ16と、角速度センサ17と、GPS(Global Positioning System)レシーバ18とを含む。以下の説明において、スマートフォン1を「自機」と表記する場合がある。
タッチスクリーンディスプレイ2は、ディスプレイ2Aと、タッチスクリーン2Bとを含む。ディスプレイ2A及びタッチスクリーン2Bは、例えば、重なって位置してもよいし、並んで位置してもよいし、離れて位置してもよい。ディスプレイ2Aとタッチスクリーン2Bとが重なって位置する場合、例えば、ディスプレイ2Aの1ないし複数の辺は、タッチスクリーン2Bのいずれの辺とも沿っていなくてもよい。
ディスプレイ2Aは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro−Luminescence Display)、又は無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro−Luminescence Display)等の表示デバイスを含む。ディスプレイ2Aは、文字、画像、記号、及び図形等のオブジェクトを画面内に表示できる。
タッチスクリーン2Bは、タッチスクリーン2Bに対する1もしくは複数の指、1もしくは複数のペン、または1もしくは複数のスタイラスペン等の接触又は近接を検出できる。タッチスクリーン2Bは、1もしくは複数の指、1もしくは複数のペン、又は1もしくは複数のスタイラスペン等がタッチスクリーン2Bに接触又は近接したときのタッチスクリーン2B上の位置を検出できる。タッチスクリーン2Bが検出する指、ペン、及びスタイラスペン等は、「指」と表記する場合がある。ある実施形態において、タッチスクリーン2Bは、検出方式として静電容量方式、抵抗膜方式又は荷重検出方式を適宜採用できる。
コントローラ10は、タッチスクリーン2Bにより検出された検出結果に基づいて、ジェスチャの種別を判別できる。検出結果は、例えば、接触の数、接触が検出された位置、接触が検出された位置の変化、接触が検出された時間的長さ、接触が検出された時間的間隔、及び接触が検出された回数を含む。コントローラ10が行える動作を、コントローラ10を有するスマートフォン1は実行できる。言い換えると、コントローラ10が行う動作は、スマートフォン1が行ってもよい。ジェスチャは、指を用いて、タッチスクリーン2Bに対して行われる操作である。タッチスクリーン2Bに対して行われる操作は、タッチスクリーン2Bを有するタッチスクリーンディスプレイ2に対して行われてもよい。コントローラ10が、タッチスクリーン2Bを介して判別するジェスチャには、例えば、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、及びピンチアウトが含まれるが、これらに限定されない。
ボタン3は、利用者からの操作入力を受け付ける。ボタン3は、利用者からの操作入力を受け付けると、コントローラ10に操作入力を受け付けた旨を通知する。ボタン3の数は、単数であっても、複数であってもよい。
照度センサ4は、照度を検出できる。照度は、照度センサ4の測定面の単位面積に入射する光束の値である。照度センサ4は、例えば、ディスプレイ2Aの輝度の調整に用いてもよい。
近接センサ5は、近隣の物体の存在を非接触で検出できる。近接センサ5は、磁界の変化又は超音波の反射波の帰還時間の変化等に基づいて物体の存在を検出する。近接センサ5は、例えば、ディスプレイ2Aに利用者の顔が接近したことを検出するのに用いてもよい。照度センサ4及び近接センサ5は、1つのセンサとして構成されていてもよい。照度センサ4は、近接センサとして用いられてもよい。
通信ユニット6は、無線により通信できる。通信ユニット6は、無線通信規格をサポートする。通信ユニット6によってサポートされる無線通信規格には、例えば、2G、3G、4G、5G等のセルラーフォンの通信規格と、近距離無線の通信規格とが含まれる。セルラーフォンの通信規格としては、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、WiMAX(登録商標)(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、CDMA2000、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy−phone System)等がある。近距離無線の通信規格としては、例えば、IEEE802.11(IEEEは、The Institute of Electrical and Electronics Engineers, Inc.の略称である)、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)、WPAN(Wireless Personal Area Network)等が含まれる。WPANの通信規格には、例えば、ZigBee(登録商標)、DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunications)、Z−Wave、WiSun(Wireless Smart Utility Network)が含まれる。通信ユニット6は、上述した通信規格の1つ又は複数をサポートしていてもよい。
通信ユニット6は、例えば、道路、交差点付近に設置される路側機との通信を可能とするための複数の通信規格をさらにサポートする。交差点は、2本以上の道路が交差する部分を含む。通信規格は、例えば、双方向通信を可能とするDSRC(Dedicated Short Range Communication)を含む。実施形態の1つの例において、通信ユニット6は、路側機が所定の通信エリア内に発信した電波を受信できる。通信ユニット6は、例えば、路側機、他の電子機器等で受信可能な電波を発信できる。所定の通信エリアは、所定のエリアの一例である。所定のエリアは、例えば、道路の近傍のエリアを含んでもよい。所定のエリアは、利用者の危険箇所に近づいたことを報知すべきエリアを含んでもよい。所定のエリアは、例えば、交差点、駐車場等のエリアを含んでもよい。
レシーバ7は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力できる。レシーバ7は、例えば、スマートフォン1にて再生される動画の音、音楽の音、及び通話時の相手の声を出力できる。マイク8は、入力される利用者の声等を音信号へ変換してコントローラ10へ送信する。
ストレージ9は、プログラム及びデータを記憶できる。ストレージ9は、コントローラ10の処理結果を一時的に記憶する作業領域として利用してもよい。ストレージ9は、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non−transitory)な記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。ストレージ9は、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。ストレージ9は、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。
ストレージ9に記憶されるプログラムには、フォアグランド又はバックグランドで実行されるアプリケーションと、アプリケーションの動作を支援する基本プログラムとが含まれる。アプリケーションの画面は、例えば、フォアグランドで実行される場合に、ディスプレイ2Aに表示される。基本プログラムには、例えば、OSが含まれる。アプリケーション及び基本プログラムは、通信ユニット6による無線通信又は非一過的な記憶媒体を介してストレージ9にインストールされてもよい。
ストレージ9は、例えば、制御プログラム9A、加速度データ9B、状態データ9C、判別データ9D、エリアデータ9E、及び設定データ9Z等を記憶できる。加速度データ9Bは、加速度センサ15が検出した加速度値に関する情報を含む。状態データ9Cは、スマートフォン1の状態を示す情報を含む。判別データ9Dは、スマートフォン1の状態の判別に用いる情報を含む。エリアデータ9Eは、所定のエリアに関する情報を含む。設定データ9Zは、スマートフォン1の動作に関する各種の設定に関する情報を含む。
制御プログラム9Aは、スマートフォン1を稼働させるための各種制御に関する機能を提供できる。制御プログラム9Aは、例えば、通信ユニット6、レシーバ7、及びマイク8等を制御することによって、通話を実現させる。制御プログラム9Aが提供する機能には、加速度センサ15等を制御することによって、スマートフォン1を所持する利用者の移動状態を判別する機能が含まれる。移動状態は、例えば、利用者が歩行している状態、利用者が自転車で移動している状態等を含む。歩行は、例えば、利用者が歩くこと、利用者が走ること、利用者が歩いたり走ったりしていること等を含む。
制御プログラム9Aは、音出力を制御する機能を提供できる。制御プログラム9Aは、イヤホンの機能を実行できる。イヤホンは、例えば、ヘッドホン、ヘッドセット等を含む。イヤホンの機能は、例えば、コネクタ14にイヤホンが接続された場合には、音がイヤホンから出力されるように制御するための機能を提供できる。制御プログラム9Aは、例えば、ノイズキャンセル機能を提供できる。ノイズキャンセル機能は、例えば、ノイズに相当する周波数の信号をカット又は抑制することにより実現される。ノイズキャンセル機能は、例えば、自機の周囲のノイズ音を低減させてもよい。制御プログラム9Aは、イヤホンの機能とノイズキャンセル機能を同時に実行できる。
制御プログラム9Aは、自機が所定のエリア内に位置するか否かを判別する機能を提供できる。制御プログラム9Aは、例えば、自機の利用者が所定のエリアに位置することを判別するための情報を受信する機能を提供できる。制御プログラム9Aは、例えば、路側機から所定の通信エリアに向けて発信された電波を通信ユニット6によって受信することにより、所定のエリアに位置すると判別する機能を提供できる。制御プログラム9Aは、例えば、自機の現在位置に基づいて、所定のエリアに位置するか否かを判別する機能を提供できる。
制御プログラム9Aは、イヤホンの機能を実行中に、利用者の移動状態が自力での移動状態と判別し、かつ所定のエリアに自機が位置すると判別すると、報知処理を実行する機能を提供できる。報知処理は、例えば、自機の利用者に報知する処理を含む。報知処理は、例えば、他の電子機器に報知する処理を含んでよい。
加速度データ9Bは、加速度センサ15の検出結果としてコントローラ10に送信されてくる複数の加速度情報を含む。加速度データ9Bは、複数の加速度情報を時系列で示すことができる。加速度情報は、例えば、時間と、加速度値とを含む。時間は、加速度センサ15によって加速度の方向および大きさを検出した時間を示す。加速度値は、加速度センサ15によって検出した加速度の方向および大きさの値を示す。
例えば、コントローラ10には、加速度センサ15の検出結果が送信されてくる。検出結果は、X軸方向の加速度値と、Y軸方向の加速度値と、Z軸方向の加速度値と、各加速度値を合成したベクトル値とを含む。コントローラ10は、加速度センサ15の検出結果をストレージ9の加速度データ9Bにロギングする。コントローラ10は、X軸方向の加速度値、Y軸方向の加速度値、およびZ軸方向の加速度値を演算して合成ベクトル値を計算してもよい。
状態データ9Cは、利用者(自機)の移動状態を示す情報を含む。移動状態は、例えば、利用者の自力での移動状態と、乗り物での移動状態とを含む。自力での移動状態は、歩行状態と、走行状態と、自転車での移動状態とを含む。歩行状態は、スマートフォン1を携帯している利用者が歩行している状態を含む。走行状態は、スマートフォン1を携帯している利用者が走行(ランニング)している状態を含む。自転車での移動状態は、スマートフォン1を携帯している利用者が自力によって自転車で移動している状態である。自力は、人力を含む。乗り物での移動状態は、スマートフォン1を携帯している利用者が乗り物で移動している状態である。乗り物は、例えば、自動車、バイク、電車、バス、飛行機等の自転車以外の動力を用いた乗り物を含む。例えば、状態データ9Cは、利用者が停止している状態、自機が置かれた状態等を含んでよい。コントローラ10は、状態の変化の検出に応じて状態データ9Cを更新する。
判別データ9Dは、利用者の複数の移動状態ごとに対応する加速度パターンを含む。加速度パターンは、利用者の複数の移動状態ごとに、どのような加速度パターンが加速度センサ15により特徴的に検出されるのかを予め計測し、抽出しておいた加速度パターンを含む。加速度パターンは、上述した合成ベクトル値のロギングしたデータに対応するように記憶される。判別データ9Dは、例えば、歩行状態と、走行状態と、自転車での移動状態と、乗り物での移動状態とに対応した加速度パターンを含む。
エリアデータ9Eは、所定のエリアを示す情報を含む。エリアデータ9Eは、例えば、路側機からの電波を受信したエリアを所定のエリアと判別するか否か示す情報を含む。エリアデータ9Eは、例えば、自機の現在位置に基づいて、所定のエリア内であるか否かを判別するための情報を含む。エリアデータ9Eは、例えば、所定のエリアを示す地図情報、位置情報、範囲情報等を含む。エリアデータ9Eは、例えば、利用者の移動予定経路に対応した所定のエリアを示す情報を含んでもよい。エリアデータ9Eは、例えば、所定のエリア内またはエリア付近に設けられた路側機に関する情報を含んでもよい。
設定データ9Zは、制御プログラム9Aなどにより提供される機能に基づいて実行される処理に用いられる各種データを含む。
コントローラ10は、スマートフォン1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現できる。コントローラ10は、演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System−on−a−Chip)、MCU(Micro Control Unit)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、およびコプロセッサを含んでもよいが、これらに限定されない。SoCは、通信ユニット6等の他の構成要素が統合されていてもよい。
具体的には、コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているプログラムに含まれる命令を実行できる。コントローラ10は、ストレージ9に記憶されているデータを必要に応じて参照できる。コントローラ10は、データ及び命令に応じて機能部を制御する。コントローラ10は、機能部を制御することによって、各種機能を実現する。機能部は、例えば、ディスプレイ2A、通信ユニット6、レシーバ7、及びスピーカ11を含むが、これらに限定されない。コントローラ10は、検出部の検出結果に応じて、制御を変更することがある。検出部は、例えば、タッチスクリーン2B、ボタン3、照度センサ4、近接センサ5、マイク8、カメラ12、カメラ13、加速度センサ15、地磁気センサ16、角速度センサ17、及びGPSレシーバ18を含むが、これらに限定されない。
コントローラ10は、例えば、制御プログラム9Aを実行することにより、タッチスクリーン2Bを介して判別されたジェスチャに応じて、ディスプレイ2Aに表示されている情報を変更する等の各種制御を実行できる。
コントローラ10は、制御プログラム9Aを実行することにより、加速度センサ15、地磁気センサ16、角速度センサ17、及びGPSレシーバ18と協働する。コントローラ10は、加速度センサ15の検出結果に基づき、自機を携帯する利用者の移動状態を判別する処理を実行する。
スピーカ11は、コントローラ10から送信される音信号を音として出力できる。スピーカ11は、例えば、着信音及び音楽を出力してもよい。レシーバ7及びスピーカ11の一方が、他方の機能を兼ねてもよい。
カメラ12及びカメラ13は、撮影した画像を電気信号へ変換できる。カメラ12は、ディスプレイ2Aに面している物体を撮影するインカメラでもよい。カメラ13は、ディスプレイ2Aの反対側の面に面している物体を撮影するアウトカメラでもよい。カメラ12及びカメラ13は、インカメラ及びアウトカメラを切り換えて利用可能なカメラユニットとして、機能的及び物理的に統合された状態でスマートフォン1に実装されてもよい。
コネクタ14は、他の装置が接続される端子を含む。コネクタ14は、USB(Universal Serial Bus)、HDMI(登録商標)(High−Definition Multimedia Interface)、ライトピーク(サンダーボルト(登録商標))、イヤホンマイクコネクタのような汎用的な端子を含んでよい。コネクタ14は、例えば、イヤホン接続端子を含む。イヤホン接続端子に接続されたイヤホンは、例えば、スマートフォン1のストレージ9に記憶されている音楽等の音声情報、通話時における通話相手の音声等を出力できる。スマートフォン1は、イヤホン接続端子にイヤホンのイヤホン側端子が差し込まれ、イヤホンがコネクタ14に装着されたことをイヤホン検出部によって検出できる。コネクタ14は、Dockコネクタのような専用の端子でもよい。コネクタ14に接続される装置は、例えば、イヤホン、外部ストレージ、スピーカ、及び通信装置を含むが、これらに限定されない。イヤホン接続端子は、コネクタ14とは別の構成としてもよい。スマートフォン1は、通信ユニット6を介して、近距離無線等の無線通信によりイヤホンと接続してもよい。
加速度センサ15は、スマートフォン1に作用する加速度の方向及び大きさを検出できる。加速度センサ15は、検出した加速度値をコントローラ10に送出できる。コントローラ10は、加速度センサ15により検出される加速度の方向及び大きさ、または加速度の方向及び大きさの時系列変化を含む加速度パターンに基づいて、スマートフォン1の移動状態の変化を検出してもよい。
地磁気センサ16は、例えば、地磁気を計測することにより、スマートフォン1の向き(方位)を検出できる。地磁気センサ16は、検出した地磁気値をコントローラ10に送出できる。地磁気センサ16は、2軸タイプおよび3軸タイプのいずれであってもよい。地磁気センサ16は、磁界の向き及び大きさを検出してもよい。コントローラ10は、地磁気センサ16により検出される地磁気値に基づいて、利用者の進行方向を検出できる。
角速度センサ17は、例えば、スマートフォン1の角速度の大きさ及び方向を測定できる。角速度センサ17は、検出した角速度値をコントローラ10に送出できる。コントローラ10は、角速度センサ17により検出される角速度の大きさ及び方向、又は角速度の方向及び大きさの時系列変化を含む角速度パターンに基づいて、スマートフォン1の向きの変化を検出できる。コントローラ10は、例えば地磁気を検出できない環境等において、スマートフォン1の方位をスマートフォン1の向きの変化に基づいて変更できる。
GPSレシーバ18は、スマートフォン1の現在位置を検出できる。GPSレシーバ18は、GPS衛星からの所定の周波数帯の電波信号を受信し、受信した電波信号の復調処理を行って、処理後の信号をコントローラ10に送出する。本実施形態では、スマートフォン1は、GPSレシーバ18を有する場合について説明するが、これに限定されない。例えば、スマートフォン1は、GPS衛星以外の測位衛星からの電波信号を受信するレシーバを備えてもよい。例えば、スマートフォン1は、通信ユニット6が無線通信を用いる基地局に基づいて、現在位置を検出してもよい。例えば、スマートフォン1は、複数の方式を併用して、現在位置を検出してもよい。
コントローラ10は、加速度センサ15、地磁気センサ16、及び角速度センサ17の各出力を組み合わせて利用してよい。複数のセンサの出力を組み合わせて利用することで、スマートフォン1は、自機の動きを高度に反映させた制御をコントローラ10によって実行できる。加速度センサ15、地磁気センサ16、および角速度センサ17は、1つのモーションセンサとして利用してよい。
図1においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、通信ユニット6による無線通信で他の装置からダウンロードされてもよい。図1においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、ストレージ9に含まれる読み取り装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。図1においてストレージ9が記憶するプログラム及びデータの一部又は全部は、コネクタ14に接続される装置が読み取り可能な非一過的な記憶媒体に記憶されていてもよい。非一過的な記憶媒体は、例えば、CD(登録商標)、DVD(登録商標)、Blu−ray(登録商標)等の光ディスク、光磁気ディスク、磁気記憶媒体、メモリカード、及びソリッドステート記憶媒体を含むが、これらに限定されない。
図2は、所定のエリアの一例を説明するための図である。図2を用いて、スマートフォン1の報知に関する制御の一例を説明する。
図2に示すように、道路の交差点101は、道路102と道路103とが交差する部分である。歩道104は、道路102及び道路103に沿って設けられている。横断歩道105は、交差点101近傍の道路102及び道路103に設けられている。路側機200は、交差点101に設けられている。所定のエリア100は、路側機200の通信が可能な所定の通信エリアとすることができる。スマートフォン1は、路側機200が出力する無線電波の受信強度が所定の値以上で有るとき、路側機200の通信が可能な所定の通信エリアであると判定してもよい。図2に示す例では、所定のエリア100は、交差点101、歩道104の一部、横断歩道105を含むエリアとなっている。路側機200は、所定のエリア100内の不特定多数の電子機器に電波を送出する。
図2に示す例では、利用者は、スマートフォン1のコネクタ14にイヤホンを装着し、スマートフォン1のイヤホンの機能を実行させている。利用者は、イヤホンで音楽を聴きながら、歩道104を交差点101に向かって歩行している。例えば、利用者は、両耳に装着したイヤホンで音楽を聴いている場合、周囲の音、車両の接近音等が聞こえない場合がある。さらに、利用者は、スマートフォン1の操作、音楽に気を取られている場合、周囲から迫る危険な状態を察知するのが遅れる場合がある。また、利用者は、音楽を聴きながら、散歩、ランニング等を行う場合もあり、歩きながらスマートフォン1を操作しない場合もある。そのため、スマートフォン1は、以下の一例で示す報知処理を行うことができる。
ステップS1では、利用者は、所定のエリア100の外部である歩道104を、イヤホンで音楽を聴きながら歩行している。この場合、スマートフォン1は、交差点101の路側機200から所定のエリア100に発信された電波を通信ユニット6によって受信できない。スマートフォン1は、コネクタ14にイヤホンが装着されていることを検出すると、自機の利用者の移動状態を判別する。スマートフォン1は、加速度センサ15によって検出された加速度パターンと判別データ9Dとを比較して、自機の利用者の移動状態が歩行状態であると判別する。スマートフォン1は、所定のエリア100に自機が位置するかを判別する。例えば、スマートフォン1は、路側機200からの電波の受信の有無に基づいて、所定のエリア100に自機が位置しないと判別する。この場合、スマートフォン1は、報知処理を実行しない。
ステップS2では、利用者は、歩道104での歩行を継続し、所定のエリア100の外部から内部へ進入している。この場合、スマートフォン1は、交差点101の路側機200から所定のエリア100に発信された電波を通信ユニット6によって受信できる。スマートフォン1は、イヤホンの機能の実行を継続していると、自機の利用者の移動状態を判別する。スマートフォン1は、加速度センサ15によって検出された加速度パターンと判別データ9Dとを比較して、自機の利用者の移動状態が歩行状態であると判別する。スマートフォン1は、所定のエリア100に自機が位置するかを判別する。スマートフォン1は、路側機200からの電波を通信ユニット6によって受信したことにより、所定のエリア100に自機が位置すると判別する。スマートフォン1は、報知処理を実行することにより、利用者に事故が発生する可能性があることを報知する。例えば、スマートフォン1は、利用者に事故が発生する可能性があることを示す音声、報知音をイヤホンから出力させる。この場合、スマートフォン1は、イヤホンからの音の出力を停止させたり、出力する音量を小さくさせたりしてもよい。例えば、スマートフォン1は、自機に対する利用者の操作がある場合、利用者に事故が発生する可能性があることを示す情報をディスプレイ2Aに表示させてもよい。例えば、スマートフォン1は、バイブレータを備える場合、報知処理としてバイブレータを振動させてもよい。スマートフォン1は、利用者に事故が発生する可能性があることを、バイブレータを用いて報知するとき、電話やメール等の着信時の報知方法とは異なるようにして報知してもよい。例えば、スマートフォン1は、利用者に事故が発生する可能性があることを報知するとき、電話やメール等の着信時の振動より強い振動でバイブレータを振動させてよい。
図3は、所定のエリアの他の一例を説明するための図である。図3に示すように、路側機200は、道路110の近傍に設けてもよい。歩道111は、道路110に沿って設けられている。横断歩道112は、両側の歩道111を結ぶように、道路110に設けられている。図3に示す例では、所定のエリア100は、道路110、歩道111、及び横断歩道112を含むエリアとなっている。例えば、所定のエリア100は、利用者が道路110を横断する可能性がある箇所を含むように設定することができる。例えば、所定のエリア100は、過去に交通事故が発生した箇所、交通事故が発生する可能性がある箇所等を含むように設定することができる。
図3に示す例では、利用者は、イヤホンを装着した状態で、歩道111を歩行しながら所定のエリア100に進入している。この場合、スマートフォン1は、道路110の近傍の路側機200から所定のエリア100に発信された電波を通信ユニット6によって受信できる。スマートフォン1は、イヤホンの機能の実行を継続していると、自機の利用者の移動状態を判別する。スマートフォン1は、加速度センサ15によって検出された加速度パターンと判別データ9Dとを比較して、自機の利用者の移動状態が歩行状態であると判別する。スマートフォン1は、所定のエリア100に自機が位置するかを判別する。スマートフォン1は、路側機200からの電波を通信ユニット6によって受信したことにより、所定のエリア100に自機が位置すると判別する。スマートフォン1は、報知処理を実行することにより、利用者に事故が発生する可能性があることを報知する。
上述したように、スマートフォン1は、イヤホンを装着した利用者が自力での移動状態であり、かつ所定のエリア100に位置すると判別したときに、利用者に報知することで、利用者に周囲の状況確認を促すことができる。例えば、利用者は、イヤホンを装着した状態で自力での移動状態である場合、イヤホンを装着していない場合よりも、周囲環境への注意が低下する。そのため、スマートフォン1は、利用者の周囲環境への注意が低下している状態で所定のエリア100に進入したタイミングで報知することにより、危険な箇所に近づいた利用者の事故防止に貢献することができる。さらに、スマートフォン1は、所定のエリア100に自機が位置する場合に報知を限定することにより、利便性の低下を抑制することができる。
図4は、スマートフォン1による制御の一例の処理手順を示すフローチャートである。図4に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。図4に示す処理手順は、コントローラ10によって繰り返し実行される。
図4に示すように、スマートフォン1のコントローラ10は、ステップS101として、イヤホンの機能を実行中であるか否かを判別する。コントローラ10は、イヤホンの機能を実行中ではないと判別した場合(ステップS101でNo)、図4に示す処理手順を終了させる。コントローラ10は、イヤホンの機能を実行中であると判別した場合(ステップS101でYes)、処理をステップS102に進める。
コントローラ10は、ステップS102として、加速度データ9Bに基づいて状態を判別する。例えば、コントローラ10は、加速度データ9Bの加速度パターンと判別データ9Dの状態ごとの加速度パターンとを比較し、一致する判別データ9Dの加速度パターンに対応した状態を、スマートフォン1の状態として判別する。コントローラ10は、判別した状態を状態データ9Cに記憶する。
コントローラ10は、ステップS102の判別結果が、自力での移動状態ではない場合(ステップS103でNo)、図4に示す処理手順を終了させる。コントローラ10は、ステップS102の判別結果が、自力での移動状態である場合(ステップS103でYes)、処理をステップS104に進める。
コントローラ10は、ステップS104として、通信ユニット6における路側機200からの電波の受信の有無に基づいて、所定のエリア100に自機が位置するかを判別する。例えば、コントローラ10は、通信ユニット6が路側機200から電波を受信している場合に、所定のエリア100に自機が位置すると判別する。コントローラ10は、通信ユニット6が路側機200から電波を受信していない場合に、所定のエリア100に自機が位置していないと判別する。
コントローラ10は、ステップS104の判別結果が、所定のエリア100に自機が位置していない場合(ステップS105でNo)、図4に示す処理手順を終了させる。コントローラ10は、ステップS104の判別結果が、所定のエリアに自機が位置するである場合(ステップS105でYes)、処理をステップS106に進める。コントローラ10は、ステップS106として、上述した報知処理を実行する。コントローラ10は、報知処理を実行すると、処理をステップS107に進める。この場合、スマートフォン1は、利用者に報知を行っている状態である。
コントローラ10は、ステップS107として、加速度データ9Bに基づいて状態を判別する。コントローラ10は、ステップS108として、通信ユニット6における路側機200からの電波の受信の有無に基づいて、所定のエリア100に自機が位置するかを判別する。
コントローラ10は、ステップS109として、報知の終了条件を満たすかを判別する。報知の終了条件は、例えば、イヤホンの機能の終了を検出、イヤホンの取り外しを検出、スマートフォン1の電源断、移動状態の変化を検出、所定のエリア100に自機が位置しないと判別等の条件を含む。例えば、コントローラ10は、報知の終了条件の少なくとも1つを検出した場合に、報知の終了条件を満たすと判別する。コントローラ10は、報知の終了条件を満たしていないと判別した場合(ステップS109でNo)、処理を既に説明したステップS107に戻す。
コントローラ10は、報知の終了条件を満たすと判別した場合(ステップS109でYes)、処理をステップS110に進める。コントローラ10は、ステップS110として、報知処理を停止させる。コントローラ10は、報知処理が停止すると、図4に示す処理手順を終了させる。
上記の図4に示す処理手順では、コントローラ10は、イヤホンの機能の判別、自力での移動状態の判別、所定のエリアの判別を順次行う場合について説明したが、これに限定されない。例えば、図4に示す処理手順は、所定のエリアの判別、自力での移動状態の判別、イヤホンの機能の判別の順番を変更してもよい。
図5は、スマートフォン1による制御の他の一例の処理手順を示すフローチャートである。図5に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。
図5に示す例では、ステップS101からステップS103、ステップS106、ステップS109、及びステップS110の処理は、図4に示すステップS101からステップS103、ステップS106、ステップS109、及びステップS110の処理と同一であるため、異なる部分のみを説明し、同一部分の説明は省略する。
コントローラ10は、ステップS102の判別結果が、自力での移動状態である場合(ステップS103でYes)、処理をステップS121に進める。コントローラ10は、ステップS121として、GPSレシーバ18によって自機の現在位置を検出する。コントローラ10は、ステップS122として、現在位置とエリアデータ9Eとの比較結果に基づいて、所定のエリア100に自機が位置するかを判別する。例えば、エリアデータ9Eが複数の所定のエリア100を示す情報を含む場合、コントローラ10は、現在位置が含まれる所定のエリア100を特定する。コントローラ10は、複数の所定のエリア100のうち、現在位置を含む所定のエリア100を特定できた場合に、所定のエリア100に自機が位置すると判別する。
コントローラ10は、ステップS122の判別結果が、所定のエリア100に自機が位置していない場合(ステップS123でNo)、図5に示す処理手順を終了させる。コントローラ10は、ステップS122の判別結果が、所定のエリア100に自機が位置するである場合(ステップS123でYes)、処理を既に説明したステップS106に進める。コントローラ10は、ステップS106として、上述した報知処理を実行する。コントローラ10は、報知処理を実行すると、処理をステップS131に進める。この場合、スマートフォン1は、利用者に報知を行っている状態である。
コントローラ10は、ステップS131として、加速度データ9Bに基づいて状態を判別する。コントローラ10は、ステップS132として、GPSレシーバ18によって自機の現在位置を検出する。コントローラ10は、ステップS133として、現在位置とエリアデータ9Eとの比較結果に基づいて、所定のエリア100に自機が位置するかを判別する。コントローラ10は、上述したステップS109以降の処理を実行する。
上述したように、スマートフォン1は、GPSレシーバ18によって検出した現在位置が所定のエリア100に位置すると判別したときに、イヤホンを装着した利用者に報知することで、利用者に周囲の状況確認を促すことができる。その結果、スマートフォン1は、路側機200が設置されていない道路、駐車場等の危険なエリアに近づいたことを、利用者の自力での移動状態に適したタイミングで報知することにより、危険な箇所に近づいた利用者の事故防止に貢献することができる。スマートフォン1は、路側機200が設置されていない所定のエリア100においても、イヤホンを装着している利用者に、周囲の状況確認を促すことができる。
例えば、スマートフォン1は、図4及び図5に示す処理手順の少なくとも一方を含む構成としてもよい。例えば、スマートフォン1は、図4及び図5に示す処理手順を、同時に実行してもよい。
図6は、スマートフォン1による制御の他の一例の処理手順を示すフローチャートである。図6に示す処理手順は、コントローラ10が制御プログラム9Aを実行することによって実現される。
図6に示す例では、ステップS101からステップS110の処理は、図4に示すステップS101からステップS110の処理と同一であるため、異なる部分のみを説明し、同一部分の説明は省略する。
コントローラ10は、ステップS104の判別結果が、所定のエリア100に自機が位置するである場合(ステップS105でYes)、処理をステップS141に進める。コントローラ10は、ステップS141として、イヤホンの機能を制限する。例えば、コントローラ10は、ノイズキャンセル機能を実行している場合、当該ノイズキャンセル機能を一時的に停止させ、周囲の音が利用者に聞こえるようにしてもよい。例えば、コントローラ10は、音楽再生機能を実行している場合、当該音楽再生機能を一時的に停止させたり、音量を小さくさせたりしてもよい。コントローラ10は、イヤホンの機能を制限すると、上述したステップS106以降の処理を実行する。
コントローラ10は、ステップS110で報知処理を停止すると、ステップS142として、イヤホンの機能制限を解除する。例えば、コントローラ10は、ノイズキャンセル機能を制限させた場合、ノイズキャンセル機能の制限を解除する。例えば、コントローラ10は、音楽再生機能を停止させた場合、音楽再生機能を再開する。コントローラ10は、イヤホンの機能制限を解除すると、図6に示す処理手順を終了させる。
上述したように、スマートフォン1は、報知処理を実行する場合に、実行しているイヤホンの機能を制限することにより、報知音及び周囲の音を利用者に聞きやすくさせることができる。その結果、スマートフォン1は、報知音及び周囲の音を、イヤホンを装着している利用者に聞かせることにより、危険な箇所に近づいた利用者の事故防止に貢献することができる。
上記の実施形態では、スマートフォン1は、所定のエリア100が交差点、予め定められた危険なエリアを含む場合について説明したが、これに限定されない。例えば、スマートフォン1は、所定のエリア100が交差点、危険な地点、道路等に近づいたエリアとしてもよい。所定のエリア100は、利用者の複数の移動状態ごとに異なる設定としてもよい。例えば、所定のエリア100は、歩行での移動状態、走行での移動状態、自転車での移動状態の順に、エリアを徐々に広くしてもよい。
上記の実施形態では、スマートフォン1は、報知処理として、利用者に対して報知する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、スマートフォン1は、他の電子機器に対して報知してもよい。例えば、スマートフォン1は、報知処理を実行することにより、他の電子機器で自機の利用者に対する注意を促すための電波を、通信ユニット6から自機の周囲における不特定多数の他の電子機器に送出するようにしてもよい。他の電子機器は、例えば、路側機200、車両に搭載された車載器等を含む。
上記の実施形態では、電子機器の例として、スマートフォン1について説明したが、添付の請求項に係る電子機器は、スマートフォンに限定されない。添付の請求項に係る電子機器は、スマートフォン1以外の電子機器であってもよい。電子機器は、例えば、モバイルフォン、タブレット、携帯型パソコン、デジタルカメラ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、及びゲーム機を含むが、これに限定されない。
添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記の実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成を具現化するように構成されるべきである。