JP2018129213A - 燃料電池 - Google Patents

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Katsuhiko Kinoshita
克彦 木下
渡辺 祐介
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Abstract

【課題】樹脂シートを用いる燃料電池において、樹脂シートに設けたスリット等に導電性異物が侵入することに起因する短絡を抑える。【解決手段】燃料電池は、一対のガスセパレータ40,50と、一対のガスセパレータ間に配置された膜電極接合体10と、膜電極接合体の外周を囲み一対のガスセパレータに挟持された樹脂シート20と、を備える。樹脂シートには、反応ガスが流れるマニホールドと、一対のガスセパレータのうちの一方と膜電極接合体との間に形成されるセル内ガス流路と、を連通させるガス流路孔38aが設けられる。一対のガスセパレータの少なくとも一方には、膜電極接合体と対向する側の面上の領域であって、膜電極接合体とガスセパレータの積層方向から見たときにガス流路孔と重なる領域に絶縁層39が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、燃料電池に関する。
燃料電池は、一般に、一対のガスセパレータと、当該一対のガスセパレータの間に配置された膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly:以下、MEAとも呼ぶ)と、を備える単セルを積層することにより形成される。このような燃料電池では、MEAと一対のガスセパレータとの間に形成される流路のうちの一方の流路に燃料ガスの供給を受け、他方の流路に酸化ガスの供給を受けて発電する。そのため、MEAと一対のガスセパレータとの間に形成される流路の各々において、十分なシール性を確保する必要がある。燃料電池内の上記流路のシール性を確保するための構造として、従来、一対のガスセパレータ間において、MEAを囲むように枠体状の樹脂シート(支持フレーム)を配置する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
上記樹脂シートは、MEAの外周を囲んで配置されることにより、各電極上に形成される燃料ガスおよび酸化ガス(以下、反応ガスとも呼ぶ)の流路のシール性を確保する。そのため、樹脂シートにおいては、MEAの外側に形成される反応ガスの流路(ガスマニホールド)から、各電極上の反応ガス流路に対してガスを給排可能となるように、電極上の反応ガス流路とガスマニホールドとを連通させるためのスリット等が、特定の箇所に形成される。
特開2016−170960号公報
しかしながら、上記のように樹脂シートに設けたスリット等によって形成されるガス流路の大きさ(流路断面積)は、樹脂シートの厚みによって制限されるため、極めて小さい。そのため、上記スリット等によって形成されるガス流路内に導電性の異物が侵入した場合には、樹脂シートを挟持する一対のガスセパレータに異物が接触することにより、一対のガスセパレータ間で短絡が生じる可能性があった。そのため、シール部材として樹脂シートを用いる燃料電池において、樹脂シートに設けたスリット等により形成されるガス流路に導電性異物が侵入することに起因する短絡の問題を抑える技術が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、燃料電池が提供される。この燃料電池は、一対のガスセパレータと、前記一対のガスセパレータの間に配置された膜電極接合体と、前記膜電極接合体の外周を囲み、前記一対のガスセパレータに挟持された樹脂シートと、を備える。前記樹脂シートには、前記一対のガスセパレータおよび前記樹脂シートを貫通して設けられ、あるいは、前記一対のガスセパレータおよび前記樹脂シートに隣接して設けられ、反応ガスが流れるマニホールドと、前記一対のガスセパレータのうちの一方と前記膜電極接合体との間に形成されるセル内ガス流路と、を連通させるガス流路孔が設けられている。前記一対のガスセパレータの少なくとも一方には、前記膜電極接合体と対向する側の面上の領域であって、前記膜電極接合体と前記ガスセパレータの積層方向から見たときに前記ガス流路孔と重なる領域において絶縁層が形成されている。
この形態の燃料電池によれば、ガス流路孔が形成するガス流路内に導電性の異物が侵入した場合であっても、導電性の異物に起因して、一対のガスセパレータ間が短絡することを抑えることができる。
本発明は、燃料電池以外の種々の形態で実現することも可能である。例えば、燃料電池用単セル、単セルを積層した燃料電池スタック、燃料電池の製造方法、燃料電池用ガスセパレータ、燃料電池用ガスセパレータの製造方法、燃料電池における短絡防止構造等の形態で実現することができる。
燃料電池の構成の概略を表わす分解斜視図である。 燃料電池の構成を表わす断面模式図である。 樹脂シートの角部近傍を拡大して示す平面図である。 図2における4−4断面の様子を表わす断面模式図である。 図4における領域Cを拡大して示す断面模式図である。 スリットが形成するガス流路内に液水が侵入した様子を示す説明図である。 スリットが形成するガス流路内に液水が侵入した様子を示す説明図である。
A.燃料電池の全体構成:
図1は、本発明の一実施形態としての燃料電池の構成の概略を表わす分解斜視図である。また、図2は、図1における2−2断面の様子を表わす断面模式図である。以下では、図1および図2に基づいて、燃料電池の全体構成を説明する。図1および図2では、燃料電池セル100の構成を表わしており、本実施形態の燃料電池は、燃料電池セル100を複数積層してスタック構造を形成している。本願明細書では、燃料電池セル、および、燃料電池セルを積層した燃料電池スタックのいずれも、燃料電池と呼ぶ。本実施形態の燃料電池は、固体高分子形燃料電池であるが、固体酸化物形燃料電池等、他種の燃料電池とすることもできる。
燃料電池セル100は、一対のガスセパレータ40,50と、一対のガスセパレータ40,50の間に配置された膜電極接合体(MEA)10と、ガスセパレータ40,50の間において、MEA10の外周に接してMEA10の外側に配置された樹脂シート20と、を備えている。
MEA10は、図2に示すように、電解質層11を含んでおり、電解質層11の一方の面にはアノード12が設けられ、他方の面にはカソード13が設けられている。電解質層11は、高分子電解質材料、例えばフッ素樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好なプロトン伝導性を示す。アノード12およびカソード13は、例えば白金、あるいは白金合金等の触媒を担持した導電性粒子、例えばカーボン粒子を、プロトン伝導性を有する高分子電解質で被覆して形成される。アノード12およびカソード13が備える高分子電解質は、電解質層11を構成する高分子電解質と同種のポリマであっても良く、異種のポリマであっても良い。
燃料電池セル100では、MEA10を構成するアノード12上にはさらにガス拡散層14が配置されており、カソード13上にはさらにガス拡散層15が配置されている。MEA10にガス拡散層14,15が積層された構造を、膜電極ガス拡散層接合体(Membrane Electrode Gas diffusion layer Assembly:MEGA)17とも呼ぶ。
ガス拡散層14,15は、ガス透過性および電子伝導性を有する部材によって構成されており、例えば、発泡金属や金属メッシュなどの金属製部材や、カーボンクロスやカーボンペーパなどのカーボン製部材により形成することができる。なお、アノード12およびカソード13に対するガス供給時にガスを十分に拡散可能であれば、ガス拡散層14,15は必須ではない。
本実施形態の燃料電池セル100では、MEGA17を構成する各部は、いずれも矩形形状に形成されている。図2に示すように、電解質層11、アノード12、およびガス拡散層14(以下、アノード等とも呼ぶ)は、互いにほぼ同寸であって、各々の外周がほぼ一致するように積層されている。また、カソード13およびガス拡散層15(以下、カソード等とも呼ぶ)は、互いにほぼ同寸であって、各々の外周がほぼ一致するように積層されている。上記カソード等は、上記アノード等よりも縦横とも狭小とされており、カソード等の外周全体が、アノード等の外周から離間して内側に配置されている。電解質層11の周縁部において、カソード等に覆われていない露出領域は、後述するように接着層16を介して樹脂シート20に接合されている。
樹脂シート20は、熱可塑性樹脂を用いて枠状に成形され、その中央の開口部21をMEA10(MEGA17)の保持領域とする。樹脂シート20を構成する材料としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)から選択される樹脂を用いることができる。図1に示すように、樹脂シート20には複数のスリット部38が設けられているが、スリット部38については、後に詳しく説明する。
図2に示すように、電解質層11の周縁部において、カソード等に覆われていない露出領域は、接着層16を介して樹脂シート20に接着されている。接着層16は、例えば、熱硬化性を有する接着剤や、光硬化性(紫外線硬化性)接着剤によって形成することができる。
ガスセパレータ40は、MEA10上のガス拡散層14に接するように積層される。そして、ガスセパレータ40とアノード12との間には、水素を含有する燃料ガスを流すためのセル内燃料ガス流路22が形成されている。ガスセパレータ50は、MEA10上のガス拡散層15に接するように積層される。そして、ガスセパレータ50とカソード13との間には、酸化ガスとしての空気を流すためのセル内酸化ガス流路23が形成されている(図2参照)。以下では、一対のガスセパレータ40,50のうちの一方とMEA10との間に形成される流路、すなわち、セル内燃料ガス流路22およびセル内酸化ガス流路23を合わせて、セル内ガス流路とも呼ぶ。
ガスセパレータ40,50は、プレス成形したチタン(Ti)製のプレートにより形成されている。チタンは、一般的に、空気中で表面が酸化されて導電性を有しない不導体層を形成する。そのため、本実施形態では、ガスセパレータ40,50の表面を覆うように、導電性物質を含む導電層を形成して、ガスセパレータ40,50の表面における導電性を確保している(図示せず)。導電層は、例えば、PVD法により炭素(C)粒子が蒸着された炭素膜とすることができる。この場合、チタン製のプレート基材と炭素膜との間に、プレート基材と炭素皮膜との密着性を高める中間層、具体的には例えば炭化チタン(TiC)の層を設けてもよい。あるいは、導電層として、炭素膜に代えて、貴金属層を設けてもよい。貴金属層は、例えば、金(Au)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)を用いて、無電解めっきあるいは電解めっきにより形成することができる。
さらに、本実施形態では、ガスセパレータ40,50の表面であって、MEA10に対向する面上の特定領域において、絶縁層39を設けている(図1参照)。絶縁層39の構成、位置、および機能等については、後に詳しく説明する。
なお、隣り合う燃料電池セル100間において、一方の燃料電池セル100のガスセパレータ40と、他方の燃料電池セル100のガスセパレータ50との間には、ガスケット25が設けられている。隣り合う燃料電池セル100間には冷媒流路(以下、セル間冷媒流路とも呼ぶ)が形成されており、このセル間冷媒流路は、ガスケット25によってシールされている。
また、ガスセパレータ40,50および樹脂シート20には、各々の外周近傍において、MEA10およびガスセパレータ40,50を含む部材の積層方向(燃料電池セル100の積層方向でもあり、単に積層方向とも呼ぶ)に互いに重なる位置に、マニホールドを形成するためのマニホールド孔31〜36が設けられている。マニホールドは、ガスセパレータ40,50および樹脂シート20を貫通し、反応ガスまたは冷媒が流れる流路である。本実施形態では、マニホールド孔31,36は、セル内燃料ガス流路22との間で燃料ガスの給排を行なう流路を形成する。また、マニホールド孔33,34は、セル内酸化ガス流路23との間で酸化ガスの給排を行なう流路を形成する。また、マニホールド孔32,35は、単セル間に形成される冷媒流路との間で冷媒の給排を行なう流路を形成する。
B.スリットと絶縁層について:
図3は、樹脂シート20における、マニホールド孔36が形成された角部近傍領域の様子を拡大して示す平面図である。樹脂シート20において、マニホールド孔36と中央の開口部21との間には、マニホールド孔36の外周近傍から開口部21の外周近傍に向かって延びる細長い複数のスリット38aを備えるスリット部38が形成されている。スリット38aは、樹脂シート20を貫通する孔状に形成されている。そして、スリット38aは、樹脂シート20がガスセパレータ40,50に挟持されたときに、燃料電池セル100内において、マニホールド孔36が形成するマニホールドとセル内燃料ガス流路22とを連通させる流路を形成する。なお、樹脂シート20においては、図1に示すように、マニホールド孔31の近傍においても、燃料ガスのマニホールドとセル内燃料ガス流路22とを連通させるためのスリット部38が形成されている。また、マニホールド孔33,34の近傍においても、酸化ガスのマニホールドとセル内酸化ガス流路23とを連通させるためのスリット部38が形成されている。これらのスリット部38を構成する各スリット38aのことを、「ガス流路孔」ともいう。
ガスセパレータ40,50には、既述したように絶縁層39が設けられている。この絶縁層39は、積層方向から見たときに、樹脂シート20においてマニホールド孔31,33,34,36の各々に近接して設けられたスリット部38と重なる領域(特定領域A1)に設けられている。図1では、図示されるガスセパレータ40の面上に絶縁層39が設けられる様子を実線で示すと共に、図示されるガスセパレータ50の面の裏面上に絶縁層39が設けられる様子を破線で示している。図2では、特定領域A1の範囲を双方向の矢印によって示している。図3では、特定領域A1を破線で囲んで示している。図3に示すように、本実施形態では、絶縁層39は、スリット部38全体と積層方向に重なる(特定領域A1全体を覆う)ように設けられている。
なお、図2に示す断面の位置は、既述した図1と共に、図3においても示している。図2に示す断面は、スリット38aを通過する断面である。図2では、樹脂シート20における各スリット38a間の中実部がガスセパレータ40,50の双方に接する領域を、領域A2として示している。図2に示す特定領域A1の外周と領域A2の間の領域は、各スリット38aの両端部が位置すると共に、ガスセパレータ40,50の少なくとも一方が、隣り合うスリット38a間の中実部の表面から離間する領域である。このような領域を介して、各スリット38aとマニホールド(マニホールド孔36)の間、および、各スリット38aとセル内燃料ガス流路22との間が連通されている。なお、他のマニホールド孔31,33,34の近傍に設けられたスリット部38においても、同様の構造により、マニホールドおよびセル内ガス流路と連通されている。
本実施形態では、絶縁層39は、酸化チタン(TiO)によって形成されている。絶縁層39は、例えば、以下のようにして形成することができる。まず、ガスセパレータ40,50を構成するチタン製のプレート基材上に既述した導電層を形成した後に、絶縁層39を設けるべき領域において導電層を除去し、チタン製のプレート基材を露出させる。そして、プレート基板における露出された領域に、酸化チタンの皮膜を形成する。酸化チタンの皮膜の形成は、例えば、プレート基材における露出領域に対するプラズマ照射により行なうことができる。
あるいは、酸化チタンからなる絶縁層39を、ゾルゲル法により形成してもよい。すなわち、チタンアルコキシドを加水分解して得た原液を、導電層を除去した上記プレート基材上に塗布し、乾燥・加熱を行なうことにより、酸化チタン皮膜を形成してもよい。あるいは、ガスセパレータ40,50の表面の特定箇所から導電層を除去した後、空気中で放置して、チタン製のプレート基材表面を酸化させることにより絶縁層39を形成してもよい。ただし、生産効率を向上させる観点からは、プラズマ照射する等により、積極的に絶縁層39を形成することが望ましい。
以上のように構成された本実施形態の燃料電池によれば、ガスセパレータ40,50におけるMEA10に対向する側の表面(換言すれば、ガスセパレータ40,50の内面)において、スリット部38と積層方向に重なる領域に絶縁層39が設けられている。そして、この絶縁層39によって、各スリット38aが形成するガス流路において、ガスセパレータ40,50の表面によって構成される流路壁面の絶縁性が高められている。そのため、スリット38aが形成するガス流路内に導電性の異物が侵入した場合であっても、導電性の異物に起因して、ガスセパレータ40,50間が短絡することを抑えることができる。その結果、短絡に起因する燃料電池の性能低下を抑制することができる。
図4は、図2における4−4断面の様子を表わす断面模式図であり、図5は、図4における領域Cを拡大して示す断面模式図である。図4に示すように、スリット38aが形成するガス流路内に導電性異物FMが侵入すると、侵入した導電性異物FMが、ガスセパレータ40,50の双方と接する場合がある。このような場合であっても、本実施形態の燃料電池では、図5に示すようにガスセパレータ40,50の表面に絶縁層39が形成されているため、ガスセパレータ40,50間の短絡を抑えることができる。
なお、導電性の異物とは、例えば、燃料電池を製造する工程において、製造設備を構成する構成部材が摺動すること等により、上記構成部材の材料であるアルミニウムやステンレス鋼等の金属粉が生じ、ガスセパレータ等の燃料電池の構成部材に混入したものを挙げることができる。また、燃料電池に対して燃料ガスや酸化ガスを供給する配管や、金属製のガスセパレータ40,50から、長期にわたる使用の結果生じた金属粉を挙げることができる。あるいは、ガス拡散層14,15から脱落した微小なカーボン繊維を挙げることができる。
本実施形態の燃料電池によれば、絶縁層39を設けることにより、導電性異物FMに起因する短絡を抑える効果に加えて、さらに、スリット38aが形成するガス流路内における水詰まり(液水によるガス流路の閉塞)を抑える効果が得られる。
図6は、本実施形態の燃料電池において、スリット38aが形成するガス流路内に液水Wが侵入した様子を、図5と同様の断面において示す説明図である。また、図7は、本実施形態とは異なり、絶縁層39を設けていない燃料電池において、スリット38aが形成するガス流路内に液水Wが侵入した様子を、図5と同様の断面において示す説明図である。図7では、実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付している。酸化チタンの皮膜は、カーボンの皮膜や金属の皮膜に比べて、極めて高い親水性を有している。そのため、スリット38aが形成するガス流路内に液水Wが侵入した場合には、侵入した液水Wは、図6に示すように絶縁層39の表面に沿って薄く広がる。そのため、上記ガス流路の中央部では空間が確保されて、図7に示すような水詰まりの発生が抑えられる。その結果、スリット38a内に液水Wが侵入した場合であっても、ガス流れを維持して、水詰まりに起因する発電性能の低下を抑えることができる。
C.変形例:
・変形例1:
上記実施形態では、絶縁層39は、ガスセパレータ40,50上において、図2に示す特定領域A1全体を覆うように設けたが、異なる構成としてもよい。特定領域A1の少なくとも一部であって、スリット38aが形成するガス流路の壁面の一部を構成する領域に絶縁層39を設けるならば、絶縁層39を設けた箇所において、ガスセパレータ40,50間の短絡を抑える効果が得られる。ただし、短絡抑制の効果を高めるためには、スリット38aが延びる方向に関しては、ガスセパレータ40,50が、樹脂シート20における隣り合うスリット38a間の中実部に接する領域、すなわち、図2に示す領域A2全体に、絶縁層39を設けることが望ましい。
・変形例2:
上記実施形態では、絶縁層39は、マニホールド孔に近接して設けられた個々のスリット部38全体を覆うように設けられているが、異なる構成としてもよい。例えば、個々のスリット38a毎に、スリット38aの開口を塞ぐ形状の絶縁層39を設けてもよい。積層方向から見たときにスリット38aと重なる領域に、絶縁層39が設けられていればよい。ガスセパレータにおける、スリット38aが形成するガス流路の壁面を構成する領域に、膜電極接合体と積層方向に重なる集電領域よりも導電性が低い絶縁層を設けるならば、実施形態と同様に短絡防止の効果が得られる。ただし、生産効率を向上させ、位置合わせを容易化する観点からは、スリット38a毎ではなく、スリット部38全体を覆うように絶縁層39を設けることが望ましい。
・変形例3:
上記実施形態では、絶縁層39は、ガスセパレータ40,50の双方において、マニホールド孔31,33,34,36の各々に近接する領域に設けたが、異なる構成としてもよい。例えば、ガス流入側のマニホールド孔とガス流出側のマニホールド孔のうちのいずれか一方の近傍に設けたスリット38aと重なる領域のみに、絶縁層39を設けてもよい。また、導電性異物FMの侵入が、燃料ガス流路側と酸化ガス流路側の一方において特に問題となる場合には、当該一方のガス流路側のスリット38aと重なる領域のみに、絶縁層39を設けてもよい。あるいは、ガスセパレータ40,50のうちの一方のみに絶縁層39を設けてもよい。ただし、短絡防止の信頼性を高める観点からは、ガスセパレータ40,50の双方に絶縁層39を設けることが望ましい。
・変形例4:
上記実施形態では、チタン製のガスセパレータ上に、酸化チタンの皮膜である絶縁層39を設けたが、異なる構成としてもよい。ガスセパレータは、ガス不透過であれば、ステンレス鋼等のチタン以外の金属により形成してもよく、緻密質カーボン部材など金属製以外の導電性部材によって形成してもよい。また、絶縁層39の構成材料は、燃料電池内の使用環境で安定であって、十分な絶縁性を有する物質であれば特に制限はなく、このような絶縁性物質を、ガスセパレータ表面に例えば噴霧付着させることにより絶縁層39を形成すればよい。絶縁性物質としては、絶縁性の樹脂を用いることとしてもよい。
・変形例5:
上記実施形態では、図2に示すように、アノード12およびガス拡散層14は、カソード13およびガス拡散層15よりも大きく、カソード13およびガス拡散層15の外周の外側にはみ出すように配置されているが、異なる構成としてもよい。例えば、図2において、アノード12およびガス拡散層14と、カソード13およびガス拡散層15とを入れ替えて、アノード12およびガス拡散層14と、カソード13およびガス拡散層15との大小関係を逆にしてもよい。あるいは、MEGA17の構成部材全体をほぼ同じ大きさとして、積層方向に外周同士が重なる配置としてもよい。この場合には、MEGA17の外周に、額縁状(矩形の枠状)の部材を固着させて、この部材によって、MEGA17と樹脂シート20とを接続すればよい。いずれの場合であっても、ガスセパレータ上において、積層方向から見たときに樹脂シート20のスリット38aと重なる領域に絶縁層39が設けられていれば、実施形態と同様の効果が得られる。
・変形例6:
上記実施形態の燃料電池は、ガスセパレータ40,50および樹脂シート20にマニホールド孔31〜36を設けた、いわゆる内部マニホールド型の燃料電池としたが、異なる構成としてもよい。例えば、燃料電池スタックの外部にマニホールドを外付けし、ガスセパレータおよび樹脂シートに隣接してマニホールドを設ける構成、いわゆる外部マニホールド型の燃料電池としてもよい。いずれの場合であっても、ガスセパレータ上において、MEAの外部に設けられたマニホールドとセル内ガス流路とを連通させるように樹脂シートに設けられたスリットと積層方向に重なる領域に絶縁層39を設けるならば、実施形態と同様の効果が得られる。
本発明は、上述の実施形態や変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…MEA
11…電解質層
12…アノード
13…カソード
14,15…ガス拡散層
16…接着層
17…MEGA
20…樹脂シート
21…開口部
22…セル内燃料ガス流路
23…セル内酸化ガス流路
25…ガスケット
31〜36…マニホールド孔
38…スリット部
38a…スリット
39…絶縁層
40,50…ガスセパレータ
100…燃料電池セル

Claims (1)

  1. 燃料電池であって、
    一対のガスセパレータと、
    前記一対のガスセパレータの間に配置された膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体の外周を囲み、前記一対のガスセパレータに挟持された樹脂シートと、
    を備え、
    前記樹脂シートには、前記一対のガスセパレータおよび前記樹脂シートを貫通して設けられ、あるいは、前記一対のガスセパレータおよび前記樹脂シートに隣接して設けられ、反応ガスが流れるマニホールドと、前記一対のガスセパレータのうちの一方と前記膜電極接合体との間に形成されるセル内ガス流路と、を連通させるガス流路孔が設けられており、
    前記一対のガスセパレータの少なくとも一方には、前記膜電極接合体と対向する側の面上の領域であって、前記膜電極接合体と前記ガスセパレータの積層方向から見たときに前記ガス流路孔と重なる領域において絶縁層が形成されている
    燃料電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018181500A (ja) * 2017-04-07 2018-11-15 トヨタ自動車株式会社 燃料電池単セルの製造方法
US11658312B2 (en) 2020-05-26 2023-05-23 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha Manufacturing method for fuel cell

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