JP2018128532A - 顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】同焦点距離が異なる対物レンズに交換する場合であっても、簡易な操作で交換することができる顕微鏡を提供する。
【解決手段】顕微鏡10は、装着された対物レンズ122および複数のズームレンズ123を介して標本SPの観察像を結像するズームヘッド120と、ズームヘッド120をステージ110が載置された面と直交する直交方向へ移動させる駆動部131cと、ズームヘッド120に装着された対物レンズ122から同焦点距離が異なる交換予定の対物レンズ122に交換する場合、交換予定の対物レンズ122の同焦点距離に応じた直交方向の位置にズームヘッド120を移動するように駆動部131cを制御する駆動制御部404と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、試料に対して照明光を照射して該試料で反射した光を集光して結像させた観察像を観察する顕微鏡に関する。
従来、顕微鏡の分野においては、観察光学系にCCD(Charge Coupled Device)等の撮像部が取り付けられたデジタルマイクロスコープを用いて試料を観察する技術が知られている(特許文献1参照)。この技術では、複数の検鏡法の各々で試料を撮像した複数の画像を表示モニタに一覧表示させることによって、ユーザに最適な検鏡法を直感的に把握させる。
特開2010−232911号公報
ところで、上述した特許文献1の顕微鏡では、同焦点距離が異なる対物レンズを交換しながら試料を観察することができる。しかしながら、上述した特許文献1の顕微鏡では、対物レンズの交換を行う場合において、ズームヘッドに装着された対物レンズの同焦点距離よりも交換予定の対物レンズの同焦点距離が長いとき、そのままの状態で対物レンズの交換を行うことができず、再度、ズームヘッドを垂直方向へ移動させながら焦点を調整しなければならないため、作業が煩雑になるという問題点があった。
具体的には、上述した特許文献1の顕微鏡では、図6Aおよび図6Bに示すように、ズームヘッド3に装着された対物レンズ2aの同焦点距離d1よりも交換予定の対物レンズ2bの同焦点距離d3が短い場合、作動距離(d2<d4)が長くなるうえ、同焦点距離も短くなることで、そのままの状態で交換予定の対物レンズ2bに交換することができるが、ズームヘッド3の焦点の調整が必要となる一方、図7Aおよび図7Bに示すように、ズームヘッド3に装着された対物レンズ2bの同焦点距離d3よりも交換予定の対物レンズ2aの同焦点距離d1が長い場合、作動距離が長くなるうえ、同焦点距離も長くなるため、交換予定の対物レンズ2aの先端が標本SPに接触してしまい、対物レンズ2aの交換を行うことができないという問題点があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、同焦点距離が異なる対物レンズに交換する場合であっても、簡易な操作で交換することができる顕微鏡を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る顕微鏡は、標本が載置されるステージと、対物レンズと、前記ステージが載置された面と直交する直交方向へ移動可能であるとともに、同焦点距離が異なる対物レンズを装着可能であり、前記標本に対する観察倍率を変更可能な複数のズームレンズを有し、装着された対物レンズおよび前記複数のズームレンズを介して前記標本の観察像を結像するズームヘッドと、前記ズームヘッドを前記直交方向へ移動させる駆動部と、前記ズームヘッドに装着された対物レンズを検出するレンズ検出部と、前記レンズ検出部が前記ズームヘッドに装着された対物レンズを検出できなくなった場合、交換予定の対物レンズの同焦点距離に応じた前記直交方向の位置に前記ズームヘッドを移動するように前記駆動部を制御する駆動制御部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る顕微鏡は、上記発明において、前記交換予定の対物レンズの同焦点距離を含むレンズ情報の入力を受け付ける入力部と、前記直交方向における前記ズームヘッドの位置を検出する位置検出部と、前記入力部が入力を受け付けた前記レンズ情報と前記位置検出部が検出した前記位置とに基づいて、前記ズームヘッドの移動距離を算出する算出部と、をさらに備え、前記駆動制御部は、前記算出部が算出した前記移動距離に基づいて、前記駆動部を制御させることを特徴とする。
また、本発明に係る顕微鏡は、上記発明において、前記ズームヘッドを前記複数のズームレンズの各々の光軸と直交する軸を中心に回動させることにより、前記光軸を前記ステージの主面と直交する軸に対して傾斜させる回転機構と、前記直交方向に対する前記光軸の回転角度を検出する回転角度検出部と、前記回転角度検出部が検出した前記回転角度に基づいて、前記ズームヘッドが傾斜しているか否かを判定する判定部と、前記交換予定の対物レンズに交換する場合において、前記判定部によって前記ズームヘッドが傾斜していると判定されたとき、前記ズームヘッドを前記光軸と前記直交方向とが一致する初期位置へ移動させる旨の警告を出力する出力部と、をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明に係る顕微鏡は、上記発明において、前記出力部は、前記ズームヘッドが前記ステージ側へ移動する場合、前記ズームヘッドの位置の確認を促す旨の警告を出力することを特徴とする。
また、本発明に係る顕微鏡は、上記発明において、前記駆動制御部は、前記レンズ検出部が前記ズームヘッドに装着された対物レンズを検出できなくなった場合、前記ズームヘッドを移動するように前記駆動部を制御することを特徴とする。
また、本発明に係る顕微鏡は、上記発明において、前記複数のズームレンズの各々を光軸に沿って移動させるレンズ駆動部をさらに備え、前記駆動制御部は、前記レンズ検出部が前記ズームヘッドに装着された対物レンズを検出できなくなった場合、前記複数のズームレンズによる観察倍率が最低倍率になるように前記レンズ駆動部を制御することを特徴とする。
本発明によれば、同焦点距離が異なる対物レンズに交換する場合であっても、簡易な操作で交換することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る顕微鏡システムの概略構成を示す図である。 図2は、本発明の実施の形態1に係る顕微鏡システムの要部の概略構成を模式的に示す正面図である。 図3は、本発明の実施の形態1に係る顕微鏡システムが実行する処理の概要を示すフローチャートである。 図4は、本発明の実施の形態1の変形例に係る顕微鏡システムが実行する処理の概要を示すフローチャートである。 図5は、本発明の実施の形態2に係る顕微鏡システムが実行する処理の概要を示すフローチャートである。 図6Aは、従来の顕微鏡における同焦点距離が長い対物レンズから同焦点距離が短い対物レンズに交換する概要を模式的に示す図である。 図6Bは、従来の顕微鏡における同焦点距離が長い対物レンズから同焦点距離が短い対物レンズに交換する概要を模式的に示す図である。 図7Aは、従来の顕微鏡における同焦点距離が短い対物レンズから同焦点距離が長い対物レンズに交換する概要を模式的に示す図である。 図7Bは、従来の顕微鏡における同焦点距離が短い対物レンズから同焦点距離が長い対物レンズに交換する概要を模式的に示す図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、「実施の形態」という)について説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって、本発明が限定されるものではない。また、以下の説明において参照する各図は、本発明の内容を理解でき得る程度に形状、大きさ、および位置関係を概略的に示してあるに過ぎない。すなわち、本発明は、各図で例示された形状、大きさ、および位置関係のみに限定されるものではない。
(実施の形態1)
〔顕微鏡システムの構成〕
図1は、本発明の実施の形態1に係る顕微鏡システムの概略構成を示す図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る顕微鏡システムの要部の概略構成を模式的に示す正面図である。なお、図1および図2において、顕微鏡システム1が載置される平面をXY平面とし、XY平面と直交する方向をZ方向として説明する。
図1および図2に示す顕微鏡システム1は、観察対象の標本SPの観察像を取得する顕微鏡10と、顕微鏡10が取得した観察像を表示する表示装置20と、顕微鏡10に関する各種情報の入力を受け付ける入力装置30と、顕微鏡システム1の各部を制御する顕微鏡制御装置40と、を備える。
〔顕微鏡の構成〕
まず、顕微鏡10の詳細な構成について説明する。
顕微鏡10は、ベース部100と、回転軸101および軸受け部102を介してベース部100に設置された支柱103と、標本SPが載置される略板状のXYステージ110と、XYステージ110をZ方向へ移動可能に保持するステージホルダ111と、ベース部100に対するステージホルダ111の高さを変化させるステージ操作部112と、XYステージ110上に設けられ、観察光学系を有するズームヘッド120(光学ヘッド)と、支柱103に対してズームヘッド120を移動可能に保持するズームヘッド保持部130と、回転軸101の回転角度を検出する回転角度検出部140と、を備える。なお、顕微鏡10は、上述した構成以外に、標本SPに照明光を照射する照明光学系をさらに備えてもよい。照明光学系としては、例えばXYステージ110の下側に設けられ、標本SPに向けて照明光を照射する透過照明光学系、XYステージ110の上側に設けられ、標本SPに向けて照明光を照射する落射照明光学系、標本SPに対して照明光を斜めから照射する斜照明光学系、標本SPに対して照明光を斜めから照射する円環状のリング照明光学系のいずれであってもよい。
回転軸101は、ベース部100に対して固定して設けられている。また、軸受け部102は、回転軸101と共通の回転中心軸R1が支柱103の軸R2と直交するように、支柱103の端部103aに固定されている。軸受け部102は、回転軸101に嵌合される。支柱103は、軸R2が回転中心軸R1と直交し、回転中心軸R1を中心として回転する。即ち、回転軸101および軸受け部102は、ズームヘッド保持部130を介して支柱103と連結されたズームヘッド120の回転中心軸R1を回転軸とする回転機構として機能する。これにより、ズームヘッド120がXY平面において傾斜(ティルト)することができる。なお、本実施の形態1では、ズームヘッド120の傾斜を手動により行うが、モータおよびギア等の駆動機構を用いてズームヘッド120を電動で傾斜できるようにしてもよい。また、本実施の形態1においては、ズームヘッド120の傾斜角度を適宜変更することができる。さらに、ベース部100には、回転中心軸R1を示す回転中心印や角度等を設けてもよい。
XYステージ110は、略板状をなす第1部材110a、第2部材110bおよび第3部材110cが順に積層されてなる。XYステージ110は、例えば第1部材110aを基準(固定)とし、ステージ操作部112によって第2部材110bおよび第3部材110cを第1部材110aの板面を平面とする面上を移動させる。この場合、第2部材110bおよび第3部材110cは、互いに直交する方向(X方向およびY方向)に移動する。
ステージ操作部112は、例えばユーザが手動で回転操作可能なハンドル112aと、リニアガイド112bと、を有する。ステージ操作部112は、ユーザがハンドル112aを回転させた場合、その回転方向および回転量に応じて、ステージホルダ111をXYステージ110の主面と直交する方向(Z方向)に移動させる。
ズームヘッド120は、ズームヘッド120の一端側(XYステージ110側)に設けられたレボルバ121と、レボルバ121を介してズームヘッド120に装着され、互いに倍率が異なり、かつ、互いの同焦点距離が同じ複数の対物レンズ122と、ズームヘッド120の内部に設けられた複数のズームレンズ123と、ズームヘッド120の内部に設けられ、ズームヘッド120の焦点深度を変更可能なフォーカスレンズ124と、ズームヘッド120の他端側(ユーザ側)に設けられ、標本SPの観察像を撮像する撮像部128と、ズームレンズ123およびフォーカスレンズ124をZ方向に移動させることにより、ズームヘッド120による標本SPの倍率および焦点深度を変更するレンズ駆動部126と、レボルバ121を介してズームヘッド120に装着された対物レンズ122の倍率、同焦点距離およびID等を含むレンズ情報を検出して顕微鏡制御装置40へ出力するレンズ検出部127と、標本SPの観察像を撮像する撮像部128と、を有する。なお、本実施の形態1においては、対物レンズ122、複数のズームレンズ123およびフォーカスレンズ124が観察光学系として機能する。
レンズ駆動部126は、例えばステッピングモータやDCモータ等を用いて構成され、顕微鏡制御装置40の制御のもと、駆動することによって、ズームレンズ123をZ方向に移動させる。
レンズ検出部127は、例えば対物レンズ122に設けられたICチップ(図示せず)の記録媒体からレンズ情報を検出して顕微鏡制御装置40へ出力する。
撮像部128は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子を有し、観察光学系を介して結像された標本SPの観察像を受光して光電変換を行うことによって標本SPの画像データ(撮像信号)を生成して顕微鏡制御装置40へ出力する。
ズームヘッド保持部130は、ズームヘッド120側に固定されてなるヘッド操作部131と、支柱103側に固定された支持具132と、を有する。支持具132は、固定ハンドル133によって支柱103に締結されている。また、支柱103には、下側ストッパ134が設けられており、支持具132のずり落ちを防止する。なお、支柱103に対する支持具132の位置は、例えば固定ハンドル133を一旦緩めるなどして、ユーザが手動で調節することもできる。
ヘッド操作部131は、例えば軸R2およびズームヘッド120の光軸L1の双方に平行となるように設けられたリニアガイド131aと、例えばユーザが手動で回転操作可能なハンドル131bと、ズームヘッド120を軸R2(リニアガイド131a)に沿ってZ方向へ移動させる駆動部131cと、ズームヘッド120のZ方向における位置を検出する位置検出部131dと、を有する。ヘッド操作部131は、リニアガイド131aを介して支持具132と連結しており、ハンドル131bの操作により、支持具132に対する軸R2方向における位置を変化させる。これにより、ズームヘッド120は、軸R2に沿って移動する。
駆動部131cは、顕微鏡制御装置40の制御のもと、ズームヘッド120をZ方向へ移動させる。駆動部131cは、ステッピングモータやDCモータを用いて構成される。
位置検出部131dは、Z方向におけるズームヘッド120の位置を検出し、この検出結果を顕微鏡制御装置40へ出力する。位置検出部131dは、例えばエンコーダ、リニアスケールまたは光カプラ等を用いて構成される。
回転角度検出部140は、回転軸101の回転角度を検出し、この検出結果を顕微鏡制御装置40へ出力する。回転角度検出部140は、例えばエンコーダ、リニアスケールまたは光カプラ等を用いて構成される。
〔表示装置の構成〕
次に、表示装置20の構成について説明する。
表示装置20は、顕微鏡制御装置40の制御のもと、顕微鏡10の撮像部128が生成した画像データに対応する画像や顕微鏡システム1の各種情報を表示する。表示装置20は、液晶や有機EL(Electro Luminescence)等の表示パネルを用いて構成される。
〔入力装置の構成〕
次に、入力装置30の構成について説明する。
入力装置30は、ズームヘッド120の移動を指示する指示信号の入力を受け付ける。入力装置30は、マウス、キーボードおよびボタンやダイヤルスイッチを有する操作デバイス等を用いて構成される。なお、本実施の形態1では、顕微鏡制御装置40を介して入力装置30を顕微鏡10に接続しているが、これに限定されることなく、直接、顕微鏡10に接続してもよい。
〔顕微鏡制御装置の構成〕
次に、顕微鏡制御装置40の構成について説明する。
顕微鏡制御装置40は、顕微鏡システム1を構成する各部の動作を統括的に制御する。顕微鏡制御装置40は、入力装置30が入力を受け付けた各種の指示信号に基づいて、レンズ駆動部126または駆動部131cを駆動することによって、ズームヘッド120をZ方向に移動させる、またはズームヘッド120の視野領域(観察倍率)を変更する。顕微鏡制御装置40は、CPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)およびFPGA(Field Programmable Gate Array)のいずれか1つと、不揮発性メモリおよび揮発性メモリ等の記録媒体と、を用いて構成される。
ここで、顕微鏡制御装置40の詳細な構成について説明する。顕微鏡制御装置40は、判定部401と、算出部402と、画像処理部403と、駆動制御部404と、表示制御部405と、を有する。
判定部401は、レンズ検出部127から入力される信号に基づいて、レボルバ121から対物レンズ122が外されたか否かを判定する。
算出部402は、入力装置30が入力を受け付けたレンズ情報と位置検出部131dが検出したズームヘッド120の位置とに基づいて、ズームヘッド120の移動距離を算出する。
画像処理部403は、撮像部128が生成した画像データに対して、各種の画像処理を行う。具体的には、画像処理部403は、画像データに対して、ホワイトバランス調整処理やデモザイキング処理等の画像処理を行う。また、画像処理部403は、撮像部128から順次入力される画像データに基づいて、合焦評価値を算出する。ここで、合焦評価値とは、連続する画像データのコントラストに基づく評価値である。
駆動制御部404は、ズームヘッド120に装着された対物レンズ122から同焦点距離が異なる交換予定の対物レンズ122に交換する場合、交換予定の対物レンズ122の同焦点距離に応じたZ方向の位置にズームヘッド120を移動するように駆動部131cを制御する。具体的には、駆動制御部404は、算出部402が算出した移動距離に基づいて、駆動部131cを駆動させることによって、ズームヘッド120を移動させる。
〔顕微鏡システムの処理〕
次に、顕微鏡システム1が実行する処理について説明する。図3は、顕微鏡システム1が実行する処理の概要を示すフローチャートである。
図3に示すように、まず、判定部401は、レンズ検出部127から入力される信号に基づいて、レボルバ121から対物レンズ122が外されたか否かを判定する(ステップS101)。判定部401がレボルバ121から対物レンズ122が外されたと判定した場合(ステップS101:Yes)、顕微鏡システム1は、後述するステップS102へ移行する。これに対して、判定部401がレボルバ121から対物レンズ122が外されていないと判定した場合(ステップS101:No)、判定部401は、この判定を所定の時間間隔(例えば10秒)で行う。
ステップS102において、判定部401は、入力装置30から交換する対物レンズ122に関するレンズ情報が入力されたか否かを判定する。判定部401が入力装置30からレンズ情報が入力されたと判定した場合(ステップS102:Yes)、顕微鏡システム1は、後述するステップS103へ移行する。これに対して、判定部401が入力装置30からレンズ情報が入力されていないと判定した場合(ステップS102:No)、判定部401は、この判定を所定の時間間隔(例えば10秒)で行う。
ステップS103において、算出部402は、ズームヘッド120のZ方向における現在の位置情報を取得する。
続いて、算出部402は、ズームヘッド120のZ方向における現在の位置情報とレンズ情報とに基づいて、ズームヘッド120の移動距離を算出する(ステップS104)。
その後、駆動制御部404は、算出部402が算出した移動距離に基づいて、駆動部131cを駆動することによって、ズームヘッド120を移動させる(ステップS105)。
続いて、判定部401は、レンズ検出部127から入力される信号に基づいて、レボルバ121に対物レンズ122が装着されたか否かを判定する(ステップS106)。判定部401がレボルバ121に対物レンズ122が装着されたと判定した場合(ステップS106:Yes)、顕微鏡システム1は、本処理を終了する。これに対して、判定部401がレボルバ121に対物レンズ122が装着されていないと判定した場合(ステップS106:No)、判定部401は、この判定を所定の時間間隔(例えば10秒)で行う。
以上説明した本発明の実施の形態1によれば、ズームヘッド120に装着された対物レンズ122から同焦点距離が異なる交換予定の対物レンズ122に交換する場合、駆動制御部404が交換予定の対物レンズ122の同焦点距離に応じたZ方向の位置にズームヘッド120を移動するように駆動部131cを制御するので、同焦点距離が異なる対物レンズに交換する場合であっても、簡易な操作で交換することができる。
また、本発明の実施の形態1によれば、駆動制御部404が算出部402によって算出された移動距離に基づいて、駆動部131cを駆動させるので、対物レンズ122の交換直後に所望する位置を観察することができる。
また、本発明の実施の形態1によれば、駆動制御部404が算出部402によって算出された移動距離に基づいて、駆動部131cを駆動させるので、同焦点距離が異なる対物レンズ122に交換した場合であっても、合焦のずれを最小限に抑えることができる。
また、本発明の実施の形態1によれば、駆動制御部404が算出部402によって算出された移動距離に基づいて、駆動部131cを駆動させるので、同焦点距離が異なる対物レンズ122に交換した場合であっても、観察視野のずれを最小限に抑えることができる。
(実施の形態1の変形例)
次に、本発明の実施の形態1の変形例について説明する。本実施の形態1の変形例に係る顕微鏡システムは、上述した実施の形態1に係る顕微鏡システム1と同様の構成を有し、実行する処理が異なる。以下においては、上述した実施の形態1の変形例に係る顕微鏡システムが実行する処理について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る顕微鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
〔顕微鏡システムの処理〕
図4は、本発明の実施の形態1の変形例に係る顕微鏡システム1が実行する処理の概要を示すフローチャートである。ステップS201〜ステップS203は、上述した図3のステップS102〜ステップS104それぞれに対応する。また、ステップS204は、上述した図3のステップS101に対応する。さらに、ステップS205およびステップS206は、上述した図3のステップS105およびステップS106それぞれに対応する。このように、本実施の形態1の変形例では、対物レンズ122のレンズ情報を入力した後に、レボルバ121を対物レンズ122から外した後に、ズームヘッド120を移動させる。
以上説明した本発明の実施の形態1の変形例によれば、ズームヘッド120に装着された対物レンズ122から同焦点距離が異なる交換予定の対物レンズ122に交換する場合、駆動制御部404が交換予定の対物レンズ122の同焦点距離に応じたZ方向の位置にズームヘッド120を移動するように駆動部131cを制御するので、同焦点距離が異なる対物レンズに交換する場合であっても、簡易な操作で交換することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態2に係る顕微鏡システムは、上述した実施の形態1に係る顕微鏡システム1と同一の構成を有し、実行する処理が異なる。以下においては、本実施の形態2に係る顕微鏡システムが実行する処理について説明する。なお、上述した実施の形態1に係る顕微鏡システム1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
〔顕微鏡システムの処理〕
図5は、本発明の実施の形態2に係る顕微鏡システム1が実行する処理の概要を示すフローチャートである。ステップS301およびステップS302は、上述した図3のステップS101およびステップS102それぞれに対応する。
ステップS303において、判定部401は、ズームヘッド120が傾斜しているか否かを判定する。判定部401によってズームヘッド120が傾斜していると判定された場合(ステップS303:Yes)、表示制御部405は、表示装置20に警告を表示させる(ステップS304)。例えば、表示制御部405は、表示装置20にズームヘッド120を初期位置へ移動する旨の警告を表示装置20に表示させる。ここで、初期位置とは、支柱103の軸R2が回転中心軸R1と直交する位置である。ステップS304の後、顕微鏡システム1は、上述したステップS303へ戻る。
ステップS303において、判定部401によってズームヘッド120が傾斜していないと判定された場合(ステップS303:No)、顕微鏡システム1は、後述するステップS305へ移行する。
続いて、算出部402は、ズームヘッド120のZ方向における現在の位置情報を取得し(ステップS305)、現在の位置情報とレンズ情報とに基づいて、ズームヘッド120の移動距離と移動方向を算出する(ステップS306)。
その後、判定部401は、ズームヘッド120の移動方向が安全であるか否かを判定する(ステップS307)。具体的には、判定部401は、ズームヘッド120の移動方向がXYステージ110側へ移動するか否かを判定する。判定部401がズームヘッド120の移動方向が安全であると判定した場合(ステップS307:Yes)、駆動制御部404は、算出部402によって算出された移動方向かつ、移動距離となるように、ズームヘッド120を移動させる(ステップS308)。ステップS308の後、顕微鏡システム1は、後述するステップS310へ移行する。
ステップS307において、判定部401がズームヘッド120の移動方向が安全でないと判定した場合(ステップS307:No)、表示制御部405は、表示装置20に警告を表示させる(ステップS309)。具体的には、表示制御部405は、レボルバ121に装着予定の対物レンズ122を装着することを禁止する旨の警告およびズームヘッド120の位置の確認を促す旨の警告を表示装置20に表示させる。なお、表示制御部405は、メッセージに替えて、光または音等で表示装置20に出力させてもよい。ステップS309の後、顕微鏡システム1は、上述したステップS305へ戻る。
ステップS310において、判定部401は、レンズ検出部127から入力される信号に基づいて、レボルバ121から対物レンズ122が装着されたか否かを判定する。判定部401がレボルバ121から対物レンズ122が装着されたと判定した場合(ステップS310:Yes)、顕微鏡システム1は、後述するステップS311へ移行する。これに対して、判定部401がレボルバ121から対物レンズ122が装着されていないと判定した場合(ステップS310:No)、判定部401は、この判定を所定の時間間隔(例えば10秒)で行う。
ステップS311において、判定部401は、ズームヘッド120の焦点が合焦状態であるか否かを判定する。具体的には、判定部401は、画像処理部403が撮像部128によって生成された画像データに基づいて算出した合焦評価値に基づいて、ズームヘッド120の焦点が合焦状態であるか否かを判定する。判定部401がズームヘッド120の焦点が合焦状態であると判定した場合(ステップS311:Yes)、顕微鏡システム1は、本処理を終了する。これに対して、判定部401がズームヘッド120の焦点が合焦状態でないと判定した場合(ステップS311:No)、顕微鏡システム1は、後述するステップS312へ移行する。
ステップS312において、顕微鏡制御装置40は、ズームヘッド120の焦点調整の確認メッセージを表示装置20に表示させる。
続いて、入力装置30から焦点を調整する指示信号が入力された場合(ステップS313:Yes)、駆動制御部404は、ズームヘッド120を合焦方向へ移動させる(ステップS314)。ステップS314の後、顕微鏡システム1は、上述したステップS311へ戻る。
ステップS313において、入力装置30から焦点を調整する指示信号が入力されていない場合(ステップS313:No)、顕微鏡システム1は、本処理を終了する。
以上説明した本発明の実施の形態2によれば、ズームヘッド120に装着された対物レンズ122から同焦点距離が異なる交換予定の対物レンズ122に交換する場合、駆動制御部404が交換予定の対物レンズ122の同焦点距離に応じたZ方向の位置にズームヘッド120を移動するように駆動部131cを制御するので、同焦点距離が異なる対物レンズ122に交換する場合であっても、簡易な操作で交換することができる。
また、本発明の実施の形態2によれば、駆動制御部404が算出部402によって算出された移動距離に基づいて、駆動部131cを駆動させるので、対物レンズ122の交換直後に所望する位置を観察することができる。
また、本発明の実施の形態2によれば、駆動制御部404が算出部402によって算出された移動距離に基づいて、駆動部131cを駆動させるので、同焦点距離が異なる対物レンズ122に交換する場合であっても、合焦した状態で観察することができる。
また、本発明の実施の形態2によれば、駆動制御部404が算出部402によって算出された移動距離に基づいて、駆動部131cを駆動させるので、同焦点距離が異なる対物レンズ122に交換した場合であっても、観察視野のずれを最小限に抑えることができる。
なお、本発明の実施の形態2では、同焦点距離の異なる対物レンズ122に交換された場合、駆動制御部404がズームヘッド120による観察倍率が最小倍率となるようにレンズ駆動部126を制御するようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態2では、同焦点距離の異なる対物レンズ122に交換された場合、対物レンズ122の交換前後における視野領域が同一となるようにレンズ駆動部126を制御するようにしてもよい。
また、本発明の実施の形態2では、判定部401によってズームヘッド120が傾斜していると判定された場合、表示制御部405が表示装置20に警告を表示させていたが、例えば交換される対物レンズ122の同焦点距離に応じて、ズームヘッド120の傾斜角度に一定の範囲を持たせても良い。
(その他の実施の形態)
本発明では、顕微鏡、制御装置、入力装置および表示装置を備えた顕微鏡システムを例に説明したが、たとえば標本を拡大する対物レンズ、対物レンズを介して標本を撮像する撮像機能、および画像を表示する表示機能を備えた撮像装置、たとえばビデオマイクロスコープ等であっても、本発明を適用することができる。
また、本発明では、対物レンズ122の交換前のズームヘッド120の回転角度を記録し、この記録した回転角度と現在のズームヘッド120の回転角度とを表示制御部405が表示装置20に表示させてもよい。もちろん、表示制御部405は、音によって表示装置20に出力させてもよい。
また、本発明では、対物レンズ122の交換前のズームヘッド120の回転角度を記録し、この記録した回転角度にズームヘッド120の回転が到達した場合、ズームヘッド120の移動を停止するようにしてもよい。
なお、本明細書におけるフローチャートの説明では、「まず」、「その後」、「続いて」、「そして」等の表現を用いてステップ間の処理の前後関係を明示していたが、本発明を実施するために必要な処理の順序は、それらの表現によって一意的に定められるわけではない。すなわち、本明細書で記載したフローチャートにおける処理の順序は、矛盾のない範囲で変更することができる。
なお、本発明は、実施の形態1〜5に限定されるものではなく、各実施の形態や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成できる。例えば、各実施の形態や変形例に示される全構成要素からいくつかの構成要素を除外して形成しても良いし、異なる実施の形態や変形例に示した構成要素を適宜組み合わせて形成しても良い。
1 顕微鏡システム
2a,2b 対物レンズ
3 ズームヘッド
10 顕微鏡
20 表示装置
30 入力装置
40 顕微鏡制御装置
100 ベース部
101 回転軸
102 軸受け部
103 支柱
103a 端部
110 XYステージ
110a 第1部材
110b 第2部材
110c 第3部材
111 ステージホルダ
112 ステージ操作部
112a ハンドル
112b リニアガイド
120 ズームヘッド
121 レボルバ
122 対物レンズ
123 ズームレンズ
124 フォーカスレンズ
126 レンズ駆動部
127 レンズ検出部
128 撮像部
130 ズームヘッド保持部
131 ヘッド操作部
131a リニアガイド
131b ハンドル
131c 駆動部
131d 位置検出部
132 支持具
133 固定ハンドル
134 下側ストッパ
140 回転角度検出部
401 判定部
402 算出部
403 画像処理部
404 駆動制御部
405 表示制御部
L1 光軸
R1 回転中心軸
R2 軸
SP 標本

Claims (6)

  1. 標本が載置されるステージと、
    対物レンズと、
    前記ステージが載置された面と直交する直交方向へ移動可能であるとともに、同焦点距離が異なる対物レンズを装着可能であり、前記標本に対する観察倍率を変更可能な複数のズームレンズを有し、装着された対物レンズおよび前記複数のズームレンズを介して前記標本の観察像を結像するズームヘッドと、
    前記ズームヘッドを前記直交方向へ移動させる駆動部と、
    前記ズームヘッドに装着された対物レンズを検出するレンズ検出部と、
    前記レンズ検出部が前記ズームヘッドに装着された対物レンズを検出できなくなった場合、交換予定の対物レンズの同焦点距離に応じた前記直交方向の位置に前記ズームヘッドを移動するように前記駆動部を制御する駆動制御部と、
    を備えることを特徴とする顕微鏡。
  2. 前記交換予定の対物レンズの同焦点距離を含むレンズ情報の入力を受け付ける入力部と、
    前記直交方向における前記ズームヘッドの位置を検出する位置検出部と、
    前記入力部が入力を受け付けた前記レンズ情報と前記位置検出部が検出した前記位置とに基づいて、前記ズームヘッドの移動距離を算出する算出部と、
    をさらに備え、
    前記駆動制御部は、前記算出部が算出した前記移動距離に基づいて、前記駆動部を制御させることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡。
  3. 前記ズームヘッドを前記複数のズームレンズの各々の光軸と直交する軸を中心に回動させることにより、前記光軸を前記ステージの主面と直交する軸に対して傾斜させる回転機構と、
    前記直交方向に対する前記光軸の回転角度を検出する回転角度検出部と、
    前記回転角度検出部が検出した前記回転角度に基づいて、前記ズームヘッドが傾斜しているか否かを判定する判定部と、
    前記交換予定の対物レンズに交換する場合において、前記判定部によって前記ズームヘッドが傾斜していると判定されたとき、前記ズームヘッドを前記光軸と前記直交方向とが一致する初期位置へ移動させる旨の警告を出力する出力部と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の顕微鏡。
  4. 前記出力部は、前記ズームヘッドが前記ステージ側へ移動する場合、前記ズームヘッドの位置の確認を促す旨の警告を出力することを特徴とする請求項3に記載の顕微鏡。
  5. 前記駆動制御部は、前記レンズ検出部が前記ズームヘッドに装着された対物レンズを検出できなくなった場合、前記ズームヘッドを移動するように前記駆動部を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の顕微鏡。
  6. 前記複数のズームレンズの各々を光軸に沿って移動させるレンズ駆動部をさらに備え、
    前記駆動制御部は、前記レンズ検出部が前記ズームヘッドに装着された対物レンズを検出できなくなった場合、前記複数のズームレンズによる観察倍率が最低倍率になるように前記レンズ駆動部を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の顕微鏡。
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