JP2018127616A - 熱伝導性発泡体シート - Google Patents

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Abstract

【課題】発熱部材や金属部材との密着性に優れ、かつ熱伝導性に優れる材料を提供することを課題とする。
【解決手段】樹脂と、熱伝導性フィラーを含有する熱伝導性発泡シートであって、前記熱伝導性フィラーは、第1熱伝導性フィラーである酸化亜鉛と、酸化亜鉛以外の第2熱伝導性フィラーとを含む、熱伝導性発泡体シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、熱伝導性発泡体シートに関する。
スマートフォン等の小型電子機器内の部品の高性能化、集積化、機器の小型化により部品及び機器から発生する熱の増大が著しく、熱対策を行わない場合、部材の機能および性能の低下や寿命の低下を招くだけでなく、機器自体が熱を持ち、低温火傷や発火の原因となるおそれもある。これらの部材の熱対策として、機器内部に搭載された発熱部材と機器内部の板金やシールド材といったヒートシンクを兼ねた金属部材とを放熱材料で接触させて熱パスをつくり、発熱部材の温度の低下を図っているのが一般的である。従来の放熱材料としては、熱伝導性フィラーを配合したシリコーン樹脂発泡シートが挙げられる。また、エラストマー樹脂と酸化マグネシウム又は酸化アルミニウムなどの熱伝導体とを含む電子機器用熱伝導性発泡体シートも知られている(特許文献1)。さらに、他の熱対策として、液タイプの放熱材料を発熱部材に滴下し、滴下後に金属部材と貼り合せることで密着させるフェーズチェンジ材が用いられている。
国際公開第2014/083890号
しかしながら、液タイプの放熱材料の場合、専用の装置が必要であり作業性が悪いという問題がある。また、発熱部材と金属部材の間の隙間(ギャップ)は均一ではなく公差をもっており、均一の厚みをもつシート材料では完全に部材同士を密着させ、ギャップを埋めることは困難であった。さらに、放熱材料として、熱伝導性発泡体シートを用いた場合においても、密着性を確保しつつ熱伝導率を十分に高くするのは困難であった。
本発明は、上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、発熱部材や金属部材との密着性が高く、かつ熱伝導性に優れる材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、樹脂と、特定種類及び特定量の熱伝導性フィラーを含有する熱伝導性発泡体シートが、前記課題を解決できることを見出し本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[10]に関する。
[1]樹脂と、熱伝導性フィラーを含有する熱伝導性発泡体シートであって、前記熱伝導性フィラーは、第1熱伝導性フィラーである酸化亜鉛と、酸化亜鉛以外の第2熱伝導性フィラーとを含む、熱伝導性発泡体シート。
[2]前記樹脂100質量部に対して前記熱伝導性フィラーを300〜700質量部含有する、上記[1]に記載の熱伝導性発泡体シート。
[3]前記第1熱伝導性フィラーの含有量が前記樹脂100質量部に対して10〜250質量部である、上記[1]又は[2]に記載の熱伝導性発泡体シート。
[4]前記第2熱伝導性フィラーの含有量が前記樹脂100質量部に対して50〜600質量部である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の熱伝導性発泡体シート。
[5]前記樹脂がエラストマー樹脂である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の熱伝導性発泡体シート。
[6]第2熱伝導性フィラーの密度が第1熱伝導性フィラーよりも低い、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の熱伝導性発泡体シート。
[7]第2熱伝導性フィラーが、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、タルク、窒化アルミニウム、グラファイト、及びグラフェンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の熱伝導性発泡体シート。
[8]厚みが0.05〜2.0mmである、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の熱伝導性発泡体シート。
[9]発泡倍率が2〜6倍である、上記[1]〜[8]のいずれかに記載の熱伝導性発泡体シート。
[10]上記[1]〜[9]のいずれかに記載の熱伝導性発泡体シートと、前記熱伝導性発泡体シートの片面又は両面に設けられる粘着材とを備える粘着テープ。
本発明によれば、良好な密着性と高い熱伝導性を両立した熱伝導性発泡シートを提供することができる。
[熱伝導性発泡体シート]
本発明の熱伝導性発泡体シートは、樹脂と、熱伝導性フィラーを含有する熱伝導性発泡体シートであって、前記熱伝導性フィラーは、第1熱伝導性フィラーである酸化亜鉛と、酸化亜鉛以外の第2熱伝導性フィラーとを含む、熱伝導性発泡体シートである。
<樹脂>
樹脂の種類は、特に制限されないが、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリメタクリル酸エステル系樹脂等の熱可塑性樹脂も使用可能であるが、以下説明するエラストマー樹脂が好ましい。
(エラストマー樹脂)
熱伝導性発泡体シートに用いることができるエラストマー樹脂としては、アクリロニトリルブタジエンゴム、液状アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、液状エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、液状エチレン−プロピレンゴム、天然ゴム、液状天然ゴム、ポリブタジエンゴム、液状ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、液状ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、液状スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体、液状水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、液状水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体、液状水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、液状水素添加スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体等が挙げられる。これらの中では、アクリロニトリルブタジエンゴム、液状アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、液状エチレン−プロピレン−ジエンゴム、ブチルゴム(イソブチレン−イソプレンゴム)が好ましく、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、液状エチレン−プロピレン−ジエンゴムがより好ましい。また、エチレン−プロピレン−ジエンゴムと液状エチレン−プロピレン−ジエンゴムを併用することが更に好ましい。
<熱伝導性フィラー>
本発明の熱伝導性発泡体シートは、樹脂100質量部に対して熱伝導性フィラーを300〜700質量部含有することが好ましい。熱伝導性フィラーが300質量部以上であると熱伝導性が良好になり、700質量部以下であると発泡性が良好になり、密着性に優れる傾向にある。熱伝導性フィラーは樹脂100質量部に対して、より好ましくは400〜700質量部であり、さらに好ましくは500〜700質量部である。
熱伝導性フィラーは、第1熱伝導性フィラーと第2熱伝導性フィラーとを含む。第1熱伝導性フィラーは、酸化亜鉛であり、第2熱伝導性フィラーは、酸化亜鉛以外の熱伝導性フィラーである。これらの熱伝導性フィラーを組み合わせて使用し、かつ好ましくは両者の配合量を制御することで、熱伝導性と密着性のバランスに優れた熱伝導性発泡体シートを得ることができる。
(第1熱伝導性フィラー)
第1熱伝導性フィラーは酸化亜鉛である。酸化亜鉛は、発泡性樹脂シートを発泡させる際には、発泡助剤として機能し、発泡後は、熱伝導性を向上させる粒子として機能する。
酸化亜鉛の含有量は、樹脂100質量部に対して10〜250質量部であることが好ましい。10質量部以上であると熱伝導性発泡体シートの熱伝導性が良好になり、250質量部以下であると発泡性が良好になるため密着性に優れる傾向にある。酸化亜鉛の含有量は、樹脂100質量部に対して、より好ましくは50〜220質量部であり、さらに好ましくは70〜180質量部である。
酸化亜鉛の平均粒径は、熱伝導性発泡体シートの熱伝導率と密着性とを良好とする観点から、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは、0.5〜70μm、更に好ましくは0.6〜60μmである。
平均粒径の測定方法については、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(HELOS/BFM,Sympatec GmbH社製)を用いる。本装置により、常法により粒度分布を測定して平均粒径を求め、5回測定値した際の平均値を平均粒径とする。
第1熱伝導性フィラーの形状は特に限定されず、球状、中空状、板状、麟片状、針状、ランダム形状等いずれの形状でもよいし、凝集体でもよい。
(第2熱伝導性フィラー)
第2熱伝導性フィラーは酸化亜鉛以外の熱伝導性フィラーである。第2熱伝導性フィラーとしては、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、タルク、窒化アルミニウム、グラファイト、グラフェン等が挙げられる。第2熱伝導性フィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。これらの中では、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、窒化ホウ素が好ましく、酸化マグネシウム単独、又は酸化マグネシウムと窒化ホウ素との併用がより好ましい。第2熱伝導性フィラーとして、少なくとも酸化マグネシウムを用い、これを第1熱伝導性フィラーである酸化亜鉛と組み合わせた場合に、熱伝導性発泡体シートの熱伝導性及び密着性のバランスが特に優れたものとなる。
第2熱伝導性フィラーの密度は、第1熱伝導性フィラーである酸化亜鉛の密度よりも低いことが好ましい。第2熱伝導性フィラーの密度は1.5〜5.5g/cmであることがより好ましく、2.0〜4.0g/cmであることが更に好ましい。なお、酸化亜鉛の密度は5.61g/cmである。
第2熱伝導性フィラーの熱伝導率は、5W/m・K以上が好ましく、20W/m・K以上であることがより好ましく、そして、500W/m・K以下であることが好ましい。
第2熱伝導性フィラーの粒径は、0.1〜200μmが好ましく、0.5〜150μmがより好ましく、1〜100μmが更に好ましい。粒径の測定方法は前記した第1熱伝導性フィラーの場合と同様である。
第2熱伝導性フィラーの配合量は、樹脂100質量部に対して50〜600質量部であることが好ましい。50質量部以上であると熱伝導性発泡体シートの熱伝導性が良好になり、600質量部以下であると発泡性が良好となり密着性に優れる。第2熱伝導性フィラーの配合量は、樹脂100質量部に対して、より好ましくは200〜600質量部であり、さらに好ましくは400〜600質量部である。
第1熱伝導性フィラーと第2熱伝導性フィラーとの配合量は、第2熱伝導性フィラーの方が多いことが好ましい。第1熱伝導性フィラーと第2熱伝導性フィラーとの配合量比(第1熱伝導性フィラーの配合量/第2熱伝導性フィラーの配合量)は0.1〜0.5であることが好ましく、0.15〜0.4であることがより好ましい。
第2熱伝導性フィラーの形状は特に限定されず、球状、中空状、板状、麟片状、針状、ランダム状等いずれの形状でもよいし、凝集体でもよい。
<任意成分>
熱伝導性発泡体シートは、樹脂と、熱伝導性フィラーからなるものであってもよいが、これらに加えて、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて各種の添加成分を含有させてもよい。具体的には、これらの添加成分は、樹脂100質量部に対して、例えば、50質量部以下、好ましくは20質量部以下含有される。
この添加成分の種類は特に限定されず、発泡成形に通常使用される各種添加剤を用いることができる。このような添加剤として、例えば、滑剤、収縮防止剤、気泡核剤、結晶核剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、上記導電付与材を除いた充填剤、補強剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、界面活性剤、加硫剤、表面処理剤等が挙げられる。添加剤の添加量は、気泡の形成等を損なわない範囲で適宜選択でき、通常の樹脂の発泡、成形に用いられる添加量を採用できる。かかる添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて用いることができる。
<熱伝導性発泡体シートの物性>
熱伝導性発泡体シートの発泡倍率は好ましくは2〜6倍、より好ましくは2〜4倍である。発泡倍率が2倍以上であると密着性が高まり、発泡倍率が6倍以下であると熱伝導性が良好となる。なお、発泡倍率が高いほど、発泡体の柔軟性が高くなり、結果、密着性が高くなる。
熱伝導性発泡体シートの見掛け密度は、密着性を向上させる観点から、好ましくは0.3〜1.5g/cm、より好ましくは0.3〜1.3g/cm、更に好ましくは0.4〜1.2g/cmである。
熱伝導性発泡体シートの厚さは、使用用途によって適宜選択され、特に限定されないが、好ましくは0.05〜2mm、より好ましくは0.1〜1.5mmであり、更に好ましくは0.2〜1mmである。
20%圧縮時の熱伝導性発泡体シートの熱伝導率は、0.4〜2.0W/m・Kが好ましく、0.4〜1.5W/m・Kがより好ましい。
本発明の熱伝導性発泡体シートは、電子機器の内部に好適に使用され、例えば、スマートフォンにおいて放熱シートとして使用されるものである。より詳細には、例えば、発熱源と放熱部材との間で適度に圧縮され、隙間なく配置されるものとなる。また、落下した場合には、電子部品等に付与される衝撃を吸収することも可能になる。
<熱伝導性発泡体シートの製造方法>
熱伝導性発泡体シートは、上記した樹脂、熱伝導性フィラー、発泡剤、及びその他添加剤を配合し、混練することにより得られる発泡性樹脂組成物をシート状に成形することにより発泡性樹脂シートを準備し、次いで電離放射線等により架橋した後、加熱炉、オーブン等の加熱装置内にて加熱して発泡させる方法により製造することが好ましい。
発泡剤としては熱分解型発泡剤が好ましい。熱分解型発泡剤の具体例としては、分解温度が140〜270℃程度の有機系又は無機系の化学発泡剤が挙げられる。
有機系発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸金属塩(アゾジカルボン酸バリウム等)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体、トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物等が挙げられる。
無機系発泡剤としては、酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、無水クエン酸モノソーダ等が挙げられる。
これらの中では、微細な気泡を得る観点、及び経済性、安全面の観点から、アゾ化合物、ニトロソ化合物が好ましく、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンがより好ましく、アゾジカルボンアミドが特に好ましい。これらの熱分解型発泡剤は、単独で又は2以上を組み合わせて使用することができる。
熱分解型発泡剤の配合量は、樹脂100質量部に対して1〜30質量部が好ましい。このような配合量とすることで、シートの気泡が破裂せずに適切に発泡ができる。また、熱分解型発泡剤の配合量を多くすると、見かけ密度が低くなり、柔軟性を向上させることが可能である。そのため、熱分解型発泡剤の配合量は、5〜25質量部がより好ましく、10〜25質量部がさらに好ましい。
(発泡性樹脂シートの製造方法)
発泡性樹脂シートの製造方法としては、例えば、発泡性樹脂組成物をバンバリーミキサーや加圧ニーダ等の混練り機を用いて混練した後、押出機、カレンダ、コンベアベルトキャスティング等により連続的に押し出すことにより発泡性樹脂シートを製造する方法が挙げられる。
(発泡性樹脂シートの架橋方法)
次に、発泡性樹脂シートの架橋方法としては、電離性放射線による架橋、有機過酸化物による架橋等が挙げられるが、電離性放射線による架橋が好ましい。
電離性放射線により架橋する場合、電離性放射線としては、例えば、光、γ線、電子線等が挙げられる。電離性放射線の照射量は、0.5〜10Mradが好ましく、0.7〜5.0Mradがより好ましい。
電離性放射線により架橋を行った場合、径が小さく均一な気泡を有する熱伝導性発泡体シートを得ることができる。このような径が小さく均一な気泡を有する熱伝導性発泡体シートは、その表面が平滑であって被着面に対する接触面積が大きくなり密着性が向上する。
有機過酸化物により架橋する場合、有機過酸化物としては、例えば、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、クミルハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、t−ブチルパーオキシクメン等が挙げられる。
有機過酸化物の配合量は、樹脂100質量部に対して0.05〜10質量部が好ましく、0.1〜7質量部がより好ましい。
〔発泡性樹脂シートの発泡方法〕
発泡性樹脂シートを発泡させる方法としては、オーブンのようなバッチ方式や、発泡性樹脂シートを長尺のシート状とし、連続的に加熱炉内を通す連続発泡方式を挙げることができる。加熱温度は、好ましくは200〜320℃、より好ましくは250〜300℃である。
[粘着シート]
本発明では、熱伝導性発泡体シートと、該熱伝導性発泡体シートの片面、又は両面に設けられる粘着材とを備える粘着シートとしてもよい。粘着材は、少なくとも粘着剤層を備え、その粘着剤層により、熱伝導性発泡体シートを他の部材に接着させる。粘着材は、より具体的には、熱伝導性発泡体シートの表面に直接積層された粘着剤層単体であってもよいし、熱伝導性発泡体シートの表面に貼付された両面粘着テープであってもよい。
両面粘着テープは、基材と、基材の両面に設けられた粘着剤層とを備えるものである。両面粘着テープは、一方の粘着剤層を熱伝導性発泡体シートに接着させるとともに、他方の粘着剤層を他の部材に接着させる。
粘着剤層は粘着剤により構成される。粘着剤としては、特に制限はなく、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等が挙げられるが、これらの中では、アクリル系粘着剤が好ましい。また、両面粘着テープの基材としては、例えば樹脂フィルムが使用される。粘着剤は両面異なる仕様になっていてもよく、発泡体に接さない面にはシリコン系粘着剤の使用も可能である。
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例で使用した材料は以下のとおりである。
(1)エチレン−プロピレン−ジエンゴム(固体EPDM)
JSR(株)製、商品名「EP123」
(2)液状エチレン−プロピレン−ジエンゴム(液状EPDM)
三井化学(株)製、商品名「PX−068」
(3)第1熱伝導性フィラー
(i)酸化亜鉛(1)(ZnO(1))
堺化学工業(株)製、商品名「六角板状酸化亜鉛(XZ−3000F−LP)」
粒径:3μm
密度:5.61g/cm
熱伝導率(λ):54W/m・K
(ii)酸化亜鉛(2)(ZnO(2))
堺化学工業(株)製、商品名「酸化亜鉛二種」
粒径:0.6μm
密度:5.61g/cm
熱伝導率(λ):54W/m・K
(iii)酸化亜鉛(3)(ZnO(3))
堺化学工業(株)製、商品名「大粒子酸化亜鉛(LPZINK−50S)」
粒径:50μm
密度:5.61g/cm
熱伝導率(λ):54W/m・K
(4)第2熱伝導性フィラー
(i)酸化マグネシウム(1)(MgO(1))
宇部マテリアル(株)製、商品名「RF−10C」
粒径:10μm
密度:3.65g/cm
熱伝導率(λ):42〜60W/m・K
形状:球状
(ii)酸化マグネシウム(2)(MgO(2))
宇部マテリアル(株)製、商品名「RF−50−SC」
粒径:50μm
密度:3.65g/cm
熱伝導率(λ):42〜60W/m・K
形状:球状
(iii)酸化マグネシウム(3)(MgO(3))
宇部マテリアル(株)製、商品名「RF−70C―SC」
粒径:70μm
密度:3.65g/cm
熱伝導率(λ):42〜60W/m・K
形状:球状
(iv)窒化ホウ素(1)(BN(1))
モメンティブ社製、商品名「PT131」
粒径:10μm
密度:2.25g/cm
熱伝導率(λ):250W/m・K
形状:麟片状/凝集
(v)窒化ホウ素(2)(BN(2))
モメンティブ社製、商品名「AC6003」
粒径:10μm
密度:2.25g/cm
熱伝導率(λ):250W/m・K
形状:ランダム
(vi)酸化アルミニウム(アルミナ)
昭和電工社製、商品名「AS−10」
粒径:39μm
密度:3.9g/cm
熱伝導率(λ):28W/m・K
形状:球状
(6)発泡剤
アゾジカルボンアミド
大塚化学(株)製商品名「SO−L」、分解温度:197℃
(7)その他添加剤
酸化防止剤・・・フェノール系酸化防止剤 イルガノックス1010
実施例1
エチレン−プロピレン−ジエンゴム50質量部、液状エチレン−プロピレン−ジエンゴム50質量部、酸化亜鉛(1)100質量部、酸化マグネシウム(2)600質量部、アゾジカルボンアミド17.5質量部、フェノール系酸化防止剤 イルガノックス1010 3質量部を溶融混練した。該溶融混練物をプレスすることにより厚さが0.6mmの発泡性樹脂シートを得た。
得られた発泡性樹脂シートの両面に加速電圧500keVにて電子線を1.2Mrad照射して発泡性樹脂シートを架橋させた。次にシートを250℃に加熱することによって発泡性樹脂シートを発泡させて発泡体シートを得た。
上記熱伝導性発泡体シートについて、発泡倍率、見掛け密度、熱伝導率を以下に示すとおり評価した。
実施例2〜14、比較例1〜4
配合を表1及び2に記載のとおり変更したこと以外は、実施例1と同様に熱伝導性発泡体シートを製造し、下記評価を行った。
<物性評価>
得られた熱伝導性発泡体シートの物性は以下のように測定した。各測定結果は表1及び2に示す。
〔発泡倍率〕
発泡前の発泡性樹脂シートと熱伝導性発泡体シートの比容積(単位:cm/g)を測定し、熱伝導性発泡体シートの比容積/発泡前の発泡性樹脂シートの比容積によって算出した。
〔見掛け密度〕
JIS K 7222に準拠して測定した。
〔熱伝導率〕
熱伝導性発泡体シートの熱伝導率は、ホットディスク熱物性測定装置(京都電子工業社製、型名「TPS1500」)を用い、25mm×25mmの熱伝導性発泡体シートを厚さ10mm以上になるように重ねて、20%圧縮して試験片とし、二つの試験片でセンサーを挟み、センサーを発熱させ、温度上昇から熱伝導率を測定した。
表1及び2の結果から明らかなように、本発明の熱伝導性発泡体シートは熱伝導性が高い。また発泡倍率が高いため、発熱部材や金属部材との密着性に優れることが分かった。
一方、酸化亜鉛を配合していない比較例1〜4は、熱伝導率が低いか又は発泡倍率が低く、熱伝導率と密着性の両立が達成できないことが分かった。

Claims (10)

  1. 樹脂と、熱伝導性フィラーを含有する熱伝導性発泡体シートであって、前記熱伝導性フィラーは、第1熱伝導性フィラーである酸化亜鉛と、酸化亜鉛以外の第2熱伝導性フィラーとを含む、熱伝導性発泡体シート。
  2. 前記樹脂100質量部に対して前記熱伝導性フィラーを300〜700質量部含有する、請求項1に記載の熱伝導性発泡体シート。
  3. 前記第1熱伝導性フィラーの含有量が前記樹脂100質量部に対して10〜250質量部である、請求項1又は2に記載の熱伝導性発泡体シート。
  4. 前記第2熱伝導性フィラーの含有量が前記樹脂100質量部に対して50〜600質量部である、請求項1〜3のいずれかに記載の熱伝導性発泡体シート。
  5. 前記樹脂がエラストマー樹脂である、請求項1〜4のいずれかに記載の熱伝導性発泡体シート。
  6. 第2熱伝導性フィラーの密度が第1熱伝導性フィラーよりも低い、請求項1〜5のいずれかに記載の熱伝導性発泡体シート。
  7. 第2熱伝導性フィラーが、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、タルク、窒化アルミニウム、グラファイト、及びグラフェンからなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれかに記載の熱伝導性発泡体シート。
  8. 厚みが0.05〜2.0mmである、請求項1〜7のいずれかに記載の熱伝導性発泡体シート。
  9. 発泡倍率が2〜6倍である、請求項1〜8のいずれかに記載の熱伝導性発泡体シート。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の熱伝導性発泡体シートと、前記熱伝導性発泡体シートの片面又は両面に設けられる粘着材とを備える粘着シート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20220098886A (ko) * 2021-01-05 2022-07-12 주식회사 휴비스 열전도성이 우수한 발포시트, 이를 포함하는 방열시트

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