JP2017069341A - 電子機器用熱伝導性シート - Google Patents

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健次 宮崎
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直之 永谷
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Abstract

【課題】電子機器の内部に好適に使用することができる薄さと柔軟性とを有し、かつ熱伝導性に優れる電子機器用熱伝導性シートを提供する。【解決手段】エラストマー樹脂中に熱伝導体を含有する発泡体シート(a)と、前記発泡体シート(a)の側面の少なくとも1面、表面、及び裏面に一体に設けられた熱伝導性シート(b)とを有する電子機器用熱伝導性シートであって、前記発泡体シート(a)を構成する前記エラストマー樹脂100質量部に対する前記熱伝導体の量が100〜500質量部であり、前記発泡体シート(a)の厚みが0.1〜0.8mmであり、前記熱伝導性シート(b)の熱伝導率が10W/m・K以上である電子機器用熱伝導性シート。【選択図】図1

Description

本発明は、電子機器内部の熱を効率的に拡散するための電子機器用熱伝導性シートに関する。
近年、電子機器の高性能化に伴いCPUやICチップ等の電子部品から大量の熱が発生することから、CPUの性能低下や熱による低温やけど等の問題が生じている。したがって、前記電子部品の熱を拡散するための電子機器用熱伝導性シートの開発が行われている。
例えば、特許文献1には、熱可塑性シリコーン樹脂中に熱伝導性充填材を分散させた熱軟化性熱伝導性組成物をシート状に成型した放熱部材が開示されている。また、特許文献2には、エラストマー樹脂中に熱伝導性フィラーを分散させた電子機器用熱伝導性積層体が開示されている。
特開2005− 72220号公報 特開2013−229590号公報
特許文献1に記載された放熱部材においては、圧縮強度が高いため電子機器の小さな空隙部分に適用することが難しいという問題がある。また、特許文献2に記載された電子機器用熱伝導性積層体は、ある程度の熱伝導性を有するものの、熱伝導性及び柔軟性等の更なる改善が望まれている。
本発明は、上記従来の課題を鑑みてなされたものであって、電子機器の内部に好適に使用することができる薄さと柔軟性とを有し、かつ熱伝導性に優れる電子機器用熱伝導性シートを提供することを目的とする。
本発明は、エラストマー樹脂中に熱伝導体を含有する発泡体シート(a)と、前記発泡体シート(a)の側面の少なくとも1面、表面、及び裏面に一体に設けられた熱伝導性シート(b)とを有する電子機器用熱伝導性シートであって、前記発泡体シート(a)を構成する前記エラストマー樹脂100質量部に対する前記熱伝導体の量が100〜500質量部であり、前記発泡体シート(a)の厚みが0.1〜0.8mmであり、前記熱伝導性シート(b)の熱伝導率が10W/m・K以上である電子機器用熱伝導性シート、を要旨とするものである。
本発明によれば、電子機器の内部に好適に使用することができる薄さと柔軟性とを有し、かつ熱伝導性に優れる電子機器用熱伝導性シートを提供することができる。
実施例1で作成した電子機器用熱伝導性シートの断面図である。 実施例及び比較例で作成した電子機器用熱伝導性シートの放熱性能を測定するための装置を示す図である。
本発明の電子機器用熱伝導性シートは、エラストマー樹脂中に熱伝導体を含有する発泡体シート(a)と、前記発泡体シート(a)の側面の少なくとも1面、表面、及び裏面に一体に設けられた熱伝導性シート(b)とを有する電子機器用熱伝導性シートであって、前記発泡体シート(a)を構成する前記エラストマー樹脂100質量部に対する前記熱伝導体の量が100〜500質量部であり、前記発泡体シート(a)の厚みが0.1〜0.8mmであり、前記熱伝導性シート(b)の熱伝導率が10W/m・K以上であるものである。
<発泡体シート(a)>
本発明における発泡体シート(a)はエラストマー樹脂を発泡させたものであって、エラストマー樹脂中に熱伝導体を含有し、更に多数の気泡を有するものである。
〔エラストマー樹脂〕
本発明に用いることができるエラストマー樹脂としては、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム(イソブチレン−イソプレンゴム)、天然ゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体、水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体、及び水素添加スチレン−イソプレン−スチレン共重合体が挙げられ、これらの中では、アクリロニトリルブタジエンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、及びブチルゴム(イソブチレン−イソプレンゴム)が好ましく、エチレン−プロピレン−ジエンゴムがより好ましい。
また、本発明においては、発泡体シート(a)の柔軟性を向上させる観点から、前記エラストマー樹脂と液状エラストマーとを併用することが好ましい。
液状エラストマーとしては、例えば、液状アクリロニトリルブタジエンゴム、液状エチレン−プロピレン−ジエンゴム、液状エチレン−プロピレンゴム、液状天然ゴム、液状ポリブタジエンゴム、液状ポリイソプレンゴム、液状スチレン−ブタジエンブロック共重合体、液状水素添加スチレン−ブタジエンブロック共重合体、液状水素添加スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、液状水素添加スチレン−イソプレンブロック共重合体、及び液状水素添加スチレン−イソプレン−スチレン共重合体等が挙げられ、これらの中では、液状アクリロニトリルブタジエンゴム、液状エチレン−プロピレン−ジエンゴムが好ましく、液状エチレン−プロピレン−ジエンゴムがより好ましい。
エラストマー樹脂が液状エラストマーを含有する場合、その含有量は、発泡体シート(a)の柔軟性を向上させる観点から、好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは35質量%以上であり、そして、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、更に好ましくは70質量%以下、より更に好ましくは60質量%以下、より更に好ましくは50質量%以下である。
エチレン−プロピレン−ジエンゴムのプロピレン含有量は、発泡体シート(a)の柔軟性を向上させる観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上、更に好ましくは28質量%以上、より更に好ましくは30質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、より更に好ましくは38質量%以下である。
エチレン−プロピレン−ジエンゴムの密度は、発泡体シート(a)の柔軟性を向上させる観点から、好ましくは0.75g/cm3以上、より好ましくは0.78g/cm3以上、更に好ましくは0.80g/cm3以上、より更に好ましくは0.82g/cm3以上であり、そして、好ましくは0.95g/cm3以下、より好ましくは0.92g/cm3以下、より更に好ましくは0.90g/cm3以下、より更に好ましくは0.89g/cm3以下である。
液状エチレン−プロピレン−ジエンゴムのプロピレン含有量は、発泡体シート(a)の柔軟性を向上させる観点から、好ましくは25質量%以上、より好ましくは28質量%以上、更に好ましくは30質量%以上、より更に好ましくは32質量%以上、より更に好ましくは34質量%以上であり、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは42質量%以下、より更に好ましくは40質量%以下である。
液状エチレン−プロピレン−ジエンゴムの密度は、発泡体シート(a)の柔軟性を向上させる観点から、好ましくは0.78g/cm3以上、より好ましくは0.80g/cm3以上、更に好ましくは0.82g/cm3以上、より更に好ましくは0.84g/cm3以上、より更に好ましくは0.86g/cm3以上であり、そして、好ましくは0.97g/cm3以下、より好ましくは0.95g/cm3以下、より更に好ましくは0.93g/cm3以下、より更に好ましくは0.91g/cm3以下である。
〔熱伝導体〕
本発明に用いる熱伝導体に特に制限はないが、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、タルク、窒化アルミニウム、グラファイト、及びグラフェン等の熱伝導性フィラーが挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、タルク、及び窒化アルミニウムから選ばれる1種以上の熱伝導性フィラーが好ましく、酸化アルミニウム、及び酸化マグネシウムがより好ましい。これらは、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記熱伝導体の熱伝導率は、発泡体シート(a)の熱伝導率を向上させる観点から、好ましくは5W/m・K以上、より好ましくは15W/m・K以上、更に好ましくは25W/m・K以上、より更に好ましくは35W/m・K以上、より更に好ましくは45W/m・K以上であり、そして、好ましくは80W/m・K以下である。
前記熱伝導体の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上、より好ましくは1μm以上、更に好ましくは1.5μm以上、より更に好ましくは2μm以上、より更に好ましくは2.5μm以上であり、そして、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下、更に好ましくは10μm以下、より更に好ましくは5μm以下である。熱伝導体の粒径が前記範囲内であると、発泡体シート(a)を薄肉化しやすく、発泡性の良好な発泡体シート(a)が得られる。
なお、本明細書における熱伝導体の平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「LA-920」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した値である。
エラストマー樹脂100質量部に対する熱伝導体の量は、発泡体シート(a)の熱伝導率を向上させる観点から、100質量部以上であり、好ましくは150質量部以上、より好ましくは200質量部以上、更に好ましくは250質量部以上、より更に好ましくは270質量部以上であり、そして、発泡体シート(a)の柔軟性の低下を防ぐ観点から、500質量部以下、好ましくは460質量部以下、より好ましくは420質量部以下、更に好ましくは380質量部以下、より更に好ましくは330質量部以下である。
〔発泡体シート(a)の50%圧縮強度〕
前記発泡体シート(a)の50%圧縮強度は、柔軟性を向上させる観点から、好ましくは5kPa以上、より好ましくは10kPa以上であり、そして、好ましくは200kPa以下、より好ましくは150kPa以下、更に好ましくは110kPa以下である。発泡体シート(a)の50%圧縮強度が前記範囲内であると、圧縮した後であっても柔軟性を維持するため薄型の電子機器の内部に好適に使用することができると共に、組み付け後の浮き上がりを防止することができる。更に、圧縮時に発泡体シート(a)中の空気が抜けるため使用時の熱伝導性を向上させることができる。
〔発泡体シート(a)の厚み〕
発泡体シート(a)の厚みは、打ち抜き加工時に破れにくくする観点から、0.1mm以上、好ましくは0.2mm以上であり、熱伝導性を向上させる観点から、0.8mm以下、好ましくは0.7mm以下、より好ましくは0.6mm以下である。
本発明における発泡体シート(a)の厚みが前記範囲内であると、下記式で与えられる熱抵抗値(R)が十分に小さくなり放熱性能が向上するため好ましい。
熱抵抗値(R)=使用時の発泡体シートの厚み(D)/熱伝導率(λ)×面積(S)
〔発泡体シート(a)の熱伝導率〕
本発明の発泡体シート(a)においては、前記式における熱伝導率(λ)が、好ましく0.3W/m・K以上、より好ましく0.4W/m・K以上、更に好ましく0.5以上、より更に好ましくは0.6W/m・K以上であり、そして、好ましくは10W/m・K以下、より好ましくは8.0W/m・K以下、更に好ましくは4.0W/m・K以下である。発泡体シート(a)の熱伝導率が前記範囲内であれば、電子機器内部の熱を外部へ効率的に放熱することが可能となる。
〔発泡体シート(a)の発泡倍率〕
発泡体シート(a)の発泡倍率は、発泡体シート(a)の圧縮強度を低く抑える観点から、好ましく1.5倍以上、より好ましく2.0倍以上、更に好ましくは2.5倍以上、より更に好ましくは3.0倍以上であり、そして、好ましくは5倍以下、より好ましくは4.5倍以下、更に好ましくは4.3倍以下、より更に好ましくは4.2倍以下である。
〔発泡体シート(a)の見掛け密度〕
発泡体シート(a)の見かけ密度は、発泡体シート(a)の熱伝導率を向上させる観点から、好ましくは0.3g/cm3以上、より好ましくは0.4g/cm3以上、更に好ましくは0.5g/cm3以上、より更に好ましくは0.55g/cm3以上であり、そして、好ましくは1.5g/cm3以下、より好ましくは1.4g/cm3以下、更に好ましくは1.2g/cm3以下、より更に好ましくは1.0g/cm3以下、より更に好ましくは0.8g/cm3以下である。
<独立気泡率>
本発明における電子機器用熱伝導性シートの独立気泡率は、70%以上であり、気泡の一部に連続気泡が含まれていてもよい。独立気泡率は、熱伝導性を向上させる観点から、好ましくは80〜100%、より好ましくは83〜100%である。
なお、本発明における独立気泡率は、下記の要領で測定されたものをいう。
まず、電子機器用熱伝導性シートから一辺が5cmの平面正方形状で且つ一定厚みの試験片を切り出す。そして、試験片の厚みを測定して試験片の見掛け体積V1を算出すると共に、試験片の重量W1を測定する。
次に、気泡の占める体積V2を下記式に基づいて算出する。なお、試験片を構成している樹脂の密度はρg/cm3とする。
気泡の占める体積V2=V1−W1/ρ
続いて、試験片を23℃の蒸留水中に水面から100mmの深さに沈めて、試験片に15kPaの圧力を3分間に亘って加える。しかる後、試験片を水中から取り出して試験片の表面に付着した水分を除去して試験片の重量W2を測定し、下記式に基づいて連続気泡率F1及び独立気泡率F2を算出する。
連続気泡率F1(%)=100×(W2−W1)/V2
独立気泡率F2(%)=100−F1
〔任意成分〕
本発明においては、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて各種の添加成分を含有させることができる。
この添加成分の種類は特に限定されず、発泡成形に通常使用される各種添加剤を用いることができる。このような添加剤として、例えば、滑剤、収縮防止剤、気泡核剤、結晶核剤、可塑剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、上記導電付与材を除いた充填剤、補強剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤、界面活性剤、加硫剤、表面処理剤等が挙げられる。添加剤の添加量は、気泡の形成等を損なわない範囲で適宜選択でき、通常の樹脂の発泡・成形に用いられる添加量を採用できる。これらは、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
滑剤は樹脂の流動性を向上させるとともに、樹脂の熱劣化を抑制する作用を有する。本発明において用いられる滑剤としては、樹脂の流動性の向上に効果を示すものであれば特に制限されない。例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス等の炭化水素系滑剤;ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸系滑剤;ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、硬化ヒマシ油、ステアリン酸ステアリル等のエステル系滑剤等が挙げられる。
エラストマー樹脂100質量部に対する滑剤の量は、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上、更に好ましくは0.1質量部以上であり、そして、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下である。滑剤の量が前記範囲内であると、エラストマー樹脂組成物の流動性が高くなることを防ぐことができるため発泡倍率の低下を防ぐことができる。
難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物の他に、デカブロモジフェニルエーテル等の臭素系難燃剤、ポリリン酸アンモニウム等のリン系難燃剤等が挙げられる。
難燃助剤としては、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ピロアンチモン酸ナトリウム、三塩化アンチモン、三硫化アンチモン、オキシ塩化アンチモン、二塩化アンチモンパークロロペンタン、アンチモン酸カリウム等のアンチモン化合物、メタホウ酸亜鉛、四ホウ酸亜鉛、ホウ酸亜鉛、塩基性ホウ酸亜鉛等のホウ素化合物、ジルコニウム酸化物、スズ酸化物、モリブデン酸化物等が挙げられる。
〔発泡体シート(a)の製造方法〕
本発明に用いる発泡体シート(a)の製造方法に特に制限はないが、エラストマー樹脂、熱伝導体、発泡剤、必要に応じて任意成分を混練することにより得られた発泡性樹脂組成物をシート状に成形することにより発泡性樹脂シートを準備し、次いで電離放射線等により架橋した後、加熱炉に通して発泡させる方法により製造することが好ましい。
発泡性樹脂シートの製造方法としては、例えば、発泡性樹脂組成物をバンバリーミキサーや加圧ニーダー等の混練り機を用いて混練した後、押出機、カレンダー、コンベアベルトキャスティング等により連続的に押し出すことにより発泡性樹脂シートを製造する方法が挙げられる。
発泡方法は、プラスチックフォームハンドブック(牧広、小坂田篤編集 日刊工業新聞社発行 1973年)に記載されている方法を含め、公知の方法を用いることができる。
発泡性樹脂シートを発泡させる際に用いる発泡剤としては有機系発泡剤及び無機系発泡剤を用いることができる。
有機系発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸金属塩(アゾジカルボン酸バリウム等)、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等のニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4'−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、トルエンスルホニルヒドラジド等のヒドラジン誘導体、トルエンスルホニルセミカルバジド等のセミカルバジド化合物等が挙げられる。
無機系発泡剤としては、酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、無水クエン酸モノソーダ等が挙げられる。
これらの中では、微細な気泡を得る観点、及び経済性、安全面の観点から、有機系発泡剤が好ましく、アゾ化合物、ニトロソ化合物がより好ましく、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミンが更に好ましく、アゾジカルボンアミドがより更に好ましい。
<熱伝導性シート(b)>
本発明の電子機器用熱伝導性シートは、前記発泡体シート(a)の側面の少なくとも1面、表面、及び裏面に、熱伝導性シート(b)を一体に設けたものであり、発泡体シート(a)の側面にも熱伝導性シート(b)を設けているため、例えば、電子機器用熱伝導性シートの裏面と接する電子部品が熱を生じた場合であっても、該熱が裏面側の熱伝導性シート(b)から前記側面の熱伝導性シート(b)を介して表面の熱伝導性シート(b)にまで伝わるため、効率的に熱を拡散させることができる。
本発明においては、電子機器用熱伝導性シートの熱伝導性をより一層向上させる観点から、熱伝導性シート(b)を前記発泡体シート(a)の対向する2つの側面、表面、及び裏面に一体に設けてもよく、また、熱伝導性シート(b)を前記発泡体シート(a)の全ての側面、表面、及び裏面に一体に設けてもよいが、製造コストと得られる効果とのバランスの観点から、熱伝導性シート(b)を前記発泡体シート(a)の対向する2つの側面、表面、及び裏面に一体に設けることが好ましい。
なお、前記発泡体シート(a)の形状が円柱状である場合、本発明の電子機器用熱伝導性シートは、側面の少なくとも1部、表面、及び裏面に熱伝導性シート(b)を一体に設けたものであり、側面の全面、表面、及び裏面に熱伝導性シート(b)を一体に設けたものであることがより好ましい。
熱伝導性シート(b)の熱伝導率は、効率的に熱を拡散する観点から、10W/m・K以上、好ましくは15W/m・K以上、より好ましくは18W/m・K以上、更に好ましくは20W/m・K以上であり、そして、好ましくは3,000W/m・K以下、より好ましくは2,000W/m・K以下である。
前記熱伝導性シート(b)の具体例としては、銅、銅−ニッケル、アルミニウム、金、銀、鉄、グラファイト、グラフェン、及び基材の少なくとも一方の面に前記金属をコーティングした金属コーティングシート等が好ましく、これらの中でも、熱伝導性を向上させる観点から、金属コーティングシートが好ましい。
前記金属コーティングシートとしては、例えば、銅及びニッケルをポリエチレンテレフタレート基材(PET基材)に蒸着させた銅−ニッケルコーティングPETシート、すなわち、PET基材の少なくとも一方の面に銅−ニッケル層を有するものが好ましい。
本発明に用いる銅−ニッケルコーティングPETシートは、PET基材の一方の面にのみ銅−ニッケル層を有してもよく、また、PET基材の両面に銅−ニッケル層を有してもよいが、熱伝導性を向上させる観点から、PET基材の両面に銅−ニッケル層を有することが好ましい。
銅−ニッケルコーティングPETシートにおける銅及びニッケルの合計中の銅の含有量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは35質量%以上、より更に好ましくは45質量%以上であり、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは60質量%以下、より更に好ましくは55質量%以下である。
銅は、熱伝導性が高いが表面が柔らかいので耐摩耗性が低く、一方、ニッケルは、耐摩耗性が高いが熱伝導性が低いため、銅−ニッケルコーティングPETシートにおける銅の含有量を前記範囲内とすることにより、表面の耐摩耗性と熱伝導率とを両立することができる。
PET基材に銅及びニッケルを蒸着させる方法に特に制限はないが、プラズマ処理によりPET基材の表面を粗面化した後、無電解メッキする方法が挙げられる。
銅−ニッケルコーティングPETシートに用いるPET基材の厚みは、銅−ニッケルコーティングPETシートの強度を向上させる観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上、更に好ましくは3μm以上、より更に好ましくは4μm以上であり、そして、熱伝導率が低下することを防ぐ観点から、好ましくは15μm以下、より好ましくは14μm以下、更に好ましくは13μm以下、より更に好ましくは12μm以下である。
銅−ニッケルコーティングPETシートにおける銅−ニッケル層の厚みは、熱伝導性を向上させる観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上、更に好ましくは2.5μm以上であり、そして、製造コストと得られる効果とのバランスの観点から、好ましくは10μm以下、より好ましくは9μm以下、更に好ましくは8μm以下、より更に好ましくは7μm以下である。
前記熱伝導性シート(b)は、精密機器の内部に使用する観点から、好ましくは3μm以上、より好ましくは8μm以上、更に好ましくは10μm以上、より更に好ましくは12μm以上であり、そして、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下である。
〔アクリル系粘着剤層(c)〕
本発明においては、前記発泡体シート(a)と前記熱伝導性シート(b)との間にアクリル系粘着剤層(c)を有することが好ましい。
アクリル系粘着剤層(c)を構成するアクリル系粘着剤としては、例えば、溶剤型アクリル系粘着剤、水系エマルション型アクリル系粘着剤、ホットメルト型アクリル系粘着剤、及び光重合型アクリル系粘着剤等が挙げられるが、粘着性を向上させる観点から、溶剤型アクリル系粘着剤、水系エマルション型アクリル系粘着剤が好ましく、有機溶剤型アクリル系粘着剤がより好ましい。
アクリル系粘着剤は(メタ)アクリル樹脂を主成分として含むものが好ましい。(メタ)アクリル樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルモノマーを単独重合した(メタ)アクリル樹脂、2種以上の(メタ)アクリル酸エステルモノマーを共重合した(メタ)アクリル樹脂、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、これらと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重合体等が挙げられる。
これらの中でも、(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、これらと共重合可能な他のビニルモノマーとの共重合体が好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、アルキル基の炭素数が1〜12の1級又は2級のアルキルアルコールと、(メタ)アクリル酸とをエステル化反応させたものが好ましく、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタジエニル、及び(メタ)アクリル酸ジヒドロジシクロペンタジエニル等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーと共重合可能な他のビニルモノマー(以下、「他のビニルモノマー」ともいう)としては、例えば、カルボキシ基含有モノマー、及び水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマー等が挙げられる。
カルボキシ基含有モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、及びイタコン酸等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、カプロラクトン付加(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
これらの他のビニルモノマーの中でも、(メタ)アクリル樹脂の分子量の制御しやすくする観点、及び粘着剤の粘着性を向上させる観点から、カルボキシ基含有モノマーが好ましく、アクリル酸がより好ましい。
(メタ)アクリル酸エステルモノマーと、共重合可能な他のビニルモノマーとを併用する場合、(メタ)アクリル樹脂中の(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位の含有割合は、粘着剤層の粘着性を向上させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上であり、粘着剤層の粘度が高くなり過ぎることを抑制する観点から、好ましくは99.9質量%以下、より好ましくは99.5質量%以下、更に好ましくは99質量%以下である。
(メタ)アクリル樹脂がカルボキシ基含有モノマーに由来する構成単位を含有する場合、その含有割合は、粘着剤層の粘着性を向上させる観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、そして、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下である。
また、(メタ)アクリル樹脂が水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルモノマーに由来する構成単位を含有する場合、その含有割合は、粘着剤層の粘着性を向上させる観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上であり、そして、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは0.4質量%以下である。
粘着剤層を構成する(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルモノマー、及び必要に応じて他のビニルモノマーと共に、重合開始剤の存在下にてラジカル反応させることにより得られる。なお、重合方法としては、公知の方法を採用することができ、例えば、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、及び塊状重合等が挙げられる。
粘着剤層を構成する(メタ)アクリル樹脂が樹脂柱に水酸基やカルボキシ基を有する場合、粘着性を向上させる観点から、架橋剤を用いることにより主鎖間に架橋構造を形成してもよい。
架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、アジリジン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート型架橋剤等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ系架橋剤が好ましい。
エポキシ系架橋剤としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)トルエン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4−ジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルm−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ジグリシジルn−ヘキサン等が挙げられる。
架橋剤を使用する場合、(メタ)アクリル樹脂100質量部に対する架橋剤の量は、十分な架橋を行う観点から、好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.07質量部以上であり、そして、好ましくは0.17質量部以下、より好ましくは0.15質量部以下である。
本発明における粘着剤層は、必要に応じて、更に、粘着付与樹脂、カップリング剤、充填剤、増量剤、軟化剤、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤(老化防止剤)、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、及び着色剤等を1種以上含有してもよい。
本発明における粘着剤層の形成方法に特に制限はなく、アクリル系粘着剤等の粘着剤をロール法、アプリケーター法、バーコーター法、及びナイフコーター法等により塗布することにより塗膜を形成した後、必要に応じて40〜130℃程度の条件下、1〜30分間乾燥させてもよい。
アクリル系粘着剤層の厚みは、接着剤層の強度を向上させ接着力を確保する観点から、好ましくは2μm以上、より好ましくは3μm以上、更に好ましくは4μm以上、より更に好ましくは5μm以上であり、そして、薄型の電子機器に用いる観点から、好ましくは10μm以下、より好ましくは9μm以下、更に好ましくは8μm以下である。
<熱伝導性シート(d)>
本発明の電子機器用熱伝導性シートは、表面及び裏面の少なくとも1面に熱伝導性シート(d)を有していることが好ましい。前述のとおり、本発明の電子機器用熱伝導性シートは熱伝導性シート(b)を有するものであるが、更に電子機器用熱伝導性シートの表面及び裏面の少なくとも1面に熱伝導性シート(d)を有することにより、より一層効率的に電子機器内部の熱を拡散させることができる。
なお、本発明においては、熱伝導性シート(d)を電子機器用熱伝導性シートの表面及び裏面の両面に設けてもよく、全ての側面、表面及び裏面に設けてもよいが、得られる効果と製造コストとのバランスの観点から、表面及び裏面のいずれか1面に設けることが好ましい。
熱伝導性シート(d)としては、熱伝導性シート(b)と同様の材料を挙げることができるが、熱伝導性を向上させる観点から、銅箔を用いることが好ましく、前記銅箔の片面に銅粉を含有する粘着剤層を有する銅箔テープを用いることがより好ましい。
銅箔の厚みは、電子機器用熱伝導性シートの熱伝導性を向上させる観点から、好ましくは10μm以上、より好ましくは11μm以上、更に好ましくは12μm以上であり、そして、熱伝導性シート(d)の基材強度の観点から、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下である。
熱伝導性シート(d)として前記銅箔テープを用いる場合において、銅箔の片面に設ける粘着剤層について特に制限はないが、前記アクリル系粘着剤層(c)を構成するアクリル系粘着剤を用いることが好ましい。
前記粘着剤層に銅粉を含有させる場合の銅粉の平均粒子径は、電子機器用熱伝導性シートの熱伝導性を向上させる観点から、好ましくは200nm以上、より好ましくは300nm以上、更に好ましくは350nm以上であり、そして、粘着剤層の強度を向上させる観点から、好ましくは800nm以下、更に好ましくは700nm以下、より更に好ましくは650nm以下である。
なお、本明細書における銅粉の平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「LA-920」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した値である。
粘着剤層中の銅粉の体積分率は、電子機器用熱伝導性シートの熱伝導性を向上させる観点から、好ましくは15体積%以上、より好ましくは17体積%以上、更に好ましくは18体積%以上であり、そして、粘着力の低下を防ぐ観点から、好ましくは25体積%以下、より好ましくは23体積%以下、更に好ましくは22体積%以下である。
<電子機器用熱伝導性シートの厚み>
本発明の電子機器用熱伝導性シートの厚みは、電子機器用熱伝導性シートの強度を向上させる観点から、好ましくは0.08mm以上、より好ましくは0.12mm以上、更に好ましくは0.16mm以上、より更に好ましくは0.2mm以上、より更に好ましくは0.24mm以上であり、電子機器用熱伝導性シートを小型電子機器の小さな空隙で使用する観点から、好ましくは1.5mm以下、より好ましくは1.1mm以下、更に好ましくは0.9mm以下、より更に好ましくは0.7mm以下である。
<電子機器用熱伝導性シートの製造方法>
本発明の電子機器用熱伝導性シートの製造方法に特に制限はないが、例えば、前述の方法で製造した発泡シート(a)に対して、バーコーター法等によりアクリル系粘着剤を塗布し、熱伝導性シート(b)を貼り合わせることによりアクリル系粘着剤層(c)及び熱伝導性シート(b)を形成し、必要に応じて銅箔シート等の熱伝導性シート(d)を更に貼付することにより電子機器用熱伝導性シートを製造することができる。
本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
以下の実施例及び比較例で使用した材料は以下のとおりである。
(1)エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)
JSR株式会社製、「EP21」
密度:0.86g/cm3、プロピレン含量:34質量%
(2)液状エチレン−プロピレン−ジエンゴム(液状EPDM)
三井化学株式会社製、商品名「PX−068」
密度:0.9g/cm3、プロピレン含量:39質量%
(3)アゾジカルボンアミド
大塚化学株式会社製、商品名「SO−L」
(4)酸化マグネシウム
協和化学工業株式会社製、「キョーワマグ30」、平均平均粒子径:3μm
(5)銅−ニッケルコーティングPETフィルム〔1〕
恵比寿化成株式会社製、総厚み:15μm
PET基材:厚み10μm
PET基材の両面に銅−ニッケルコーティング:各厚み2.5μm
ニッケルと銅との質量比[銅/ニッケル]=50/50
熱伝導率:25W/m・K
(6)銅−ニッケルコーティングPETフィルム〔2〕
恵比寿化成株式会社製、総厚み:15μm
PET基材:厚み5μm
PET基材の両面に銅−ニッケルコーティング:各厚み5μm
ニッケルと銅との質量比[銅/ニッケル]=50/50
熱伝導率:35W/m・K
(7)ニッケルコーティングPETフィルム
恵比寿化成株式会社製、総厚み:15μm
PET基材:厚み10μm
PET基材の両面にニッケルコーティング:各厚み2.5μm
熱伝導率:6W/m・K
(8)アクリル系粘着剤
綜研化学株式会社製、1700DT
(9)銅箔テープ
積水テクノ商事西日本株式会社製、導電性粘着テープSTSシリーズ
総厚み:20μm、熱伝導率:250W/m・K
銅箔の厚み:15μm、粘着剤層の厚み:5μm
粘着剤層中の銅粉の平均粒子径:400〜500nm
<実施例1〜3、及び比較例1,2>
実施例1
エチレン−プロピレン−ジエンゴム60質量部、液状エチレン−プロピレン−ジエンゴム40質量部、アゾジカルボンアミド17質量部、酸化マグネシウム300質量部を溶融混練後、プレスすることにより厚みが0.23mmの発泡性樹脂シートを得た。次いで、得られた発泡性樹脂シートの両面に加速電圧500keVにて電子線を3.0Mrad照射して発泡性樹脂シートを架橋させた。
次に、シートを250℃に加熱することにより発泡性樹脂シートを発泡させ、見かけ密度0.60g/cm3、厚み0.3mmの発泡体シート(a)を得た。
得られた発泡体シート(a)の表面、側面及び裏面のそれぞれに対して、アクリル系粘着剤層(c)が5μmになるようにアクリル系粘着剤を塗布した後、発泡体シート(a)の表面から側面、裏面及び該側面と対向する側面から該表面にわたって銅−ニッケルコーティングPETフィルム〔1〕を貼付した。更に、銅箔テープを発泡体シート(a)の裏面に対応する面に積層することにより、図1に示す断面を有する電子機器用熱伝導性シートを得た。
実施例2
エチレン−プロピレン−ジエンゴム60質量部、液状エチレン−プロピレン−ジエンゴム40質量部、アゾジカルボンアミド17質量部、酸化マグネシウム300質量部を溶融混練後、プレスすることにより厚みが0.36mmの発泡性樹脂シートを得た。次いで、得られた発泡性樹脂シートの両面に加速電圧500keVにて電子線を3.0Mrad照射して発泡性樹脂シートを架橋させた。
次に、シートを250℃に加熱することによって発泡性樹脂シートを発泡させ、見かけ密度0.60g/cm3、厚み0.5mmの発泡体シート(a)を得た。
得られた発泡体シート(a)に対して、銅−ニッケルコーティングPETフィルム〔1〕及び銅箔テープを実施例1と同様の方法で貼付することにより電子機器用熱伝導性シートを製造した。
実施例3
熱伝導性シート(b)を銅−ニッケルコーティングPETフィルム〔2〕に変更したこと以外は実施例1と同様に電子機器用熱伝導性シートを製造した。
比較例1
エチレン−プロピレン−ジエンゴム60質量部、液状エチレン−プロピレン−ジエンゴム40質量部、アゾジカルボンアミド17質量部、酸化マグネシウム300質量部を溶融混練後、プレスすることにより厚みが0.7mmの発泡性樹脂シートを得た。
得られた発泡性樹脂シートの両面に加速電圧500keVにて電子線を3.0Mrad照射して発泡性樹脂シートを架橋させた。次にシートを250℃に加熱することによって発泡性樹脂シートを発泡させて見かけ密度0.60g/cm3、厚み1.0mmの発泡体シートを得た。この発泡体シートを用いたこと以外は、実施例1と同様に電子機器用熱伝導性シートを製造した。
比較例2
実施例1に記載の発泡シートを用いたこと、及び熱伝導性シート(b)としてニッケルコーティングPETフィルムを用いたこと以外は実施例1と同様に電子機器用熱伝導性シートを製造した。
<物性>
得られた発泡体シート(a)の物性は以下のように測定した。各測定結果を表1に示す。
〔発泡体シート(a)の厚み〕
JIS K 7130に準拠して測定した。
〔発泡体シート(a)の発泡倍率〕
発泡倍率は、発泡体シ−トの比重を発泡性シートの比重で除することにより算出した。
〔発泡体シート(a)の見かけ密度〕
JIS K 7222に準拠して測定した。
〔発泡体シート(a)の50%圧縮強度〕
電子機器用熱伝導性シートの厚み方向の50%圧縮強度は JIS K6767−7.2.3(JIS 2009)に準拠して測定した。
〔発泡体シート(a)の熱伝導率の測定方法〕
京都電子工業株式会社製、QTM−03(迅速式)を用いて、厚み方向の熱伝導率の測定を行った。
〔電子機器用熱伝導性シートの厚み〕
JIS K 7130に準拠して測定した。
〔ヒーター温度〕
図2に示すように断熱材の上に25mm×25mm×2mmのヒーター(坂口伝熱株式会社製マイクロセラミックヒーター「MS5」)を載せ、その上に25mm×25mmの各実施例及び比較例で作成した電子機器用熱伝導性シートを重ねた。その上に50mm×100mm×2mmのアルミニウム板を載せ、電子機器用熱伝導性シートを伝わった熱がアルミニウム板に拡散する構造体を形成した。この状態でヒーターに1Wの電力を印加し、20分後にヒーターの温度が一定となったところで当該ヒーターの温度(T)(℃)を測定した。値が小さいほど、熱伝導性能が良いことを示す。
〔電子機器用熱伝導性シート上面温度〕
上記ヒーター温度の測定の際に、電子機器用熱伝導性シートとアルミニウム板との間に温度センサーを設置し、温度を測定した。
〔熱抵抗〕
上記電子機器用熱伝導性シート上面温度から加熱前の温度(25℃)を引いた値を印加電力(1W)で除した値を熱抵抗とした。
熱抵抗(℃/W)=(1W印加して安定後のサンプル上面温度−25℃)/1W
実施例及び比較例の結果より、本発明の電子機器用熱伝導性シートは、薄さと柔軟性とを備えると共に、優れた熱伝導性を有していることがわかる。

Claims (8)

  1. エラストマー樹脂中に熱伝導体を含有する発泡体シート(a)と、前記発泡体シート(a)の側面の少なくとも1面、表面、及び裏面に一体に設けられた熱伝導性シート(b)とを有する電子機器用熱伝導性シートであって、
    前記発泡体シート(a)を構成する前記エラストマー樹脂100質量部に対する前記熱伝導体の量が100〜500質量部であり、前記発泡体シート(a)の厚みが0.1〜0.8mmであり、前記熱伝導性シート(b)の熱伝導率が10W/m・K以上である電子機器用熱伝導性シート。
  2. 前記熱伝導性シート(b)がPET基材の両面に銅−ニッケル層を有するものである、請求項1に記載の電子機器用熱伝導性シート。
  3. 前記発泡体シート(a)と前記熱伝導性シート(b)との間にアクリル系粘着剤層(c)を有する、請求項1又2に記載の電子機器用熱伝導性シート。
  4. 前記電子機器用熱伝導性シートの表面及び裏面の少なくとも1面に熱伝導性シート(d)を有する、請求項1〜3のいずれかに記載の電子機器用熱伝導性シート。
  5. 前記熱伝導性シート(d)が厚み10〜20μmの銅箔である、請求項4に記載の電子機器用熱伝導性シート。
  6. 前記熱伝導性シート(b)が前記発泡体シート(a)の対向する2つの側面、表面、及び裏面に一体に設けられている、請求項1〜5のいずれかに記載の電子機器用熱伝導性シート。
  7. 前記発泡体シート(a)の50%圧縮強度が5〜200kPaである、請求項1〜6のいずれかに記載の電子機器用熱伝導性シート。
  8. 前記熱伝導体が、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、タルク、及び窒化アルミニウムから選ばれる1種以上の熱伝導性フィラーを含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の電子機器用熱伝導性シート。
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