JP2018127564A - 樹脂組成物、感光性樹脂組成物、樹脂膜および電子装置 - Google Patents

樹脂組成物、感光性樹脂組成物、樹脂膜および電子装置 Download PDF

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Kohei Anada
亘平 穴田
大西 治
Osamu Onishi
治 大西
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Abstract

【課題】耐熱性に優れた樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明の樹脂組成物は、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物の酸無水環がアルコールで開環した第1エステル化物由来の第1構造単位と、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物の酸無水環がフェノール樹脂中のフェノール性水酸基で開環した第2エステル化物由来の第2構造単位と、を備えるポリマーを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂組成物、感光性樹脂組成物、樹脂膜および電子装置に関する。
これまでの感光性樹脂組成物においては、露光感度を向上させる目的で様々な技術が開発されている。この種の技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術が挙げられる。同文献によれば、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性有機高分子物質に替えて、スチレン/無水マレイン酸共重合体をアルコールでエステル化されたスチレン/マレイン酸半エステル樹脂を使用することが記載されている(特許文献1の段落0047)。これにより、現像ラチチュードが大きく得られたと記載されている。
特開2008−70901号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記文献に記載の樹脂組成物においては、耐熱性の点で改善の余地があることが判明した。
本発明者が検討したところ、特許文献1のように、フェノール樹脂を使用しない場合、所望の耐熱性が得られないことが判明した。
こうした知見に基づいて、鋭意検討した結果、フェノール樹脂でエステル化されており、かつ、アルコールでエステル化されたポリマーを使用することにより、優れた耐熱性を実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物の酸無水環がアルコールで開環した第1エステル化物由来の第1構造単位と、
分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物の酸無水環がフェノール樹脂中のフェノール性水酸基で開環した第2エステル化物由来の第2構造単位と、
を備えるポリマーを含む、樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記樹脂組成物と、感光剤と、を含む、感光性樹脂組成物が提供される。
また、本発明によれば、上記樹脂組成物からなる、または上記感光性樹脂組成物からなる、樹脂膜が提供される。
また、本発明よれば、上記樹脂膜を備える電子装置が提供される。
本発明によれば、耐熱性に優れた樹脂組成物、およびそれを用いた感光性樹脂組成物、樹脂膜および電子装置を提供できる。
本実施形態に係る電子装置の一例を示す断面図である。
以下、本実施形態について、適宜図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
本実施形態の樹脂組成物の概要について説明する。
本実施形態の樹脂組成物は、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物の酸無水環がアルコールで開環した第1エステル化物由来の第1構造単位と、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物の酸無水環がフェノール樹脂中のフェノール性水酸基で開環した第2エステル化物由来の第2構造単位と、を備えるポリマーを含むものである。
本実施形態によれば、フェノール樹脂のフェノール水酸基でエステル化されたエステル化物由来の構造単位とともに、アルコールでエステル化されたエステル化物由来の構造単位を有するポリマーを使用することにより、少なくとも2種以上のエステル結合を有するポリマーの耐熱性を向上させることができるため、優れた耐熱性を有する樹脂組成物を実現できる。
また、本実施形態の樹脂組成物は、感光性樹脂組成物に適用することが可能であり、耐熱性と感度とのバランスに優れた特性を実現することができる。
以下、本実施形態の樹脂組成物の各成分について説明する。
(フェノール樹脂)
本実施形態のフェノール樹脂としては、従来公知のものを使用することができる。
上記フェノール樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、アリールアルキレン型フェノール樹脂などが挙げられる。フェノール樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いてよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーとを併用してもよい。この中でも、耐熱性の観点から、ノボラック型フェノール樹脂を用いてもよい。
ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを、無触媒または酸性触媒の存在下で反応させて得られる樹脂であれば、用途に合わせて適宜選択することができる。たとえば、ランダムノボラック型やハイオルソノボラック型のフェノール樹脂も用いることができる。
なお、このノボラック型フェノール樹脂は、通常、フェノール類に対するアルデヒド類のモル比(アルデヒド類/フェノール類)を0.5〜1.0に制御した上で、反応させて得ることができる。
このノボラック型フェノール樹脂を調製する際に用いられるフェノール類の具体例としては、たとえば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、アルキルフェノール類、カテコール、レゾルシン等が挙げられる。なお、これらのフェノール類は単独、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
また、ノボラック型フェノール樹脂を調製する際に用いられるアルデヒド類としては、たとえば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド化合物、およびこれらのアルデヒド化合物の発生源となる物質、あるいはこれらのアルデヒド化合物の溶液等を用いることができる。なお、これらのアルデヒド類は単独、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
フェノール樹脂の分子量の下限値は、例えば、重量平均分子量(Mw)として300以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましく、2000以上であることがさらに好ましく、3000以上であることが殊更好ましい。一方で、フェノール樹脂の分子量の上限値は、例えば、重量平均分子量(Mw)として20000以下であることが好ましく、18000以下であることがより好ましく、15000以下であることがさらに好ましい。
フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)を、上記の範囲に設定することにより、樹脂組成物を製造する際の作業性が向上し、また、この組成物から樹脂膜を得る際の成形性を向上させることができる。また、得られた樹脂膜の機械的強度の向上も図ることができる。
また、この重量平均分子量は、後述するポリマー同様、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定により、ポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線をもとに算出することができる。
(ポリマー)
本実施形態のポリマーは、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物に由来する、下記一般式(1)で示される構造単位Aを含むことができる。
本実施形態において、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、ジメチル無水マレイン酸またはこれらの誘導体を含む群から選択されてもよく、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、ジメチル無水マレイン酸からなる群から選択されてもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2018127564
(式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基である。)
本実施形態において、上記式(1)中、R及びRは、例えば、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜3の有機基であることが好ましく、それぞれ独立して水素又は炭素数1の有機基であることがより好ましく、Rが水素かつRが水素又は炭素数1の有機基であることが更に好ましく、RとRが水素であることが一層好ましい。
本実施形態において、上記式(1)中、R及びRを構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられる。また、アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばシクロプロピル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
また、本実施形態のポリマーは、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物の酸無水環がアルコールで開環した第1エステル化物に由来する、下記一般式(a)で示される第1構造単位、を含むものである。
Figure 2018127564
(式(a)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基であり、W、Zは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基である。)
上記式(a)において、R、Rは、上記(1)と同様のものである。また、上記式(a)において、WおよびZは、いずれか一方または両方が、水素または炭素数1〜3の有機基であり、アルコール由来の構造を含むことができる。
本実施形態において、アルコールとして、例えば、炭素数1〜30までのアルコールであることが好ましく、炭素数1〜15までのアルコールであることがより好ましく、炭素数1〜10までのアルコールであることが更に好ましく、炭素数1〜7までの低級アルコールであることが一層好ましい。
上述アルコールとして、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブタノール、ヘキサノール、ペンタノール、ネオペンタノール、ドデカノールなどの脂肪族アルコール;ベンジルアルコール、フェノール、2,6−ジ−i−プロピルフェノール、4−t−オクチルフェノールなどの芳香族アルコール;シクロヘキサノール、5−ノルボルネン−2−メタノール、などの脂環式アルコールが挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態では、たとえば、ポリマーのアルコール開環反応の反応条件、ポリマーの調製方法等を適切に選択することにより、上記アルコールによる開環率を制御することが可能である。これらの中でも、たとえば、開環触媒の種類や添加量、アルコール開環反応温度や時間、低分子量成分除去工程や保管工程における低温、短時間処理、ヘキサンなどのヒドロキシ基を含まない貧溶媒の使用等が、上記アルコール開環率を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
また、本実施形態のポリマーは、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物の酸無水環がフェノール樹脂中のフェノール性水酸基で開環した第2エステル化物由来の、下記式(5)で表される、第2構造単位を含むものである。
Figure 2018127564
(式(5)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基であり、Rは、前述のフェノール樹脂に由来する原子団である。)
本実施形態のポリマーは、上記分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物と他のモノマーとの共重合体であってもよい。すなわち、本実施形態のポリマーは、他のモノマー由来の構造単位Cをさらに含有する共重合体であってもよい。
本実施形態において、他のモノマーとしては、例えば、ノルボルネン系モノマー、スチレン系モノマー、インデン系モノマーおよびマレイミド系モノマーからなる群から選択される一種以上を含むことができる。他のモノマーは、樹脂組成物を適用する用途に応じ適宜選択することができる。
より具体的な例としては、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン(慣用名:2−ノルボルネン)、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、5−アリル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−エチニル−2−ノルボルネン、5−ベンジル−2−ノルボルネン、5−フェネチル−2−ノルボルネン等のノルボルネン系モノマー;インデン、2−メチルインデン、3−メチルインデン等のインデン系モノマー;1,5,9−シクロドデカトリエン、シス−トランス−トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン、トランス−トランス−トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン、トランス−シス−シス−1,5,9−シクロドデカトリエン、シス−シス−シス−1,5,9−シクロドデカトリエン等の脂環系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のビニル系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニル系モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化アリル、アリルアルコール等のアリル系モノマー;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド等のN−アルキルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−ノルボルニルマレイミド、N−シクロヘキシルメチルマレイミド、N−シクロペンチルメチルマレイミド等のN−シクロアルキルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−クロロフェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−ヒドロキシフェニルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−カルボキシフェニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミド等のN−アリールマレイミド、N−アルキルマレイミド、N−シクロアルキルマレイミド、N−アリールマレイミドの他にもN−ヒドロキシマレイミド等のマレイミド系モノマー;等を挙げることができる。これらは1種を単独で用いてよいし、異なる2種類以上を併用してもよい。
上記他のモノマーとして、好ましくは脂環系モノマーのうちノルボルネン型モノマー、スチレン系モノマー、インデン系モノマー、マレイミド系モノマーを用いることができる。ポリマーがこれらのモノマー由来する構造単位をさらに含むことで、本実施形態の樹脂組成物から得られる樹脂膜の耐熱性を向上させることができる。
本実施形態のポリマーは、以下の式(2)で示すノルボルネン系モノマーに由来する構造単位、式(3)で示すスチレン系モノマーに由来する構造単位、式(7)で示すインデン系モノマーに由来する構造単位、および式(8)で示すマレイミド系モノマーに由来する構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの単位をさらに含むことができる。
Figure 2018127564
(式(2)中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基である。nは0、1または2である。)
Figure 2018127564
(式(3)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜30の有機基である。mは0以上5以下の整数である。)
Figure 2018127564
(式(7)中、RからR11はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基である。)
Figure 2018127564
(式(8)中、R12は独立して水素または炭素数1〜10の有機基である。)
本実施形態において、上記式(2)中、R〜Rは、例えば、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜30の有機基であり、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜10の有機基であることが好ましく、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜3の有機基であることがより好ましく、それぞれ独立して水素または炭素数1の有機基であることが更に好ましい。また、上記式(2)中、nは、例えば、0、1または2であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
本実施形態において、上記式(3)中、Rは、例えば、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜30の有機基であり、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜10の有機基であることが好ましく、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜3の有機基であることがより好ましく、それぞれ独立して水素または炭素数1の有機基であることが更に好ましい。また、上記式(3)中、mは、例えば、0以上5以下の整数であり、0以上3以下の整数であることが好ましく、0以上1以下の整数であることがより好ましい。
本実施形態において、上記式(7)中、R〜R11は、例えば、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜3の有機基であり、それぞれ独立して水素又は炭素数1の有機基であることが好ましく、それぞれ独立して水素であることが更に好ましい。
本実施形態において、上記式(8)中、R12は、例えば、独立して水素又は炭素数1〜10の有機基であり、独立して水素又は炭素数1〜5の有機基であることが好ましく、独立して水素又は炭素数1〜3の有機基であることがより好ましく、独立して水素または炭素数1の有機基であることが更に好ましい。
〜R、Rを構成する炭素数1〜30の有機基は、その構造中にO、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでいてもよい。また、R〜R11を構成する炭素数1〜3の有機基は、その構造中にその構造中にO、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでいてもよい。また、R12を構成する炭素数1〜10の有機基は、その構造中にO、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでいてもよい。また、R〜R、R、R〜R11およびR12を構成する有機基は、いずれも酸性官能基を有しないものとすることができる。これにより、ポリマー中における酸価の制御を容易とすることができる。
本実施形態において、R〜R、Rを構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられる。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばトリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
本実施形態において、R〜R11を構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられる。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばシクロプロピル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
本実施形態において、R12を構成する有機基としては、例えば、水素や、上記のR〜R、Rで例示された有機基のうち、炭素数1〜10の有機基を使用できる。
さらに、R〜R、R、R〜R11及びR12を構成するアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基は、1以上の水素原子が、ハロゲン原子により置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられる。なかでもアルキル基の1以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されたハロアルキル基が好ましい。R〜R、R、R〜R11及びR12の少なくともいずれか1つをハロアルキル基とすることで、ポリマーを使用して硬化膜を構成した際、この硬化膜の誘電率を低下させることができる。また、ハロアルキルアルコール基とすることで、アルカリ現像液に対する溶解性を適度に調整できるだけでなく、耐熱変色性を向上させることができる。
なお、ポリマーを含んで構成される膜の光透過性を高める観点からは、R〜R、R、R〜R11及びR12のいずれかが水素であることが好ましく、たとえば、式(2)の構造単位を採用する場合にあっては、R〜Rすべてが水素であることが好ましい。例えば、式(3)の構造単位を採用する場合にあっては、Rが水素であることが好ましい。例えば、式(7)の構造単位を採用する場合にあっては、R〜R11が水素であることが好ましい。例えば、式(8)の構造単位を採用する場合にあっては、R12が水素であることが好ましい。
ポリマーの分子量を調節するために連鎖移動剤を適宜使用することができる。連鎖移動剤としては、例えば、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、β−メルカプトプロピオン酸、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート等のβ−メルカプトプロピオン酸類;2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン等のナフトキノン類;n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲン類;その他、トリエトキシシラン、ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー等を挙げることができる。
本実施形態におけるポリマーは、たとえばGPC(Gel Permeation Chromatography)により得られる分子量分布曲線において、分子量1000以下におけるピーク面積が、全体の1%以下としてもよい。
このように、GPCにより得られる分子量分布曲線の分子量1000以下におけるピーク面積の比率を上記範囲とすることにより、ポリマーを含む樹脂組成物からなる膜のパターン形状を良好なものとすることができる。そのため、当該膜を永久膜として備える液晶表示装置、固体撮像素子については、その動作信頼性を向上させることが可能となる。
なお、ポリマーにおける低分子量成分の量の下限は、特に限定されない。しかし、本実施形態におけるポリマーは、GPCにより得られる分子量分布曲線において分子量1000以下におけるピーク面積が全体の0.01%以上である場合を許容するものである。
本実施形態におけるポリマーは、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が、たとえば1.5以上3.0以下である。なお、Mw/Mnは、分子量分布の幅を示す分散度である。ポリマーのMw/Mnを上記範囲とすることにより、ポリマーを含む樹脂組成物からなる樹脂膜の形状を良好なものとすることができる。なお、このような効果は、同時に上述のようにポリマーの低分子量成分を低減する場合において特に顕著に表れる。
また、ポリマーのMw(重量平均分子量)は、たとえば1,500以上30,000以下としてもよい。
なお、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)は、たとえばGPC測定により得られる標準ポリスチレン(PS)の検量線から求めた、ポリスチレン換算値を用いる。測定条件は、たとえば以下の通りである。
東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8320GPC
カラム:東ソー社製TSK−GEL Supermultipore HZ−M
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
また、ポリマー中における低分子量成分量は、たとえばGPC測定により得られた分子量に関するデータに基づき、分子量分布全体の面積に占める、分子量1000以下に該当する成分の面積総和の割合から算出される。
(ポリマーの製造方法)
本実施形態に係るポリマーの製造工程は、(i)分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物を重合させる及び/又は他のモノマーと共重合体させる工程、(ii)分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物の酸無水環を、アルコールおよびフェノール樹脂を用いてエステル化反応させる工程、を含むことができる。
以下、各工程の一例について説明する。
(重合工程(処理S1))
はじめに以下の式(7a)で示されるインデン系モノマーと、無水マレイン酸とを用意する。式(7a)で示されるインデン型モノマーにおいて、R〜R11は、上記式(7)のものと同様とすることができる。
なお、上記無水マレイン酸に代えて、他の分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物を使用してもよいし、インデン系モノマーに代えて、他のモノマーを使用してもよい。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
Figure 2018127564
(式(7a)中、RからR11は式(7)と同じである。)
式(7a)で示されるインデン系モノマーとしては、例えば、インデン、2−メチルインデン、3−メチルインデンなどが挙げられる。この中でも、インデンを使用するのが好ましい。
次いで、式(7a)で示されるインデン型モノマーと、無水マレイン酸とを付加重合する。ここでは、ラジカル重合により、式(7a)で示されるインデン型モノマーと、無水マレイン酸との共重合体(共重合体1)を形成する。
式(7a)で示されるインデン型モノマーと、無水マレイン酸とのモル比(式(7a)で示される化合物のモル数:無水マレイン酸のモル数)は、0.5:1〜1:0.5であることが好ましい。なかでも、分子構造制御の観点から、式(7a)で示されるインデン型モノマーのモル数:無水マレイン酸のモル数=0.8:1〜1:0.8であることが好ましい。
なお、この付加重合に際しては、上述のインデン系モノマーと、無水マレイン酸以外にも共重合できるモノマーを添加してもよい。このようなモノマーとして、分子内にエチレン性二重結合を有する基を含む化合物が挙げられる。例えば、エチレン性二重結合を有する基の具体例としては、アリル基、アクリル基、メタクリル基、マレイミド基や、スチリル基やインデニル基のような芳香族ビニル基等が挙げられる。
重合方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤及び必要に応じて分子量調整剤を用いて重合する方法が好適である。この場合、懸濁重合、溶液重合、分散重合、乳化重合等の方法を取ることができる。中でも、溶液重合が好ましい。溶液重合の際には、各単量体を全量一括仕込みで行っても良いし、一部を反応容器に仕込み、残りを滴下して行っても良い。
たとえば、式(7a)で示されるインデン系モノマーと、無水マレイン酸と、重合開始剤とを溶媒に溶解し、その後、所定時間加熱することで、式(7a)で示されるノルボルネン型モノマーと、無水マレイン酸とを溶液重合する。加熱温度は、たとえば、50℃〜80℃であり、加熱時間は10時間〜20時間としてもよい。
重合に使用される溶媒としては、たとえばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等のうち、いずれか1種以上を使用することができる。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ化合物および有機過酸化物のうちのいずれか1種以上を使用できる。
アゾ化合物としては、たとえばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)があげられ、これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。
また、有機過酸化物としては、たとえば過酸化水素、ジターシャリブチルパーオキサイド(DTBP)、過酸化ベンゾイル(ベンゾイルパーオキサイド,BPO)および、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKP)を挙げることができ、これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。
ラジカル重合開始剤の量(モル数)は、式(7a)で示されるインデン型モノマーと、無水マレイン酸との合計モル数の1%〜10%とすることが好ましい。重合開始剤の量を前記範囲内で適宜設定し、かつ、反応温度、反応時間を適宜設定することで、得られるポリマーの重量平均分子量(Mw)を適切な範囲に調整することができる。
この重合工程(処理S1)により、上述の式(1)で示される繰り返し単位と、式(7)で示される繰り返し単位とを有する共重合体1を重合することができる。
ただし、共重合体1において、式(7)の構造のRは、各繰り返し単位において共通であることが好ましいが、それぞれの繰り返し単位ごとに異なっていてもよい。R〜R11においても同様である。
ここで、本実施形態の共重合体としては、上記分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物に由来する構造単位と、他のモノマーに由来する構造単位とが、交互に配置された交互共重合体であっても、ランダムに配置されたランダム共重合体であっても、それぞれの構造単位の連続的な繰り返し単位を有するブロック共重合体であってもよい。これらの構造を単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。この中でも、上記の共重合体としては、基本的には、交互共重合体とすることができる。
例えば、その他のモノマーであるインデン系モノマーと、無水マレイン酸が共重合した共重合体1は、下記の式(4)で表される繰り返し単位を有する交互に配置された構造を少なくとも一部に有する共重合体とすることができる。このように、式(1)で示される繰り返し単位と、式(7)で示される繰り返し単位とが交互に配置された構造を有することにより、本実施形態で製造されるポリマーを用いた樹脂組成物の溶解性の均一性を確保することができる。
同様に、その他のモノマーとしてノルボルネン系モノマーを用いる場合、ノルボルネン系モノマーと無水マレイン酸とが交互に重合した構造を少なくとも一部に有する共重合体を得ることができる。
一方、その他のモノマーとしてスチレン系モノマーやマレイミド系モノマーを用いる場合、スチレン系モノマーまたはマレイミド系モノマーが単独重合したブロック構造を少なくとも一部に有する共重合体を得ることができる。
Figure 2018127564
(式(4)において、R〜R11は、上記式(7)と同じである。また、aは10以上、200以下の整数である。)
ここで、式(4)の構造のRは、各繰り返し単位において共通であることが好ましいが、それぞれの繰り返し単位ごとに異なっていてもよい。R〜R11においても同様である。
また、上記のインデン系モノマーに代えて、ノルボルネン型モノマー、スチレン系モノマー、マレイミド系モノマーなどの他のモノマーを使用した場合も、前述の方法によりポリマーを製造することができる。
(低分子量成分除去工程(処理S2))
次に、低分子量成分除去工程を行ってもよい。たとえば、共重合体1と、残留モノマーおよびオリゴマー等の低分子量成分とが含まれた有機層に対して、大量の貧溶媒、たとえば、ヘキサンやメタノールに加えて、共重合体1を含むポリマーを凝固沈殿させる。ここで、低分子量成分としては、残留モノマー、オリゴマー、さらには、重合開始剤等が含まれる。次いで、ろ過を行い、得られた凝固物を、乾燥させる。これにより、低分子量成分が除去された共重合体1を主成分(主生成物)とするポリマーを得ることができる。
本実施形態の樹脂組成物は、ポリマー以外に、他の成分を含むことができる。例えば、本実施形態の樹脂組成物は、ポリマーに加えて、フェノール樹脂をさらに含むことができる。このとき、ポリマーの含有量は、フェノール樹脂100質量部に対して5質量部以上でもよく、10質量部以上でもよく、15質量部以上でもよく、20質量部以上でもよく、30質量部以上でもよい。一方で、上記ポリマーの含有量は、フェノール樹脂100質量部に対して、100質量部以下でもよく、70質量部以下でもよく、55質量部以下でもよい。
このような範囲に設定することにより、前述のフェノール樹脂との適度な相互作用をもたらし、一段と耐熱性の向上に資することができる。
本実施形態の樹脂組成物において、アルコール開環(アルコールによるエステル化反応)は、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物由来の酸無水環を、アルコールとのエステル化反応により開環させることにより行うことができる。例えば、アルコール開環としては、(i)塩基としての金属アルコキシド、または(ii)アルコールおよび塩基としてのアルカリ金属の水酸化物のいずれか一方を使用することにより、行うことができる。この他、公知のエステル化方法を用いてもよい
また、塩基の存在下で、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物に由来する構造単位Aを開環することで、温和な条件(低温)で開環することができる。また、酸による触媒反応で開環する場合に比べて、塩基の存在下で開環を行うことにより、アルコール開環率を容易に制御できる。加熱温度は、たとえば、50℃〜100℃であり、加熱時間は3時間〜24時間としてもよい。
また、上述のアルコール開環反応において、触媒を用いてもよい。触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、ジメチルアミノピリジンなどのアミン触媒、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸などの酸触媒が挙げられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態において、フェノール樹脂によるエステル化反応は、例えば、触媒存在下で加熱処理することにより、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物由来の酸無水環を、フェノール樹脂中のフェノール性水酸基で開環させることにより行うことができる。例えば、フェノール性水酸基が無水マレイン酸に付加することにより、以下の式(5)で示されるようなハーフエステル(ただし、R、およびRは、それぞれ水素を示す。)を与えることが考えられる。この式(5)におけるエステル結合を適度に有することで、本実施形態の樹脂組成物、樹脂膜は高耐熱性を発現することができる。
さらに、式(5)におけるハーフエステルはカルボキシル基を含有し、これにより感光性樹脂組成物を調製した際における感度の向上を図ることができると考えられる。
なお、上記無水マレイン酸に代えて、他の分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物を使用してもよい。
Figure 2018127564
(式(5)中、Rはフェノール樹脂に由来する原子団である。)
上記加熱処理において、加熱温度は、たとえば、50℃〜100℃であり、加熱時間は、たとえば、3時間〜72時間としてもよい。
フェノール樹脂によるエステル化反応に用いる触媒としては、たとえば塩基触媒や酸触媒を使用することができる。
上記塩基触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のヒドロキシ化合物、ピリジンや、トリエチルアミンなどのアルキルアミン、ジメチルアニリン、ウロトロピン、ジメチルアミノピリジンなどのアミン化合物、酢酸ナトリウム等の金属塩、アンモニア等を用いることができる。これらは一種を単独で用いてよいし、反応性をさらに高めるため、二種類以上の塩基触媒を組み合わせても良い。
また、上記酸触媒としては、硫酸や塩酸などの鉱酸、パラトルエンスルホン酸などの有機酸、フッ化ホウ素エーテラートなどのルイス酸などを用いることができる。
本実施形態の樹脂組成物において、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物の酸無水環は、アルコールおよびフェノール樹脂とエステル化反応すれば特に順番は限定されないが、例えば、アルコールとフェノール樹脂とを含む混合溶液を用いてエステル化してもよく、アルコールでエステル化した後にフェノール樹脂でエステル化してもよく、反対に、フェノール樹脂でエステル化した後にアルコールでエステル化してもよい。また、複数回の工程に分けて、段階的にエステル化してもよい。
なお、本実施形態の樹脂組成物中において、ポリマーの分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物の酸無水環の全てが、上述のフェノール樹脂およびアルコールによって開環されていてもよい。これにより、本樹脂組成物の硬化物について、硬度という観点での耐久性を向上させることができる。
なお、上記無水マレイン酸に代えて、他の分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物を使用してもよい。
本実施形態の樹脂組成物は、各種の用途に適用することができるが、例えば、ペーパー摩擦材等の摩擦材;砥石;自動車、航空機、鉄道車両、船舶、事務機器、電機機器または摺動部品に用いられる成形品用の成形材;等に用いることができる。
(感光性樹脂組成物)
本実施形態の樹脂組成物は、たとえば、感光性樹脂組成物の用途として好適に用いることができる。
このような感光性樹脂組成物は、感光剤と、上記の樹脂組成物と、を含むことができる。
(感光剤)
上記感光剤としては、たとえばジアゾキノン化合物、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩もしくはスルホニウム・ボレート塩などのオニウム塩、2−ニトロベンジルエステル化合物、N−イミノスルホネート化合物、イミドスルホネート化合物、2,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン化合物、またはジヒドロピリジン化合物を用いることができる。この中でも、感度や溶剤溶解性に優れるジアゾキノン化合物を用いることがとくに好ましい。ジアゾキノン化合物としては、たとえば以下に示すものを使用することができる。
Figure 2018127564
Figure 2018127564
Figure 2018127564
Figure 2018127564
Figure 2018127564
(n2は、1以上、5以下の整数である)
以上の各化合物において、Qは、下記(a)〜(c)に示す構造のいずれか、または水素原子である。ただし、各化合物のQのうち、少なくとも1つは下記(a)〜(c)に示す構造のいずれかである。
Figure 2018127564
本実施形態においては、ジアゾキノン化合物として、たとえばフェノール化合物と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸または1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸等のスルホン酸と、のエステルを用いることがより好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物はいわゆるポジ型とすることができ、未露光部のレリーフパターン中に残存する感光剤は、硬化時における熱で分解し酸を発生させると考えられ、反応促進剤としてもこの感光剤は重要な役割を果たす。このような役割を有するジアゾキノン化合物としては、より熱で分解し易い1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸のエステルを用いることがとくに好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物における感光剤の含有量は、特に限定されるものではないが、フェノール樹脂100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、8質量部以上であることがより好ましい。また、感光性樹脂組成物における感光剤の含有量は、フェノール樹脂100質量部に対して、80質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましい。感光剤の含有量が上記範囲内であることで良好なパターニング性能を発揮することができる。
(溶媒)
本実施形態に記載の樹脂組成物および感光性樹脂組成物は、上述の各成分を溶媒に溶解することで、ワニス状として使用することができる。
このような溶媒の例としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、およびピルビン酸エチル及びメチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられる。
なお、樹脂膜のクラック発生を顕著に抑制する観点からは、これらの化合物のうち、γ−ブチロラクロン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる化合物を用いることが好ましい態様である。
本実施形態の樹脂組成物および感光性樹脂組成物における溶媒の含有量は、特に限定されるものではないが、フェノール樹脂100質量部に対して、100質量部以上であることが好ましく、150質量部以上であることがより好ましい。
また、本実施形態の樹脂組成物および感光性樹脂組成物における溶媒の含有量は、フェノール樹脂100質量部に対して、1000質量部以下であることが好ましく、800質量部以下であることがより好ましい。溶媒の含有量が上記範囲内であると、適度なハンドリング性をもたらすことができる。
(その他の成分)
本実施形態の樹脂組成物および感光性樹脂組成物は、上述した成分以外にも、用途にあわせて、各種成分を配合することができる。
たとえば、アルカリ可溶性樹脂として、フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、メタクリル酸樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等のアクリル系樹脂、環状オレフィン系樹脂等を別途配合することができる。
その他、必要に応じて酸化防止剤、フィラー、シランカップリング剤、界面活性剤、密着助剤、末端封止剤および増感剤等の添加物を添加してもよい。
なお、これらを添加できる量は任意である。
(用途)
本実施形態の樹脂膜は、上記樹脂組成物または上記感光性樹脂組成物からなるものであり、これらの乾燥膜または硬化膜で構成することができる。
本実施形態の樹脂組成物および感光性樹脂組成物は、レジストや永久膜等の樹脂膜を形成するために用いられる。このような用途は、耐熱性の観点から好適である。
また、上記レジストは、例えば、感光性樹脂組成物をスピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の方法で塗布し、溶媒を除去することにより得られた樹脂膜で構成される。
上記永久膜は、上記の樹脂膜に対して露光および現像を行い、所望の形状にパターニングした後、熱処理等によって硬化させることにより得られた硬化膜で構成される。永久膜は、例えば、保護膜、層間膜、またはダム材等に用いることができる。
本実施形態の電子装置100は、上記の樹脂膜を備えることができる。
図1に示す電子装置100は、たとえば半導体チップである。この場合、たとえば電子装置100を、バンプ52を介して配線基板上に搭載することにより半導体パッケージが得られる。電子装置100は、トランジスタ等の半導体素子が設けられた半導体基板と、半導体基板上に設けられた多層配線層と、を備えている(図示せず)。多層配線層のうち最上層には、層間絶縁膜30と、層間絶縁膜30上に設けられた最上層配線34が設けられている。最上層配線34は、たとえばAlにより構成される。また、層間絶縁膜30上および最上層配線34上には、パッシベーション膜32が設けられている。パッシベーション膜32の一部には、最上層配線34が露出する開口が設けられている。
パッシベーション膜32上には、再配線層40が設けられている。再配線層40は、パッシベーション膜32上に設けられた絶縁層42と、絶縁層42上に設けられた再配線46と、絶縁層42上および再配線46上に設けられた絶縁層44と、を有する。絶縁層42には、最上層配線34に接続する開口が形成されている。再配線46は、絶縁層42上および絶縁層42に設けられた開口内に形成され、最上層配線34に接続されている。絶縁層44には、再配線46に接続する開口が設けられている。
本実施形態においては、パッシベーション膜32、絶縁層42および絶縁層44のうちの一つ以上を、たとえば上述の感光性樹脂組成物を硬化することにより形成される樹脂膜により構成することができる。この場合、たとえば感光性樹脂材料により形成される塗布膜に対し紫外線を露光し、現像を行うことによりパターニングした後、これを加熱硬化することにより、パッシベーション膜32、絶縁層42または絶縁層44が形成される。
絶縁層44に設けられた開口内には、たとえばUBM(Under Bump Metallurgy)層50を介してバンプ52が形成される。電子装置100は、たとえばバンプ52を介して配線基板等に接続される。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
次に、本発明の実施例について説明する。
まず、実施例で用いた各材料については以下に示すように準備を行った。
(フェノール樹脂)
フェノール樹脂1:次のようにしてノボラック型フェノール樹脂を合成した。
まず、攪拌装置、温度計、熱交換器を備えた3Lの4口フラスコに、m−クレゾールとp−クレゾールとを、モル比(m−クレゾール:p−クレゾール)=5:5の割合で混合したフェノール類1000部に対し、37%ホルマリン水溶液526部(ホルムアルデヒド/フェノールのモル比=0.70)、シュウ酸10部を仕込み、還流下で6時間反応を行った。この後、内温170℃まで常圧下で脱水し、さらに、8.0kPaの減圧下で230℃まで昇温して減圧脱水を行い、重量平均分子量11,000、分散度9.0、未反応フェノール類0.5%のノボラック型フェノール樹脂(フェノール樹脂1)1050部を得た。
(ポリマー)
ポリマー1:次のようにしてポリマー1を(インデン/無水マレイン酸共重合体)合成した。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、インデン(870g、7.5mol)、およびジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(11.5g、0.05mol)を計量し、メチルエチルケトンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ70℃到達後、無水マレイン酸(735g、7.5mol)メチルエチルケトン溶液、n−ドデシルメルカプタン(20.2g、0.10mol)メチルエチルケトン溶液をそれぞれの口から5時間掛けて逐次添加した後、2時間さらに熱処理を施した。これにより、インデン/無水マレイン酸共重合体を得た。
得られたインデン/無水マレイン酸共重合体を、ヘキサンを貧溶媒として再沈殿を行い、ブフナーろ過でインデン/無水マレイン酸共重合体と貧溶媒を分離した後、真空加熱乾燥を行い精製したインデン/無水マレイン酸共重合体を1500g得ることができた。
続いて、得られたインデン/無水マレイン酸共重合体を、下記のエステル化条件にて、エステル化反応させたインデン/無水マレイン酸共重合体(ポリマー1)を得た。
ポリマー2:次のようにしてポリマー2(インデン/マレイミド/無水マレイン酸共重合体)合成した。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(539g、5.5mol)、マレイミド(194g、2.0mol)、インデン(706g、7.5mol)およびジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(46g、0.2mol)を計量し、メチルエチルケトンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ60℃、7時間の条件で熱処理を施した。これにより、インデンとマレイミド、無水マレイン酸の共重合体を得た。次いで、室温まで冷却した上記溶解液を大量のメタノールを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ、1050gの白色固体を得た。
続いて、得られた精製後のインデン/マレイミド/無水マレイン酸共重合体を、下記のエステル化条件にて、エステル化反応させたインデン/マレイミド/無水マレイン酸共重合体(ポリマー2)を得た。
ポリマー3:次のようにしてポリマー3(ノルボルネン/無水マレイン酸共重合体)合成した。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(735g、7.5mol)、2−ノルボルネン(706g、7.5mol)およびジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(69g、0.3mol)を計量し、メチルエチルケトンおよびトルエンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ60℃、15時間の条件で熱処理を施した。これにより、2−ノルボルネンと無水マレイン酸の共重合体を得た。次いで、室温まで冷却した上記溶解液を大量のメタノールを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ、1100gの白色固体を得た。
続いて、得られた精製後の2−ノルボルネン/無水マレイン酸共重合体を、下記のエステル化条件にて、エステル化反応させた2−ノルボルネン/無水マレイン酸共重合体(ポリマー3)を得た。
ポリマー4:次のようにしてポリマー4(スチレン/無水マレイン酸共重合体)合成した。
スチレン/無水マレイン酸の共重合体SMA−1000−P(Cray ValleyUSA,LLC社製)を準備した。続いて、準備したスチレン/無水マレイン酸共重合体を、下記のエステル化条件にて、エステル化反応させたスチレン/無水マレイン酸共重合体(ポリマー4)を得た。
ポリマー5:次のようにしてポリマー5を(インデン/無水シトラコン酸共重合体)合成した。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、インデン(870g、7.5mol)、およびジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(23.0g、0.1mol)を計量し、メチルエチルケトンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ70℃到達後、シトラコン酸無水物(841g、7.5mol)メチルエチルケトン溶液、n−ドデシルメルカプタン(10.1g、0.05mol)メチルエチルケトン溶液をそれぞれの口から7時間掛けて逐次添加した後、6時間さらに熱処理を施した。これにより、インデン/無水シトラコン酸共重合体を得た。
続いて、得られたインデン/無水シトラコン酸共重合体を、下記のエステル化条件にて、エステル化反応させたインデン/無水シトラコン酸共重合体(ポリマー5)を得た。
<実施例1のポリマー1>
得られた精製後のインデン/無水マレイン酸共重合体60質量部に対して、160質量%のアセトンを溶媒として、水酸化ナトリウムを開環触媒として共重合体に対して5質量%添加し、反応温度50度で24時間、フェノール樹脂1を100質量部、メタノール5質量%で反応を行った。
次いで、室温まで冷却した上記溶解液を大量のヘキサンを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ黄色固体(フェノール樹脂由来のエステル結合とアルコール由来のエステル結合を有するインデン/無水マレイン酸共重合体)を得た。
<実施例2のポリマー1>
得られた精製後のインデン/無水マレイン酸共重合体100質量部に対して、200質量%のアセトンを溶媒として、水酸化ナトリウムを開環触媒として共重合体に対して5質量%添加し、反応温度50度で24時間、フェノール樹脂1を100質量部、シクロヘキサノール20質量%で反応を行った。
次いで、室温まで冷却した上記溶解液を大量のヘキサンを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ黄色固体(フェノール樹脂由来のエステル結合とアルコール由来のエステル結合を有するインデン/無水マレイン酸共重合体)を得た。
<実施例3のポリマー2>
得られた精製後のインデン/マレイミド/無水マレイン酸共重合体120質量部に対して、220質量%のメチルエチルケトンを溶媒として、トリエチルアミンを開環触媒として共重合体に対して10質量%添加し、反応温度70度で48時間、フェノール樹脂1を100質量部、ブタノール10質量%で反応を行った。
次いで、室温まで冷却した上記溶解液を大量のヘキサンを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ黄色固体(フェノール樹脂由来のエステル結合とアルコール由来のエステル結合を有するインデン/マレイミド/無水マレイン酸共重合体)を得た。
<実施例4のポリマー3>
得られた精製後のノルボルネン/無水マレイン酸共重合体30質量部に対して、130質量%のメチルエチルケトンを溶媒として、トリエチルアミンを開環触媒として共重合体に対して10質量%添加し、反応温度70度で48時間、フェノール樹脂1を100質量部、ブタノール1質量%で反応を行った。
次いで、室温まで冷却した上記溶解液を大量のヘキサンを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ黄色固体(フェノール樹脂由来のエステル結合とアルコール由来のエステル結合を有するノルボルネン/無水マレイン酸共重合体)を得た。
<実施例5のポリマー4>
スチレン/無水マレイン酸共重合体100質量部に対して、200質量%のメチルエチルケトンを溶媒として、塩酸を開環触媒として共重合体に対して3質量%添加し、反応温度70度で10時間、フェノール樹脂1を100質量部、エタノール5質量%で反応を行った。
次いで、室温まで冷却した上記溶解液を大量のヘキサンを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ黄色固体(フェノール樹脂由来のエステル結合とアルコール由来のエステル結合を有するスチレン/無水マレイン酸共重合体)を得た。
<実施例6のポリマー5>
得られた精製後のインデン/無水シトラコン酸共重合体60質量部に対して、160質量%のアセトンを溶媒として、水酸化ナトリウムを開環触媒として共重合体に対して5質量%添加し、反応温度50度で24時間、フェノール樹脂1を100質量部、メタノール5質量%で反応を行った。
次いで、室温まで冷却した上記溶解液を大量のヘキサンを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ黄色固体(フェノール樹脂由来のエステル結合とアルコール由来のエステル結合を有するインデン/無水シトラコン酸共重合体)を得た。
<比較例1のポリマー1>
実施例1のポリマー1と同様にして、精製後のインデン/無水マレイン酸共重合体を得た。
得られた精製後のインデン/無水マレイン酸共重合体に対して、同じ質量%のメチルエチルケトンを溶媒として、トリエチルアミンを開環触媒として共重合体に対して5質量%添加し、反応温度70度で48時間、フェノール樹脂1を添加せずに、ブタノール75質量%で反応を行った。
次いで、室温まで冷却した上記溶解液を大量のヘキサンを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ白色固体(アルコール由来のエステル結合を有するインデン/無水マレイン酸共重合体)を得た。
<比較例2のポリマー2>
実施例1のポリマー1と同様にして、精製後のインデン/無水マレイン酸共重合体を得た。
得られた精製後のインデン/無水マレイン酸共重合体に対して、同じ質量%のメチルエチルケトンを溶媒として、酢酸ナトリウムを開環触媒として共重合体に対して10質量%添加し、反応温度70度で24時間、フェノール樹脂1を添加せずに、シクロヘキサノール75質量%で反応を行った。
次いで、室温まで冷却した上記溶解液を大量のヘキサンを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ白色固体(アルコール由来のエステル結合を有するインデン/無水マレイン酸共重合体)を得た。
(感光剤)
感光剤1:以下の式(B−1)で示される感光剤(ダイトーケミックス株式会社製 製品名PA−28)
Figure 2018127564
(ただし、式(B−1)中のQは水素原子または上記式(B−2)により示され、Q全体の内90%が上記式(B−2)である。)
(界面活性剤)
界面活性剤1:フッ素系界面活性剤メガファックF−556(DIC株式会社製)
(感光性樹脂組成物の調整)
実施例1〜6、表1に示される配合比で、各ポリマー、感光剤、界面活性剤を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)中に溶解し、その後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、感光性樹脂組成物を得た。
また、比較例1、2についてについて、表1に示される配合比で、フェノール樹脂1、ポリマー1、感光剤、界面活性剤を、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)中に溶解し、その後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、感光性樹脂組成物を得た。比較例1、2については、各原料をPGMEAへ溶解させる前に、得られたフェノール樹脂1とポリマー1とを反応させなかった。なお、比較例1、2の感光性樹脂組成物を調製するにあたり、PGMEAは樹脂成分の含有量(フェノール樹脂とポリマーの総和)が25%となるよう調整した。
Figure 2018127564
(感度)
上記で得た感光性樹脂組成物を、それぞれ、4インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて110℃で2分間プリベークし、膜厚約2μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー((株)ニコン製・NSR−4425i)を用いて、露光量を変化させて照射した。
次に、現像液として2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、プリベーク後の膜厚と現像後の膜厚の差が1.0μmになるように現像時間を調節して2回パドル現像を行うことによって露光部を溶解除去した後、純水で10秒間リンスした。100μmの正方形のビアホールのパターンが形成される最低露光量の値を感度として評価した。結果は表1に示した。
(耐熱性評価)
上記で得た感光性樹脂組成物を、それぞれ、4インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて110℃で2分間プリベークし、膜厚約2μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(1mm□の残しパターン)を通して、SUSS社製マスクアライナーMA8を用いて、露光時間を40秒と固定として露光を行った。次に、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に浸漬することによって、露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスした。このとき、未露光部の膜減り量は約0.02μmであった。上記パターン加工した未露光部について、100℃1分の条件で乾燥させ、樹脂膜を得た。
この樹脂膜について140℃5分間の条件で加熱処理を行い、樹脂膜の形状が変化するか否かについて金属顕微鏡を用いて観察を行った。なお、本試験における評価基準は以下の通りである。結果は表1に示した。
○:パターンの角部に若干の変形が見られるが実用上問題のない水準である。
×:パターンの形状変化が観察される。
表1に示すように、実施例1〜6では、比較例1、2と比べて、耐熱性に優れる樹脂組成物を与えることが確認できた。また、比較例1のポリマー1を使用し、フェノール樹脂を添加しない以外、比較例1と同様にして得られた樹脂組成物(比較例3)は、上記耐熱性評価の試験においてパターン形成ができなかった。また、各実施例では、耐熱性と感度のバランスに優れた感光性樹脂組成物を与えることが確認できた。また、実施例の樹脂組成物は、ペーパー摩擦材;砥石;自動車、航空機、鉄道車両、船舶、事務機器、電機機器または摺動部品に用いられる成形品用の成形材にも有用であった。
100 電子装置
30 層間絶縁膜
32 パッシベーション膜
34 最上層配線
40 再配線層
42、44 絶縁層
46 再配線
50 UBM層
52 バンプ

Claims (8)

  1. 分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物の酸無水環がアルコールで開環した第1エステル化物由来の第1構造単位と、
    分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物の酸無水環がフェノール樹脂中のフェノール性水酸基で開環した第2エステル化物由来の第2構造単位と、
    を備えるポリマーを含む、樹脂組成物。
  2. 請求項1に記載の樹脂組成物であって、
    前記ポリマーが、分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物に由来する、下記一般式(1)で示される構造単位Aさらに含む、樹脂組成物。
    Figure 2018127564
    (式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基を示す。)
  3. 請求項1または2に記載の樹脂組成物であって、
    前記ポリマーは、以下の式(2)で示すノルボルネン系モノマーに由来する構造単位、式(3)で示すスチレン系モノマーに由来する構造単位、式(7)で示すインデン系モノマーに由来する構造単位、および式(8)で示すマレイミド系モノマーに由来する構造単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの単位をさらに含む、樹脂組成物。
    Figure 2018127564
    (式(2)中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基である。nは0、1または2である。)
    Figure 2018127564
    (式(3)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜30の有機基である。mは0以上5以下の整数である。)
    Figure 2018127564
    (式(7)中、RからR11はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基である。)
    Figure 2018127564
    (式(8)中、R12は独立して水素または炭素数1〜10の有機基である。)
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の樹脂組成物であって、
    フェノール樹脂をさらに含む、樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載の樹脂組成物であって、
    前記ポリマーの含有量は、前記フェノール樹脂100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下である、樹脂組成物。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の樹脂組成物と、
    感光剤と、を含む、感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1から5のいずれか1項に記載の樹脂組成物からなる、または請求項6に記載の感光性樹脂組成物からなる、樹脂膜。
  8. 請求項7に記載の樹脂膜を備える電子装置。
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