JP2020170103A - 感光性樹脂組成物、樹脂膜、及び、電子装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱性として、高い水準を有しつつ、更に優れた感度有する感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】フェノール樹脂と、式(1)で示される繰り返し単位を含むポリマーと、感光剤と、を含む、感光性樹脂組成物が提供される。【選択図】図1

Description

本発明は、感光性樹脂組成物、樹脂膜、及び、電子装置に関する。
フェノール樹脂は解像性に優れ、また、耐熱性や機械的強度の高さを有していることから、各種電子装置を構成する樹脂膜への適用の検討がなされている。
たとえば、特許文献1には、IC、LSI等の素子の製造に使用される超微細加工用レジストとして応用可能なポジ型フォトレジストが開示されている。より具体的には、メタクレゾールノボラック樹脂と、オルソクレゾールノボラック樹脂から成る樹脂混合物と、1,2−キノンジアジド化合物からなる組成物が開示されている。
また、当該文献によれば、係る構成を採用することにより、感度、残膜率及び支持体との密着性に優れたポジ型フォトレジストを提供できるとされている。
また、近年では、特定構造を有するフェノール化合物と、脂肪族アルデヒド化合物とを縮合して得られるノボラック型フェノール樹脂を必須成分として含有するポジ型フォトレジスト組成物が提案されている(たとえば、特許文献2参照)。
特開平2−55359号公報 特開2013−174702号公報
しかしながら、電子装置を構成する樹脂膜に求められる耐熱性として、高い水準を有しつつ、更に感度を向上させることが可能な感光性樹脂組成物が求められており、従来存在するフェノール樹脂を含む樹脂組成物では、この要求を満足することができなかった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、耐熱性として、高い水準を有しつつ、更に優れた感度を有する感光性樹脂組成物を提供するものである。
すなわち、本発明によれば、
フェノール樹脂と、
以下の式(1)で示される繰り返し単位を含むポリマーと、
感光剤と、
を含む、感光性樹脂組成物が提供される。
Figure 2020170103
(式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基を示す。)
また、本発明によれば、上記の感光性樹脂組成物からなる樹脂膜が提供される。
また、本発明によれば、上記の樹脂膜を備える電子装置が提供される。
本発明によれば、耐熱性に優れ、かつ、更に優れた感度を有し、耐熱性と高感度のバランスよく発現することができる感光性樹脂組成物、それを用いた樹脂膜および電子装置を提供することができる。
本実施形態に係る電子装置の一例を模式的に示す断面図である。
以下、実施の形態について、適宜図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、「〜」はとくに断りがなければ、以上から以下を表す。
[感光性樹脂組成物]
まず、本実施形態に係る感光性樹脂組成物について説明する。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、フェノール樹脂と、以下の式(1)で示される繰り返し単位を含むポリマーと、感光剤と、を含む。
Figure 2020170103
(式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基を示す。)
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、フェノール樹脂と、上記の式(1)で示される繰り返し単位を含むポリマーによって、高い耐熱性を有しつつ、従来存在するフェノール樹脂を含む感光性樹脂組成物よりも高い感度を発現することができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物が、フェノール樹脂と、上記の式(1)で示される繰り返し単位を含むポリマーによって、高い耐熱性を有しつつ、高い感度を発現することができる詳細なメカニズムは定かでないが、例えば、以下のように推測される。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、上記の式(1)で示される繰り返し単位を含むポリマーを必須とする。ここで、該ポリマーは、上記の式(1)で示される繰り返し単位を含むことによって、高い軟化点を有しつつも、従来の感光性樹脂組成物に含まれるポリマーに比べて、アルカリ溶解性が良好であると考えられる。すなわち、該ポリマーは、ポリマー内にフェノール性の水酸基を複数有するため、従来の、上記の式(1)で表わされる繰り返し単位を含まないポリマーに比べて、アルカリ溶解性が良好であり、感光性樹脂組成物に添加した際、感光性樹脂組成物の感度低下を抑制しつつ、耐熱性を向上させることができるものと推測される。なお、本発明は上記推測メカニズムに限定されるものではない。
また、従来のフェノール樹脂を含む感光性樹脂組成物は、ポリマー等を配合することで、ある程度の耐熱性を付与することは可能であったが、ポリマー等の配合の種類、量によっては、感度が低下する場合があった。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、例えば、ポリマーの配合量を増加させた場合においても、感度の低下が少ないため、高い耐熱性を有しつつ、従来存在するフェノール樹脂を含む感光性樹脂組成物よりもさらに高い感度を発現することができる。そのため、例えば、近年フォトレジストに対して求められる耐熱性がさらに高まっている、電子装置製造工程のために使用される微細加工用フォトレジストとしても、好適に用いることが可能である。
以下、本実施形態の感光性樹脂組成物を構成する各成分について説明する。
(フェノール樹脂)
まず、本実施形態の感光性樹脂組成物に含まれるフェノール樹脂について説明する。
本実施形態に係るフェノール樹脂は従来公知のものを使用することができる。上記フェノール樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、アリールアルキレン型フェノール樹脂などが挙げられる。フェノール樹脂として、これらの中の1種類を単独で用いてよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーとを併用してもよい。この中でも、ノボラック型フェノール樹脂を用いるのが好ましい。
ノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを、無触媒または酸性触媒等の存在下で反応させて得られる樹脂であれば、用途に合わせて適宜選択することができる。たとえば、ランダムノボラック型やハイオルソノボラック型のフェノール樹脂も用いることができる。
なお、このノボラック型フェノール樹脂は、通常、フェノール類に対するアルデヒド類のモル比(アルデヒド類/フェノール類)を0.5〜1.0に制御した上で、反応させて得ることができる。
このノボラック型フェノール樹脂を調製する際に用いられるフェノール類の具体例としては、たとえば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、キシレノール、アルキルフェノール類、カテコール、レゾルシン等が挙げられる。なお、これらのフェノール類は単独、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
また、ノボラック型フェノール樹脂を調製する際に用いられるアルデヒド類としては、たとえば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、ベンズアルデヒド等のアルデヒド化合物、およびこれらのアルデヒド化合物の発生源となる物質、あるいはこれらのアルデヒド化合物の溶液等を用いることができる。なお、これらのアルデヒド類は単独、あるいは2種以上を混合して使用してもよい。
本実施形態のフェノール樹脂の分子量としては、例えば、重量平均分子量(Mw)として300以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましく、2000以上であることがさらに好ましく、3000以上であることが殊更好ましい。重量平均分子量(Mw)が前記下限値以上であることにより、感光性樹脂組成物と、感光性樹脂組成物から得られた樹脂膜との機械的強度及び耐熱性を向上させることができる。
このフェノール樹脂の分子量としては、例えば、重量平均分子量(Mw)として20000以下であることが好ましく、18000以下であることがより好ましく、15000以下であることがさらに好ましい。重量平均分子量(Mw)が前記上限値以下であることにより、感光性樹脂組成物を製造する際の作業性の向上、感光性樹脂組成物から樹脂膜を得る際の成形性の向上を図ることができる。
さらに、感光性樹脂組成物と、感光性樹脂組成物から得られた樹脂膜との感度の向上及び不溶解成分の析出量減少を図ることができる。
また、この重量平均分子量は、後述するポリマー同様、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により、ポリスチレン標準物質を用いて作成した検量線をもとに算出することができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物において、フェノール樹脂の配合量は、特に限定されるものではないが、感光性樹脂組成物の固形分全体(溶媒を除く)100質量部に対し、10質量部以上、95質量部以下とすることができ、15質量部以上、90質量部以下とすることが好ましく、20質量部以上、85質量部以下とすることがより好ましい。
(ポリマー)
本実施形態に係るポリマーは、下記式(1)で示される繰り返し単位を含む。
Figure 2020170103
(式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基を示す。)
すなわち、本実施形態に係るポリマーは、上記式(1)で表される構造単位を含む重合体であり、たとえば、上記式(1)で表される構造単位と他のモノマー由来の構造単位を有する共重合体である。
本実施形態において、上記式(1)中、R及びRは、例えば、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜3の有機基であることが好ましく、それぞれ独立して水素又は炭素数1の有機基であることがより好ましく、Rが水素かつRが水素又は炭素数1の有機基であることが更に好ましく、RとRが水素であることが一層好ましい。
本実施形態において、上記式(1)中、R及びRを構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられる。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばシクロプロピル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
上記したように、本実施形態に係るポリマーは、上記式(1)で表される構造単位と他のモノマー由来の構造単位を有する共重合体とでき、この場合、他のモノマーは、本実施形態に係る感光性樹脂組成物を適用する用途に応じ適宜選択することができる。
他のモノマーのより具体的な例としては、ノルボルナジエン、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン(慣用名:2−ノルボルネン)、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネン、5−アリル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−エチニル−2−ノルボルネン、5−ベンジル−2−ノルボルネン、5−フェネチル−2−ノルボルネン等のノルボルネン系モノマー;インデン、2−メチルインデン、3−メチルインデン等のインデン系モノマー;1,5,9−シクロドデカトリエン、シス−トランス−トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン、トランス−トランス−トランス−1,5,9−シクロドデカトリエン、トランス−シス−シス−1,5,9−シクロドデカトリエン、シス−シス−シス−1,5,9−シクロドデカトリエン等の脂環系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のビニル系モノマー;パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等のフッ素含有ビニル系モノマー;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系モノマー;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン類;塩化アリル、アリルアルコール等のアリル系モノマー;マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド等のN−アルキルマレイミド;N−シクロヘキシルマレイミド、N−シクロペンチルマレイミド、N−ノルボルニルマレイミド、N−シクロヘキシルメチルマレイミド、N−シクロペンチルメチルマレイミド等のN−シクロアルキルマレイミド;N−フェニルマレイミド、N−クロロフェニルマレイミド、N−メチルフェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−メトキシフェニルマレイミド、N−カルボキシフェニルマレイミド、N−ニトロフェニルマレイミド等のN−アリールマレイミド;N−アルキルマレイミド、N−シクロアルキルマレイミド、N−アリールマレイミドの他にもN−ヒドロキシマレイミド等のマレイミド系モノマー;等を挙げることができ、本実施形態に係るポリマーは、これらのモノマーに由来する繰り返し単位を有することとできる。本実施形態に係るポリマーは、これらの他モノマーに由来する繰り返し単位を、1種含んでもよいし、異なる2種類以上を含んでもよい。
本実施形態に係るポリマーは、以下の式(2)で示すノルボルネン系モノマーに由来する繰り返し単位、式(3)で示すスチレン系モノマーに由来する繰り返し単位、式(7)で示すインデン系モノマーに由来する繰り返し単位、および式(8)で示すマレイミド系モノマーに由来する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの繰り返し単位をさらに含むことが好ましい。すなわち、本実施形態のポリマーは、上記式(1)で示される構造単位と、少なくとも一種の他のモノマー由来の構造単位を有する共重合体とすることができ、他のモノマーとして、好ましくは脂環系モノマーのうちノルボルネン系モノマー、スチレン系モノマー、インデン系モノマー、マレイミド系モノマーを用いることができる。
これらは1つを単独で含んでもよいし、異なる2つ以上の単位を含んでもよい。
ポリマーがこれらの単位を含むことで、本実施形態の感光性樹脂組成物及び感光性樹脂組成物から得られる樹脂膜の耐熱性等をさらに向上させることができる。
Figure 2020170103
(式(2)中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基である。nは0、1または2である。)
Figure 2020170103
(式(3)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜30の有機基である。mは0以上5以下の整数である。)
Figure 2020170103
(式(7)中、RからR11はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基である。)
Figure 2020170103
(式(8)中、R12は独立して水素または炭素数1〜10の有機基である。ただし、R12がフェノール基であり、式(8)が上記式(1)に含まれる場合を除く。)
本実施形態において、上記式(2)中、R〜Rは、例えば、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜30の有機基であり、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜10の有機基であることが好ましく、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜3の有機基であることがより好ましく、それぞれ独立して水素または炭素数1の有機基であることが更に好ましい。また、上記式(2)中、nは、例えば、0、1または2であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
本実施形態において、上記式(3)中、Rは、例えば、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜30の有機基であり、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜10の有機基であることが好ましく、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜3の有機基であることがより好ましく、それぞれ独立して水素または炭素数1の有機基であることが更に好ましい。また、上記式(3)中、mは、例えば、0以上5以下の整数であり、0以上3以下の整数であることが好ましく、0以上1以下の整数であることがより好ましい。
本実施形態において、上記式(7)中、R〜R11は、例えば、それぞれ独立して水素又は炭素数1〜3の有機基であり、それぞれ独立して水素又は炭素数1の有機基であることが好ましく、それぞれ独立して水素であることが更に好ましい。
本実施形態において、上記式(8)中、R12は、例えば、独立して水素又は炭素数1〜10の有機基であり、独立して水素又は炭素数1〜5の有機基であることが好ましく、独立して水素又は炭素数1〜3の有機基であることがより好ましく、独立して水素または炭素数1の有機基であることが更に好ましい。
〜R、Rを構成する炭素数1〜30の有機基は、その構造中にO、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでいてもよい。また、R〜R11を構成する炭素数1〜3の有機基は、その構造中にその構造中にO、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでいてもよい。また、R12を構成する炭素数1〜10の有機基は、その構造中にO、N、S、PおよびSiから選択される1以上の原子を含んでいてもよい。また、R〜R、R、R5〜R11およびR12を構成する有機基は、いずれも酸性官能基を有しないものとすることができる。これにより、ポリマー中における酸価の制御を容易とすることができる。
本実施形態において、R〜R、Rを構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられる。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、およびデシル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、ペンテニル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。アリール基としては、たとえばトリル基、キシリル基、フェニル基、ナフチル基、およびアントラセニル基が挙げられる。アラルキル基としては、たとえばベンジル基、およびフェネチル基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばアダマンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、およびシクロオクチル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
本実施形態において、R5〜R11を構成する有機基としては、たとえばアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基が挙げられる。
アルキル基としては、たとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基が挙げられる。アルケニル基としては、たとえばアリル基、およびビニル基が挙げられる。アルキニル基としては、エチニル基が挙げられる。アルキリデン基としては、たとえばメチリデン基、およびエチリデン基が挙げられる。シクロアルキル基としては、たとえばシクロプロピル基が挙げられる。ヘテロ環基としては、たとえばエポキシ基、およびオキセタニル基が挙げられる。
本実施形態において、R12を構成する有機基としては、例えば、水素や、上記のR〜R、Rで例示された有機基のうち、炭素数1〜10の有機基を使用できる。ただし、R12がフェノール基である場合は除く。すなわち、式(8)が上記式(1)に含まれる場合を除く。
さらに、R〜R、R、R〜R11及びR12を構成するアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキリデン基、アリール基、アラルキル基、アルカリル基、シクロアルキル基、およびヘテロ環基は、1以上の水素原子が、ハロゲン原子により置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素が挙げられる。なかでもアルキル基の1以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されたハロアルキル基が好ましい。R〜R、R、R〜R11及びR12の少なくともいずれか1つをハロアルキル基とすることで、ポリマーを使用して硬化膜を構成した際、この硬化膜の誘電率を低下させることができる。また、ハロアルキルアルコール基とすることで、アルカリ現像液に対する溶解性を適度に調整できるだけでなく、耐熱変色性を向上させることができる。
なお、ポリマーを含んで構成される膜の光透過性を高める観点からは、R〜R、R、R〜R11及びR12のいずれかが水素であることが好ましく、たとえば、式(2)の構造単位を採用する場合にあっては、R〜Rすべてが水素であることが好ましい。例えば、式(3)の構造単位を採用する場合にあっては、Raが水素であることが好ましい。例えば、式(7)の構造単位を採用する場合にあっては、R〜R11が水素であることが好ましい。例えば、式(8)の構造単位を採用する場合にあっては、R12が水素であることが好ましい。
なお、上記したように、本実施形態に係るポリマーは、上記式(1)で表される繰り返し単位を有し、式(2)で示すノルボルネン系モノマーに由来する繰り返し単位、式(3)で示すスチレン系モノマーに由来する繰り返し単位、式(7)で示すインデン系モノマーに由来する繰り返し単位、および式(8)で示すマレイミド系モノマーに由来する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの単位を含むことが好ましく、さらに、上記式(1)、式(2)、式(3)、式(7)、及び、式(8)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位をさらに有していてもよい。
上記式(1)、式(2)、式(3)、式(7)、及び、式(8)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位としては、例えば、不飽和カルボン酸無水物に由来する単位が挙げられる。すなわち、本実施形態に係るポリマーは、以下の式(9)で表される繰り返し単位を含むことができる。不飽和カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、ジメチル無水マレイン酸またはこれらの誘導体を挙げることができる。
Figure 2020170103
(式(9)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基である。)
本実施形態に係るポリマーは、ポリマー全体を100としたとき、上記式(1)で表される繰り返し単位を、3モル%以上、60モル%以下含むことが好ましく、5モル%以上、55モル%以下含むことが好ましい。
本実施形態に係るポリマーは、ポリマー全体を100としたとき、式(2)で示すノルボルネン系モノマーに由来する繰り返し単位、式(3)で示すスチレン系モノマーに由来する繰り返し単位、式(7)で示すインデン系モノマーに由来する繰り返し単位、および式(8)で示すマレイミド系モノマーに由来する繰り返し単位の合計を、35モル%以上、95モル%以下とすることができ、45モル%以上、90モル%以下とすることができる。
また、本実施形態に係るポリマーは、式(2)で示すノルボルネン系モノマーに由来する繰り返し単位、及び/又は、式(7)で示すインデン系モノマーに由来する繰り返し単位を含む場合、ポリマー全体を100としたとき、上記式(1)で表される繰り返し単位を、20モル%以上、60モル%以下含むことがより好ましく、25モル%以上、55モル%以下含むことが特に好ましい。また、同様に、本実施形態に係るポリマーは、式(2)で示すノルボルネン系モノマーに由来する繰り返し単位、及び/又は、式(7)で示すインデン系モノマーに由来する繰り返し単位を含む場合、式(2)で示すノルボルネン系モノマーに由来する繰り返し単位、及び、式(7)で示すインデン系モノマーに由来する繰り返し単位の合計が、35モル%以上、65モル%以下とすることがより好ましく、45モル%以上、55モル%以下とすることが特に好ましい。
また、本実施形態に係るポリマーは、ポリマー全体を100としたとき、上記式(9)で表される繰り返し単位の含有量が、0モル%以上、30モル%以下であることが好ましく、0モル%以上、25モル%以下であることがより好ましく、0モル%以上、15モル%以下であることが特に好ましい。すなわち、本実施形態に係るポリマーは、上記式(9)で表される繰り返し単位を含まないこととすることもできる。
なお、本実施形態に係るポリマーが有する繰り返し単位の種類、及び、含有量は、例えば、13C−NMRによる分析、原料モノマーの配合比率、後述の前駆体ポリマーの変換率等から求めることができる。
本実施形態のポリマーは、たとえばGPC(Gel Permeation Chromatography)により得られる分子量分布曲線において、分子量1000以下におけるピーク面積が、全体の3%以下でもよく、2%以下でもよい。
このように、GPCにより得られる分子量分布曲線の分子量1000以下におけるピーク面積の比率を上記範囲とすることにより、ポリマーを含む感光性樹脂組成物からなる膜のパターン形状を良好なものとすることができる。そのため、当該膜を永久膜として備える液晶表示装置、固体撮像素子等の電子装置については、その動作信頼性を向上させることが可能となる。
なお、ポリマーにおける低分子量成分の量の下限は、特に限定されない。しかし、本実施形態におけるポリマーは、GPCにより得られる分子量分布曲線において分子量1000以下におけるピーク面積は全体の0.01%以上である場合を許容するものである。
本実施形態におけるポリマーは、たとえば、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)が1.1以上2.9以下であり、より好ましくは1.4以上2.2以下である。なお、Mw/Mnは、分子量分布の幅を示す分散度である。
また、ポリマーのMw(重量平均分子量)は、たとえば1,500以上30,000以下であり、3,000以上20,000以下である。
ポリマーの分子量分布及び分子量を上記態様とすることで、耐熱性や耐久性能をさらに向上させることができる。
なお、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、および分子量分布(Mw/Mn)は、たとえばGPC測定により得られる標準ポリスチレン(PS)の検量線から求めた、ポリスチレン換算値を用いる。測定条件は、たとえば以下の通りである。
東ソー社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8320GPC
カラム:東ソー社製TSK−GEL Supermultipore HZ−M
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
また、ポリマー中における低分子量成分量は、たとえばGPC測定により得られた分子量に関するデータに基づき、分子量分布全体の面積に占める、分子量1000以下に該当する成分の面積総和の割合から算出される。
また、ポリマーの分子量を調節するためには、連鎖移動剤を適宜使用することができる。連鎖移動剤としては、たとえば、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、β−メルカプトプロピオン酸、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート等のβ−メルカプトプロピオン酸類;2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン、1,4−ナフトキノン等のナフトキノン類;n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸、メルカプトプロピオン酸等のメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィド等のキサントゲン類;その他、トリエトキシシラン、ターピノーレン、α−メチルスチレンダイマー等を挙げることができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、前記フェノール樹脂の配合量を100質量部としたとき、上記ポリマーの含有量が、20質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましく、35質量%以上とすることがさらに好ましく、40質量部以上とすることもできる。上限は特に制限されないが、例えば、150質量部以下とすることができる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物によれば、ポリマーの含有量を増加させても感度が低下せず、より、耐熱性及び感度のバランスに優れた感光性樹脂組成物とすることができる。
(ポリマーの製造方法)
本実施形態に係るポリマーの製造方法は特に限定されないが、例えば、無水マレイン酸と、他のモノマーとの共重合により得られるポリマーに対して、2−アミノフェノール、あるいは3−アミノフェノール、あるいは4−アミノフェノールのいずれかを反応させて得ることができる。
また、別の方法としては、本実施形態に係るポリマーは、例えば、下記式(A)で表されるモノマーと他のモノマーとを共重合させることにより得ることができる。これら製造方法は従来公知の方法を用いることができる。
Figure 2020170103
以下、無水マレイン酸と、他のモノマーとの共重合により得られるポリマーに対して、2−アミノフェノール、あるいは3−アミノフェノール、あるいは4−アミノフェノールのいずれかを反応させる方法について、前述の式(2)で示される繰り返し単位を含むポリマーの製造方法を例に挙げて説明する。
(重合工程(処理S1))
はじめに以下の式(2a)で示されるノルボルネン系モノマーと、無水マレイン酸とを用意する。式(2a)で示されるノルボルネン系モノマーにおいて、n、R〜Rは、上記式(2)のものと同様とすることができる。
Figure 2020170103
式(2a)で示されるノルボルネン系モノマーとしては、具体的には、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン(慣用名:2−ノルボルネン)があげられ、さらに、アルキル基を有するものとして、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネンなど、アルケニル基を有するものとしては、5−アリル−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンなど、アルキニル基を有するものとしては、5−エチニル−2−ノルボルネンなど、アラルキル基を有するものとしては、5−ベンジル−2−ノルボルネン、5−フェネチル−2−ノルボルネンなどがあげられる。
その他、ノルボルネン系モノマーとしては、式(2a)のR、R、R、Rの基の構造中に、架橋性を有する基、あるいはフッ素等のハロゲン原子を含む基などの官能基を含むものを採用することができる。
ノルボルネン系モノマーとしては、これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。なかでも、ポリマーの耐熱性と光透過性のバランスの観点から、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン(慣用名:2−ノルボルネン)を使用することが好ましい。
次いで、式(2a)で示されるノルボルネン系モノマーと、無水マレイン酸とを付加重合する。ここでは、ラジカル重合により、式(2a)で示されるノルボルネン系モノマーと、無水マレイン酸との共重合体(前駆体ポリマー)を形成する。
式(2a)で示されるノルボルネン系モノマーと、無水マレイン酸とのモル比(式(2a)で示される化合物のモル数:無水マレイン酸のモル数)は、0.5:1〜1:0.5であることが好ましい。なかでも、分子構造制御の観点から、式(2a)で示されるノルボルネン系モノマーのモル数:無水マレイン酸のモル数=0.8:1〜1:0.8であることが好ましい。
なお、この付加重合に際しては、上述のノルボルネン系モノマーと、無水マレイン酸以外にも共重合できるモノマーを添加してもよい。このようなモノマーとして、分子内にエチレン性二重結合を有する基を含む化合物が挙げられる。ここで、エチレン性二重結合を有する基の具体例としては、アリル基、アクリル基、メタクリル基、マレイミド基や、スチリル基やインデニル基のような芳香族ビニル基等が挙げられる。
なお、上記無水マレイン酸に代えて、他の分子内に環状構造を有する不飽和カルボン酸無水物を使用してもよい。
重合方法としては、例えば、ラジカル重合開始剤及び必要に応じて連鎖移動剤を用いて重合する方法が好適である。この場合、懸濁重合、溶液重合、分散重合、乳化重合等の方法を取ることができる。中でも、溶液重合が好ましい。溶液重合の際には、各単量体を全量一括仕込みで行っても良いし、一部を反応容器に仕込み、残りを滴下して行っても良い。
たとえば、式(2a)で示されるノルボルネン系モノマーと、無水マレイン酸と、重合開始剤とを溶媒に溶解し、その後、所定時間加熱することで、式(2a)で示されるノルボルネン系モノマーと、無水マレイン酸とを溶液重合する。加熱温度は、たとえば、50〜80℃であり、加熱時間は10〜20時間である。
重合に使用される溶媒としては、たとえばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、トルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等のうち、いずれか1種以上を使用することができる。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ化合物および有機過酸化物のうちのいずれか1種以上を使用できる。
アゾ化合物としては、たとえばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、ジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、1,1'−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)(ABCN)があげられ、これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。
また、有機過酸化物としては、たとえば過酸化水素、ジターシャリブチルパーオキサイド(DTBP)、過酸化ベンゾイル(ベンゾイルパーオキサイド,BPO)および、メチルエチルケトンパーオキサイド(MEKP)を挙げることができ、これらのうち、いずれか1種以上を使用できる。
ラジカル重合開始剤の量(モル数)は、式(2a)で示されるノルボルネン系モノマーと、無水マレイン酸との合計モル数の1%〜10%とすることが好ましい。重合開始剤の量を前記範囲内で適宜設定し、かつ、反応温度、反応時間、連鎖移動剤の量を適宜設定することで、得られるポリマーの重量平均分子量(Mw)を適切な範囲に調整することができる。
この重合工程(処理S1)により、上述の式(9)で示される繰り返し単位と、式(2)で示される繰り返し単位とを有する前駆体ポリマーを重合することができる。
ただし、前駆体ポリマーにおいて、式(2)の構造のRは、各繰り返し単位において共通であることが好ましいが、それぞれの繰り返し単位ごとに異なっていてもよい。R〜Rにおいても同様である。
前駆体ポリマーは、式(9)で示される繰り返し単位と、式(2)で示される繰り返し単位とが、ランダムに配置されたものであってもよく、また、交互に配置されたものであってもよい。また、式(2a)で示されるノルボルネン系モノマーと、無水マレイン酸等とがブロック共重合したものであってもよい。ただし、本実施形態で製造されるポリマーを用いた樹脂組成物の溶解性の均一性を確保する観点からは、式(9)で示される繰り返し単位と、式(2)で示される繰り返し単位とが交互に配置された構造であることが好ましい。すなわち、前駆体ポリマーは、例えば、ノルボルネン系モノマーと、無水マレイン酸が共重合した場合、以下の式(4)で表される繰り返し単位を有するものであることが好ましい。
Figure 2020170103
(式(4)において、n、R〜Rは、上記式(2)と同じである。すなわち、nは0、1、2のいずれかである。R〜Rは、水素または炭素数1〜30の有機基である。R〜Rは、同一のものであっても異なっていてもよい。また、aは10以上、200以下の整数である。)
ここで、式(4)の構造のRは、各繰り返し単位において共通であることが好ましいが、それぞれの繰り返し単位ごとに異なっていてもよい。R〜Rにおいても同様である。
(前駆体ポリマーとアミノフェノールとの反応工程(処理S2))
次に得られたポリマーに対して、2−アミノフェノール、あるいは3−アミノフェノール、あるいは4−アミノフェノールのいずれかを反応させて本実施形態に係るポリマーを得ることができる。この反応工程は従来公知の方法を用いることができ、例えば高沸点溶媒中で反応により生じる水を除去しながら加熱還流する方法や、有機溶媒中にて前駆体であるアミド酸を生成させたのち無水酢酸およびピリジンを加えることでイミド化する化学的イミド化などを用いることができる。
この反応によって、前駆体ポリマーに含まれる式(9)で示される繰り返し単位の全部又は一部が、式(1)で示される繰り返し単位となり、本実施形態に係るポリマーを得ることができる。
なお、上記の、前駆体ポリマーに含まれる式(9)で示される繰り返し単位の全部又は一部を、式(1)で示される繰り返し単位とする反応においては、前駆体ポリマーに含まれる式(9)で示される繰り返し単位のうち、50モル%以上100モル%以下を、式(1)で示される繰り返し単位とすることが好ましく、70モル%以上98モル%以下を、式(1)で示される繰り返し単位とすることがより好ましい。なお、変換率は、反応に用いる添加物の種類及び量、並びに、温度、時間等の反応条件を適切に調整することによって、制御することができる。
(低分子量成分除去工程(処理S3))
さらに、必要に応じて、本実施形態に係るポリマーと、残留モノマーおよびオリゴマー等の低分子量成分とが含まれた有機層に対して、大量の貧溶媒、たとえば、ヘキサンやメタノールに加えて、本実施形態に係るポリマー含むポリマーを凝固沈殿させる。ここで、低分子量成分としては、残留モノマー、オリゴマー、さらには、重合開始剤等が含まれる。次いで、ろ過を行い、得られた凝固物を、乾燥させる。これにより、低分子量成分が除去された本実施形態に係るポリマーを主成分(主生成物)とするポリマーを得ることができる。
例えば、前述のポリマーが、前述の式(7)で示される繰り返し単位を含む場合であっても、下記式(7a)で示されるインデン系モノマーを用い、式(2)の繰り返し単位を含むモノマーを用いた場合と同様の方法で前駆体ポリマーを得、前駆体ポリマーに含まれる式(9)で示される繰り返し単位の全部又は一部を、式(1)で示される繰り返し単位とする反応を経て、本実施形態に係るポリマーを製造することができる。また、前述のポリマーが、前述の式(8)で示される繰り返し単位を含む場合であっても、下記式(8a)で示されるマレイミド系モノマーを用い、式(2)の繰り返し単位を含むモノマーを用いた場合と同様の方法で前駆体ポリマーを得、前駆体ポリマーに含まれる式(9)で示される繰り返し単位の全部又は一部を、式(1)で示される繰り返し単位とする反応を経て、本本実施形態に係るポリマーを製造することができる。
Figure 2020170103
(式(7a)中、RからR11は式(7)と同じである。)
Figure 2020170103
(式(8a)中、R12は式(8)と同じである。)
(感光剤)
本実施形態の感光性樹脂組成物は感光剤を含む。
この感光剤としては、たとえばジアゾキノン化合物、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩もしくはスルホニウム・ボレート塩などのオニウム塩、2−ニトロベンジルエステル化合物、N−イミノスルホネート化合物、イミドスルホネート化合物、2,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン化合物、またはジヒドロピリジン化合物を用いることができる。この中でも、感度や溶剤溶解性に優れるジアゾキノン化合物を用いることがとくに好ましい。ジアゾキノン化合物としては、たとえば以下に示すものを使用することができる。
Figure 2020170103
Figure 2020170103
Figure 2020170103
Figure 2020170103
Figure 2020170103
Figure 2020170103
(n2は、1以上、5以下の整数である)
以上の各化合物において、Qは、下記(a)〜(c)に示す構造のいずれか、または水素原子である。ただし、各化合物のQのうち、少なくとも1つは下記(a)〜(c)に示す構造のいずれかである。
Figure 2020170103
本実施形態においては、ジアゾキノン化合物として、たとえばフェノール化合物と、1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−5−スルホン酸または1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸と、のエステルを用いることがより好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物はいわゆるポジ型とすることができ、未露光部のレリーフパターン中に残存する感光剤は、硬化時における熱で分解し酸を発生させると考えられ、反応促進剤としてもこの感光剤は重要な役割を果たす。このような役割を有するジアゾキノン化合物としては、より熱で分解し易い1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホン酸のエステルを用いることがとくに好ましい。
本実施形態の感光性樹脂組成物における感光剤の含有量は、特に限定されるものではないが、フェノール樹脂100質量部に対して、5質量部以上であることが好ましく、8質量部以上であることがより好ましい。また、感光性樹脂組成物における感光剤の含有量は、フェノール樹脂100質量部に対して、80質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましい。感光剤の含有量が上記範囲内であることで良好なパターニング性能を発揮することができる。
(溶媒)
本実施形態に記載の感光性樹脂組成物は、上述の各成分を溶媒に溶解することで、ワニス状として使用することができる。
このような溶媒の例としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、およびピルビン酸エチル及びメチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられる。
なお、樹脂膜のクラック発生を顕著に抑制する観点からは、これらの化合物のうち、γ−ブチロラクロン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートからなる群から選ばれる化合物を用いることが好ましい態様である。
本実施形態の感光性樹脂組成物における溶媒の含有量は、特に限定されるものではないが、フェノール樹脂100質量部に対して、100質量部以上であることが好ましく、150質量部以上であることがより好ましい。
また、本実施形態の感光性樹脂組成物における溶媒の含有量は、フェノール樹脂100質量部に対して、1000質量部以下であることが好ましく、800質量部以下であることがより好ましい。溶媒の含有量が上記範囲内であると、適度なハンドリング性をもたらすことができる。
(その他の成分)
本実施形態の感光性樹脂組成物は、上述した成分以外にも、用途にあわせて、各種成分を配合することができる。
たとえば、アルカリ可溶性樹脂として、フェノール樹脂、フェノールアラルキル樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、メタクリル酸樹脂、メタクリル酸エステル樹脂等のアクリル系樹脂、環状オレフィン系樹脂等を別途配合することができる。
その他、必要に応じて酸化防止剤、フィラー、シランカップリング剤、界面活性剤、密着助剤、末端封止剤および増感剤等の添加物を添加してもよい。
なお、これらを添加できる量は任意である。
(用途)
本実施形態に係る樹脂膜は、上記の感光性樹脂組成物からなる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、レジストや永久膜等の樹脂膜を形成するために用いられる。このような用途は、耐熱性の観点から好適である。
また、上記レジストは、例えば、感光性樹脂組成物をスピンコート、ロールコート、フローコート、ディップコート、スプレーコート、ドクターコート等の方法で塗布し、溶媒を除去することにより得られた樹脂膜で構成される。
上記永久膜は、上記の樹脂膜に対して露光および現像を行い、所望の形状にパターニングした後、熱処理等によって硬化させることにより得られた硬化膜で構成される。永久膜は、例えば、保護膜、層間膜、またはダム材等に用いることができる。
次に、本実施形態の感光性樹脂組成物を適用した電子装置100の一例について説明する。
本実施形態の電子装置100は、上記樹脂膜を備えることができる。
図1に示す電子装置100は、たとえば半導体チップである。この場合、たとえば電子装置100を、バンプ52を介して配線基板上に搭載することにより半導体パッケージが得られる。電子装置100は、トランジスタ等の半導体素子が設けられた半導体基板と、半導体基板上に設けられた多層配線層と、を備えている(図示せず)。多層配線層のうち最上層には、層間絶縁膜30と、層間絶縁膜30上に設けられた最上層配線34が設けられている。最上層配線34は、たとえばAlにより構成される。また、層間絶縁膜30上および最上層配線34上には、パッシベーション膜32が設けられている。パッシベーション膜32の一部には、最上層配線34が露出する開口が設けられている。
パッシベーション膜32上には、再配線層40が設けられている。再配線層40は、パッシベーション膜32上に設けられた絶縁層42と、絶縁層42上に設けられた再配線46と、絶縁層42上および再配線46上に設けられた絶縁層44と、を有する。絶縁層42には、最上層配線34に接続する開口が形成されている。再配線46は、絶縁層42上および絶縁層42に設けられた開口内に形成され、最上層配線34に接続されている。絶縁層44には、再配線46に接続する開口が設けられている。
本実施形態においては、パッシベーション膜32、絶縁層42および絶縁層44のうちの一つ以上を、上述の樹脂組成物または感光性樹脂組成物を硬化することにより形成される樹脂膜により構成することができる。この場合、たとえば感光性樹脂組成物により形成される塗布膜に対し紫外線を露光し、現像を行うことによりパターニングした後、これを加熱硬化することにより、パッシベーション膜32、絶縁層42または絶縁層44が形成される。
絶縁層44に設けられた開口内には、たとえばUBM(Under Bump Metallurgy)層50を介してバンプ52が形成される。電子装置100は、たとえばバンプ52を介して配線基板等に接続される。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
まず、実施例で用いた各材料については以下に示すように準備を行った。
(ノボラック型フェノール樹脂1)
攪拌装置、温度計、熱交換器を備えた3Lの4口フラスコに、m−クレゾールとp−クレゾールとを、モル比(m−クレゾール:p−クレゾール)=5:5の割合で混合したフェノール類1000部に対し、37%ホルマリン水溶液526部(ホルムアルデヒド/フェノールのモル比=0.70)、シュウ酸10部を仕込み、還流下で6時間反応を行った。この後、内温170℃まで常圧下で脱水し、さらに、8.0kPaの減圧下で230℃まで昇温して減圧脱水を行い、重量平均分子量11,000、分散度9.0、未反応フェノール類0.5%のノボラック型フェノール樹脂1050部を得た。
(ポリマー1)
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(735g、7.5mol)、2−ノルボルネン(706g、7.5mol)およびジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(69g、0.3mol)を計量し、メチルエチルケトンおよびトルエンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ、60℃、15時間の条件で熱処理を施した。これにより、2−ノルボルネンと無水マレイン酸の共重合体を得た。次いで、室温まで冷却した上記溶解液を大量のメタノールを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ、1100gの白色固体を得た。
このようにして得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は10,000であり、分散度(Mw/Mn)は2.1であった。
(ポリマー2)
スチレン/無水マレイン酸の共重合体SMA−1000−P(Cray ValleyUSA,LLC社製)を準備した。ポリマーの重量平均分子量(Mw)4,600であり、分散度(Mw/Mn)は2.3であった。
(ポリマー3)
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、インデン(870g、7.5mol)、およびジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(11.5g、0.05mol)を計量し、メチルエチルケトンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ70℃到達後、無水マレイン酸(735g、7.5mol)メチルエチルケトン溶液、n−ドデシルメルカプタン(20.2g、0.10mol)メチルエチルケトン溶液をそれぞれの口から5時間掛けて逐次添加した後、2時間さらに熱処理を施した。これにより、インデンと無水マレイン酸の共重合体を得た。
得られたインデンと無水マレイン酸の共重合体と、3−アミノフェノールをメチルエチルケトンに溶解後、ピリジンを加え、80℃で24時間反応させた。得られた反応液を、水/メタノールの混合溶媒で再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機で乾燥させた。
得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は15000、分散度(Mw/Mn)は1.7であった。13C−NMRにて、ポリマー3は、式(1)において、R、Rがそれぞれ水素である繰り返し単位、式(7)において、R〜R11がそれぞれ水素である繰り返し単位を、それぞれ有することを確認した。
(ポリマー4)
スチレン/無水マレイン酸の共重合体SMA−1000−P(Cray Valley USA, LLC社製)を準備した。これと4−アミノフェノールをPGMEAに溶解した後、ピリジンを加え、120℃で15時間反応させた。その後、無水酢酸を加えて120℃で9時間反応させた。反応液を水/メタノール混合溶媒へ再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥で乾燥させた。
得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は5000、分散度(Mw/Mn)は1.5であった。13C−NMRにて、ポリマー4は、式(1)において、R、Rがそれぞれ水素である繰り返し単位、及び、式(3)において、m=0である繰り返し単位を、それぞれ有することを確認した。
(ポリマー5)
ノルボルネン/無水マレイン酸の共重合体を下記手順で準備した。
撹拌機、冷却管を備えた適切なサイズの反応容器に、無水マレイン酸(735g、7.5mol)、2−ノルボルネン(706g、7.5mol)およびジメチル2,2'−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(69g、0.3mol)を計量し、メチルエチルケトンおよびトルエンに溶解させた。この溶解液に対して、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去した後、撹拌しつつ、80℃、15時間の条件で熱処理を施した。これにより、2−ノルボルネンと無水マレイン酸の共重合体を得た。次いで、室温まで冷却した。上記溶解液を大量のメタノールを用いて再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥機にて乾燥させ、1100gの白色固体を得た。
このようにして得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は7,000であり、分散度(Mw/Mn)は1.8であった。
上記のノルボルネン/無水マレイン酸の共重合体、4−アミノフェノールをシクロヘキサノンに溶解後、ピリジンを加えて120℃で15時間反応させた。その後、無水酢酸を加えて120℃で9時間反応させた。反応液を水/メタノール混合溶媒へ再沈させた後、析出物をろ取し、真空乾燥で乾燥させた。
得られたポリマーの重量平均分子量(Mw)は7100、分散度(Mw/Mn)は1.7であった。13C−NMRにて、ポリマー5は、式(1)において、R、Rがそれぞれ水素である繰り返し単位、式(2)において、N=0で、R〜Rがそれぞれ水素である繰り返し単位を、それぞれ有することを確認した。
(フェノール化合物1)
以下の式で表されるフェノール化合物(本州化学株式会社製 製品名Tris P−PA)を準備した。
Figure 2020170103
(感光剤1)
以下の式(B−1)で示される感光剤(ダイトーケミックス株式会社製 製品名PA−28)を準備した。
Figure 2020170103
なお、式(B−1)中のQは水素原子または上記式(B−2)により示され、Q全体の内90%が上記式(B−2)である。
(界面活性剤1)
フッ素系界面活性剤メガファックF−556(DIC株式会社製)を準備した。
[感光性樹脂組成物の調製]
各実施例および各比較例について、表1に示される量の各原料を準備し、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)中に溶解し、その後、孔径0.2μmのフッ素樹脂製フィルターで濾過し、感光性樹脂組成物を得た。
以上のようにして得られた感光性樹脂組成物は以下の項目に従い評価を行っている。
(感度)
上記で得た感光性樹脂組成物を、それぞれ、4インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて110℃で2分間プリベークし、膜厚約2μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(テストチャートNo.1:幅0.88〜50μmの残しパターン及び抜きパターンが描かれている)を通して、i線ステッパー((株)ニコン製・NSR−4425i)を用いて、露光量を変化させて照射した。
次に、現像液として2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用い、プリベーク後の膜厚と現像後の膜厚の差が1.0μmになるように現像時間を調節して2回パドル現像を行うことによって露光部を溶解除去した後、純水で10秒間リンスした。100μmの正方形のビアホールのパターンが形成される最低露光量の値を感度として評価した。結果は表1に示した。
(耐熱性評価)
上記で得た感光性樹脂組成物を、それぞれ、4インチシリコンウエハ上にスピンコーターを用いて塗布した後、ホットプレートにて110℃で2分間プリベークし、膜厚約2μmの塗膜を得た。この塗膜に凸版印刷(株)製マスク(1mm□の残しパターン)を通して、SUSS社製マスクアライナーMA8を用いて、露光時間を40秒と固定として露光を行った。次に、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に浸漬することによって、露光部を溶解除去した後、純水で30秒間リンスした。このとき、未露光部の膜減り量は約0.02μmであった。上記パターン加工した未露光部について、100℃1分の条件で乾燥させ、樹脂膜を得た。
この樹脂膜について140℃3分間の条件で加熱処理を行い、樹脂膜の形状が変化するか否かについて金属顕微鏡を用いて観察を行った。なお、本試験における評価基準は以下の通りである。結果は表1に示した。
○:パターンの形状変化が観察されない。
×:パターンの形状変化が観察される。
Figure 2020170103
表1より、フェノール樹脂と、式(1)で示される繰り返し単位を有するポリマー3、4、5を含む実施例に係る感光性樹脂組成物は、優れた耐熱性を有しつつ、高い感度を有することが確認された。一方、比較例に係る感光性樹脂組成物は、実施例に係る感光性樹脂組成物に比べ、耐熱性又は感度の点で劣ることが確認された。
100 電子装置
30 層間絶縁膜
32 パッシベーション膜
34 最上層配線
40 再配線層
42、44 絶縁層
46 再配線
50 UBM層
52 バンプ

Claims (7)

  1. フェノール樹脂と、
    以下の式(1)で示される繰り返し単位を含むポリマーと、
    感光剤と、
    を含む、感光性樹脂組成物。
    Figure 2020170103
    (式(1)中、R、Rは、それぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基を示す。)
  2. 請求項1に記載の感光性樹脂組成物であって、
    前記フェノール樹脂の重量平均分子量が300以上20000以下である、感光性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物であって、
    前記ポリマーは以下の式(2)で示すノルボルネン系モノマーに由来する繰り返し単位、式(3)で示すスチレン系モノマーに由来する単位、式(7)で示すインデン系モノマーに由来する繰り返し単位、および式(8)で示すマレイミド系モノマーに由来する繰り返し単位からなる群より選ばれる少なくとも一つの単位をさらに含む、感光性樹脂組成物。
    Figure 2020170103
    (式(2)中、R、R、RおよびRはそれぞれ独立して水素または炭素数1〜30の有機基である。nは0、1または2である。)
    Figure 2020170103
    (式(3)中、Rはそれぞれ独立して炭素数1〜30の有機基である。mは0以上5以下の整数である。)
    Figure 2020170103
    (式(7)中、RからR11はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜3の有機基である。)
    Figure 2020170103
    (式(8)中、R12は独立して水素または炭素数1〜10の有機基である。ただし、R12がフェノール基であり、式(8)が上記式(1)に含まれる場合を除く。)
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物であって、
    前記感光剤はジアゾキノン化合物である、感光性樹脂組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物であって、
    前記感光性樹脂組成物に含まれる前記ポリマーの含有量が、前記フェノール樹脂の配合量を100質量部としたとき、20質量部以上である、感光性樹脂組成物。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物からなる樹脂膜。
  7. 請求項6に記載の樹脂膜を備える電子装置。
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