JP2018127547A - アントラキノン化合物及びインク - Google Patents

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JP2018127547A
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桂丈 佐々木
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Abstract

【課題】耐光性が良好で、各種の記録メディア、好ましくは繊維、より好ましくはポリエステル繊維の染色に用いるブルー染料の提供。【解決手段】式(1)で表される化合物又はその塩。[R1及びR2各々独立に、H、又は置換基を有することができるアルキル基;R3及びR4は、各々独立に置換基を有することができるアルキル基。但し、R1及びR2の両方がHとなることはない。]【選択図】なし

Description

本発明はアントラキノン化合物又はその塩、それを含有するインク、これらが付着した記録メディア(特にはポリエステル繊維)、及び染色方法に関する。
ポリエステル繊維はインテリア、自動車用の内装等の多様な用途に使用されている。ポリエステル繊維の染色に使用する染料としては、耐光性が良好で、染着性が良い染料が求められている。一般に、ポリエステル繊維の染色に使用されるブルー染料としては、C.I.ディスパースブルー359が挙げられる。この染料は耐光性がそれほど高くないため、高い耐光性を有する染料の開発が、市場から強く要求されている。しかしながら、現状ではこの要求を満足できる染料は見出されていない。
特許文献1〜9には、アントラキノン染料が開示されている。
特開平1−258995号公報 特開平1−178495号公報 特開平11−321121号公報 特開昭63−258955号公報 特開平1−221287号公報 特開平1−255594号公報 特開平1−258996号公報 特開平9−194445号公報 特表2008−542489号公報
本発明は、耐光性が良好で、各種の記録メディア、好ましくは繊維、より好ましくはポリエステル繊維用途のブルー染料の提供を課題とする。
本発明者等は、前記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の構造を有するアントラキノン化合物又はその塩により、前記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。即ち、本発明は以下の1)〜10)に関する。
1)
下記式(1)で表される化合物又はその塩。
Figure 2018127547
[式(1)中、R及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、及び置換基を有することができるアルキル基よりなる群から選択される基を表わす。R及びRは、それぞれ独立に置換基を有することができるアルキル基を表す。
但し、R及びR2の両方が水素原子となることはない。]
2)
及びRがそれぞれ独立に、アミノ基、ハロゲン原子、イオン性親水性基、及びシアノ基よりなる群から選択される置換基を有することができるアルキル基である、前記1)に記載の化合物又はその塩。
3)
水、及び有機溶剤から選択される少なくとも1種類の液媒体と、前記1)又は2)に記載の化合物又はその塩と、を含有するインク。
4)
さらに分散剤を含有する前記3)に記載のインク。
5)
水、水溶性有機溶剤、分散剤、及び前記1)又は2)に記載の化合物又はその塩を含有するインク。
6)
前記1)又は2)に記載の化合物又はその塩が付着した記録メディア。
7)
前記3)〜5)のいずれか一項に記載のインクが付着した記録メディア。
8)
記録メディアが繊維である、前記6)又は7)に記載の記録メディア。
9)
前記繊維が、疎水性繊維である前記8)に記載の記録メディア。
10)
前記疎水性繊維が、ポリエステル又はポリエステルを含有する混紡繊維である、前記9)に記載の記録メディア。
本発明は、耐光性が良好で、各種の記録メディア、好ましくは繊維、より好ましくはポリエステル繊維の染色に用いるブルー染料を提供する。
本明細書において「C.I.」とは、「カラーインデックス」を意味する。また、本明細書においては、実施例等も含めて「%」及び「部」は、特に断りのない限り、いずれも質量基準で記載する。
また、特に断りの無い限り、以下に「化合物」と記載したときは、「化合物又はその塩」の両方を含む意味である。
前記R及びRにおけるアルキル基としては、炭素数が通常1〜12、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4、特に好ましくは1又は2の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキル基が挙げられる。これらの中では直鎖又は分岐鎖が好ましく、直鎖がより好ましい。
その具体例としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル等の直鎖アルキル基;イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、2−エチルヘキシル等の分岐鎖アルキル基;シクロプロピル、シクロペンチル等の環状アルキル基が挙げられる。具体例の中ではメチル又はエチルが特に好ましい。
及びRは、同じ基であるのが好ましい。
及びRにおけるアルキル基としては、前記「R及びRにおけるアルキル基」と、好ましいもの等を含めて同じ基が挙げられる。その具体例の中では、メチルが特に好ましい。
、R、R及びR(以下、「R〜R」と記載することが有る。)が有することができる置換基としては、以下の「置換基群1」から選択される基が挙げられる。R〜Rは、それぞれこれらの置換基を通常1つ〜3つ、好ましくは1つ又は2つ、より好ましくは1つ有することができる。また、R及びRは、非置換アルキル基がさらに好ましい。
[置換基群1]
アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アリール基、アリールアルキル基、アリールオキシ基、アミノ基、イミド基、カルボニル基、カルボニルアミノ基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、アミノカルボニルアミノ基、アミノカルボニルオキシ基、オキシカルボニルアミノ基、オキシカルボニルオキシ基、アミノスルホニルアミノ基、スルフィニル基、スルホニル基、スルホニルアミノ基、チオ基、ヘテロ環基、ヘテロ環オキシ基、ヘテロ環チオ基、ハロゲン原子、イオン性親水性基、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、及びチオール基。
置換基群1の中ではアミノ基、ハロゲン原子、イオン性親水性基、及びヒドロキシ基が好ましく;ハロゲン原子、イオン性親水性基、及びシアノ基がより好ましい。
以下に、置換基群1の各基について記載する。その記載の中で、例えば「アルキル」、「アリール」等の炭素数の範囲等の記載が特に無く、当該各基の具体例が記載されているときは、本明細書中の他の部分に記載の「アルキル」、「アリール」若しくはそれらに相当する基の炭素数の範囲等と同じ意味を有する。
アルキル基としては、前記「R及びRにおけるアルキル基」と、好ましいもの等を含めて同じ基が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素数が2〜12の直鎖、分岐鎖又は環状のアルケニル基が挙げられる。
アルキニル基としては、炭素数が2〜12の直鎖、又は分岐鎖のアルキニル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数が通常1〜12、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4の直鎖、分岐鎖、又は環状のアルコキシ基が挙げられる。これらの中では直鎖又は分岐鎖が好ましく、直鎖アルコキシ基がより好ましい。
その具体例としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、n−ブトキシ等の直鎖アルコキシ基;イソプロポキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、2−エチルヘキシロキシ等の分岐鎖アルコキシ基;シクロプロポキシ、シクロペンチロキシ等の環状アルコキシ基が挙げられる。
アリール基としては、炭素数の範囲が通常6〜14、好ましくは6〜10、より好ましくは6のアリール基が挙げられる。その具体例としては、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル等が挙げられる。
アリールアルキル基のアルキル部分としては、直鎖、分岐鎖、又は環状のアルキルが挙げられる。これらの中では直鎖又は分岐鎖アルキルが好ましく、直鎖アルキルがより好ましい。その炭素数の範囲は通常1〜12、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜6、さらに好ましくは1〜4、場合により好ましくは1〜3である。
また、そのアリール部分としては、前記「アリール基」と、好ましいもの等を含めて同じものが挙げられる。
アリールアルキル基の具体例としては、例えば、フェニルメチル、1−ナフチルメチル、2−ナフチルメチル、アントラセニルメチル、フェナントレニルメチル、2−フェニルエチル、1−フェニルエチル、2−(1−ナフチル)エチル、2−(2−ナフチル)エチル、アントラセニルエチル、フェナントレニルエチル、3−フェニルプロピル、2−メチル−2−フェニルエチル、1,1−ジメチル−1−フェニルメチル、1−フェニルプロピル、3−(1−ナフチル)プロピル、3−(2−ナフチル)プロピル、アントラセニルプロピル、フェナントレニルプロピル等が挙げられる。
アリールオキシ基としては、炭素数が通常6〜14、好ましくは6〜10、より好ましくは6のアリールオキシ基が挙げられる。その具体例としては、例えば、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ、アントラセニルオキシ、フェナントレニルオキシ等が挙げられる。
アミノ基としては、非置換アミノ基;及び、アルキル基、アリール基、及びヘテロ環基よりなる群から選択される基を1つ又は2つ有するアミノ基が挙げられる。
その具体例としては、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシルアミノ、イソプロピルアミノ、イソブチルアミノ、t−ブチルアミノ、イソペンチルアミノ、イソヘキシルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、メチルエチルアミノ、フェニルアミノ、1−ナフチルアミノ、2−ナフチルアミノ、アントラセニルアミノ、フェナントレニルアミノ、ジフェニルアミノ、2−チエニルアミノ、2−チアゾリルアミノ、2−ピリジルアミノ、N−メチル−N−チエニルアミノ、N−メチル−N−ピリジルアミノ等が挙げられる。
イミド基としては、環状アルキル基、アリール基、及びヘテロ環基よりなる群から選択される基と縮環することができる、5員環又は6員環の環状イミド基が挙げられる。その具体例としては、例えば、スクシンイミド、グルタールイミド、フタルイミド等が挙げられる。
カルボニル基としては、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、及びヘテロ環カルボニル基が挙げられる。その具体例としては、例えば、メチルカルボニル、エチルカルボニル、フェニルカルボニル、ナフチルカルボニル、2−テトラヒドロフリルカルボニル、2−フリルカルボニル、2−ピリジルカルボニル等が挙げられる。
カルボニルアミノ基としては、アルキルカルボニルアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、及びヘテロ環カルボニルアミノ基が挙げられる。その具体例としては、例えば、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ、2−テトラヒドロフリルカルボニルアミノ、2−フリルカルボニルアミノ、2−ピリジルカルボニルアミノ等が挙げられる。
カルボニルオキシ基としては、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、及びヘテロ環カルボニルオキシ基が挙げられる。その具体例としては、例えば、メチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ、ナフチルカルボニルオキシ、2−テトラヒドロフリルカルボニルオキシ、2−フリルカルボニルオキシ、2−ピリジルカルボニルオキシ等が挙げられる。
オキシカルボニル基としては、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、及びヘテロ環オキシカルボニル基が挙げられる。その具体例としては、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、ナフチロキシカルボニル、3−フリルオキシカルボニル、4−ピリジルオキシカルボニル等が挙げられる。
アミノカルボニルアミノ基としては、非置換アミノカルボニルアミノ基;及び、アルキル基、アリール基、及びヘテロ環基よりなる群から選択される基を1つ又は2つ有するアミノカルボニルアミノ基が挙げられる。その具体例としては、例えば、メチルアミノカルボニルアミノ、エチルアミノカルボニルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノカルボニルアミノ、フェニルアミノカルボニルアミノ、ナフチルアミノカルボニルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノカルボニルアミノ、2−テトラヒドロフリルアミノカルボニルアミノ、2−フリルアミノカルボニルアミノ、2−ピリジルアミノカルボニルアミノ等が挙げられる。
アミノカルボニルオキシ基としては、非置換アミノカルボニルオキシ基;及び、アルキル基、アリール基、及びヘテロ環基よりなる群から選択される基を1つ又は2つ有するアミノカルボニルオキシ基が挙げられる。その具体例としては、例えば、メチルアミノカルボニルオキシ、エチルアミノカルボニルオキシ、N−メチル−N−エチルアミノカルボニルオキシ、フェニルアミノカルボニルオキシ、ナフチルアミノカルボニルオキシ、N−メチル−N−フェニルアミノカルボニルオキシ、2−テトラヒドロフリルアミノカルボニルオキシ、2−フリルアミノカルボニルオキシ、2−ピリジルアミノカルボニルオキシ等が挙げられる。
オキシカルボニルアミノ基としては、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、及びヘテロ環オキシカルボニルアミノ基が挙げられる。その具体例としては、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、フェノキシカルボニルアミノ、ナフチロキシカルボニルアミノ、3−フリルオキシカルボニルアミノ、4−ピリジルオキシカルボニルアミノ等が挙げられる。
オキシカルボニルオキシ基としては、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、及びヘテロ環オキシカルボニルオキシ基が挙げられる。その具体例としては、例えば、メトキシカルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ、フェノキシカルボニルオキシ、ナフチロキシカルボニルオキシ、3−フリルオキシカルボニルオキシ、4−ピリジルオキシカルボニルオキシ等が挙げられる。
アミノスルホニルアミノ基としては、非置換アミノスルホニルアミノ基;アルキル基、アリール基、及びヘテロ環基よりなる群から選択される基を1つ又は2つ有するアミノスルホニルアミノ基が挙げられる。その具体例としては、例えば、メチルアミノスルホニルアミノ、エチルアミノスルホニルアミノ、N−メチル−N−エチルアミノスルホニルアミノ、フェニルアミノスルホニルアミノ、ナフチルアミノスルホニルアミノ、N−メチル−N−フェニルアミノスルホニルアミノ、2−テトラヒドロフリルアミノスルホニルアミノ、2−フリルアミノスルホニルアミノ、2−ピリジルアミノスルホニルアミノ等が挙げられる。
スルフィニル基としては、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、及びヘテロ環スルフィニル基が挙げられる。その具体例としては、例えば、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、イソプロピルスルフィニル、シクロプロピルスルフィニル、シクロペンチルスルフィニル、フェニルスルフィニル、ピリジン−2−イルスルフィニル等が挙げられる。
スルホニル基としては、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、及びヘテロ環スルホニル基が挙げられる。その具体例としては、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニル、シクロプロピルスルホニル、シクロペンチルスルホニル、フェニルスルホニル、ピリジン−2−イルスルホニル等が挙げられる。
スルホニルアミノ基としては、アルキルスルホニルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、及びヘテロ環スルホニルアミノ基が挙げられる。その具体例としては、例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、イソプロピルスルホニルアミノ、シクロプロピルスルホニルアミノ、シクロペンチルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、ピリジン−2−イルスルホニルアミノ等が挙げられる。
チオ基としては、アルキルチオ基、アリールチオ基、及びヘテロ環チオ基が挙げられる。その具体例としては、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、シクロプロピルチオ、シクロペンチルチオ、フェニルチオ、ピリジン−2−イルチオ等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、環構成原子としてヘテロ原子を1つ〜3つ(好ましくは1つ又は2つ)有し、残りの環構成原子が炭素原子である5員環又は6員環の基が挙げられる。ヘテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から選択される原子が挙げられる。また、これらのヘテロ環基は、さらに1つ又は2つ(好ましくは1つ)のベンゼン環と縮環することができる。
その具体例としては、例えば、アジリジン−1−イル、ピロリジン−1−イル、ピペリジン−1−イル、1,4−ピペラジン−1−イル、4−メチルピペラジン−1−イル、モルホリン−4−イル、ピロール−1−イル、イミダゾール−1−イル、フラン−2−イル、チオフェン−2−イル、ピラン−2−イル、1,3−チアゾール−2−イル、ピリジン−2−イル、ピリミジン−2−イル、ピラジン−2−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、キノリン−2−イル、イソキノリン−1−イル、クロメン−2−イル、チアントレン−2−イル、インドール−1−イル、プリン−1−イル、フェノチアジン−10−イル(10H−フェノチアジン−10−イル)、フェノキサジン−10−イル(10H−フェノキサジン−10−イル)、カルバゾール−9−イル(9H−カルバゾール−9−イル)、7−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−7−イル等が挙げられる。
ヘテロ環オキシ基の具体例としては、テトラヒドロフラン−3−イルオキシ、チオフェン−3−イルオキシ、2−ベンゾチアゾリルオキシ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−オキシ、ピリジン−2−イルオキシ等が挙げられる。
ヘテロ環チオ基の具体例としては、例えば、テトラヒドロフラン−3−イルチオ、チオフェン−3−イルチオ、2−ベンゾチアゾリルチオ、2,4−ジ−フェノキシ−1,3,5−トリアゾール−6−チオ、ピリジン−2−イルチオ等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。これらの中ではフッ素原子、塩素原子、及び臭素原子が好ましく;塩素原子、及び臭素原子がより好ましく;臭素原子がさらに好ましい。
イオン性親水性基としては、スルホ基、カルボキシ基、チオカルボキシ基、スルフィノ基、ホスホノ基、ジヒドロキシホスフィノ基、リン酸基、4級アンモニウム基、アシルスルファモイル基、スルホニルカルバモイル基、スルホニルスルファモイル基等が挙げられる。これらの中ではカルボキシ基が好ましい。
前記のうち、R〜Rとしては、以下(1)〜(5)の組み合わせが特に好ましい。
(1)
及びRは、それぞれ独立に水素原子、及び置換基を有することができるアルキル基から選択される基である。前記アルキル基は、ハロゲン原子、イオン性親水性基、及びシアノ基よりなる群から選択される置換基を有することができる。
及びRは、それぞれ独立に非置換アルキル基である。
但し、R及びRの両方が水素原子となることはない。
(2)
及びRの両方が、ハロゲン原子、イオン性親水性基、及びシアノ基よりなる群から選択される置換基を有することができるアルキル基であり、R及びRは、それぞれ独立に非置換アルキル基である。
(3)
及びRの両方が、ハロゲン原子、カルボキシ基、及びシアノ基よりなる群から選択される置換基を有することができるアルキル基であり、R及びRは、それぞれ独立に非置換アルキル基である。
(4)
及びRの両方が、ハロゲン原子、イオン性親水性基、及びシアノ基よりなる群から選択される置換基を有するアルキル基であり、R及びRは、それぞれ独立に非置換アルキル基である。
(5)
及びRの両方が、ハロゲン原子、カルボキシ基、及びシアノ基よりなる群から選択される置換基を有するアルキル基であり、R及びRは、それぞれ独立に非置換アルキル基である。
前記式(1)で表される化合物は、イオン性親水性基等の官能基を置換基として有するとき、遊離酸又はその塩として用いることができる。そのような塩としては、無機塩、及び有機塩から選択される塩が挙げられる。
無機塩としては、例えば、元素の周期表の第1族、及び第2族から選択される金属の塩が挙げられる。これらの中では第1族元素の金属塩が好ましく、リチウム、ナトリウム、及びカリウムから選択される金属塩がより好ましい。また、アンモニウム塩(NH )も好ましい。
有機塩としては、例えば、アルコールアミン、アルキルアミン等のアミン塩が挙げられる。その具体例としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン、メチルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン及びN−メチルジエタノールアミン等の炭素数の範囲が2〜9のアルコールアミンが挙げられる。これらの中では3級アミンが好ましい。
アルキルアミンとしては、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン及びトリメチルアミン等の炭素数の範囲が1〜9のアミンが挙げられる。
塩の種類により、化合物の溶剤に対する溶解性等の物理的な性質が変化することが、一般に知られている。このため、必要に応じて塩の種類を選択することができる。
前記式(1)で表される化合物は、公知の方法により得ることができる。
一例としては、市販品として入手できる下記式(2)で表される化合物にヨウ化カリウム、酢酸マグネシウム、及び塩化銅を有機溶剤(例えばN−メチル−2−ピロリドン)中で加え、下記式(3)及び式(4)の化合物の一方と反応させるか;又は、下記式(3)及び式(4)の化合物の両方と同時に、又は順次に70℃〜130℃、好ましくは110℃〜125℃で反応させることにより、前記式(1)で表される化合物を得ることができる。
Figure 2018127547
前記式(2)、式(3)及び式(4)中、R〜Rは前記式(1)におけるのと同じ意味を表す。また、式(3)及び式(4)中のXは、それぞれ独立に脱離基(例えばハロゲン原子)を表す。
前記のようにして得られた式(1)で表される化合物は、必要に応じて公知の方法により精製することができる(例えば、酸析、塩析、懸濁精製、及び晶析等)。
前記式(1)で表される化合物は、液媒体と、式(1)で表される化合物とを含有するインクとすることができる。液媒体としては、水、及び有機溶剤から選択される少なくとも1種類が好ましい。
式(1)で表される化合物は、水と必要に応じて有機溶剤とを含有する水系インクとすることも、実質的に水を含有しないインク、すなわち溶剤インクとすることもできる。本明細書において、「実質的に水を含有しないインク」とは、意図的に水を加えないインクを意味する。
有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1−C4アルコール;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の複素環式ケトン;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール等のC2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ、若しくはポリアルキレングリコール又はチオグリコール;グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール、トリメチロールプロパン等のポリオール(好ましくはトリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのC1−C4モノアルキルエーテル;γ−ブチロラクトン;ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
前記インクを水系インクとするときは、さらに分散剤を含有するのが好ましい。また、そのときの有機溶剤は、水溶性有機溶剤であるのが好ましい。すなわち、前記インクを水系インクとするときは、水、水溶性有機溶剤、分散剤、及び前記式(1)で表される化合物を含有するインクが好ましい。
分散剤は1種類を使用することも、2種類以上を併用することもできる。また、式(1)で表される化合物の一部又は全てを分散剤で被覆することもできる。
分散剤としては、ノニオン分散剤、アニオン分散剤、及び高分子分散剤が挙げられ、目的に応じて適宜選択することができる。
分散剤の使用量は固形分換算で、式(1)で表される化合物の総質量に対して通常1〜100%、好ましくは、5〜90%、より好ましくは、10〜80%である。
ノニオン分散剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ショ糖エステル、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビタンエステルのポリオキシエチレンエーテル、ソルビトールエステルのポリオキシエチレンエーテル、脂肪酸アルカノールアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル等が挙げられる。
アニオン分散剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルアリールエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルアリール及びアルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルアリルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸塩等が挙げられる。
また、高分子系スルホン酸、好ましくは芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸のホルマリン縮合物等も挙げられる。
芳香族スルホン酸のホルマリン縮合物としては、例えば、クレオソート油スルホン酸クレゾールスルホン酸、フェノールスルホン酸、β−ナフトールスルホン酸、β−ナフタリンスルホン酸とβ−ナフトールスルホン酸、及びクレゾールスルホン酸と2−ナフトール−6−スルホン酸の、各ホルマリン縮合物が挙げられる。これらの中では、クレオソート油スルホン酸、ナフタレンスルホン酸、及びリグニンスルホン酸の、各ホルマリン縮合物等が好ましい。
このようなアニオン分散剤は、例えば、いずれも花王株式会社製のデモール N、デモール C、デモール SNB、デモール W、第一工業製薬株式会社製のラベリン W(クレオソート油スルホン酸のホルマリン縮合物)等として入手することができる。
アニオン分散剤は、スルホン酸等の官能基を中和剤で中和した塩として使用することもできる。中和剤としては、後記するpH調整剤等が使用できる。
高分子分散剤としては、スチレン及びその誘導体;ビニルナフタレン及びその誘導体;α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル等;(メタ)アクリル酸及びその誘導体;マレイン酸及びその誘導体;イタコン酸及びその誘導体;フマール酸及びその誘導体;酢酸ビニル、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、アクリルアミド、及びその誘導体よりなる群等の単量体から選択される、少なくとも2つの単量体(好ましくは、このうち少なくとも1つが親水性の単量体)からなる共重合体、及び/又はそれらの塩等が挙げられる。共重合体としては、例えば、ブロック共重合体、ランダム共重合体及びグラフト共重合体等が挙げられる。なお、本明細書において(メタ)アクリル酸とは、メタクリル酸及びアクリル酸の両方を意味する。
式(1)で表される化合物を含有する分散液(好ましくは水性分散液)の調製方法としては、公知の方法が使用できる。その一例としては、式(1)で表される化合物と分散剤を混合し、サンドミル(ビーズミルともいう)、ロールミル、ボールミル、ペイントシェーカー、超音波分散機、マイクロフルイダイザー等を用いて分散処理を行う方法が挙げられる。これらの中ではサンドミルが好ましい。サンドミルを用いた分散液の調製は、0.01mm〜1mm径程度のビーズを使用するのが好ましい。また、分散液の調製において、ビーズの充填率を大きくすること等により、分散の効率を高めることができる。
分散処理を行った後に、ろ過及び/又は遠心分離等により、ビーズ及び夾雑物等の除去を行う。このとき、目的とする平均粒径よりも巨大な粒子を除去することも好ましく行われる。このような粒子を除去することにより、プリンタヘッドの目詰まりを防止することができる。
分散液の調製中に泡立ちが生じるときは、公知のシリコーン系、アセチレングリコール系等の消泡剤を極微量加えることができる。
その他の分散液の調製方法としては、酸析法、転相乳化法、界面重合法、in−situ重合法、液中硬化被膜法、コアセルベーション(相分離)法、液中乾燥法、融解分散冷却法、気中懸濁被覆法、スプレードライング法等が挙げられる。これらの中では転相乳化法、酸析法、及び界面重合法が好ましい。
前記インクは、必要に応じてインク調製剤を含有することができる。インク調製剤としては、例えば、防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、染料溶解剤、褪色防止剤、表面張力調整剤、及び消泡剤等が挙げられる。インク調製剤の含有量は合計で、インクの総質量に対して通常0〜10%程度、好ましくは0.05〜5%程度である。
防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩、アーチケミカルズ社製のプロキセルGXL等が挙げられる。
pH調整剤は、インクのpHを6〜11程度に制御できるものであれば、任意の物質を使用することができる。例えば、前記アルコールアミン、アルキルアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の、元素の周期表の第1族元素の水酸化物、及び炭酸塩;タウリン等のアミノスルホン酸等が挙げられる。
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物、スチルベン系化合物が挙げられる。また、ベンズオキサゾール系化合物等の蛍光増白剤等も紫外線吸収剤として使用できる。
粘度調整剤としては、前記の水溶性有機溶剤、及び水溶性高分子化合物が挙げられる。後者の例としては、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等が挙げられる。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。
有機系としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、及びヘテロ環類等が挙げられる。
金属錯体系としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体等が挙げられる。
表面張力調整剤としては、界面活性剤が挙げられる。界面活性剤の種類としては、例えば、アニオン、カチオン、両性、ノニオン、シリコーン系、及びフッ素系等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としてはアルキルスルホカルボン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩;N−アシルアミノ酸又はその塩;N−アシルメチルタウリン塩;アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩;アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩;ロジン酸石鹸;ヒマシ油硫酸エステル塩;ラウリルアルコール硫酸エステル塩;アルキルフェノール型リン酸エステル;アルキル型リン酸エステル;アルキルアリールスルホン酸塩;ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキルシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等のスルホ琥珀酸系等が挙げられる。
これらの界面活性剤は、多様な種類が市販されている。その一例としては、例えば、ライオン株式会社製、商品名リパール 835I、860K、870P、NTD、MSC;アデカ株式会社製、商品名アデカコール EC8600;花王株式会社製 商品名ペレックス OT−P、CS、TA、TR;新日本理化株式会社製、リカマイルド ES−100、ES−200、リカサーフ P−10、M−30、M−75、M−300、G−30、G−600;東邦化学工業株式会社製、コハクノール L−300、L−40、L−400、NL−400等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N’−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;日信化学社製、商品名サーフィノール 104、105、82、465、オルフィン STG等;ポリグリコールエーテル系(例えばSIGMA−ALDRICH社製のTergitol 15−S−7等)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。市販品の具体例としては、例えば、いずれもビックケミー社製の、BYK−347(ポリエーテル変性シロキサン);BYK−345、BYK−348(ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン)等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸系化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物等が挙げられる。その具体例としては、例えば、DuPont社製のZonyl TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、Capstone FS−30、FS−31;オムノバ社製のPF−151N、PF−154N等が挙げられる。
消泡剤としては、高酸化油系、グリセリン脂肪酸エステル系、フッ素系、シリコーン系、及びアセチレングリコール系の化合物等が挙げられる。
前記インクは、各種の記録に使用することができる。例えば、筆記具、水性印刷、情報記録、繊維の染色、及びインクジェット記録等に好適である。
前記インクをインクジェットインクとして使用するときは、25℃の粘度が、E型粘度計で測定したときに通常3mPa・s〜20mPa・s、好ましくは8mPa・s〜20mPa・sである。
同様に、前記インクの25℃における表面張力は、プレート法で測定したときに通常20mN/m〜40mN/m、好ましくは25mN/m〜35mN/mである。
同様に、前記インクの5℃における10Hzでの動的表面張力は、最大泡圧法で測定したときに通常25mN/m〜45mN/m、好ましくは30mN/m〜40mN/mである。
前記の記録メディアは、インク受容層を有するものと、有さないものとに大別される。前記インクジェット記録方法に用いる記録メディアとしては、これらのいずれも好ましい。
具体的な記録メディアとしては、例えば、紙、フィルム、繊維や布(ポリエステル、セルロース、ナイロン、羊毛等)、皮革、カラーフィルター用基材等が挙げられる。
インク受容層は、インクを吸収してその乾燥を早める等の作用を目的として、記録メディアに設置される。インク受容層は、例えば前記の記録メディアにカチオン系ポリマーを含浸又は塗工する方法;インク中の色素を吸収できる無機微粒子を、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に、記録メディアの表面に塗工する方法;等により設置される。前記インク中の色素を吸収し得る無機微粒子としては、多孔質シリカ、アルミナゾル、及び特殊セラミックス等が挙げられる。
このようなインク受容層を有する記録メディアは、通常インクジェット専用紙、インクジェット専用フィルム、光沢紙、光沢フィルム等と呼ばれる。市販されているインクジェット専用紙としては、例えば、キヤノン株式会社製、商品名プロフェッショナルフォトペーパー等が挙げられる。
また、インク受容層を有さない紙としては普通紙等が挙げられる。市販されている普通紙としては、例えば、プレーンペーパーコピー(PPC)用紙等が挙げられる。
前記式(1)で表される化合物、及び、式(1)で表される化合物を含有するインクが付着した記録メディアは、本発明の範囲に含まれる。
前記インクは、前記の記録メディアのうち繊維に対しても極めて好適に記録を行うことができる。繊維の種類は特に制限されないが、疎水性繊維が好ましい。疎水性繊維としては、例えば、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、トリアセテート繊維、ジアセテート繊維、ポリアミド繊維、及びこれらの繊維を2種類以上用いた混紡繊維等が挙げられる。また、これらの繊維とレーヨン等の再生繊維;及び、これらの繊維と、木綿、絹、及び羊毛等の天然繊維との混紡繊維も、本明細書においては疎水性繊維に含まれる。
繊維の中には、インク受容層を有するものも知られており、そのような繊維も好適に使用することができる。インク受容層を有する繊維は公知の方法で調製することも、また、市販品として入手することもできる。インク受容層の材質や構造等は特に限定されず、目的等に応じて適宜使用することができる。
前記式(1)で表される化合物、及び、式(1)で表される化合物を含有するインクを、記録メディアに付着させる方法は特に制限されず、公知の全ての方法(例えば各種の筆記具、及びインクジェット記録等)を使用することができる。記録メディアとして繊維を使用するときは、サイズプレス法、コーテイング法等を含む表面塗工染色方法、又は内添染色方法等も使用できる。また、前記式(1)で表される化合物は昇華性を有するため、昇華転写染色方法も好ましく使用できる。
前記した全ての事項について、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましく、より好ましいもの同士の組み合わせはさらに好ましい。好ましいものとより好ましいものの組み合わせ等についても同様である。
以下の実施例により本発明を更に詳細に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。また、各式中の官能基については、遊離の形で表わす。
実施例中の「水」は、特に断りの無い限り「イオン交換水」を意味する。
1回の合成で必要な量の化合物が得られなかったときは、必要な量が得られるまで、繰り返し合成を行った。
極大吸収波長(λmax)の測定が必要なときは、島津製作所製、可視紫外分光光度計 UV2550を用いた。被検液としては、被検化合物0.075gを75%アセトン水溶液(アセトン75%と水25%の混合液)250mlで希釈した後、この希釈液1mlを75%アセトン水溶液25mlでさらに希釈した液を用いた。
[実施例1]:下記式(5)で表される化合物の合成。
N−メチルー2−ピロリドン200部中に、1,5−ジアミノ−4,8−ジメトキシアントラキノン10部、ヨウ化カリウム11部、酢酸マグネシウム11部、及びブロモ酢酸11部を加えて液を得た。得られた液を115−120℃に加熱し、10時間反応させた。得られた液に水を加え、析出した固体を濾過分離して乾燥することにより、下記式(5)で表される本発明の化合物14.2部(λmax=650nm)を得た。
Figure 2018127547
[実施例2]:下記式(6)で表される化合物の合成。
ブロモ酢酸11部の代わりに、3−ブロモプロピオニトリル11部を使用する以外は実施例1と同様にして、下記式(6)で表される本発明の化合物14.2部(λmax=650nm)を得た。
Figure 2018127547
[実施例3]:下記式(7)で表される化合物の合成。
ブロモ酢酸11部の代わりに、ブロモクロロメタン10部を使用する以外は実施例1と同様にして、下記式(7)で表される本発明の化合物14.2部(λmax=650nm)を得た。
Figure 2018127547
[実施例4〜6]:インクの調製。
下記表1に記載の各成分をサンドミルに加え、0.2mm径のガラスビーズを用いて分散処理(冷却下、約15時間)を行って液を得た。得られた液にイオン交換水100部を加えた後、ガラス繊維濾紙GC−50(東洋濾紙株式会社製、フィルターの孔径0.5μm)を用いてガラスビーズを濾過分離することにより、染料含有量が15%の実施例4〜6の各インクを得た。
[比較例1]:比較用インクの調製。
実施例で合成した各化合物の代わりに、C.I.ディスパースブルー359を用いる以外は実施例4〜6と同様にして、染料含有量が15%の比較例1のインクを得た。
下記表1中の略号等は、以下の意味を表す。
式(5)、式(6)及び式(7):それぞれ前記式(5)、式(6)及び式(7)で表される化合物。
ラベリンW:第一工業製薬株式会社製のラベリンW(40%水溶液として用いた)。
SF104:エアープロダクツ社製のサーフィノール104を、プロピレングリコールで10倍希釈したもの。
DB359:C.I.ディスパースブルー359。
Figure 2018127547
[染布の調製]
前記のようにして得た実施例4〜6、及び比較例1のインクを転写紙(紀和化学社製)に塗布し、60℃で30分乾燥させることにより、各インクが付着した転写紙をそれぞれ得た。これらの転写紙は、いずれもブルーに染色された。得られた各転写紙を35cm×40cmに裁断し、同じ大きさのポリエステル布(ポンジ)と、転写紙の染色面とを重ね合わせた後、太陽精機株式会社製のトランスファープレス機「TP−600A2」を用いて180℃×60秒の条件にて熱処理し、転写紙からポリエステル布へ昇華転写することにより、ブルーの染布を得た。
実施例4〜6のインクにより染色された染布を、それぞれ染布1〜3とする。また、比較例1のインクにより染色された染布を比較染布1とする。
[耐光性試験]
カーボンアークフェードメーター(スガ試験機社製)を用い、前記のようにして得た各染布にD50光源2000ルクス、20時間の条件で光照射を行った。
この光照射後の各染布に対してJIS L−0841に規定されたブルースケールの等級に準じて目視判定を行い、耐光性の判定級を決定した。判定結果の耐光性等級を下記表2に示す。
Figure 2018127547
表2から明らかなように、各実施例の染布は、比較染布に対して1等級以上と、優れた耐光性を示した。なお、比較染布1の調製に使用したDB359は、ブルーの分散(昇華)染料として、最も多用されている染料である。
本発明の化合物は耐光性が良好であるため、各種の記録メディア、好ましくは繊維、より好ましくはポリエステル繊維の染色に用いるブルー染料として極めて有用である。

Claims (10)

  1. 下記式(1)で表される化合物又はその塩。
    Figure 2018127547
    [式(1)中、R及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、及び置換基を有することができるアルキル基よりなる群から選択される基を表わす。R及びRは、それぞれ独立に置換基を有することができるアルキル基を表す。
    但し、R及びR2の両方が水素原子となることはない。]
  2. 及びRがそれぞれ独立に、アミノ基、ハロゲン原子、イオン性親水性基、及びシアノ基よりなる群から選択される置換基を有することができるアルキル基である、請求項1に記載の化合物又はその塩。
  3. 水、及び有機溶剤から選択される少なくとも1種類の液媒体と、請求項1又は2に記載の化合物又はその塩と、を含有するインク。
  4. さらに分散剤を含有する請求項3に記載のインク。
  5. 水、水溶性有機溶剤、分散剤、及び請求項1又は2に記載の化合物又はその塩を含有するインク。
  6. 請求項1又は2に記載の化合物又はその塩が付着した記録メディア。
  7. 請求項3〜5のいずれか一項に記載のインクが付着した記録メディア。
  8. 記録メディアが繊維である、請求項6又は7に記載の記録メディア。
  9. 前記繊維が、疎水性繊維である請求項8に記載の記録メディア。
  10. 前記疎水性繊維が、ポリエステル又はポリエステルを含有する混紡繊維である、請求項9に記載の記録メディア。
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