本発明は、単一のフィルムロールをセットするだけで、従来のフィルムの重ね枚数を2枚重ねとした二重重合部を備える米飯塊接触フィルムは勿論、上述の如く重合数を3枚以上とし、フィルムを相互に重ね合わせて分割可能に形成した多重重合部を備える相互多重重合フィルムを有し、米飯塊からの水分によるシート状食品の湿気りを確実に防止したおにぎり用の包装フィルム製造装置である。
特に、本発明に係るおにぎり用の包装フィルム製造装置は、内フィルムは、帯状のベースフィルムと、ベースフィルムの幅方向に所定間隔を隔ててベースフィルムの長手方向に沿うように幅方向の一側端又は両側端で前記ベースフィルムに接合された所定の幅員を有する帯状の2つの襞用フィルムと、を備え、前記内フィルム供給装置は、その搬送する前記内フィルムの幅方向に所定間隔を隔てて配設された一対のカッターと、前記一対のカッターの後方位置に配設されたフィルム重合部と、を備え、しかも、前記一対のカッターは、前記内フィルムの幅方向の各前記襞用フィルムの他側端縁に沿う位置、又は各前記襞用フィルムの幅方向略中央位置にて搬送方向に沿って前記内フィルムを切断し、前記内フィルムを、その幅方向左右の帯状の2つのサイドフィルム片と、幅方向の中央の帯状の1つのセンターフィルム片と、に分離し、前記フィルム重合部は、前記センターフィルム片の幅方向の両端部の前記ベースフィルムと前記襞用フィルムとの間に、前記サイドフィルム片の前記ベースフィルム又は前記襞用フィルムのいずれか一方の幅方向の一側端部を配置することで前記各フィルムの側端部同士を交互に積層させると共に、前記各フィルムの側端部同士の重合幅を調節自在としたを備えることを特徴とする。
本実施形態に係る包装フィルム製造装置により製造される包装フィルムにおいて、米飯塊接触フィルムには、図1に示すように、左右交互に積層重合するフィルムの重合数を少なくとも3枚以上とした多重重合部F13を形成することができる。
すなわち、米飯塊接触フィルムF3は、一端部のフィルム枚数を少なくとも2枚以上とした一方の分割フィルム片F10Rと、一端部のフィルム枚数を1枚以上とした相対する他方の分割フィルム片F10Lと、を備え、各フィルムF10R、F10Lの端部同士を交互に積層重合した多重重合部F13を構築して構成しており、米飯塊側から板海苔側へ至る隙間部分の経路をジグザク状にして引き延ばし、米飯塊Oの水分の移行を確実に防止できる。
ここで、「シート状食品」は、包装用フィルム(以下、単に包装フィルムとも言う。)に収納可能であればよく、例えば、板海苔、シート昆布、魚肉シートなど、米飯塊とともに食するものであれば特に限定されることはない。また、シート状食品の形状は特に限定されることはないが、矩形板状のものが好ましい。
また、米飯塊の形状は、包装用フィルムにより包装可能であればよく、例えば、三角形状の他に俵形状や四角形状などの各種形状であってもよい。
また、本実施形態に係る「内フィルム」とは包装フィルム製造装置により製造される包装フィルムの米飯塊接触フィルムとなるフィルムであり、また、「外フィルム」とは包装フィルムの外表フィルムとなるフィルムであり、それぞれ製造ラインに繰り出されて包装フィルム装置内で加工されるフィルムを意図する。
また、「単一のフィルムロール」とは、一巻のフィルムロールのことであり、繰り出されるフィルム自体の重合数について限定されることはない。従って、フィルム1枚のみからなる一重フィルムのフィルムロールだけでなく、フィルムの重合数を二重以上とした多重フィルムのフィルムロールをも含む。
また、多重フィルムの重合部の位置は特に限定されることはなく、例えば同じ寸法の一重フィルムを重ねたものであってもよいし、幅広のベースフィルムに対して挟幅とした襞用フィルムを所定位置で重ねたものであってもよい。
また、ベースフィルムに載置される襞用フィルムの枚数は特に限定されることなく、例えば、襞用フィルムをベースフィルムに対して2枚以上重ねてもよい。
また、襞用フィルムの幅員は、所望とする多重重合部の重合量や重合数に応じて適宜選択することができる。
以下、本実施形態の包装フィルム製造装置に用いる「内フィルム」について詳細に説明する。図2は、内フィルムの多重重合部を3重にするためのフィルムロールとそのフィルムの断面図であり、図3は、内フィルムの多重重合部を4重にするためのフィルムロールとそのフィルムの断面図である。
内フィルムF10は、図2及び図3に示すように、帯状のベースフィルムF4と、ベースフィルムF4の搬送方向と直交する幅方向に所定間隔を隔ててベースフィルムF4の長手方向に沿うように配置して接合した所定の幅員を有する帯状の2つの襞用フィルムF5、F5’と、で形成している。
ベースフィルムF4は、内フィルムF10の基盤となる幅広の帯状フィルムである。ベースフィルムF4において、その幅方向中央位置で長手方向に沿って伸延する直線を仮想中心線FCとし、ベースフィルムF4の幅方向左右端縁F4−1、F4−1’からそれぞれ内側に向けて約4分の1位置で長手方向に沿って伸延する直線を仮想直線F5C、F5C’とする。
2つの襞用フィルムF5、F5’は、ベースフィルムF4と共に多重重合部を形成するためのフィルムであり、それぞれベースフィルムF4より挟幅とした帯状フィルムである。襞用フィルムF5、F5’は、ベースフィルムF4に対し仮想中心線FCから所定間隔を隔てた左右側の仮想直線F5C、F5C’近傍位置に、互いに対向する幅方向一側端を又はそれぞれの幅方向両側端を固定端として接合している。
すなわち、図1(a)に示した包装フィルムの米飯塊接触フィルムF3に重合数を3重とした多重重合部F13aを形成する場合には、図2(a)に示すように、一対の襞用フィルムF5a、F5a’を、その幅方向一端でベースフィルムF4に接合して形成した内フィルムF10a(以下、単に3重重合用フィルムとも言う。)を使用する。
より具体的には、図2(a)及び図2(b)に示すように、内フィルムF10aは、一対の襞用フィルムF5a、F5a’を、ベースフィルムF4の仮想直線F5C、F5C’に襞用フィルムF5a、F5a’の自由端となる幅方向他端F5−2、F5−2’側の端縁を合わせるように配置し、互いに対向する幅方向一端F5−1、F5−1’を固定端として2つの接合部F11、F11’にて接合した状態で形成している。
つまり、内フィルムF10aにおいて、襞用フィルムF5a、F5a’の幅方向の内側の縁端F5−1、F5−1’はベースフィルムF4に接合された閉塞端となり、襞用フィルムF5a、F5a’の幅方向の外側の縁端F5−2、F5−2’はベースフィルムF4に接合されていない開放端となっている。なお、襞用フィルムF5a、F5a’のそれぞれの幅員D2は、図2(b)に示すように、ベースフィルムF4の幅員D1の約8分の1の長さとなるように形成している。
一方で、図1(b)に示した包装フィルムの米飯塊接触フィルムF3において重合数を4重とした多重重合部F13bを形成する場合には、図3(a)及び図3(b)に示すように、襞用フィルムF5b、F5b’を、その幅方向両側端F5−1、F5−2、F5−1’、F5−2’でベースフィルムF4に接合した内フィルムF10b(以下、単に4重重合用フィルムとも言う。)を使用する。
より具体的には、内フィルムF10bは、一対の襞用フィルムF5b、F5b’を、ベースフィルムF4の仮想直線F5C、F5C’に対して襞用フィルムF5a、F5a’の幅方向中央部から長手方向に沿って伸延する襞用フィルム仮想中心線を合わせるように配置し、それぞれの幅方向両端F5−1、F5−2、F5−1’、F5−2’を固定端として4つの接合部F11、F11、F11’F11’にて接合して形成している。
つまり、内フィルムF10bにおいて、襞用フィルムF5b、F5b’の幅方向の両側の縁端F5−1、F5−2、F5−1’、F5−2’は、ベースフィルムF4に接合された閉塞端となっている。
なお、襞用フィルムF5b、F5b’のそれぞれの幅員D3は、図2(b)及び図3(b)に示すように、ベースフィルムF4の幅員D1の約4分の1の長さ、すなわち襞用フィルムF5a、F5a’の幅員D2の約2倍となるように形成している。
詳細については後述するが、このように形成した内フィルムF10を包装フィルム製造装置に用いることで、図1に示したように、多重重合部F13が形成された米飯塊接触フィルムF3を得ることができる。
〔1.包装フィルム製造装置の概略〕
以下、本実施形態に係る包装フィルム製造装置について、まず概略を説明し、その後各要部構成について詳説する。図4は、包装フィルム製造装置の全体外観を示す。また、図5は、包装フィルム製造装置の正面視の拡大図を示し、図6は、包装フィルム製造装置の模式図を示す。
包装フィルム製造装置Aは、図4に示すように、広幅の内・外フィルムF10、F20がそれぞれ巻回されたフィルムロールF100、F200から、おにぎり用の包装フィルムFを製造するための各工程を実行する複数の機能部を備えている。
なお図4中、符号Bは包装フィルム製造装置Aの一端で送入部3に連通して包装フィルム製造装置Aにシート状食品を供給するシート状食品搬送装置であり、符号B1はシート状食品を搬送するチェーンコンベアである。また、符号Cは包装フィルム製造装置Aの他端で包装フィルム供給部5から送られてきた包装フィルムFの状態を検査する包装フィルム検品装置であり、符号C1は包装フィルム製造装置Aから包装フィルム検品装置Cへ包装フィルムFを搬送するベルトコンベアである。
また、詳細については後述するが、符号6は、シート状食品搬送装置Bや包装フィルム製造装置A、包装フィルム検品装置Cの各機能部に接続し信号を配信して各装置の動作を制御する制御部である。なお、包装フィルム製造装置Aやシート状食品搬送装置B、包装フィルム検品装置Cのフレームには防護用透明ケースを取付けており、作業者の安全を守るとともにシート状食品N及びおにぎりの包装用に供される包装フィルムFが露出することを可及的防止している。
包装フィルム製造装置Aの機能部は、図4及び図5に示すように、フィルムロールF100、F200から帯状の内フィルムF10と外フィルムF20とをそれぞれ搬送可能とした内フィルム供給装置1及び外フィルム供給装置2と、内・外フィルム供給装置1、2から搬送された内・外フィルムF10、F20の間に矩形板状のシート状食品Nを間欠的に送入する送入部3と、送入部3から搬送された内・外フィルムF10、F20同士をそれぞれの端部略全周でヒータ熱により溶着するシール部4と、シール部4から搬送された帯状フィルムを切断して、シート状食品Nがそれぞれ個別に収納された包装フィルムFを供給する包装フィルム供給部5とからなる。
包装フィルム製造装置Aは、複数のフレーム部材により箱状に枠組み構成された本体フレーム60を備える。本体フレーム60の上下略中央部には、図4〜図6に示すように、フレーム内部を上下に区画し機能部の載置台として機能する水平面を有した区画フレーム61が配設されている。
区画フレーム61の上面には、フィルムの搬送方向の上流側から下流側にかけて順番に、送入部3、シール部4、包装フィルム供給部5がそれぞれが連携して動作するように列状に配設されており、内フィルムF10と外フィルムF20とシート状食品Nとを搬送しつつ包装フィルムを形成する包装フィルム形成ライン62を形成している。
また、区画フレーム61を境にして、本体フレーム60の上部には外フィルム供給装置2が、本体フレーム60の下部には内フィルム供給装置1がそれぞれ配設されている。
内フィルム供給装置1は、詳細については後述するが、図6に示すように、本体フレーム60下部で内フィルムF10の搬送方向の上流側から下流側にかけて順番に、内フィルムロールセット杆10と、テンションローラ13、内フィルムカッター14、14’と、フィルム重合部70と、フィルム姿勢矯正ローラ15と、キャリアローラ12とを、配置すると共に、各部材同士の間の所定位置に複数の支持ローラ16を間欠的に配置して構成している。
一方、外フィルム供給装置2は、本体フレーム60上部で外フィルムF20の搬送方向の上流側から下流側にかけて順番に、外フィルムロールセット杆20と、テンションローラ23と、キャリアローラ22と、レジマークセンサ24とを、配置すると共に、各部材の間の所定位置に複数の支持ローラ25を間欠的に配置して構成している。
レジマークセンサ24は、搬送される外フィルムF20の長手方向に所定間隔を隔てて表面に印字され、個々の包装フィルムを形成するための指標となるレジマークを検知し、その情報データを制御部6へ送信する。すなわち、帯状の外フィルムF20の外表面には、幅方向に2列、長手方向に所定間隔を隔てて個々の商品表示とレジマークが印字されている。
内・外フィルム供給装置1、2において、内・外フィルムロールセット杆10、20はそれぞれ内・外フィルムロールF100、F200をセットする部材である。また、テンションローラ13、23はフィルムの長手方向に一定の張力を作用させてフィルムが搬送途中で撓むことを防止する部材である。また、キャリアローラ12、22は制御部6と接続した内・外フィルム搬送モータ12a、22aによりそれぞれ同期して回転駆動して各フィルムを搬送する部材である。
このような複数の部材の架設により、内・外フィルム供給装置1、2には、内・外フィルムF10、F20の搬送経路となる内フィルム供給ライン11及び外フィルム供給ライン21がそれぞれ形成されている。
すなわち、本体フレーム60の略中央部に包装フィルム形成ライン62が、下部に内フィルム供給ライン11が、上部に外フィルム供給ライン21がそれぞれ形成される。また、内フィルム供給ライン11及び外フィルム供給ライン21は、各終端で包装フィルム形成ライン62の始端と合流している。
送入部3は、シート状食品搬送装置Bのシート状食品Nの搬送経路及び包装フィルム製造装置Aの3つのライン、すなわち包装フィルム形成ライン62、内フィルム供給ライン11、外フィルム供給ライン21とがそれぞれ合流する部位である。
送入部3は、各ラインが合流して搬送される内・外フィルムF10、F20の間にシート状食品Nを間欠的に送入し、シート状食品Nを介在した端面同士が当接する内・外フィルム(以下、単に内外当接フィルムF30とも言う。)を形成する。
送入部3には、包装フィルム形成ライン62と搬送面を略面一とするチェーンコンベアB1の終端部が位置する。チェーンコンベアB1の終端部には、チェーンコンベアB1を駆動可能とするチェーンコンベア駆動モータB2が配設されている。
チェーンコンベア駆動モータB2は、制御部6と接続しており制御部6からの信号により規定間隔を保持してシート状食品Nを間欠的に内・外フィルムF10、F20の間に送入するように駆動する。また、チェーンコンベア駆動モータB2は、食品送入センサ31を備えており、食品送入センサ31は制御部6と接続し、チェーンコンベアB1上のシート状食品Nの位置情報を制御部6に送信する。
シール部4は、詳しくは後述するが、送入部3から搬送される内外当接フィルムF30の所定位置をシールしてシート状食品Nを間欠的に収納した帯状フィルムF40を形成する部位であり、シーリングローラ41と、フィルム押圧ローラ42とで構成された上下ユニットを、2つ備えている。
シーリングローラ41は、制御部6と接続したシーリングローラモータ44の駆動力により回転してシーリングローラ41との間で内フィルムF10及び外フィルムF10を押圧し、互いのフィルム同士の間に介在するシート状食品Nを囲うように互いのフィルムの所定位置同士を融着する。
包装フィルム供給部5は、帯状フィルムF40を切断して2つの包装フィルムF、F’を得て包装フィルム検品装置Cへ同包装フィルムF、F’を送り出す部位であり、フィルム縦断カッター50と、フィルム横断ローラ51とを備えている。
フィルム縦断カッター50は、包装フィルム形成ライン62の上部位置で包装フィルム形成ライン62の幅方向中央部に配設されており、シール部4でシールされた帯状フィルムを幅方向中央位置で搬送方向に沿って切断する。
また、フィルム横断ローラ51は、フィルム縦断カッター50の後方位置で包装フィルム形成ライン62の上部位置に配設されており、ローラ本体の長手方向に沿うように外周面の所定位置に突設したカッター51aを備え、横断ローラモータ51bの駆動により回転して帯状フィルムの幅方向を間欠的に切断する。
このように構成された包装フィルム製造装置Aにおいて、本実施形態では、特に内フィルム供給装置1とシール部4とにその特徴がある。以下、それぞれの部位の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
〔2.内フィルム供給装置の具体的構成〕
内フィルム供給装置1は、包装フィルム形成ライン62に多重重合部F13を備えた内フィルムF10を供給する部位である。図7は、内フィルム供給装置1の要部となるフィルム重合部の外観斜視図であり、図8は、フィルム重合部の要部構成を示す斜視図である。また、図9は、搬送方向視によるフィルム重合部の構成を示す説明図であり、図10は、フィルム重合部に内フィルムを掛け渡した状態を示す平面図である。
一対の内フィルムカッター14、14’は、装置フレーム71の所定の上部に回動自在に配設されたシャフト14aにそれぞれ取付けられおり、一端に設けた操作レバー14bを把持して操作することで上下に揺動し、搬送される内フィルムF10に対して当接自在としている。
内フィルムカッター14、14’は、内フィルムF10の幅方向の各襞用フィルムF5、F5’の他側端縁に沿う位置、又は各襞用フィルムF5、F5’の幅方向略中央位置にて搬送方向に沿って内フィルムF10を切断するよう、内フィルムF10の搬送面の上方位置に、シャフト14aを介して装置フレーム71に配設される。すなわち、一対の内フィルムカッター14、14’は、ベースフィルムF4の仮想直線F5C、F5C’に沿うように配設される。
このような構成により内フィルムカッター14、14’は、図4及び図5に示すように、内フィルムF10をその幅方向左右の帯状の2つのサイドフィルム片F6L、F6Rと、幅方向の中央の帯状の1つのセンターフィルム片F6Cと、に分離する。なお、得られた1つのサイドフィルム片F6L、F6Rの幅方向の長さは、センターフィルム片F6Cの幅方向の長さの約2分の1となる。
次にフィルム重合部70の構成について説明する。フィルム重合部70は、内フィルムF10に多重重合部F13を形成する装置であり、図7及び図8に示すように、左右一対の重合隙間形成部材80と、左右一対の重合量調節ガイド部材90と、を備えている。左右の重合隙間形成部材80及び重合量調節ガイド部材90は、左右対称に構成されている。
重合隙間形成部材80は、センターフィルム片F6C及びサイドフィルム片F6L、F6Rが対向する端部のフィルム同士の間を強制的に拡開しつつ、各フィルム片F6C、F6L、F6Rの端部同士を重ね合わせて多重重合部F13を内フィルムF10に形成する部材である。
重合隙間形成部材80は、装置フレーム71にベースフィルムF4の仮想直線F5C、F5C’に沿って切断されたセンターフィルム片F6Cとサイドフィルム片F6L、F6Rにおいて、それぞれのフィルム片同士の境目端縁の近傍部分(以下、単に境界部とも言う)F8、F8’であって、センターフィルム片F6Cとサイドフィルム片F6L、F6Rの端部を掛け渡し可能な上方位置に配置される。
つまり、重合隙間形成部材80は、センターフィルム片F6Cと左右のサイドフィルム片F6L、F6Rとの境界部F8、F8’上において両フィルム片に跨るように設けられている。なお、センターフィルム片F6Cとサイドフィルム片F6L、F6Rの端部が重合隙間形成部材80に掛け渡し可能な状態とは、後述する内側プレート82L、82Rや外側プレート83L、83Rの上面に対し、搬送されるセンターフィルム片F6Cやサイドフィルム片F6L、F6Rの下面を摺接させつつ内フィルムを搬送可能とした状態である。
重合隙間形成部材80は、図7及び図8に示すように、仕切板81L、81Rと、仕切板81L、81Rの前半部の下端縁から突出した内側プレート82L、82Rと、内側プレート82L、82Rの後方で仕切板81L、81Rの後半部の下端縁から内側プレート82L、82Rの突出方向と逆方向に突出した外側プレート83L、83Rと、後述する重合量調節ガイド部材90の下方位置に設けられる内側補助プレート85L、85Rと、を備えており、左右対称形として一対で構成している。
なお、各プレート82L、82R、83L、83R、85L、85Rや仕切板81L、81Rの角部はR状としており、角部に接触しつつ搬送される各フィルム片F6C、F6L、F6Rが破損することを防止している。
各仕切板81L、81Rは、図7、図9及び図10に示すように、搬送されるフィルム面に対しその板面を直交させるようにセンターフィルム片F6Cとサイドフィルム片F6L、F6Rとの境界部F8、F8’の上方位置に配置される。
すなわち、内側プレート82L、82Rと外側プレート83L、83Rとは、各フィルム片同士の境界部F8、F8’の上方位置で仕切板81L、81Rを介して装置フレーム71に配設される。
また、各仕切板81L、81Rは、図7〜図10に示すように、搬送方向上流側に位置する前半部より搬送方向下流側に位置する後半部を境界部F8、F8’からやや内側(センターフィルム片F6C側)に位置するように中途部を折り曲げて形成している。
内側プレート82L、82Rは、所定幅を有する平面視矩形状の金属板であり、境界部F8、F8’から内側に向けて略水平状に突出している。より具体的には、内側プレート82L、82Rは、図7〜図9に示すように、搬送方向正面視において、一側縁を境界部F8、F8’の上方位置の仕切板81L、81Rの前半部の下端縁から内側且つ下方側へ他側縁を向けて突出して、内側プレート上面82a、82a’を仕切板81L、81Rからセンターフィルム片F6C側へ下方傾斜する傾斜面をなしている。
このような構成により内側プレート82L、82Rは、それぞれセンターフィルム片F6Cの上方位置で、その両側端側からベースフィルムF4と襞用フィルムF5、F5’との間に配置して、センターフィルム片F6Cの襞用フィルムF5、F5’の一端部を搬送面に対して上方位置に起伏させて掛け渡し可能としている。すなわち、内側プレート82L、82Rは、その上面82a、82a’で搬送されるセンターフィルム片F6Cの襞用フィルムF5、F5’の一端部の下面と摺接可能としている。
一方、外側プレート83L、83Rは、所定幅を有する金属板であり、境界部F8、F8’から外側(サイドフィルム片F6L、F6R側)に向ってそれぞれ互い違いに略水平状に突出している。なお、外側プレート83L、83Rの形状は、平面視で搬送方向下流側に向って漸次挟幅状とする略三角形状としている。
すなわち、内側プレート82L、82R同様、外側プレート83L、83Rは、図7〜図9に示すように、搬送方向正面視において、一側縁を境界部F8、F8’の上方位置の仕切板81L、81Rの前半部の下端縁から外側且つ下方側へ向けて他端縁を突出し、外側プレート上面83a、83a’を仕切板81L、81Rからサイドフィルム片F6L、F6R側へ下り傾斜する傾斜面をなしている。
このような構成により、外側プレート83L、83Rは、それぞれサイドフィルム片F6L、F6Rの上方位置で、サイドフィルム片F6L、F6Rの一端部のベースフィルムF4、F4と襞用フィルムF5b、F5b’との間に配置して、サイドフィルム片F6L、F6Rの襞用フィルムF5b、F5b’の一端部を搬送面に対して上方位置に起伏させて掛け渡し可能としている。すなわち、外側プレート83L、83Rは、その上面83a、83a’で搬送されるサイドフィルム片F6L、F6Rの襞用フィルムF5、F5’の一端部の下面と摺接可能としている。
また、各プレート上面82a、82a’、83a、83a’において、搬送方向の上流側の端面と下流側の端面と(各プレートの長手方向の両端面)が、それぞれ搬送方向の上下流端縁(各プレートの長手方向の両端縁)に向って下り傾斜している。また、各プレート82L、82R、83L、83Rの幅員(仕切板81L、81Rの下端縁から突出した他端縁までの長さ)は、襞用フィルムF5a、F5a’の幅員より短くなるように形成している。
また、各仕切板81L、81Rは、図7に示すように、支点シャフト84を介して上下に揺動自在に連結しており、搬送されるフィルムの種類に応じて内フィルム供給ライン11に対し、センターフィルム片F6Cやサイドフィルム片F6L、F6Rの端部を掛け渡し可能な上方位置での各プレート82L、82R、83L、83Rの設置を自在としている。なお、図7中、符号85は、支点シャフト84を操作する操作レバーである。
内側補助プレート85L、85Rは、内側プレート82L、82Rと共にセンターフィルム片F6Cの両側端側からベースフィルムF4Cと襞用フィルムF5aC、F5aC’との間に配置することで、内側プレート82L、82Rの配置によりセンターフィルム片F6Cの幅方向両端部に形成された拡開隙間を搬送方向に沿って保持可能とする部材である。
内側補助プレート85L、85Rは、その長手を後述するガイドプレート91L、91Rの長手よりも長くした帯状の平板金属部材であり、ガイドプレート91L、91Rのベース部92L、92Rの下方位置に配設している。
より具体的には、内側補助プレート85L、85Rは、図9に示すように、搬送方向正面視において、その先端縁と内側プレート82L、82Rの先端縁とが同一の仮想鉛直線V、V’上に位置するように、後述するガイドプレート91L、91Rのベース部92L、92Rの下方位置から互いに内側に向けて突出して配設している。
また、内側補助プレート85L、85Rは、図10に示すように、搬送方向平面視において、ガイドプレート91L、91Rのベース部92L、92Rの下端縁よりもい下流側に突出するように配設している。
このような構成により、内側補助プレート85L、85Rの下方位置には、センターフィルム片F6Cの幅方向両端部のうちベースフィルムF4Cが配置されることとなり、ベースフィルムF4Cの両端の上面と内側補助プレート85L、85Rの一端の下面とが摺接可能となる。
つまり、内側補助プレート85L、85Rは、センターフィルム片F6Cの両端部の襞用フィルムとベースフィルムF4Cにおいて、内側補助プレート85L、85Rの下方位置にベースフィルムF4Cを配置することで、内側プレート82L、82Rにより形成された拡開隙間が内側プレート82L、82Rの下流側でフィルムに生起した静電気の引力によりフィルム同士が互いに引き合い閉塞されてしまうことを防止し、後述するガイドプレート91L、91Rによるサイドフィルム片F6L、F6Rの挿入可能な拡開隙間を保持することを可能としている。
なお、本実施形態で各仕切板81L、81Rに配設される内側プレートや外側プレートの枚数は、それぞれ一枚ずつとしているが、内側プレートや外側プレートの枚数を各フィルム片端部のフィルム枚数に応じて増やすこと、例えば、仕切板に対して複数の内側プレートや外側プレートを所定間隔を隔てて上下に配設することも可能である。
重合量調節ガイド部材90は、搬送方向において内側・外側プレート82L、82R、83L、83Rの配設位置と略同じ位置で、搬送経路を左右側から挟むように左右一対の構成として設けられている。重合量調節ガイド部材90は、各サイドフィルム片F6L、F6Rをセンターフィルム片F6Cに向って搬送方向の左右側から幅寄せすることでセンターフィルム片F6C及びサイドフィルム片F6L、F6Rの各端部同士の重なり合う幅を調節する部材であり、ガイドプレート91L、91Rを左右一対備えている。
一対のガイドプレート91L、91Rは、図7〜図9に示すように、搬送される内フィルムF10(サイドフィルム片F6L、F6R)の下面側に配置される金属プレートからなるベース部92L、92Rと、ベース部92L、92Rに対してプレート本体の所定位置で湾曲させて立ち起こして形成され、内フィルムF10の幅方向左右外方位置に配置されるガイド部93L、93Rと、を備えており、左右対称形を成している。
一対のガイドプレート91L、91Rのガイド部93L、93Rは、図9に示すように、搬送方向正面視において、ベース部92L、92Rから上方に向けて拡開すると共に、図10に示すように、搬送方向平面視において搬送方向の上流側から下流側にかけて漸次狭窄するように傾斜させ、ベース部92L、92Rに対し平板金属プレートを湾曲させて立ち起こして形成している。
また、図7に示すように、一対のガイドプレート91L、91Rは、ベース部92L、92Rの前半部の所定位置で装置フレーム71に各ベース部92L、92Rの板面を略水平とするように枢支され、ベース部92L、92Rの後半部の下面でラックアンドピニオン機構を介して互いに近接離隔可能に連結している。なお、図7中、符号95は、互いのガイドプレート91L、91R及びベース部92L、92Rの近接離隔幅を調整する操作レバーである。
このような構成により、ガイドプレート91L、91Rは、サイドフィルム片F6L、F6Rの搬送位置をセンターフィルム片F6Cの搬送位置よりも上方位置に保持可能とし、搬送方向の下流側で内フィルムF10に多重重合部を形成しやすくしている。
また、ガイドプレート91L、91Rはそれぞれ、シャフトを介して調製ダイヤル96L、96Rと接続している。ガイドプレート91L、91Rは、この調製ダイヤル96L、96Rを回動操作することで、互いのガイド部93L、93Rのガイド面93a、93a’を内フィルムF10の搬送方向に直交する方向に近接離隔可能としており、多重重合部F13の重合幅の調節を可能としている。
このように構成したフィルム重合部70の下流側には、図5及び図7に示すように、フィルム姿勢矯正ローラ15が回転自在に架設されている。
フィルム姿勢矯正ローラ15は、多重重合部F13、F13が形成された内フィルムF10を幅方向中央部から左右側へ向けてしわ伸ばしする部材である。
図7に示すように、フィルム姿勢矯正ローラ15のローラ本体15aの外周面には、ローラ本体15aの長手中央部15bから左右端縁15c、15dにかけて、互いの巻き方向を違え、フィルムの搬送方向に対してフィルムを中央部から左右端部に引張する2つのらせん溝16L、16Rが形成されている。つまり、フィルム姿勢矯正ローラ15は、同フィルム姿勢矯正ローラ15の回転に伴って、内フィルムF10を幅方向中央から両端に向けて引張するようならせん溝を、同フィルム矯正ローラ15の長手方向中央部15bから左右対称となるように形成している。
より具体的には、搬送方向視において、右側のらせん溝16Rは、ローラ本体15aの外周面に対し、同ローラ本体15aの長手方向中央部15bを始端とし右側端縁15cを終端として、中央部15bから右側端縁15cにかけてフィルム姿勢矯正ローラ15の回転方向(右回り方向)と逆方向(左回り方向)で巻くらせん状の溝としている。
一方で、左側のらせん溝16Lは、ローラ本体15aの外周面に対し、始端を右側のらせん溝16Rの始端と同じとし左側端縁15dを終端とし、同ローラ本体15aの中央部15bから左側端縁15dにかけてフィルム姿勢矯正ローラ15の回転方向(右回り方向)と逆方向(左回り方向)で巻くらせん状の溝としている。なお、左右のらせん溝16L、16Rのピッチ(隣り合う溝の間隔)は略等間隔としている。
このような構成により、フィルム姿勢矯正ローラ15に巻き掛けられた内フィルムF10は、らせん溝16L、16Rに係合して搬送方向に沿って回転するに従い、幅方向中央部から左右端縁へ向けて引張されることとなる。つまり、左右のらせん溝16L,16Rは、フィルム姿勢矯正ローラ15の外周面に密着した状態で搬送される内フィルムF10に対して、各溝のらせん形状に沿って左右中央部を起点として左右外側に向かう方向にフィルムを均すように作用する。
なお、フィルム姿勢矯正ローラ15の配設位置や数は、特に限定されることなく、例えば内フィルム供給ライン11においてフィルム重合部70より上流側や外フィルム供給ライン21に間欠的に配設してもよい。
〔3.シール部の具体的構成〕
次に、本実施形態に特徴的なシール部4の具体的構成について図面を参照しながら説明する。図11は、シール部の側断面図を示し、図12は、内・外フィルム同士がシール部を経由して溶着されていく過程を示す説明図である。なお、図12(a)は、送入部3からシール部4へ搬送される内外当接フィルムF30を示している。
シール部4は、図5、図6及び図11に示すように、区画フレーム61の上面に配置される幅方向シールユニット40aと、同幅方向シールユニット40aの後方位置に配置される長手方向シールユニット40bとで構成している。
幅方向シールユニット40aは、内フィルムF10に形成された多重重合部F13の厚みを加味することなく外フィルムF10側から内外当接フィルムF30の幅方向を加熱して間欠的に融着する部材であり、包装フィルム形成ライン62を介して外フィルムF20の上方位置にシーリングローラ41aを、内フィルムF10の下方位置にフィルム押圧ローラ42aを配設して構成している。
シーリングローラ41aの外周面には、図11に示すように、所定長さに形成された略矩形状のシール突起43aが、その長手をローラ本体の長手方向に沿うようにして間欠的に複数突出している。
また、シーリングローラ41aは、図6に示すように、制御部6と接続した電熱ヒータ45aを備えており、シーリングローラ41aの外周面のシール突起43aを加熱可能としている。
そして、シーリングローラ41aは、シーリングローラモータ44aの駆動により回転することでフィルム押圧ローラ42aとの間で搬送される内外当接フィルムF30の外フィルムF10と幅方向で間欠的に当接する。
このような構成により、シーリングローラ41aは、図12(b)に示すように、内フィルムF10と外フィルムF20の幅方向に沿って線状に内外当接フィルムF30において、シート状食品Nが介在する部位及び多重重合部F13を避けた部位を溶着する。
つまり、シーリングローラ41aによれば、内外当接フィルムF30の長手方向の両側の縁端部(所定間隔を隔てて長手方向に介在したシート状食品Nにおいて、隣接するシート状食品N同士の間の部位)において、内外当接フィルムF30の幅方向に連なる矩形状の溶着部位(接合部分F1a)が所定の間隔(非溶着部)を隔てて連続的に形成される。
一方で、長手方向シールユニット40bは、内フィルムF10に形成された2つの多重重合部F13、F13’を避けて内外当接フィルムF30の長手方向(搬送方向に沿う方向)に沿って連続的又は間欠的に融着する部材であり、包装フィルム形成ライン62を介して、外フィルムF20の下方位置にシーリングローラ41bを、内フィルムF10の上方位置にフィルム押圧ローラ42bを配設して構成している。
シーリングローラ41bの外周面には、ローラ本体の長手方向において中央位置と左右端部位置でローラ本体の周面に沿うように所定長さに形成された略矩形状のシール突起43bを連続的に複数突出している。
また、シーリングローラ41bは、幅方向シールユニット40aのシーリングローラ41aと同様、電熱ヒータ45bを備えており、シール突起43bを加熱可能としている。
そして、シーリングローラ41bは、シーリングローラ41aによる溶着の後、図12(c)に示すように、シーリングローラモータ44bの駆動により回転することでフィルム押圧ローラ42bとの間で搬送される内外当接フィルムF30の幅方向略中央部と幅方向左右端部とを長手方向に沿って3か所で連続的又は間欠的に融着可能としている。
つまり、シーリングローラ41bによれば、内外当接フィルムF30の幅方向の略中央部(所定間隔を隔てて幅方向に介在したシート状食品Nにおいて、隣接するシート状食品N同士の間の部位)と幅方向の両側の縁端部において、内外当接フィルムF30の長手方向に連なる矩形状の溶着部位(接合部分F1b)が所定の間隔(非溶着部)を隔てて連続的に形成される。
このようにしてシール部4は、シート状食品Nを内・外フィルム間に介在した内外当接フィルムF30を、図12(c)に示すように、内部に収納したシート状食品Nを囲うように内・外フィルムF10、F20の端部全周同士を融着して帯状フィルムF40を形成する。なお、シール部4により融着された接合部分F1a、F1bは図1に示した包装フィルムの接合部F1となる。
〔4.包装フィルム製造装置Aの電気的構成〕
次に、包装フィルム製造装置Aの電気的な構成について図13を参照しながら説明する。図13は包装フィルム製造装置Aに係る電気的構成を示したブロック図である。
図13に示すように、制御部6は、CPU63と、ROM64と、RAM65とを備えている。ROM64はCPU63の処理において必要なプログラム等が格納されており、RAM65はそのプログラム等の実行に際し一時的な記憶領域として機能する。例えばROM64の所定領域には、包装フィルム製造装置Aの各機能部を連携稼動させるのに必要な各種処理を実現するためのプログラムが格納されている。
このプログラムには、セットされるフィルムの種類に応じて、外フィルムに印字されたレジマークを参照して商品表示ラベルに合うようにフィルムの搬送速度に合わせて送入部3からタイミングよくシート状食品を送入する送入タイミングテーブルや、シート状食品搬送装置BのチェーンコンベアB1や包装フィルム検品装置CのベルトコンベアC1、内・外フィルム供給装置1、2の内・外フィルムキャリアローラ12やシール部4の2つのシーリングローラ41a、41b、包装フィルム供給部5のフィルム横断ローラ51等の駆動部の稼働停止状態を同期する速度規定テーブルや、シール部4のシーリングローラ41aや包装フィルム供給部5のフィルム横断ローラ51の間欠動作のタイミングを搬送速度に回動動作テーブルが格納されている。
また、制御部6には、図13に示すように、操作パネル66、レジマークセンサ24、食品送入センサ31、内フィルム搬送モータ12a、外フィルム搬送モータ22a、シーリングローラモータ44a、44b、横断ローラモータ51b、チェーンコンベア駆動モータB2、ベルトコンベア駆動モータC2、電熱ヒータ45a、45bが接続されており、制御部6におけるプログラムの実行状況に応じてRAM65に一時的に記憶された操作パネル66による操作設定や食品送入センサ31、レジマークセンサ24により送信された信号に適合する送入タイミングテーブルが参照されたり、制御駆動するよう構成している。
特に、制御部6は、レジマークセンサ24から送信された商品表示ラベル位置情報と、チェーンコンベア駆動モータB2の食品送入センサ31から送信されたシート状食品Nの位置情報と、を照合し、外フィルムF10の商品表示ラベル位置に合わせてシート状食品Nをタイミングよく送りだすチェーンコンベア駆動モータB2の規定搬送速度プログラムを実行する。
そして、制御部6は、この規定速度情報に応じた信号を各駆動部材のチェーンコンベア駆動モータB2、内フィルム搬送モータ12a、外フィルム搬送モータ22a、シーリングローラモータ44a、44b、横断ローラモータ51b、に伝え、各駆動部材の稼働速度を制御することで送入部3におけるシート状食品Nの送入速度やフィルムの搬送速度を制御する。
また、この規定速度情報は、シーリングローラモータ44aや横断ローラモータ51bを、搬送されるシート状食品N入りの内外当接フィルムF30や帯状フィルムF40において、シート状食品Nを長手左右端縁の外方位置で外フィルムに印字された商品表示部分を個別に分離するよう所定のピッチで回動させる。
〔5.包装フィルム製造装置の使用例1〕
次に、本実施形態に係る包装フィルム製造装置Aの使用例について説明する。この使用例の説明では、包装フィルムFとして、フィルムの重合数を4枚とする多重重合部F13を有した米飯塊接触フィルムF3を形成する場合を例に説明する。
包装フィルムFを得るにあたっては、内・外フィルム供給装置1、2の内フィルムロールセット杆10と外フィルムロールセット杆20とに、それぞれ内フィルムロールF100と外フィルムロールF200とをセットする。本使用例では、図1(b)に示した重合数を4重とした多重重合部F13を有した米飯塊接触フィルムF3を形成すべく、内フィルムロールセット杆10に、図3で示した4重重合用フィルムF10bの内フィルムロールF100をセットする。
次に、操作パネル66(図4、参照。)を介して制御部6に稼働条件の設定を行う。具体的には、図13で示したように電熱ヒータ45a、45bの温度設定や、セットされるフィルムロールの種類に応じた速度等の設定を行う。
次に、包装フィルム製造装置Aを所定時間稼働させて、フィルムロールF100、F200からそれぞれ帯状で幅広の内・外フィルムF10、F20を、内・外フィルム供給ライン11、21や包装フィルム形成ライン62を形成する各部材全体に掛け渡すフィルム掛け渡し設定を行う。
この際、外フィルム供給装置2のレジマークセンサ24により商品表示ラベル位置情報が、また、送入部3の食品送入センサ31によりシート状食品Nの位置情報が、それぞれ制御部6に入力される。そして制御部6は、これらの位置情報に基づき、上述の規定搬送速度を割り出す。
内・外フィルム供給ライン11、21や包装フィルム形成ライン62を形成する各部材全体に内・外フィルムF10、F20が掛け渡された段階で、いったん包装フィルム製造装置Aを停止状態とし、内フィルム供給装置1のフィルム重合部70の重合隙間形成部材80や重合量調節ガイド部材90の設定を行う。
重合隙間形成部材80においては、図9及び図10に示すように、センターフィルム片F6Cやサイドフィルム片F6L、F6Rを内側プレート82L、82Rや内側補助プレート85L、85R、外側プレート83L、83Rに掛け渡たす。また、重合隙間形成部材80の下流側でそれぞれのフィルム片の拡開隙間S2、S2’に互いのフィルム端部を各々配置する。
また、重合量調節ガイド部材90においては、調製ダイヤル96L、96Rを操作してガイドプレート91L、91Rを近接離隔させて多重重合部F13の所望とする重合幅FDとなる位置に調節設定する。
そして包装フィルム製造装置Aを再稼働させると、制御部6で割り出された規定搬送速度で作動するように設定されたチェーンコンベア駆動モータB2、内フィルム搬送モータ12a、外フィルム搬送モータ22a、シーリングローラモータ44a、44b、横断ローラモータ51bが連動し、各ベルトコンベアや各ローラが規定のピッチを保持して作動を始める。
このような規定搬送速度設定の条件下で稼働する包装フィルム製造装置Aにおいて、内フィルム供給装置1及び外フィルム供給装置2でフィルムロールF100、F200から繰り出される内・外フィルムF10、F20は、図5及び図6で示すように内・外フィルム供給ライン11、21を経由する。
特に、内フィルム供給ライン11を経由する内フィルムF10には、以下のようにして多重重合部F13が形成される。
まず、内フィルム供給ライン11において、一対の内フィルムカッター14、14’が、搬送される内フィルムF10において、仮想直線F5C、F5C’(図3参照)に沿って襞用フィルムF5b、F5b’と共にベースフィルムF4を切断し、内フィルムF10を、その幅方向左右の帯状の2つのサイドフィルム片F6L、F6Rと、幅方向中央の帯状の1つのセンターフィルム片F6Cと、に分離する。
得られたセンターフィルム片F6Cの両端部やサイドフィルム片F6L、F6Rの一端部には開放端として、図9に示すように、分離されたベースフィルムF4C、F4L、F4Rと襞用フィルムF5aC、F5aC’、F5aL、F5aRとにより構成された2重のフィルム襞が形成される。
4重重合用フィルムの襞用フィルムF5b、F5b’の幅員D3は、図3(b)で示したように、3重重合用フィルムF10aの襞用フィルムF5a、F5a’の幅員D2の約2倍となるように形成している。
このため、内フィルムカッター14、14’が4重重合用の内フィルムF10bを仮想直線F5C、F5C’で切断すると、得られたセンターフィルム片F6C及びサイドフィルム片F6L、F6Rにはそれぞれ幅員D2とする自由端F5−3、F5−3’を有した4つの襞用フィルムF5aC、F5aC’、F5aL、F5aRが形成されることとなる。なお、このようなセンターフィルム片F6C及びサイドフィルム片F6L、F6Rは、上述した包装フィルム製造装置Aの掛け渡し設定稼働時にも形成されている。
次に、センターフィルム片F6C及びサイドフィルム片F6L、F6Rに分離された内フィルムF10bに、内フィルムカッター14、14’の下流側に配設したフィルム重合部70が以下のようにして多重重合部F13、F13’を形成する。
フィルム重合部70の重合隙間形成部材80において、図9(a)に示すように、一対の内側プレート82L、82Rは、搬送方向の中央位置のセンターフィルム片F6Cの左右端の襞用フィルムF5aC、F5aC’を下面側から抱え込むようにして持上げ、襞用フィルムF5aC、F5aC’をそれぞれベースフィルムF4C左右端の上方位置で隆起させ、拡開隙間S1、S1’を形成する。
一方で、一対の外側プレート83L、83Rは、搬送方向左右位置のサイドフィルム片F6L、F6Rの一端の襞用フィルムF5aL、F5aRをそれぞれ下面側から持上げ、襞用フィルムF5aL、F5aRをベースフィルムF4L、F4Rの上方位置で隆起させ、拡開隙間S2、S2’を形成する。
すなわち、各内側・外側プレート82L、82Rは、ベースフィルムの搬送面に対し襞用フィルムの搬送面を起伏させて、各フィルムの搬送ラインを分離することで、センターフィルム片F6Cやサイドフィルム片F6L、F6Rの縁端部に拡開隙間を形成する。
また、内側プレート上面82a、82a’や外側プレート上面83a、83a’は上述の如く傾斜面としているため、ベースフィルムF4と襞用フィルムF5bの各接合部F11、F11’に負荷をかけることなく各襞用フィルムF5aC、F5aC’、F5aL、F5aRと面接触して隆起させ、確実に拡開隙間S1、S1’、S2、S2’を形成できるのである。
隆起された各襞用フィルムF5aC、F5aC’、F5aL、F5aRは、それぞれ搬送方向の下流側に搬送されるに伴い拡開隙間S1や拡開隙間S2を閉塞するように降下していく。
拡開隙間S1や拡開隙間S2が完全閉塞に至るまでに、ガイドプレート91L、91Rの後半部のガイド部93L、93Rが、互いのガイド面93a、93a’同士を近接させて内フィルム供給ライン11の経路幅を挟幅として左右位置のサイドフィルム片F6L、F6Rを中央位置のセンターフィルム片F6Cに向って幅寄せする。
すなわち、図9(a)及び図10に示すように、ガイド面93aやガイド面93a’が、それぞれサイドフィルム片F6Lの外端縁F4−1やサイドフィルム片F6Rの外端縁F4−1’と摺接しつつサイドフィルム片F6L、F6Rの搬送方向を中央位置のセンターフィルム片F6Cの搬送方向に幅寄せする。
特に、各仕切板81L、81Rが、搬送方向上流側に位置する前半部より搬送方向下流側に位置する後半部を境界部F8、F8’からやや内側(センターフィルム片F6C側)に位置するように折り曲げて形成していることから、サイドフィルム片F6L、F6Rはセンターフィルム片F6Cの幅方向内側に向って幅寄せ誘導される。
なお、センターフィルム片F6Cの両端部の襞用フィルムとベースフィルムF4Cは内側補助プレート85L、85Rにより確実に離隔されているため静電気の引力により拡開隙間S1がガイドプレート91L、91Rにより幅寄せ誘導される前に閉塞されることはない。
また、実施形態では、内側補助プレート85L、85Rがガイドプレート91L、91Rの下方位置に配設されていることから、センターフィルム片F6Cの搬送位置がサイドフィルム片F6L、F6Rの搬送位置よりも低い位置となり、互いに対向するフィルムの先端が互いに突き当たり干渉することを防止している。
そして、センターフィルム片F6Cの両端部とサイドフィルム片F6L、F6Rの一端部が相互に重なりあう。
より具体的には、センターフィルム片F6Cの襞用フィルムF5aC、F5aC’の端部がサイドフィルム片F6L、F6Rの拡開隙間S2、S2’にそれぞれ配置されると共に、サイドフィルム片F6L、F6RのベースフィルムF4L、F4Rの端部がセンターフィルム片F6Cの拡開隙間S1、S1’にそれぞれ配置される。
この結果、図9(b)に示すように、内フィルムF10bには搬送方向正面視で上方から下方にかけて順に、サイドフィルム片F6L、F6Rの襞用フィルムF5aL、F5aRの端部、センターフィルム片F6Cの襞用フィルムF5aC、F5aC’の端部、サイドフィルム片F6L、F6RのベースフィルムF4L、F4R’の端部、センターフィルム片F6CのベースフィルムF4Cの端部、とがそれぞれ交互に配置して積層される。
このような内フィルムF10がさらにフィルム重合部70の下流側に向かうに伴い拡開隙間S1、S2が完全閉塞されることで、内フィルムF10にはフィルム重合数を4枚とする重合幅FDとした2つの多重重合部F13が形成される。
なお、多重重合部F13は、サイドフィルム片F6L、F6Rの襞用フィルムF5aL、F5aRの端部をセンターフィルム片F6Cの拡開隙間S1、S1’にそれぞれ配置し、センターフィルム片F6CのベースフィルムF4Cの端部をサイドフィルム片F6L、F6Rの拡開隙間S2、S2’にそれぞれ配置して形成することも可能である。
次に、多重重合部F13が形成された内フィルムF10は、フィルム重合部70の下流側のフィルム姿勢矯正ローラ15に密着して巻き掛けられ、らせん溝16L、16Rに係合して搬送方向に沿って回転するに従い、幅方向中央部FCから左右端縁F4−1、F4−1’へ向けて引張されてしわ伸ばし処理が施される。
そして、しわ伸ばし処理が施された内フィルムF10は、外フィルムF20と共に区画フレーム61上面の包装フィルム形成ライン62の始端部に至る。
次いで、送入部3が、包装フィルム製造装置Aの一端側に設けたシート状食品搬送装置Bを介して供給された矩形状のシート状食品Nを、内フィルムF10と外フィルムF20との対向面の間にフィルムの幅方向に所定間隔を隔てて同時に2枚ずつ間欠的に供給する。つまり、2列のシート状食品N入りの内外当接フィルムF30が次工程に供給されることになる。
次いで、図11及び図12に示したように、シール部4において、内外当接フィルムF30の幅方向を幅方向シールユニット40aで、また、長手方向の端部同士を長手方向シールユニット40bで、それぞれシート状食品Nを囲うように融着して端部同士を略閉塞状態とし、シート状食品Nを内包した帯状フィルムF40を形成する。
その後、包装フィルム供給部5において、図12に示すように、フィルム縦断カッター50が仮想中心線FCに沿って、すなわち帯状フィルムF40の幅方向略中央部から長手方向に沿って連続的に切断する。
また、包装フィルム供給部5のフィルム横断ローラ51は、制御部6により送信された商品表示ラベル位置情報をもとに、帯状フィルムF40の長手方向に沿って個々に印字された商品表示で区画するように、カッター51aを帯状フィルムF40に対して間欠的に当接するピッチを保持して作動している。つまり、フィルム横断ローラ51は、帯状フィルムF40をその長手方向に所定間隔を隔てて介在された隣接するシート状食品N同士の間の略中央部から幅方向(図12中、仮想区画線FSで示す。)に沿って切断し、シート状食品Nが個別に収納された包装フィルムFを同時に2つ形成する。
このようにして、包装フィルム製造装置Aは、図1(b)に示したように、フィルムの重合数を4枚とした多重重合部F13bを有した米飯塊接触フィルムF3を形成すると共に、同米飯塊接触フィルムF3と外表フィルムF2との間にシート状食品Nを収納した包装フィルムFを製造できる。
〔6.包装フィルム製造装置の使用例2〕
次に、包装フィルム製造装置Aの他の使用例として、図1(a)に示したフィルムの重合数を3枚とする多重重合部F13を有した米飯塊接触フィルムF3を製造する場合について説明する。図14(a)は、本使用例に係るフィルムを掛け渡した状態の搬送方向視によるフィルム重合部を示す説明図であり、図14(b)は、フィルム重合部に内フィルムを掛け渡した状態を示す平面図である。
なお、本使用例では、特に、フィルム重合部70における多重重合部F13の形成過程について説明し、実施例1で既に説明した各機能部において作用・効果を同一とする説明を省略する。
本使用例では、内フィルムロールセット杆10に、図2で示した3重重合用フィルムF10aの内フィルムロールF100をセットする。
その後、包装フィルム製造装置Aについて、上述のごとく各機能部の稼働条件の設定やフィルム重合部70の設定等、各種設定を行う。
内フィルム供給ライン11を経由する内フィルムF10は、まず一対の内フィルムカッター14、14’により、内フィルムF10の仮想直線F5C、F5C’(図3、参照。)に沿って内フィルムF10を切断し、幅方向左右の帯状の2つのサイドフィルム片F6L、F6Rと、幅方向中央の帯状の1つのセンターフィルム片F6Cと、に分離する。
得られたセンターフィルム片F6Cの両端部には、図14に示すように、分離されたベースフィルムF4Cと襞用フィルムF5aC、F5aC’とにより構成された2重のフィルム襞が形成される。
一方で、2つのサイドフィルム片F6L、F6Rは、それぞれ分離されたベースフィルムF4L、F4Rで形成されている。
そして、フィルム重合部70の重合隙間形成部材80において、図14(a)に示すように、一対の内側プレート82L、82Rが、実施例1と同様に、搬送方向の中央位置のセンターフィルム片F6Cの左右端の襞用フィルムF5aC、F5aC’を下面側から抱え込むようにして持上げ、襞用フィルムF5aC、F5aC’をそれぞれベースフィルムF4C左右端の上方位置で隆起させ、拡開隙間S1、S1’を形成する。
次いで、センターフィルム片F6Cの拡開隙間S1が完全閉塞に至るまでにガイドプレート91L、91Rが、サイドフィルム片F6L、F6Rの搬送方向をセンターフィルム片F6Cの搬送方向に幅方向左右側から幅寄せするに伴い、サイドフィルム片F6L、F6RのベースフィルムF4L、F4Rの一端部がセンターフィルム片F6Cの拡開隙間S1、S1’にそれぞれ配置される。
すなわち、図14(b)に示すように、内フィルムF10aの搬送方向正面視で上方から下方にかけて順に、センターフィルム片F6Cの襞用フィルムF5aC、F5aC’の端部、サイドフィルム片F6L、F6RのベースフィルムF4L、F4Rの端部、センターフィルム片F6CのベースフィルムF4Cの端部、とを交互に配置して積層させ、下流側に向かうに伴い拡開隙間S1、S2は完全閉塞して内フィルムF10にフィルム重合数を3枚とした多重重合部F13aを形成することができる。
すなわち、包装フィルム製造装置Aは、図1(a)に示したように、フィルムの重合数を3枚とした多重重合部F13aを有した米飯塊接触フィルムF3を形成すると共に、同米飯塊接触フィルムF3と外表フィルムF2との間にシート状食品Nを収納した包装フィルムFを製造できる。
換言すれば、本発明に係る包装フィルム製造装置により製造される包装フィルムにおいて、米飯塊接触フィルムF3は、分割可能としつつも米飯塊側から板海苔側へ至る多重重合部の隙間部分の経路をジグザク状に引き延ばすと共に、積層された各フィルムの端面同士が接触する機会を増して隙間部分が形成されることを可及的抑制し、米飯塊の水分の移行を確実に防止できる。
なお、本発明に係る包装フィルム製造装置によれば、一重のフィルムを内フィルムF10として使用した場合であっても、フィルム重合部70にて内フィルムF10に二重重合部F12を形成し、図15に示した従来の包装フィルムを製造できることは勿論である。
以上説明してきたように、本実施形態に係る包装フィルム製造装置によれば、単一のフィルムロールをセットするだけで、従来のフィルムの重ね枚数を2枚重ねとした二重重合部を備える米飯塊接触フィルムは勿論、上述の如く3枚以上のフィルムを相互に重ね合わせて分割可能に形成した多重重合部を備える相互多重重合フィルムを有し、米飯塊からの水分によるシート状食品の湿気りを確実に防止したおにぎり用の包装用フィルムを製造することができる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはなく、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能であることは勿論である。