[実施形態]
実施形態について説明する。以下の説明において、適宜、図1などに示すXYZ直交座標系を参照する。このXYZ直交座標系は、X方向およびY方向が水平方向(横方向)であり、Z方向が鉛直方向である。また、各方向において、適宜、矢印の先端と同じ側を+側(例、+Z側)、矢印の先端と反対側を−側(例、−Z側)と称す。例えば、鉛直方向(Z方向)において、上方が+Z側であり、下方が−Z側である。また、図面においては、各構成をわかりやすくするために、一部を強調して、あるいは一部を簡略化して表しており、実際の構造または形状、縮尺等が異なっている場合がある。
図1及び図2は、本実施形態に係るキャッピング装置を示す図である。図1は、−Y側から見た図(正面図)である。図2は、+Z側から見た図(上面図)である。本実施形態に係るキャッピング装置1は、容器保持部2、容器洗浄部3、ガス供給部4、キャップ配置部5、キャップ洗浄部6、キャップ搬送部7、及び制御部9を備える。
ところで、半導体製造、医薬品などに用いられる液体は、高純度であることが望まれる。高純度の液体を製造する場合、液体と接触する容器及びキャップなどからのコンタミネーションを抑制する必要がある。本実施形態のキャッピング装置1は、自動で、容器D及びキャップCを洗浄し、洗浄した容器Dに、洗浄したキャップCを装着する。これにより、容器D及びキャップCからのコンタミネーションを抑制することができる。
キャッピング装置1は、例えば、クリーンルームCR内に設置される。クリーンルームCRは、−Y側の壁に、開口部11a〜11c、及び、扉12a〜12cが設けられる(図2参照)。
開口部11a〜11cは、それぞれ、クリーンルームCRの外部から、クリーンルームCRの内部にアクセスする際などに用いられる。開口部11aは、キャップ洗浄部6aの近傍に設けられる。開口部11bは、容器保持部2の近傍に設けられる。開口部11cは、キャップ洗浄部6bの近傍に設けられる。開口部11a、11cは、それぞれ、人間の手を挿入可能な大きさの窓である。オペレータ等の作業者は、開口部11a、11cから手を挿入することにより、キャップ洗浄部6a、6bにアクセスすることができる。開口部11a、11cは、それぞれ、作業者がキャップ洗浄部6a、6bのキャップ配置部5に、キャップCを配置する際などに用いられる。開口部11bは、クリーンルームCR内への機材等の搬入、容器保持部2への容器Dの搬入及び設置、容器保持部2からの容器Dの搬出、などに用いられる。扉12a〜12cは、それぞれ、開口部11a〜11cを開閉する。
なお、キャッピング装置1を設置する場所は、任意であり、クリーンルームCRでなくてもよい。また、上記したクリーンルームCRは、一例であり、クリーンルームCRの構成は、任意である。
容器D及びキャップCについて説明する。図3(A)は、容器の一例を示す図であり、(B)は容器の天板部分の拡大図である。容器Dは、液体を収容可能である。容器Dは、例えば、液体の試薬の収容などに用いられる。容器Dは、例えば、プラスチックドラム(樹脂ドラム)である。容器Dの容量は任意である。容器Dは、例えば、数10L以上(例、200L)の容量の容器を用いることができる。容器Dは、天板Daの一部に2つのネジ口14(14a、14b)を有する。ネジ口14a、14bは、それぞれ、天板Daの所定位置に配置される。ネジ口14a、14bは、それぞれ、ネジ山16が設けられている(図3(B)参照)。ネジ口14a、14bのネジ山16は、内壁に設けられている。ネジ口14a、14bには、それぞれ、キャップCa、Cbが装着可能である。
また、容器Dには、識別子17が設けられている(図3参照)。識別子17は、容器Dの所定位置に設けられている。識別子17は、識別情報を含む。識別情報は、容器Dの個体情報である。識別子17は、容器Dの識別に用いられる。識別子17は、例えば、バーコード、2次元コードなどである。識別子17は、後に説明するリーダ46(図1参照)により、識別情報が読み取られる。
なお、図3(A)などに示す容器Dは一例であり、他の構成の容器Dを用いてもよい。例えば、容器Dは、ネジ口14が1つでもよい。
図4(A)及び(B)は、キャップCaを示す図であり、(A)は+Z側から見た上面図、(B)は−Y側から見た図である。図4(C)及び(D)は、キャップCbを示す図であり、(C)は+Z側から見た上面図、(D)は−Y側から見た図である。図5は、キャップにコネクタを接続した例である。
キャップCa、Cbは、任意のキャップを用いることができるが、本実施形態では、キャップCa、Cbが、液体の流路の接続に用いられるコネクタ(管継手)として説明する。
キャップCaは、ネジ山18(図4(B)参照)と、他のコネクタとの接続に用いる接続部19と、溝部20と、挿入穴21と、を備える(図4(A)、図4(B)参照)。キャップCaは、ネジ口14a(図5参照)を覆うキャップ形状の管継手である。
キャップCaは、ネジ山18が、ネジ口14aのネジ山16にネジ結合して、ネジ口14aに装着される。
接続部19は、外形が鉛直方向(上方)に延びる円柱状であり、上方から下方に貫通する流路(図示せず)を有する。この流路は、コネクタ23(図5参照)を接続したときに流路が開放され、コネクタ23を接続しないときに流路が閉じるように形成されている。接続部19には、コネクタ23の係止に用いられる係止部25が設けられている。係止部25は側方(−Y側等)から見て段差の形状である(図4(B)、(D)参照)。コネクタ23は、内部に不図示の被係止部があり、被係止部は接続部19の係止部25に係止される。
溝部20は、上方から見て接続部19の外周に円状に設けられる。溝部20は、下方に向かって凹んだ形状である(図4(B)、(D)参照)。溝部20は、コネクタ23を接続する際に、コネクタ23の一部(外壁)をはめ込むために用いられる。
挿入穴21は、上方から見て、溝部20の外周に設けられる(図4(A)、(C)参照)。挿入穴21は、上方から見て、円の周方向に等間隔で6つ設けられている。挿入穴21は、円柱状の孔である。挿入穴21は、後に説明するキャップ治具73の突起部73bが嵌めこまれる(差し込まれる)。挿入穴21に突起部73b(図24参照)をはめ込む(差し込む)ことにより、キャップ治具73がキャップCaに装着される(図25、図26参照)。
キャップCaは、配管27と、コネクタ23を介して接続されて用いられる(図5参照)。配管27は、ガス用である。配管27は、例えば、ガスの供給用、容器D内のガス抜き用、あるいは容器D内の吸引用の配管である。
キャップCbは、ネジ山18と、接続部19と、溝部20と、挿入穴21と、送液パイプ28(図4(D)、図5参照)と、を備える(図4(C)、図4(D)参照)。キャップCbは、ネジ口14bを覆うキャップ形状の管継手である。キャップCbのネジ山18、接続部19、溝部20、及び挿入穴21は、キャップCaと同様である。
送液パイプ28は、下方に延びる管状部材(パイプ)である。送液パイプ28は、キャップCbをネジ口14bに接続したときに、その下端が容器Dの底部の近傍に配置される(図5参照)。送液パイプ28は、容器Dから外部に液体を取り出す際、あるいは外部から容器Dに液体を供給する際に用いられる。
キャップCbは、配管27と、コネクタ23を介して接続されて用いられる(図5参照)。配管27は、液体用であり、例えば、容器D内からの外部への送液用、外部から容器D内への送液用の配管である。
上記のように、キャップCa、Cbが管継手である場合、容器Dの内部が外部に暴露することを抑制した状態で、他の配管を簡単かつ確実に接続できる。このような管継手として、例えば、市販のクイックコネクタ(サーパス工業株式会社製)等を用いることができる。キャップCa、Cbが、上記したクイックコネクタである場合、接続部分の液漏れを抑制して、対応する管継手と接続することができる。
容器Dは、キャップCa、Cbを装着することにより、キャップCaからガスを供給し、供給したガスの圧力により、キャップCbに接続した配管27を介して、容器D内の液体を外部に送液できる容器として用いられる。また、容器Dは、キャップCaからガスを吸引し、容器内部の圧力により、キャップCbに接続した配管27を介して、外部の液体を容器D内に送液できる容器として用いられる。これらの容器Dは、試薬などの液体を収容する容器として用いられる。
本実施形態のキャッピング装置1は、上記した容器D及びキャップCa、Cbを洗浄し、洗浄した容器Dに、洗浄したキャップCa、Cbを装着する。以下、これらについて、詳細に説明する。
まず、容器保持部について説明する。図6は、容器保持部を−Y方向から見た図である。容器保持部2は、クリーンルームCRの中央部分に配置される(図1参照)。容器保持部2は、図1及び図6に示すように、ベース30、載置部31、フレーム32、ガイド部33、固定機構34、位置決め機構35、傾斜機構36、及び容器洗浄部3を備える。容器保持部2は、容器Dを保持する。また、容器保持部2は、容器Dを洗浄する。
ベース30は、図6に示すように、容器保持部2の下部に配置される。ベース30は、床面と平行な上面(水平面)を有する。ベース30は、ヒンジ部材38及び支持部材39を介して、可動部48を下方から支持する。可動部48については、後に傾斜機構36の部分で説明する。
載置部31は、容器Dを載置する。載置部31は、可動部48の上面に配置される。図7は、載置部を+Z側から見た上面図である。載置部31は、複数のローラRを備える。複数のローラRは、可動部48が水平の状態において、Y方向と平行な方向に並んで配置される。容器Dは、複数のローラRの上端部分に載置される(図6参照)。容器Dは、複数のローラRにより、Y方向と平行な方向に、容易に移動することができる。
なお、上記した載置部31は、一例であり、載置部31の構成は、任意に設定可能である。例えば、載置部31は、複数のローラRを備えなくてもよい。例えば、載置部31は、複数のローラRに代えて、ローラベルトなどの可動部材を備えてもよいし、板状の可動部材を備えてもよいし、可動せずに固定される部材を備えてもよい。
フレーム32は、可動部48の上面に配置される(図6参照)。フレーム32は、載置部31の周囲に配置される。フレーム32は、上方から見てC字状であり、−Y側が開放される。フレーム32は、C字状に載置部31の−Y側は、開口部11b(図2参照)から載置部31へのアクセスのために解放されている。フレーム32は、ガイド部33、固定機構34、位置決め機構35、及び容器洗浄部3の吸引ノズル52等を支持する。
なお、上記したフレーム32は、一例であり、フレーム32の形状等の構成は、任意に設定可能である。
ガイド部33は、容器Dの位置を規制する。図8は、ガイド部を図6に示すA方向(+Z方向)から見た矢視図である。ガイド部33は、複数のガイド33a、33bを備える。
ガイド33aは、容器Dの+X側において上下方向に2つ、及び容器Dの−X側において上下方向に2つ設けられている。各ガイド33aは、それぞれ、フレーム32に取り付けられている。各ガイド33aは、それぞれ、Y方向と平行な方向に延びている。+X側のガイド33aと−X側のガイド33aとのX方向の間隔は、容器DのX方向の幅とほぼ同様に設定される。容器Dは、載置部31に載置される際、+X側のガイド33aと−X側のガイド33aとの間に、胴部Dbが挟まれた状態になる。これにより、容器Dは、X方向と平行な方向の位置が規制される。ガイド33aが容器DのX方向と平行な方向の位置を規制することにより、容器Dを簡単に載置部31に載置することができ、且つ容器Dが載置部31から脱落することを抑制することができる。
なお、上記したガイド33aは、一例であり、ガイド33aの位置、形状、数は、それぞれ、任意に設定可能である。
ガイド33bは、容器Dの+Y側に設けられる。ガイド33bは、+Y側のフレーム32に取り付けられている。ガイド33bは、図8に示すように、容器Dの胴部Dbに対向する面の形状が、容器Dの胴部Dbの円柱状の側面の一部と同様の形状である。この場合、ガイド33bを、確実に容器Dと接触させることができる。容器Dは、載置部31に載置される際、ガイド33bと接触することにより、容器DはY方向と平行な方向の位置が規制される。これにより、容器Dを簡単に載置部31に載置することができ、且つ容器Dが載置部31から脱落することを抑制できる。
なお、上記したガイド33bは、一例であり、ガイド33bの位置、形状、数は、それぞれ、任意に設定可能である。なお、ガイド部33は、ガイド33aのみを備えてもよいし、ガイド33bのみを備えてもよい。また、ガイド部33を備えるか否かは任意である。
次に、基準位置表示装置を説明する。図9は、基準位置表示装置を+Z側から見た図である。キャッピング装置1は、基準位置表示装置41を備える。基準位置表示装置41は、載置部31に載置する際の容器Dの理想的な位置を示す。
なお、図9には、容器Dが配置される理想的な位置からずれて容器Dが載置され、基準位置表示装置41が、容器Dが理想的な位置に配置されたときにおける容器Dの中心の位置P1を、容器Dの天板Daに示す例を示した。
基準位置表示装置41は、例えば、レーザ出力装置、光照射装置等である。基準位置表示装置41は、上方から下方に向けて、レーザあるいは光を照射することにより、位置P1を示す。基準位置表示装置41は、例えば、後に説明する容器洗浄部3の水平方向移動体51eに固定される。なお、基準位置表示装置41が位置P1を示すとき、水平方向移動体51eは、水平方向駆動部51fにより所定の位置に配置される。
このような基準位置表示装置41を備える場合、作業者は、図9に示す理想的な位置からずれた容器Dの中心の位置C1を、位置P1に移動させることにより、容器Dを容易に理想的な位置に配置することができる。
なお、基準位置表示装置41は、一例であり、基準位置表示装置41の構成は、任意である。例えば、基準位置表示装置41の位置は、任意であり、容器洗浄部3に固定されなくてもよい。例えば、基準位置表示装置41は、クリーンルームCRなどの天井に設置されてもよい。また、基準位置表示装置41は、容器Dが配置される理想的な位置に関する情報を示すものであれば、上記した位置P1を示すことに限定されない。例えば、基準位置表示装置41は、容器Dが配置される理想的な位置におけるネジ口14a、14bの位置などを示してもよい。
次に、位置決め機構について説明する。図10及び図11は、位置決め機構の構成及び動作を示す図である。位置決め機構35は、ネジ口14(14a、14b)を位置決めする。位置決め機構35は、フック42と、フック駆動部43と、を備える。フック駆動部43は、水平方向駆動部43a、鉛直方向駆動部43bと、を備える。
フック42は、容器Dの+X側及び−X側のそれぞれに設けられる(図10参照)。各フック42(+X側及び−X側のフック42)は、それぞれ、水平方向駆動部43aに接続され、水平方向駆動部43aにより、容器Dに近接する方向及び容器Dから離間する方向に移動する。また、各フック42に接続される水平方向駆動部43aは、それぞれ、鉛直方向駆動部43bに接続され、鉛直方向に移動する。水平方向駆動部43a及び鉛直方向駆動部43bは、それぞれ、制御部9により、駆動が制御される。例えば、水平方向駆動部43a及び鉛直方向駆動部43bは、それぞれ、エアシリンダ、モータなどのアクチュエータである。
+X側及び−X側のフック42は、それぞれ、+X側のネジ口14、−X側のネジ口14を係止する係止部42aを備える。各フック42の係止部42aは、それぞれ、上方から見てU字状である。各フック42は、係止部42aの内壁をネジ口14a、14bの側壁と接触させて、ネジ口14を係止する(図11(B)参照)。
位置決め機構35の動作を説明する。ネジ口14を位置決めする際、位置決め機構35は、各フック42のU字状の内壁がネジ口14a、14bの側壁と接触可能な位置(高さ)に移動する。例えば、図11(A)に示す、各フック42が容器Dの上方に配置される待機位置から、図11(B)に示す、フック42の係止部42aの内壁がネジ口14a、14bの側壁に接触可能な位置(高さ)に移動する。
続いて、各フック42は、それぞれ、図10(A)に示す位置から、図10(B)に示す容器Dから離間する方向(互いに離れる方向)に移動する。これらの位置決め機構の動作により、容器Dは鉛直方向と平行な方向の軸周り(図10(B)の例では時計回り)に回転し、ネジ口14は、所定位置(理想的な位置)に位置決めされる。以上のように、位置決め機構35を備える場合、ネジ口14a、14bを確実に位置決めすることができる。
なお、上記した位置決め機構35は、一例であり、位置決め機構35の構成は、任意に設定可能である。例えば、フック42の形状は、C字状でなくてもよく、例えば、環状、L字状でもよい。また、位置決め機構35を備えるか否かは任意である。
次に、固定機構34を説明する。固定機構34は、容器Dの胴部Dbを挟んで保持する(図6参照)。図12は、固定機構を+Z側から見た図である。固定機構34は、固定部44と、駆動部45と、を備える。固定部44及び駆動部45は、それぞれ、容器Dの+X側及び−X側に設けられる。各固定部44(+X側及び−X側の固定部44)は、容器D(胴部Db)の高さ方向における中央部分に配置される。これにより、容器Dを安定した状態で固定することができる。各固定部44は、それぞれ、容器Dの胴部Dbに対向する面(容器D側の面)の形状が、容器Dの胴部Dbの円柱状の側面の一部と同様の形状である。これにより、各固定部44は、胴部Dbに確実に接触する。各固定部44は、それぞれ、駆動部45の駆動により、容器Dに近接する方向及び容器Dから離間する方向に移動する。各固定部44が、容器Dに近接する方向に移動することにより、容器Dの胴部Dbを挟んで保持し、容器Dの位置を固定する(図12参照)。駆動部45は、制御部9に駆動が制御される。駆動部45は、例えば、例えば、エアシリンダ、モータなどのアクチュエータである。
固定機構34は、上記した位置決め機構35により、ネジ口14a、14bが位置決めされた後に動作し、位置決めされた容器Dを固定する。以上のように、固定機構34を備える場合、容器Dを確実に位置決めすることができる。
なお、上記した固定機構34は、一例であり、固定機構34の構成は、任意に設定可能である。例えば、固定部44は、容器Dの+X側及び−X側のそれぞれに、2つ以上設けてもよい。また、固定機構34を備えるか否かは任意である。
また、キャッピング装置1は、容器Dに設けられた識別子17に含まれる識別情報を読み取り可能なリーダ46を備える(図1参照)。リーダ46は、例えば、バーコードリーダ、2次元コードリーダなどである。本実施形態では、容器Dの所定位置に識別子17が配置されるので、容器Dが載置部31の所定位置に配置されたとき、識別子17は所定位置に配置される。リーダ46は、容器Dが載置部31の所定位置に配置されたときに、識別子17を読み取り可能な位置に配置される。本実施形態では、容器Dが載置部31の所定位置に配置されたときに、識別子17は容器Dの+X側の側面に配置され、リーダ46は容器Dの+X側のフレーム32に配置される。リーダ46は、容器Dが固定機構34に固定されたときに、識別子17に含まれる識別情報を読みとる。リーダ46は、制御部9に接続され、制御部9の制御により読み取り等の動作が制御される。また、リーダ46は、読み取った情報(識別情報等)を制御部9に出力する。制御部9に出力された情報(識別情報等)は、記憶装置86(図35、36参照)に格納されて、後に説明する管理情報生成部90による管理情報Iの生成、製造管理(品質管理)に用いられる。
なお、上記したリーダ46は、一例であり、リーダ46の構成は、任意に設定可能である。例えば、リーダ46の位置は、容器保持部2に配置されることに限定されず、任意に設定可能である。例えば、リーダ46は、携帯可能なものでもよく、所定位置に配置されなくてもよい。また、リーダ46による識別子17の読み取りのタイミングは、上記の例に限定されず、任意である。例えば、リーダ46が携帯可能である場合、容器Dを載置部31に載置する前に、識別子17を読み取ってもよい。
次に、図6及び図13を参照して、傾斜機構を説明する。図13は傾斜機構の動作を示す図である。傾斜機構36は、可動部48、及び駆動部49を備える。傾斜機構36は、容器保持部2で保持している容器Dを傾ける(図13参照)。可動部48は、ベース30の上方に配置される(図6参照)。可動部48は、上面で、載置部31、フレーム32、ガイド部33、固定機構34、位置決め機構35(図6参照)、及び容器洗浄部3の一部(吸引ノズル52等)等を支持する。可動部48は、ヒンジ部材38の回転支持により、ヒンジ部材38の回転軸周りに、ベース30の上面(水平面)に対して傾斜する。可動部48が、ベース30の上面に対して傾斜することにより、可動部48に支持される載置部31、フレーム32、ガイド部33、固定機構34、位置決め機構35、及び容器洗浄部3の一部(吸引ノズル52等)も傾斜する。可動部48は、少なくとも、その上面が床面に対して平行な位置(図6参照)から、ベース30に対して傾斜する位置まで、移動可能である。可動部48は、駆動部49に駆動され、ベース30の上面(水平面)に対して傾斜する。可動部48は、ベース30の上面に対して、所定の角度θに傾斜するように設定される。容器Dが傾斜することより、容器Dを洗浄に用いた洗浄液Wを、容器Dの底部の端部のうち低い位置に配置される側の端部(図13の例では−X側の端部)に集めることができ、その結果、洗浄液Wを吸引ノズル52により確実に吸引することができる。この角度θは、制限されず、任意の角度に設定可能である。例えば、この角度θは10度から20度、好ましくは15度程度に設定される。角度θが上記範囲である場合、容器Dを位置ずれなく安定して保持するとともに、容器Dを洗浄に用いた洗浄液Wを、容器Dの底部における一方の端部に集めることができる。
なお、以下の説明において、可動部48の上面が床面に対して平行な状態(例、図6に示す状態)を「水平状態」と称する。また、可動部48の上面がベース30に対して傾斜する状態(例、図13に示す状態)を「傾斜状態」と称する。
駆動部49は、上記可動部48の傾斜を駆動する。駆動部49は、例えば、エアシリンダ、モータなどのアクチュエータである。駆動部49は、制御部9に接続され、その駆動が制御される。
なお、上記した傾斜機構36は、一例であり、傾斜機構36の構成は、任意に設定可能である。例えば、傾斜機構36は、駆動部49を備えず、可動部48を人力により傾斜させる機構でもよい。また、傾斜機構36を備えるか否かは任意である。
なお、上記した容器保持部2は、一例であり、容器保持部2の構成は、任意に設定可能である。例えば、容器保持部2は、容器Dを保持すればよく、例えば、容器Dを保持する載置部でもよいし、容器Dを保持する床面のみでもよい。また、容器保持部2は、容器Dの位置ずれを検出する位置検出部(位置検出センサ)を備えてもよい。
次に、容器洗浄部3について説明する。図14は、容器洗浄ノズルの構成及び動作を示す図である。容器洗浄部3は、容器Dの内部を洗浄する。容器洗浄部3は、容器洗浄ノズル50、容器洗浄ノズル移動部51(ノズル移動部)、吸引ノズル52、吸引ノズル移動部53(ノズル移動部)、ガス供給部4、及びガス供給部移動部62(ノズル移動部)を備える。
容器洗浄ノズル50は、ネジ口14bから容器Dの内部に挿入されて洗浄液Wを噴射する。容器洗浄ノズル50は、管状部材55を備える。管状部材55は、側壁55aに設けられて洗浄液Wを管状部材55の長手方向と直交する方向に噴射する複数の噴射口56を備える。
容器洗浄ノズル移動部51は、容器洗浄ノズル50を容器Dの内部に挿入した挿入位置PAと、容器Dの内部から退避した退避位置PBとの間で移動させる(図14参照)。容器洗浄ノズル移動部51は、例えば、支持部51a、鉛直方向ガイド51b、鉛直方向移動体51c、鉛直方向駆動部51d、水平方向ガイド(図示せず)、水平方向移動体51e、水平方向駆動部51fを備える。
支持部51aは、床面に固定され、鉛直方向に延びている。支持部51aは、鉛直方向ガイド51bが設けられている。鉛直方向ガイド51bは、鉛直方向移動体51cを鉛直方向にガイドする。鉛直方向移動体51cは、鉛直方向駆動部51dの駆動により、鉛直方向に移動する。鉛直方向移動体51cは、鉛直方向駆動部51dの駆動により、所定位置に配置される。鉛直方向移動体51cは、水平方向の移動が規制される。鉛直方向駆動部51dは、例えば、エアシリンダ、モータなどのアクチュエータである。鉛直方向駆動部51dは、制御部9に接続され、制御部9に制御される。鉛直方向移動体51cの上面には、水平方向ガイド(図示せず)が設けられている。
水平方向ガイドは、水平方向移動体51eを水平方向(Y方向と平行な方向)にガイドする。水平方向移動体51eは、鉛直方向移動体51cの上面に配置される。水平方向移動体51eは、鉛直方向移動体51cに対して、水平方向に移動する(図2参照)。水平方向移動体51eは、水平方向駆動部51fの駆動により、水平方向に移動する。水平方向移動体51eは、水平方向駆動部51fの駆動により、所定位置に配置される。水平方向駆動部51fは、例えば、エアシリンダ、モータなどのアクチュエータである。水平方向駆動部51fは、制御部9に接続され、制御部9に制御される。
管状部材55は、末端部分が、支持部材を介して、水平方向移動体51eに固定される。水平方向移動体51eには、また、上記した基準位置表示装置41が取り付けられている。管状部材55は、配管(図示せず)及びポンプ(図示せず)を介して、洗浄液格納部(図示せず)と接続される。洗浄液格納部は、洗浄液Wを格納する。洗浄液Wは、例えば、純水、超純水、容器Dに収容する予定の液体、容器Dに収容する予定の液体の水での希釈液等である。ポンプは、洗浄液格納部に格納される洗浄液Wを、配管を介して、管状部材55に供給する。ポンプは、制御部9に接続され、制御部9に制御される。ポンプにより管状部材55に供給された洗浄液Wは、複数の噴射口56から噴射される。
容器洗浄ノズル50の動作を説明する。容器洗浄ノズル50は、容器Dを洗浄しない時、容器Dの内部から退避した退避位置PBに配置されている。
容器洗浄ノズル50は、制御部9に制御され、容器Dの洗浄を開始する。容器洗浄ノズル50は、例えば、傾斜機構36による上記した容器D(可動部48)の傾斜の動作が完了した後に、容器Dの洗浄を開始する。容器洗浄ノズル50は、後に説明するキャップ搬送部7によってキャップCがネジ口14に搬送される前に、容器Dの内部を洗浄する。
容器洗浄ノズル50による容器Dの洗浄では、まず、容器洗浄ノズル50は、制御部9の制御に基づいて、水平方向駆動部51fが駆動することにより、水平方向移動体51eは、図1に示す待機の位置から、−Y方向(容器Dに近接する方向)に移動し、管状部材55の下端がネジ口14bの真上に配置される位置まで移動する。
続いて、容器洗浄ノズル50は、制御部9の制御に基づいて、鉛直方向駆動部51dが駆動することにより、鉛直方向移動体51cが下方に移動して、管状部材55がネジ口14bから容器Dの内部に挿入した容器Dの内部に挿入した挿入位置PAに配置される。この挿入位置PAは、管状部材55の下端が容器Dの内部における底部に配置される位置に設定される。
続いて、容器洗浄ノズル50は、制御部9の制御に基づいて、ポンプが駆動することにより、洗浄液格納部の洗浄液Wが管状部材55に供給されて、管状部材55の複数の噴射口56から洗浄液Wが噴射される。この洗浄液Wの噴射は、制御部9の制御に基づいて、所定の時間行われる。この所定の時間は、任意に設定可能である。なお、容器洗浄ノズル50は、容器Dを洗浄する際、上下方向に移動しながら、洗浄液Wを噴射してもよい。容器洗浄ノズル50は、容器Dを洗浄する際、洗浄液Wを放射状に噴射してもよい。
なお、上記した容器洗浄ノズル50及び容器洗浄ノズル移動部51は、一例であり、容器洗浄ノズル50及び容器洗浄ノズル移動部51の構成は、それぞれ、任意に設定可能である。例えば、容器洗浄ノズル50は、鉛直方向だけ移動する構成でもよい。
吸引ノズル52について説明する。図15は、吸引ノズルの構成及び動作を示す図である。吸引ノズル52は、ネジ口14aから容器Dの内部に挿入されて容器D内の液体を吸引する。吸引ノズル52は、容器Dの洗浄に用いた洗浄液Wを吸引する。吸引ノズル52は、管状部材58を備える。吸引ノズル52と容器洗浄ノズル50とは、それぞれ、異なるネジ口14a、14bから容器Dの内部に挿入される。
吸引ノズル移動部53は、吸引ノズル52を容器Dの内部に挿入した挿入位置PCと、容器Dの内部から退避した退避位置PDとの間で移動させる。吸引ノズル移動部53は、例えば、支持部53a、上下方向ガイド53b、上下方向移動体53c、上下方向駆動部53d、水平方向ガイド(図示せず)、水平方向移動体53e、及び水平方向駆動部53fを備える。
支持部53aは、フレーム32に固定され、上方に延びている。支持部53aは、鉛直方向(Z方向)に対して、所定の角度傾いている。支持部53aは、不図示の回転支持機構により、鉛直方向に対して、任意の角度に傾いた状態にすることができる。なお、支持部53aはフレーム32ではなく、床面に固定されてもよい。
支持部53aには、上下方向ガイド53bが設けられている。上下方向ガイド53bは、上下方向移動体53cを上下方向にガイドする。上下方向ガイド53bは、鉛直方向(Z方向)に対して所定の角度傾いている。上下方向移動体53cは、上下方向駆動部53dの駆動により、上下方向に移動する。上下方向移動体53cは、上下方向駆動部53dの駆動により、所定位置に配置される。上下方向移動体53cは、水平方向の移動が規制される。上下方向駆動部53dは、例えば、エアシリンダ、モータなどのアクチュエータである。上下方向駆動部53dは、制御部9に接続され、制御部9に制御される。上下方向移動体53cの上面には、水平方向ガイド(図示せず)が設けられている。
水平方向ガイドは、水平方向移動体53eを水平方向(Y方向と平行な方向)にガイドする。水平方向移動体53eは、上下方向移動体53cの上面に配置される。水平方向移動体53eは、上下方向移動体53cに対して、水平方向に移動する(図2参照)。水平方向移動体53eは、水平方向駆動部53fの駆動により、水平方向に移動する。水平方向移動体53eは、水平方向駆動部53fの駆動により、所定位置に配置される。水平方向駆動部53fは、例えば、エアシリンダ、モータなどのアクチュエータである。水平方向駆動部53fは、制御部9に接続され、制御部9に制御される。
管状部材58は、末端部分が、支持部材(図示せず)を介して、水平方向移動体53eに固定される。管状部材58は、配管(図示せず)及び吸引装置(図示せず)が接続される。管状部材58の先端の位置は、容器Dが傾斜機構36により傾斜したときに、容器Dの内部の底面のうち、最も低い位置に配置される側の端部(最下部)の近傍に配置される。傾斜機構36により傾斜した容器Dの内部の液体は、容器Dの内部の底面のうち、最も低い位置に配置される側の端部(最下部)に集まり、この位置に管状部材58の先端部分が配置されるので、容器D内の液体を確実に吸引することができる。
管状部材58は、吸引装置と接続される。管状部材58は、吸引装置の吸引力により、液体を吸引する。管状部材58は、また、配管(図示せず)を介して廃液を格納する廃液格納部(図示せず)と接続され、管状部材58により吸引された液体は廃液格納部(図示せず)に格納される。
吸引ノズル52の動作を説明する。吸引ノズル52は、容器Dを洗浄しない時、容器Dの内部から退避した退避位置PDに配置されている。
吸引ノズル52は、制御部9に制御され、容器Dの内部の液体の吸引を開始する。吸引ノズル52は、例えば、容器洗浄ノズル50による容器D内部の洗浄の開始と同時に、吸引を開始する。吸引ノズル52は、後に説明するキャップ搬送部7によってキャップCがネジ口14に搬送される前に、容器Dの内部の液体を吸引する。
吸引ノズル52による吸引の動作は、まず、吸引ノズル52は、制御部9の制御に基づいて、水平方向駆動部53fが駆動することにより、水平方向移動体53eは、図1に示す待機の位置から、−Y方向(容器Dに近接する方向)に移動し、管状部材58の下端がネジ口14aの真上に配置される位置まで移動する。
続いて、吸引ノズル52は、制御部9の制御に基づいて、上下方向駆動部53dが駆動して上下方向移動体53cが下方に移動して、管状部材58がネジ口14aから容器Dの内部に挿入した挿入位置PCに配置される。この挿入位置PCは、管状部材58の先端が、容器Dが傾斜機構36により傾斜したときに、容器Dの内部の底面のうち、最も低い位置に配置される側の端部(最下部)の近傍に設定される。
続いて、吸引ノズル52は、制御部9の制御に基づいて、吸引装置が駆動することにより、管状部材58に吸引力が発生して、液体を吸引する。吸引ノズル52による吸引は、制御部9の制御に基づいて、所定の時間行われる。この所定の時間は、任意に設定可能である。吸引ノズル52による吸引は、例えば、容器洗浄ノズル50による容器D内部の洗浄が終了してから所定時間経過後まで行われる。
なお、上記した吸引ノズル52及び吸引ノズル移動部53は、一例であり、吸引ノズル52及び吸引ノズル移動部53の構成は、それぞれ、任意に設定可能である。例えば、吸引ノズル52は、鉛直方向だけ移動する構成でもよい。また、吸引ノズル52及び吸引ノズル移動部53を備えるか否かは任意である。
次に、ガス供給部について説明する。図16は、ガス供給部の構成及び動作を示す図である。ガス供給部4は、容器洗浄部3によって洗浄された容器Dの内部に所定ガスを供給する。所定ガスは、洗浄液W、容器Dに収容する液体に対して、不活性なガスが用いられる。所定ガスは、例えば、窒素、アルゴンなどである。ガス供給部4は、管状部材61を備える。
ガス供給部移動部62は、ガス供給部4の管状部材61を容器Dの内部に挿入した挿入位置PEと、容器Dの内部から退避した退避位置PFとの間で移動させる。ガス供給部移動部62は、例えば、支持部62a、鉛直方向ガイド62b、鉛直方向移動体62c、鉛直方向駆動部62d、水平方向ガイド(図示せず)、水平方向移動体62e、及び水平方向駆動部62fを備える。
支持部62aは、床面に固定され、鉛直方向に延びている。支持部62aは、鉛直方向ガイド62bが設けられている。鉛直方向ガイド62bは、鉛直方向移動体62cを鉛直方向にガイドする。鉛直方向移動体62cは、鉛直方向駆動部62dの駆動により、鉛直方向に移動する。鉛直方向移動体62cは、鉛直方向駆動部62dの駆動により、所定位置に配置される。鉛直方向移動体62cは、水平方向の移動が規制される。鉛直方向駆動部62dは、例えば、エアシリンダ、モータなどのアクチュエータである。鉛直方向駆動部62dは、制御部9に接続され、制御部9に制御される。鉛直方向移動体62cの上面には、水平方向ガイド(図示せず)が設けられている。
水平方向ガイドは、水平方向移動体62eを水平方向(Y方向と平行な方向)にガイドする。水平方向移動体62eは、鉛直方向移動体62cの上面に配置される。水平方向移動体62eは、鉛直方向移動体62cに対して、水平方向に移動する(図2参照)。水平方向移動体62eは、水平方向駆動部62fの駆動により、水平方向に移動する。水平方向移動体62eは、水平方向駆動部62fの駆動により、所定位置に配置される。水平方向駆動部62fは、例えば、エアシリンダ、モータなどのアクチュエータである。水平方向駆動部62fは、制御部9に接続され、制御部9に制御される。
管状部材61は、末端部分が、支持部材(図示せず)を介して、水平方向移動体62eに固定される。管状部材61は、配管(図示せず)を介して、ガス格納部(図示せず)と接続される。ガス格納部は、ガスを格納し、制御部9の制御によりガス供給部4に供給する。ガス格納部により管状部材61に供給されたガスは、管状部材61から噴射される。
ガス供給部4の動作を説明する。ガス供給部4は、容器Dにガスを供給しない時、管状部材61が容器Dの内部から退避した退避位置PFに配置されている。
ガス供給部4は、制御部9に制御され、容器Dの内部へのガスの供給を開始する。ガス供給部4は、例えば、容器洗浄部3による洗浄の動作が、完了した後に、ガスの供給を開始する。ガス供給部4は、後に説明するキャップ搬送部7によってキャップCがネジ口14に搬送される前に、ガスの供給を開始する。
ガス供給部4による容器Dへのガスの供給では、まず、ガス供給部4は、制御部9の制御に基づいて、水平方向駆動部62fが駆動することにより、水平方向移動体62eは、図1に示す待機の位置から、−Y方向(容器Dに近接する方向)に移動し、管状部材61の下端がネジ口14bの真上に配置される位置まで移動する。この際、上記した傾斜機構36による容器Dの傾斜は行われず、容器Dは水平状態に容器保持部2に保持される。
続いて、ガス供給部4は、制御部9の制御に基づいて、鉛直方向駆動部62dが駆動することにより、鉛直方向移動体62cが下方に移動して、容器Dの内部に挿入した挿入位置PEに配置される。この挿入位置PEは、管状部材61の下端が容器Dの内部における底部に配置される位置に設定される。
続いて、ガス供給部4は、制御部9の制御に基づいて、ガス格納部が駆動することにより、ガス格納部のガスが管状部材61に供給されて、管状部材61からガスが噴射される。このガスの噴射は、制御部9の制御に基づいて、所定の時間行われる。この所定の時間は、任意に設定可能である。
なお、上記したガス供給部4及びガス供給部移動部62は、一例であり、ガス供給部4及びガス供給部移動部62の構成は、それぞれ、任意に設定可能である。例えば、ガス供給部4は、鉛直方向だけ移動する構成でもよい。また、ガス供給部4及びガス供給部移動部62を備えるか否かは任意である。
次に、図1の説明に戻り、キャップ洗浄部6を説明する。キャップ洗浄部6は、キャップを洗浄する。容器Dに取り付けるキャップCa、Cbは、洗浄後に、容器Dに取り付けられる。キャップCa、Cbは、洗浄せずに容器Dに取り付ける場合、キャップCa、Cbが汚染されていると、容器D内に収容される液体が汚染されることがある。本実施形態のキャッピング装置1は、キャップ洗浄部6でキャップCa、Cbを洗浄するので、キャップCa、Cb由来の液体の汚染を防止することができる。
キャップ洗浄部6は、キャップCaを洗浄するキャップ洗浄部6a、及びキャップCbを洗浄するキャップ洗浄部6bを備える。キャップ洗浄部6a、6bは、それぞれ、容器Dに対して、−X側、+X側に配置される。キャップ洗浄部6a、6bは、それぞれ、キャップCa、Cbに対応した側に設けられる。
図17は、キャップ洗浄部を示す図である。図18から図22は、キャップ洗浄部の構成及び動作を示す図である。キャップ洗浄部6aは、カバー64、カバー駆動部65、キャップ配置部5、キャップ配置部駆動部66(図19(A)参照)、キャップ洗浄ノズル67a、及びキャップ乾燥ノズル68を備える。キャップ洗浄部6aは、洗浄液WでキャップCaを洗浄する。洗浄液Wは、例えば、純水、超純水、容器Dに収容する予定の液体、容器Dに収容する予定の液体の水での希釈液等である。
カバー64は、固定部64a、及び可動部64bを含む。カバー64は、固定部64a及び可動部64bで、キャップCaを囲む。固定部64aは可動部64bの+X側に配置される。固定部64aは床面に固定される。固定部64aは、−X側が開放される直方体の箱型形状である。固定部64aの底部には、配管が接続され、廃液が送液される。
可動部64bは、固定部64aの−X側に配置される。可動部64bは、固定部64a側(+X側)が開放された直方体の箱型形状である。可動部64bは、ガイド(図示せず)にガイドされ、X方向と平行な方向に移動する。可動部64bは、カバー駆動部65の駆動により、移動する。可動部64bは、固定部64a側(+X側)の端部が、固定部64aの可動部64b側(−X側)の端部と同じ位置、あるいは固定部64aの可動部64b側(−X側)の端部よりも+X側の位置に移動する。この可動部64bの移動により、カバー64はおおむね直方体状の箱型形状になり、その内部が密閉状態になる(図17参照)。このカバー64及び可動部64bの状態を、それぞれ、密閉状態と称し、このときの可動部64bの位置を閉位置PGと称す。
また、可動部64bは、固定部64a側(+X側)の端部が、キャップ配置部5を開放する位置に移動する(図20(A)参照)。可動部64bは、固定部64a側(+X側)の端部が、キャップ配置部5よりも−X側の位置に移動する。この可動部64bの移動により、カバー64は開放状態になる。このカバー64及び可動部64bの状態を、それぞれ、開放状態と称し、このときの可動部64bの位置を開放位置PHと称す。カバー64の解放状態は、作業者がキャップ配置部5へキャップを配置するとき、キャップ洗浄部6aのメンテナンスなどに用いられる。
カバー64は、キャップの洗浄時に、密閉状態となる(図17参照)。カバー64の密閉状態の内部空間は、洗浄用の領域R1を形成する(図17参照)。カバー64は、密閉状態において、キャップCa、キャップ配置部5、キャップ洗浄ノズル67a、キャップ乾燥ノズル68、キャップ搬送部7の一部(チャック83)等を収容する(図17参照)。可動部64bは、上方に7cが設けられる(図21(A)参照)。開口部64cには、後に説明するキャップ搬送部7の一部と同様の形状であり(図22(A)参照)、キャップ搬送部7を囲む。カバー64は、キャップ搬送部7で保持したキャップCの周りを囲んで、洗浄用の領域R1を形成する。また、キャップ洗浄部6aは、開口部64cを開閉するカバー(図示せず)を備える。キャップ洗浄部6aは、このカバーを閉じて開口部64cを覆うことにより、キャップ搬送部7で保持せずに、キャップ配置部5に配置されるキャップCaを洗浄することができる。
また、可動部64bには、キャップ配置部5の一部が通る開口部(図示せず)設けられている。この開口部は、可動部64bの開位置と閉位置との移動の際、キャップ配置部5と干渉しないように設けられている。また、この開口部は、後に説明するキャップ配置部5のキャップ配置位置PJとカバー64内から退避する退避位置PKとの移動の際(図19(A)参照)、キャップ配置部5と干渉しないように設けられている。
なお、上記したカバー64は、一例であり、カバー64の構成は、任意に設定可能である。例えば、カバー64は、可動部64bが可動せずに固定される構成でもよい。
カバー駆動部65は、可動部64bを駆動する。カバー駆動部65は、制御部9と接続され、制御部9の制御により、可動部64bを駆動する。カバー駆動部65は、例えば、エアシリンダ、モータなどのアクチュエータである。なお、カバー駆動部65は、なくてもよい。例えば、カバー64の可動部64bが、人力により駆動する機構でもよい。
キャップ配置部5は、キャップCaを配置する。キャップ配置部5は、支持部5c、及びキャップを保持する保持部5dを備える(図18(A)参照)。支持部5cは、保持部5dを支持する。保持部5dは、キャップCaを位置決めして保持する。保持部5dは、例えば、C字状である。
キャップ配置部5は、キャップCaを保持したときに、後に説明するキャップ搬送部7がキャップCaを保持可能な位置に配置される。キャップ配置部5は、カバー64内の上部に配置される。
キャップ配置部5は、カバー64内にキャップCaを配置するキャップ配置位置PJと、カバー64内から退避する退避位置PKとを移動する(図19(A)参照)。キャップ配置位置は、カバー64内の洗浄用の領域R1(図17等参照)に設定される。キャップ配置部5は、Y方向と平行な方向に進退移動する。キャップ配置部5は、キャップ配置部駆動部66の駆動により、移動する。キャップ配置部5は、カバー64が開状態及び閉状態のときに、上記した開口部(図示せず)を通って、キャップ配置位置PJと退避位置PKとを移動可能である。
なお、上記したキャップ配置部5は、一例であり、キャップ配置部5の構成は、任意に設定可能である。例えば、キャップ配置部5は、可動せずに固定されていてもよい。また、キャップ配置部5は、キャップCaの存在あるいは位置ずれを検出する検出部を備えてもよい。また、保持部5dの形状は、任意に設定可能である。例えば、保持部5dは、リング状でもよい。
キャップ配置部駆動部66は、キャップ配置部5を駆動する。キャップ配置部駆動部66は、制御部9と接続され、制御部9の制御により、キャップ配置部5を駆動する。キャップ配置部駆動部66は、例えば、エアシリンダ、モータなどのアクチュエータである。なお、キャップ配置部駆動部66は、なくてもよい。例えば、キャップ配置部5が、人力により駆動する機構でもよい。
キャップ洗浄ノズル67aは、カバー64内においてキャップCに対して洗浄液Wを噴射する。キャップ洗浄ノズル67aは、キャップ配置部5のキャップ配置位置PJ(図19(A)参照)を挟んで、複数配置される。各キャップ洗浄ノズル67aは、管状部材70、及び噴射口71を備える。各管状部材70は、鉛直方向に延びている。各管状部材70には、噴射口71が設けられる。各噴射口71は、それぞれ、キャップ配置部5(キャップCa)の近傍に設けられる。各噴射口71は、それぞれ、キャップ配置部5(キャップCa)側に向けて、洗浄液Wを噴射する。各噴射口71は、それぞれ、キャップ配置部5(キャップCa)側に放射状に洗浄液Wを噴射する。
管状部材70は、配管(図示せず)及びポンプ(図示せず)を介して、洗浄液格納部(図示せず)と接続される。洗浄液格納部は、洗浄液Wを格納する。ポンプは、洗浄液格納部に格納される洗浄液Wを、配管を介して、管状部材70に供給する。ポンプは、制御部9に接続され、制御部9に制御される。ポンプにより管状部材70に供給された洗浄液Wは、複数の噴射口71から噴射される。
なお、上記したキャップ洗浄ノズル67aは、一例であり、キャップ洗浄ノズル67aの数、大きさ、形状などの構成は、任意に設定可能である。例えば、キャップ洗浄ノズル67aは、1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、噴射口71の位置、及び数は、それぞれ、任意に設定可能である。例えば、噴射口71は、1つの管状部材70に2つ以上設けられてもよい。
キャップ乾燥ノズル68は、キャップCaを乾燥させる。キャップ乾燥ノズル68は、カバー64内においてキャップCaに対して、所定のガスを噴射する。ガスは、所定のガスは、洗浄液W、容器Dに収容する液体に対して、不活性なガスが用いられる。所定のガスは、例えば、窒素、アルゴンなどである。
キャップ乾燥ノズル68は、カバー64内に配置される。キャップ乾燥ノズル68は、キャップ配置部5のキャップ配置位置PJ(図19(A)参照)を挟んで、複数配置される。各キャップ乾燥ノズル68は、噴射口68a(噴出ノズル、噴出ヘッド)を備える。各キャップ乾燥ノズル68は、例えば、キャップ洗浄ノズル67aの上方に配置される。噴射口68aは、キャップ配置部5(キャップCa)側に向けて、ガスを噴射する。噴射口68aは、キャップ配置部5側に放射状に、ガスを噴射する。
キャップ乾燥ノズル68は、配管(図示せず)を介して、ガス格納部(図示せず)と接続される。ガス格納部は、ガスを格納し、制御部9の制御により、キャップ乾燥ノズル68に供給する。ガス格納部によりキャップ乾燥ノズル68に供給されたガスは、噴射口68aから噴射される。
なお、上記したキャップ乾燥ノズル68は、一例であり、キャップ乾燥ノズル68の数、大きさ、形状などの構成は、任意に設定可能である。例えば、キャップ乾燥ノズル68は、1つでもよいし、3つ以上でもよい。また、キャップ乾燥ノズル68を備えるか否かは任意である。
次に、キャップ洗浄部6aの動作を説明する。キャップ洗浄部6aの動作は、図18から図22を参照して説明する。
キャップ洗浄部6aは、キャップCaを洗浄する前の待機状態では、図18(A)に示すように、カバー64が密閉状態、キャップ配置部5が退避位置PKに設定される。
キャップ洗浄部6aは、キャップCaの洗浄に使用するとき、まず、図18(B)に示すように、カバー64の可動部64bが開放位置PHに移動し、カバー64が開放状態になる。
続いて、キャップ洗浄部6aは、図19(A)に示すように、キャップ配置部5が、キャップ配置部駆動部66の駆動により、キャップ配置位置PJに移動する。キャップ洗浄部6aは、この状態において、キャップCaをキャップ配置部5に配置可能になる。
続いて、キャップCaを、図19(B)に示すように、キャップ配置部5の保持部5dに保持する。キャップCaは、後に説明するキャップ治具73を装着した状態で保持部5dに保持する。キャップCaは、保持部5dにより位置決めされた状態で保持される。キャップCa(キャップ治具73を装着したキャップCa)は、作業者により保持部5dに保持される。なお、キャップ洗浄部6aは、ロボットなどにより、キャップCa(キャップ治具73を装着したキャップCa)を、自動的にキャップ配置部5に配置(保持)する構成にしてもよい。
続いて、キャップ洗浄部6aは、図20(A)に示すように、キャップ洗浄部6は、キャップCaをキャップ配置部5に保持した状態で、カバー64の可動部64bが移動して、カバー64が閉状態になる。キャップ洗浄部6aは、図20(A)に示す状態で、キャップCaの洗浄動作の開始まで待機する。なお、キャップ洗浄部6aは、上記した開口部64cを開閉可能なカバー(図示せず)を閉じて開口部64cを覆うことにより、キャップ搬送部7で保持せずに、キャップ配置部5に配置されるキャップCaを洗浄することもできる。
続いて、図20(B)に示すように、キャップ搬送部7が、キャップ配置部5のキャップCa(キャップ治具73を装着したキャップCa)を保持する。キャップ搬送部7は、その一部(チャック83)が、カバー64の開口部64cを通ってキャップCaにアクセスする。
続いて、キャップ搬送部7は、図21(A)に示すように、チャック83で、キャップ治具73の被保持部73aを保持する。
キャップCaがキャップ搬送部7により保持された後、キャップ洗浄部6aは、キャップCaの洗浄動作を開始する。キャップ洗浄部6aの洗浄動作は、制御部9の指令に基づいて、開始される。
キャップ洗浄部6aによるキャップCaの洗浄では、図21(B)に示すように、キャップ洗浄ノズル67aは、制御部9の制御に基づいて、複数の噴射口71から洗浄液Wを、キャップCa等に対して噴射する。これにより、キャップCa、キャップ治具73、キャップ配置部5,及びキャップ搬送部7の一部は、洗浄液Wで洗浄される。キャップ洗浄ノズル67aによる洗浄液Wの噴射は、所定の時間行われる。
キャップ洗浄ノズル67による洗浄液Wの噴射の後、図23に示すように、制御部9の制御に基づいて、キャップ乾燥ノズル68は、キャップCaを乾燥させる。キャップ乾燥ノズル68は、キャップCa等に対して、所定のガスを噴射する。これにより、キャップCa、キャップ治具73、キャップ配置部5、及びキャップ搬送部7の一部は、乾燥する。キャップ乾燥ノズル68によるガスの噴射は、所定の時間行われる。
キャップ洗浄部6は、上記の動作により、キャップCa等を洗浄する。キャップ洗浄部6によるキャップCaの洗浄の後、キャップCaは、キャップ搬送部7により、容器Dのネジ口14aに取り付けられる。
以上のように、キャップ洗浄部6aは、キャップCaの洗浄を、キャップ搬送部7によるキャップCaの搬送途中に行うことができる。
なお、上記の例では、キャップ洗浄部6aがキャップCaの洗浄を、キャップ搬送部7によるキャップCaの搬送途中に行う例を示したが、キャップ洗浄部6aはキャップCaの洗浄を、キャップ搬送部7によるキャップCaの搬送途中に行わなくてもよい。
なお、上記したキャップ洗浄部6aは、一例であり、キャップ洗浄部6aの構成は、任意に設定可能である。例えば、キャップ洗浄部6aは、後に説明するキャップ洗浄部6bと同様でもよい。また、キャップ洗浄部6aを備えるか否かは任意である。
次に、キャップ洗浄部6bについて説明する。図23は、キャップ洗浄部6bを−Y方向から見た図である。キャップ洗浄部6bは、キャップCbを洗浄する。キャップ洗浄部6bは、カバー64、カバー駆動部65、キャップ配置部5、キャップ配置部駆動部66、キャップ洗浄ノズル67b、及びキャップ乾燥ノズル68を備える。キャップ洗浄部6bは、キャップ洗浄ノズル67bを備える点が、上記したキャップ洗浄部6aと異なり、カバー64、カバー駆動部65、キャップ配置部5、キャップ配置部駆動部66、及びキャップ乾燥ノズル68は、上記したキャップ洗浄部6aと同様である。なお、カバー64は、キャップCbを収容可能であり、キャップCb及び送液パイプ28の周りを囲むように形成される。
キャップ洗浄ノズル67bは、キャップ配置部5のキャップ配置位置PJを挟んで、複数配置される。各キャップ洗浄ノズル67bは、管状部材70、及び複数の噴射口71を備える。キャップ洗浄ノズル67bは、噴射口71が、上記したキャップ洗浄ノズル67aと異なっており、それ以外の点は、上記したキャップ洗浄ノズル67aと同様である。各管状部材70には、それぞれ、噴射口71が鉛直方向に並んで複数配置される。複数の噴射口71の一部は、キャップCbの送液パイプ28の下部の近傍にも配置される。これにより、送液パイプ28を確実に洗浄することができる。各噴射口71は、それぞれ、キャップ配置部5(キャップCb)側に向けて、洗浄液Wを噴射する。各噴射口71は、それぞれ、キャップ配置部5(キャップCb)側に放射状に、洗浄液Wを噴射する。
キャップ洗浄部6bの動作は、上記したキャップ洗浄部6bと同様である。以上のように、キャップ洗浄部6bは、キャップCb及び送液パイプ28の周りを囲むように形成され、送液パイプ28を確実に洗浄することができる。
なお、上記したキャップ洗浄部6bは、一例であり、キャップ洗浄部6bの構成は、任意に設定可能である。例えば、キャップ洗浄部6bは、上記したキャップ洗浄部6aと同様でもよい。なお、キャップ洗浄部6bを備えるか否かは任意である。
次に、洗浄したキャップCa、Cbの搬送等について説明する。洗浄したキャップCa、Cbは、キャップ搬送部7(図1参照)により搬送され、容器Dのネジ口14a、14bに装着される。
まず、キャップCa、Cbの搬送に用いられるキャップ治具について説明する。図24は、キャップ治具を示す図であり、(A)は−Y側から見た図、(B)は+Z側から見た図である。図25は、キャップ治具をキャップCaに装着した状態を示す図であり、(A)は−Y側から見た図、(B)は+Z側から見た図である。図26は、キャップ治具をキャップCbに装着した状態を示す図であり、(A)は−Y側から見た図、(B)は+Z側から見た図である。
本実施形態のキャップCa、Cbは、図24(A)、(B)に示すキャップ治具73を備える。キャップ治具73は、被保持部73a、突起部73b、及びピン73cを備える。キャップ治具73は、キャップCa、Cbに装着され(図25、図26参照)、キャップ搬送部7に保持される(図27参照)。キャップ治具73は、キャップCa、Cbの形状に基づいて、キャップCa、Cbに装着が可能に形成されている。また、キャップ治具73は、キャップCa、Cbに取り外し(着脱)可能に形成されている。
被保持部73aは、キャップ搬送部7のチャック83で保持される(図29(A)参照)。被保持部73aは、円柱状であり(図24(A)、(B)参照)、側面に複数の凸部73dを有する(図24(B)参照)。凸部73dは、チャック83の凹部83dに嵌まり込む形状である。凸部73dは、被保持部73aの円柱状の側面から、中心から離れる側(外側)に突出している。凸部73dは、上方から見て、円の径方向に45度間隔で等間隔に並んで、8つ設けられている。8つの凸部73dのうち、直交する2方向に配置される4つの凸部73dは、チャック83が被保持部73aを保持したときに、4つの凹部83dに嵌まり込む。これにより、チャック83は、キャップ治具73のチャック83に対しての回転が規制され、キャップ搬送部7によりキャップCa、Cbを回転させネジ口14a、14bにネジ結合させることができる。また、被保持部73aは、チャック83に保持される下面73eを有する。下面73eは、チャック83により下方から支持される。
突起部73bは、被保持部73aの下方に配置される(図24(A)参照)。突起部73bは、キャップCa、Cbの挿入穴21に、はめ込む(差し込む)ことができる(図25、図26参照)。突起部73bは、複数設けられる。各突起部73bは、下方に延びる円柱状である(図24(A)参照)。突起部73bは、上方から見て、円の周方向に等間隔で並んで、6つ設けられる(図24(B)参照)。突起部73bをキャップCa、Cbの挿入穴21にはめ込む(差し込む)ことにより、キャップ治具73をキャップCa、Cbに装着する(図25、図26参照)。
ピン73cは、キャップCa、Cbを係止する。ピン73cは、キャップCa、キャップCbの係止部25に係止される。ピン73cは、複数設けられる。各ピン73cは、下方に延びる略U字状である。各ピン73cは、キャップ治具73の中心方向に対しての弾性力を有する。ピン73cは、上方から見て、円の周方向に等間隔で並んで、3つ設けられる。ピン73cをキャップCa、Cbの係止部25に係止させることにより、キャップ治具73がキャップCa、Cbから脱落するのを抑制する(図25(A)、図26(A)参照)。
上記のようなキャップ治具73を備える場合、キャップCa、Cbを確実にキャップ搬送部7で保持することができ、且つ、キャップ搬送部7によりキャップCa、Cbを回転させて、ネジ口14a、14bにネジ結合させることができる。
なお、上記したキャップ治具73は、一例であり、キャップ治具73の構成は、任意に設定可能である。例えば、キャップ治具73は、キャップCa、Cbに装着でき、キャップ搬送部7が保持可能であればよい。例えば、凸部73dは、8つに限定されず、2以上であればよい。また、突起部73bは、6つに限定されず、2以上であればよい。また、ピン73cは、3つに限定されず、2以上であればよい。また、ピン73cを備えるか否かは任意である。また、突起部73b及び挿入穴21の形状は、それぞれ、キャップ治具73がキャップCa、Cbに装着可能な形状であれば、任意に設定可能である。なお、上記の例では、凸部73d、突起部73b、ピン73cは、それぞれ、キャップCa、Cbに対応した形態を示したが、キャップがキャップCa、Cbと異なる形状である場合、キャップ治具73は、キャップ搬送部7が保持可能であれば、凸部73d、突起部73b及びピン73cのうち少なくとも1つは、異なっていてもよいし、なくてもよい。なお、キャップ治具73を備えるか否かは任意である。例えば、キャップ搬送部7がキャップCa、Cbを保持する構成にしてもよい。
次に、図1のキャップ搬送部7について説明する。キャップ搬送部7は、キャップ配置部5のキャップCa、Cb(図19(B)参照)を保持し、容器保持部2に保持された容器Dのネジ口14a、14bに搬送する。また、キャップ搬送部7は、保持しているキャップCa、Cbを回転させてネジ口14a、14bにネジ結合させる。
キャップ搬送部7は、キャップCaを搬送しキャップCaをネジ口14aにネジ結合させるキャップ搬送部7a、及びキャップCbを搬送しキャップCbをネジ口14bにネジ結合させるキャップ搬送部7bを備える。キャップ搬送部7aは、容器Dに対して−X側に配置される。キャップ搬送部7bは、容器Dに対して+X側に配置される。キャップ搬送部7a、7bは、それぞれ、キャップCa、Cbに対応した側に設けられる。
キャップ搬送部7a、7bは、それぞれ、レール75a、75bに支持される。また、キャップ搬送部7a、7bは、それぞれ、レール75a、75bにガイドされ、レール75a、75bに沿って移動する。
レール75a、75bは、それぞれ、クリーンルームCRの天井近傍に配置される。レール75a、75bは、それぞれ、容器保持部2の中心に対して、−X側、+X側に設けられる。レール75a、75bは、それぞれ、X方向と平行な方向に沿った一対のレールである(図2参照)。レール75a、75bは、キャップ搬送部7a、7bをX方向と平行な方向にガイドする。レール75aは、少なくとも、キャップ洗浄部6aの上方と容器保持部2に保持される容器DのキャップCaの上方との間に配置され、キャップ搬送部7aがこれらの間を移動可能に形成されている。レール75bは、少なくとも、キャップ洗浄部6bの上方と容器保持部2に保持される容器DのキャップCbの上方との間に配置され、キャップ搬送部7bがこれらの間を移動可能に形成されている。
次に、キャップ搬送部7a、7bの構成について説明する。キャップ搬送部7aとキャップ搬送部7bとは、上記した配置位置、搬送するキャップの種類、搬送するキャップの場所が異なる点以外は、同様の構成である。このため、以下の説明では、キャップ搬送部7aを説明し、キャップ搬送部7bの説明は簡略化する。
図27は、キャップ搬送部7aを−Y方向から見た図である。
キャップ搬送部7aは、水平方向移動体76、水平方向駆動部77、支持フレーム78、鉛直方向ガイド79、鉛直方向移動体80、鉛直方向駆動部81、回転駆動部82、チャック83、及びチャック駆動部84を備える(図27参照)。
水平方向移動体76は、レール75aにガイドされ、レール75aに沿ってX方向と平行な方向に移動する。水平方向移動体76は、水平方向駆動部77に駆動され、レール75aに沿って移動する。
水平方向駆動部77は、水平方向移動体76を駆動する。水平方向駆動部77は、例えば、エアシリンダ、モータなどのアクチュエータである。水平方向駆動部77は、制御部9に接続され、制御部9に制御される。
支持フレーム78は、鉛直方向に延びている。支持フレーム78は、水平方向移動体76に取り付けられる。支持フレーム78は、水平方向移動体76と一体となって、レール75aに沿って移動する。
鉛直方向ガイド79は、支持フレーム78に設けられている。鉛直方向ガイド79は、鉛直方向に延びており、鉛直方向移動体80を鉛直方向にガイドする。
鉛直方向移動体80は、鉛直方向ガイド79にガイドされ、鉛直方向に移動する。鉛直方向移動体80は、鉛直方向駆動部81に駆動され、鉛直方向に移動する。
鉛直方向駆動部81は、鉛直方向移動体80を駆動する。鉛直方向駆動部81は、例えば、エアシリンダ、モータなどのアクチュエータである。鉛直方向駆動部81は、制御部9に接続され、制御部9に制御される。
回転駆動部82は、保持しているキャップCaを回転させてネジ口14aにネジ結合させる。回転駆動部82は、回転体82a、及び回転駆動装置82bを備える。回転体82aは、回転軸82c及び回転駆動装置82bを介して、鉛直方向駆動部81に接続される。回転体82aは、鉛直方向駆動部81と一体で鉛直方向に移動する。
回転駆動装置82bは、回転軸82cを回転させることにより回転体82aを回転させる。回転駆動装置82bは、例えば、モータである。回転駆動装置82bは、制御部9に接続され、制御部9に制御される。
チャック83は、キャップCaを保持する。チャック83は、キャップ治具73を介してキャップCa保持する。チャック83は、回転体82aに支持される。チャック83は、回転体82aと一体となって回転する。
図28及び図29は、キャップ搬送部7aの回転駆動部及びチャックを示す図である。図28は、チャックが開いて、キャップ治具を開放する状態を示す図であり、(A)は−Y方向から見た図、(B)は+Z方向から見た図である。図29は、チャックが閉じて、キャップ治具を保持する状態を示す図であり、(A)は−Y方向から見た図、(B)は+Z方向から見た図である。
チャック83は、保持部83a、及び保持部開閉機構83bを備える。保持部83aは、キャップ治具73の被保持部73aを保持する(図29参照)。保持部83aは、複数設けられる。保持部83aは、図28(B)に示すように、4つ設けられる。各保持部83aは、上方から見て、X方向に2つ、Y方向に2つ設けられる。各保持部83aは、キャップ治具73の被保持部73aの下面73eを支持する支持部83c(図28(A)参照)、及び被保持部73aの凸部73dが嵌まり込む凹部83d(図28(B)参照)を有する。各保持部83aは、側方から見て、L字状である(図28(A)参照)。各保持部83aのキャップ治具73側の端部は、上方から見て、U字状である(図28(B)参照)。各保持部83aには、それぞれ、保持部開閉機構83bに接続される(図28(A)参照)。
各保持部開閉機構83bは、各保持部83aをチャック83の中心方向(キャップ治具73に近づく方向)とチャック83の中心から離れる方向(キャップ治具73から離れる方向)とに移動(開閉)させる(図28、図29参照)。各保持部開閉機構83bは、リンク機構である。各保持部開閉機構83bは、回転体82aに支持される。また、各保持部開閉機構83bは、一部がチャック駆動部84に接続され、チャック駆動部84の駆動により、各保持部83aをチャック83の中心方向(キャップ治具73に近づく方向)とチャック83の中心から離れる方向(キャップ治具73から離れる方向)とに移動(開閉)させる(図28、図29参照)。
なお、各保持部83aが各保持部83aをチャック83の中心方向に移動することを、閉じると称し、各保持部83aがチャック83の中心から離れる方向に移動することを、開くと称する。
チャック駆動部84は、保持部開閉機構83bを駆動する。チャック駆動部84は、回転体82aに配置される。チャック駆動部84は、例えば、エアシリンダ、モータなどのアクチュエータである。チャック駆動部84は、制御部9に接続され、制御部9に制御される。
チャック83の動作について説明する。チャック83は、キャップ治具73を開放する際、図28(A)、(B)に示すように、チャック駆動部84が、制御部9の制御により、下方に駆動し、各保持部開閉機構83bとの接続部分を下方に移動させる。これにより、各保持部開閉機構83bは、キャップ治具73との接続部分及び保持部83aが開き、保持部83aがキャップ治具73を開放する。
チャック83は、キャップ治具73を保持する際、図29(A)、(B)に示すように、チャック駆動部84は、制御部9の制御により上方に駆動し、各保持部開閉機構83bとの接続部分を上方に移動させる。これにより、各保持部開閉機構83bは、キャップ治具73との接続部分及び保持部83aが閉じ、保持部83aがキャップ治具73を保持する。
次に、回転駆動部82の動作について説明する。図30は、回転駆動部の動作を示す図である。回転駆動部82は、キャップCaをネジ口14aにネジ結合させる際、制御部9の制御により、回転駆動装置82bが駆動することにより、回転軸82c及び回転体82aが回転する。回転体82aが回転することにより、キャップCaを保持しているチャック83とともにキャップCaが回転して、キャップCaがネジ口14aにネジ結合される。
また、回転駆動部82は、キャップCaをネジ口14aから取り外す際、上記したキャップCaをネジ口14aにネジ結合するときと、反対の動きをする。
次に、キャップ搬送部7aの動作について説明する。図31及び図32は、キャップ搬送部7aの動作を説明する図である。
キャップ搬送部7aは、まず、図31に示すように、キャップ搬送部7aは、制御部9の制御に基づき水平方向駆動部77(図27参照)が駆動することにより、水平方向移動体76(図27参照)移動して、鉛直方向移動体80がキャップ洗浄部6aの上方に配置される。
続いて、図31に示すように、キャップ搬送部7aは、制御部9の制御に基づき鉛直方向駆動部81(図27参照)が駆動することにより、鉛直方向移動体80が下方に移動して、鉛直方向移動体80が、キャップ洗浄部6aのキャップ配置部5に保持されるキャップCaをチャック83により保持可能な位置(図17等参照)に移動する。
続いて、キャップ搬送部7aは、制御部9の制御に基づきチャック駆動部84(図27参照)が駆動することによりチャック83が駆動し、チャック83がキャップ配置部5に保持されるキャップCaのキャップ治具73を保持する(図20(B)参照)。
続いて、制御部9の制御に基づき、キャップ搬送部7aが、キャップ配置部5に保持されるキャップCaのキャップ治具73を保持した状態で、キャップ洗浄部6aによりキャップC等の洗浄が行われる(図21、図22参照)。
続いて、図32に示すように、キャップ洗浄部6aによるキャップCa等の洗浄が行われた後、制御部9の制御に基づき、キャップ搬送部7aは、鉛直方向駆動部81(図27参照)が駆動することにより、鉛直方向移動体80が上方に移動する。
続いて、キャップ搬送部7aは、制御部9の制御に基づき水平方向駆動部77(図27参照)が駆動することにより、水平方向移動体76(図27参照)が+X側に移動し、載置部31に載置された容器Dのネジ口14aの上方に配置される(図32参照)。
続いて、キャップ搬送部7aは、制御部9の制御に基づき鉛直方向駆動部81(図27参照)が駆動することにより、鉛直方向移動体80が下方に移動して、回転駆動部82(図27参照)が容器Dのネジ口14aにキャップCaをネジ結合可能な位置(図30、図32参照)に移動する。
続いて、キャップ搬送部7aは、制御部9の制御に基づき、回転駆動部82(図27参照)が容器Dのネジ口14aにキャップCaをネジ結合する(図30、図32参照)。これにより、キャップCaは、ネジ口14aにネジ結合される。
続いて、キャップ搬送部7aは、制御部9の制御に基づきチャック駆動部84(図27参照)が駆動することにより、チャック83が駆動し、チャック83に保持されるキャップCaのキャップ治具73を開放する(図28、図32参照)。
続いて、キャップ搬送部7aは、制御部9の制御に基づき、鉛直方向駆動部81(図27参照)が駆動することにより、鉛直方向移動体80が上方に移動する(図32参照)。
キャップ搬送部7aは、制御部9の制御に基づき水平方向駆動部77(図27参照)が駆動することにより、水平方向移動体76(図27参照)が−X側に移動し、図1に示すキャップ洗浄部6aの上方の待機位置に移動する。
次に、キャップ搬送部7bの動作について説明する。図33及び図34は、キャップ搬送部7bの動作を説明する図である。
キャップ搬送部7bは、まず、図33に示すように、キャップ搬送部7bは、制御部9の制御に基づき水平方向駆動部77(図27参照)が駆動することにより、水平方向移動体76(図27参照)が移動して、鉛直方向移動体80がキャップ洗浄部6bの上方に配置される。
続いて、図33に示すように、キャップ搬送部7bは、制御部9の制御に基づき鉛直方向駆動部81(図27参照)が駆動することにより、鉛直方向移動体80が下方に移動して、鉛直方向移動体80が、キャップ洗浄部6bのキャップ配置部5に保持されるキャップCbを、チャック83により保持可能な位置(図23参照)に移動する。
続いて、キャップ搬送部7bは、制御部9の制御に基づきチャック駆動部84(図27参照)が駆動することにより、チャック83が駆動し、チャック83がキャップ配置部5に保持されるキャップCbのキャップ治具73を保持する(図20(B)参照)。
続いて、制御部9の制御に基づき、キャップ搬送部7bが、キャップ配置部5に保持されるキャップCbのキャップ治具73を保持した状態で、キャップ洗浄部6bによりキャップCb等の洗浄が行われる(図21、図22参照)。
続いて、図34に示すように、キャップ洗浄部6bによるキャップCb等の洗浄が行われた後、制御部9の制御に基づき、キャップ搬送部7bは、鉛直方向駆動部81(図27参照)が駆動することにより、鉛直方向移動体80が上方に移動する。
続いて、キャップ搬送部7bは、制御部9の制御に基づき水平方向駆動部77(図27参照)が駆動することにより、水平方向移動体76(図27参照)が−X側に移動し、鉛直方向移動体80が載置部31に載置された容器Dのネジ口14bの上方に配置される(図34参照)。
続いて、キャップ搬送部7bは、制御部9の制御に基づき鉛直方向駆動部81(図27参照)が駆動することにより、鉛直方向移動体80が下方に移動して、回転駆動部82が容器Dのネジ口14bにキャップCbをネジ結合可能な位置(図30、図34参照)に移動する。
続いて、キャップ搬送部7bは、制御部9の制御に基づき、回転駆動部82(図27参照)が容器Dのネジ口14bにキャップCbをネジ結合する(図30、図34参照)。これにより、キャップCbは、ネジ口14bにネジ結合される。
続いて、キャップ搬送部7bは、制御部9の制御に基づきチャック駆動部84(図27参照)が駆動することにより、チャック83が駆動し、チャック83に保持されるキャップCbのキャップ治具73を開放する(図28、図34参照)。
続いて、キャップ搬送部7bは、制御部9の制御に基づき、鉛直方向駆動部81(図27参照)が駆動することにより、鉛直方向移動体80が上方に移動する(図34参照)。
キャップ搬送部7bは、制御部9の制御に基づき水平方向駆動部77(図27参照)が駆動することにより、水平方向移動体76(図27参照)が−X側に移動し、図1に示すキャップ洗浄部6bの上方の待機位置に移動する。
以上のように、キャップ搬送部7a、7bは、キャップ配置部5に保持されるキャップCa、Cbを保持し、容器保持部2に保持された容器Dのネジ口14a、14bに搬送する。また、キャップ搬送部7a、7bは、保持しているキャップCa、Cbを回転させてネジ口14a、14bにネジ結合させる。上記のようにキャップ搬送部7a、7bは、複数のキャップCa、Cbのそれぞれに設けられるので、短時間で複数のキャップCa、Cbの搬送、及びネジ口14a、14bへの取り付けを行うことができる。
なお、上記したキャップ搬送部7(7a、7b)は、一例であり、キャップ搬送部7(7a、7b)の構成は、任意に設定可能である。例えば、キャップ搬送部7は、1つでもよい。
次に、制御部9について説明する。図35は、制御部9を示す図である。制御部9は、CPU(図示せず)、メインメモリ(図示せず)、ハードディスクなどの記憶装置86、有線あるいは無線の通信装置を備えるコンピュータ装置である。制御部9は、各種プログラムを実行可能である。制御部9は、キーボードあるいはマウスなどの入力装置87が接続され、情報を入力可能である。また、制御部9は、ディスプレイなどの表示装置88が接続され、情報を表示可能である。
制御部9は、キャッピング装置1の各部(容器保持部2、容器洗浄部3、キャップ配置部5、キャップ洗浄部6a、6b、キャップ搬送部7a、7b、リーダ46等)と接続され、各部を制御する。制御部9は、各部の動作情報、リーダ46からの個体情報など各部の各種情報が入力される。制御部9は、各部に対して動作指令を出力することにより、各部を制御する。
制御部9は、管理情報生成部90を備える。管理情報生成部90は、リーダ46により読み取った容器Dの個体情報に、キャッピング装置1の動作の全部または一部に関する情報を関連付けた、管理情報を生成する。生成した管理情報は、記憶装置86に格納され、外部に出力可能である。
なお、上記した制御部9の構成は、一例であり、制御部9の構成は、任意に設定可能である。例えば、制御部9は、FPGAなどプログラマブルロジックデバイスにより構成されてもよい。
図36は、管理情報の一例を示す図である。管理情報Iは、容器D、1つごとに生成される。管理情報Iは、例えば、作業者に関する情報、キャッピング装置1の動作(運転)に関する情報(運転日、運転開始時間、運転終了時間、動作エラー等)、容器Dに関する情報(容器Dの個体番号、容器Dの種類及びロット番号等)、キャップCa、Cbに関する情報(キャップCa、Cbの個体番号、キャップCa、Cbの種類及びロット番号等)、容器洗浄部3の動作に関する情報(運転開始時間、運転終了時間、洗浄液Wの種類およびロット番号、洗浄液Wの流量・圧力・積算量、各駆動部の移動方向・移動開始時間・移動終了時間、動作エラー等)、容器保持部2の動作に関する情報(運転開始時間、運転終了時間、各駆動部の移動方向・移動開始時間・移動終了時間、動作エラー等)、容器洗浄部3の動作に関する情報(運転開始時間、運転終了時間、洗浄液Wの種類およびロット番号、洗浄液Wの流量・圧力・積算量、各駆動部の移動方向・移動開始時間・移動終了時間、動作エラー等)、キャップ洗浄部6a、6bの動作に関する情報(運転開始時間、運転終了時間、洗浄液Wの種類およびロット番号、洗浄液Wの流量・圧力・積算量、各駆動部の移動方向・移動開始時間・移動終了時間、動作エラー等)、キャップ搬送部7a、7bの動作に関する情報(各駆動部の移動方向、移動開始時間、移動終了時間、キャップの締め付けトルク)、作業者のコメントなどを含む情報である。
なお、上記した管理情報Iは、一例であり、管理情報Iは、任意に設定可能である。例えば、管理情報Iは、上記した管理情報のうち少なくとも1つは、なくてもよい。また、管理情報Iは、上記した管理情報以外の情報を含んでもよい。
キャッピング装置1が、管理情報Iを生成する場合、容器Dにコンタミネーション、あるいはキャッピング装置1などの異常が検出された場合、キャッピング装置1、容器D、キャップCなどによる原因を簡単に特定(推測)することができる。
次に、キャッピング装置1の動作に基づき、本実施形態に係るキャッピング方法を説明する。図37及び図38は、本実施形態に係るキャッピング方法のフローチャートである。なお、図37及び図38を説明する際、適宜、図1から図36を参照する。なお、以下に示すキャッピング方法及びキャッピング装置1の動作は、一例であり、本実施形態のキャッピング方法及びキャッピング装置1を限定するものではない。
本実施形態に係るキャッピング方法は、まず、ステップS1において、キャッピング装置1は、上記したように、天板の一部にネジ口14a、14bを持つ容器Dを容器保持部2により保持する(図6から図12等参照)。
例えば、ステップS1は、ステップS2において、キャッピング装置1は、上記したように、位置決め機構35により、載置部31に載置した容器Dのネジ口14を位置決めした容器Dを、容器保持部2により保持する(図6から図12等参照)。
続いて、ステップS3において、キャッピング装置1は、上記したように、容器洗浄部3により容器Dを洗浄する。(図13から図16等参照)。
例えば、ステップS3は、ステップS4において、キャッピング装置1は、上記したように、容器保持部2で保持している容器Dを、傾斜機構36により傾ける(図13参照)。これにより、傾斜機構36により容器Dが傾斜するので、容器Dを洗浄に用いた洗浄液Wを、容器Dの底部における端部のうち低い位置に配置される側の端部(図13の例では−X側の端部)に集めることができ、その結果、洗浄液Wを吸引ノズル52により確実に吸引することができる。
続いて、ステップS5において、キャッピング装置1は、上記したように、容器洗浄ノズル50と吸引ノズル52とを、異なるネジ口14a、14bから容器の内部に挿入する(図14、図15等参照)。容器洗浄ノズル50と吸引ノズル52とを、異なるネジ口14a、14bから容器の内部に挿入するので、容器Dの洗浄時間を抑制することができる。
続いて、ステップS6において、キャッピング装置1は、上記したように、ネジ口14bから容器Dの内部に挿入した容器洗浄ノズル50から洗浄液Wを噴射する(図14等参照)。
続いて、ステップS7において、キャッピング装置1は、上記したように、吸引ノズル52の先端を、傾斜した容器内の底部のうち最下部近傍に配置する(図15等参照)。これにより、容器D内の洗浄液Wを確実に吸引することができる。
続いて、ステップS8において、キャッピング装置1は、上記したように、吸引ノズル52から容器D内の液体を吸引する(図15等参照)。これにより、洗浄液Wが、容器D内に残存するのを抑制することができる。
続いて、ステップS9において、キャッピング装置1は、上記したように、容器洗浄部3によって洗浄された容器Dの内部にガス供給部4により所定ガス(不活性ガス)を供給する(図16等参照)。これにより、容器D内を確実に乾燥させるとともに、容器Dに収容する溶液が、酸化などにより化学変化(劣化)することを抑制することができる。本ステップS9により、容器Dの洗浄が終了する。
続いて、ステップS10において、キャッピング装置1は、上記したように、ネジ口14a、14bにネジ結合するキャップCa、Cbを、キャップ洗浄部6a、6bのキャップ配置部5に配置する(図17、図23等参照)。例えば、キャッピング装置1は、キャップCa、Cbは、それぞれ、上記したように、キャップ配置部5に配置される(図17、図23等参照)。キャップCa、Cbは、例えば、作業者が配置する。
例えば、ステップS10は、ステップS11において、キャップ治具73を装着したキャップCa、Cbを、キャップ洗浄部6a、6bのキャップ配置部5に配置する(図17、図23から図25等参照)。これにより、キャップCa、キャップCbを確実にキャップ搬送部7で保持することができ、且つ、キャップ搬送部7によりキャップCa、Cbを回転させて、ネジ口14a、14bにネジ結合させることができる。
続いて、ステップS12において、キャッピング装置1は、上記したように、キャップCa、Cbを、キャップ洗浄部6a、6bにより洗浄する(図17、図23から図25等参照)。この場合、キャップ洗浄部6a、6bが、キャップCa、Cbごとにあるので、キャップCa、Cbの洗浄に要する時間を抑制することができる。
例えば、ステップS12は、ステップS13において、キャッピング装置1は、上記したように、キャップ搬送部7a、7bに保持しているキャップCa、Cbを、キャップ洗浄部6a、6bにより洗浄する(図17、図23から図25等参照)。すなわち、キャッピング装置1は、キャップ搬送部7a、7bによるキャップCa、Cbの搬送途中で、キャップCa、Cbをキャップ洗浄部6a、6bにより洗浄する。これにより、キャップCa、Cbの洗浄からキャップCa、Cbのネジ口14a、14bへの取り付けに要する時間を抑制することができる。
例えば、ステップS12は、ステップS13において、キャッピング装置1は、上記したように、キャップ洗浄部6a、6bによるキャップの洗浄を、キャップ搬送部7a、7bによりキャップCa、Cbを保持した状態で行う(図17、図23から図25、図27から図29等参照)。これにより、キャップ搬送部7a、7bがキャップCa、Cbの保持に要する時間を抑制することができる。
続いて、ステップS14において、キャッピング装置1は、上記したように、キャップ搬送部7a、7bにより、キャップCa、Cbを保持し、容器保持部2のネジ口14a、14bに搬送する(図31から図34等参照)。キャップ搬送部7a、7bが、キャップCa、Cbごとに設けられるので、キャップCa、Cbの搬送に要する時間を抑制することができる。
続いて、ステップS15において、キャッピング装置1は、上記したように、キャップ搬送部7a、7bに保持しているキャップCを回転駆動部82により回転させてネジ口14a、14bにネジ結合させる(図27から図30等参照)。
例えば、ステップS15は、ステップS16において、キャッピング装置1は、上記したように、キャップ治具73を介して、キャップCを回転駆動部82により回転させて、ネジ口14a、14bにネジ結合させる(図27から図30等参照)。これにより、キャップCa、キャップCbを確実に、ネジ口14a、14bにネジ結合させることができる。
以上のキャッピング方法の工程、キャッピング装置1の動作により、キャップCa、Cbが、ネジ口14a、14bに自動的に装着される。本キャッピング方法、キャッピング装置1では、キャップCa、Cbが、ネジ口14a、14bに自動的に装着されるので、生産性を向上させることができる。また、本キャッピング方法、キャッピング装置1では、洗浄されたキャップCa、Cbが、洗浄された容器Dに装着されるので、容器及びキャップから容器内へのコンタミネーションを抑制した状態で、容器DにキャップCa、Cbを装着することができる。
続いて、ステップS17において、キャッピング装置1は、上記したように、制御部9により、管理情報Iを記録する(図35、図36参照)。これにより、容器Dにコンタミネーション、あるいはキャッピング装置1の異常が検出された場合、管理情報Iに基づいて、キャッピング装置1、容器D、キャップCa、Cbなどによる原因を簡単に特定(推測)することができる。
なお、上記したキャッピング方法は、一例であり、上記ステップS1〜S17のうち少なくとも1つはなくてもよい。例えば、キャッピング方法は、ステップS2、S3〜S9、S11〜S13、S16〜S17のうち少なくとも1つは、備えなくてもよい。例えば、キャッピング方法は、ステップS1、ステップS10、ステップS14及びステップS15を備え、これ以外のステップは、備えなくてもよい。また、キャッピング方法において、ステップS10〜S13を行うタイミングは、上記の例に限定されない。例えば、キャッピング方法において、ステップS10〜S13は、ステップS1の前に行ってもよいし、ステップS3の前に行ってもよい。
以上のように、本実施形態に係るキャッピング装置1及びキャッピング方法は、キャッピングを自動で行うので、コンタミネーションを抑制し、生産性に優れる。
なお、本発明の技術範囲は、上述の実施形態などで説明した態様に限定されるものではない。上述の実施形態などで説明した要件の1つ以上は、省略されることがある。また、上述の実施形態などで説明した要件は、適宜組み合わせることができる。また、法令で許容される限りにおいて、上述の実施形態などで引用した全ての文献の開示を援用して本文の記載の一部とする。
上述の説明では、キャッピング装置1は、容器保持部2、容器洗浄部3、ガス供給部4、キャップ配置部5、キャップ洗浄部6、キャップ搬送部7、及び制御部9を備える例を説明したが、これに限定されず、例えば、キャッピング装置1は、容器保持部2、キャップ配置部5、キャップ搬送部7、及び回転駆動部82を備えるものでもよい。例えば、キャッピング装置1は、容器洗浄部3、ガス供給部4、キャップ洗浄部6、及び制御部9のうち少なくとも1つまたは全部を備えなくてもよい。
また、上述の説明では、キャップ配置部5は、キャップ洗浄部6に備えられる例を説明したが、これに限定されず、例えば、キャップ配置部5は、キャップ洗浄部6に設けられなくてもよい。例えば、キャッピング装置1は、キャップ洗浄部6を備えず、キャップ配置部5のみを備えていてもよい。
また、上述の説明では、容器保持部2は、ベース30、載置部31、フレーム32、ガイド部33、固定機構34、位置決め機構35、傾斜機構36、及び容器洗浄部3を備える例を示したが、容器保持部2は、容器Dを保持するものであればよい。例えば、容器保持部2は、ベース30、載置部31、フレーム32、ガイド部33、固定機構34、位置決め機構35、傾斜機構36、及び容器洗浄部3のうち少なくとも1つまたは全部を備えなくてもよい。
また、上述の説明では、キャップ搬送部7は、キャップ治具73を介してキャップCを保持する例を示したが、キャップCはキャップ治具73を備えず、キャップ搬送部7は、キャップ治具73を介さずに、キャップCを直接保持して、ネジ口14にネジ結合させる機構でもよい。