JP2018126102A - 酸性乳性飲料 - Google Patents

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Abstract

【課題】例えばアイスクリームなどの脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料を含む新規な酸性乳性飲料を提供する。【解決手段】 脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料と、大豆多糖類とを含有し、式(1):A≧0.038B+7.0E(A:飲料あたりの大豆多糖類の含有量(質量%)、B:飲料あたりの無脂乳固形分(質量%)、E:飲料あたりの脂肪分(質量%))を満足する酸性乳性飲料。【選択図】 なし

Description

本発明は酸性乳性飲料に関する。
清涼飲料の1種として、乳成分等を原材料として製造される酸性乳性飲料が親しまれており、広く販売されている(特許文献1)。
また酸性乳性飲料の外観は、その味や香りとともに、消費者の購買欲等をかき立てる重要な要因の1つとなっている。
特許第5792917号
本発明は、例えばアイスクリームなどの脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料を含む新規な酸性乳性飲料を提供することを目的とする。
本発明者は、アイスクリームや生クリームなどの脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料を含む容器詰めの酸性乳性飲料を着想し、その検討を行った。その結果、発明者は、当該飲料、特にアイスクリーム、脂肪分を6質量%以上含有するアイスミルクおよび生クリームの少なくともいずれかを原料に用いた場合において、リングとも称される液面に浮上した脂肪析出物について、振蕩するなどして容器詰飲料に振動を加えてもリングが消えなかったり、リングが崩壊して生じた浮遊物(以下、単に浮遊物ともいう)が飲料中に残存したりすることがあることに気が付いた。振動を加えてもリングや浮遊物が残存していると、商品の外観から得られる印象が損なわれて製品としての商品価値に影響を与えることがあるため、リングおよび浮遊物の残存は抑えられていることが好ましい。
本発明者は鋭意研究の結果、脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料を含む酸性乳性飲料について、これまでは酸性乳性飲料において乳蛋白質の安定化を目的として配合されていた大豆多糖類と飲料中の無脂乳固形分および脂肪分について所定の関係を満足するようにすることで、リングおよび浮遊物の残存を抑制しつつ当該飲料を実現できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料と、大豆多糖類とを含有し、
下記の式(1)を満足する酸性乳性飲料。
A≧0.038B+7.0E・・・(1)
式(1)中、A:飲料あたりの大豆多糖類の含有量(質量%)、B:飲料あたりの無脂乳固形分(質量%)、E:飲料あたりの脂肪分(質量%)である。
[2] 下記の式(2)を満足する[1]に記載の酸性乳性飲料。
A≧0.038B+8.5E・・・(2)
式(2)中、A、BおよびEは前述の通り。
[3] 前記乳由来原料がアイスクリーム、アイスミルクおよび生クリームからなる群から1種または2種以上選択される乳製品を含む[1]または[2]に記載の酸性乳性飲料。
[4] 飲料あたりの無脂乳固形分の含有割合が0.1質量%以上3質量%以下であり、pHが4.6以下である[1]から[3]のいずれか一つに記載の酸性乳性飲料。
[5] 容器詰飲料である[1]から[4]のいずれか一つに記載の酸性乳性飲料。
[6] 飲料あたりの脂肪分が0.004質量%以上である[1]から[5]のいずれか一つに記載の酸性乳性飲料。
[7] 脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料と、大豆多糖類とを含有する酸性乳性飲料の製造方法であって、
得られる飲料において下記の式(1)を満足するように原材料を配合することを含む酸性乳性飲料の製造方法。
A≧0.038B+7.0E・・・(1)
式(1)中、A:飲料あたりの大豆多糖類の含有量(質量%)、B:飲料あたりの無脂乳固形分(質量%)、E:飲料あたりの脂肪分(質量%)である。
本発明によれば、脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料を含む新規な酸性乳性飲料を提供することができる。
試験例1において評価に供するための処理を行っている容器詰飲料の写真である。 試験例1において評価に供した容器詰飲料の写真である(比較例)。 試験例1において評価に供した容器詰飲料の写真である(実施例)。 試験例1において評価に供した容器詰飲料の写真である(実施例)。 単位乳脂肪分(1質量%)あたりの安定性に寄与する大豆多糖類(D、質量%)と評価結果との関係を示すグラフである(×:1、〇:2、◎:3)。
以下、本発明の1つの実施形態について、詳細に説明する。
本実施形態は、その原料に対し脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料と、大豆多糖類とを含有し、下記の式(1)を満足する酸性乳性飲料に関する。
A≧0.038B+7.0E・・・(1)
式(1)中、A:飲料あたりの大豆多糖類の含有割合(質量%)、B:飲料あたりの無脂乳固形分(質量%)、E:飲料あたりの脂肪分(質量%)である。
本明細書において、酸性乳性飲料とは、そのpHが酸性(4.6以下)の範囲にある乳性飲料をいい、また、乳性飲料とは、乳、脱脂粉乳などの乳成分(脂肪分が高められているものも含む)を含む飲料をいう。
脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料としては、乳(特に限定されないが、生乳の脂肪分は4%程度)を原材料として調製され、その脂肪分が6質量%以上であるものを挙げることができる。乳を原材料として調製され、その脂肪分が6質量%以上であるものとしては、アイスクリーム、脂肪分を6質量%以上含有するアイスミルク、生クリームなどを挙げることができる。
本実施形態において、乳は、動物又は植物由来のいずれの乳であってもよい。例えば、牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳等の獣乳、豆乳等の植物乳を用いることができ、牛乳が一般的である。これらの乳は、単独又は2種類以上の混合物として用いることができる。また、これらの乳から乳酸菌やビフィズス菌等の微生物を用いて発酵させた発酵乳を用いることもできる。
また、本明細書において、アイスクリームとは、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(乳等省令)により定められるアイスクリーム(種類別アイスクリーム)をいい、具体的には乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料としたものを凍結させたものであって、乳固形分3.0%以上を含むもの(発酵乳を除く。)として分類されるアイスクリーム類のうち、乳固形分15%以上(うち乳脂肪分8%以上)のものをいう。
また、アイスミルクとは、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(乳等省令)により定められるアイスミルク(種類別アイスミルク)をいい、上述のアイスクリーム類のうち、乳固形分10%以上(うち乳脂肪分3%以上)のものをいう。本実施形態の酸性乳性飲料においては、アイスミルクのうち脂肪分が6質量%以上であるものが飲料の原材料として用いられ得る。
また、生クリームとは、「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(乳等省令)」において、「生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したもの」と定義され、その脂肪分が18質量%以上であるものをいう。
本実施形態の飲料においては、脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料の割合は特に限定されず当業者が適宜設定できるが、嗜好性とリングや浮遊物の原因となる乳脂肪浮上抑制の観点から0.01〜10質量%が好ましい。
また、脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料について、その原料における脂肪分の上限値は特に限定されないが、例えば嗜好性とリングや浮遊物の原因となる乳脂肪浮上抑制の観点から50質量%以下が好ましい。
ここで、本実施形態の酸性乳性飲料においては、脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料が、アイスクリーム、アイスミルクおよび生クリームからなる群から1種または2種以上選択される乳製品を含むことが、嗜好性の観点から好ましい。また、これらは上記のとおりリングや浮遊物がより生じやすいため課題解決の観点からも本願発明の構成を備えることが好ましい。
また、本実施形態においては、脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料に加えて、大豆多糖類を含有する。
従来、大豆多糖類は、乳蛋白質の安定化剤として含有されていた。
乳蛋白質は、酸性条件下ではプラスの荷電をもったミセル構造を有し、なんらかの安定化技術を用いなければ数時間から数日の静置によって沈降する。乳蛋白質の沈殿を抑制する製法に関しては、種々の工夫が提案されており、大豆多糖類を用いて静電気的、あるいは粒子表面の吸着層あるいは溶媒和層による立体障害的作用による分散の系が提案されている。
本実施形態においては、大豆多糖類は、飲料に含まれる脂肪分の安定化にも作用する。
本実施形態において、酸性乳性飲料における大豆多糖類の含有割合の下限値は、以下の式(1)を満足しており、好ましくは式(2)を満足する。
A≧0.038B+7.0E・・・(1)
式(1)中、A:飲料あたりの大豆多糖類の含有割合(質量%)、B:飲料あたりの無脂乳固形分(質量%)、E:飲料あたりの脂肪分(質量%)である。
A≧0.038B+8.5E・・・(2)
式(2)中、A、BおよびEは前述の通り。
式(1)を満足する割合で大豆多糖類を含有することにより、リングおよび浮遊物の残存を抑えることができる。
本実施形態の酸性乳性飲料における大豆多糖類が含有される割合の上限値は特に限定されず、当業者が適宜設定することができるが、5質量%が好ましく、より好ましくは3質量%、さらに好ましくは2質量%である。5質量%を超えて含有される場合には、粘度の上昇および大豆食物繊維由来による風味不良等が生じて、爽やかな風味が得られ難くなるので好ましくない。
また、本実施形態の酸性乳性飲料については、飲料あたりの無脂乳固形分の含有割合が0.1質量%以上3質量%以下であり、pHが4.6以下であることが好ましい。
無脂乳固形分の含有割合が0.1質量%未満では、酸性乳性飲料特有の風味が得られ難く、3重量%を越えると粘度上昇して清涼感に欠ける風味となり、また乳性蛋白質の凝集・沈殿を抑制することが困難になる恐れがあるので好ましくない。
また、pHが4.6より高くなると、pHが4.6以下である場合と比較して酸性乳性飲料特有の風味が弱くなるため、また、pHが4.6を超えると微生物が繁殖しやすくなりより強力な殺菌を要するため風味への影響が大きいことから、pHが4.6以下であることが好ましい。なお、特に限定されないが好ましいpHの下限値は3以上である。
また、本実施形態の飲料は、飲料において含有される脂肪分が0.004質量%以上であることが嗜好性の観点から好ましい。一方、含有される脂肪分は1質量%以下であることがリングや浮遊物の原因となる乳脂肪浮上の抑制の観点から好ましい。
本実施形態の酸性乳性飲料は、脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料、大豆多糖類に加え、本発明の目的を達成できる範囲で他の成分を含有するようにしてもよく、特に限定されない。
例えば、本実施形態の飲料は乳を含有するようにしてもよい。
ここで、本実施形態の飲料は、酸性乳を含むようにすることができる。本実施形態の飲料において原材料として用いられる酸性乳は、乳をpH4.6以下に酸性化したものであって、原料乳としては牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳等の獣乳、大豆乳等の植物乳が挙げられる。形態としては全脂乳、脱脂乳あるいは乳清等を用いることができ、更には粉乳、濃縮乳からの還元乳等も使用できる。これらの乳は、酸性乳調製時において単独もしくは混合物として用いることができる。
上述の乳を酸性化して酸性乳とするには、公知の乳酸菌等の微生物による有機酸の生成による方法、有機酸類、無機酸類、果汁又はこれらの混合物等を乳に添加する方法、あるいはこれらの方法を併用する方法等により行なうことができる。このような乳の酸性化は、得られる酸性乳のpHが4.6以下となるように調整できれば公知の方法により行なうことができる。上述の乳に添加し得る有機酸類としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、琥珀酸、フマル酸等を挙げることができ、無機酸類としては、リン酸等を挙げることができる。また、果汁としては、リンゴ、オレンジ、葡萄、グレープフルーツ、ストロベリー、パイン、レモン等を挙げることができる。なお、特に限定されないが好ましいpHの下限値は3以上である。
また、本実施形態において酸性乳が用いられる場合は、結果的に酸性乳が用いられていればよく、どの段階で酸性に調整されたかは特に限定されない。例えば、他の原料と混合される前に乳のpHが4.6以下に調整されたもののほか、乳と他の原料とを混合した後に得られた混合物をpH4.6以下に調整するようにしてもよい。
このほかの他の原材料としては、甘味料である蔗糖、ブドウ糖、果糖、ガラクトース、乳糖、麦芽糖、各種のオリゴ糖等を挙げることができる。更に、風味および外観を良好にするために、果汁、野菜エキス、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ステビア、香料、色素等を用いることもできる。
また、本実施形態の飲料は、炭酸ガスが圧入された発泡性の飲料であってもよい。
本実施形態の飲料は、例えば容器詰飲料とすることができる。容器としては、ガラス製、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のプラスチック製、紙製、アルミ製、スチール製の密封容器が挙げられ、特に、本発明の所望の効果が確認し易いとの観点から、透明性の高い容器が好ましい。
本実施形態の飲料の製造方法は特に限定されず、脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料、大豆多糖類を他の原材料と混合するなどすればよい。
具体的には、例えば脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料、大豆多糖類、液体原料、および必要によって加えられるその他の成分を混合し本実施形態の酸性乳性飲料を製造することができる。液体原料は水のほか、上述の他の成分の溶液や分散液であってもよい。原材料の混合する順序なども特に限定されず、当業者が適宜設定することができる。
本実施形態に係る飲料においては、得られた飲料に対して、均質化処理や殺菌処理を行なうようにしてもよい。
均質化処理は、通常、ホモゲナイザーを用いて行うことができる。均質化条件は特に限定されないが、温度5〜25℃で圧力10〜50Mpaの条件が好ましく挙げられる。また、均質化処理は、殺菌処理の前後のいずれか、もしくは両方で行うことができる。
殺菌処理は、例えば、65℃で10分間と同等以上の殺菌価を有する加熱殺菌により行うことができる。殺菌処理の方法は特に制限されず、通常のプレート式殺菌、チューブラー式殺菌、レトルト殺菌、バッチ殺菌、オートクレーブ殺菌等の方法を採用することができる。また、殺菌処理は、均質化処理の前後のいずれか、もしくは両方で行うか、または容器充填前後のいずれか、もしくは両方で行うことができる。
殺菌処理後の本実施形態の飲料を容器詰飲料とする方法としては、例えば、容器に飲料をホットパック充填し、充填した容器を冷却する方法、又は容器充填に適した温度まで飲料を冷却して、予め洗浄殺菌した容器に無菌充填する方法などにより行うことができ、特に限定されない。
以上、本実施形態によれば、脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料と、大豆多糖類とを含有し、式(1)を満足するようにすることで、リングおよび浮遊物の残存を抑制しつつ脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料を含む酸性乳性飲料を実現することができる。その結果、外観を改善して商品価値をより高めた状態で新たな飲料を提供することができる。
以下の実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
[表1に記載のサンプルの製造]
水に果糖ぶどう糖液糖、還元脱脂乳を糖度(R.Brix)が最終的に6.5、無脂乳固形分(B:質量%)が後述のアイスクリーム由来のものと合わせて表1に記載の濃度になるように加え、大豆多糖類(A:質量%)を表1に記載の濃度となるように加えた後にアイスクリーム(乳脂肪分10.0質量%)を、飲料における脂肪分が表1に記載の濃度(E:質量%)となり、還元脱脂乳由来のものと合わせて無脂乳固形分(B:質量%)が表1に記載の濃度になるように加え、均一になるように撹拌した。次いで、クエン酸を酸度が最終的に0.17質量%になるように加え、クエン酸三ナトリウム溶液でpHを3.6に調整し、メロン果汁を最終的に1質量%となるように加えた。
上記のようにして得た溶液を、均質化・殺菌工程を経て500mlペットボトルに詰めたものをサンプルとした。
[試験例1:サイクル試験]
上記のようにして製造した各サンプルを以下のサイクル試験に供した。
(1)4℃で24時間保管後37℃で24時間保管を1サイクルとし、3サイクル行った。
(2)(1)の後、4℃で約12時間静置した。
(3)(2)で静置後のサンプルを1秒間で90°転回後、1秒間で戻した。これを計5回繰り返し、評価した。
評価として、ヒトの視覚による外観の官能評価を実施し、各サンプルの外観を5名の評価パネルにより評価した。
×○◎共に、上記(2)の12時間静置後は、飲料上面にリング状の油膜が観察された(図1)。×○◎の評価は、(3)の転回後の下記の基準による。
×:上記(3)転回後に、リング状の油膜が残存している状態又は、リング状の油膜の残存がない状態であっても転回後写真2のように、浮遊物が容器の片面(上片面)の当たり8個以上観察される場合。
○:上記(3)転回後に、リング状の油膜の残存がなく、写真3のように、浮遊物が容器の片面(上片面)当たり3〜7個観察される場合。
◎:上記(3)転回後に、リング状の油膜の残存がなく、写真4のように、浮遊物が容器の片面(上片面)当たり2個以下観察される場合。
このうち、×についてはいずれのパネルも外観に問題があると評価したため、×を不合格とした。一方、〇、◎についてはいずれのパネルも外観に問題がないと評価しているため、これらを合格とし、◎についてはいずれのパネルも外観が良好であると評価したため、好ましい外観であるとした。
なお、参考として、(2)の処理の後の写真を図1に、×として評価したものの写真を図2に(水準1)、〇として評価したものの写真を図3に(水準2)、◎として評価したものの写真を図4に示す(水準4)。また、表2中、水準2〜5、7〜10、13〜23、27が実施例に該当する。
表1から、式(1)を満足する場合は、いずれも評価が〇か◎となっており、さらに式(2)を満足する場合はいずれも評価が◎となっていることが理解できる。
なお、式(1)、式(2)は以下のようにして得た。
1)脂肪分の安定・分散性に寄与する大豆多糖類の量は、全大豆多糖類の量から乳タンパクの安定性に寄与している分を引いた残りだと考える。
2)乳タンパクの安定に寄与する大豆多糖類の量は無脂肪固形分(SNF)に依存すると考えられるため、(定数)×SNFと考えることができる。
3) 異なるSNFで評価が同じ○になる水準(水準2と水準13)においては、乳脂肪に寄与している大豆多糖類の量が同量だと考えられる。
4) したがって、水準2における乳脂肪に寄与している大豆多糖類の量=水準13における乳脂肪に寄与している大豆多糖類の量との方程式が成り立つ。また、上述の1)に基づくと、水準2における乳脂肪に寄与している大豆多糖類の量=(SNF0.4における全大豆多糖類量)−(定数)×SNFであり、また、水準13における乳脂肪に寄与している大豆多糖類の量=(SNF0.8における全大豆多糖類量)−(定数)×SNFである。
そのため、(SNF0.4における全大豆多糖類量)−(定数)×SNF=(SNF0.8における全大豆多糖類量)−(定数)×SNFとの方程式が得られ、当該方程式と表2に示す各値から、2)に係る定数0.0375≒「0.038」を得た。
5) A:大豆多糖類の含有量(質量%)、B:無脂乳固形分(SNF)(質量%)、C:乳脂肪分の安定性に寄与する大豆多糖類(質量%)、D:単位乳脂肪分(1質量%)あたりの安定性に寄与する大豆多糖類(質量%)、E:乳脂肪分(質量%)とするときに、以下の関係式が成り立つ。
C=A−0.038B・・・(式a)
6) また、条件を揃えるために乳脂肪1%当たりに換算するとき、D、C、Eは以下のように表すことができる。
D=C/E・・・(式b)
式aおよび式bより、各水準におけるDを求めた。
7) 求めたDと評価結果を照らし合わせたところ、一部重複してはいるもののDの値と評価結果には関係があり、D≧7.0だと○または◎、D≧8.5だと◎である結果となった。
Dと各評価(縦軸において×→1、○→2、◎→3と数字で表記)の関係をグラフにプロットしたものを図5に示す。
8) 上記D≧7.0またはD≧8.5と式aおよび式bとから以下の関係を導くことができるため、これにより本願に係る式(1)および式(2)を得た。
A≧0.038B+7.0Eの関係を満足すると○または◎
A≧0.038B+8.5Eの関係を満足すると◎
[試験例2:サイクル試験]
アイスクリームに代えて生クリーム(脂肪分:43質量%)を用い、無視乳固形分等について表2の値になるようにして調製した以外は試験例1に用いたサンプルと同様の方法で製造し、試験例1と同様のサイクル試験に供した。
結果を表2に示す。表2中、水準29〜31が式(1)を満足し、実施例に該当する。
また、水準30、31については式(2)も満足する。

表2から理解できるとおり、生クリームを用いた場合でも式(1)を満足する水準29〜31については上記(3)転回後に評価したときにリングおよび浮遊物の残存が抑えられていることが理解できる。


Claims (7)

  1. 脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料と、大豆多糖類とを含有し、
    下記の式(1)を満足する酸性乳性飲料。
    A≧0.038B+7.0E・・・(1)
    式(1)中、A:飲料あたりの大豆多糖類の含有量(質量%)、B:飲料あたりの無脂乳固形分(質量%)、E:飲料あたりの脂肪分(質量%)である。
  2. 下記の式(2)を満足する請求項1に記載の酸性乳性飲料。
    A≧0.038B+8.5E・・・(2)
    式(2)中、A、BおよびEは前述の通り。
  3. 前記乳由来原料がアイスクリーム、アイスミルクおよび生クリームからなる群から1種または2種以上選択される乳製品を含む請求項1または2に記載の酸性乳性飲料。
  4. 飲料あたりの無脂乳固形分の含有割合が0.1質量%以上3質量%以下であり、pHが4.6以下である請求項1から3のいずれか一つに記載の酸性乳性飲料。
  5. 容器詰飲料である請求項1から4のいずれか一つに記載の酸性乳性飲料。
  6. 飲料あたりの脂肪分が0.004質量%以上である請求項1から5のいずれか一つに記載の酸性乳性飲料。
  7. 脂肪分を6質量%以上含有する乳由来原料と、大豆多糖類とを含有する酸性乳性飲料の製造方法であって、
    得られる飲料において下記の式(1)を満足するように原材料を配合することを含む酸性乳性飲料の製造方法。
    A≧0.038B+7.0E・・・(1)
    式(1)中、A:飲料あたりの大豆多糖類の含有量(質量%)、B:飲料あたりの無脂乳固形分(質量%)、E:飲料あたりの脂肪分(質量%)である。
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