JP6910810B2 - アイスクリーム類由来の脂肪分含有飲料 - Google Patents
アイスクリーム類由来の脂肪分含有飲料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6910810B2 JP6910810B2 JP2017021988A JP2017021988A JP6910810B2 JP 6910810 B2 JP6910810 B2 JP 6910810B2 JP 2017021988 A JP2017021988 A JP 2017021988A JP 2017021988 A JP2017021988 A JP 2017021988A JP 6910810 B2 JP6910810 B2 JP 6910810B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- beverage
- pigment
- milk
- fat
- mass
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
- Non-Alcoholic Beverages (AREA)
Description
その一例としては、飲料を黄色に着色するための脂溶性色素であるβカロテン色素の使用が挙げられる(例えば特許文献1)。
このように浮遊脂肪分が着色されたり、油滴が生じたりすると製品としての外観が劣るようになり、その結果、商品価値も損なわれる。
[1] アイスクリーム類由来の脂肪分を含むとともに、水溶性色素を含有することにより着色されている飲料。
[2] 前記水溶性色素としてフラボノイド系色素及び/またはイリドイド系色素を含有する[1]に記載の飲料。
[3] 前記フラボノイド系色素がアントシアニン系色素及び/またはカルコン系色素を含む[2]に記載の飲料。
[4] 前記アントシアニン系色素が紫イモ色素である[3]に記載の飲料。
[5] 前記カルコン系色素がベニバナ黄色素である[3]に記載の飲料。
[6] 前記イリドイド系色素がクチナシ青色素である[2]に記載の飲料。
[7] 脂肪分の含有割合が飲料あたり0.005質量%以上である[1]から[6]のいずれか一つに記載の飲料。
[8] 前記飲料が酸性乳性飲料であり、飲料あたりの無脂乳固形分の含有割合が0.1質量%以上3質量%以下であり、pHが4.6以下である[1]から[7]のいずれか一つに記載の飲料。
[9] 容器詰飲料である[1]から[8]のいずれか一つに記載の飲料。
本実施形態は、アイスクリーム類由来の乳脂肪分と、水溶性色素とを含有する飲料に関する。本実施形態の飲料は、例えば酸性乳性飲料とすることができる。
酸性乳性飲料とは、そのpHが酸性(7未満)の範囲にある乳性飲料をいい、また、乳性飲料とは、乳を含む飲料をいう。
ここで、本明細書において、アイスクリーム類とは「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(乳等省令)により定められるものをいい、具体的には乳又はこれらを原料として製造した食品を加工し、又は主要原料としたものを凍結させたものであって、乳固形分3.0%以上を含むもの(発酵乳を除く。)をいう。より具体的には上記省令において記載される種類別アイスクリーム、種類別アイスミルク、種類別ラクトアイスのいずれかに分類されるものをいう。
本実施形態の飲料は、例えばアイスクリーム類を原料として用いることによりアイスクリーム類に由来する脂肪分を含有するようにすることができる。
飲料におけるアイスクリーム類の含有割合は特に限定されず、当業者が適宜設定できるが例えば嗜好性と乳脂肪浮上抑制の観点から0.01〜10質量%が好ましい。
本明細書において、水溶性色素は、油層と比較して水層への溶解性が高い色素を意味する。
水溶性色素としては、例えば、フラボノイド系色素、イリドイド系色素、アントラキノン系色素、などを挙げることができ、例えばこれらのうち1種または2種以上を含有するようにすることができる。このうち、フラボノイド系色素及び/またはイリドイド系色素を含有することが、色調及び汎用性の観点から好ましい。
また、フラボノイド系色素とは、1、3−ジフェニルプロパノイド骨格を有する化合物である色素を意味する。フラボノイド系色素としては、カルコン系色素(例えば、ベニバナ黄色素)、アントシアニン色素(例えば、紫イモ色素)を挙げることができる。また、アントシアニン系色素はアントシアニジン骨格を有する化合物である色素を意味する。アントシアニン系色素としては、紫イモ色素、赤キャベツ色素、紫コーン色素を挙げることができる。色調及び風味への影響の観点からベニバナ黄色素、紫イモ色素が好ましい。
イリドイド系色素とは1−イソプロピル−2,3−ジメチルシクロペンタン骨格を有する化合物の色素である。イリドイド系色素としては、クチナシ青色素、クチナシ赤色素を挙げることができ、色調の観点からクチナシ青色素が好ましい。
本実施形態の飲料における水溶性色素の含有割合は所望される飲料の外観に応じて適宜変更でき、特に限定されない。
例えば、本実施形態の飲料について上述のとおり酸性乳性飲料とすることができるが、このとき、ベニバナ黄色素と紫イモ色素が0.0001質量%〜0.01質量%で含有されることが、酸性pH領域での色調及び安定性と風味への影響の観点から好ましい。また、近年、ペットボトルの薄肉化に伴い酸素が飲料中に透過しやすい場合において、酸化による褐変や退色を抑制する観点から、ベニバナ黄色素、紫イモ色素、クチナシ青色素あるいはこれらの色素の組合せが好ましい。
ここで、本実施形態の飲料は、酸性乳を含むようにすることができる。本実施形態の飲料において原材料として用いられる酸性乳は、乳をpH4.6以下に酸性化したものであって、原料乳としては牛乳、山羊乳、羊乳、馬乳等の獣乳、大豆乳等の植物乳が挙げられる。形態としては全脂乳、脱脂乳あるいは乳清等を用いることができ、更には粉乳、濃縮乳からの還元乳等も使用できる。これらの乳は、酸性乳調製時において単独もしくは混合物として用いることができる。
上述の乳を酸性化して酸性乳とするには、公知の乳酸菌等の微生物による有機酸の生成による方法、有機酸類、無機酸類、果汁又はこれらの混合物等を乳に添加する方法、あるいはこれらの方法を併用する方法等により行なうことができる。このような乳の酸性化は、得られる酸性乳のpHが4.6以下となるように調整できれば公知の方法により行なうことができる。上述の乳に添加し得る有機酸類としては、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、琥珀酸、フマル酸等を挙げることができ、無機酸類としては、リン酸等を挙げることができる。また、果汁としては、リンゴ、オレンジ、葡萄、グレープフルーツ、ストロベリー、パイン、レモン等を挙げることができる。なお、特に限定されないが好ましいpHの下限値は3以上である。
また、本実施形態において酸性乳が用いられる場合は、結果的に酸性乳が用いられていればよく、どの段階で酸性に調整されたかは特に限定されない。例えば、他の原料と混合される前に乳のpHが4.6以下に調整されたもののほか、乳と他の原料とを混合した後に得られた混合物をpH4.6以下に調整するようにしてもよい。
乳蛋白質は、酸性条件下ではプラスの荷電をもったミセル構造を有し、なんらかの安定化技術を用いなければ数時間から数日の静置によって沈降する。豆乳蛋白質も同様である。
乳蛋白質の沈殿を抑制する製法に関しては、種々の工夫が提案されており、このうちの1つとして大豆多糖類を用いて静電気的、あるいは粒子表面の吸着層あるいは溶媒和層による立体障害的作用による分散の系が提案されている。
飲料における大豆多糖類の含有割合は特に限定されず、当業者が適宜設定することができるが、飲料(内容物)全体で0.03〜5質量%とすることが好ましい。
0.03質量%未満の場合には、乳の安定性が不安定となり、範囲内にある場合と比較して沈殿や凝集が生じやすくなる。また、より好ましい下限値は0.1質量%である。
一方、5質量%を超える添加の場合には、粘度の上昇および大豆繊維由来による風味不良等が生じて、範囲内にある場合と比較して爽やかな風味が得られ難くなるので好ましくない。また、より好ましい上限値は2質量%である。
また、本実施形態の飲料は、炭酸ガスが圧入された発泡性の飲料であってもよい。
一方、含有される脂肪分は1質量%以下であることが着色の原因となる乳脂肪浮上の抑制の観点から好ましい。
さらに、pHが4.6より高くなると、pHが4.6以下である場合と比較して酸性乳性飲料特有の風味が弱くなるため、また、pHが4.6を超えると微生物が繁殖しやすくなりより強力な殺菌を要するため風味への影響が大きいことから、pHが4.6以下であることが好ましい。なお、特に限定されないが好ましいpHの下限値は3以上である。
具体的には、例えば、アイスクリーム類、水溶性色素、液体原料、および必要によって加えられるその他の成分を混合し本実施形態の飲料を製造することができる。液体原料は水のほか、上述の他の成分の溶液や分散液であってもよい。原材料の混合する順序なども特に限定されず、当業者が適宜設定することができる。
均質化処理は、通常、ホモゲナイザーを用いて行うことができる。均質化条件は特に限定されないが、温度5〜25℃で圧力10〜50Mpaの条件が好ましく挙げられる。また、均質化処理は、殺菌処理の前後のいずれか、もしくは両方で行うことができる。
殺菌処理は、例えば、65℃で10分間と同等以上の殺菌価を有する加熱殺菌により行うことができる。殺菌処理の方法は特に制限されず、通常のプレート式殺菌、チューブラー式殺菌、レトルト殺菌、バッチ殺菌、オートクレーブ殺菌等の方法を採用することができる。また、殺菌処理は、均質化処理の前後のいずれか、もしくは両方で行うか、または容器充填前後のいずれか、もしくは両方で行うことができる。
殺菌処理後の本実施形態の飲料を容器詰飲料とする方法としては、例えば、容器に飲料をホットパック充填し、充填した容器を冷却する方法、又は容器充填に適した温度まで飲料を冷却して、予め洗浄殺菌した容器に無菌充填する方法などにより行うことができ、特に限定されない。
[参考例1]
水に果糖ぶどう糖液糖、還元脱脂乳を糖度(R.Brix)が最終的に5.6、無脂乳固形分が0.5質量%になるように加え、次いで大豆多糖類0.07質量%を加えたのちにアイスクリーム(乳脂肪分8.0質量%)を、0.1質量%加え、均一になるように撹拌した。次いで、クエン酸を酸度が最終的に0.17質量%になるように加え、クエン酸三ナトリウム溶液でpHを3.6に調整し、白桃果汁を最終的に1質量%となるように加えた。
得られた参考例1の溶液に対し、水溶性色素であるベニバナ黄色素(0.008質量%)及び紫イモ色素(0.0006質量%)を添加した。その後、得られた飲料を均質化・殺菌工程に供し、500mlペットボトルに詰めたものを実施例1の容器詰飲料とした。
ベニバナ黄色素及び紫イモ色素に代えて脂溶性色素であるカロテン色素(0.01質量%)を用いた以外は実施例1と同様に容器詰飲料を製造した。なお、実施例1と比較例1とは色調が同じになるようにしている。
試験例1:「1℃12時間静置、続いて55℃12時間静置」を1サイクルとした条件下に供し、これを6サイクル繰り返した。
試験例2:容器詰飲料を横向きに倒し、120rpmで12時間、水平方向に振盪した。
試験例1においては比較例1では液面に黄色い油滴発生が確認できる一方、実施例1では当該油滴の発生は確認されなかった。
また、試験例2についても、比較例1では生成したリングに着色が確認できる一方、実施例ではリングへの着色は確認されなかった。
参考例1の溶液について、白桃果汁1質量%に替えてメロン果汁1質量%を加え、その他は同様した溶液に、水溶性色素であるベニバナ黄色素(0.02質量%)及びクチナシ青色素(0.004質量%)を添加した。その後、得られた飲料を均質化・殺菌工程に供し、500mlペットボトルに詰めたものを実施例2の容器詰飲料とした。実施例1と同様に試験例1及び試験例2を行ったところ、実施例1と同様に、油滴の発生がなく、リングへの着色も確認されない飲料であった。
Claims (8)
- アイスクリーム類由来の脂肪分を含む容器詰め飲料の、浮遊している脂肪分への着色および油滴生成を抑制しての着色方法であって、
前記容器詰め飲料に水溶性色素を含有させることにより着色することを含む、前記着色方法。 - 前記水溶性色素としてフラボノイド系色素及び/またはイリドイド系色素を含有させる請求項1に記載の着色方法。
- 前記フラボノイド系色素がアントシアニン系色素及び/またはカルコン系色素を含む請求項2に記載の着色方法。
- 前記アントシアニン系色素が紫イモ色素である請求項3に記載の着色方法。
- 前記カルコン系色素がベニバナ黄色素である請求項3に記載の着色方法。
- 前記イリドイド系色素がクチナシ青色素である請求項2に記載の着色方法。
- 脂肪分の含有割合が飲料あたり0.005質量%以上である請求項1から6のいずれか一つに記載の着色方法。
- 前記容器詰め飲料が酸性乳性飲料であり、飲料あたりの無脂乳固形分の含有割合が0.1質量%以上3質量%以下であり、pHが4.6以下である請求項1から7のいずれか一つに記載の着色方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017021988A JP6910810B2 (ja) | 2017-02-09 | 2017-02-09 | アイスクリーム類由来の脂肪分含有飲料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017021988A JP6910810B2 (ja) | 2017-02-09 | 2017-02-09 | アイスクリーム類由来の脂肪分含有飲料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018126101A JP2018126101A (ja) | 2018-08-16 |
JP6910810B2 true JP6910810B2 (ja) | 2021-07-28 |
Family
ID=63171580
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017021988A Active JP6910810B2 (ja) | 2017-02-09 | 2017-02-09 | アイスクリーム類由来の脂肪分含有飲料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6910810B2 (ja) |
-
2017
- 2017-02-09 JP JP2017021988A patent/JP6910810B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018126101A (ja) | 2018-08-16 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7045189B2 (ja) | ウェランガム含有組成物 | |
JP6664221B2 (ja) | 酸性乳性飲料及びその製造方法 | |
CA2709844C (en) | Food product including one or more omega-3 fatty acids and one or more fruit flavors | |
CN104970103B (zh) | 一种碳酸乳饮品及其制备方法 | |
CN112137000A (zh) | 高蛋白水果味饮料、高蛋白水果和蔬菜制品及相关方法和食品产品 | |
US9980500B2 (en) | Liquid creamer composition comprising oleosomes as replacement for oil and method of using same | |
WO2001030170A1 (fr) | Procede de production de boissons acides contenant du lait basses calories | |
EP3316694B1 (en) | Creamers with improved texture/mouthfeel and method of making thereof | |
EP0581374A1 (en) | Alcoholic beverage | |
US20130224338A1 (en) | Light milk | |
JP6910810B2 (ja) | アイスクリーム類由来の脂肪分含有飲料 | |
CA2708200C (en) | Food product including one or more encapsulated omega-3 fatty acids and one or more fruit flavors | |
EP2509441B1 (en) | Carbonated fermented jellified food product | |
JP2761182B2 (ja) | 天然色素含有食品の褐変防止方法 | |
JP2007135427A (ja) | 飲料の製造方法、ならびに飲料および容器詰飲料 | |
JP6810629B2 (ja) | 酸性乳性飲料 | |
JP6351361B2 (ja) | ウリ科果菜汁入り飲料 | |
US20200214310A1 (en) | Creamers with improved texture/mouthfeel and method of making thereof | |
JP7425543B2 (ja) | 乳性飲料 | |
JPS5816857B2 (ja) | ヨ−グルト飲料の製造方法 | |
MXPA06013169A (es) | Metodo para la fabricacion de una preparacion basada en proteina de soya. |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200109 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20201014 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201117 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210107 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210629 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210707 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6910810 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |