JP2018124114A - 温度補償型てんぷ、ムーブメント及び時計 - Google Patents

温度補償型てんぷ、ムーブメント及び時計 Download PDF

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Abstract

【課題】温度補償性能に優れた高品質な温度補償型てんぷ、ムーブメント及び時計を提供する。
【解決手段】第1軸線O1に沿って延びるてん真61を有し、ひげぜんまい63の動力によって第1軸線O1回りに回動するてんぷ本体と、てんぷ本体における第1軸線O1回りで回転対称となる位置からそれぞれ第2軸線O2に沿って延設されるとともに、第2軸線O2回りでの位置が調整可能に構成され、熱膨張率の異なる材料が第2軸線O2に交差する方向に積層されたバイメタル片121を有する調整部100と、を備えている。
【選択図】図3

Description

本発明は、温度補償型てんぷ、ムーブメント及び時計に関する。
機械式時計の調速機として機能するてんぷは、軸線に沿って延びるてん真と、てん真に固定されたてん輪と、ひげぜんまいと、を備えている。てん真及びてん輪は、ひげぜんまいの伸縮に伴い、軸線回りに周期的に正逆回動(振動)する。
上述したてんぷでは、振動周期が予め決められた規定値内に設定されていることが重要とされている。仮に、振動周期が規定値からずれてしまうと、機械式時計の歩度(時計の遅れ、進みの度合い)が変化する。
てんぷの振動周期Tは、次式(1)で表される。式(1)において、Iはてんぷの「慣性モーメント」を示し、Kはひげぜんまいの「ばね定数」を示している。
Figure 2018124114
式(1)に基づくと、温度変化等により、てんぷの慣性モーメントIやひげぜんまいのばね定数Kが変化すると、てんぷの振動周期Tが変化する。具体的に、上述したてん輪は、熱膨張率が正の材料(温度上昇によって膨張する材料)により形成される場合がある。この場合、温度が上昇すると、てん輪が拡径し、慣性モーメントIが増加する。一方、ひげぜんまいは、ヤング率が負の温度係数を有する材料(例えば、鋼材料)により形成される場合がある。この場合、温度が上昇すると、ばね定数Kが低下する。
そのため、温度上昇に伴い、慣性モーメントIが増加したり、ばね定数Kが低下したりすることで、振動周期Tが長くなる。その結果、てんぷの振動周期Tが低温で短く、高温で長くなることで、時計の温度特性が低温で進み、高温で遅れることになる。
そこで、振動周期Tの温度依存性を改善するための対策として、ひげぜんまいの材料に恒弾性材料(例えば、コエリンバー等)を用いることが考えられる。恒弾性材料を用いることで、温度変化に伴うばね定数Kの変動を抑え、振動周期Tの温度依存性を抑えることができると考えられる。しかしながら、ヤング率の温度係数の変動を抑えるためには、厳密な製造管理を要し、ひげぜんまいの製造が難しいという課題があった。
一方、振動周期Tの温度依存性を改善するための対策として、てん輪における回転対称となる位置に、バイメタル片を設ける構成も考えられる。バイメタル片は、熱膨張率が異なる板材を積層して形成される。
この構成によれば、温度上昇時において、各板材の熱膨張率の差により、バイメタル片が例えば径方向の内側に向けて変形する。これにより、てん輪の平均径が縮径することで、慣性モーメントIを低下させることができる。その結果、慣性モーメントIの温度特性を補正でき、振動周期Tの温度依存性を抑えることができる。
さらに、例えば下記特許文献1には、各バイメタル片の有効長さ(てん輪からの突出量)を変更して、温度係数補正量(温度変化に対するバイメタル片の径方向への変化量)を変更できる構成が開示されている。この構成によれば、ヤング率の温度係数に応じて各バイメタル片の有効長さを調整することで、ヤング率の温度係数のばらつきを慣性モーメントIの温度特性によってキャンセルし易くなると考えられる。
英国特許256953号明細書
しかしながら、上述した特許文献1の構成にあっては、各バイメタル片の有効長さを揃えることが難しいという課題がある。各バイメタル片の有効長さが異なっていると、てんぷの重心が回動軸に対してずれる。その結果、てんぷの片重りが発生し、てんぷの姿勢による振動周期Tの変動が大きくなる(いわゆる、姿勢差が生じる。)。
また、ひげぜんまいの材料に恒弾性材料を用いる場合、ひげぜんまいの製造過程(例えば、溶解や熱処理)での加工条件によっては、ヤング率の温度係数が正又は負に変動する可能性がある。
しかしながら、従来のバイメタル片を備えたてんぷでは、慣性モーメントIの温度係数(温度特性の傾き)の調整が正及び負の何れか一方のみしかできなかった。
本発明は、上述した事情に考慮してなされたもので、温度補償性能に優れた高品質な温度補償型てんぷ、ムーブメント及び時計を提供することである。
上記課題を解決するために本発明の一態様に係る温度補償型てんぷは、第1軸線に沿って延びるてん真を有し、ひげぜんまいの動力によって前記第1軸線回りに回動するてんぷ本体と、前記てんぷ本体における前記第1軸線回りで回転対称となる位置からそれぞれ第2軸線に沿って延設されるとともに、前記第2軸線回りでの位置が調整可能に構成され、熱膨張率の異なる材料が前記第2軸線に交差する方向に積層されたバイメタル片を有する調整部と、を備えている。
本態様によれば、温度変化に伴いバイメタル片が変形することで、てんぷ本体の平均径が変化する。これにより、慣性モーメントの温度特性を補正することができる。
特に、本態様では、調整部が第2軸線回りで位置調整可能に構成されているため、ひげぜんまいにおけるヤング率の温度係数に応じてバイメタル片の向きを変更することができる。これにより、バイメタル片の温度係数補正量を正及び負の両方に変更でき、てんぷの慣性モーメントの温度係数を正及び負の両方に補正できる。すなわち、ヤング率の温度係数のばらつきを、てんぷの慣性モーメントの温度特性によりキャンセルし易くなる。その結果、てんぷの振動周期を一定に保つことができ、温度補償特性に優れたてんぷを提供できる。
しかも、本態様では、バイメタル片の向きを変更したとしても、調整部の第2軸線方向の長さが一定に維持される。そのため、従来のようにバイメタル片の有効長さを変更する場合と異なり、所定温度(常温(例えば、23℃程度))においててんぷの重心がずれるのを抑制できる。その結果、片重りの発生を抑制し、姿勢差を低減できる。
上記態様において、前記てんぷ本体は、前記てん真と、前記第1軸線に直交する第1径方向の外側から前記てん真を囲繞するリム部を有し、前記てん真に取り付けられたてん輪と、を備え、前記調整部は、前記リム部から延設されていてもよい。
本態様によれば、調整部がてん輪のリム部に設けられているため、第1径方向において調整部を第1軸線から遠ざけることができる。これにより、調整部の半径変形量(第1径方向において、所定温度での調整部の先端部と第1軸線との距離と、温度変化時での調整部の先端部と第1軸線との距離の差)を大きくすることが可能になり、バイメタル片による温度係数補正量を大きくすることができる。
上記態様において、前記調整部は、第1軸線方向から見た平面視で、前記リム部の内側に配置されるとともに、前記リム部の接線方向に沿って延在していてもよい。
本態様によれば、調整部の追加に伴うてんぷの大型化を抑制した上で、温度変化に伴う半径変形量を確保できる。
上記態様において、前記バイメタル片は、第1軸線方向で前記リム部と異なる位置に配置されていてもよい。
本態様によれば、温度変化に伴う調整部の第1径方向への変形時に、リム部と調整部との干渉を抑制でき、調整部の半径変形量を確保できる。
上記態様において、前記調整部は、錘部を備えていてもよい。
本態様によれば、調整部の重量を増大させることができるため、バイメタル片による温度係数補正量を大きくすることができる。
上記態様において、前記てんぷ本体には、前記てんぷ本体を第2軸線方向に貫通する貫通孔が形成され、前記調整部は、前記バイメタル片に対して前記第2軸線方向の一方側に位置して前記貫通孔内に嵌合された固定部を備え、前記固定部において、前記第2軸線方向で前記一方側を向く端面には、工具が係止される係止部が形成されていてもよい。
本態様によれば、貫通孔を通じて固定部の係止部に工具を係止することができる。そのため、調整部の第2軸線回りの位置調整を簡単に行うことができる。しかも、固定部を介して調整部の回転角度を変更することで、先端部(バイメタル片や錘部)を介して調整部の回転角度を変更する場合に比べ、調整部の位置調整時における調整部の塑性変形を抑制できる。そのため、調整部の塑性変形によって所定温度での歩度のばらつきが生じるのを抑制できる。
上記態様において、前記調整部は、前記第2軸線に沿って片持ちで延在していてもよい。
本態様によれば、温度変化に伴う半径変形量を確保することができ、バイメタル片による温度係数補正量を大きくすることができる。
上記態様において、前記ひげぜんまいは、恒弾性材料により形成されていてもよい。
本態様によれば、温度変化に伴うヤング率の変化を小さくして、振動周期の温度依存性を抑えることができる。しかも、本態様では、ヤング率の温度係数のばらつきを調整部の回転角度によって補正できるので、ひげぜんまいの製造時での製造管理が容易になる。そのため、ひげぜんまいの製造効率を向上させるとともに、低コスト化を図ることができる。
上記態様において、前記調整部の重心は、前記第2軸線上に位置していてもよい。
本態様によれば、調整部の重心が第2軸線上に位置しているため、調整部の第2軸線回りの位置を調整した場合に、調整部の回転角度によって調整部の重心が第2軸線からずれるのを防止できる。その結果、調整部の回転角度に応じててんぷの重心がずれるのを抑制できるので、姿勢差を確実に低減できる。
本発明の一態様に係るムーブメントは、上記態様の温度補償型てんぷを備えていてもよい。
本発明の一態様に係る時計は、上記態様のムーブメントを備えていてもよい。
本態様によれば、上記本態様の温度補償型てんぷを備えているため、歩度のばらつきの少ない高品質なムーブメント及び時計を提供できる。
本発明によれば、温度補償性能に優れた高品質な温度補償型てんぷ、ムーブメント及び時計を提供することができる。
第1実施形態に係る時計の外観図である。 第1実施形態に係るムーブメントを表側から見た平面図である。 第1実施形態に係るてんぷを表側から見た平面図である。 第1実施形態に係るてんぷの側面図である。 図3のV−V線に相当する断面図である。 図3のVI−VI線に沿う断面図である。 調整部の動作を説明するためのてんぷの部分平面図である。 調整部が基準位置にある状態において、調整部を拡大して示す断面図である。 調整部の回転角度θが45(deg)にある状態において、調整部を拡大して示す断面図である。 調整部の回転角度θが90(deg)にある状態において、調整部を拡大して示す断面図である。 調整部の回転角度θが−45(deg)にある状態において、調整部を拡大して示す断面図である。 調整部の回転角度θが−90(deg)にある状態において、調整部を拡大して示す断面図である。 調整部の回転角度θを−90(deg)〜90(deg)まで変化させた場合の、バイメタル片の向きと、バイメタル片の変形量と、の関係を示すグラフである。 調整部の回転角度θと、半径変化量ΔRと、の関係を示すグラフである。 ひげぜんまいのヤング率の温度係数の違いによる、温度(℃)と歩度との関係を示すグラフである。 第2実施形態に係るてんぷの斜視図である。 変形例に係るてんぷを表側から見た平面図である。 変形例に係る図6に対応する断面図である。 変形例に係るてんぷの部分平面図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
[時計]
図1は、時計1の外観図である。なお、以下に示す各図では、図面を見やすくするため、時計用部品のうち一部の図示を省略しているとともに、各時計用部品を簡略化して図示している場合がある。
図1に示すように、本実施形態の時計1は、ムーブメント2や文字板3、各種指針4〜6等が時計ケース7内に組み込まれて構成されている。
時計ケース7は、ケース本体11と、ケース蓋(不図示)と、カバーガラス12と、を備えている。ケース本体11の側面のうち、3時位置(図1の右側)にはりゅうず15が設けられている。りゅうず15は、ケース本体11の外側からムーブメント2を操作するためのものである。りゅうず15は、ケース本体11内に挿通された巻真19に固定されている。
[ムーブメント]
図2は、ムーブメント2を表側から見た平面図である。
図2に示すように、ムーブメント2は、ムーブメント2の基板を構成する地板21に複数の歯車体等が回転可能に支持されて構成されている。なお、以下の説明では、地板21に対して時計ケース7のカバーガラス12側(文字板3側)をムーブメント2の「裏側」と称し、ケース蓋側(文字板3側とは反対側)をムーブメント2の「表側」と称する。また、以下で説明する各歯車体は、何れもムーブメント2の表裏面方向を軸方向として設けられている。
地板21には、上述した巻真19が組み込まれている。巻真19は、日付や時刻の修正に用いられる。巻真19は、その軸線周りに回転可能、かつ軸方向に移動可能とされている。巻真19は、おしどり23、かんぬき24、かんぬきばね25および裏押さえ26を含む切換装置によって、軸線方向の位置が決められている。
巻真19を回転させると、つづみ車(不図示)の回転を介してきち車31が回転する。きち車31の回転により丸穴車32及び角穴車33が順に回転し、香箱車34に収容されたぜんまい(不図示)が巻き上げられる。
香箱車34は、地板21と香箱受35との間で回転可能に支持されている。二番車41、三番車42、四番車43は、地板21と輪列受45との間で回転可能に支持されている。
ぜんまいの復元力により香箱車34が回転すると、香箱車34の回転により二番車41、三番車42及び四番車43が順に回転する。香箱車34、二番車41、三番車42及び四番車43は、表輪列を構成する。
上述した表輪列のうち、二番車41には、分針5(図1参照)が取り付けられている。二番車41の回転に伴って回転する筒車(不図示)には、上述した時針4が取り付けられている。また、秒針6(図1参照)は、四番車43の回転に基づいて回転するように構成されている。
ムーブメント2には、調速脱進機51が搭載されている。
調速脱進機51は、がんぎ車52、アンクル53及びてんぷ(温度補償型てんぷ)54を有している。
がんぎ車52は、地板21と輪列受45との間で回転可能に支持されている。がんぎ車52は、四番車43の回転に伴い回転する。
アンクル53は、地板21とアンクル受55との間で往復回動可能に支持されている。アンクル53は、一対のつめ石56a,56bを備えている。つめ石56a,56bは、アンクル53の往復回動に伴いがんぎ車52のがんぎ歯車52aに交互に係合する。がんぎ車52は、一対のつめ石56a,56bのうち、一方のつめ石ががんぎ歯車52aに係合しているとき、一時的に回転が停止する。また、がんぎ車52は、一対のつめ石56a,56bががんぎ歯車53aから離脱しているとき、回転する。これらの動作が連続的に繰り返されることにより、がんぎ車52が間欠的に回転する。そして、がんぎ車52の間欠的な回転運動により、上述した輪列(表輪列)が間欠的に動作することで、表輪列の回転が制御される。
<てんぷ>
図3は、てんぷ54を表側から見た平面図である。図4は、てんぷ54の側面図である。
図3、図4に示すように、てんぷ54は、がんぎ車52を調速する(がんぎ車52を一定速度で脱進させる。)。てんぷ54は、てん真61、てん輪62及びひげぜんまい63を主に有している。
図4に示すように、てん真61は、地板21とてんぷ受65との間で、第1軸線O1回りに回動可能に支持されている。以下の説明では、第1軸線O1に沿う方向を第1軸線方向といい、第1軸線O1に直交する方向を第1径方向といい、第1軸線O1回りに周回する方向を第1周方向という場合がある。この場合、第1軸線方向は、表裏面方向に一致している。
てん真61は、ひげぜんまい63から伝えられた動力によって第1軸線O1回りに一定の振動周期で正逆回動する。てん真61における第1軸線方向の表側端部は、軸受(不図示)を介しててんぷ受65に支持されている。てん真61における第1軸線方向の裏側端部は、地板21に形成された軸受(不図示)に支持されている。
てん真61における第1軸線方向の裏側端部には、振り座67が外嵌されている。振り座67は、第1軸線O1と同軸上に配置された筒状に形成されている。振り座67における第1周方向の一部には、振り石68が設けられている。振り石68は、てんぷ54の往復回動に同期してアンクル53のアンクルハコとの係合及び離脱を繰り返す。これにより、アンクル53が往復回動することで、つめ石56a,56bががんぎ車52との係合及び離脱を繰り返す。
図5は、図3のV−V線に相当する断面図である。
図3、図5に示すように、てん輪62は、てん真61における振り座67に対して第1軸線方向の表側に固定されている。てん輪62は、ハブ部71、あみだ部72及びリム部73を主に備えている。本実施形態において、ハブ部71、あみだ部72及びリム部73は、金属材料(例えば、真鍮等)により一体形成されている。
ハブ部71は、てん真61に圧入等によって固定されている。
あみだ部72は、ハブ部71から第1径方向の外側に突設されている。本実施形態において、あみだ部72は、ハブ部71における第1軸線O1を間に挟んで第1径方向で対向する位置から突設されている。但し、あみだ部72の突設位置や本数等は適宜変更が可能である。
リム部73は、第1軸線O1と同軸上に配置された環状に形成されている。リム部73は、ハブ部71を第1径方向の外側から囲繞している。リム部73の内周面には、あみだ部72における第1径方向の外側端部が接続されている。
ひげぜんまい63は、第1軸線方向から見た平面視で渦巻状の平ひげである。ひげぜんまい63は、アルキメデス曲線に沿うように巻回されている。ひげぜんまい63の内端部は、ひげ玉75を介しててん真61に連結されている。ひげぜんまい63の外端部は、ひげ持(不図示)を介しててんぷ受65に接続されている。ひげぜんまい63は、四番車43からがんぎ車52に伝えられた動力を蓄え、てん真61に伝える役割を果たしている。
本実施形態において、ひげぜんまい63には、恒弾性材料(例えば、コエリンバー等)が好適に用いられる。ひげぜんまい63は、使用温度範囲でのヤング率が正の温度特性になっている。この場合、ひげぜんまい63のヤング率の温度係数は、温度変化に伴うてん輪62の慣性モーメントの温度特性に対して、てんぷ54の振動周期がなるべく一定になるように調整されている。但し、ひげぜんまい63は、恒弾性材料以外の材料により形成しても構わない。この場合、ひげぜんまい63としては、ヤング率が負の温度係数(温度上昇によってばね定数が低下する特性)を有する一般的な鋼材料を用いることが可能である。
ここで、本実施形態のてんぷ54は、てん輪62における第1軸線O1回りで回転対称となる位置(本実施形態では、2回対称)に、一対の調整部100を有している。
なお、ここでいう回転対象とは、図形を特徴づけるための表現の一例であり、公知の概念である、具体的には、例えば、nを2以上の整数とし、ある中心(2次元図形の場合)または軸(3次元図形の場合)の周りを(360/n)°回転させると自らと重なる性質を、n回対称、またはn相対称、(360/n)度対称などという。例えば、n=2の場合、180°回転させると自らと重なる2回対称となる。各調整部100は、リム部73の接線に平行な第2軸線O2に沿って延びる棒状に形成されている。各調整部100は、リム部73に連設された一対の支持部110に各別に支持されている。各調整部100同士及び支持部110同士は、互いに同等の構成であるため、以下の説明では、一方の調整部100及び支持部110を例にして説明する。また、以下の説明では、第2軸線O2に沿う方向を第2軸線方向といい、第2軸線O2に直交する方向を第2径方向といい、第2軸線O2回りに周回する方向を第2周方向という場合がある。
図6は、図3のVI−VI線に沿う断面図である。
支持部110は、リム部73の内周面から第1径方向の内側に膨出している。支持部110には、第2軸線方向に沿って支持部110を貫通する取付孔(貫通孔)115が形成されている。取付孔115は、第2軸線方向から見た正面視で円形状(真円形状)に形成されている。なお、取付孔115の形状は、円形状に限らず、矩形状や三角形状等であっても構わない。
支持部110における第1軸線方向の裏側に位置する部分には、取付孔115内に連通するスリット116が形成されている。スリット116は、支持部110における第2軸線方向の全体に亘って形成されている。
図4に示すように、リム部73において、第2軸線方向から見て取付孔115と重なり合う部分には、リム部73を第2軸線方向に貫通する作業孔(貫通孔)117が形成されている。作業孔117は、図示しない工具(例えば、マイナスドライバ等)を挿入可能に構成されている。
図3に示すように、調整部100は、リム部73の内側において、支持部110に片持ちで支持されている。具体的に、調整部100は、第2軸線方向の基端側(固定端側)から先端側(自由端側)にかけて、固定部120、バイメタル片121及び錘部122が連なって形成されている。
図6に示すように、固定部120は、例えば金属材料により形成されている。固定部120は、上述した取付孔115に対応して、第2軸線方向から見た正面視で円形状に形成されている。固定部120は、上述した取付孔115内に圧入(弾性保持)されている。なお、固定部120は、取付孔115及び作業孔117に跨るように圧入されていてもよい。
本実施形態において、固定部120と取付孔115との間の締め代は、調整部100に対して第2軸線O2回り(第2周方向)に所定のトルクを付与した場合に、調整部100が第2軸線O2回りに回転可能な程度に設定されている。すなわち、本実施形態の調整部100は、固定部120の外周面が取付孔115の内周面を摺動しながら、第2軸線O2回りに回転することで、第2軸線O2回りでの位置が調整可能に構成されている。
なお、固定部120の断面形状は、円形状に限らず、矩形状や三角形状等であっても構わない。また、本実施形態では、固定部120の断面形状が取付孔115に対応して形成されている場合について説明したが、固定部120が第2軸線O2回りに回転可能に構成されていれば、固定部120及び取付孔115は互いに異形であっても構わない。
図4に示すように、固定部120における第2軸線方向の基端面には、係止部135が形成されている。係止部135は、第2径方向に沿って直線状に延びる溝である。係止部には、作業孔117を通じて工具が挿し入れられる。なお、係止部135は、工具に係止可能な構成であれば、溝に限られない。
図3に示すように、バイメタル片121は、固定部120における第2軸線方向の先端面に接合(例えば、溶接や接着等)されている。バイメタル片121は、リム部73に対して第1径方向の内側において、第2軸線方向に沿って直線状に延びる板状に形成されている。バイメタル片121は、熱膨張率の異なる2枚の板材(低膨張部材130及び高膨張部材131)が第2径方向に重ね合わされて構成されている。本実施形態において、低膨張部材130には、インバー(Ni−Fe合金)やシリコン、セラミックス等が好適に用いられる。高膨張部材131には、銅や銅合金、アルミニウム等が好適に用いられる。低膨張部材130及び高膨張部材131は、互いに同等の形状(第2軸線O2に直交する断面形状が矩形状)をなしている。図示の例において、低膨張部材130及び高膨張部材131の境界部分は、第2軸線O2上に位置している。なお、各調整部100は、重心がそれぞれ第2軸線O2上に位置していることが好ましい。そのため、低膨張部材130及び高膨張部材131の板厚は互いに異なっていても構わない(板厚は適宜変更可能である)。低膨張部材130及び高膨張部材131の板厚が異なる場合、低膨張部材130及び高膨張部材131の境界部分は第2軸線O2と平行に延在する。
バイメタル片121(低膨張部材130及び高膨張部材131)は、調整部100の第2軸線O回りの回転に伴い、第2径方向での向きが変更可能に構成されている。バイメタル片121は、低膨張部材130及び高膨張部材131の熱膨張率の差を利用して、温度変化に伴い第2径方向に変形可能に構成されている。なお、バイメタル片121の具体的な動作については後述する。
図3に示すように、錘部122は、バイメタル片121における第2軸線方向の先端面に接合(例えば、溶接や接着等)されている。錘部122は、例えば金属材料により形成されている。錘部122は、第2軸線O2に直交する断面形状が円形状に形成されている。第2軸線方向から見た正面視において、錘部122の外形はバイメタル片121よりも大きくなっている。なお、錘部122は、バイメタル片121に着脱可能に取り付けられる構成であっても構わない。
[温度補正方法]
次に、上述したてんぷ54において、温度係数補正量の調整方法について説明する。図7は、調整部100の動作を説明するためのてんぷ54の部分平面図である。図7の状態において、バイメタル片121は、低膨張部材130が第1径方向の内側に位置した状態で、低膨張部材130及び高膨張部材131が第1径方向に並んでいる。
図7に示すように、本実施形態のてんぷ54では、温度変化が生じると、低膨張部材130及び高膨張部材131の熱膨張率の差によってバイメタル片121が屈曲変形する。具体的に、所定温度T0(常温(例えば、23℃程度))に対して温度上昇した場合には、高膨張部材131が低膨張部材130よりも膨張する。これにより、調整部100が、低膨張部材130及び高膨張部材131の積層方向の一方側(図7における第1径方向の内側)に変形する。所定温度T0に対して温度低下した場合には、高膨張部材131が低膨張部材130よりも収縮する。これにより、調整部100が、積層方向の他方側(図7における第1径方向の外側)に変形する。
調整部100が変形することで、調整部100の先端部と第1軸線O1との第1径方向での距離が変化する。具体的に、所定温度T0での調整部100の先端部と第1軸線O1との第1径方向での距離R0とし、温度変化時での調整部100の先端部と第1軸線O1との第1径方向での距離をR1とした場合、距離R0と距離R1との差分が第1径方向での半径変化量ΔRとなる。そして、半径変化量ΔRに応じててん輪62の平均径を縮径又は拡径させることができ、てんぷ54の第1軸線O1回りの慣性モーメントを変化させることができる。すなわち、温度上昇した場合には、てん輪62の平均径を縮径させて慣性モーメントを小さくすることができる。温度低下した場合には、てん輪62の平均径を拡径させて慣性モーメントを大きくすることができる。これにより、慣性モーメントの温度係数を補正することができる。
ところで、本実施形態のように、ひげぜんまい63に恒弾性材料を用いる場合、ひげぜんまいの製造過程(例えば、溶解や熱処理)での加工条件によっては、ヤング率の温度係数が正又は負に変動する可能性がある。
これに対して、本実施形態では、ひげぜんまい63のヤング率の温度係数に応じて、バイメタル片121の向き(第2軸線O2回りの回転角度θ)を変更できるようになっている。具体的には、図4に示す調整部100の係止部135内に、作業孔117を通じて工具を係止する。そして、工具を第2軸線O2回りに回転させることで、固定部120の外周面が取付孔115の内周面を摺動しながら、調整部100が第2軸線O2回りに回転する。これにより、回転角度θが変更される。
図8〜図12は、調整部100を拡大して示す断面図である。
図8に示す状態では、低膨張部材130及び高膨張部材131が第1軸線方向に並んだ状態で、低膨張部材130が第1軸線方向の表側に位置している。この状態を、調整部100の基準位置(0(deg))として、第2軸線O2回りの回転角度θが調整される。例えば、図9では、基準位置から第2軸線O2回りの時計回り方向(+方向)に調整部100を45(deg)回転させている。図10では、基準位置から第2軸線O2回りの時計回り方向(+方向)に調整部100を90(deg)回転させている。
図11では、基準位置から第2軸線O2回りの反時計回り方向(−方向)に調整部100を−45(deg)回転させている。図12では、基準位置から第2軸線O2回りの時計回り方向(−方向)に調整部100を−90(deg)回転させている。
図13は、同一温度(高温時)において、調整部100の回転角度θを−90(deg)〜90(deg)まで変化させた場合の、バイメタル片121の向きと、バイメタル片121の変形量と、の関係を示すグラフである。図13において、X軸は、バイメタル片121の変形ベクトルのうち、第1径方向に沿う成分(以下、X成分という。)を示している。また、Y軸は、バイメタル片121の変形ベクトルのうち、第1軸線方向に沿う成分(以下、Y成分という。)を示している。この場合、図13において、−X方向が第1径方向の内側に一致し、+X方向が第1径方向の外側に一致している。また、図13において、原点に位置するバイメタル片121は、所定温度T0(変形前)の状態を示している。
図13に示すように、調整部100が基準位置(0(deg))にある場合、バイメタル片121は第1軸線方向の表側のみに変形する(図13におけるA1)。そのため、基準位置では、バイメタル片121の変形ベクトルのうち、Y成分が最大となり、X成分が0となる。この場合には、半径変化量ΔRは0であるため、慣性モーメントの温度係数は変化しない。
調整部100を基準位置から+方向に回転させると、バイメタル片121が第1径方向の外側にも変形することで、バイメタル片121の変形ベクトルのうち、+X成分が生成される(図13におけるA2,A3)。そして、回転角度θを+方向に大きくすることで、+X成分が徐々に大きくなる。すなわち、調整部100の回転角度θを基準位置から+方向に位置させることで、温度上昇時におけるてんぷ54の慣性モーメントの増加量を大きくすることができる。しかも、回転角度θが90(deg)の場合(図13におけるA3)、バイメタル片121が第1径方向の外側のみに変形する。そのため、回転角度θが90(deg)の場合では、+X成分が最大となり、Y成分が0となる。このように、調整部100を基準位置から+方向に回転させることで、慣性モーメントの温度係数を大きくすることができる。
一方、調整部100を基準位置から−方向に回転させると、バイメタル片121が第1径方向の内側にも変形することで、バイメタル片121の変形ベクトルのうち、−X成分が生成される(図13におけるA4,A5)。そして、回転角度θを−方向に大きくすることで、−X成分が大きくなる。すなわち、調整部100の回転角度θを基準位置から−方向に位置させることで、温度上昇時におけるてんぷ54の慣性モーメントの増大を抑制できる。しかも、回転角度θが90(deg)の場合(図13におけるA5)、バイメタル片121が第1径方向の内側のみに変形する。そのため、回転角度θが90(deg)の場合では、−X成分が最大となり、Y成分が0となる。このように、調整部100を基準位置から−方向に回転させることで、慣性モーメントの温度係数を小さくすることができる。
図14は、調整部100の回転角度θと、半径変化量ΔRと、の関係を示すグラフである。
図14に示すように、上述した図13での結果から、調整部100を基準位置から+方向に回転させると、調整部100の半径変化量ΔRが+方向(第1径方向の外側)に大きくなる。一方、調整部100を基準位置から−方向に回転させると、調整部100の半径変化量ΔRが−方向(第1径方向の内側)に大きくなる。
図15は、ひげぜんまい63のヤング率の温度係数の違いによる、温度(℃)と歩度との関係を示すグラフである。図15において、破線G1は歩度(てんぷ54の振動周期)が負の温度特性を有する場合、鎖線G2は歩度が正の温度特性を有する場合を示している。
図15のG1に示すように、ひげぜんまい63のヤング率とてんぷ54の慣性モーメントとの関係により、歩度が負の温度特性を有する場合は、温度上昇に伴い歩度が遅れる傾向にある。この場合には、調整部100を基準位置から−方向に回転させる。これにより、温度上昇に伴う第1径方向の内側への半径変化量ΔRを確保して、慣性モーメントの温度係数を小さくすることができるので、温度上昇に伴うてんぷ54の慣性モーメントの増大を抑制できる。その結果、てんぷ54の振動周期の温度係数がゼロに近づく方向に調整され、温度変化に関わらず歩度が一定に維持される(図15における実線G3参照)。
一方、図15のG2に示すように、ひげぜんまい63のヤング率とてんぷ54の慣性モーメントとの関係により、歩度が正の温度特性を有している場合は、温度上昇に伴い歩度が進む傾向にある。この場合には、調整部100を基準位置から+方向に回転させる。これにより、温度上昇に伴う第1径方向の外側への半径変化量ΔRを確保して、慣性モーメントの温度係数を大きくすることができるので、温度上昇に伴うてんぷ54の慣性モーメントの増加量を大きくできる。その結果、てんぷ54の振動周期の温度係数がゼロに近づく方向に調整され、温度変化に関わらず歩度が一定に維持される(図15における実線G3参照)。
このように、歩度の温度特性に応じて、調整部100の回転角度θを変更することで、てんぷ54の慣性モーメントの温度係数を正及び負の両方に補正できる。これにより、ヤング率の温度係数のばらつきを、てんぷ54の慣性モーメントの温度特性によりキャンセルし易くなる。
以上、本実施形態によれば、てん輪62における回転対称となる位置にバイメタル片121が設けられている構成とした。
この構成によれば、温度変化に伴いバイメタル片121が変形することで、てん輪62の平均径が変化する。これにより、慣性モーメントの温度特性を補正することができる。
特に、本実施形態では、調整部100が第2軸線O2回りで位置調整可能に構成されている。そのため、ひげぜんまい63におけるヤング率の温度係数に応じてバイメタル片121の向きを変更することができる。これにより、バイメタル片121の温度係数補正量を正及び負の両方に変更でき、てんぷ54の慣性モーメントの温度係数を正及び負の両方に補正できる。すなわち、ヤング率の温度係数のばらつきを、てんぷ54の慣性モーメントの温度特性によりキャンセルし易くなる。その結果、てんぷ54の振動周期を一定に保つことができ、温度補償特性に優れたてんぷ54を提供できる。
しかも、本実施形態では、バイメタル片121の向きを変更したとしても、調整部100の第2軸線O2方向の長さが一定に維持される。そのため、従来のようにバイメタル片121の有効長さを変更する場合と異なり、所定温度T0においててんぷ54の重心がずれるのを抑制できる。その結果、片重りの発生を抑制し、姿勢差を低減できる。
本実施形態では、調整部100がてん輪62のリム部73に設けられているため、第1径方向において調整部100を第1軸線O1から遠ざけることができる。これにより、半径変形量ΔRを大きくすることが可能になり、バイメタル片121による温度係数補正量を大きくすることができる。
本実施形態では、調整部100が、リム部73に対して第1径方向内側に配置されるとともに、リム部73の接線に沿って延在している構成とした。
この構成によれば、調整部100の追加に伴うてんぷ54の大型化を抑制した上で、温度変化に伴う半径変形量ΔRを確保できる。
本実施形態では、調整部100が先端部に錘部122を有しているため、調整部100のうち最大変形部である先端部の重量を増大させることができる。そのため、バイメタル片121による温度係数補正量を大きくすることができる。
本実施形態では、調整部100が片持ちで延在しているため、温度変化に伴う半径変形量ΔRを確保することができ、バイメタル片121による温度係数補正量を大きくすることができる。
本実施形態では、リム部73に作業孔117が形成されているため、作業孔117を通じて固定部120の係止部に工具を係止することができる。そのため、調整部100の第2軸線O2回りでの位置調整を簡単に行うことができる。しかも、固定部120を介して調整部100の回転角度θを変更することで、先端部(バイメタル片121や錘部122)を介して調整部100の回転角度θを変更する場合に比べ、調整部100の位置調整時における調整部100の塑性変形を抑制できる。そのため、調整部100の塑性変形によって所定温度T0での歩度のばらつきが生じるのを抑制できる。
本実施形態では、ひげぜんまい63が恒弾性材料により形成されている構成とした。
この構成によれば、温度変化に伴うヤング率の変化を小さくして、振動周期の温度依存性を抑えることができる。しかも、本実施形態では、ヤング率の温度係数のばらつきを調整部100の回転角度θによって補正できるので、ひげぜんまい63の製造時での製造管理が容易になる。そのため、ひげぜんまい63の製造効率を向上させるとともに、低コスト化を図ることができる。
本実施形態では、調整部100の重心が第2軸線O2上に位置しているため、調整部100の第2軸線O2回りの位置を調整した場合に、調整部100の回転角度θによって調整部100の重心が第2軸線O2からずれるのを防止できる。その結果、調整部100の回転角度θに応じててんぷ54の重心がずれるのを抑制できるので、姿勢差を確実に低減できる。
本実施形態のムーブメント2及び時計1は、上述したてんぷ54を備えているため、歩度のばらつきの少ない高品質なムーブメント2及び時計1を提供できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図16は、第2実施形態に係るてんぷ201の斜視図である。本実施形態では、支持部202がリム部73から第1軸線方向に突出している点で、上述した実施形態と相違している。以下の説明では、上述した実施形態と同等の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
図16に示すてんぷ201において、リム部73の回転対称となる位置には、支持部202が形成されている。支持部202は、リム部73から第1軸線方向の裏側に突出するとともに、第1径方向の内側に張り出している。支持部202におけるリム部73に対して第1径方向の内側に張り出した部分には、支持部202を第2軸線方向に貫通する取付孔205が形成されている。各取付孔205には、調整部100の固定部120がそれぞれ圧入されている。
このように、本実施形態では、リム部73と調整部100とが第1軸線方向で異なる位置に配置されている。そのため、温度変化に伴う調整部100の第1径方向への変形時に、リム部73と調整部100との干渉を抑制でき、調整部100の半径変形量ΔRを確保できる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、リム部73の回転対称となる位置に調整部100が2つ設けられている構成について説明したが、この構成のみに限られない。すなわち、各調整部100が回転対称となる位置に設けられていれば、例えば図17に示すように、調整部100を3つ以上の複数設けても構わない。
上述した実施形態では、固定部120の外周面が取付孔115の内周面に摺動しながら、調整部100が第2軸線O2回りに回転する構成について説明したが、この構成のみに限られない。すなわち、調整部100が第2軸線O2回りで位置調整可能に構成されていれば構わない。この場合、例えば図18に示すように、固定部120に形成された雄スプライン120aが取付孔115に形成された雌スプライン115aに係合する構成であっても構わない。この構成によれば、バイメタル片121の向きを合わせた上で固定部120を取付孔115内に嵌合させることで、第2軸線O2回りで調整部100の位置を調整できる。
なお、調整部100を位置調整した後、調整部100を支持部110に対して回転不能に固定しても構わない。調整部100の固定方法としては、溶接や接着等であってもよく、別途の締結部材(例えば、止めねじ等)を用いて固定しても構わない。
上述した実施形態では、固定部120が取付孔115内に嵌合された構成について説明したが、この構成のみに限らず、調整部100の取付方法は適宜変更が可能である。例えば、リム部73に形成された凸部を、調整部100に形成された凹部に嵌合させても構わない。
上述した実施形態では、調整部100の第2軸線O2がリム部73の接線に沿って延在する構成について説明したが、この構成のみに限られない。すなわち、温度変化に伴うバイメタル片121の変形によって調整部100の変形ベクトルにX成分が生成される構成であれば構わない。この場合、第2軸線O2は、第1軸線方向に交差する方向や、第1軸線方向に平行な方向等に設定することが可能である。
上述した実施形態では、調整部100が支持部110を介してリム部73に支持された構成について説明したが、この構成のみに限られない。すなわち、てんぷ54のうち、ひげぜんまい63の動力によって回転する部分(てんぷ本体)に調整部100が設けられていれば構わない。この場合、てんぷ本体としては、てん真61やてん輪62(ハブ部71やあみだ部72等)、振り座67等が挙げられる。
上述した実施形態では、低膨張部材130及び高膨張部材131が同形状の板材により形成された場合について説明したが、この構成のみに限られない。例えば、図19に示すように、低膨張部材130及び高膨張部材131の厚さを互いに異ならせても構わない。また、低膨張部材130及び高膨張部材131の第2軸線O2に直交する断面形状は、矩形状に限らず、三角形状や半円形状等、適宜変更が可能である。
上述した実施形態では、低膨張部材130及び高膨張部材131が第2径方向で積層された構成について説明したが、この構成のみに限らず、第2軸線方向に対して交差する方向に積層されていれば構わない、この場合、例えば図19に示すように、先端側に向かうに従い漸次厚くなる低膨張部材130と、先端側に向かうに従い漸次薄くなる高膨張部材131と、を積層しても構わない。
上述した実施形態では、調整部100が直線状に延在する構成について説明したが、この構成のみに限られない。調整部100は、第2軸線O2回りで位置調整可能に構成されていれば、第2軸線方向に交差して延在したり、波形に形成したりしても構わない。
上述した実施形態では、調整部100が片持ちで延在する構成について説明したが、この構成のみに限らず、両持ちの構成であっても構わない。
上述した実施形態では、調整部100において、支持部110と錘部122との間の全体に亘ってバイメタル片121とした場合について説明したが、この構成のみに限られない。調整部100の少なくとも一部がバイメタル片121で構成されていれば構わない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
1…時計
2…ムーブメント
54…てんぷ
61…てん真
62…てん輪
73…リム部
100…調整部
115…取付孔(貫通孔)
117…作業孔(貫通孔)
120…固定部
121…バイメタル片
122…錘部
135…係止部
202…支持部
205…取付孔(貫通孔)

Claims (11)

  1. 第1軸線に沿って延びるてん真を有し、ひげぜんまいの動力によって前記第1軸線回りに回動するてんぷ本体と、
    前記てんぷ本体における前記第1軸線回りで回転対称となる位置からそれぞれ第2軸線に沿って延設されるとともに、前記第2軸線回りでの位置が調整可能に構成され、熱膨張率の異なる材料が前記第2軸線に交差する方向に積層されたバイメタル片を有する調整部と、を備えていることを特徴とする温度補償型てんぷ。
  2. 前記てんぷ本体は、
    前記てん真と、
    前記第1軸線に直交する第1径方向の外側から前記てん真を囲繞するリム部を有し、前記てん真に取り付けられたてん輪と、を備え、
    前記調整部は、前記リム部から延設されていることを特徴とする請求項1に記載の温度補償型てんぷ。
  3. 前記調整部は、第1軸線方向から見た平面視で、前記リム部の内側に配置されるとともに、前記リム部の接線方向に沿って延在していることを特徴とする請求項2に記載の温度補償型てんぷ。
  4. 前記バイメタル片は、第1軸線方向で前記リム部と異なる位置に配置されていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の温度補償型てんぷ。
  5. 前記調整部は、錘部を備えていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の温度補償型てんぷ。
  6. 前記てんぷ本体には、前記てんぷ本体を第2軸線方向に貫通する貫通孔が形成され、
    前記調整部は、前記バイメタル片に対して前記第2軸線方向の一方側に位置して前記貫通孔内に嵌合された固定部を備え、
    前記固定部において、前記第2軸線方向で前記一方側を向く端面には、工具が係止される係止部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の温度補償型てんぷ。
  7. 前記調整部は、前記第2軸線に沿って片持ちで延在していることを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の温度補償型てんぷ。
  8. 前記ひげぜんまいは、恒弾性材料により形成されていることを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の温度補償型てんぷ。
  9. 前記調整部の重心は、前記第2軸線上に位置していることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載の温度補償型てんぷ。
  10. 請求項1から請求項9の何れか1項に記載の温度補償型てんぷを備えていることを特徴とするムーブメント。
  11. 請求項10記載のムーブメントを備えていることを特徴とする時計。
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