JP2018123742A - 内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】二系統冷却方式を簡単な構造で提供する。【解決手段】シリンダボア2の列を囲う冷却液ジャケット4のうち、クランク軸線方向から見た前部又は後部に隔壁部材5を装着することにより、冷却液ジャケット4を、短い長さのリーク通路12と長い長さのメイン通路13とに区分する。機関温度が低い状態では、冷却液は、リーク通路12を排気側端部12aから吸気側端部12bに向けて流れて、吸気側端部9bからシリンダヘッド14に送水される。リーク通路12とメイン通路13への流れの切り替えは、サーモ式の弁装置17で行われる。冷却液の入口と出口とが分かれているため、狭いスペースでも弁装置17を容易に配置できる。このこめ、シリンダブロック1の大型化を回避できる。冷却液ジャケット4の一部を低温通路として利用するものであるため、構造を簡単化できる。【選択図】図2

Description

本願発明は、2系統冷却方式の内燃機関に関するものである。
内燃機関において、シリンダブロックとシリンダヘッドとは冷却水で冷却されており、冷却水は、シリンダブロックに形成されたウォータジャケットを経由してからシリンダヘッドのウォータジャケットに流れる一系統方式が多いが、一系統方式では、低温環境下での始動に際して、シリンダヘッドを通過して昇温した冷却水がシリンダブロックで冷却されるため、暖機時間が長くなるという問題や、車両用においては、ヒータの熱源として冷却水を使用しているため、暖機運転中のヒータの効きも悪いといった問題がある。
そこで、機関の温度がある程度以下の場合は、冷却水をシリンダブロックに流さずにシリンダヘッドのみに流して、機関温度がある程度まで昇温したら冷却水をシリンダブロックとシリンダヘッドとの両方に流す二系統冷却方式が提案・実施されている。この二系統冷却方式の例として、本願出願人は、特許文献1を開示した。
二系統冷却方式では、機関温度(或いは冷却水温度)を基準にして、冷却水の流れが、シリンダブロックのウォータジャケット(ブロックジャケット)を経由してからシリンダヘッドに向かう状態と、シリンダブロックを経由せずにシリンダヘッドに向かう状態とに、弁装置によって切り替えられており、特許文献1では、冷却水がシリンダブロックに向かうブロック行き送水口と、冷却水がシリンダブロックを経由せずにシリンダヘッドに向かうヘッド行き送水口とを、ブロックジャケットの外側でかつ排気側に設けている。
特開2015−190450号公報
この特許文献1の構成は、冷却水の分流機能に優れており、従来技術に比べて大きく進化しているが、本願発明者たちが検討したところ、改良の余地が見出された。例えば、ブロック行き送水口とヘッド行き送水口とが近接して形成されているため、シリンダブロック及びシリンダヘッドに、ブロック行き送水口の近くにおいてヘッド行き送水口を設けるためのスペースを確保せねばならず、このため、シリンダブロック及びシリンダヘッドが大型化する可能性があった。
また、シリンダヘッドでは、吸気側よりも排気側の温度が高くなっており、冷却水が先に排気側に接触すると、急激な温度低下によってシリンダヘッドに熱ひずみが発生するおそれがあることから、シリンダヘッドでは、冷却水は吸気側から排気側に流して冷却水の温度勾配をなだらかにしているが、ヘッド行き送水口を排気側に設けると、シリンダヘッドには、冷却液を吸気側に導く通路が必要となり、このため、シリンダヘッドの構造が複雑化するおそれもあった。
本願発明はこのような現状を契機として成されたものであり、より改良された二系統冷却方式を提供せんとするものである。
本願発明の内燃機関は、
複数のシリンダボアがクランク軸線方向に並んで形成されたシリンダブロックに、前記シリンダボアの群を囲う冷却液ジャケットが上向きに開口するように形成されており、
更に、前記シリンダブロックのうちシリンダボアの並び方向を向いて前端側又は後端側の一端部に、前記冷却液ジャケットに連通した冷却液入口と、前記冷却液ジャケットを流れた冷却液をシリンダヘッドに送るための冷却液出口とが、前記シリンダボアの並び方向の中心線を挟んだ両側に分かれた状態で形成されている、という基本構成である。
そして、請求項1では、上記基本構成において、
前記冷却液ジャケットのうち、前記シリンダブロックの一端部の側において前記冷却液入口と冷却液出口との間に位置した部位に、機関温度が予め設定した所定温度よりも低いときに冷却液を流すリーク通路を仕切り形成しており、前記冷却液ジャケットのうち前記リーク通路を除いた部分は、機関温度が予め設定した所定温度よりも高いときに冷却液が流れるメイン通路になっている。
請求項2の発明は、請求項1において、前記リーク通路とメイン通路とを仕切る隔壁に設けた穴を弁装置で開閉することにより、冷却液が主としてリーク通路に流れる状態と、主としてメイン通路に流れる状態とに切り替えられる。
請求項3の発明は、請求項1又は2において、前記冷却液入口は機関の排気側に設けて、前記冷却液出口は機関の吸気側に設けている。
請求項4の発明は、請求項2又は3において、前記弁装置は、冷却液温度に感応して弁体が動くサーモ弁である一方、前記リーク通路とメイン通路とは、前記シリンダブロックとは別体の隔壁部材で仕切られており、前記弁装置を前記隔壁部材に取付けている。
請求項5の発明は、請求項1〜4のうちのいずれかにおいて、前記リーク通路とメイン通路とは、前記シリンダブロックとは別体の隔壁部材で仕切られており、前記隔壁部材に、前記リーク通路の箇所において冷却液ジャケットの内側面に重なる側板を一体に設けている。
請求項1の構成では、冷却液入口と冷却液出口とはシリンダボアの並び方向の中心線を挟んだ両側に分かれて形成されているため、冷却液入口と冷却液出口とは、互いに干渉されることなく形成できて、限られたスペースでも容易に形成できる。このため、設計の自由性が高いと共に、シリンダブロックやシリンダヘッドのコンパクト化に貢献できる。
また、機関温度が低い状態では、シリンダボアの群を囲う冷却液ジャケットの一部を利用して冷却液をシリンダヘッドに向かわせるものであり、冷却液ジャケットの一部を二系統冷却方式のためのリーク通路に兼用するものであるため、それだけ構造を簡単化することができる。
請求項2の構成では、冷却液の流れの切り替えを冷却液ジャケットの内部で行えるため、シリンダブロックのコンパクト化(大型化防止)に一層貢献できる。
請求項3の構成を採用すると、シリンダヘッドには冷却液が吸気側から流入するため、シリンダヘッドの内部のジャケットの構造を簡単化することができる。その結果、コストダウンや、冷却液の流れのスムース化による冷却性能向上にも貢献できる。
また、冷却液入口は排気側に配置されていることから、冷却液ポンプ(ウォータポンプ)は、シリンダブロックの前面部(正確にはフロントカバーの前面部)のうち排気側に設けることになるが、冷却液ポンプを排気側に設けると吸気側をオープン化できるため、吸気側に、熱に弱いオルタネータやISG(インテグレーテッド・スタータ・ジェネレータ)やエアコン用コンプレッサを配置することが可能になるため、熱に弱い補機の配置の自由性も向上できる。
弁装置としては、電磁ソレノイド方式や電動モータ方式なども採用できるが、請求項4のようにサーモ弁を使用すると、特段の制御装置を要することなく、機関温度(冷却液温度)に感応して、冷却液の流れを的確に切り替えることができる。従って、コスト面で有利であると共に、信頼性にも優れている。
また、隔壁をシリンダブロックとは別体に構成すると、冷却液ジャケットの基本構造は従来のままでよいため、シリンダブロックの製造・加工に要する手間を軽減できる。更に、弁装置を隔壁部材に取り付けているため、弁装置による冷却液の流れの切り替えを正確に行うことができ、更に、弁装置を隔壁部材に組み込んでユニット化した状態でシリンダブロックにセットできるため、組み付けの手間も軽減できる。
リーク通路が冷却液ジャケットの内側面に露出していると、機関温度が低い状態でシリンダブロックのうちリーク通路の箇所が冷却液による冷却作用を受ける一方、メイン通路では冷却液の移動がないため、冷却液は徐々に昇温していく。このため、シリンダブロックが、リーク通路の箇所とメイン通路とで温度差が発生する場合がある。
この点、請求項5のように、隔壁部材に側板を設けると、側板が断熱作用を果たして、シリンダブロックがリーク通路の箇所で冷却されることを抑制できる。従って、温度の違いによってシリンダブロックに熱ひずみが発生することを防止できる。
第1実施形態のシリンダブロックの平面図である。 冷却液がシリンダヘッドにダイレクトに流れる状態での要部の一部破断平面図である。 冷却液がシリンダブロックを経由して流れる状態での要部の一部破断平面図である。 (A)は図1の IVA-IVA視図、(B)は図2の IVB-IVB視図、(C)は図2の IVC-IVC視図である。 第1実施形態の変形例である第2〜第4実施形態を示す図である。 リーク通路の形成手段の別例である第5,6実施形態を示す図である。 (A)は第7実施形態の斜視図、(B)は一部破断平面図である。 図7(B)の VIII-VIII視断面図である。 第7実施形態の変形例である第8実施形態の斜視図である。 第9実施形態を示す図で、(A)は隔壁部材の斜視図、(B)は弁装置を組み込んだ状態での平断面図である。 第10実施形態を示す図であり、(A)は一部破断平面図、(B)は(A)のB−B視断面図、(C)と(A)のC−C視断面図、(D)は弁体を後退させた状態での平断面図である。 第11実施形態を示す図である。
(1).第1実施形態の概略
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。本実施形態は、車両用内燃機関に適用している。まず、図1〜図4に示す第1実施形態を説明する。
本実施形態の内燃機関は3気筒であり、このため、シリンダブロック1には、3つのシリンダボア2がクランク軸線方向に直列に並んで形成されている。シリンダボア2の並び方向の中心線を符号Oで表示している。図1では、右側が排気側で、左側が吸気側になっている。また、図1において紙面の下側が前側になっており、タイミングチェーンを覆うフロントカバー3(図4(A)参照)は、シリンダブロック1の前面1aに重なる。
シリンダブロック1には、シリンダボア2の群を囲うループ状の冷却液ジャケット(ブロックジャケット)4が形成されている。また、シリンダブロック1における排気側の側面のうち、最も手前に位置したシリンダボア2の横に位置した部位に、冷却液を冷却液ジャケット4に送る冷却液入口通路5が形成されている。シリンダブロック1における排気側側面のうち冷却液入口通路5の箇所には台座6が形成されており、台座6にウォータポンプ7が固定される。敢えて述べるまでもないが、ウォータポンプ7は補機駆動ベルトで駆動される。
冷却液ジャケット4のうち、前側に位置したシリンダボア2を手前から半周程度囲う部分に、樹脂製の隔壁部材8を装着している。隔壁部材8は、冷却液ジャケット4の内面に重なる平面視円弧状の側板9と、側板9の両端に形成した仕切り壁10,11とを有しており、仕切り壁10,11で冷却液ジャケット4を仕切っている。
このため、冷却液ジャケット4は、手前側のシリンダボア2を半周程度囲うリーク通路12と、リーク通路12を除いたメイン通路13とに分離している。従って、リーク通路12及びメイン通路13は、シリンダボア2の並びの中心線Oを挟んで対称状の形態になっている。
リーク通路12は、暖機運転時のように、機関温度が所定値よりも低いときに冷却液をシリンダヘッド14(図4(A)参照)にダイレクトに送る流路となるものであり、機関温度が低い状態では、冷却液は、リーク通路12を、排気側端部12aから吸気側端部12bに向けて流れて、吸気側端部12bからシリンダヘッド14に送られる。従って、リーク通路12では、冷却液の入口と出口とは、シリンダボア列中心線Oを挟んだ両側に振り分けて配置されている。
本実施形態では、リーク通路12の吸気側端部12bが冷却液出口になる。図示していないが、シリンダヘッド14には、吸気側端部12bと連通する第1流入穴(図示せず)が空いている。図2では、シリンダヘッド14の第1流入穴に相当する部分(冷却液出口の部分)を網かけ表示している。
機関温度(冷却液温度)が予め設定した値を越えると、冷却液の大部分はメイン通路13の排気側端部13aに流入して、メイン通路13の吸気側端部13bからシリンダヘッド14に送られる。従って、シリンダヘッド14には、メイン通路13の吸気側端部13bに連通した第2流入穴(図示ぜ)が空いている。図3では、第2流入穴に相当する箇所を網かけ表示している。なお、図1〜3に示す符号15は、ヘッドボルトがねじ込まれるタップ穴である。
(2).冷却液の流れの切り替え
図2,3に明示するように、シリンダブロック1のうち冷却液入口通路5の箇所には、冷却液を温度に応じてリーク通路12とメイン通路13とに切り替えて流す弁装置17を設けている。
弁装置17はサーモ弁であり、クランク軸線方向と平行な中心軸18と、これに移動不能に固定された感温部19と、中心軸18に嵌まってスライドする弁体20とを有している。感温部19には、温度によって体積が変化するワックスが内蔵されており、ワックスの温度変化によって、スライド筒21が中心軸18に嵌まっている。弁体20は、スライド筒21に固定されている。
従って、冷却液の温度変化によって弁体20が摺動する。本実施形態では、冷却液の温度が低い状態では弁体20は前進して、温度が高くなると後退するようになっている。正確には、冷却液が所定の第1温度になると弁体20が後退を開始して、所定の第2温度に至ると後退しきる。従って、冷却液の温度が第1温度よりも低い状態では、弁体20は前進しきって、冷却液温度が第2位温度より低い状態では、弁体20は後退しきっており、第1温度と第2温度との間の領域では、弁体20は、前進位置と後退位置との間に位置している。
図2,3のとおり、冷却液入口通路5は、冷却液ジャケット4におけるリーク通路12の排気側端部12aに連通した第1通路5aと、冷却液ジャケット4におけるメイン通路13の排気側端部13aに連通した第2通路5bとを有しており、両通路5a,5bは壁22で仕切られている。壁22は、隔壁部材8の排気側仕切り壁10の箇所に位置している。
そして、壁22に空けた穴23に弁体20が貫通している。図4(B)(C)のとおり、弁体20は、シリンダブロック1に形成した丸穴24にスライド自在に挿通しており、通路5a,5bは丸穴24と交叉した姿勢になっている。シリンダブロック1には、感温部19が露出する感温用空間25を形成している。感温用空間25は冷却液入口通路5と連通しており、冷却液が感温用空間25において冷却液と全体的に接触することにより、感温部19のワックスは、冷却液の温度に的確に反応して体積が変化する。
既述のとおり冷却液の温度(機関温度)が第1温度よりも低い状態では、弁体20は前進していて、冷却液入口通路5の第1通路5aは開いて第2通路5bは閉じている。このため、冷却液は、その全体がリーク通路12を経由してシリンダヘッド14に流れる。なお、この状態では、メイン通路13では、冷却液は流れることなく溜まったままになっている。従って、徐々に昇温していく。
冷却液の温度が第1温度に至ると、弁体20が後退し始める。従って、冷却液はリーク通路12とメイン通路13との両方に流れる。その割合は温度に比例する。冷却液の温度が所定の第2温度まで上昇すると、弁体20は後退しきって、冷却液入口通路5の第1通路5aは全閉して、第2通路5bが全開する。従って、冷却液のほぼ全量がメイン通路13に流れる。シリンダブロック1を均等に冷却するためには、弁体20が後退しきっても、若干の両の冷却液がリーク通路12に流れるように設定しておくのが好ましい。
本実施形態のように、隔壁部材8に、リーク通路12の内側面に重なる側板9を設けると、側板9が断熱材の役割を果たすため、冷却液がリーク通路12のみを流れる状態のときに、シリンダブロック1がリーク通路12の箇所で冷却され過ぎることを防止できる。
車両用の内燃機関を初めとして、冷却液(冷却水)の通水制御手段として従来からサーモ弁が使用されている。サーモ弁は作動も正確で、信頼性も高い。本願実施形態でも、弁装置17としてサーモ弁を使用することにより、リーク通路12とメイン通路13との通水制御を簡易かつ正確に行える。
(3).変形例(図5〜6)
上記の説明では、シリンダヘッド14の流入穴を冷却液ジャケット4の真上に形成していたが、図5に第2実施形態として示すように、シリンダヘッド14の流入穴に連通する冷却液出口26,27を、冷却液ジャケット4(12,13)の外側に形成してもよい。この場合、冷却液出口26,27と冷却液ジャケット4(12,13)とは、シリンダヘッド14に形成した溝28,29によって連通している。
また、シリンダヘッド14の流入穴は1つでもよい。この場合、図5(B)に第3実施形態として示すように、シリンダブロック1に、冷却液ジャケット4の外側に位置した1つの冷却液出口30を形成してもよいし、図5(C)に第4実施形態として示すように、リーク通路12とリーク通路12との吸気側の連接部31を冷却液出口として、ここからシリンダヘッド14に送水してもよい。
図5(B)(C)から理解できるように、吸気側では、リーク通路12とリーク通路12とは必ずしも仕切る必要はない。つまり、冷却液がリーク通路12に流れている状態では、冷却液がメイン通路13を逆流することはないため、リーク通路12とメイン通路13とを吸気側で仕切らなくとも、リーク通路12での冷却液の流れは殆どなくて、二系統冷却方式を実現できるのである。
第1実施形態では、隔壁部材8の側板9がリーク通路12の全長に亙って延びていたが、図6(A)に示す5実施形態として示すように、リーク通路12の端部のみに隔壁部材8を設けることも可能である。また、図6(B)に第6実施形態として示すように、隔壁部材8に、リーク通路12の外側面に重なる側板32を設けることも可能である。図示していないが、内外の側板9,32を設けてもよい。
(4).第7〜8実施形態(図7〜9)
図7,8に示す第7実施形態では、弁装置17は鉛直姿勢(シリンダボア2と平行な姿勢)に配置しており、弁体20は上下動式になっている。また、隔壁部材8に水平仕切り壁33を設けて、水平仕切り壁33の上の部分をリーク通路12に形成している。側板9の下端は水平仕切り壁33までで止まっているが、一点鎖線に示すように、リーク通路12の底まで延ばすことも可能である。
本実施形態では、冷却液入口通路5は、リーク通路12の排気側端部の上下中途高さ位置に設けている。そこで、リーク通路12の排気側端部に、水平仕切り壁33の下方に位置した水平状の補助水平仕切り壁36と、補助水平仕切り壁36を挟んで周方向に分かれた第1及び第2の縦長仕切り壁37,38を設けて、冷却液入口通路5に連通した分配空間39を形成している。
リーク通路12の外側を構成する第1縦長仕切り壁37は、補助水平仕切り壁36から隔壁部材8の上端まで延びており、内側に位置した第2縦長仕切り壁38は、水平仕切り壁33から隔壁部材8の下端まで延びている。従って、リーク通路12とメイン通路13とは、階段状の壁で仕切られている。
水平仕切り壁33の排気側端部と、補助水平仕切り壁36とには、同心の状態で上下の連通穴40,41が空いており、図8のとおり、弁体20が連通穴40,41を選択的に塞ぐことにより、冷却液がリーク通路12とメイン通路13とに選択的に流れる。すなわち、下連通穴41を弁体20で塞いだ状態では、冷却液は、上連通穴40を介してリーク通路12に流れて、上連通穴40を弁体20で塞いだ状態では、冷却液は、下連通穴41を介してメイン通路13に流れる。冷却液ジャケット4を流れてからシリンダヘッド14に向かうことは、従前のとおりである。
本実施形態では、機関温度(冷却液温度)が低い状態では、冷却液ジャケット4の前端部のうち上部に形成されたリーク通路12に冷却液が流れ、かつ、リーク通路12の内側面は側板9によって覆われている。このため、リーク通路12の箇所でシリンダブロック1が過剰に冷却されることを的確に防止できる。
弁装置17は、基本的には第1実施形態と同じサーモ式であり、感温部19に設けたスライド軸42に弁体20を取り付けている。感温部19は、隔壁部材8に形成した支持部8cに固定されている。従って、隔壁部材8と弁装置17とは一つにユニット化されている。このため、隔壁部材8を上から冷却液ジャケット4に嵌め込むことにより、弁装置17がセットされると共に、リーク通路12及びメイン通路13が形成される。
図7,8の実施形態では、第2縦長仕切り壁38を冷却液ジャケット4の底面まで延ばしていたが、図9に第8実施形態として示すように、第2縦長仕切り壁38と冷却液ジャケット4の底面との間にある程度の寸法Eの間隔を空けてもよい。このように構成すると、リーク通路12の下方の部分はメイン通路13の前部13′となって、冷却液は、機関温度が高い状態で、冷却液ジャケット4の全周に流れる。従って、シリンダブロック1の均等な冷却にとって好適である。
(5).第9実施形態(図10)
図10に示す第9実施形態でも、第7実施形態と同様に、リーク通路12を水平仕切り壁33で上下に分けて、補助水平仕切り壁36と、第1及び第2の縦長仕切り壁37,38を設けて、冷却液入口通路5と連通した分配空間39を形成している。更に、この実施形態では、分配空間39の内側に、水平仕切り壁33の下面に繋がった第3縦長仕切り壁43を形成して、補助水平仕切り壁36を第3縦長仕切り壁43まで延長することにより、補助分配空間44を形成している。
そして、第1縦長仕切り壁37と第2縦長仕切り壁38とに同心の連通穴45,46形成して、水平動式の弁体20で、2つの連通穴45,46を選択的に開閉するようになっている。水平仕切り壁33には、補助分配空間44に連通した逃がし穴47を空けている。弁装置17は、例えば電磁ソレノイド式であり、本体48は第3縦長仕切り壁43の外面に固定されており、ロッド49に弁体20を固定している。弁装置17として、サーモ弁を使用することも可能である。
この実施形態では、第1縦長仕切り壁37の下端に切欠き37aを形成することにより、リーク通路12の下方の部位を、メイン通路13の前部13′と成している。従って、メイン通路13は、冷却液ジャケット4の全周にわたって形成されている。
(5).第10,11実施形態(図11)
図11に示す第10実施形態でも、冷却液ジャケット4の前端部に半円状の隔壁部材8を配置しているが、この実施形態では、側板9を冷却液ジャケット4の溝幅方向の中途部に配置することにより、冷却液ジャケット4の前端部に、リーク通路12とメイン通路13の前部13′とを形成している。従って、本実施形態では、リーク通路12とメイン通路13の前部13′とが、冷却液ジャケット4の溝幅方向に分離して形成されている。
リーク通路12は冷却液ジャケット4の放射方向の外側に位置して、メイン通路13の前部13′は放射方向の内側に位置している。また、メイン通路13の溝幅をメイン通路13における前部13′の溝幅よりも大きくしているが、両者は同じ程度の溝幅であってもよい。(B)のとおり、隔壁部材8は底板50を備えており、側板9は底板50から立ち上がっている。従って、隔壁部材8を冷却液ジャケット4に止め込むだけで、側板9は自立する。姿勢安定性を更に高めるには、側板9に、冷却液ジャケット4の内外側面に当接する補助突っ張り片を設けたらよい。
隔壁部材8のうち冷却液入口通路5に近い端部には、リーク通路12とメイン通路13とを周方向に区画する仕切り壁10が設けられており、仕切り壁10に、弁装置17の弁体20で開閉される連通穴45を空けている。弁装置17は、従前と同様に、ロッド49を備えたサーモ式であり、水平状に配置されて、隔壁部材8に形成した一対の支持板51に固定されている。支持板51は、底板50の張り出し部50aから一体に立ち上がっている。従って、この実施形態でも、弁装置17と隔壁部材8とがユニット化されている。
この実施形態では、冷却液入口通路5とリーク通路12とは常に連通している。従って、(A)のように、弁体20で連通穴45が塞がれた状態では、冷却液はリーク通路のみに流れて、弁体20が後退して連通穴45が開口した状態では、冷却液はメイン通路13とリーク通路12との両方に流れる。リーク通路12は冷却液ジャケット4の内側面に露出していないため、機関低温時にシリンダが冷却液で過冷却されることはない。
また、メイン通路13の前部13′は溝幅が小さくなっているため、メイン通路13に向かって冷却液の大部分はシリンダボア2を周回するように流れる。従って、シリンダブロック1を冷却液ジャケット4の全周にわたって均等に冷却できる。
図12では、図11の実施形態の変形例である第11実施形態を示している。この実施形態では、隔壁部材8に、側板9の外端に位置した第1縦長仕切り壁52と、側板9の外端の内側に位置した第2縦長仕切り壁53とを平行に形成して、両者の間を冷却液の分配空間39と成して、両縦長仕切り壁52,53に形成した連通穴54,55を、弁装置17の弁体20で選択敵に仕切るようにしている。
弁装置17は従前と同様のサーモ式であり、水平に配置されていて、感温部19は、隔壁部材8に形成した一対の支持板51に取付けている。この場合、支持板51を冷却液ジャケット4の上端まで延ばすと共に、両支持板51を、リーク通路12の側において内側隔壁56で繋ぎ、かつ、一方の支持板51と第2縦長仕切り壁53とを外側隔壁57で繋いでいる。このため、冷却液入口通路5の冷却液は、第2縦長仕切り壁53の連通穴55からしかリーク通路12に流れない。
従って、この実施形態では、弁体20で2つの連通穴54,55を選択的に塞ぐことにより、冷却液は、リーク通路12のみに流れる状態と、メイン通路13のみに流れる状態に切り替わる。第10実施形態と同様に、メイン通路13は冷却液ジャケット4の全周にわたって延びているため、シリンダブロック1を均等に冷却できる。
第10,11実施形態のように、冷却液ジャケット4の一部を溝幅方向に仕切ってリーク通路12を形成する場合、冷却液ジャケット4のうちリーク通路12を形成する部分(前部)の溝幅を他の部位より大きくすることも可能である。
本願発明の実施形態を何例か説明したが、本願発明は、他にも様々に具体化できる。例えば、弁装置は、ロータリー式やバタフライ式などの様々なものを使用できる。
本願発明は、実際に内燃機関に具体化できる。従って、産業上利用できる。
1 シリンダブロック
2 シリンダボア
4 冷却液ジャケット(ブロックジャケット)
5 冷却液入口通路
7 ウォータポンプ
8 隔壁部材
9 側板
10,11 仕切り壁
12 リーク通路
12a 排気側端部(冷却液入口)
12b 吸気側端部(冷却液出口)
13 メイン通路
13b 排気側端部
17 弁装置
18 中心軸
19 感温部
20 弁体20
21 スライド筒
33 水平仕切り壁
37,28,52 縦長仕切り壁
39 分配用空間

Claims (5)

  1. 複数のシリンダボアがクランク軸線方向に並んで形成されたシリンダブロックに、前記シリンダボアの群を囲う冷却液ジャケットが上向きに開口するように形成されており、
    更に、前記シリンダブロックのうちシリンダボアの並び方向を向いて前端側又は後端側の一端部に、前記冷却液ジャケットに連通した冷却液入口と、前記冷却液ジャケットを流れた冷却液をシリンダヘッドに送るための冷却液出口とが、前記シリンダボアの並び方向の中心線を挟んだ両側に分かれた状態で形成されている構成であって、
    前記冷却液ジャケットのうち、前記シリンダブロックの一端部の側において前記冷却液入口と冷却液出口との間に位置した部位に、機関温度が予め設定した所定温度よりも低いときに冷却液を流すリーク通路を仕切り形成しており、前記冷却液ジャケットのうち前記リーク通路を除いた部分は、機関温度が予め設定した所定温度よりも高いときに冷却液が流れるメイン通路になっている、
    内燃機関。
  2. 前記リーク通路とメイン通路とを仕切る隔壁に設けた穴を弁装置で開閉することにより、冷却液が主としてリーク通路に流れる状態と、主としてメイン通路に流れる状態とに切り替えられる、
    請求項1に記載した内燃機関。
  3. 前記冷却液入口は機関の排気側に設けて、前記冷却液出口は機関の吸気側に設けている、
    請求項1又は2に記載した内燃機関。
  4. 前記弁装置は、冷却液温度に感応して弁体が動くサーモ弁である一方、
    前記リーク通路とメイン通路とは、前記シリンダブロックとは別体の隔壁部材で仕切られており、前記弁装置を前記隔壁部材に取付けている、
    請求項2又は3に記載した内燃機関。
  5. 前記リーク通路とメイン通路とは、前記シリンダブロックとは別体の隔壁部材で仕切られており、前記隔壁部材に、前記リーク通路の箇所において冷却液ジャケットの内側面に重なる側板を一体に設けている、
    請求項1〜4のうちのいずれかに記載した内燃機関。
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