JP2018123715A - エンジン冷却装置 - Google Patents

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隆介 佐々木
Ryusuke Sasaki
隆介 佐々木
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寛隆 渡邉
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Abstract

【課題】水止制御中におけるシリンダの上部と下部との壁温差の確認を、部品点数の増加を抑えつつ行うことのできるエンジン冷却装置を提供する。
【解決手段】エンジン冷却装置は、ピストン11を収容したシリンダ12を有するシリンダブロック13の内部を通って冷却水を循環することで同シリンダブロック13を冷却するとともに、エンジン10の暖機促進のためにシリンダブロック13の内部を通る冷却水の流量を「0」近傍の微小な流量とする水止制御を行う。そして、同エンジン冷却装置は、水止制御の実行中に、エンジン10の吸入空気量GAから、シリンダ12の上部と下部との壁温差の変化量を規定の演算周期毎に演算するとともに、その演算周期毎の変化量の演算値を積算した積算値として壁温差を算出する壁温差算出部27を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジン冷却装置に関する。
エンジン冷却装置として、エンジンの暖機運転中に、ウォータジャケットの冷却水の流量を「0」又は「0」近傍の微小な流量とする水止制御を行うことで、暖機の促進を図るものがある。こうした水止制御中は、燃焼室が形成されるシリンダ上部の壁面が受けた燃焼熱が、ウォータジャケットを流れる冷却水により殆ど持ち去られないことから、シリンダ上部の壁温が上昇し易くなる。その結果、シリンダの上部と下部との壁温差が大きくなり、シリンダボアに偏膨張が生じることがある。そして、その偏膨張により、ピストンがシリンダ壁面に衝突して、打音が発生する虞がある。
これに対して、特許文献1に記載のエンジン冷却装置では、シリンダの上部と下部とにそれぞれ温度センサを設置して、シリンダの上部と下部との壁温差を検出するようにしている。そして、検出した壁温差が既定の値に拡大するまで、流量制限制御を継続するようにしている。
特開2012−241610号公報
このように、水止制御中のシリンダの上部と下部との壁温差を確認できれば、上記のようなピストンの衝突による打音(以下、ピストン打音と記載する)が発生する直前の値にそれらの壁温差が拡大するまで、水止制御を継続することが可能となる。すなわち、ピストン打音の発生を回避し得る限りにおいて、水止制御による暖機促進の効果を増大できるようになる。しかしながら、上記従来のエンジン冷却装置では、壁温差の確認のために、2つの温度センサをエンジンに追加する必要があり、部品点数の増加を招くものとなっている。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、水止制御中におけるシリンダの上部と下部との壁温差の確認を、部品点数の増加を抑えつつ行うことのできるエンジン冷却装置を提供することにある。
上記課題を解決するエンジン冷却装置は、ピストンを収容したシリンダを有するシリンダブロックの内部を通って冷却水を循環することで同シリンダブロックを冷却するとともに、エンジンの暖機運転中に、シリンダブロックの内部を通る冷却水の流量を「0」又は微小な流量とする水止制御を行う。そして、同エンジン冷却装置は、水止制御の実行中に、エンジンの吸入空気量から、シリンダの上部と下部との壁温差の変化量を規定の演算周期毎に演算するとともに、その演算周期毎の変化量の演算値を積算した積算値として上記壁温差を算出する壁温差算出部を備える。
上記のような水止制御中は、シリンダブロック内部を流れる冷却水によるシリンダ壁面からの熱の持ち去りが限られたものとなるため、シリンダの上部及び下部の壁温差の変化量は、シリンダの上部壁面への燃焼熱の受熱量によりほぼ一義に定まる。一方、エンジンの燃焼室では、吸入空気量に応じた量の燃料が燃焼されるため、燃焼室内で発生する燃焼熱の量は、ひいてはシリンダの上部壁面の燃焼熱の受熱量は、吸入空気量に相関した量となる。このように、水止制御中のシリンダの上部と下部との壁温差の変化量は、吸入空気量から演算可能である。また、吸入空気量は、一般的なエンジンに既設のセンサ(エアフローメータ)で検出可能である。
これに対して、上記エンジン冷却装置における壁温差算出部は、水止制御の実行中に、吸入空気量からの壁温差の変化量の演算を、規定の演算周期毎に行っている。水止制御の開始時には、シリンダの上部と下部との壁温には殆ど差がないと考えられる。そのため、水止制御中における上記演算周期毎の壁温差の変化量の演算値を積算した積算値は、シリンダの上部と下部との壁温差と一致した値となる。よって、そうした積算値を壁温差として算出する壁温差算出部は、水止制御の実行中のシリンダの上部と下部との壁温差を、既設のセンサ(エアフローメータ)で検出可能な吸入空気量から算出するものとなる。
したがって、上記エンジン冷却装置によれば、水止制御中におけるシリンダの上部と下部との壁温差の確認を、部品点数の増加を抑えつつ行うことができる。
エンジン冷却装置の一実施形態の構成を模式的に示す図。 上記エンジン冷却装置に設けられた壁温差算出部が実行する壁温差レベル算出ルーチンのフローチャート。 同壁温差レベル算出ルーチンにおいてエンジン運転中に演算される壁温差レベルの変化量と吸入空気量との関係を示すグラフ。 同壁温差レベル算出ルーチンにおいてエンジン停止中に演算される壁温差レベルの変化量とエンジンの停止継続時間との関係を示すグラフ。 同エンジン冷却装置に設けられた流量制御部が実行するサーモ開前流量制御ルーチンのフローチャート。 同暖機運転中流量制御ルーチンにおいて演算される保持流量と吸入空気量との関係を示すグラフ。 上記エンジン冷却装置におけるエンジンの暖機運転中の制御態様の一例を示すタイムチャート。
以下、エンジン冷却装置の一実施形態を、図1〜図7を参照して詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のエンジン冷却装置が適用されるエンジン10は、シリンダブロック13とシリンダヘッド14とを備える。シリンダブロック13には、ピストン11を往復動可能に収容したシリンダ12が設けられており、シリンダヘッド14は、シリンダ12の上側を覆うかたちでシリンダブロック13の上面に組み付けられている。そして、エンジン10には、シリンダ12の壁面とピストン11の頂面とシリンダヘッド14の底面とにより区画された空間として、混合気を燃焼する燃焼室15が形成されている。
シリンダブロック13の内部には、シリンダ12を囲むように、冷却水の流路となるブロック内ウォータジャケット16が形成されている。また、シリンダヘッド14の内部には、同じく冷却水の流路となるヘッド内ウォータジャケット17が形成されている。これらブロック内ウォータジャケット16、及びヘッド内ウォータジャケット17は、互いに連通している。
本実施形態のエンジン冷却装置は、上記ブロック内ウォータジャケット16及びヘッド内ウォータジャケット17を通って冷却水が循環する冷却水回路18を備えている。冷却水回路18には、冷却水をブロック内ウォータジャケット16に向けて吐出する電動ウォータポンプ19が設けられている。そして、冷却水回路18は、電動ウォータポンプ19から、ブロック内ウォータジャケット16、ヘッド内ウォータジャケット17を通った後、冷却水を冷却するラジエータ20が設けられたラジエータ水路21と、同ラジエータ20を迂回するバイパス水路22とに分岐されている。そして、冷却水回路18は、これらラジエータ水路21、及びバイパス水路22が合流した後、再び電動ウォータポンプ19に戻るように形成されている。ラジエータ水路21とバイパス水路22との合流部には、冷却水の温度(冷却水温THW)が規定のサーモ開温度T1に達するまで、ラジエータ水路21の冷却水の流通を遮断するサーモスタット23が設けられている。なお、バイパス水路22は、エンジン10のスロットルやEGRバルブなどのデバイス22Aを通って冷却水を流すように形成されている。また、ヘッド内ウォータジャケット17における冷却水流出口付近の部分には、冷却水温THWを検出する水温センサ24が設置されている。
さらに、本実施形態のエンジン冷却装置は、電子制御ユニット25を備えている。電子制御ユニット25には、エンジン10に設置のエアフローメータ28が検出したエンジン10の吸入空気量GA、同じくエンジン10に設置の吸気温センサ29が検出した同エンジン10の吸気温THA、上記水温センサ24が検出した冷却水温THWなどの検出値が入力されている。また、電子制御ユニット25は、冷却水回路18の冷却水の流量が、エンジン10の運転状況に応じた流量となるように電動ウォータポンプ19の吐出流量(以下、ポンプ流量QPと記載する)を制御する流量制御部26を備えている。
流量制御部26は、エンジン10の始動から冷却水温THWが上記サーモ開温度T1に達するまでの暖機運転中の流量制御として、水止制御、ΔT保持制御、及び定流量制御を行う。水止制御では、冷却水回路18を循環する冷却水の流量を「0」近傍の微小流量QMに保持する制御が行われる。なお、微小流量QMの値は、ブロック内ウォータジャケット16を流れる冷却水がシリンダ12の壁面から持ち去る熱量がほぼ「0」となる程度の少ない流量となっている。また、定流量制御では、冷却水回路18を循環する冷却水の流量を、上記微小流量QMよりも多い規定の基準流量QBに保持する制御が行われる。さらに、ΔT保持制御では、シリンダ12の上部と下部との壁温差ΔTが一定に保たれるように、冷却水回路18の冷却水の流量を可変とする制御が行われる。
流量制御部26は、後述する水止実施条件が成立していない場合には、暖機運転中、の流量制御として定流量制御を終始に渡って行う。これに対して、流量制御部26は、水止実施条件が成立している場合には、水止制御、ΔT保持制御、定流量制御の順に制御を切り替えながら暖機運転中の流量制御を行う。このときの流量制御の切り替えは、基本的には冷却水温THWに基づいて行われる。すなわち、冷却水温THWが規定の水止解除温度T3に達するまでは水止制御を、冷却水温THWが水止解除温度T3以上となってから規定の暖機完了温度T2に達するまではΔT保持制御を、冷却水温THWが暖機完了温度T2となってからサーモ開温度T1に達するまでは定流量制御を、それぞれ行うようにしている。なお、暖機完了温度T2は、エンジン10の暖機が完了したと判定する温度であり、その値にはサーモ開温度T1よりも低い温度が設定されている。また、水止解除温度T3の値には、暖機完了温度T2よりも更に低い温度が設定されている。
ところで、上記のような水止制御の実行中は、ブロック内ウォータジャケット16を流れる冷却水によるシリンダ12の壁面からの熱の持ち去りが限られたものとなる。そのため、燃焼室15内での燃焼熱を多く受けるシリンダ12の上部と、同燃焼熱を殆ど受けないシリンダ12の下部との壁温差ΔTが拡大する。そして、その結果、シリンダ12に偏膨張が生じ、シリンダ12内でのピストン11の往復動作に振れが発生してしまうことから、シリンダ12の壁面にピストン11が衝突して打音(以下、ピストン打音と記載する)が発生する虞がある。
なお、始動後のエンジン10の運転状況によっては、冷却水温THWが低くても、ピストン打音が発生するまでシリンダ12の上部、下部の壁温差ΔTが拡大してしまうことがある。これに対して本実施形態のエンジン冷却装置では、水止制御中のシリンダ12の上部と下部との壁温差ΔTを算出する壁温差算出部27を設けている。そして、流量制御部26は、水止制御中に、ピストン打音が発生する程度まで壁温差ΔTが拡大した場合には、冷却水温THWが水止解除温度T3未満であっても、水停止制御を終了して、ΔT保持制御を行うようにしている。
(壁温差の算出)
ここで、壁温差算出部27による上記壁温差ΔTの算出の詳細を説明する。壁温差算出部27は、以下に述べる壁温差レベルLVを上記壁温差の指標値として算出する。壁温差レベルLVの値は、シリンダ12の上部と下部との壁温差を、規定の限界壁温差ΔTLMTに対する比として表すものである。限界壁温差ΔTLMTの値には、水止制御を停止して、ブロック内ウォータジャケット16の冷却水の流量を、微小でない流量とすることで、ピストン打音の発生を回避可能な上記壁温差ΔTの最大値が設定されている。すなわち、ピストン打音の発生は、こうした壁温差レベルLVの値が「1」に達したときに水止制御を終了して、ブロック内ウォータジャケット16の冷却水の流量を、それ以上の壁温差ΔTの拡大を阻止できるだけの十分な流量とすれば、回避できることになる。
図2に、こうした壁温差レベルLVの算出にかかる壁温差レベル算出ルーチンのフローチャートを示す。壁温差算出部27は、本ルーチンの処理を、規定の演算周期T毎に実行する。
本ルーチンの処理が開始されると、まずステップS100において、水止制御の実行中であるか否かが判定される。そして、水止制御の実行中である場合には(YES)、ステップS110に処理が進められ、そうでない場合には(NO)、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了される。
ステップS110に処理が進められると、そのステップS110において、フューエルカットやアイドルストップなどによる一時的なエンジン10の停止中であるか否かが判定される。そして、エンジン10が運転中であれば(NO)、ステップS120に処理が進められ、停止中であれば(YES)、ステップS140に処理が進められる。
ステップS120に処理が進められると、吸入空気量GAから変化量ΔLVの値が算出される。変化量ΔLVは、本ルーチンの処理が前回実行されたときから今回実行されるまでの期間における壁温差レベルLVの変化量を表す。このときの変化量ΔLVの算出は、電子制御ユニット25に予め記憶された算出マップM1を用いて行われる。
その後、ステップS130に処理が進められる。そして、そのステップS130において、更新後の値が、更新前の値に変化量ΔLVの値を加えた和となるように、壁温差レベルLVの値が更新された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。
一方、エンジン10が停止中であって(S110:YES)、ステップS140に処理が進められた場合には、そのステップS140において、エンジン10が停止してから現在までの時間(以下、停止継続時間TSと記載する)から変化量ΔLVの値が算出される。このときの変化量ΔLVの算出は、電子制御ユニット25に予め記憶された算出マップM2を用いて行われる。その後、上述のステップS130に処理が進められ、そのステップS130において上述の通りに壁温差レベルLVの値が更新された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。
図3に、ステップS120での変化量ΔLVの値の算出に用いられる算出マップM1における吸入空気量GAと変化量ΔLVの値との関係を示す。同図に示すように、算出マップM1において変化量ΔLVの値は、吸入空気量GAが大きいほど、大きい値となるように設定されている。
こうした算出マップM1は、次のようにして作成されている。
1.上記壁温差ΔTを実際に測定するため、エンジン10のシリンダ12の上部及び下部にそれぞれ温度センサを取り付ける。
2.冷却水回路18の冷却水の循環を停止した状態で、吸入空気量GAを一定としてエンジン10を運転したときの、上記壁温差ΔTの測定値が「0」から上記限界壁温差ΔTLMTに到達するまでの時間(限界壁温差到達時間)を計測する。
3.上記2.の限界壁温差到達時間の計測を、吸入空気量GAの値を変えて実施する。
4.上記3.計測を行った吸入空気量GAのそれぞれについて、限界壁温差到達時間の計測値を上記演算周期Tで割った商を求め、その商の値を当該吸入空気量GAでの変化量ΔLVの値として設定する。
上記壁温差レベル算出ルーチンの処理によれば、水止制御の実行中、吸入空気量GAから算出された変化量ΔLVの値の分ずつ、壁温差レベルLVの値が増加されていく。なお、同算出マップM1において変化量ΔLVの値は、吸入空気量GAが一定の値よりも小さい場合、負の値を取るように設定されており、この場合の壁温差レベルLVの値は減少するようになる。これは、アイドル運転時のようなエンジン10の低負荷運転時には、シリンダ12の上部の壁面の燃焼熱の受熱量よりも、ブロック内ウォータジャケット16内の冷却水等への同壁面の放熱量が大きくなり、上記壁温差が縮小することを反映している。
なお、本実施形態のエンジン冷却装置が適用されるエンジン10では、排気浄化用の触媒の早期活性化のための触媒早期活性化制御が行われる。触媒早期活性化制御では、点火時期を遅角して排気温を高めるとともに、それに伴うエンジントルクの低下分を、吸入空気量GAの増量により補っている。こうした触媒早期活性化制御中は、同一の吸入空気量GAのもとで同制御が行われていない場合よりも、シリンダ12の上部の壁面が受ける燃焼熱の量が少なくなる。そのため、図3に二点鎖線で示すように、触媒早期活性化制御中は変化量ΔLVの値として、同一の吸入空気量GAのもとで同制御が行われていない場合よりも小さい値が設定されるようになっている。
図4に、ステップS140での変化量ΔLVの値の算出に用いる算出マップM2における停止継続時間TSと変化量ΔLVの値との関係を示す。同図に示すように、算出マップM2において変化量ΔLVの値は、常に負の値を取り、且つ停止継続時間TSが長いほど「0」に収束していくように設定されている。よって、エンジン10の停止中は、壁温差レベルLVの値は減少するようになる。
以上説明した壁温差算出ルーチンの処理により算出する壁温差レベルLVは、上述のように、限界壁温差に対する比として壁温差を表したものである。すなわち、壁温差レベルLVは、シリンダ12の上部と下部との壁温差を、演算の簡単のために無次元化した量として表したものである。
また、上記壁温差算出ルーチンの処理において、壁温差算出部27は、規定の演算周期T毎に、エンジン10の吸入空気量GAから、壁温差レベルLVの変化量ΔLVを演算している。そして、壁温差算出部27は、そうした演算周期T毎の変化量ΔLVの演算値を積算した積算値として壁温差レベルLVの値を算出している。
(暖機運転中の流量制御)
続いて、エンジン10の暖機運転中に流量制御部26が実施する流量制御の詳細を説明する。
図5に、冷却水温THWがサーモ開温度T1に達するまでの期間における冷却水の流量制御にかかるサーモ開前流量制御ルーチンのフローチャートを示す。本ルーチンの処理は、流量制御部26が、冷却水温THWがサーモ開温度T1に達するまでの期間、規定の制御周期毎に実行するものとなっている。
本ルーチンの処理が開始されると、まずステップS200において、冷却水温THWがサーモ開温度T1未満であるか否かが判定される。ここで、冷却水温THWがサーモ開温度T1以上であった場合には(S200:NO)、そのまま今回の本ルーチンの処理が終了される。
一方、冷却水温THWがサーモ開温度T1未満であった場合(S200:YES)、ステップS210に処理が進められ、そのステップS210において、冷却水温THWが暖機完了温度T2未満であるか否かが判定される。そして、冷却水温THWが暖機完了温度T2未満であれば(YES)、ステップS230に処理が進められ、暖機完了温度T2以上であれば(NO)、ステップS220に処理が進められる。
ステップS220に処理が進められると、そのステップS220において、ポンプ流量QPが規定の基準流量QBを設定された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。基準流量QBの値には、冷却水回路18の冷却水の流量が、ヘッド内ウォータジャケット17の壁面における燃焼室15の直上の部分(以下、部位Xと記載する)での冷却水の沸騰を防止でき、且つスロットルを解凍可能な流量となるポンプ流量QPの値が設定されている。
一方、冷却水温THWが暖機完了温度T2未満であってステップS230に処理が進められた場合には、そのステップS230において、水止実施条件が成立しているか否かが判定される。水止実施条件は、上述の水止制御及びΔT保持制御の実施を許可する条件であり、下記要件(イ)〜(ハ)のすべてが満たされることをもって成立となる。
(イ)エンジン10を始動し始めた時点の冷却水温THW(以下、始動時水温と記載する)と、同時点の吸気温THA(以下、始動時吸気温と記載する)との差が既定値未満であること。すなわち、エンジン10の始動前に、冷却水温が外気温と同程度の温度まで低下していること。
(ロ)始動時水温が、規定の水止上限温度以下であること。なお、水止上限温度は、水止制御を実施可能な始動時水温の上限値であり、その値は、エンジン10の使用が想定される地域の内、最も気温が高くなる地域の気候を考慮して設定されている。なお、本要件(ロ)は、上記要件(イ)と共に、エンジン10が今回の始動までにエンジン10が長時間停止していたか否かを判定するために設定されている。
(ハ)始動時水温、及び始動時吸気温が共に、規定のスロットル不凍温度以上であること。なお、スロットル不凍温度の値としては、エンジン10のスロットルが凍結しないスロットル温度の最低値が設定されている。
ちなみに、エンジン10の運転中には、ヘッド内ウォータジャケット17の壁面における燃焼室15の直上の部分(以下、部位Xと記載する)は、高温となる。こうした部位Xの壁面温度は、エンジン10の停止直後に、ヘッド内ウォータジャケット17の水流の停止に応じて、一旦上昇することがある。そのため、エンジン10が短時間の停止後に再始動された場合、水止制御やΔT保持制御によってヘッド内ウォータジャケット17の冷却水流量が制限されると、上記部位Xの壁面において冷却水が沸騰する虞がある。そのため、本実施形態では、上記要件(イ)、(ロ)が共に満たされる場合、すなわちエンジン10が長時間停止後に始動された場合に限定して、水止制御及びΔT保持制御を実施するようにしている。
また、エンジン10のスロットが凍結しているときには、スロットルに冷却水を流して同スロットルを解凍する必要がある。そのため、本実施形態では、上記要件(ハ)が満たされない場合、すなわちエンジン10の始動時にスロットルが凍結している可能性がある場合には、水止制御及びΔT保持制御を行わず、定流量制御のみを行うようにしている。
上述のステップS230において、水止実施条件が成立していないと判定された場合(NO)、上記ステップS220に処理が進められる。すなわち、この場合には、冷却水温THWに関わらず、ポンプ流量QPを基準流量QBに保持する定流量制御が実施される。これに対して、水止実施条件が成立していると判定された場合には(S230:YES)、ステップS240に処理が進められる。
ステップS240に処理が進められると、そのステップS240において、冷却水温THWが水止解除温度T3未満であるか否かが判定される。そして、冷却水温THWが水止解除温度T3未満であれば(YES)ステップS280に、冷却水温THWが水止解除温度T3以上であれば(NO)ステップS250に、それぞれ処理が進められる。
ステップS250に処理が進められると、上述のΔT保持制御を行うべく、同ステップS250及び続くステップS260の処理を行った後、今回の本ルーチンの処理が終了される。すなわち、この場合には、ステップS250において、現在の吸入空気量GAのもとで、壁温差を一定に保持するために必要なポンプ流量QPの値である保持流量QCONが同吸入空気量GAから算出され、続くステップS260において、ポンプ流量QPの値として、保持流量QCONが設定される。
図7に、吸入空気量GAと保持流量QCONとの関係を示す。同図に示すように、吸入空気量GAが増加するほど、保持流量QCONは大きい値に設定される。これは、吸入空気量GAが多いほど、燃焼室15内で燃焼される燃料の量も多くなり、シリンダ12の上部の壁面が受ける燃焼熱の量も多くなって、その分の放熱に必要な冷却水の流量も多くなることを反映している。
これに対して、ステップS280に処理が進められると、そのステップS280において壁温差レベルLVが1以下であるか否かが判定される。ここで、壁温差レベルLVが1以下であれば(YES)、ステップS290において、上述の水止制御を行うべく、ポンプ流量QPの値が微小流量QMに設定された後、今回の本ルーチンの処理が終了される。一方、壁温差レベルLVが1を超えていれば(S280:NO)、ΔT保持制御を行うべく、上述のステップS250に処理が進められる。
(作用効果)
続いて、以上のように構成された本実施形態のエンジン冷却装置の作用及び効果について説明する。
図7に、本実施形態のエンジン冷却装置における、エンジン10の始動後の吸入空気量GA、シリンダ12の上部及び下部の壁温、壁温差ΔT、及びポンプ流量QPの推移の一例を示す。また、同図には、同時に示される期間の終始に亘り、水止制御を継続した場合のシリンダ12の上部の壁温、及び壁温差ΔTの推移が破線により示されている。
壁温差レベルLVの算出を行わず、冷却水温THWのみに基づいて水止制御の終了時期を決定する場合には、冷却水温THWが水止解除温度T3に達する時刻t2まで水止制御が継続される。そして、その時刻t2からΔT保持制御が開始されることになる。そのため、この場合の壁温差ΔTは、同図に点線で示すように、時刻t2まで拡大を続ける。同図の例では、時刻t2よりも早い時刻t1において壁温差ΔTが限界壁温差ΔTLMTに達しており、その後も壁温差ΔTが拡大しているため、ピストン打音が発生してしまう。
これに対して、本実施形態のエンジン冷却装置における壁温差算出部27は、限界壁温差ΔTLMTに対する上記壁温差の比である壁温差レベルLVを算出している。そして、壁温差レベルLVの値から、時刻t1において壁温差ΔTが限界壁温差ΔTLMTに達したことが確認されると、その時点で水止制御が停止されて、ΔT保持制御が開始される。その結果、壁温差ΔTのそれ以上の拡大が、ひいてはピストン打音の発生が抑えられる。
こうした本実施形態のエンジン冷却装置では、ポンプ打音の発生を回避可能な限りにおいて、長時間の水止制御の実施が可能となる。また、水止制御の停止後も、壁温差をそれ以上拡大させない限りにおいて、ポンプ流量QPが少ない流量とされるため、一定の暖機促進効果が得られる。このように、本実施形態では、エンジン10の暖機運転中の冷却水の流量制御を、シリンダ12の上部と下部との壁温差を確認しつつ行うことで、ポンプ打音の発生を回避可能な限りにおいて高い暖機促進効果が得られるものとなっている。
さらに、本実施形態のエンジン冷却装置における壁温差算出部27は、上記壁温差(壁温差レベルLV)を、エンジン10に既設のエアフローメータ28により検出された吸入空気量GAから算出している。そのため、センサの追加によるエンジン10の部品点数の増加を抑えつつ、水止制御中におけるシリンダ12の上部と下部との壁温差の確認を行うことができるものとなっている。
以上の本実施形態は、次のように変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、壁温差レベルLVの値が「1」に達すると、水止制御を停止するとともに、ポンプ流量QPを、吸入空気量GAに応じて設定された保持流量QCONとするΔT保持制御を行うようにしていた。このときのΔT保持制御の代わりに、上述の基準流量制御を行うようにしてもよい。
・上記実施形態における水止実施条件の内容は、適宜変更してもよい。
10…エンジン、11…ピストン、12…シリンダ、13…シリンダブロック、14…シリンダヘッド、15…燃焼室、16…ブロック内ウォータジャケット、17…ヘッド内ウォータジャケット、18…冷却水回路、19…電動ウォータポンプ、20…ラジエータ、21…ラジエータ水路、22…バイパス水路、22A…デバイス、23…サーモスタット、24…水温センサ、25…電子制御ユニット、26…流量制御部、27…壁温差算出部、28…エアフローメータ、29…吸気温センサ。

Claims (1)

  1. ピストンを収容したシリンダを有するシリンダブロックの内部を通って冷却水を循環することで同シリンダブロックを冷却するとともに、エンジンの暖機運転中に前記シリンダブロックの内部を通る冷却水の流量を「0」又は微小な流量とする水止制御を行うエンジン冷却装置において、
    前記水止制御の実行中に、前記エンジンの吸入空気量から、前記シリンダの上部と下部との壁温差の変化量を規定の演算周期毎に演算するとともに、その演算周期毎の前記変化量の演算値を積算した積算値として前記壁温差を算出する壁温差算出部を備えるエンジン冷却装置。
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