JP2018123006A - 用紙綴じ装置、用紙処理装置および画像形成システム - Google Patents

用紙綴じ装置、用紙処理装置および画像形成システム Download PDF

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Abstract

【課題】用紙の破損を抑制することができる用紙綴じ装置、用紙処理装置および画像形成システムを提供する。【解決手段】綴じ具の一対の圧着歯いずれも、上記凸部の頂部71a,71bが上記用紙束の紙面に対して平行な面となっており、上記凸部における側面が、上記紙面に対して傾斜した斜面部72a,72bとなっている。また、一対の圧着歯の互いの凹凸をかみ合わせたとき、上記傾斜部72a、72b同士が接触し、かつ、上圧着歯261aの凸部の頂部71aと下圧着歯261bの凹部の底部73bとの間および下圧着歯261bの凸部の頂部71bと上圧着歯261aの凹部の底部73aとの間いずれにも隙間Sが形成されるよう一対の圧着歯が構成されている。【選択図】図22

Description

本発明は、用紙綴じ装置、用紙処理装置および画像形成システムに関するものである。
従来、画像形成システムとして、画像形成装置で画像が形成された用紙束に対して綴じ手段である綴じ具を用いて綴じ処理を施す用紙綴じ装置が設けられた用紙処理装置を備えたものが知られている。
特許文献1に記載の用紙処理装置には、金属針を用いずに用紙束を一対の凹凸形状を有する圧着部材である圧着歯で強く噛み合わせることにより用紙の繊維を絡ませて、用紙同士を圧着させることで用紙束を綴じる、圧着綴じ方式の用紙綴じ装置が設けられている。金属針を用いずに圧着綴じで用紙束を綴じることにより、用紙束の廃棄時やシュレッターをかけるときに、用紙束から金属針をはずす手間を省くことができる。
図24は、特許文献1に記載の一対の圧着歯を示す図である。図24は、用紙束の紙面と平行、かつ、圧着歯の凹凸の並び方向に対して直交する方向から見た図である。
図24に示すように、下圧着歯261bの凸部172aの頂部が用紙束の紙面に平行な面となっている。下圧着歯の凹部172bは、V字状の溝形状をしている。上圧着歯261aの凸部171aは、V字状であり、凹部171bは、逆V字状の溝形状となっている。
図24に示すように、一対の圧着歯を噛み合わせたとき、上圧着歯261aの凸部171aが下圧着歯261bの凹部172bに接触し、上圧着歯261aの凹部171bと、下圧着歯261bの凸部172aとの間に隙間Sが生じる。
この特許文献1によれば、上下から圧力を掛けると、全体にかかる紙の繊維の負荷が隙間Sによって和らぎ、部分的には繊維の限界を超えた伸長が回避され、破れずに繊維同士を絡み合せることができる。このため、全体が破れずに済み、綴じ込み強度が保たれることとなると記載されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載の構成は、上圧着歯261aの凸部171aがV字状となっており、頂部がとがった形状である。そのため、用紙束の上圧着歯261aの凸部171aの頂部との接触部分に圧力が集中し、用紙束の用紙が破れてしまうという不具合があった。
また、特許文献1に記載の構成は、上圧着歯261aの凹部171bと、下圧着歯261bの凸部172aとの間にしか隙間が形成されていないため、十分に繊維の限界を超えた伸長が回避されず、用紙束の用紙が破れてしまうという不具合もあった。
本発明は以上の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、用紙の破損を抑制することができる用紙綴じ装置、用紙処理装置および画像形成システムを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、複数の凹部と複数の凸部とが平行に並んで交互に配置された一対の圧着部材の互いの凹凸を用紙束を挟んで噛み合せることで用紙束を綴じる圧着綴じ方式の用紙綴じ装置において、上記一対の圧着部材いずれも、上記凸部の頂部が上記用紙束の紙面に対して平行な面であり、上記凸部における側面が、上記紙面に対して傾斜した傾斜面であり、一対の圧着部材の互いの凹凸をかみ合わせたとき、上記傾斜面同士が接触し、かつ、一方の圧着部材の凸部の頂部と他方の圧着部材の凹部の底部との間および他方の圧着部材の凸部の頂部と一方の圧着部材の凹部の底部との間いずれにも隙間が形成されるよう一対の圧着部材を構成したことを特徴とするものである。
本発明によれば、用紙の破損を抑制することができる。
(a)及び(b)はそれぞれ本発明の実施形態に係る画像形成システムの全体構成の一例を示す概略構成図。 本実施形態に係る画像形成システムの画像形成装置の一構成例を示す概略構成図。 本実施形態に係る画像形成システムの用紙処理装置の一構成例を示す平面図。 同用紙処理装置の正面図。 用紙処理装置に受け入れた用紙を分岐する分岐爪のホームポジションを示す説明図。 用紙処理装置に受け入れた用紙を分岐路に分岐するときの分岐爪の位置を示す説明図。 歯型が開いた状態の綴じ具及びその駆動機構の一例を示す説明図。 歯型が閉じた状態の綴じ具及びその駆動機構の一例を示す説明図。 (a)及び(b)はそれぞれ、初期化処理が完了した用紙処理装置の内部の様子を示す平面図及び正面図。 (a)及び(b)はそれぞれ、用紙を受け入れているときの用紙処理装置の内部の様子を示す平面図及び正面図。 (a)及び(b)はそれぞれ、用紙の幅方向の位置を位置決めしているときの用紙処理装置の内部の様子を示す平面図及び正面図。 (a)及び(b)はそれぞれ、用紙の後端の位置を位置決めしているときの用紙処理装置の内部の様子を示す平面図及び正面図。 (a)及び(b)はそれぞれ、後続の用紙を受け入れているときの用紙処理装置の内部の様子を示す平面図及び正面図。 (a)及び(b)はそれぞれ、更に後続の用紙を受け入れているときの用紙処理装置の内部の様子を示す平面図及び正面図。 (a)及び(b)はそれぞれ、用紙束の整合処理が完了し綴じ処理が開始する前の用紙処理装置の内部の様子を示す平面図及び正面図。 (a)及び(b)はそれぞれ、綴じ処理が完了した用紙束の排出を開始するときの用紙処理装置の内部の様子を示す平面図及び正面図。 (a)及び(b)はそれぞれ、綴じ処理が完了した用紙束の排出しているときの用紙処理装置の内部の様子を示す平面図及び正面図。 圧着綴じ方法の説明図。 下圧着歯の平面図。 図19のA方向から見た図。 図21は、図19のB方向から見た図。 圧着綴じ時における用紙束の挙動について説明する図。 検証試験の結果を示すグラフ。 従来の一対の圧着歯について示す図。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1(a)及び(b)はそれぞれ、本発明の実施形態に係る画像形成システムの全体構成の一例を示す概略構成図である。図1(a)の画像形成システム100は、入力画像に基づいてシートとしての用紙に画像を形成する画像形成手段としての画像形成装置101に用紙処理装置201を組み込んだ構成例である。また、図1(b)の画像形成システム100は、画像形成装置101に用紙処理装置201を連結した構成例である。
なお、本実施形態の画像形成システム100は、電子写真方式でトナー像からなる画像を用紙上に形成するものであるが、インクジェット方式などの他の方式で画像を形成するものであってもよい。また、本実施形態では、画像形成装置101と用紙処理装置201とを組み合わせた画像形成装置について説明するが、本発明は、用紙処理装置201を画像形成装置101に内臓した画像形成装置についても適用できる。
また、本発明は、用紙処理装置201を、画像形成装置101から独立した構成とした場合にも適用できる。この場合は、綴じ対象のシートがセットされるカセットやトレイ、及び、シート束が出力されるトレイなどを、シート処理装置に設けてもよい。
図2は、本実施形態に係る画像形成システム100の一構成例を示す概略構成図である。
図2において、画像形成システム100は、中間転写体を用いた間接転写方式のタンデム型カラー画像形成装置である。画像形成装置101のほぼ中央部には、トナー像形成手段としての作像部110が配置されている。作像部110は、所定方向に並ぶように配置された4色(Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、K:ブラック)の作像ステーション111Y,111M,111C,111K(以下、適宜、添え字Y,M,C,Kを省略する。)を有する。
また、画像形成装置101は、作像部110の下方に設けられた記録媒体供給手段としての複数の給紙部である給紙トレイ120を備えている。また、給紙トレイ120でピックアップされた記録媒体としての用紙を2次転写部140及び定着部150に搬送する給紙搬送路(縦搬送路)130を備えている。更に、画像形成装置101は、画像(トナー像)が定着された用紙を用紙処理装置201側に搬送する分岐排紙経路160と、第一面(表面)に画像が形成された用紙を反転して第二面(裏面)に画像形成させるための両面搬送路170と、を備えている。
また、画像形成装置101は、画像読み取り手段としてのスキャナ部180と原稿供給手段としての自動原稿送り装置(ADF)185とを備えている。スキャナ部180は、原稿台であるガラス面上にセットされた画像読み取り対象物である原稿の画像を読み取って電気信号に変換する。また、自動原稿送り装置(ADF)185は、スキャナ部180で画像が読み取られる複数枚又は1枚の原稿がセットされ、各原稿をスキャナ部180の読み取り位置にあるガラス面上に送るように搬送する。
作像部110は、作像ステーション111のYMCK各色用の像担持体としての感光体ドラムを備えている。各感光体ドラムの周囲には、その外周に沿って、帯電手段としての帯電ユニットと、現像手段としての現像ユニットと、1次転写ユニットと、クリーニングユニットと、除電手段としての除電ユニットとを備えている。また、作像部110は、露光手段としての図示しない光書き込みユニットと、中間転写体としての中間転写ベルト112とを備えている。光書き込みユニットは、各作像ステーション111の下側に配置され、各色ごとに、スキャナ部180の読み取り結果から生成された画像データに基づいて、各感光体ドラムに光を照射して静電潜像を形成する。中間転写ベルト112は、作像ステーション111の上側に配置され、各感光体ドラムに形成された画像(トナー像)が1次転写ユニットによって転写される。
中間転写ベルト112は複数の支持ローラによって回転可能に支持されている。その複数の支持ローラのうちの1つの支持ローラ114は、2次転写部140で中間転写ベルト112を介して2次転写ローラ115と対向している。この2次転写部140で、中間転写ベルト112上の画像(トナー像)が用紙に2次転写される。中間転写ベルト112の上方には、交換可能なトナー収容容器116が配置されている。
なお、上記構成の画像形成装置(間接転写方式のタンデム型カラー画像形成装置)の画像形成プロセスは公知であり、本発明の要旨とは直接関係しないので、詳細な説明は省略する。
定着部150で定着処理された定着済みの用紙は、搬送ローラ162で搬送され、その搬送方向が搬送路切り換え部材161により切り換えられる。これにより、定着済みの用紙は、分岐排紙経路160又は両面搬送路170に搬送される。
本実施形態の用紙処理装置201は、画像が形成された用紙を含む複数の用紙の後処理として、複数の用紙からなるシート束としての用紙束を綴じる用紙綴じ手段としての搬送路綴じ機構を備えている。この搬送路綴じ機構は、用紙搬送路内で用紙を重ね合わせ整合する構成と、その重ね合わせた用紙を綴じる綴じ手段としての綴じ具とを有する。
図3及び図4はそれぞれ、本実施形態の画像形成システム100に備えた搬送路綴じ機構を有する用紙処理装置201の構成例を示す平面図及び正面図である。
用紙処理装置201は、入口センサ202と入口ローラ203と分岐爪(切換爪)204と排紙ローラ205とシフトリンク206とシフトカム207とシフトカムスタッド208とシフトホームポジションセンサ209と綴じ具210とを備える。
入口センサ202は、画像形成装置101の排紙ローラ102から用紙処理装置201に搬入された用紙の先端と後端と有無とを検知する。
入口ローラ203は、用紙処理装置201の入口に位置し、用紙を用紙処理装置201に搬入する機能を有する。この入口ローラ203のローラニップを使用して用紙の突き当てスキュー補正も可能となっている。入口ローラ203は図示しない制御可能な駆動源で駆動される。この駆動源は不図示の制御手段で制御され、これにより、駆動源による入口ローラ203の回転駆動及び停止、並びに入口ローラ203による用紙の搬送量が制御される。なお、制御手段は、画像形成装置101に設けてもよい。
分岐爪204は、用紙の後端を分岐路241へ導くために設けた搬送路を切換える回動可能な爪である。また、分岐爪204は、分岐路搬送面に用紙を押圧することが可能な構成となっており、この押圧により用紙を固定可能となっている。
排紙ローラ205は、用紙処理装置201の出口に位置し、用紙を搬送・シフト・排出する機能を有する。また、排紙ローラ205は、図示しない制御可能な駆動源で駆動される。この駆動源は後述の制御手段で制御され、これにより、駆動源による排紙ローラ205の回転駆動及び停止、並びに排紙ローラ205による用紙の搬送量が制御される。
本実施形態の用紙処理装置201において用紙を搬送する搬送手段は、例えば、入口ローラ203、排紙ローラ205、及び、それらを駆動する駆動源などで構成される。
シフトリンク206は、排紙ローラ205の軸端に設けられており、シフトの移動力を受ける部位になっている。
シフトカム207は、シフトカムスタッド208を有し、回転をする円盤状の部品である。この部品の回転によってシフトカムスタッド208を介しシフトリンク206の長穴部と連結された排紙ローラ205をシフトさせる。
シフトカムスタッド208は、シフトリンク206の長穴部と連動し、シフトカム207の回転運動を排紙ローラ205の軸方向の直動運動に変える。
シフトホームポジションセンサ209は、シフトリンク206の位置を検出し、この検出したポジションをホームポジション(待機位置)とする。
綴じ具210は、金属針を用いないで、絞り圧着加工により用紙束を綴じる道具又は装置である。本実施形態では、表面に凹凸を有する上歯型と下歯型とからなる1対の歯型で用紙束を狭持することで用紙を変形させ繊維を絡める綴じ具210を用いている。この種の綴じ具210としては、例えば実公昭36−013206号公報に開示されているような既知の綴じ具を用いることができる。また、用紙束にU字型の切り曲げを施し、その曲げ元近傍にスリットを同時に開け、切り曲げた先端部を前記スリットに通して解けないようにすることで、金属針を用いないで用紙束を綴じる綴じ具を用いてもよい(例えば、実公昭37−007208号公報参照)。なお、用紙束を綴じる綴じ手段としては、本実施形態の綴じ具に限定されるものではなく、用紙同士を圧着して用紙の繊維を絡ませて綴じる絞り圧着加工によって綴じる機能を有するものであればよい。
用紙端検知手段としての用紙端センサ220は、用紙の側端を検出するセンサである。用紙を揃えるときに、このセンサで検知した検知位置を基準に用紙が揃えられる。
綴じ具ホームポジションセンサ221は、用紙の搬送方向に交差する幅方向に移動可能な綴じ具210の位置を検出するセンサである。最大サイズの用紙が搬送されても邪魔にならない位置に綴じ具210が位置するポジションをホームポジション(待機位置)とし、この位置が綴じ具ホームポジションセンサ221によって検出される。
綴じ具移動ガイドレール230は、綴じ具210が用紙の幅方向に安定して移動可能なように、その移動をガイドするレールである。
搬送路240は、受入れた用紙を搬送排出する通常の経路である。分岐路241は、用紙を重ね合わせて整合するために設けられ、用紙のスイッチバックにより後端側から搬入される搬送路である。
突き当て面242は、綴じ対象の用紙が収容されるシート収容部としての綴じ処理用トレイ(ステープルトレイ)243において用紙の後端を突き当て整合する基準面である。圧着歯261は、例えば本実施形態では1対の凹凸が噛み合うような形状の歯型であり、用紙を狭持することで用紙を変形させ繊維を絡める。
図5及び図6はそれぞれ用紙処理装置201に受け入れた用紙を分岐する分岐爪204及びその周辺の詳細な構成例を示す説明図である。図5は分岐爪204のホームポジションを示す説明図である。また、図6は、用紙処理装置201に受け入れた用紙を分岐路241に分岐するときの分岐爪の位置を示す説明図である。
分岐爪204は、搬送路240と分岐路241とを切り換えるために回動可能に構成されている。図5に示すように、図中の右側より受け入れた用紙が抵抗無く搬送できる回転位置が、分岐爪204のホームポジションとなっている。分岐爪204は、図5に示すようにスプリング251により常時加圧されている。スプリング251は分岐爪可動レバー部204aにかけられている。分岐爪可動レバー部204aにはリンクを介して分岐ソレノイド250も連結されている。また、分岐路241の搬送面と分岐爪204は搬送路内にある用紙を狭持可能に構成されている。搬送路の切換えは、分岐ソレノイド250をONすることで分岐爪204は図6中矢印A1方向に回動し、搬送路240を閉鎖し、分岐路241へ用紙をガイドする。
本実施形態において、綴じ対象の複数の用紙を重ね合わせて用紙束にする手段は、入口ローラ203、排紙ローラ205、分岐爪204、突き当て面242を有する綴じ処理用トレイ243、及び、それらを駆動する駆動源など等によって構成される。
図7及び図8はそれぞれ綴じ具210の構成及び動作の一例を示す説明図である。図7は、圧着歯261が開いた状態の綴じ具210及びその駆動機構の一例を示す説明図であり、図8は、圧着歯261が閉じた状態の綴じ具210及びその駆動機構の一例を示す説明図である。なお、綴じ具210の構成は、図7及び図8の構成に限定されるものではない。
図7において、圧着歯261は上圧着歯261aと下圧着歯261bとを有し、噛み合う形状をしている。上圧着歯261aは、可動リンク部材263の先端に組み付けられている。下圧着歯261bは、上圧着歯261aと対向するように固定リンク部材264に組み付けられている。可動リンク部材263は、加圧レバー262の回動によって圧着歯261が互いに接離するように構成されている。加圧レバー262は、図8中矢印A2方向に回転するカム266により、図8中矢印A3方向に回動する。このカム266は駆動モータ265より駆動力を与えられ回転し、カムホームポジションセンサ267の検知情報に基づき、その検知位置に位置するように制御される。カムホームポジションセンサ267の検知位置をカム266のホームポジション(待機位置)とし、この位置で一対の圧着歯261は開いた状態となっている。
用紙を綴じるときは、図8に示すように動作する。一対の圧着歯261が開いた状態で、その間に用紙Pを挿入し、駆動モータ265の回転によってカム266を図8中矢印A2方向へ回転させる。そのカム面の変位によって加圧レバー262は図中矢印A3方向に回動する。その回転力は、てこを利用した可動リンク部材263を介して力を増し、その端部の上圧着歯261aに伝わる。カム266が一定量だけ回転した時点で上圧着歯261aと下圧着歯261bとは噛み合い、用紙Pを狭持する。この狭持によって、用紙Pは変形加圧され、隣接した用紙同士の繊維が絡み合い綴じられる。その後、駆動モータ265は逆回転し、カムホームポジションセンサ267の検知位置で停止する。また、加圧レバー262はバネ性を有しており過負荷が加わったときは撓み、その過負荷を逃がすようになっている。
上記図7及び図8で示す構成の綴じ具210において、用紙Pを変形加圧するように挾持する一対の圧着歯261が噛み合う力である綴じ力が変化し、用紙同士の繊維が絡み合って用紙束が綴じられるときの綴じ強度が変化する。一対の圧着歯261が噛み合うときの綴じ力は、カム266を介して加圧レバー262を回動させるときの回転力(トルク)、すなわち、駆動モータ265で発生するトルク(力のモーメント)によって変化する。駆動モータ265で発生するトルクは、駆動モータ265に供給されるモータ電流に応じて変化する。従って、駆動モータ265に供給されるモータ電流を制御することにより、本綴じモード及び仮綴じモードなどの綴じモードに応じて、綴じ具210の綴じ力を変更し、用紙束の綴じ強度を変更することができる。
次に、用紙処理装置201の綴じ動作の一例について説明する。
図9〜図17は本例の綴じ動作を実行しているときの用紙処理装置201の平面図及び正面図である。図9〜図17それぞれにおいて、分図(a)は用紙処理装置201の平面図であり、分図(b)は用紙処理装置201の正面図である。
まず、図9(a)及び(b)において、画像形成装置101から用紙の出力が開始されると、各部はホームポジションに移動し、初期化処理(イニシャル処理)を完了する。
次に、図10(a)及び(b)において、画像形成装置101から出力される用紙Pが用紙処理装置201に搬入される前に、用紙処理装置201は、動作モードの情報と用紙Pの情報を受け取り、それらの情報に基づき、受入れ待機状態になる。なお、本実施形態における動作モードは、ストレートモード、シフトモード及び綴じモードであるが、これに限定されるものではない。
ここで、ストレートモード、シフトモードのときの用紙処理装置201の動作について、説明する。
まず、ストレートモードのときの用紙処理装置201の動作について説明する。
ストレートモードの情報と用紙Pの情報を受け取った用紙処理装置201は、ストレートモードの受入れ待機状態になる。具体的には、受け入れた用紙Pを所定の搬送方向(図中の左方向)に搬送するように、入口ローラ対203及び排紙駆動ローラ205aがそれぞれ所定の回転方向の回転を開始するのである。このような受け入れ待機状態の用紙処理装置201に画像形成装置101の排紙ローラ102の回転により用紙Pが送り込まれる。用紙処理装置201に送り込まれた用紙Pは、入口ローラ対203、排紙駆動ローラ205aと排紙従動ローラ205bとからなる排紙ローラ対により順次搬送され、排出される。そして、最終紙が排出されると、入口ローラ対203、排紙駆動ローラ205aは停止する。
次に、シフトモードにおける用紙処理装置201の動作について説明する。
シフトモードの情報と用紙Pの情報を受け取った用紙処理装置201は、シフトモードの受入れ待機状態になる。具体的には、ストレートモードと同様に、受け入れた用紙Pを所定の搬送方向(図中の左方向)に搬送するように、入口ローラ対203及び排紙駆動ローラ205aがそれぞれ所定の回転方向の回転を開始するのである。このような受け入れ待機状態の用紙処理装置201に画像形成装置101から用紙Pが送り込まれる。用紙処理装置201に送り込まれた用紙は、ストレートモードと同様、入口ローラ対203、排紙ローラ対により搬送されていく。次に、用紙の後端が入口ローラ対203を抜けたところで、シフトカム207が一定量回転し、排紙駆動ローラ205aが軸方向に移動する。このとき、用紙Pも排紙駆動ローラ205aの移動とともに移動する。用紙Pが排出されるとシフトカム207はホームポジションに復帰するべく回転し、次の用紙にそなえる。この排紙駆動ローラ205aの動作を同じ「部」の用紙が排出されるまで繰り返す。次の「部」の用紙が搬入された場合は、シフトカム207は先程とは逆回転方向に回転し、用紙は反対側に移動して排出される。
一方、綴じモードの情報と用紙Pの情報を受け取った用紙処理装置201は、綴じモードの受入れ待機状態になる。綴じモードの受入れ待機状態では、入口ローラ203は停止し、受け入れた用紙Pを所定の搬送方向(図中の左方向)に搬送するように、排紙ローラ205が図中矢印A6方向の回転を開始する。また、綴じ具210は用紙Pの幅方向端部より一定量退避した待機位置(ホームポジション)に移動して待機する。
その後、用紙Pが用紙処理装置201に搬入されると、その用紙Pの先端が入口センサ202で検知される。この検知されたタイミングから一定距離(用紙Pの先端が入口ローラ203のニップに突き当たって一定量の撓みを生じさせる距離)だけ用紙Pが搬送される。その搬送の後、入口ローラ203が回転し始める。これにより、用紙Pのスキューが補正される。
次に、図11(a)及び(b)において、用紙Pの後端を検知した入口センサ202の検知情報を基準にして用紙Pの搬送量がカウントされ、その用紙Pの位置情報が把握されている。用紙Pの後端が入口ローラ203のニップを通過したら、入口ローラ203は次の用紙受入れのために停止する。それと同時期に、シフトカム207が図11(a)中の矢印A7方向(時計方向)に回転し、用紙Pとともに排紙ローラ205は軸方向に移動を開始する。すると、用紙Pは図11(a)中の矢印A8方向に斜行しながら搬送される。その後、綴じ具210に併設または組込まれた用紙端センサ220が用紙Pを検知すると、シフトカム207は停止した後、逆転する。このシフトカム207の逆回転は、用紙端センサ220が非検知状態になったときに停止する。以上の動作が完了し、用紙Pの後端が分岐爪204の先端を通過した所定の位置で、排紙ローラ205の図中矢印A9方向の回転が停止する。
次に、図12(a)及び(b)において、分岐爪204が図12(b)中の矢印A10方向(時計方向)に回転し、搬送路が切り換えられる。その後、排紙ローラ205が図中矢印A11方向(反時計方向)に逆回転し、用紙Pの後端部が分岐路241に搬入されるように用紙Pが図中矢印A12に搬送される。この搬送により、用紙Pが綴じ処理用トレイ243の突き当て面242に突き当てられて揃えられ、排紙ローラ205が停止する。ここで、排紙ローラ205は、用紙Pが突き当たるとスリップするように弱い搬送力となるように設定されている。
次に、図13(a)及び(b)において、分岐爪204が図13(b)中の矢印A13方向(反時計方向)に回転し、分岐路241にある用紙Pの後端が分岐爪204の接触面で強力に押さえられ、待機する。後続の用紙P’が画像形成装置101から出力されてくると、1枚目の用紙Pと同様に、入口ローラ203で用紙P’のスキュー補正を行なう動作をする。また、入口ローラ203の回転が開始するのと同時期に、用紙を搬送する回転方向(図中A6方向)に排紙ローラ205も回転を開始する。
次に、図14(a)及び(b)において、2枚目以降の用紙P’’、・・・についても、前述の図11及び図12の動作を実施し、順次用紙を狙いの位置に移動させ重ね合わせることで整合状態の用紙束Psを搬送路内にスタックする。
次に、図15(a)及び(b)において、最終紙を整合状態の用紙束Psに重ね合わせる動作が完了したら、用紙束Psを一定量だけ搬送させるように排紙ローラ205が図15(b)中の矢印A14方向(時計方向)に回転して停止する。この排紙ローラ205の動作により、用紙の後端を突き当て面242に突き当てたときに発生した撓みを無くすことができる。その後、分岐爪204は図15(b)中の矢印A15方向(時計方向)に回転して先端の向きが切り換えられ、用紙束Psにかけていた押さえ力が開放される。
次に、図16(a)及び(b)において、排紙ローラ205が図矢印A16方向に回転することにより、綴じ具210の圧着歯261の位置と用紙の加工位置(綴じ位置)とが一致する距離分だけ用紙束Psが搬送され停止する。これにより、用紙搬送方向における綴じ具210の圧着歯261の位置と用紙の加工位置(綴じ位置)とが合せられる。また、綴じ具210の圧着歯261の位置と用紙の加工位置とが一致する距離分だけ、綴じ具210が図16(a)中の矢印A17方向に移動して停止する。これにより、用紙幅方向における綴じ具210の圧着歯261の位置と用紙の加工位置(綴じ位置)とが合わせられる。このとき、分岐爪204は図16(b)中の矢印A18方向(反時計方向)に回転して先端の向きが切り換えられ、用紙受入れ状態に復帰する。その後、綴じ具210の駆動モータ265がONされ、圧着歯261によって用紙束Psが加圧されて絞りが行われることで、各用紙Pの繊維が互いに絡んで用紙同士が結合され、用紙束Psが綴じられる。
次に、図17(a)及び(b)において、排紙ローラ205が図中矢印A16方向に更に回転すると、綴じた用紙束Psが排出される。そして、用紙束Psの排出後に、シフトカム207が図中A19方向に回転してホームポジションに復帰し、綴じ具210が図中矢印A20方向に移動してホームポジションに復帰する。以上により、用紙束Psの綴じ処理の動作を完了する。
図18は、圧着綴じ方法の説明図である。
図18(a)に示すように、綴じ具210は、凹凸形状がある上圧着歯261aと下圧着歯261bとが、用紙束Psを挟むように対向する位置に配置されている。そして、図18(b)に示すように、少なくとも一方の圧着歯を動かし、上圧着歯261aと下圧着歯261bとを用紙束Psを挟み込むように噛み合わせて用紙束Psに圧力を掛ける。その圧力を大きくしていくと、紙の繊維が絡まり、用紙束Psの綴じが完了する。この圧着綴じでは、凹凸の嵌合により用紙束Psを圧接絞りすることにより用紙間の繊維の絡まりや固着により用紙束Psを綴じることが可能となる。
その後、図18(c)のように再び少なくとも一方の圧着歯を動かし、上圧着歯261aと下圧着歯261bとを離間させる。圧着綴じされた用紙束Psには、図18(d)に示すように凹凸形状が転写される。
本実施形態では、上圧着歯261a及び下圧着歯261bの凹凸形状には、任意の角度の斜面部がある。また、上圧着歯261aと下圧着歯261bとが噛み合ったときに、上圧着歯261aの頂部と下圧着歯261bの底部とが接触しないようになっている。これにより、上圧着歯261a及び下圧着歯261bの凹凸形状の斜面部で用紙束Psを圧着することになる。図18(d)に示すように、用紙束Psの凹部6aは、上圧着歯261aの凸部により絞られた伸びた部分となり、用紙束Psの凸部6bは、下圧着歯261bの凸部により絞られた伸びた部分となる。また、用紙束Psの凹凸形状部の斜面部6cは、圧着により綴じられた部分となる。
次に、本実施形態の特徴部である一対の圧着歯の凹凸形状について説明する。上圧着歯261aの形状と下圧着歯261bの形状は、同じであるので、以下の説明では、下圧着歯261bについてのみ説明する。
図19は、下圧着歯261bの平面図であり、図20は、図19のA方向から見た図であり、図21は、図19のB方向から見た図である。図20、図21における点線は、上圧着歯261aであり、一点鎖線は、用紙束Psを示している。
図19に示すように、下圧着歯261bは、複数の凸部70bを所定の間隔をあけて並べて配置することにより、凹凸形状を形成している。
各凸部70bは、四角錐を、高さ方向中央部付近で、底面と平行に切ったような形状をしており、頂部71bが用紙束の紙面と平行な面となっている。なお、ここで言う「紙面と平行な面」とは、紙面と略平行な面を含むものであり、図20に示すように、わずかに山形状となった面を含むものである。また、各凸部70bの底面の各辺を底辺とし、頂面の一辺を頂辺とする4つの側面は、用紙束Psの紙面に対して傾斜する斜面部72bとなっている。
また、図20におけるBは、圧着高さであり、下圧着歯261bの斜面部72bと、上圧着歯261aの斜面部72aとの接触部分を示している。また、図20における矢印Zは、凸部70bにより用紙が伸ばされる部分である。また、図21におけるθ2は、めくり側すくい角であり、本実施形態では、60°とした。また、図21におけるSは、用紙が圧着される圧着面積である。
図22は、圧着綴じ時における用紙束Psの挙動について説明する図である。
図22(a)に示すように、一方の圧着歯を動かし、上圧着歯261aと下圧着歯261bとを用紙束Psを挟み込むように噛み合わせていくと、用紙が各圧着歯の凸部の頂部71a,71bにより絞られて伸びていく。本実施形態においては、各圧着歯の凸部の頂部71a,71bを、用紙束Psの紙面に平行な面としているので、各圧着歯の凸部の頂部71a,71bと用紙束Psとの圧力を低く抑えることができる。これにより、凸部の頂部71a,71bにより用紙束Psが破れてしまうのを抑制することができる。
また、上圧着歯261aと下圧着歯261bとが噛み合う過程において、用紙束Psの上圧着歯261aの凸部70aの側面である斜面部72a、下圧着歯261bの斜面部72bとに挟まれた箇所(図22(a)の丸で囲った箇所)が、圧延されることにより繊維同士の絡みが生じる。
本実施形態においては、用紙束Psの紙面に対して傾斜した斜面部72a,72bで用紙が圧着される。下圧着歯261bの斜面部72bから用紙束Psに加わる鉛直上方向の加圧力を、斜面部72bと直交する方向と、斜面部72bと平行な方向とに分けたときの斜面部72bと平行な方向の分力の向きは、下圧着歯261bの頂部71bに向かう方向である。同様に、上圧着歯261aの斜面部72aから用紙束Psに加わる鉛直下方向の加圧力の斜面部72aと平行な方向の分力の向きは、上圧着歯261aの頂部71aに向かう方向である。従って、図中丸で囲った用紙束Psの圧着箇所では、下圧着歯側の用紙は、斜面部72bに沿って上側へ移動し、上圧着歯側の用紙は、斜面部72aに沿って下側へ移動する。これにより、用紙束Psの圧着箇所で、用紙のすり潰しが発生し、より用紙同士の繊維を絡み合わせることができ、強い綴じ力で綴じることができる。
図22(b)に示すように、下死点まで上圧着歯261aを移動させたとき、下圧着歯261bの凸部70bの頂部71bと上圧着歯261aの凹部の底部73aとの間、および、上圧着歯261aの凸部70aの頂部71aと下圧着歯261bの凹部の底部73bとの間にそれぞれ隙間Sが生じるように構成している。上述したように、本実施形態では、図21(a)の丸で囲った用紙束Psの圧着箇所で、下圧着歯側の用紙は、斜面部72bに沿って上側へ移動し、上圧着歯側の用紙は、斜面部72aに沿って下側へ移動する。このように、圧着箇所で用紙が擦れ動くため、図22(b)に示すように、各凸部の頂部71a,71bと凹部の底部73a,73bとの隙間Sで用紙が波打つように撓む。本実施形態とは異なり、各凸部の頂部が、凹部の底部に接触する構成とし、隙間Sが形成されない構成とした場合は、各凸部の頂部と凹部の底部と間で生じた撓みが、最終的には、押しつぶされることなり、用紙にしわ等のダメージが生じることになる。一方、本実施形態においては、下死点まで上圧着歯261aを移動させたとき、各凸部の頂部71a,71bと凹部の底部73a,73bとに隙間Sが生じる構成であるので、撓みが押しつぶされることがない。逆に、凸部70a,70bによる絞りにより適度に加圧され、各凸部の頂部71a,71bと凹部の底部73a,73bと間の隙間Sで、用紙の繊維同士を絡み合わせることができ、用紙束を強く綴じることができる。
また、斜面部72a,72bで用紙束Psに圧力を加えているときに、擦れ動いた用紙が、隙間Sへ移動することができる。これにより、圧着箇所で用紙を良好にすり潰すことができ、良好な綴じ力を得ることができる。
本実施形態においては、凸部70a,70bで用紙を絞り伸ばしつつ図22(a)の丸で囲った圧着箇所で用紙を擦りつぶすことで、紙の繊維を絡み合わせて用紙束Psが圧着綴じされる。先の図20に示す、下圧着歯261bの斜面部72bと、上圧着歯261aの斜面部72aとの接触範囲である圧着高さBが長いほど、圧着面積S(図21参照)が増え強固に用紙束を綴じることができる。しかしながら、圧着高さBが長くなるということは、噛み合わせたときの下圧着歯261bの凸部の頂部71bから、上圧着歯261aの凸部の頂部71aまでの長さが長くなる。その結果、用紙がそれだけ伸ばされることになり、用紙の伸びが限界を超え、破れが発生するおそれがある。
そこで、本発明者らは鋭意検証試験を行って最適な圧着高さBを見つけた。以下に、本発明者らが行った検証試験について、説明する。
検証試験は、圧着高さBが0.45mmの綴じ具と、圧着高さBが0.6mmの綴じ具と、圧着高さBが0.7mmの綴じ具とを作成し、各綴じ具について綴じ力を測定した。綴じ力は、通常5枚前後の用紙を綴じることが一般的であるので、各綴じ具で、5枚の用紙束を綴じ、その用紙束の綴じ力について測定した。
また、各綴じ具のその他の条件は、以下のとおりである。
・加圧力:2000N
・歯数:6歯(凸部の数)
・めくり側すくい角度θ2:60°
図23は、検証試験の結果を示すグラフである。図23は、用紙束の一枚目の用紙(最上位紙)の綴じ力と、用紙束中央の用紙(上から3枚目の用紙)の綴じ力の検証試験の結果を示している。また、図23は、複数回綴じ力測定を行ったうちの最小値の綴じ力をプロットしている。
図23に示すように、圧着高さBを0.45mm以上にすることで、綴じ力を目標レベル以上にすることができた。また、圧着高さBが0.6mmとき、綴じ力がピークとなり、圧着高さB0.7mmの綴じ具は、圧着高さBが、0.6mmの綴じ具に比べて、綴じ力が低下した。用紙が破れると綴じ力が低下するため、圧着高さBを長くしたにも関わらず、0.6mmよりも綴じ力が低下している圧着高さB0.7mmの綴じ具で綴じられた用紙には、破れが発生していると考えられる
上記検証試験から、少なくとも圧着高さBを、0.45mm以上、0.6mm以下とすることで、用紙が破れることなく、良好な綴じ力が得られることが確認された。
また、圧着高さが0.45mm以下の場合でも、歯の数(凸部の数)を多くしたり、加圧力を高くしたりすることで、綴じ力を目標レベル以上にすることは可能である。しかしながら、歯数を多くすることにより、綴じ具が大型化し、材料費が嵩み、装置のコストアップに繋がる。また、材料を多く消費することになり、資源を浪費してしまう。また、加圧力を上げる場合は、加圧に必要な駆動源の駆動力を大きくする必要があり、装置の消費電力が増加するというデメリットが生じる。一方、圧着高さを0.45mm以上とすることで、歯数を抑えることができ、材料費を抑えることができ、装置のコストアップを抑えることができる。また、省資源化を図ることができる。また、加圧力を抑えることができ、省エネルギー化を図ることができる。
以上に説明したものは一例であり、本発明は、以下の態様毎に特有の効果を奏する。
(態様1)
複数の凹部と複数の凸部とが平行に並んで交互に配置された一対の圧着歯などの圧着部材の互いの凹凸を用紙束を挟んで噛み合せることで用紙束を綴じる圧着綴じ方式の綴じ具210などの用紙綴じ装置において、上記一対の圧着部材いずれも、上記凸部の頂部71a,71bが上記用紙束の紙面に対して平行な面であり、上記凸部における側面が、上記紙面に対して傾斜した斜面部72a,72bなどの傾斜面であり、一対の圧着部材の互いの凹凸をかみ合わせたとき、上記傾斜面同士が接触し、かつ、一方の圧着部材の凸部の頂部71aと他方の圧着部材の凹部の底部73bとの間および他方の圧着部材の凸部の頂部71bと一方の圧着部材の凹部の底部73aとの間いずれにも隙間Sが形成されるよう一対の圧着部材を構成した。
(態様1)によれば、一対の圧着部材を噛み合わせたとき、一対の圧着部材の凸部における側面である傾斜面同士が接触するように構成したので、用紙束は、一対の圧着部材の傾斜面で圧力を受け綴じられる。このとき、一方の圧着部材の凸部の頂部と、他方の圧着部材の凹部の底部との間、他方の圧着部材の凸部の頂部と、一方の圧着部材の凹部の底部との間、いずれも隙間を有している。従って、一方の圧着部材の凸部の頂部と他方の圧着部材の凹部の底部との間にしか隙間がない特許文献1に記載の構成に比べて、紙の繊維の負荷をより低減することができる。これにより、繊維の限界を超えた伸長を特許文献1に比べて回避することができ、特許文献1に比べて破れずに繊維同士を絡み合せることができる。
また、両方の圧着部材の凸部の頂部が、用紙束の紙面に対して平行な面となっているので、用紙束の一方の圧着歯の凸部の頂部と接触する箇所、及び、用紙束の他方の圧着歯の凸部と接触する箇所いずれも面接触となり圧力が集中するのが防止される。これにより、圧着綴じの際に用紙束が破れてしまうのを抑制することができる。
(態様2)
(態様1)において、上記紙面と平行な方向、かつ、上記凹部と上記凸部の並び方向に対して直交する方向から一対の圧着部材を見たとき、傾斜面同士が接触する部分の長さ(圧着高さB)を、0.45mm以上、0.6mm以下としたことを特徴とする用紙綴じ装置。
(態様2)によれば、検証試験で説明したように、傾斜面同士が接触する部分の長さ(圧着高さB)を、0.45mm以上、0.6mm以下とすることで、用紙の破れを抑制し、良好な綴じ力を得ることができる。
(態様3)
用紙束Psに対して綴じ処理を施す綴じ具210などの用紙綴じ装置を少なくとも備えた用紙処理装置201において、用紙綴じ装置として、(態様1)または(態様2)に記載の用紙綴じ装置を用いた。
(態様3)によれば、実施形態で説明したように、用紙の破れを抑制し、良好な綴じ力を得ることができる。
(態様4)
用紙上に画像を形成する画像形成装置101と、画像形成装置101によって画像が形成された用紙の束に対して綴じ処理を施す綴じ具210など用紙綴じ装置とを備えた画像形成システム100において、用紙綴じ装置として、(態様1)または(態様2)の用紙綴じ装置を用いた。
(態様4)によれば、用紙の破れを抑制し、良好な綴じ力で画像が形成された用紙束を綴じることができる。
70a,70b:凸部
71a,71b:頂部
72a,72b:斜面部
73a,73b:底部
100:画像形成システム
101:画像形成装置
201:用紙処理装置
210:綴じ具
261:圧着歯
261a:上圧着歯
261b:下圧着歯
Ps:用紙束
WO2009/110298号公報
本発明は以上の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、用紙が破れることを抑制することができる用紙綴じ装置、用紙処理装置および画像形成システムを提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、表面に複数の凸部と凹部とを有し、用紙束を挟むことにより用紙束を綴じる一対の圧着部材を備え、前記一対の圧着部材のそれぞれの前記凸部は傾斜面を有し、前記一対の圧着部材によって用紙束を挟むことにより、前記傾斜面同士が接触し、かつ、一方の圧着部材の凸部の頂部と他方の圧着部材の凹部の底部との間および他方の圧着部材の凸部の頂部と一方の圧着部材の凹部の底部との間のいずれにも隙間が形成され、綴じ対象の用紙束の紙面と平行な方向、かつ、前記凸部と前記凹部の並び方向に対して直交する方向から前記一対の圧着部材を見たとき、前記傾斜面同士が接触する部分の長さを0.6mm以下としたことを特徴とするものである。
本発明によれば、用紙が破れることを抑制することができる。

Claims (4)

  1. 複数の凹部と複数の凸部とが平行に並んで交互に配置された一対の圧着部材の互いの凹凸を用紙束を挟んで噛み合せることで用紙束を綴じる圧着綴じ方式の用紙綴じ装置において、
    上記一対の圧着部材いずれも、上記凸部の頂部が上記用紙束の紙面に対して平行な面であり、上記凸部における側面が、上記紙面に対して傾斜した傾斜面であり、
    一対の圧着部材の互いの凹凸をかみ合わせたとき、上記傾斜面同士が接触し、かつ、一方の圧着部材の凸部の頂部と他方の圧着部材の凹部の底部との間および他方の圧着部材の凸部の頂部と一方の圧着部材の凹部の底部との間いずれにも隙間が形成されるよう一対の圧着部材を構成したことを特徴とする用紙綴じ装置。
  2. 請求項1に記載の用紙綴じ装置において、
    上記紙面と平行な方向、かつ、上記凹部と上記凸部の並び方向に対して直交する方向から一対の圧着部材を見たとき、傾斜面同士が接触する部分の長さを、0.45mm以上、0.6mm以下としたことを特徴とする用紙綴じ装置。
  3. 用紙束に対して綴じ処理を施す用紙綴じ装置を少なくとも備えた用紙処理装置において、
    前記用紙綴じ装置として、請求項1または2に記載の用紙綴じ装置を用いたことを特徴とする用紙処理装置。
  4. 用紙上に画像を形成する画像形成装置と、
    前記画像形成装置によって画像が形成された用紙の束に対して綴じ処理を施す用紙綴じ装置とを備えた画像形成システムにおいて、
    前記用紙綴じ装置として、請求項1または2の用紙綴じ装置を用いたことを特徴とする画像形成システム。
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