JP2018120184A - 画像校正色標及び画像校正色標製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
近年、上記病理診断医学において、デジタルカメラなどの撮像装置により、顕微鏡の視野範囲におけるスライドガラス上の病理標本の画像をデジタルカラー画像(以下、単にデジタル画像)として撮像し、表示装置の表示画面にこのデジタル画像を表示して、病理医師が病理診断を行なっている。
しかし、病理医師の数が全国的に少なく、一つの医療施設に2人以上の病理医師が常駐する病院数は、日本全体の病院の5%にも満たない(2015年度の厚生労働省データ)。そのため、現状においては、異なる医療施設の病理医師の間において、ダブルチェックが行なわれている。
このため、現状としては、ダブルチェックを行なう病理医師に対して、病理標本の現物を送付し、ダブルチェックとしての病理診断が行なわれている。
この校正用の色標は、デジタル画像の色の校正に用いられる。この結果、病理標本のデジタル画像から予測する三刺激値は、実際の測定した三刺激値に対して、色差ΔE*abを5から8の範囲内に抑制される。これにより、病理医師間における病理診断のダブルチェックを、病理標本のデジタル画像を用いて行なうことが可能となる。
これにより、色標及び病理標本の各々の撮像における撮像環境(光源環境)が変化し、色標を用いた病理標本のデジタル画像における色の校正を正確に行なうことができなくなる。
本発明の画像校正色標は、前記3つの異なる色が、光の3原色である色成分R、色成分G及び色成分Bであることを特徴とする。
本実施形態においては、一例として、顕微鏡で病理標本を観察する際に用いられるスライドガラス100上に形成された構成として、画像校正色標1を説明する。
上記色標パッチ1−1、色標パッチ1−2及び色標パッチ1−3は、XYZ表色系の刺激値X、刺激値Y、刺激値Zそれぞれを求めるために必ず必要となる。しかしながら、色標パッチ1−4、色標パッチ1−5及び色標パッチ1−6の各々は、刺激値X、刺激値Y、刺激値Zそれぞれを求める際に、予測の精度を向上させるために追加する構成である。したがって、本発明の画像校正色標の最小構成としては、色標パッチ1−1、色標パッチ1−2及び色標パッチ1−3の各々のみの構成である。
本実施形態においては、色標の最小の構成としては、光の3原色である色成分R、色成分G及び色成分Bの3つの異なる色の色票パッチから色票を構成するとして説明している。しかしながら、上述した光の3原色である色成分R、色成分G及び色成分Bに対して、色の3原色である色成分C、色成分M及び色成分Yとを含む6色から3色を選択して、この選択した3色を用いて、3つの異なる色の色票パッチを構成してもよい。
さらに、この光の3原色及び色の3原色の6色のみでなく、これらを混色して生成した色を、色標を構成する色標パッチの3つの異なる色として用いても良い。
例えば、ヘトマキシリン-エオジン染色液で染色された病理標本の色は、色成分M(マゼンタ)系の(マゼンタに最も色度が近い)色である。このため、標本デジタル画像における色の校正を行なう際、色標パッチ1−1、色標パッチ1−2及び色標パッチ1−3に対し、色成分Mの色標パッチ1−5を加えることにより、校正の精度を向上させることができる。
上述したように、色標パッチ1−1、色標パッチ1−2及び色標パッチ1−3に加え、病理標本が染色された色の色度に対応させ、染色された色に近い色度の色標パッチを、色成分C、色成分M及び色成分Yの色標パッチ1−4、色標パッチ1−5、色標パッチ1−6のそれぞれから選択する。また、色成分M及び色成分Yの中間に、染色の色の色度が存在する場合、色成分M及び色成分Yの色標パッチ1−5、色標パッチ1−6のそれぞれを、色標パッチ1−1、色標パッチ1−2及び色標パッチ1−3に付け加えて、画像校正色標1とする。
また、病理標本を撮像する倍率は、病理標本によって異なる場合がある。このため、本実施形態においては、倍率毎に対応した面積の画像校正色標1をスライドガラス100表面に形成する。すなわち、病理標本を観察する倍率に対応して、その倍率における視野250の枠内に包含される最大の大きさとなる外形で、画像校正色標1を形成する。
このとき、上述した各色成分に対応する色のカラーレジストをフォトリソグラフィによりパターニングして、画像校正色標1を形成する場合、アライメント精度は、±3μm程度であれば、ブラックマトリクス1−0は、パターン幅を5μmとして設けることにより、混色及び色抜けなどの発生を防止することができる。
本実施形態における画像校正色標1は、校正の精度を向上させるために、すでに述べた色標パッチに上記ガンマ補正用パッチを加えた構成として形成しても良い。
図3は、本実施形態におけるガンマ補正用パッチの分光スペクトルデータを示す図である。縦軸はガンマ補正用パッチを光の透過率(transmittance)を示し、横軸は透過する光の波長(wavelength)を示している。
そして、所定の温度(例えば50℃から120℃)により、表面100S上の樹脂BMレジスト300のプリベーク(1分〜5分程度の加熱処理)を行う。
そして、所定の温度(例えば50℃から120℃)により、表面100S上及びブラックマトリクス1−0上のREDレジスト310のプリベーク(1分〜5分程度の加熱処理)を行う。
また、必要であれば、色成分Yの色標パッチ1−6、色成分Cの色標パッチ1−4及び色成分Mの色標パッチ1−5も、それぞれのYELLOWカラーレジスト、CYANカラーレジスト、MAGENTAカラーレジストそれぞれで、図4(e)から図4(g)の工程を順次繰り返すことにより形成することができる。さらに、ガンマ補正用パッチ1−7からガンマ補正用パッチ1−9の各々も、階調に対応した黒色レジスト毎に、図4(e)から図4(g)の工程を順次繰り返すことにより形成できる。
本実施形態において、画像校正色標1に用いられる色標パッチの各々は、感光性着色組成物を調製してフォトリソグラフィ法により形成している。このフォトリソグラフィ法により形成する場合は、例えば、以下に示す組成の感光性樹脂組成物を用いて形成することができる。この感光性樹脂組成物では、着色層(色標パッチ)の色成分となる顔料を透明な樹脂中に光開始剤、重合性モノマーと共に適当な溶剤に分散させる。分散させる方法はミルベース、3本ロール、ジェットミル等様々な方法があり、特に限定されるものではない。以下、その材料について説明する。
本実施形態における感光性着色組成物に用いることのできる有機顔料の具体例を、カラーインデックス番号で示す
色成分Rの色標パッチ1−1の赤色フィルタセグメント(画素)を形成するための赤色着色層組成物には、例えばC.I.Pigment Red1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、81:x、83、88、90、97、112、119、122、123、146、149、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、180、184、185、187、188、190、192、200、202、206、207、208、209.210、215、216、217、220、22
3、224、226、227、228、240、246、254、255、264、272、279等の赤色顔料を用いることができる。また、赤色着色組成物には、黄色顔料、橙色顔料を併用することができる。
また、顔料を含有させる場合には、顔料を分散させるための分散剤を含有させる必要がある。分散剤としては、界面活性剤、顔料の中間体、染料の中間体、ソルスパース等が使用される。分散剤の添加量は特に限定されるものではないが、顔料の配合量100質量%に対して、1〜10質量%とすることが好ましい。
着色組成物に用いることの透明樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において、透過率が80%以上、好ましくは95%以上の樹脂である。この透明樹脂には、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、および感光性樹脂が含まれる。また、透明樹脂には、必要に応じて、その前躯体である、放射線照射により硬化して透明樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーを単独で、または2種類以上混合して用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、例えばブチラール樹脂、スチレン−(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体−ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。また、熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フマル酸樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びフェノール樹脂等が挙げられる。
着色組成物に用いて好適な感光性樹脂とは、ラジカル架橋性を有する樹脂のことを意味しており、少なくとも1個のエチレン不飽和二重結合を有する質量平均分子量5000〜10万の樹脂が好適に用いられる。具体的には、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する線状高分子に、前記反応性官能基と反応可能なイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、及びスチリル基等のエチレン不飽和二重結合を該線状高分子に導入した樹脂が用いられる。また、スチレン−無水マレイン醸共重合物やα−オレイン−無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む線状高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化したものも用いられる。
光重合性モノマーとは、ラジカルにより重合が誘起されるモノマーのことであり、用いることのできる重合性モノマーおよびオリゴマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルプロピルメタクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオルジグリシジルエテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールエチレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールプロピレンオキサイド変性ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールカプロカラクトン変性ペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、エポキシ基含有化合物とカルボキシ(メタ)アクリレートの反応物、水酸基含有ポリオールポリアクリレート等が挙げられる。
また、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等も用いられる。これらは単独でまたは2種類以上混合して用いることができる。
着色組成物には、該組成物を紫外線照射により硬化する場合には、光重合開始剤等が添加される。光重合開始剤としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフオリノフェニル)−ブタン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾエノン、アクリル化ベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−スチリル)−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−トリクロロメチル−(ピペロニル)−6−トリアジン、2,4−トリクロロメチル(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン、1−〔4−(フェニルチオ)−、2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、O−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステ
ル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、チタノセン系化合物等が用いられる。これらの光重合開始剤は1種または2種以上混合して用いることができる。光重合開始剤の使用量は、着色組成物の全固形分量を基準として0.5〜50重量%が好ましく、より好ましくは3〜30重量%である。
また、重合開始剤と光増感剤とを併用することが好ましい。増感剤として、α−アシロキシムエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’−ジエチルイソフタロフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2−ジメチルレアミノエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、N,N’−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノン等のアミン系化合物を併用することもできる。これらの増感剤は1種または2種以上混合して用いることができる。増感剤の使用量は、光重合開始剤と増感剤の合計量を基準として0.5〜60重量%が好ましく、より好ましくは3〜40重量%である。
さらに、着色組成物には、連鎖移動剤としての働きをする多官能チオールを含有させることができる。多官能チオールは、チオール基を2個以上存する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、ヂカンジチオール、1,4−ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4−ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオブロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4−ジメチルメルカプトベンゼン、2,4,6−トリメルカプト−s−トリアジン、2(N、N−ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−s−トリアジン等が挙げられる。
これらの多官能チオールは、1種または2種以上混合して用いることができる。多官能チオールの使用量は、着色組成物の全固形分量を基準として0.1〜30質量%が好ましく、より好ましくは1〜20質量%である。0.1質量%未満では多官能チオールの添加効果が不充分であり、30質量%を越えると感度が高すぎて逆に解像度が低下する。
着色組成物は、基板上への均一な塗布を可能とするために、必要に応じて有機溶剤を含有することができる。溶剤は、顔料を均一に分散させる機能も有する。用いて好適な有機溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、メトキシ−2−プロピルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルベンゼン、エチレングリコールジエチルエーテル、キシレン、エチルセロソルブ、メチル−nアミルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルトルエン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルケトン、石油系溶剤等が挙げられ、これらを単独でもしくは混合して用いる。
スライドガラス100上に形成した画像校正色標1を用いて撮影対象物の測色値の予測を行った。実験方法として、簡易的に市販のデジタルカメラとカラービューワを用いて、暗室条件下で撮影を実施した。実験条件は以下に示す。
・実験条件
撮影基材 :
デジタルカメラ : EOS-5D(キヤノン株式会社製)
撮影条件 : シャッタースピード 1/1000 秒、F2.0、ISO400
ビューワ光源 : ハロゲンランプ
撮像環境 : 暗室
すなわち、実際に、撮影対象物をデジタルカメラで撮像し、撮像された標本デジタル画像から抽出した色成分R、色成分G及び色成分Bの各々の数値から、測色値である刺激値XYZがどの程度の精度で得られるかという実験を行なった。
上述した一般的なデジタルカメラにより、カラービューワにおいて、スライドガラス100の裏面100Bから表面100Sに向かい、表面100S上に配置された撮影対象物(病理標本200及び画像校正色標1)に対して光を照射し、透過した光の画像を撮像し、標本デジタル画像を得た。
この(1)式の変換行列Mは、以下のように求める。この(1)式における右辺の行列の「1」の項は、正規化を行なうためのオフセット項である。
まず、画像校正色標1において、各色標パッチの分光透過率を測定し、光源であるビューワにより照射される光の分光分布を乗ずる。これにより、教師データとしての画像校正色標1における各色成分の色標パッチそれぞれの刺激値XYZを算出する。
次に、画像校正色標1を撮像し、デジタル画像から各色成分の色標パッチそれぞれのRGB値を抽出する。
Rosco社色標の評価結果を求めるため、Rosco社色標から変換行列M’を求める際、各色成分の色標パッチの刺激値XYZ値が予め判っている。このため、上記Rosco社色標の各色成分の色標パッチの刺激値XYZを教師データとし、Rosco社色標を撮像したデジタル画像における各色成分の色標パッチの画像から抽出したRGB値を用い、重回帰分析を行ない、Rosco社色標における変換行列M’を求めた。
そして、変換行列M及び変換行列M’の各々を、Rosco社の校正用色標のデジタル画像における各色成分の色標パッチの画像から抽出したRGB値それぞれに乗算し、測色値としての刺激値XYZ値を予測した。
画像校正色標1から生成した変換行列Mによる色差ΔE*abは、ガンマ補正の処理をした場合、Rosco社色標から生成した変換行列M’による色差ΔE*abと遜色ない結果が得られた。また、Rosco社色標の各色成分の色標パッチの画像から抽出したRGB値それぞれをガンマ補正せずに、変換行列Mを乗算した際の色差ΔE*abを、ガンマ補正なしとして示している。この結果、ガンマ補正をしない場合に比較し、ガンマ補正を行なった場合には、予測の精度が大幅に改善する効果が得られることが判る。
ここで、平均色差は、Rosco社色標の全ての色標パッチの色差ΔE*abの平均値である。最大色差は、Rosco社色標の色標パッチにおける色差ΔE*abの最大値である。
図5と同様に、画像校正色標1から生成した変換行列Mと、Rosco社色標から生成した変換行列M’との各々を用いて色差ΔE*abの評価を行なった。
ただし、生体の病理標本は、色味が均一な場所が無いため、測色値(XYZ値)の測定位置と、実際に撮像した標本デジタル画像からRGB値を抽出した位置と一致しているか否かの判定が困難である。
上述した病理標本の各箇所とは、病理標本とした組織の場所として、豚の食道管、肝臓、腎臓の組織それぞれにおける9ポイントにおいて、各ポイントにおける細胞の核、核の周りの部分などの濃度の異なる3カ所、すなわち3×9×3=81である。
ここで、平均色差は、病理標本の1箇所の各々における色差ΔE*abの平均値である。最大色差は、病理標本の81箇所における色差ΔE*abの最大値である。図6のテーブルから判るように、本実施形態における画像校正色標1の変換行列Mは、Rosco社色標から生成した変換行列M’による色差ΔE*abと遜色ない予測結果が得られることが判る。
また、本実施形態によれば、撮像装置(スキャナなどの画像読取装置も含む)や表示装置の違いによって生じる色の違いを校正し、いずれの医療施設においても、均一な画質のデジタル画像を提供することができ、遠隔病理診断における病理標本デジタル画像のダブルチェックを実現することができる。
また、本実施形態によれば、校正に用いる色数を極力抑えることが可能であり、比較的安価に校正システムを構築することができ、かつ従来の構成用色標と同等以上の精度を達成することができる。
ステップS1において、撮像装置により、同一のスライドガラス100上に配置された病理標本200の標本デジタル画像と、画像校正色標1の色標デジタル画像(RGB画像400)との各々を撮像する。
ステップS2において、撮像時における顕微鏡の光源の分光スペクトル(分光分布)と、画像校正色標1の色標パッチの各々の分光透過率とから測色値としての刺激値XYZを算出する。
ステップS3において、すでに述べたように、算出した刺激値XYZを教師データとして、色標デジタル画像における各色標パッチから抽出したRGB値を用いた重回帰分析により、変換行列Mを求める。
ステップS5において、標本デジタル画像(検体側)におけるそれぞれのピクセルの刺激値XYZが求められ、XYZ画像450が生成される。
ステップS6において、表示装置(モニタ)800に表示する場合、XYZ画像の各ピクセルを表示装置のモニタプロファイルに基づいて、RGB画像に変換し、表示装置800に表示する。
また、他の医療機関における色再現の精度を上げたい場合、標本デジタル画像と求めた変換行列Mとを送信するか、あるいは標本デジタル画像と色標デジタル画像とを送信するようにしても良い。
1−0…ブラックマトリクス
1−1,1−2,1−3,1−4,1−5,1−6…色標パッチ
1−7,1−8,1−9…ガンマ補正用パッチ
100…スライドガラス
100S…表面
100B…裏面
200…病理標本
250…視野
Claims (9)
- 検査試料を載せる透明部材表面に顕微鏡の一視野に全体が含まれる大きさで形成され、当該透明部材上に載せる前記検査試料の撮像画像の色を校正するために用いられる、少なくとも3つの異なる色の色標パッチを含んで構成されている
ことを特徴とする画像校正色標。 - 前記3つの異なる色が、光の3原色である色成分R、色成分G及び色成分Bである
ことを特徴とする請求項1に記載の画像校正色標。 - 前記顕微鏡の前記検査試料の観察の際の倍率に対応し、前記一視野に入る大きさで形成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像校正色標。 - 前記色標パッチの色の各々が、前記検査試料の撮像画像における色度を包含する色度である
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の画像校正色標。 - 前記色標パッチの色の各々が、xy色度座標系における色度図の外周近傍の座標値となる色度を有する
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の画像校正色標。 - 前記3つの異なる色の色標パッチに加え、前記検査試料の色度に対応した色の他の色標パッチを、前記透明部材表面に設ける
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の画像校正色標。 - 前記他の色標パッチの色が、少なくとも前記3つの異なる色の各々の補色のいずれか、あるいは組合わせである
ことを特徴とする請求項6に記載の画像校正色標。 - 前記色標パッチに加え、前記撮像画像のガンマ補正に用いる、グレースケールにおける複数の階調のガンマ補正用パッチを、前記透明部材表面に設ける
ことを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の画像校正色標。 - 検査試料が載せられる透明部材表面に顕微鏡の一視野に全体が含まれる大きさで形成される画像校正色標を形成する画像校正色標製造方法であり、
透明部材表面に少なくとも3つの異なる色に対応するカラーレジストを順次塗布し、
フォトリソグラフィ法により、前記画像校正色標における前記異なる色の各々の色標パッチを順次形成することにより、前記画像校正色標を形成する
ことを特徴とする画像校正色標製造方法。
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