JP2018120168A - 光偏波回転素子及び光トランシーバ - Google Patents
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Abstract
Description
この光偏波回転素子は、シリコン等の半導体からなり、チャネル導波路部101と、光偏波ローテータ部102と、方向性結合器103とを備えている。
図2(b)のように、TE0モードの光信号は、他のモードとのカップリングが生じることなく、そのまま伝搬する。これに対して、TM0モードの光信号は、TE1モードとTM0モードとが混成したハイブリッドモードを経た後、TE1モードの光信号に変換される(非特許文献1を参照)。
この光偏波回転素子において、チャネル導波路部と光偏波ローテータ部との境界部分(リブチャネル変換部分)では、理想的にはスラブ層の幅は無限小値である。ところが実際上は、光偏波回転素子を作製する際に用いるマスクパターンの位置合せ精度には限界があり、スラブ層はリブチャネル変換部分で有限幅を持つことになる。光偏波ローテータ部は光伝播方向に沿って徐々に幅広となる形状とされていることから、リブチャネル変換部分におけるコア幅は小さい。このように光導波路コアの幅狭箇所でスラブ層に幅が急峻に変化する部分が存在すると、当該部分で反射損失が増大する。
本実施形態では、光偏波回転素子を開示し、その構成及び製造方法について、図面を用いて詳細に説明する。
図3は、本実施形態による光偏波回転素子の構成を示す概略平面図であり、(a)が平面図、(b)が(a)における破線I−I'及び破線II−II'に沿った断面図である。
この光偏波回転素子は、シリコン等の半導体からなり、リブチャネル変換部11と、光偏波ローテータ部12と、方向性結合器13とを備えている。
第1コア11aは、横断面形状が矩形状であって、光伝搬方向に沿って、徐々に幅広となる第1部分11a1と、最大幅部分11Aを境界として徐々に幅狭となる第2部分11a2とを有している。
第1スラブ11bは、光伝搬方向に沿った最大幅部分11Aの前方箇所、ここでは最大幅部分11Aから第2部分11a2の末端に架けて第2部分11a2の両側部に、作製プロセスにおける重ね合わせ露光の位置合わせ誤差を考慮して一定幅で接続されている。
第2コア12aは、光伝搬方向に沿って、徐々に幅広とされている第1部分12a1と、第1部分12a1よりも大きい割合(大きいテーパ角)で徐々に幅広とされている第2部分12a2とを有している。第1スラブ11bの幅は、第2コア12aの最小幅、即ち第2コア12aの先端の幅以下とされている。
第2スラブ12bは、光伝搬方向に沿って、第1部分12a1に接続された部分であって徐々に幅広とされている第1部分12b1と、第2部分12a2に接続された部分であって徐々に幅狭とされている第2部分12b2とを有している。
この光偏波回転素子では、リブチャネル変換部11、光偏波ローテータ部12、及び方向性結合器13の第1導波路13aが、1本の光導波路として一体形成されている。方向性結合器13の第2導波路13bが、上記の光導波路と独立した1本の光導波路コアとして形成されている。ここで、リブチャネル変換部11の第1コア11a、光偏波ローテータ部12の第2コア12a、及び方向性結合器13の第1導波路13aが、1本のコア層として一体形成されている。リブチャネル変換部11の第1スラブ11b及び光偏波ローテータ部12の第2スラブ12bが、1本のスラブ層として一体形成されている。
この光偏波回転素子においては、リブチャネル変換部11の先端から所定モードの光信号が入力される。TE0モードの光信号が入力された場合には、TE0モードの光信号のまま方向性結合器13の第1コア13aの末端から出力される。一方、TM0モードの光信号が入力された場合には、光偏波ローテータ部12で先ずTE1モードに変換され、更に方向性結合器13でTE0モードの光信号に変換されて、第2コア13bの末端から出力される。
また、光偏波ローテータ部12において、第2コア12aは、第1部分12a1と接続された第2部分12a2では、光伝搬方向に沿って第1部分12a1よりも大きい割合で徐々に幅広とされている。光偏波回転素子において、第2部分12a2の末端以降の部位では、光偏波回転は生じない。そのため、第2部分12a2では第1部分12a1よりもテーパ角を大きくすることにより、光偏波回転素子の全体の素子長が短縮されている。
図5〜図7は、本実施形態による光偏波回転素子の製造方法について工程順に示す概略断面図である。
詳細には、SOI基板21のシリコン層21a上にシリコン酸化膜21bが形成されたSOI基板21を用意し、シリコン酸化膜21b上にレジストを塗布する。レジストを電子線リソグラフィーにより加工し、レジストマスク22を形成する。レジストマスク22は、リブチャネル変換部11、光偏波ローテータ部12、及び方向性結合器13の第1導波路13aの1本の光導波路コアに対応する第1マスク22aと、方向性結合器13の第2導波路13bに対応する第2マスク22bとからなる。
詳細には、レジストマスク22を用いて、シリコン層21aの表面が露出するまでシリコン酸化膜21bをドライエッチングする。これにより、シリコン酸化膜21bからなるハードマスク23が形成される。ハードマスク23は、第1マスク22aに対応する第1マスク23aと、第2マスク22bに対応する第2マスク23bとからなる。
レジストマスク22は、アッシング処理又は薬液処理により除去される。
詳細には、ハードマスク23を用いて、シリコン層21aをその膜厚方向の途中までドライエッチングする。図6(a)におけるハードマスク23の周辺のシリコン層21aは、図5(b)におけるハードマスク23の周辺のシリコン層21aよりも薄い厚みとされる。
ハードマスク23は、薬液処理により除去される。
詳細には、シリコン層21aの全面にレジストを塗布し、リソグラフィーによりレジストを加工する。これにより、レジストパターン24が形成される。レジストパターン24は、その端部24Aが、重ね合わせ露光の位置合わせ誤差を見込んで、余裕を持たせた所定幅となるように形成される。レジストマスク24は、リブチャネル変換部11、光偏波ローテータ部12、及び方向性結合器13の第1導波路13aの1本の光導波路に対応する第1マスク24aと、方向性結合器13の第2導波路13bに対応する第2マスク24bとからなる。
詳細には、レジストパターン24を用いて、シリコン層21aをその膜厚方向に全て(シリコン層21a下のシリコン酸化膜21cが露出するまで)ドライエッチングする。このとき、レジストパターン24により、リブチャネル変換部11の第1スラブ11bは、最大幅部分11Aにおいて、重ね合わせ露光の位置合わせ誤差を見込んで余裕を持たせた所定幅に形成される。
以上により、SOI基板21上に本実施形態による光偏波回転素子が形成される。
以下、第1の実施形態による光偏波回転素子について、各部の寸法の一例を具体的に示した実施例について説明する。
図8は、本実施例による光偏波回転素子の一例を示す概略平面図である。
この光偏波回転素子は、例えば波長1.55μmの入力光を想定した設計とされている。コア高さは0.22μm程度、スラブ層厚は0.1μm程度とされている。
以下、第1の実施形態の変形例について説明する。本変形例では、第1の実施形態と同様に光偏波回転素子を開示するが、そのスラブ層の形状が一部異なる点で第1の実施形態と相違する。
図9は、第1の実施形態の変形例の概略構成を示す平面図である。なお、変形例による光偏波回転素子は、リブチャネル変換部以外の構成は第1の実施形態による光偏波回転素子と同様であり、第1の実施形態による光偏波回転素子と同じ構成部材については同符号を付して詳しい説明を省略する。
リブチャネル変換部31、光偏波ローテータ部12、及び方向性結合器13の第1導波路13aが、1本の光導波路として一体形成されている。方向性結合器13の第2導波路13bが、上記の光導波路と独立した1本の光導波路コアとして形成されている。
第1コア31aは、横断面形状が矩形状であって、光伝搬方向に沿って、徐々に幅広となる第1部分31a1と、最大幅部分31Aを境界として徐々に幅狭となる第2部分31a2とを有している。
第1スラブ31bは、光伝搬方向に沿った最大幅部分31Aの前方箇所、ここでは最大幅部分31Aから第2部分31a2の末端に架けて第2部分31a2の両側部に、最大幅部分31Aから徐々に幅広とされている。即ち第1スラブ31bは、理想的には最大幅部分31Aで無減少幅であり、末端(例えば幅0.1μm程度)に向かうにつれて徐々に幅広となるテーパ状に形成されている。
この光偏波回転素子を作製する際には、重ね合わせ露光の位置合わせ誤差が存在することから、実際には第1スラブ31bの先端を無減少幅とすることはできない。そのため、第1スラブ31bの先端は、最大幅部分31Aの前方箇所で幅が急峻に変化するように形成されたり、第1コア31aの第2部分31a2の左右の側面で段差が生じることがある。この場合でも、第1コア31aにおいて、最大幅部分31Aが他の部位のコア幅よりも幅広に形成されるため、反射損失が抑制されることになる。
本実施形態では、第1の実施形態及び変形例から選ばれた一種の光偏波回転素子を備えた光トランシーバを例示する。
この光トランシーバは、光送信器(Tx)41及び光受信器(Rx)51を備えている。
レーザ42は、TE偏光のレーザ光を発振する。スプリッタ43は、レーザ42から出力されたレーザ光を2つに分岐する。IQ変調器44a,44bは、QAM(Quadrature Amplitude Modulation)変調を行う。偏波回転素子45は、第1の実施形態及び変形例から選ばれた一種の偏波回転素子である。カプラ46は、レーザ光を合波して出力する。
光偏波分割素子52は、入力シグナルをTE偏光とTM偏光とに分割する。偏波回転素子53は、第1の実施形態及び変形例から選ばれた一種の偏波回転素子である。受光器54a,54bは、光偏波分割素子52及び偏波回転素子53からの光を受光する。
前記第1コアにおける光伝搬方向に沿った前記最大幅部分の前方箇所から前記第2コアの末端に架けて、前記コア層に接続されたスラブ層と
を備えたことを特徴とする光偏波回転素子。
前記第3コアは、前記第4コアよりも幅広とされていることを特徴とする付記1〜7のいずれか1項に記載の光偏波回転素子。
光受信器と
を備えており、
前記光受信器は、入力光をTE偏光とTM偏光とに分割する光偏波分割素子と、偏波光の偏波面を回転して出力する光偏波回転素子とを有しており、
前記光偏波回転素子は、
光伝搬方向に沿って、徐々に幅広となり、最大幅部分を境界として徐々に幅狭となる第1コアと、前記第1コアの光伝搬方向に沿った末端と接続された第2コアとを有するコア層と、
前記第1コアにおける光伝搬方向に沿った前記最大幅部分の前方箇所から前記第2コアの末端に架けて、前記コア層の側面に接続されたスラブ層と
を備えたことを特徴とする光トランシーバ。
11a,31a 第1コア
11a1,12a1,12b1,31a1 第1部分
11a2,12a2,12b2,31a2 第2部分
11b,31b 第1スラブ
11A,31A 最大幅部分
12,102 光偏波ローテータ部
12a 第2コア
第1部分
12b 第2スラブ
13,103 方向性結合器
13a,103a 第1導波路
13b,103b 第2導波路
21 SOI基板
21a シリコン膜
21b,21c シリコン酸化膜
22,24 レジストマスク
22a,23a,24a 第1マスク
22b,23b,24b 第2マスク
23 ハードマスク
24A 端部
41 光送信器(Tx)
42 レーザ
43 スプリッタ
44a,44b IQ変調器
45,53 光偏波回転素子
46 カプラ
51 光受信器(Rx)
52 光偏波分割素子
54a,54b 受光器
101 チャネル導波路部
Claims (7)
- 光伝搬方向に沿って、徐々に幅広となり、最大幅部分を境界として徐々に幅狭となる第1コアと、前記第1コアの光伝搬方向に沿った末端と接続された第2コアとを有するコア層と、
前記第1コアにおける光伝搬方向に沿った前記最大幅部分の前方箇所から前記第2コアの末端に架けて、前記コア層に接続されたスラブ層と
を備えたことを特徴とする光偏波回転素子。 - 前記スラブ層は、前記第1コアに接続された部分で一定幅とされていることを特徴とする請求項1に記載の光偏波回転素子。
- 前記スラブ層は、前記第1コアに接続された部分が光伝搬方向に沿って前記最大幅部分の前方箇所から徐々に幅広とされていることを特徴とする請求項1に記載の光偏波回転素子。
- 前記スラブ層は、前記第2コアに接続された部分が光伝搬方向に沿って前記第2コアの少なくとも途中まで徐々に幅広とされていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光偏波回転素子。
- 前記スラブ層は、前記第1コアに接続された部分の幅が前記第2コアの最小幅以下とされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光偏波回転素子。
- 前記第2コアは、光伝搬方向に沿って、徐々に幅広とされている第1部分と、前記第1部分よりも大きい割合で徐々に幅広とされている第2部分とを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光偏波回転素子。
- 光送信器と、
光受信器と
を備えており、
前記光受信器は、入力光をTE偏光とTM偏光とに分割する光偏波分割素子と、偏波光の偏波面を回転して出力する光偏波回転素子とを有しており、
前記光偏波回転素子は、
光伝搬方向に沿って、徐々に幅広となり、最大幅部分を境界として徐々に幅狭となる第1コアと、前記第1コアの光伝搬方向に沿った末端と接続された第2コアとを有するコア層と、
前記第1コアにおける光伝搬方向に沿った前記最大幅部分の前方箇所から前記第2コアの末端に架けて、前記コア層の側面に接続されたスラブ層と
を備えたことを特徴とする光トランシーバ。
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