JP2018119868A - パワー半導体チップの電気特性測定装置および電気特性測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パワー半導体チップの高電圧印加試験時に発生するオモテ面電極(表面電極)と裏面電極との間の部分放電を抑制するために、絶縁物の治具をチップの終端構造に押圧している。治具のサイズは、チップサイズによって変更する必要があり、サイズ別の管理が必要となる。また、絶縁物の治具は不良チップの破壊痕による異物の付着、傷、変質が発生した場合、治具全体の交換が必要であり高コストである。
【解決手段】放電抑制のための絶縁治具を、チップの終端構造部を分割構造とし、終端構造部の角部分に用いる角用部品と辺部分に用いる辺用部品の2種類の部品を設ける。また、辺用部品の数を変更可能に設定する。また、絶縁治具に不良チップによる破壊痕が発生した場合に、異常部分の部品のみを交換するようにする。
【選択図】 図2
【解決手段】放電抑制のための絶縁治具を、チップの終端構造部を分割構造とし、終端構造部の角部分に用いる角用部品と辺部分に用いる辺用部品の2種類の部品を設ける。また、辺用部品の数を変更可能に設定する。また、絶縁治具に不良チップによる破壊痕が発生した場合に、異常部分の部品のみを交換するようにする。
【選択図】 図2
Description
この発明は、高耐圧パワー半導体チップがマウントされた高耐圧電子機器基板、および高耐圧電子機器基板が用いられた高耐圧半導体装置に関し、製造コストの削減、信頼性の向上に関する。
高耐圧パワー半導体チップは、IGBT、縦型MOSFET、ダイオード等の半導体チップであり、パワーエレクトロニクス製品に使用される。このパワーエレクトロニクス製品は、半導体装置の中でも、産業用機器から、家電、情報端末まで幅広い機器の電力の制御に用いられ、特に輸送機器等においては高い信頼性が求められている。そして、用途に応じて、数百〜数千Vの定格電圧を持ち、特性試験では定格電圧と同等以上の高電圧を印加し、耐圧が十分であることを確認できた製品が出荷される。
この用途の拡大の要請に従い、従来のシリコン(Si)を用いた半導体素子に代えて、炭化珪素(SiC)等のワイドバンドギャップ半導体を用いた半導体素子を備えたパワーエレクトロニクス製品の開発が進められており、パワー半導体のパワーの高密度化と微細化が進んでいる。特に大電流、高電圧を印加するSiCデバイスにおいては、SiC基板が高価なため単位面積当たりチップの取れ高向上を目的に微細化が進み、その結果、チップの絶縁耐圧を確保するために終端構造を縮小させる傾向にある。チップ状態でのパワー半導体の絶縁耐圧は、チップのオモテ面(「表面」と表記することもある。以下同様)外周部にある終端構造のシリコン酸化膜やポリイミド膜の幅で決定し、2000V程度である。
ところで、チップ状態のパワー半導体のコレクタ〜エミッタ電極間に絶縁耐圧以上の高電圧を印加すると、大気が絶縁破壊し、終端構造の近傍で部分放電が発生する。このような部分放電が発生するとチップの終端構造が破壊されてしまう。このため、チップ状態では、絶縁耐圧以下、たとえば2000V以下の電圧印加条件でしか電気特性試験を行うことができず、たとえば定格電圧が3000Vの場合、2000V〜3000Vの範囲で不良となるチップをチップ状態で不合格と判定することができない。
定格電圧を印加条件で試験を行うには、パワー半導体チップをたとえばDBC(Direct Bond Copper)基板にマウントし、チップの電極をDBC基板の配線パターンにボンディングし、さらにDBC基板をケースに取り付け、空隙をシリコーンゲルやエポキシ樹脂等の絶縁物の治具で充填し、製品完成状態にする必要がある。
パワーエレクトロニクス製品は、用途別に定格電流が異なり、大容量の製品は、パワー半導体チップを複数マウントする構造になっている。大容量製品を完成状態で試験し、不良チップが1チップでもあった場合、その他のチップとチップマウント以降の組立工程の製造コストと部材コストを損失することになる。そのため、チップ状態で信頼性の高い試験を実施し、不良チップを組立工程以前に不合格と判定することで製造コストを大幅に削減できる。
製造工程では、パワーモジュールに組み込む前に不良チップを不合格と判定するため、チップ状態で電気特性を試験する。試験の際、チップの固定と電極を兼ねるステージ電極の表面にチップの設置面を接触させた状態で固定した後、電気的な入出力を行うために、チップの電極部にコンタクトプローブを接触させる。
このような状況の下、チップの試験中に、大気の絶縁破壊による部分放電現象が、チッ
プのオモテ面電極と裏面電極との間に生じて、チップとコンタクトプローブ、ステージ電極の部分的な破損および不具合が生じることが知られている。
プのオモテ面電極と裏面電極との間に生じて、チップとコンタクトプローブ、ステージ電極の部分的な破損および不具合が生じることが知られている。
このため、特許文献1では、絶縁溶液中にパワー半導体チップを浸漬して部分放電を抑制している。ただし、絶縁溶液の洗浄および乾燥が必要となり、コストと工数が増加してしまう。特許文献2では、パワー半導体チップの耐圧を確保するための終端構造に絶縁物の治具を押圧し、オモテ面電極と裏面電極とを分断することで、部分放電を抑制している。
大気の絶縁破壊による部分放電の抑制のため、特許文献1に記載の発明においては、絶縁溶液中で電気特性試験を実施するが、絶縁溶液の洗浄および乾燥が必要であり、高コストである。
特許文献2に記載の発明においては、チップの耐圧不足の不良によって耐圧試験時に局所的に電流が流れ、チップが破壊した場合、チップの破壊箇所に押し当てられていた絶縁物の治具には、瞬間的に流れた電流による変質またはチップ由来の異物が付着し、破壊痕が発生する。
特許文献2に記載の発明においては、チップの耐圧不足の不良によって耐圧試験時に局所的に電流が流れ、チップが破壊した場合、チップの破壊箇所に押し当てられていた絶縁物の治具には、瞬間的に流れた電流による変質またはチップ由来の異物が付着し、破壊痕が発生する。
ここで、破壊痕は凸形状であることが多く、後続のチップの傷や割れおよび部分放電の要因となるため、絶縁物の治具全体を交換する必要がある。
また、絶縁物の治具の形状は、試験するパワー半導体チップの終端構造の形状に合わせるため、試験するチップの形状に応じて、異なる形状の絶縁物の治具を作製する必要がある。
また、絶縁物の治具の形状は、試験するパワー半導体チップの終端構造の形状に合わせるため、試験するチップの形状に応じて、異なる形状の絶縁物の治具を作製する必要がある。
絶縁物の治具は一般にシリコーンゴム等の絶縁樹脂の射出成型によって作製しており、形状が変わるたびに新規の金型を作製するため、高コストである。また、各品種の生産数に応じて、種類別に絶縁物の治具のストックを管理する必要がある。
大気の絶縁破壊による部分放電を抑制するために、該絶縁物の治具は、終端構造に隙間なく押し当てる必要があるため、弾力性のあるシリコーンゴム等が使用されている。電気特性試験は実際の使用状況を模擬するため、高温条件、たとえば百数十度の条件で実施される場合がある。このとき、絶縁物の治具が加熱されたチップに接触することで膨張し、絶縁物の治具の平坦度が悪化するため、押圧を大きくする必要があり、傷およびチップ割れが発生する原因となる。また膨張による接触面方向の応力でチップにダメージを与える。
上記の課題を達成するために、この発明に係るパワー半導体チップ(以下、簡略化して単に「チップ」と呼ぶ場合もある)の測定方法および測定装置においては、電気的にチップと接触する方法、あるいは装置を用いることで、高電圧条件下でも電気特性試験を実施でき、絶縁破壊による部分放電を防ぐことを目的とする。
また、電気特性試験に用いる絶縁治具は、分割して取り外しが可能であり、パワー半導体チップのサイズが異なるものにも対応可能であり、平面の形状が四角の枠形状あるいは円環形状のもの(これらを総称して以下では枠状体と呼ぶ)を提供することを目的とする。
具体的には、上述の分割した絶縁治具により、パワー半導体チップの終端構造全体を被覆して、大気の絶縁破壊による部分放電を防ぐ。絶縁治具の分割した角用部品と辺用部品との接合部は、枠状体の輪郭線(円環形状の場合は円環上の点における接線)に対して直交しない一定の角度をなす直線状、または曲線状、波線状であり、枠状体を構成する各部品間の接合部の長さと大気の絶縁耐圧(例えば3kV/mm)の積が、パワー半導体チップの定格電圧以上となるよう設計することで、部分放電を抑制可能な構造とする。
また、電気特性試験に用いる絶縁治具は、分割して取り外しが可能であり、パワー半導体チップのサイズが異なるものにも対応可能であり、平面の形状が四角の枠形状あるいは円環形状のもの(これらを総称して以下では枠状体と呼ぶ)を提供することを目的とする。
具体的には、上述の分割した絶縁治具により、パワー半導体チップの終端構造全体を被覆して、大気の絶縁破壊による部分放電を防ぐ。絶縁治具の分割した角用部品と辺用部品との接合部は、枠状体の輪郭線(円環形状の場合は円環上の点における接線)に対して直交しない一定の角度をなす直線状、または曲線状、波線状であり、枠状体を構成する各部品間の接合部の長さと大気の絶縁耐圧(例えば3kV/mm)の積が、パワー半導体チップの定格電圧以上となるよう設計することで、部分放電を抑制可能な構造とする。
この発明に係るパワー半導体チップの電気特性測定装置は、
被測定体であるパワー半導体チップの表面および裏面にそれぞれ接触して配置されるプローブピンおよびステージ電極と、
前記パワー半導体チップの外周部分を構成する終端構造部に底面で接触し、弾性により前記パワー半導体チップを厚さ方向に押圧して支持する絶縁治具と、
を備え、
前記プローブピンおよび前記ステージ電極を電気的に前記パワー半導体チップに接触させて、前記パワー半導体チップの電気特性を測定するパワー半導体チップの電気特性測定装置であって、
前記絶縁治具は、前記終端構造部に被さる枠状体で構成され、当該枠状体を分割して構成する角用部品と辺用部品とを有し、これら両部品の各部品間の境界が前記枠状体の相対する内側輪郭線および外側輪郭線と互いに直交しないように構成されていることを特徴とするものである。
被測定体であるパワー半導体チップの表面および裏面にそれぞれ接触して配置されるプローブピンおよびステージ電極と、
前記パワー半導体チップの外周部分を構成する終端構造部に底面で接触し、弾性により前記パワー半導体チップを厚さ方向に押圧して支持する絶縁治具と、
を備え、
前記プローブピンおよび前記ステージ電極を電気的に前記パワー半導体チップに接触させて、前記パワー半導体チップの電気特性を測定するパワー半導体チップの電気特性測定装置であって、
前記絶縁治具は、前記終端構造部に被さる枠状体で構成され、当該枠状体を分割して構成する角用部品と辺用部品とを有し、これら両部品の各部品間の境界が前記枠状体の相対する内側輪郭線および外側輪郭線と互いに直交しないように構成されていることを特徴とするものである。
また、この発明に係るパワー半導体チップの電気特性測定方法は、
被測定体であるパワー半導体チップの電気特性を測定するための、
当該パワー半導体チップの表面および裏面の対となる複数の位置に、対で配置される複数組のプローブピンと、
前記パワー半導体チップの外周部分を構成する終端構造部に底面で接触し、前記パワー半導体チップ面上の複数箇所で、厚さ方向に上下2方向から弾性により押圧して支持する複数の絶縁治具と、
この絶縁治具を支持し、前記パワー半導体チップ面に平行な方向に移動するための複数の保持台と、
前記パワー半導体チップの上側及び下側にそれぞれ配置され、前記保持台の移動に対応して前記パワー半導体チップ面に平行な方向に移動する複数の固定用押え板と、を備え、
前記プローブピンを電気的に前記パワー半導体チップに接触させて、前記パワー半導体チップの電気特性を測定するパワー半導体チップの電気特性測定装置を用いて、
前記保持台を移動することで、前記固定用押え板により、前記絶縁治具を前記パワー半導体チップの上側及び下側から、それぞれ押圧しつつ、前記パワー半導体チップの終端構造部が被さる位置まで移動することにより、前記絶縁治具により前記終端構造部を厚さ方向に上下から挟み込み、前記パワー半導体チップに前記絶縁治具を密着させ、前記パワー半導体チップの電気特性を測定することを特徴とする
被測定体であるパワー半導体チップの電気特性を測定するための、
当該パワー半導体チップの表面および裏面の対となる複数の位置に、対で配置される複数組のプローブピンと、
前記パワー半導体チップの外周部分を構成する終端構造部に底面で接触し、前記パワー半導体チップ面上の複数箇所で、厚さ方向に上下2方向から弾性により押圧して支持する複数の絶縁治具と、
この絶縁治具を支持し、前記パワー半導体チップ面に平行な方向に移動するための複数の保持台と、
前記パワー半導体チップの上側及び下側にそれぞれ配置され、前記保持台の移動に対応して前記パワー半導体チップ面に平行な方向に移動する複数の固定用押え板と、を備え、
前記プローブピンを電気的に前記パワー半導体チップに接触させて、前記パワー半導体チップの電気特性を測定するパワー半導体チップの電気特性測定装置を用いて、
前記保持台を移動することで、前記固定用押え板により、前記絶縁治具を前記パワー半導体チップの上側及び下側から、それぞれ押圧しつつ、前記パワー半導体チップの終端構造部が被さる位置まで移動することにより、前記絶縁治具により前記終端構造部を厚さ方向に上下から挟み込み、前記パワー半導体チップに前記絶縁治具を密着させ、前記パワー半導体チップの電気特性を測定することを特徴とする
この発明によれば、パワー半導体チップの終端構造部に押圧する絶縁治具を、角用部品と辺用部品の分割された2種類の部品で構成することで、絶縁治具に不良チップ由来の破壊痕が発生した場合に、異常部分の部品のみを交換することにより、治具全体を交換するよりも低コストで対応することが可能である。
また、上述の絶縁治具は、角用部品と辺用部品の2種類で構成されているので、辺用部品の数を変更することで、異なるチップサイズにも対応でき、分割して取り外しが可能である。
また、上述の絶縁治具は、角用部品と辺用部品の2種類で構成されているので、辺用部品の数を変更することで、異なるチップサイズにも対応でき、分割して取り外しが可能である。
また、絶縁治具を固定する台を線膨張係数が小さい材質にし、絶縁治具を薄くすることで、絶縁治具の熱膨張による変形を小さくすることができる。また、絶縁治具を分割した構造にすることで、熱膨張による応力を各部品の接合部で相殺できるため、熱膨張の応力による終端構造への負荷を小さくすることが可能である。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1について以下図を参照して説明する。この説明に際し、共通する要素、部分は同一の参照符号を付す。
この発明の実施の形態1について以下図を参照して説明する。この説明に際し、共通する要素、部分は同一の参照符号を付す。
本発明の実施の形態1に係るパワー半導体チップの試験方法および試験装置に用いられる被測定物であるパワー半導体チップの一例、およびこのパワー半導体チップの試験方法および試験装置について、以下図を用いて説明する。なお、以下、「パワー半導体チップ
」を単に「チップ」と略称する場合もある。
図1は、被測定物であるパワー半導体チップの概略図であり、図1(a)は、パワー半導体チップの平面図、図1(b)は、図1(a)のPP断面の断面図を示す。図2〜図5は、このパワー半導体チップの特性試験に用いられる治具を説明するための図である。また、図2(a)は、この治具の平面図、図2(b)は、図2(a)のQQ断面の断面図を示している。さらに、図5(a)、図5(b)、および図5(c)は、絶縁治具の角用部品と辺用部品の接合部の代表的な形状の概要を示す。
」を単に「チップ」と略称する場合もある。
図1は、被測定物であるパワー半導体チップの概略図であり、図1(a)は、パワー半導体チップの平面図、図1(b)は、図1(a)のPP断面の断面図を示す。図2〜図5は、このパワー半導体チップの特性試験に用いられる治具を説明するための図である。また、図2(a)は、この治具の平面図、図2(b)は、図2(a)のQQ断面の断面図を示している。さらに、図5(a)、図5(b)、および図5(c)は、絶縁治具の角用部品と辺用部品の接合部の代表的な形状の概要を示す。
図1に示すように、被測定物であるパワー半導体チップ1は、オモテ面電極12と裏面電極13を有し、オモテ面電極12と裏面電極13との耐圧を、オモテ面外周部にある終端構造部11によって実現している。IGBTやMOSFETチップなどにはオモテ面にゲート電極14が存在する。なお、オモテ面は、以降、表面と表記することもあるが両者は同じ意味である。
上記パワー半導体チップ1の電気特性試験時は、図2(a)の平面図と図2(b)の断面図に示すように、オモテ面電極12にプローブピン3を、裏面電極13にはステージ電極4を接触させ、パワー半導体チップ1の特性を評価する。このとき、図示していないが、プローブピン3とステージ電極4は、外部出入力端子によって電気特性測定器に電気的に接続されている。
プローブピン3と絶縁治具2は、プローブ保持台5に固定されており、プローブ保持台5がパワー半導体チップ1の上方より、このパワー半導体チップに接近して、オモテ面電極12とゲート電極14にプローブピン3を、終端構造部11に絶縁治具2を接触させる。絶縁治具2は、シリコーンゴムなど弾性を持ったもので、終端構造部11に押圧され、この終端構造部11に密着した状態となる。なお、既存の試験装置の機構にプローブ保持台5がある場合には、絶縁治具2を固定するソケット51を追加するだけで、上記と同様の試験装置が低コストで実現が可能である。
上述の絶縁治具2は、角用部品21と辺用部品22からなり、図2に示すように、これら2種類の部品を組み合わせて、終端構造部11を押圧する。なお、図3はパワー半導体チップの電気特性の測定に用いられる測定治具および絶縁治具とパワー半導体チップとの接触状態を示す平面図であり、平面的に見た場合のこれら3者の相対位置関係を示すものである。
また、高電圧印加試験時は、オモテ面電極12と裏面電極13との間に高電圧が印加される。図4の終端構造部拡大図に示す終端構造部幅L1による大気の絶縁耐圧(典型値と
しては3kV/mm)が、印加している電圧以下となる場合、終端構造部11をまたいで放電が発生する。先行文献2では、本実施の形態に示したような組み合わせた絶縁治具ではなく、単一の絶縁治具を終端構造部全体に押圧することで放電を抑制する。
また、高電圧印加試験時は、オモテ面電極12と裏面電極13との間に高電圧が印加される。図4の終端構造部拡大図に示す終端構造部幅L1による大気の絶縁耐圧(典型値と
しては3kV/mm)が、印加している電圧以下となる場合、終端構造部11をまたいで放電が発生する。先行文献2では、本実施の形態に示したような組み合わせた絶縁治具ではなく、単一の絶縁治具を終端構造部全体に押圧することで放電を抑制する。
本実施の形態では、絶縁治具2の角用部品21と辺用部品22を終端構造部11に押圧している場合、絶縁耐圧は、終端構造部幅L1ではなく、角用部品21または辺用部品2
2の接合部のうち、絶縁耐圧に関わる耐圧保持部111(図4中、破線で囲まれた部分)の代表長さである耐圧保持部経路長L2で決定される(図4参照)。ここで終端構造部幅
L1と耐圧保持部経路長L2との角度位置関係を図4に示すθで表す。この角度は後述の絶縁治具2の各部品同士の接合部の角度として規定するものと同一である。
2の接合部のうち、絶縁耐圧に関わる耐圧保持部111(図4中、破線で囲まれた部分)の代表長さである耐圧保持部経路長L2で決定される(図4参照)。ここで終端構造部幅
L1と耐圧保持部経路長L2との角度位置関係を図4に示すθで表す。この角度は後述の絶縁治具2の各部品同士の接合部の角度として規定するものと同一である。
そして、終端構造部幅L1よりも耐圧保持部経路長L2が大きくなるようにすることで、絶縁耐圧を増加させることができる構造になっている。たとえば、終端構造部幅L1が0
.5mmだと絶縁耐圧は1.5kVだが、接合部の傾き角が45度の絶縁治具2を用いて終端構造部を押圧する場合、絶縁耐圧は、2の平方根倍、すなわち1.4倍の2.1kV
まで向上する。
.5mmだと絶縁耐圧は1.5kVだが、接合部の傾き角が45度の絶縁治具2を用いて終端構造部を押圧する場合、絶縁耐圧は、2の平方根倍、すなわち1.4倍の2.1kV
まで向上する。
絶縁治具2を終端構造部11に押圧しているときの絶縁耐圧Viは、大気の絶縁耐圧を
3kV/mmとして、絶縁治具2の部品同士の接合部の角度θ、終端構造部幅L1(mm
)を用いると、Vi(=3L2)=3L1/cosθ[kV]と表される。ここで、cosθ≠0(ゼロ)である。
このように、絶縁治具2の部品同士の接合部の角度θを90度でない適宜の角度とすることで、耐圧保持部経路長L2(=L1/cosθ)による絶縁耐圧Viが電気特性試験の印加電圧以上になるよう設定することにより、部分放電を防止する。
3kV/mmとして、絶縁治具2の部品同士の接合部の角度θ、終端構造部幅L1(mm
)を用いると、Vi(=3L2)=3L1/cosθ[kV]と表される。ここで、cosθ≠0(ゼロ)である。
このように、絶縁治具2の部品同士の接合部の角度θを90度でない適宜の角度とすることで、耐圧保持部経路長L2(=L1/cosθ)による絶縁耐圧Viが電気特性試験の印加電圧以上になるよう設定することにより、部分放電を防止する。
図5(a)、図5(b)、および図5(c)は、絶縁治具の角用部品と辺用部品の接合部の形状の概要の代表例を示す図である。これらの図は、絶縁治具2の角用部品21(各図において符号21A、21B、21Cで示されている)と辺用部品22(各図において符号22A、22B、22Cで示されている)の接合部のバリエーションを示している。絶縁治具2の接合部は、絶縁耐圧Viを増加させる構造であればよく、図5(a)の実施
例1Aのような直線状に限らず、図5(b)の実施例1Bのような曲線状、あるいは図5(c)の実施例1Cのような波線状でも同様の効果が得られる。この場合において、絶縁治具2の終端構造部11との接触面は平面になっているとみなしてよい。
例1Aのような直線状に限らず、図5(b)の実施例1Bのような曲線状、あるいは図5(c)の実施例1Cのような波線状でも同様の効果が得られる。この場合において、絶縁治具2の終端構造部11との接触面は平面になっているとみなしてよい。
この絶縁耐圧を増加させる構造により、終端構造部11のサイズが図6に示す実施例1A1の場合のように、終端構造部11のサイズが、チップサイズ最大の場合の終端構造部11Aからチップサイズ最小の場合の終端構造部11Bにかけて、辺用部品のピッチL22以下の量で変動した場合でも、終端構造部11との絶縁治具2の接触面方向の幅(図7における左右方向の幅)W22を広げる(図7参照)ことで、絶縁治具2が接触面において、終端構造部11全体を被るように接触させることが可能である。
この場合において、絶縁治具2の接触面方向の幅W22をL22+L1+[コンタクト精度公差]以上とすることで、辺用部品22の使用数を変えた場合に、対応できるチップサイズ
が重複するため、辺用部品22の増減だけで、任意のチップサイズに対応することが可能である。たとえば、チップサイズが図6に示す実施例1A1のように、絶縁治具2で被覆できる最大のサイズの場合、上記の終端構造部11Aの内側端と絶縁治具2の内側端との距離はW22-L1となる。このときW22がL22+L1+[コンタクト精度公差]以上であれば
、終端構造部11Aの内側端と絶縁治具2の内側端との距離はL22+[コンタクト精度公
差]以上となる。このとき、辺用部品22を各辺に追加すると、絶縁治具2のサイズは縦
横それぞれL22増加し、終端構造部11Aの内側端と辺用部品22を追加した絶縁治具2の内側端との距離は[コンタクト精度公差]以上となり、辺用部品22を追加しても終端構造部11を絶縁治具2により被覆できている状態となる。
が重複するため、辺用部品22の増減だけで、任意のチップサイズに対応することが可能である。たとえば、チップサイズが図6に示す実施例1A1のように、絶縁治具2で被覆できる最大のサイズの場合、上記の終端構造部11Aの内側端と絶縁治具2の内側端との距離はW22-L1となる。このときW22がL22+L1+[コンタクト精度公差]以上であれば
、終端構造部11Aの内側端と絶縁治具2の内側端との距離はL22+[コンタクト精度公
差]以上となる。このとき、辺用部品22を各辺に追加すると、絶縁治具2のサイズは縦
横それぞれL22増加し、終端構造部11Aの内側端と辺用部品22を追加した絶縁治具2の内側端との距離は[コンタクト精度公差]以上となり、辺用部品22を追加しても終端構造部11を絶縁治具2により被覆できている状態となる。
絶縁治具2の接合部の形状が、図5(b)の実施例1Bのような曲線状、あるいは図5(c)の実施例1Cのような波線状の場合でも、同様に、接触面方向の幅W22をL22+L1+[コンタクト精度公差]以上とすることで、任意のチップサイズに対応可能である。電
気特性検査装置にはプロービング機構があり、これはチップのオモテ面電極12にプローブピン3を位置合わせして接触させる機構であり、一般にセンサーまたは画像認識によって毎回位置を補正している。なお、「オモテ面電極」は「表面電極」と表記する場合もあるが同じ意味で用いる。
気特性検査装置にはプロービング機構があり、これはチップのオモテ面電極12にプローブピン3を位置合わせして接触させる機構であり、一般にセンサーまたは画像認識によって毎回位置を補正している。なお、「オモテ面電極」は「表面電極」と表記する場合もあるが同じ意味で用いる。
ここで、コンタクト精度は電気特性試験装置のプロービング機構の性能に依存し、一般に数十μm程度である。ここでは1〜100μmを想定している。このようにして、チッ
プサイズに関わらず、部品の種類が2種類のみで対応可能であるため、絶縁治具の管理が容易である。
プサイズに関わらず、部品の種類が2種類のみで対応可能であるため、絶縁治具の管理が容易である。
上記構成の絶縁治具2を使用する測定方法を用いれば、絶縁体、および絶縁体の接合部の形状によって電極間の距離を適宜調整することで、絶縁耐圧に相当する絶縁耐力を増大させ、高電圧条件下での大気の絶縁破壊による部分放電を抑制することが可能となる。そして、パワー半導体チップを製品組み立て前のチップ状態で、製品完成状態での絶縁耐力、例えば、3000V印加した条件下での電気特性試験が可能となる。
また、被測定用のチップが耐圧不足の不良チップであった場合において、絶縁治具2の1部品に破壊痕が発生した場合、破壊痕が発生した絶縁治具2の1部品だけを交換することで、破壊痕の発生後のチップを同様に試験することが可能である。
また、測定するチップの品種が変わり、チップのサイズが異なったものになった場合でも、組み合わせる絶縁治具の辺用部品の数を、適宜、調節することで、部品の種類の数を増やすことなく対応可能である。
また、測定するチップの品種が変わり、チップのサイズが異なったものになった場合でも、組み合わせる絶縁治具の辺用部品の数を、適宜、調節することで、部品の種類の数を増やすことなく対応可能である。
さらに、高温条件下で電気特性試験を実施する場合、絶縁治具の厚みを薄くすることで、熱膨張による変形量を小さくし、また、線膨張係数の小さい、絶縁治具を固定する耐熱固定台を用いることで、熱膨張による応力が小さくなり、絶縁治具のチップとの接触面の平坦性が向上し、比較的小さい押圧で絶縁治具とチップとの密着性が確保できるため、チップ割れと傷のリスクを低減できる。また、高温条件下で電気特性試験を実施する場合、絶縁治具が主としてチップ接触面方向に膨張するが、絶縁治具の部品ごとの接合面で応力を打ち消しあうため、チップにダメージを与えることなく、試験を実施することができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係るパワー半導体チップの試験方法および試験装置について、以下図を用いて説明する。
図8は、本実施の形態に係るパワー半導体チップの試験方法および試験装置に用いる絶縁治具2の構造を示す断面図である。パワー半導体チップ1の電気特性試験は、実使用条件、たとえば百数十度に加熱された条件で実施される場合がある。このとき、一般にステージ電極4に加熱機構が存在し、ステージ電極4上のパワー半導体チップ1が加熱される。
本発明の実施の形態2に係るパワー半導体チップの試験方法および試験装置について、以下図を用いて説明する。
図8は、本実施の形態に係るパワー半導体チップの試験方法および試験装置に用いる絶縁治具2の構造を示す断面図である。パワー半導体チップ1の電気特性試験は、実使用条件、たとえば百数十度に加熱された条件で実施される場合がある。このとき、一般にステージ電極4に加熱機構が存在し、ステージ電極4上のパワー半導体チップ1が加熱される。
絶縁治具2は、例えばシリコーンゴムなどの弾性樹脂であり、線膨脹係数が4×10-4/℃程度であるため、加熱時、例えばパワー半導体チップ1と接触している部分の温度が100℃上昇した場合、接触部分の長さ(代表長さ)が4%程度膨張する。
このようにチップとの接触面とその反対側の面との間で(絶縁治具2に)温度差が発生すると、絶縁治具2に反り、及びたわみが発生し、接触部表面の平坦性が損なわれる。そこで、チップ1と絶縁治具2との密着性を確保するために、絶縁治具2を終端構造部11に押圧する荷重を増やす必要がある。
このようにチップとの接触面とその反対側の面との間で(絶縁治具2に)温度差が発生すると、絶縁治具2に反り、及びたわみが発生し、接触部表面の平坦性が損なわれる。そこで、チップ1と絶縁治具2との密着性を確保するために、絶縁治具2を終端構造部11に押圧する荷重を増やす必要がある。
荷重を増やすと、絶縁治具2やステージ電極4とパワー半導体チップ1との間に異物を噛みこんだ場合に、傷や割れが発生する可能性が高まる。特に、絶縁治具が分割されていない場合(特許文献2参照)、あるいはパワー半導体チップ1のサイズが大きく、多くの辺用部品22を使用する場合には、シリコーンゴムの膨張対策として、荷重を増加させ密着性を確保する必要がある。
図8(a)に示す実施例2Aのような場合、プローブ保持台5が常温のため、絶縁治具2のチップ1に接触している部分とそれ以外の部分との温度差が大きく、絶縁治具2の平坦性が損なわれる。
そこで、図8(b)の実施例2Bに示すように、耐熱性保持台23に、たとえばシリコ
ーンゴムの線膨脹係数が4×10-4/℃以下の素材、例えばPPS樹脂(ポリフェニレンスルファイド樹脂。PPSはPoly phenylene sulfideの略。以下同様)、あるいはガラス繊維フィラーを含有する樹脂などを用いることにより、さらには、絶縁治具2を薄くすることにより、絶縁治具2を均一に加熱し、耐熱性保持台23の熱膨張を抑制することで、絶縁治具2の平坦性を確保する。なお、図8(b)に示すように、耐熱性保持台23は、保持台ソケット231により絶縁治具2に固定されている。
そこで、図8(b)の実施例2Bに示すように、耐熱性保持台23に、たとえばシリコ
ーンゴムの線膨脹係数が4×10-4/℃以下の素材、例えばPPS樹脂(ポリフェニレンスルファイド樹脂。PPSはPoly phenylene sulfideの略。以下同様)、あるいはガラス繊維フィラーを含有する樹脂などを用いることにより、さらには、絶縁治具2を薄くすることにより、絶縁治具2を均一に加熱し、耐熱性保持台23の熱膨張を抑制することで、絶縁治具2の平坦性を確保する。なお、図8(b)に示すように、耐熱性保持台23は、保持台ソケット231により絶縁治具2に固定されている。
例えば、チップの表面温度が150℃、絶縁治具2の厚さが3cm、絶縁治具2の低温側の表面温度が50℃とすると、絶縁治具の厚さを3cmから1mmに変更することで、低温側の表面の温度が比較的短時間で50℃から約147℃となり、絶縁治具2がほぼ均一に加熱される。絶縁治具の厚さを薄くしたことで、絶縁治具2の厚さ方向の変形量が約900μmから約50μmに減少し、チップとの接触面の平坦性が向上する。
また、耐熱性保持台23に、線膨張係数が3×10-5/℃のPPS樹脂を使用した場合には、絶縁治具2が均一に加熱されることで、チップとの接触面と耐熱性保持台23との接触面それぞれの接触面の温度差が100℃から約3℃になるため、それぞれの接触面方向の変形量の差も、約4%から約0.1%に減少する。
このように、耐熱性保持台23の熱膨張による変形量が小さいため、絶縁治具2の平坦性を損なわずに、終端構造部11への押圧を増大させる必要もなく、絶縁治具2と終端構造部11を密着させることができ、チップ割れと傷のリスクを低減できる。耐熱性保持台23と絶縁治具2との固定方法は、はめ込み、ねじ止めなどによる。また、図9に示すように保持台ソケット231の穴部分で耐熱性保持台23を分割して絶縁治具2を挟み込み固定する。
さらに別の課題として、特許文献2のように絶縁物の治具が角用部品21と辺用部品22に分割されておらず終端構造部11と同程度のサイズの一体型の場合、絶縁物の治具の膨張が接触面方向へも働き、終端構造部11を外側に横ずれさせる方向に応力が加わり、終端構造部にストレスを加え、破壊するリスクがある問題への対応がある。
そこで、図10(a)に示す本実施の形態2の平面図Aのように、角用部品21と辺用部品22を固定する保持台ソケット231を、終端構造部11と接触する部分の上部に配置することで、図10(b)の実施の形態2の平面図Bに示すように、熱膨張による応力Ftが最小となる熱膨張の中心が終端構造部11あるいはその近傍位置になるよう押圧し
、応力の影響を小さくする。加えて、角用部品21と辺用部品22の各接合部で熱膨張による応力Ftを分散して負担するようにして、さらに、この熱膨張による応力Ftを小さくすることができる。
このようにして、チップへのダメージを軽減することができる。また、実施の形態1と同様に、絶縁治具2を角用部品21と辺用部品22に分割して耐熱性保持台23に固定することで、破壊痕が発生した部品のみを交換することが可能となる。
、応力の影響を小さくする。加えて、角用部品21と辺用部品22の各接合部で熱膨張による応力Ftを分散して負担するようにして、さらに、この熱膨張による応力Ftを小さくすることができる。
このようにして、チップへのダメージを軽減することができる。また、実施の形態1と同様に、絶縁治具2を角用部品21と辺用部品22に分割して耐熱性保持台23に固定することで、破壊痕が発生した部品のみを交換することが可能となる。
また、絶縁治具2の部品どうしの接合部の耐圧保持部経路長L2(=L1/cosθ)による
絶縁耐圧が、電気特性試験の印加電圧以上となるよう、形状を直線状、曲線状または波線状として部分放電を防止する。また、パワー半導体チップ1のサイズが異なる場合でも、辺用部品22の数を調節すること、および絶縁治具2の接触面方向の幅W22をL22+L1
+[コンタクト精度公差]以上とすることで、任意のチップサイズ対応が可能である。
絶縁耐圧が、電気特性試験の印加電圧以上となるよう、形状を直線状、曲線状または波線状として部分放電を防止する。また、パワー半導体チップ1のサイズが異なる場合でも、辺用部品22の数を調節すること、および絶縁治具2の接触面方向の幅W22をL22+L1
+[コンタクト精度公差]以上とすることで、任意のチップサイズ対応が可能である。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係るパワー半導体チップの試験方法および試験装置について、以下図を用いて説明する。
図11〜図16は、この発明の実施の形態3に係るパワー半導体チップの電気特性測定方法を説明するための図である。図11の断面図で示した実施例3A1、図12の断面図で示した実施例3A2のように、パワー半導体チップ1の裏面電極13に、ステージ電極4ではなく、プローブピン3を接触させる場合がある。このとき、実施の形態1で説明したように、絶縁治具2で上方から終端構造部11を押圧すると、下側のプローブピン3に荷重が集中し、チップ割れが発生する。これを防ぐため、以下に示す工夫を行った。
本発明の実施の形態3に係るパワー半導体チップの試験方法および試験装置について、以下図を用いて説明する。
図11〜図16は、この発明の実施の形態3に係るパワー半導体チップの電気特性測定方法を説明するための図である。図11の断面図で示した実施例3A1、図12の断面図で示した実施例3A2のように、パワー半導体チップ1の裏面電極13に、ステージ電極4ではなく、プローブピン3を接触させる場合がある。このとき、実施の形態1で説明したように、絶縁治具2で上方から終端構造部11を押圧すると、下側のプローブピン3に荷重が集中し、チップ割れが発生する。これを防ぐため、以下に示す工夫を行った。
まず、図13に断面図で示した実施例3A3のように、パワー半導体チップ1の下面側に穴を設けたチップ固定台7を配置し、この上にパワー半導体チップ1を設置する。そして、チップ固定台7に設けた上記穴の中をプローブピン3が摺動する。
次に、上記チップ固定台7を下げる、またはパワー半導体チップ1の下側に配置したプローブピン3を上げると同時に、パワー半導体チップ1の上側のプローブピン3をパワー半導体チップ1に接触させる。
次に、図11の断面図で示した実施例3A1および平面図で示した実施例3A1(図14参照)のように、保持台25に固定された絶縁治具2をパワー半導体チップ1の側面から近づけ、そこから固定用押さえ板24をスライドさせ、断面図で示した実施例3A2(図12参照)および平面図で示した実施例3A2(図15参照)のように、終端構造部11を裏面電極13ごと上下から挟みこむことで、チップ割れを発生させずに、絶縁治具2を終端構造部11に密着させることが可能となる。
次に、上記チップ固定台7を下げる、またはパワー半導体チップ1の下側に配置したプローブピン3を上げると同時に、パワー半導体チップ1の上側のプローブピン3をパワー半導体チップ1に接触させる。
次に、図11の断面図で示した実施例3A1および平面図で示した実施例3A1(図14参照)のように、保持台25に固定された絶縁治具2をパワー半導体チップ1の側面から近づけ、そこから固定用押さえ板24をスライドさせ、断面図で示した実施例3A2(図12参照)および平面図で示した実施例3A2(図15参照)のように、終端構造部11を裏面電極13ごと上下から挟みこむことで、チップ割れを発生させずに、絶縁治具2を終端構造部11に密着させることが可能となる。
また、実施例3A1、および実施例3A2を用いると、ステージ電極4の吸着機構などのチップの固定機構を、絶縁治具2の挟み込みによる固定で代用可能である。このとき、絶縁治具2は、たとえばシリコーンゴムなど、絶縁性と弾力性を備えた材質のものを使用する。
また、断面図で示した実施例3B(図16参照)のように、絶縁治具2を終端構造部11の上下方向から接触させ、各方向から押圧する圧力を同一にすることで、チップ割れを発生させずに絶縁治具2を終端構造部11に密着させることが可能となる。また、特に既存の測定装置の機構にプローブ保持台5がある場合には、絶縁治具2を固定するソケット51を追加するだけで、低コストで実現が可能である。
また、実施の形態1、2と同様に、平面図で示した実施例3B(図17参照)のように絶縁治具2を角用部品21と辺用部品22に分割することで、破壊痕が発生した場合の部品交換のコストを低減可能である。このとき、終端構造部に接触しないチップ下側の絶縁治具2は、導電性押さえ台6を使用しても部分放電の抑制の効果に影響しない。
導電性押さえ台6についても絶縁治具2と同様に、導電性角用部品61および導電性辺用部品62(いずれも図示せず。図17においては、上記角用部品21と辺用部品22をそれぞれ導電性角用部品61および導電性辺用部品62として読み替えて説明できる)の組合せにより、破壊痕が発生した一部品のみの交換と、2種類の部品のみで異なるチップ形状への対応が可能である。
この場合も、実施の形態1、2と同様に、絶縁治具2を角用部品21と辺用部品22に分割して耐熱性保持台23に固定することで、破壊痕が発生した部品のみを交換することが可能である。
この場合も、実施の形態1、2と同様に、絶縁治具2を角用部品21と辺用部品22に分割して耐熱性保持台23に固定することで、破壊痕が発生した部品のみを交換することが可能である。
また、絶縁治具2の部品同士の接合部の耐圧保持部経路長L2(=L1/cosθ)による絶
縁耐圧が電気特性試験の印加電圧以上となるよう、接合部の形状を、直線状、曲線状または波線状として、部分放電を防止する。
縁耐圧が電気特性試験の印加電圧以上となるよう、接合部の形状を、直線状、曲線状または波線状として、部分放電を防止する。
また、パワー半導体チップ1のサイズが異なる場合でも、辺用部品22の数を調節する
こと、および絶縁治具2の接触面方向の幅W22をL22+L1+[コンタクト精度公差]以上
とすることで、任意のチップサイズ対応が可能である(図6、図7参照)。
こと、および絶縁治具2の接触面方向の幅W22をL22+L1+[コンタクト精度公差]以上
とすることで、任意のチップサイズ対応が可能である(図6、図7参照)。
以上説明したように、本発明によれば、消耗部品のコストを抑制し、製品の傷および割れ不良を低減し、かつ高電圧印加試験をチップ状態のパワー半導体に実施する測定方法、及びその測定装置を提供できる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することができる。
1 パワー半導体チップ、2 絶縁治具、3 プローブピン、4 ステージ電極、5 プローブ保持台、6 導電性押さえ台、7 チップ固定台、11 終端構造部、11A チップサイズ最大の場合の終端構造部、11B チップサイズ最小の場合の終端構造部、12 オモテ面電極(表面電極)、13 裏面電極、14 ゲート電極、21、21A、21B、21C 角用部品、22、22A、22B、22C 辺用部品、23 耐熱性保持台、24 固定用押さえ板、25 保持台、51 ソケット、61 導電性角用部品、62 導電性辺用部品、111 耐圧保持部、231 保持台ソケット、θ 絶縁治具の接合部の角度、L1 終端構造部幅、L2 耐圧保持部経路長、L22 ピッチ、W22 接触面方向の幅、Ft 熱膨張による応力
Claims (8)
- 被測定体であるパワー半導体チップの表面および裏面にそれぞれ接触して配置されるプローブピンおよびステージ電極と、
前記パワー半導体チップの外周部分を構成する終端構造部に底面で接触し、弾性により前記パワー半導体チップを厚さ方向に押圧して支持する絶縁治具と、
を備え、
前記プローブピンおよび前記ステージ電極を電気的に前記パワー半導体チップに接触させて、前記パワー半導体チップの電気特性を測定するパワー半導体チップの電気特性測定装置であって、
前記絶縁治具は、前記終端構造部に被さる枠状体で構成され、当該枠状体を分割して構成する角用部品と辺用部品とを有し、これら両部品の各部品間の境界が前記枠状体の相対する内側輪郭線および外側輪郭線と互いに直交しないように構成されていることを特徴とするパワー半導体チップの電気特性測定装置。 - 前記絶縁治具は、前記終端構造部に密着して設置されており、前記角用部品と前記辺用部品は、いずれも個別に固定されるためのソケットを有し、部品ごとに交換可能であることを特徴とする請求項1に記載のパワー半導体チップの電気特性測定装置。
- 前記両部品の各部品間の境界を形成する境界線の長さと大気の絶縁耐力との積が、パワー半導体チップの定格電圧以上となるように、前記境界線の長さを設定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパワー半導体チップの電気特性測定装置。
- 前記絶縁治具は、厚さが5mm以下であり、前記絶縁治具を固定する固定台の線膨張係数が、前記絶縁治具の線膨張係数より小さいことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のパワー半導体チップの電気特性測定装置。
- 高温条件の電気特性試験において前記絶縁治具を均一に加熱するために、前記絶縁治具が前記終端構造部と接触する位置より上側に配置される耐熱性保持台を有するとともに、当該耐熱性保持台は、前記角用部品と前記辺用部品を分割してそれぞれ固定する保持台ソケットを備えたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のパワー半導体チップの電気特性測定装置。
- 前記辺用部品の数を調節可能とするため、前記枠状体の内側輪郭線と外側輪郭線間の距離を、前記終端構造部の幅と、隣接する辺用部品間の配置ピッチのサイズとの和より大きく設定したことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のパワー半導体チップの電気特性測定装置。
- 被測定体であるパワー半導体チップの電気特性を測定するための、
当該パワー半導体チップの表面および裏面の対となる複数の位置に、対で配置される複数組のプローブピンと、
前記パワー半導体チップの外周部分を構成する終端構造部に底面で接触し、前記パワー半導体チップ面上の複数箇所で、厚さ方向に上下2方向から弾性により押圧して支持する複数の絶縁治具と、
この絶縁治具を支持し、前記パワー半導体チップ面に平行な方向に移動するための複数の保持台と、
前記パワー半導体チップの上側及び下側にそれぞれ配置され、前記保持台の移動に対応して前記パワー半導体チップ面に平行な方向に移動する複数の固定用押え板と、を備え、
前記プローブピンを電気的に前記パワー半導体チップに接触させて、前記パワー半導体チップの電気特性を測定するパワー半導体チップの電気特性測定装置であって、
前記保持台を移動することで、前記固定用押え板により、前記絶縁治具を前記パワー半導体チップの上側及び下側から、それぞれ押圧しつつ、前記パワー半導体チップの終端構造部が被さる位置まで移動することにより、前記絶縁治具により前記終端構造部を厚さ方向に上下から挟み込み、前記パワー半導体チップに前記絶縁治具を密着させ、前記パワー半導体チップの電気特性を測定することを特徴とするパワー半導体チップの電気特性測定装置。 - 被測定体であるパワー半導体チップの電気特性を測定するための、
当該パワー半導体チップの表面および裏面の対となる複数の位置に、対で配置される複数組のプローブピンと、
前記パワー半導体チップの外周部分を構成する終端構造部に底面で接触し、前記パワー半導体チップ面上の複数箇所で、厚さ方向に上下2方向から弾性により押圧して支持する複数の絶縁治具と、
この絶縁治具を支持し、前記パワー半導体チップ面に平行な方向に移動するための複数の保持台と、
前記パワー半導体チップの上側及び下側にそれぞれ配置され、前記保持台の移動に対応して前記パワー半導体チップ面に平行な方向に移動する複数の固定用押え板と、を備え、
前記プローブピンを電気的に前記パワー半導体チップに接触させて、前記パワー半導体チップの電気特性を測定するパワー半導体チップの電気特性測定装置を用いて、
前記保持台を移動することで、前記固定用押え板により、前記絶縁治具を前記パワー半導体チップの上側及び下側から、それぞれ押圧しつつ、前記パワー半導体チップの終端構造部が被さる位置まで移動することにより、前記絶縁治具により前記終端構造部を厚さ方向に上下から挟み込み、前記パワー半導体チップに前記絶縁治具を密着させ、前記パワー半導体チップの電気特性を測定することを特徴とするパワー半導体チップの電気特性測定方法。
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JP2017011791A JP2018119868A (ja) | 2017-01-26 | 2017-01-26 | パワー半導体チップの電気特性測定装置および電気特性測定方法 |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
CN114184939A (zh) * | 2021-12-30 | 2022-03-15 | 北京半导体专用设备研究所(中国电子科技集团公司第四十五研究所) | 一种适于超低温环境的芯片夹持装置 |
WO2022237536A1 (zh) * | 2021-05-14 | 2022-11-17 | 无锡华润华晶微电子有限公司 | Igbt模块的测试夹具、考核座和测试盒 |
-
2017
- 2017-01-26 JP JP2017011791A patent/JP2018119868A/ja active Pending
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WO2022237536A1 (zh) * | 2021-05-14 | 2022-11-17 | 无锡华润华晶微电子有限公司 | Igbt模块的测试夹具、考核座和测试盒 |
CN114184939A (zh) * | 2021-12-30 | 2022-03-15 | 北京半导体专用设备研究所(中国电子科技集团公司第四十五研究所) | 一种适于超低温环境的芯片夹持装置 |
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