JP2018119723A - 給湯システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 本明細書は、電力抑制運転中であり、外気温度が比較的に低い場合において、熱媒を確実に加熱することのできる技術を提供する。【解決手段】 給湯システムは、ヒートポンプ熱源と、補助熱源と、タンクと、を備えており、通常運転と、電力抑制運転と、を有している。制御装置は、ヒートポンプ熱源を駆動させ、ヒートポンプ熱源によって第1の目標温度に加熱された熱媒をタンクに貯留する低温加熱運転と、低温加熱運転によって加熱された熱媒を利用箇所に供給する第1の熱媒供給運転と、補助熱源を駆動させ、補助熱源により加熱された熱媒を利用箇所に供給する第2の熱媒供給運転と、を実行可能に構成されており、制御装置は、電力抑制運転中において、外気温度が第1の所定温度未満である場合に、低温加熱運転を禁止する。【選択図】図5

Description

本明細書に開示する技術は、給湯システムに関する。
特許文献1に開示されている給湯システムは、電力を消費して熱媒を加熱するヒートポンプ熱源と、ヒートポンプ熱源で加熱された熱媒を貯留するタンクと、を備えている。給湯システムは、タンクに貯留されている加熱された熱媒を利用箇所に供給する。
特開2002−188859号公報
給湯システムに供給される電流(即ち、給湯システムの消費電力)が抑制される場合がある。例えば、給湯システムを最大消費電力で動作させる場合に給湯システムに供給される電流が、給湯システムを設置する家屋が契約している電流よりも大きい場合などである。この場合、給湯システムの消費電力は、給湯システムに供給される電流が契約電流以下になるように抑制される。従って、ヒートポンプ熱源の加熱能力は抑制される。また、ヒートポンプ熱源の加熱能力は、外気温度が低くなるほど、低下する。このため、給湯システムの消費電力が抑制されている状態において、外気温度が低いほど、ヒートポンプ熱源の加熱能力は低下する。このため、給湯システムの消費電力が抑制されており、かつ、外気温度が比較的に低い場合において、熱媒をユーザが所望する温度まで加熱できない場合がある。
本明細書は、電力抑制運転中であり、外気温度が比較的に低い場合において、熱媒を確実に加熱することのできる技術を提供する。
本明細書に開示する給湯システムは、電力を消費して熱媒を加熱するヒートポンプ熱源と、燃料の燃焼によって前記熱媒を加熱する補助熱源と、前記ヒートポンプ熱源で加熱された前記熱媒を貯留するタンクと、を備えており、通常運転と、通常運転時の最大消費電力よりも低い抑制電力以下で動作する電力抑制運転と、を有している給湯システムであって、制御装置は、前記ヒートポンプ熱源を駆動させ、前記ヒートポンプ熱源によって第1の目標温度に加熱された前記熱媒を前記タンクに貯留する低温加熱運転と、前記低温加熱運転によって加熱された前記熱媒を利用箇所に供給する第1の熱媒供給運転と、前記補助熱源を駆動させ、前記補助熱源により加熱された前記熱媒を前記利用箇所に供給する第2の熱媒供給運転と、を実行可能に構成されており、前記制御装置は、前記電力抑制運転中において、外気温度が第1の所定温度未満である場合に、前記低温加熱運転を禁止する。
このような構成によれば、制御装置は、外気温度が第1の所定温度未満である場合において、低温加熱運転を禁止する。電力抑制運転中において、ヒートポンプ熱源の加熱能力は、通常運転中のヒートポンプ熱源の加熱能力よりも抑制される。また、ヒートポンプ熱源の加熱能力は、外気温度が低いほど、低下する。従って、電力抑制運転中において、外気温度が低いほど、ヒートポンプ熱源の加熱能力は抑制される。このため、電力抑制運転中であり、かつ、外気温度が第1の所定温度未満である場合において、低温加熱運転が実行されても、熱媒を第1の目標温度まで加熱できない可能性がある。このため、外気温度が第1の所定温度未満である場合において、低温加熱運転を禁止することで、給湯システムの消費電力を抑制することができる。また、補助熱源の加熱能力は、ヒートポンプ熱源の加熱能力よりも高い。従って、例えば、タンクに第1の目標温度に加熱された熱媒が貯留されている場合は第1の熱媒供給運転を実行し、タンクに第1の目標温度に加熱された熱媒が貯留されていない場合は、第2の熱媒供給運転を実行することで、利用箇所に加熱された熱媒を確実に供給することができる。
制御装置は、さらに、過去の熱媒の利用箇所への供給実績に基づいて、熱媒の供給開始予定時刻を設定するように構成されており、タンクに貯留されている熱媒が利用箇所に供給されることなく第1の所定時間が経過する場合に、ヒートポンプ熱源を駆動させ、タンクに貯留されている熱媒を、第1の目標温度よりも高い第2の目標温度に加熱する高温加熱運転を実行可能に構成されていてもよい。この場合、制御装置は、電力抑制運転中において、熱媒の供給開始予定時刻が設定されている場合に、熱媒の供給開始予定時刻に基づいて、高温加熱運転の第2の開始予定時刻を設定するように構成されているとよい。
利用箇所への熱媒の供給(即ち、第1の熱媒供給運転又は第2の熱媒供給運転)が実行される場合、給湯システムは電力を消費する。上記の構成によると、制御装置は、熱媒の供給開始予定時刻に基づいて、高温加熱運転の第2の開始予定時刻を設定することができる。このため、制御装置は、熱媒の供給開始予定時刻と第2の開始予定時刻が同時刻にならないように設定することができる。これにより、利用箇所への熱媒の供給と高温加熱運転が同時に実行されることを抑制することができる。従って、電力抑制運転中において、給湯システムの消費電力を抑制することができる。
制御装置は、さらに、タンクに貯留されている熱媒が利用箇所に供給されることなく第1の所定時間が経過する場合に、ヒートポンプ熱源を駆動させ、タンクに貯留されている熱媒を、第1の目標温度よりも高い第2の目標温度に加熱する高温加熱運転を実行可能に構成されていてもよい。この場合、制御装置は、電力抑制運転中において、利用箇所への熱媒の供給が完了してから第2の所定時間が経過するまでは、高温加熱運転を禁止し、第2の所定時間が経過した後は、高温加熱運転を許可するように構成されている。
上記の構成によると、制御装置は、利用箇所への熱媒の供給が完了してから第2の所定時間が経過する場合に、高温加熱運転を開始させる。第2の所定時間が経過してから比較的短時間の間に、熱媒の利用箇所への供給が再び所望される可能性は低い。このため、利用箇所への熱媒の供給(第1の熱媒供給運転又は第2の熱媒供給運転)と高温加熱運転が同時に実行されることを抑制することができる。従って、電力抑制運転中において、給湯システムの消費電力を抑制することができる。
制御装置は、さらに、タンクに貯留されている熱媒が利用箇所に供給されることなく第1の所定時間が経過する場合に、ヒートポンプ熱源を駆動させ、タンクに貯留されている熱媒を、第1の目標温度よりも高い第2の目標温度に加熱する高温加熱運転を実行可能に構成されていてもよい。この場合、制御装置は、電力抑制運転中において、タンクに貯留されている熱媒が利用箇所に供給されることなく第1の所定時間が経過する際の外気温度が第2の所定温度よりも大きい場合に、深夜時間帯の間に、高温加熱運転を開始させるとよい。
上記の構成によると、制御装置は、タンクに貯留されている熱媒が利用箇所に供給されることなく第1の所定時間が経過する際の外気温度が第2の所定温度よりも大きい場合に、深夜時間帯の間に、高温加熱運転を開始させる。深夜時間帯においては、熱媒の利用箇所への供給が所望される可能性が低い。深夜時間帯に高温加熱運転を開始させることで、利用箇所への熱媒の供給(第1の熱媒供給運転又は第2の熱媒供給運転)と高温加熱運転が同時に実行されることを抑制することができる。従って、電力抑制運転中において、給湯システムの消費電力を抑制することができる。
また、深夜時間帯の外気温度は、昼間時間帯の外気温度よりも低い。ヒートポンプ熱源の加熱能力は、外気温度が低いほど低下する。従って、外気温度が低いほど、ヒートポンプ熱源の加熱能力は抑制される。高温加熱運転に必要な電力は比較的に大きい。このため、タンクに貯留されている熱媒が利用箇所に供給されることなく第1の所定時間が経過する際の外気温度が第2の所定温度以下の場合、深夜時間帯に高温加熱運転を開始させると、高温加熱運転が完了しない場合がある。上記の構成によると、制御装置は、高温加熱運転を確実に完了させることができる。
給湯システムは、屋外に設置された第1及び第2の屋外コンセントを備える家屋に設置され、ヒートポンプ熱源を有するヒートポンプユニットは、第1の屋外コンセントに電気的に接続されており、タンクを有するタンクユニット及び補助熱源を有する補助熱源ユニットは、第2の屋外コンセントに電気的に接続されていてもよい。この場合、制御装置は、電力抑制運転中において、外部電源から第1の屋外コンセントを介してヒートポンプユニットに供給される電流が所定電流以下となるように、ヒートポンプユニットの動作を制御するとともに、外部電源から第2の屋外コンセントを介してタンクユニット及び補助熱源ユニットに供給される電流が、所定電流以下となるようにタンクユニット及び補助熱源ユニットの動作を制御するとよい。
上記の構成によると、ヒートポンプユニットに供給される電流、及び、タンクユニット及び補助熱源ユニットに供給される電流は、所定電流以下に制御される。第1及び第2の屋外コンセントは、給湯システムが設置される家屋の分電盤からの分岐配線に電気的に接続される。なお、分岐配線には、当該家屋の浴室の照明なども電気的に接続される。この場合、各屋外コンセントに接続される機器に供給される電流は、所定電流以下でなければならないことが、内線規程に記載されている。内線規程を守れない場合は、当該機器のみが電気的に接続される配線(専用配線)を利用して、当該機器と分電盤を接続する必要がある。即ち、第1及び第2の屋外コンセントを利用することができない。専用配線を利用する場合、屋内と屋外を繋ぐ配線工事が必要になるため、工事に時間を要する。上記の構成によると、ヒートポンプユニットと、ガス熱源機及びタンクユニットとは、それぞれ、内線規程を守ることができる。従って、ヒートポンプユニットを第1の屋外コンセントに接続し、ガス熱源機及びタンクユニットを第2の屋外コンセントに電気的に接続することができる。このため、分電盤と第1及び第2の屋外コンセントを接続する工事のみが必要になり、給湯システムを家屋に設置するときの施工業者の作業を簡略化することができる。
第1実施例に係る給湯システムの構成を模式的に示す図である。 第1実施例に係る分電盤の構成を模式的に示す図である。 第1実施例に係る給湯システムの構成を模式的に示す図である。 特定の世帯において、給湯が行われる時間帯を模式的に示す図。 電力抑制処理のフローチャートを示す。 高温加熱処理のフローチャートを示す。 第2実施例に係る給湯システムの構成を模式的に示す図である。 第2実施例に係る分電盤の構成を模式的に示す図である。
(第1実施例)
図1〜図3を用いて、給湯システム1について説明する。図1に示すように、給湯システム1は、家屋100に設置される。給湯システム1は、HP(ヒートポンプ)ユニット4と、タンクユニット6と、ガス熱源機ユニット8を備えている。
家屋100は、屋内101と屋外102を隔てる壁103を備えている。また、家屋100は、分電盤2と、屋外コンセント9と、を備えている。屋内101に分電盤2が設置されており、屋外102に屋外コンセント9が設置されている。分電盤2が壁103の内側に設置されており、屋外コンセント9が壁103の外側に設置されている。分電盤2と屋外コンセント9は、コンセント配線14によって電気的に接続されている。コンセント配線14は、壁103を貫通して分電盤2と屋外コンセント9に接続されている。
分電盤2は、商用電源10に電気的に接続されている。商用電源10を介して電力系統から家屋100に電力が供給される。図2に示すように、分電盤2は、1つの主幹ブレーカー21と、複数の分岐ブレーカー22を備えている。商用電源10と主幹ブレーカー21が電源配線23によって電気的に接続されている。主幹ブレーカー21と複数の分岐ブレーカー22が分岐配線24によって電気的に接続されている。分岐ブレーカー22aと屋外コンセント9が、コンセント配線14によって電気的に接続されている。分岐ブレーカー22a以外の分岐ブレーカー22(以下では、「その他の分岐ブレーカーと呼ぶ」)と図示しない端末機器とが、端末配線25によって電気的に接続されている。
主幹ブレーカー21は、電源配線23から分岐配線24へ流れる電流が所定のしきい値を超えたときにその電流を遮断する機能を有している。分岐ブレーカー22aは、分岐配線24からコンセント配線14へ流れる電流が所定のしきい値を超えたときにその電流を遮断する機能を有している。その他の分岐ブレーカーは、分岐配線24から各端末配線25へ流れる電流が所定のしきい値を超えたときにその電流を遮断する機能を有している。
屋外コンセント9は、2つのプラグを抜き差し可能なように構成されている。図1に示すように、屋外コンセント9には、第1の配線系統11のプラグと第2の配線系統12のプラグが差し込まれている。第1の配線系統11は、1つの電力線11aで構成されている。電力線11aによって屋外コンセント9とヒートポンプユニット4が電気的に接続されている。第2の配線系統12は、2つの電力線12a、12bを備えている。電力線12aによって屋外コンセント9とガス熱源機ユニット8が電気的に接続されており、電力線12bによってガス熱源機ユニット8とタンクユニット6が電気的に接続されている。従って、給湯システム1には、商用電源10から分電盤2、屋外コンセント9を介して電力が供給される。
図3に示すように、HPユニット4は、ヒートポンプ40を備えている。ヒートポンプ40は、外気から吸熱して水を加熱する熱源である。ヒートポンプ40は、圧縮機41と、凝縮器42と、膨張弁43と、蒸発器44を備えている。圧縮機41は、冷媒を加圧して高温高圧にする。凝縮器42は、水との熱交換により冷媒を冷却する。膨張弁43は、冷媒を減圧して低温低圧にする。蒸発器44は、外気との熱交換により冷媒を加熱する。ヒートポンプ40は、冷媒(例えばフロン系冷媒)を、圧縮機41、凝縮器42、膨張弁43、蒸発器44の順に循環させることで、外気から吸熱して水を加熱する。HPユニット4はさらに、除霜弁49と、除霜経路49aと、を備えている。除霜経路49aは、凝縮器42と膨張弁43との間と、膨張弁43と蒸発器44との間と、に接続されている。除霜弁49は、平常時は閉じられており、後述する除霜運転が実行されるときに開かれる。HPユニット4はさらに、凝縮器42に水を循環させる循環ポンプ45と、凝縮器42に流れ込む水の温度を検出する戻りサーミスタ46と、凝縮器42から流れ出る水の温度を検出する往きサーミスタ47と、外気温度を検出する外気温度サーミスタ48と、HPユニット4の各構成要素の動作を制御するHPコントローラ200を備えている。以下では、圧縮機41と、凝縮器42と、膨張弁43と、蒸発器44とを、総称して、「ヒートポンプ熱源」という。
タンクユニット6は、タンク30と、混合弁32と、バイパス制御弁34を備えている。タンク30は、外側が断熱材で覆われており、内部に水を貯える密閉型の容器である。タンク30は、ヒートポンプ40によって加熱された水を貯える。HPユニット4の循環ポンプ45が駆動すると、タンク30の底部から水が吸い出されて凝縮器42へ送られる。凝縮器42で加熱されて高温となった水は、タンク30の頂部からタンク30内に戻される。ヒートポンプ40によって加熱された水がタンク30に流れ込むと、タンク30の内部には、低温の水の層の上に高温の水の層が積み重なった温度成層が形成される。タンク30には、上部の水の温度を検出する上部サーミスタ36と、中間部の水の温度を検出する中間部サーミスタ37と、下部の水の温度を検出する下部サーミスタ38が取り付けられている。
タンクユニット6には、給水経路71を介して水道水が供給される。給水経路71には、給水圧力を減圧する減圧弁73と、給水温度TWを検出する入水サーミスタ75が取り付けられている。給水経路71は、タンク30の底部に連通するタンク給水経路77と、混合弁32に連通するタンクバイパス経路79に分岐している。タンク給水経路77とタンクバイパス経路79には、それぞれ逆止弁51、52が取り付けられている。また、タンクバイパス経路79には、混合弁32に流入する水道水の流量を検出する水側水量センサ54が取り付けられている。タンク30の頂部と混合弁32は、タンク出湯経路56を介して連通している。タンク出湯経路56には、逆止弁58と、混合弁32に流入するタンク30からの水の流量を検出する湯側水量センサ60が取り付けられている。
混合弁32は、タンクバイパス経路79から流れ込む水道水と、タンク出湯経路56から流れ込むタンク30からの水を混合して、第1給湯経路62に送り出す。混合弁32は、ステッピングモータによって弁を駆動し、タンクバイパス経路79側の開度(水側の開度)と、タンク出湯経路56側の開度(湯側の開度)を調整する。第1給湯経路62には、混合弁32から送り出される水の温度を検出する混合サーミスタ64が取り付けられている。なお、以下では、タンクバイパス経路79から流れ込む水道水のみが第1給湯経路62に送り出されるように調整されている混合弁32の状態を、「全閉状態」と呼ぶ。
タンクユニット6からは、第2給湯経路66を介して、台所やシャワー、カラン等の給湯箇所への給湯が行われる。第2給湯経路66には、給湯箇所へ供給される水の温度を検出する給湯出口サーミスタ68と、逆止弁70が取り付けられている。第1給湯経路62と第2給湯経路66の間は、給湯バイパス経路72によって連通している。給湯バイパス経路72には、バイパス制御弁34が取り付けられている。
タンクユニット6の各経路には、電気式の凍結防止ヒータ57a〜57gが設けられている。給水経路71には、凍結防止ヒータ57aが設けられており、タンク給水経路77には、凍結防止ヒータ57bが設けられており、タンク出湯経路56には、凍結防止ヒータ57cが設けられており、タンクバイパス経路79には、凍結防止ヒータ57dが設けられており、第1給湯経路62には、凍結防止ヒータ57eが設けられており、給湯バイパス経路72には、凍結防止ヒータ57fが設けられており、第2給湯経路66には、凍結防止ヒータ57gが設けられている。また、タンクユニット6は、外気温度を検出する外気温度サーミスタ59を備えている。また、タンクユニット6は、さらに、タンクユニット6の各構成要素の動作を制御するタンクコントローラ202を備えている。タンクコントローラ202は、不揮発性メモリ203を備えている。不揮発性メモリ203は、後述する、加熱開始予定時刻などを記憶する。
ガス熱源機ユニット8は、ガス熱源機50を備えている。ガス熱源機50は、バーナ80と、熱交換器82を備えている。また、ガス熱源機ユニット8は、バイパスサーボ84と、水量サーボ86と、湯はり弁88を備えている。バーナ80は、燃料ガスの燃焼によって熱交換器82を流れる水を加熱する熱源である。熱交換器82には、バーナ往路90を介して、タンクユニット6の第1給湯経路62からの水が流れ込む。熱交換器82を通過した水は、バーナ復路92を介して、タンクユニット6の第2給湯経路66へ流れ出る。バーナ往路90には、熱交換器82へ流れ込む水の流量を調整する水量サーボ86が取り付けられている。バーナ往路90とバーナ復路92の間は、バーナバイパス経路94を介して連通している。バーナ往路90とバーナバイパス経路94の接続部に、バイパスサーボ84が取り付けられている。バイパスサーボ84は、バーナ往路90からバーナバイパス経路94へ流れる水の流量を調整する。バーナ復路92には、熱交換器82から流れ出る水の温度を検出するバーナ給湯サーミスタ96が取り付けられている。バーナ復路92からは、湯はり経路98が分岐している。湯はり経路98には、湯はり弁88が取り付けられている。ガス熱源機ユニット8からは、湯はり経路98を介して、給湯箇所である浴槽への湯はりが行われる。
ガス熱源機ユニット8の各経路には、電気式の凍結防止ヒータ93a〜93fが設けられている。水量サーボ86より上流側のバーナ往路90には、凍結防止ヒータ93aが設けられており、バイパスサーボ84より下流側のバーナ往路90には、凍結防止ヒータ93bが設けられており、バーナバイパス経路94には、凍結防止ヒータ93cが設けられており、バーナ復路92には、凍結防止ヒータ93d、93eが設けられており、湯はり経路98には、凍結防止ヒータ93fが設けられている。ガス熱源機ユニット8は、外気温度を検出する外気温度サーミスタ95を備えている。
ガス熱源機ユニット8はさらに、ガス熱源機コントローラ204と、ガス熱源機コントローラ204と通信可能なリモコン206と、を備えている。ガス熱源機コントローラ204は、ガス熱源機ユニット8の各構成要素の動作を制御する。リモコン206は、スイッチやボタン等を介して、ユーザからの各種の操作入力を受け入れる。また、リモコン206は、表示や音声によってユーザに給湯システム1の設定や動作に関する各種の情報を通知する。
HPコントローラ200とタンクコントローラ202は、互いに通信可能である。タンクコントローラ202とガス熱源機コントローラ204は、互いに通信可能である。従って、HPコントローラ200と、タンクコントローラ202と、ガス熱源機コントローラ204が協調して制御を行うことで、給湯システム1は加熱運転、給湯運転、凍結防止運転等の各種の動作を行うことができる。以下では、HPコントローラ200と、タンクコントローラ202と、ガス熱源機コントローラ204と、を総称して、単にコントローラと呼ぶことがある。
図2に示すように、給湯システム1は、分岐配線24(いわゆる共用配線)に接続されている屋外コンセント9に電気的に接続されている。このような構成において、商用電源10から分電盤2、屋外コンセント9を介して給湯システム1に供給される電流は、所定電流(例えば、10A)以下でなければならないことが、内線規程に記載されている。本実施例において、給湯システム1を給湯システム1の最大消費電力で動作させると、給湯システム1に供給される電流は所定電流を超える。このため、コントローラは、給湯システム1に供給される電流が所定電流以下になるように、給湯システム1の動作を制御する。具体的には、コントローラは、給湯システム1の消費電力が抑制電力WS以下となるように、給湯システム1の動作を制御する。例えば、所定電流が10Aであり、屋外コンセント9の電圧が100Vである場合、抑制電力WSは、1000Wである。なお、給湯システム1の消費電力を抑制電力WS以下に抑制する必要がない場合の給湯システム1の動作状態を「通常運転」とし、給湯システム1の消費電力を抑制電力WS以下に抑制する場合の給湯システム1の動作状態を「電力抑制運転」と呼ぶ。給湯システム1の消費電力を抑制電力WS以下に抑制する必要がない場合とは、例えば、給湯システム1が専用配線を利用して、分電盤2に電気的に接続されている場合などである。給湯システム1の動作状態は、給湯システム1の施工業者によって設定される。施工業者は、給湯システム1の家屋100への設置が完了した後に、リモコン206を操作することによって、給湯システム1の動作状態を電力抑制運転に設定する。
次いで、給湯システム1の動作について説明する。給湯システム1は、加熱運転と、給湯運転と、凍結防止運転と、除霜運転と、を行う。
(加熱運転)
加熱運転では、給湯システム1は、ヒートポンプ熱源を駆動して、タンク30内の水を加熱する。加熱運転は、ヒートポンプ熱源による加熱後の目標温度TAが第1の目標温度TA1である低温加熱運転と、ヒートポンプ熱源による加熱後の目標温度TAが第2の目標温度TA2である高温加熱運転によって構成されている。第2の目標温度TA2は、第1の目標温度TA1よりも高い。低温加熱運転は、給湯箇所への給湯に用いるために、タンク30内の水を加熱する。このため、低温加熱運転における第1の目標温度TA1は、給湯に適した温度(例えば、45℃)に設定されている。高温加熱運転は、タンク30内の水に繁殖する虞のある菌類(レジオネラ菌など)を滅菌させるために、タンク30内の水を加熱する。一般に、タンク30内の水が、低温(例えば60℃以下の温度)の状態で長時間(例えば、96時間)滞留されている場合に、菌類(レジオネラ菌など)が繁殖する虞がある。このため、高温加熱運転における第2の目標温度TA2は、菌類(レジオネラ菌など)を滅菌するのに十分な温度(例えば、65℃)に設定されている。これにより、菌類が繁殖している可能性のある水が給湯されることを防止することができる。なお、第2の目標温度TA2は、第1の目標温度TA1よりも高いため、高温加熱運転中の給湯システム1の消費電力は、低温加熱運転中の給湯システム1の消費電力よりも大きい。
加熱運転が開始されると、コントローラは、圧縮機41を駆動して、圧縮機41、凝縮器42、膨張弁43、蒸発器44の順に冷媒を循環させるとともに、循環ポンプ45を駆動して、タンク30と凝縮器42の間で水を循環させる。これによって、タンク30の底部から吸い出された水は、凝縮器42において目標温度TAまで加熱されて、タンク30の頂部に戻される。タンク30内の水の所定量が目標温度TAまで加熱された水で置き換えられると、コントローラは加熱運転を終了する。
(給湯運転)
給湯運転では、給湯設定温度の水を給湯箇所へ供給する。コントローラは、水側水量センサ54で検出される流量と、湯側水量センサ60で検出される流量を合算した流量(給湯流量ともいう)が最低動作流量(例えば2.4L/分)以上となると、カランの開栓や浴槽への湯はりなどにより給湯箇所への給湯が開始されたものと判断する。そして、コントローラは、上部サーミスタ36で検出される温度に応じて、以下の非燃焼給湯運転または燃焼給湯運転を実行する。
上部サーミスタ36で検出される温度が給湯設定温度以上である場合、コントローラは、非燃焼給湯運転を実行する。非燃焼給湯運転では、コントローラは、バーナ80の燃焼運転を禁止するとともに、混合サーミスタ64で検出される温度が給湯設定温度となるように、混合弁32の開度を調整する。これによって、給湯箇所に給湯設定温度に温度調整された水が供給される。
上部サーミスタ36で検出される温度が給湯設定温度未満の場合、コントローラは、燃焼給湯運転を実行する。燃焼給湯運転では、コントローラは、バーナ80の燃焼運転を許可するとともに、混合サーミスタ64で検出される温度が、給湯設定温度よりもバーナ80の最小加熱能力の分だけ低い温度となるように、混合弁32の開度を調整する。この場合、タンク30の上部から供給される高温の水と、給水経路71から供給される低温の水が、混合弁32において混合された後、バーナ80によって給湯設定温度まで加熱されて、給湯箇所へ供給される。なお、燃焼給湯運転には、混合弁32が全閉状態に固定されている場合も含まれる。この場合、コントローラは、バーナ80によって加熱された水が給湯設定温度になるように、バーナ80の加熱能力を調整する。
上記の非燃焼給湯運転または燃焼給湯運転を実行中に、給湯流量が最低動作流量を下回ると、コントローラは、カランの閉栓や浴槽への湯はりの終了などにより給湯箇所への給湯が終了したものと判断して、給湯運転を終了する。
(凍結防止運転)
冬季などの外気温度が低い状態では、配管の内部で水が凍結してしまうことがある。配管の内部で水が凍結すると、加熱運転と給湯運転を実行できなくなってしまうことがある。そこで、給湯システム1は、水の凍結を防止する凍結防止運転を実行する。HPユニット4の外気温度サーミスタ48によって検出された外気温度TO1が所定温度より低い場合、コントローラは、循環ポンプ45を所定時間にわたって駆動して、タンク30と凝縮器42の間で水を循環させる。これによって、タンク30内の水がタンク30と凝縮器42の間で循環し、循環経路の凍結を防止する。
また、タンクユニット6の外気温度サーミスタ59によって検出された外気温度TO2が所定温度より低い場合、コントローラは、凍結防止ヒータ57a〜59gを所定時間にわたってオンにして、タンクユニット6の各経路を加熱する。これによって、タンクユニット6の各経路内の水を加熱して凍結を防止する。
また、ガス熱源機ユニット8の外気温度サーミスタ95によって検出された外気温度TO3が所定温度より低い場合は、コントローラは、凍結防止ヒータ93a〜93fを所定時間にわたってオンにして、ガス熱源機ユニット8の各経路を加熱する。これによって、ガス熱源機ユニット8の各経路内の水を加熱して凍結を防止する。なお、電力抑制運転中において、コントローラは、凍結防止運転が実行されている間は、給湯運転を禁止する。これにより、凍結防止運転中の給湯システム1の消費電力が抑制電力WSを超えることを抑制することができる。
(除霜運転)
外気温度TO1が低い状況において、ヒートポンプ熱源を駆動すると、蒸発器44に着霜してしまうことがある。蒸発器44に着霜してしまうと、外気との熱交換率が低下して、ヒートポンプ熱源の加熱能力が低下してしまう。そこで、除霜運転では、蒸発器44を除霜する。具体的には、一時的に除霜弁49を開いて、圧縮機41から吐出した高温の冷媒が、凝縮器42を通過後、膨張弁43をバイパスして蒸発器44に流れるようにする。蒸発器44に高温の冷媒が流れることで、蒸発器44が除霜される。なお、コントローラは、電力抑制運転中において、除霜運転中の消費電力が抑制電力WS以下になるように、給湯システム1の動作を制御する。
(低温加熱運転の加熱開始予定時刻の特定)
次いで、図4を用いて、上述の低温加熱運転の加熱開始予定時刻の特定について説明する。加熱開始予定時刻は、過去の給湯の使用実績に応じて特定される。まず、コントローラは、特定の世帯の給湯の傾向に基づいて、加熱開始予定時刻を特定する。具体的には、コントローラは、特定の世帯において、給湯が行われる度に、給湯が開始された時刻と、給湯が終了した時刻と、を示す時刻情報と、供給された水の量を示す供給量情報と、を記憶する。コントローラは、1日分の時刻情報および供給量情報を、特定の世帯の1日分の運転履歴として記憶する。本実施例では、コントローラは、特定の世帯の過去7日分の運転履歴を記憶する。このため、コントローラは、24時間毎に、8日前の運転履歴を消去して、前日の運転履歴を記憶する。
次いで、コントローラは、特定の世帯の過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、最初の給湯が開始された時刻のうち、最も早い時刻を特定する。以下では、この時刻を「給湯開始時刻S1」と呼ぶ。例えば、コントローラは、6:00を給湯開始時刻S1として特定する(図4参照)。なお、最初の給湯では、5L〜20L程度の水が供給される。
また、コントローラは、特定の世帯の過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、湯張り運転が開始された時刻のうち、最も早い時刻を特定する。以下では、この時刻を「湯張り開始時刻B1」と呼ぶ。本実施例では、特定の世帯は、毎日20:00に湯張り運転を開始するように予め設定している。例えば、コントローラは、20:00を湯張り開始時刻B1として特定する(図4参照)。なお、湯張り運転では、150L〜180L程度の水が供給される。また、コントローラは、湯張り開始時刻B1を第1の開始予定時刻TS1として特定する。第1の開始予定時刻TS1は、後述する図6の高温加熱運転処理で利用される。なお、変形例では、コントローラは、給湯開始時刻S1を第1の開始予定時刻TS1に設定してもよい。
さらに、コントローラは、特定の世帯の過去7日分の運転履歴から、過去7日間において、最後の給湯が終了した時刻のうち、最も遅い時刻を特定する。以下では、この時刻を「給湯終了時刻G1」と呼ぶ。例えば、コントローラは、0:00を給湯終了時刻G1として特定する(図4参照)。
さらに、コントローラは、入水サーミスタ75が測定する給水温度TWに基づいて、第1の特定時間α、第2の特定時間β、および、第3の特定時間γを特定する。
次いで、コントローラは、給湯開始時刻S1から、特定された第1の特定時間αだけ前の時刻である第1加熱開始予定時刻S0を特定し、湯張り開始時刻B1から、特定された第2の特定時間βだけ前の時刻である第2加熱開始予定時刻B0を特定する。すなわち、コントローラは、加熱開始予定時刻として、第1加熱開始予定時刻S0と第2加熱開始予定時刻B0を、不揮発性メモリ203に記憶する。そして、不揮発性メモリ203に記憶されている加熱開始予定時刻が到来すると、コントローラは、加熱運転を開始させる。
(電力抑制処理)
次いで、図5を用いて、電力抑制処理について説明する。電力抑制処理は、施工業者によって、給湯システム1の動作状態が電力抑制運転に設定される場合に実行される。
ステップS10において、コントローラは、外気温度TO1が第1の所定温度(例えば、5℃)未満であるのか否かを判断する。外気温度TO1が第1の所定温度未満である場合(ステップS10でYES)、処理は、ステップS12に進む。
ステップS12において、コントローラは、低温加熱運転を禁止する。上述のように、給湯システム1の消費電力は、抑制電力WS以下に抑制される。また、ヒートポンプ熱源の加熱能力は、外気温度TO1が低いほど、低下する。このため、電力抑制運転中において、外気温度TO1が低いと、ヒートポンプ熱源の加熱能力はさらに抑制される。従って、外気温度TO1が第1の所定温度未満の場合において、タンク30内の水を第1の目標温度TA1まで加熱することができないなどの問題が生じ得る。低温加熱運転を禁止することで、給湯システム1による電力の消費を抑制することができる。バーナ80の加熱能力は、ヒートポンプ熱源の加熱能力よりも高い。従って、コントローラは、外気温度TO1が第1の所定温度未満の場合において、燃焼給湯運転を実行させることで、給湯箇所に、給湯設定温度に加熱された熱媒を確実に供給することができる。なお、タンク30に、低温加熱運転が禁止される前に加熱された水が貯留されている場合は、非燃焼給湯運転を優先的に実行してもよい。そして、タンク30内の加熱された水が無くなった後に、燃焼給湯運転に切り替えてもよい。この場合でも、給湯箇所に、給湯設定温度に加熱された熱媒を確実に供給することができる。
一般的に、ヒートポンプ熱源によって熱媒を加熱するときのエネルギー消費量(以下では、「第1のエネルギー消費量」と呼ぶ)は、バーナ80による熱媒の加熱に利用されるエネルギー消費量(以下では、「第2のエネルギー消費量」と呼ぶ)よりも小さい。しかしながら、外気温度が比較的に低い場合、第1のエネルギー消費量は、第2のエネルギー消費量よりも大きくなる。外気温度TO1が第1の所定温度未満の場合において、ヒートポンプ熱源による低温加熱運転を禁止することで、給湯システム1全体のエネルギー消費量を低減することができる。
一方、外気温度TO1が第1の所定温度以上である場合(ステップS10でNO)、処理は、ステップS14に進む。ステップS14において、コントローラは、低温加熱運転を許可する。従って、S12でYESと判断された後に、外気温度TO1が第1の所定温度以上になった場合、コントローラは、低温加熱運転の禁止を解除する。
(電力抑制運転中の高温加熱処理)
次いで、図6を用いて電力抑制運転中の高温加熱処理について説明する。高温加熱処理は、給湯システム1に高温加熱運転を実行させるための処理である。高温加熱処理は、外気温度TO1が特定温度よりも高い場合に実行される。上述のように、高温加熱運転を実行する際の第2の目標温度TA2は、比較的に高い。電力抑制運転中において、ヒートポンプ熱源の加熱能力は制限される。また、外気温度TO1が低いほど、ヒートポンプ熱源の加熱能力は低下する。従って、電力抑制運転中において、外気温度TO1が低いほど、ヒートポンプ熱源の加熱能力は抑制される。このため、外気温度TO1が特定温度未満である場合に、高温加熱運転を実行させても、タンク30内の水を第2の目標温度TA2まで加熱させることができない。従って、コントローラは、外気温度TO1が特定温度よりも高い場合に、図6の処理を実行する。
ステップS30において、コントローラは、タンク30内の水の滞留時間が第1の所定時間T1(例えば、96時間)よりも大きくなることを監視する。滞留時間が第1の所定時間T1よりも大きくなると(ステップS30でYES)、処理は、ステップS32に進む。
ステップS32において、コントローラは、混合弁32を全閉状態に固定する。これにより、菌類が繁殖している恐れのある水が、台所やシャワー、カラン、浴槽等の給湯箇所に供給されることを防止することができる。また、コントローラは、非燃焼給湯運転を禁止する。即ち、高温加熱運転が完了するまでの間に、ユーザによって給湯を所望する操作が実行される場合、コントローラは、燃焼給湯運転を実行する。
ステップS34において、コントローラは、第1の開始予定時刻TS1が設定されているのか否かを判断する。上述のように、コントローラは、7日分の運転履歴が不揮発性メモリ203に記憶される場合に、第1の開始予定時刻TS1を設定する。従って、例えば、給湯システム1の家屋100への設置が完了した直後など、給湯システム1が家屋100に設置されてから7日が経過していない場合、第1の開始予定時刻TS1は設定されない。
第1の開始予定時刻TS1が設定されていると判断する場合(ステップS34でYES)、処理は、ステップS36に進む。ステップS36において、コントローラは、第1の開始予定時刻TS1に基づいて、高温加熱運転の第2の開始予定時刻TS2を設定する。まず、コントローラは、第2の目標温度TA2とタンク30内の水の温度に基づいて、高温加熱運転に要する時間(以下では、「高温加熱運転時間」と呼ぶ)を特定する。そして、コントローラは、第1の開始予定時刻TS1から、高温加熱運転時間だけ前の時刻を、第2の開始予定時刻TS2として設定する。例えば、高温加熱運転時間が2時間であり、第1の開始予定時刻TS1が20:00である場合、コントローラは、18:00を第2の開始予定時刻TS2として設定する。これにより、高温加熱運転と、給湯運転が同時に実行されることを抑制することができる。給湯運転が実行されると、給湯システム1は、電力を消費する。このため、高温加熱運転と、給湯運転が同時に実行されると、給湯システム1の消費電力が抑制電力WSを超える可能性がある。高温加熱運転を第2の開始予定時刻TS2に実行させることで、高温加熱運転と給湯運転が同時に実行されることを抑制することできる。これにより、給湯システム1によって利用される電力が抑制電力WSを超えることを抑制することができる。
ステップS38において、コントローラは、第2の開始予定時刻TS2が到来することを監視する。第2の開始予定時刻TS2が到来すると(ステップS38でYES)、処理は、ステップS40に進む。
ステップS40において、コントローラは、高温加熱運転を実行し、タンク30内の水を、第2の目標温度TA2まで加熱する。高温加熱運転が完了すると、ステップS42において、コントローラは、混合弁32を、全閉状態から解除する。これにより、コントローラは、非燃焼給湯運転が実行可能な状態になる。
一方、第1の開始予定時刻TS1が設定されていないと判断する場合(ステップS34でNO)、処理は、ステップS50に進む。ステップS50において、コントローラは、外気温度TO1が第2の所定温度(例えば、15℃)よりも大きいか否かを判断する。第2の所定温度は、第1の所定温度よりも高い温度であり、外気温度TO1が比較的に低い深夜時間帯に高温加熱運転を実行可能か否かを判断するための温度である。外気温度TO1が第2の所定温度よりも大きい場合(ステップS50でYES)、処理は、ステップS36に進む。ステップS36が終了すると、ステップS38〜ステップS42が実行される。なお、ここで、ステップS36において、コントローラは、第2の開始予定時刻TS2として、深夜時間帯(例えば、2:00)を設定する。そして、第2の開始予定時刻TS2が到来すると(ステップS38でYES)、コントローラは、高温加熱運転を実行する。深夜時間帯においては、給湯を所望する操作がユーザによって実行される可能性が低い。このため、深夜時間帯に高温加熱運転を実行させることで、高温加熱運転と給湯運転が同時に実行されることを抑制することができる。この結果、給湯システム1によって利用される電力が抑制電力WSを超えることを抑制することができる。
一方、外気温度TO1が第2の所定温度以下の場合(ステップS50でNO)、処理は、ステップS60に進む。ステップS60において、コントローラは、未給湯時間が第2の所定時間T2(例えば、30分)よりも大きくなることを監視する。未給湯時間は、給湯運転が完了してからの経過時間である。未給湯時間が第2の所定時間T2よりも大きくなると(ステップS60でYES)、ステップS40において、コントローラは、高温加熱運転を実行する。給湯運転から第2の所定時間T2が経過している場合、その後の比較的短時間の間に、ユーザによって給湯を所望する操作が実行される可能性は低い。従って、高温加熱運転と給湯運転が同時に実行されることを抑制することができる。この結果、給湯システム1によって利用される電力が抑制電力WSを超えることを抑制することができる。
上述のように、電力抑制運転中において、コントローラは、外気温度TO1が第1の所定温度未満である場合(図5のステップS10でYES)に、低温加熱運転を禁止する。電力抑制運転中であり、外気温度TO1が第1の所定温度未満である場合、低温加熱運転が実行されても、タンク30内の水を第1の目標温度TA1まで加熱できない可能性がある。このため、低温加熱運転を禁止することで、給湯システム1によって消費される電力を抑制することができる。また、タンク30に第1の目標温度TA1に加熱された水が貯留されている場合は非燃焼給湯運転を実行し、タンク30に第1の目標温度TA1に加熱された水が貯留されていない場合は、燃焼給湯運転を実行することで、給湯箇所に加熱された水を確実に供給することができる。
また、電力抑制運転中において、コントローラは、第1の開始予定時刻TS1に基づいて、高温加熱運転の第2の開始予定時刻TS2を設定する(図6のステップS34でYESを経たステップS36)。これにより、コントローラは、高温加熱運転と給湯運転が同時に実行されることを抑制することができる。従って、電力抑制運転中の給湯システム1の消費電力を抑制することができる。
また、電力抑制運転中において、コントローラは、外気温度TO1が第2の所定温度よりも大きい場合に、深夜時間帯を高温加熱運転の第2の開始予定時刻TS2として設定する(図6のステップS50でYESを経たステップS36)。深夜時間帯においては、ユーザによって給湯箇所を所望される可能性が低い。これにより、コントローラは、高温加熱運転と給湯運転が同時に実行されることを抑制することができる。従って、電力抑制運転中の給湯システム1の消費電力を抑制することができる。
また、電力抑制運転中において、コントローラは、未給湯時間が第2の所定時間T2よりも大きい場合に、高温加熱運転を開始させる。未給湯時間が第2の所定時間T2よりも大きい場合、その後の比較的短時間の間に、ユーザによって給湯を所望する操作が実行される可能性は低い。このため、高温加熱運転と燃焼給湯運転が同時に実行されることを抑制することができる。従って、電力抑制運転中の給湯システム1の消費電力を抑制することができる。
(対応関係)
水が「熱媒」の一例である。バーナ80が、「補助熱源」の一例である。非燃焼給湯運転、燃焼給湯運転が、それぞれ、「第1の熱媒供給運転」、「第2の熱媒供給運転」の一例である。第1の開始予定時刻TS1、第2の開始予定時刻TS2が、それぞれ、「熱媒の供給開始予定時刻」、「高温加熱運転の開始予定時刻」の一例である。
(第2実施例)
図7、図8を用いて、第1実施例と異なる点を説明する。なお、以下では、実施例間で共通する構成については、同じ符号を付して説明を省略する。第2実施例では、HPユニット4が屋外コンセント309aに電気的に接続されており、タンクユニット6及びガス熱源機ユニット8が、屋外コンセント309bに電気的に接続されている点が第1実施例と異なる。
図7に示すように、家屋100の壁103の外側に、屋外コンセント309a、309bが設置されている。屋外コンセント209aには、第1の配線系統311のプラグが差し込まれている。第1の配線系統311の電力線311aによって、屋外コンセント309aとHPユニット4が電気的に接続されている。屋外コンセント309bには、第2の配線系統312のプラグが差し込まれている。第2の配線系統312は、2つの電力線312a、312bを備えている。電力線312aによって屋外コンセント309bとガス熱源機ユニット8が電気的に接続されており、電力線312bによってガス熱源機ユニット8とタンクユニット6が電気的に接続されている。
図8に示すように、分岐ブレーカー322aと屋外コンセント309aがコンセント配線314aによって接続されており、分岐ブレーカー322bと屋外コンセント309bがコンセント配線314bによって電気的に接続されている。即ち、屋外コンセント309a、309bのそれぞれが、分岐配線24に電気的に接続されている。この場合、コントローラは、分電盤2からHPユニット4に供給される電流が所定電流以下になるように、HPユニット4の動作を制御する。また、コントローラは、分電盤2からガス熱源機ユニット8及びタンクユニット6に供給される電流が所定電流以下となるように、ガス熱源機ユニット8及びタンクユニット6の動作を制御する。即ち、コントローラは、HPユニット4の消費電力と、ガス熱源機ユニット8及びタンクユニット6の消費電力と、のそれぞれが、抑制電力WS以下になるように給湯システム1の動作を制御する。
上記の構成によると、コントローラは、HPユニット4の消費電力と、ガス熱源機ユニット8及びタンクユニット6の消費電力と、のそれぞれが抑制電力WS以下となるように給湯システム1の動作を制御する。従って、HPユニット4を屋外コンセント309aに接続し、ガス熱源機ユニット8及びタンクユニット6を屋外コンセント309bに接続しても、内線規程を守ることができる。内線規程を守ることができない場合は、専用配線を準備する必要がある。専用配線を準備するためには、屋内と屋外を繋ぐ配線工事が必要となり、施工業者の手間が大きい。一方、上記の構成では、分電盤2と屋外コンセント309a、309bを接続する工事のみが必要になり、給湯システム1を家屋100に設置する際の施工業者の手間を小さくすることができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1 :給湯システム
2 :分電盤
4 :ヒートポンプユニット
6 :タンクユニット
8 :ガス熱源機ユニット
9 :屋外コンセント
10 :商用電源
11 :第1配線系統
11a :電力線
12 :第2配線系統
12a :電力線
12b :電力線
14 :コンセント配線
21 :主幹ブレーカー
22 :分岐ブレーカー
22a :コンセント用分岐ブレーカー
23 :電源配線
24 :分岐配線
25 :端末配線
30 :タンク
32 :混合弁
34 :バイパス制御弁
36 :上部サーミスタ
37 :中間部サーミスタ
38 :下部サーミスタ
40 :ヒートポンプ
41 :圧縮機
42 :凝縮器
43 :膨張弁
44 :蒸発器
45 :循環ポンプ
46 :戻りサーミスタ
47 :往きサーミスタ
48 :外気温度サーミスタ
49 :除霜弁
49a :除霜経路
50 :ガス熱源機
51 :逆止弁
52 :逆止弁
54 :水側水量センサ
56 :タンク出湯経路
57a〜g :凍結防止ヒータ
58 :逆止弁
59 :外気温度サーミスタ
60 :湯側水量センサ
62 :第1給湯経路
64 :混合サーミスタ
66 :第2給湯経路
68 :給湯出口サーミスタ
70 :逆止弁
71 :給水経路
72 :給湯バイパス経路
73 :減圧弁
75 :入水サーミスタ
77 :タンク給水経路
79 :タンクバイパス経路
80 :バーナ
82 :熱交換器
84 :バイパスサーボ
86 :水量サーボ
88 :湯はり弁
90 :バーナ往路
92 :バーナ復路
93a〜g :凍結防止ヒータ
94 :バーナバイパス経路
95 :外気温度サーミスタ
96 :バーナ給湯サーミスタ
98 :湯はり経路
100 :家屋
101 :屋内
102 :屋外
103 :壁
200 :HPコントローラ
202 :タンクコントローラ
203 :不揮発性メモリ
204 :ガス熱源機コントローラ
206 :リモコン

Claims (5)

  1. 電力を消費して熱媒を加熱するヒートポンプ熱源と、燃料の燃焼によって前記熱媒を加熱する補助熱源と、前記ヒートポンプ熱源で加熱された前記熱媒を貯留するタンクと、を備えており、通常運転と、通常運転時の最大消費電力よりも低い抑制電力以下で動作する電力抑制運転と、を有している給湯システムであって、
    制御装置は、前記ヒートポンプ熱源を駆動させ、前記ヒートポンプ熱源によって第1の目標温度に加熱された前記熱媒を前記タンクに貯留する低温加熱運転と、前記低温加熱運転によって加熱された前記熱媒を利用箇所に供給する第1の熱媒供給運転と、前記補助熱源を駆動させ、前記補助熱源により加熱された前記熱媒を前記利用箇所に供給する第2の熱媒供給運転と、を実行可能に構成されており、
    前記制御装置は、前記電力抑制運転中において、外気温度が第1の所定温度未満である場合に、前記低温加熱運転を禁止する、給湯システム。
  2. 前記制御装置は、さらに、
    過去の前記熱媒の前記利用箇所への供給実績に基づいて、前記熱媒の供給開始予定時刻を設定するように構成されており、
    前記タンクに貯留されている前記熱媒が前記利用箇所に供給されることなく第1の所定時間が経過する場合に、前記ヒートポンプ熱源を駆動させ、前記タンクに貯留されている前記熱媒を、前記第1の目標温度よりも高い第2の目標温度に加熱する高温加熱運転を実行可能に構成されており、
    前記制御装置は、前記電力抑制運転中において、前記熱媒の供給開始予定時刻が設定されている場合に、前記熱媒の供給開始予定時刻に基づいて、前記高温加熱運転の開始予定時刻を設定するように構成されている、請求項1に記載の給湯システム。
  3. 前記制御装置は、さらに、前記タンクに貯留されている前記熱媒が前記利用箇所に供給されることなく第1の所定時間が経過する場合に、前記ヒートポンプ熱源を駆動させ、前記タンクに貯留されている前記熱媒を、前記第1の目標温度よりも高い第2の目標温度に加熱する高温加熱運転を実行可能に構成されており、
    前記制御装置は、前記電力抑制運転中において、前記利用箇所への前記熱媒の供給が完了してから第2の所定時間が経過するまでは、前記高温加熱運転を禁止し、前記第2の所定時間が経過した後は、前記高温加熱運転を許可するように構成されている、請求項1または2に記載の給湯システム。
  4. 前記制御装置は、さらに、前記タンクに貯留されている前記熱媒が前記利用箇所に供給されることなく第1の所定時間が経過する場合に、前記ヒートポンプ熱源を駆動させ、前記タンクに貯留されている前記熱媒を、前記第1の目標温度よりも高い第2の目標温度に加熱する高温加熱運転を実行可能に構成されており、
    前記制御装置は、前記電力抑制運転中において、前記タンクに貯留されている前記熱媒が前記利用箇所に供給されることなく前記第1の所定時間が経過する際の前記外気温度が第2の所定温度よりも大きい場合に、深夜時間帯の間に、前記高温加熱運転を開始させる、請求項1から3のいずれか一項に記載の給湯システム。
  5. 前記給湯システムは、屋外に設置された第1及び第2の屋外コンセントを備える家屋に設置され、
    前記ヒートポンプ熱源を有するヒートポンプユニットは、前記第1の屋外コンセントに電気的に接続されており、
    前記タンクを有するタンクユニット及び前記補助熱源を有する補助熱源ユニットは、前記第2の屋外コンセントに電気的に接続されており、
    前記制御装置は、前記電力抑制運転中において、外部電源から前記第1の屋外コンセントを介して前記ヒートポンプユニットに供給される電流が所定電流以下となるように、前記ヒートポンプユニットの動作を制御するとともに、前記外部電源から前記第2の屋外コンセントを介して前記タンクユニット及び前記補助熱源ユニットに供給される電流が、前記所定電流以下となるように前記タンクユニット及び前記補助熱源ユニットの動作を制御する、請求項1から4のいずれか一項に記載の給湯システム。
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