JP2018119530A - 圧縮機 - Google Patents

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健治 小峰
Kenji Komine
健治 小峰
上田 健史
Takeshi Ueda
健史 上田
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【課題】導線の線積率を高めると共に導線の耐久性を高める。【解決手段】モータは、内側に配置されたロータと、外側に配置されたステータと、ステータに巻かれた導線と、を有する。導線は、ダイヤモンド状炭素膜またはSiO2膜の少なくともいずれか一方を含む保護層で被覆される。【選択図】図4

Description

本発明は、圧縮機に関する。
圧縮機としては、例えば、冷凍サイクル装置で用いられる密閉型のロータリ圧縮機やスクロール圧縮機等が知られている。この種の圧縮機が有するモータにおいて、ステータに巻かれる導線の絶縁性を確保するために、導線は、芯材である銅線が、例えば、ポリアミドイミド(AI)、ポリエステルイミド(EI)、ポリアミド−ポリエステルイミド(EAI)等の樹脂材によって形成された保護層で被覆されたものが知られている。
特開2014−203760号公報
ところで、圧縮機で用いられる導線は、冷媒や、圧縮部の潤滑油(冷凍機油)、添加剤にさらされるので、冷媒や潤滑油等との材料適合性を考慮することが望ましい。加えて、導線は、モータの駆動時の振動によって、ステータに巻かれた導線同士の摺動に耐える耐摩耗性を確保することが望ましい。そのため、保護層は、例えば、導線の線径が0.85[mm]のときに、厚みが30[μm]程度になる場合がある。このように保護層の厚みを厚くすると、ステータに巻かれる導線の線積率(巻き数)の低下を招く問題がある。
また、導線は、圧縮機の非使用時に圧縮機の内部が低温になったときに、保護層に冷媒が浸透し、圧縮機の運転時に導線の温度が急激に上昇することで、導線と保護層との間に浸透した冷媒が膨張(発泡)し、保護層のブリスタ破壊を引き起こす場合がある。また、導線の保護層は、冷凍サイクル装置の冷媒循環路内や圧縮機の内部等に残存する空気に含まれる微量な水分によって樹脂成分(オリゴマー)が抜け出る現象、すなわち加水分解が生じやすい。このように保護層のブリスタ破壊や加水分解が生じることにより、導線の絶縁性が低下する問題がある。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、導線の線積率を高めると共に導線の耐久性を高めることができる圧縮機を提供することを目的とする。
本願の開示する圧縮機の一態様は、冷媒の吐出部及び冷媒の吸入部が設けられ密閉された圧縮機筐体と、前記圧縮機筐体内に配置され前記吸入部から吸入された冷媒を圧縮し前記吐出部から吐出する圧縮部と、前記圧縮機筐体内に配置され前記圧縮部を駆動するモータと、を有し、前記モータは、内側に配置されたロータと、外側に配置されたステータと、前記ステータに巻かれた導線と、を有する圧縮機において、前記導線は、ダイヤモンド状炭素膜またはSiO膜の少なくともいずれか一方を含む保護層で被覆されたことを特徴とする。
本願の開示する圧縮機の一態様によれば、導線の線積率を高めると共に導線の耐久性を高めることができる。
図1は、実施例のロータリ圧縮機を示す縦断面図である。 図2は、実施例のロータリ圧縮機のモータのステータを示す分解斜視図である。 図3は、実施例のロータリ圧縮機のステータを示す平面図である。 図4は、実施例の導線を示す断面図である。 図5は、変形例の導線を示す断面図である。
以下に、本願の開示する圧縮機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例によって、本願の開示する圧縮機が限定されるものではない。
(ロータリ圧縮機の構成)
図1は、実施例のロータリ圧縮機を示す縦断面図である。図2は、実施例のロータリ圧縮機のモータのステータを示す分解斜視図である。図3は、実施例のロータリ圧縮機のステータを示す平面図である。
図1に示すように、ロータリ圧縮機1は、密閉された縦置き円筒状の圧縮機筐体10内の下部に配置された圧縮部12と、圧縮機筐体10内の上部に配置され回転軸15を介して圧縮部12を駆動するモータ11と、圧縮機筐体10の外周面に固定され密閉された縦置き円筒状のアキュムレータ25と、を備えている。
アキュムレータ25は、吸入部としての吸入管105及びアキュムレータ湾曲管29を介してシリンダ121内と接続されている。
図1及び図2に示すように、モータ11は、外側に配置されたステータ111と、内側に配置されたロータ112と、ステータ111に巻かれた導線40(図1参照)と、導線40とステータ111との間に配置された絶縁部材としての絶縁フィルム(絶縁シート)20及びインシュレータ30と、を備えている。ステータ111は、圧縮機筐体10の内周面に焼嵌め状態または溶接状態で固定されている。ロータ112は、回転軸15に焼嵌め状態で固定されている。
図2に示すように、絶縁フィルム20は、ステータ111の後述するスロット113内に挿入されてスロット113と導線40とを絶縁する。インシュレータ30は、回転軸15の軸方向におけるステータ111の両側の端部114にそれぞれ装着されて、端部114と導線40とを絶縁する。
ステータ111は、打抜き加工で環状に形成された電磁鋼板を積層して筒状に形成されている。ステータ111は、リング状のヨーク111Aと、ヨーク111Aから中心に向かって突出する複数のティース111Bと、を有する。ステータ111には、ヨーク111Aの内周面と、隣り合うティース111B間に囲まれた扇形の空隙である複数のスロット113が形成されている。
図2に示すように、絶縁フィルム20は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等によって形成されている。絶縁フィルム20は、断面形状が、スロット113の内壁に密着するように扇形の筒状に折り曲げ形成される。このとき、絶縁フィルム20には、ステータ111の周方向における両端のゲート部21が、筒の内側へ向かって折り曲げられて形成される。絶縁フィルム20は、回転軸15の軸方向に沿う長さが、回転軸15の軸方向に沿うステータ111の長さよりも長く形成されており、絶縁フィルム20がスロット113内に挿入されたときに、回転軸15の軸方向における端部22が、ステータ111の端部114から突出した状態になる。
図2に示すように、インシュレータ30は、筒状に形成されており、ステータ111のヨーク111A上に沿って取り付けられる環状の外周壁31と、外周壁31におけるステータ111側の一端部35から外周壁31の中心に向かって突出してステータ111のティース111Bに重ねられる複数の巻き胴32と、を有する。
また、圧縮機筐体10の上部には、外部電源と電気的に接続される端子部117が設けられている。モータ11に巻かれた導線40は、ステータ111のスロット113から延ばされて端子部117に接続されている。図3に示すように、スロット113から引き出された導線40は、絶縁性を有する被覆材(図示せず)で覆われるとともに、被覆材が樹脂テープ52で更に覆われることでリード線50として形成されている。リード線50の一端には、端子部117に接続される接続部53が設けられている。
図1に示すように、回転軸15は、偏芯部152を有しており、偏芯部152の上方に主軸部153が設けられ、偏芯部152の下方に副軸部151が設けられている。回転軸15の主軸部153は、上端板160Tに設けられた主軸受部161Tに回転自在に支持されている。回転軸15の副軸部151は、下端板160Sに設けられた副軸受部161Sに回転自在に支持されている。回転軸15は、偏芯部152にピストン125が支持されることによって、圧縮部12全体に対して回転自在に支持されるとともに、回転によってピストン125をシリンダ121の内周面に沿って公転運動させる。
圧縮機筐体10の内部には、圧縮部12において摺動するピストン125等の摺動部の潤滑性を確保し、シリンダ室をシールするための潤滑油18が、圧縮部12をほぼ浸漬する量だけ封入されている。圧縮機筐体10の下側には、ロータリ圧縮機1全体を支持する複数の弾性支持部材(図示せず)を係止する取付脚310(図1参照)が固定されている。
図1に示すように、圧縮部12は、吸入管105から吸入された冷媒を圧縮し、後述する吐出部としての吐出管107から吐出する。圧縮部12は、上から、上端板カバー170T、上端板160T、環状のシリンダ121及び下端板160Sを積層して構成されている。圧縮部12全体は、上下から略同心円上に配置された複数の通しボルト174及び補助ボルト(図示せず)によって固定されている。
シリンダ121には、モータ11の回転軸15と同心円上に沿って内周面が形成されている。シリンダ121の内周面の内側には、シリンダ121の内径よりも小さい外径のピストン125が配置されており、シリンダ121の内周面とピストン125の外周面との間に、冷媒を吸入し圧縮して吐出するシリンダ室が形成される。
シリンダ121には、シリンダ室の壁面から放射状にシリンダ121の外周側へ延びるベーン溝が設けられている。ベーン溝内には、板状のベーンがシリンダ121の径方向に摺動可能に配置されている。シリンダ室は、ベーンがスプリング(図示せず)に押圧されてピストン125の外周面に当接することによって、吸入路135に連通する吸入室と、上端板160Tに設けられた吐出孔190に連通する圧縮室と、に区画される。シリンダ121内は、回転軸15の軸方向における上側が上端板160Tで閉塞されており、下側が下端板160Sで閉塞されている。
上端板160Tには、図1に示すように、上端板160Tを貫通してシリンダ121の圧縮室と連通する吐出孔190が設けられている。吐出孔190は、ベーン溝に近接して配置されている。圧縮室内で圧縮された冷媒は、圧縮室内から、吐出孔190を通って、上端板カバー170T内へ吐出される。また、上端板160Tには、吐出孔190を開閉するリード弁型の吐出弁200と、吐出弁200の開度を規制する吐出弁押さえ201とが設けられている。吐出弁押さえ201は、吐出弁200に重ねられて吐出弁200が開く方向へ湾曲して設けられている。
以下に、回転軸15の回転に伴う冷媒の流れを説明する。シリンダ121内において、回転軸15の回転によって、回転軸15の偏芯部152に嵌合されたピストン125が、シリンダ121の内周面に沿って公転することにより、吸入室が容積を拡大しながら吸入管105から冷媒を吸入し、圧縮室が容積を縮小しながら冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒の圧力が所定の圧力よりも高くなったとき、吐出弁200が開いて圧縮室から冷媒が吐出される。吐出孔190から吐出された冷媒は、上端板カバー170Tに設けられた上端板カバー吐出孔172(図1参照)から圧縮機筐体10内に吐出される。
圧縮機筐体10内に吐出された冷媒は、ステータ111の外周に設けられた上下に連通する切欠き(図示せず)、またはステータ111のスロット113における導線40の巻線部分の隙間(図示せず)、又はステータ111とロータ112との隙間115(図1参照)を通ってモータ11の上方に導かれ、圧縮機筐体10の上部に配置された吐出部としての吐出管107から吐出される。
(ロータリ圧縮機の特徴的な構成)
次に、実施例のロータリ圧縮機1の特徴的な構成について説明する。図4は、実施例の導線を示す断面図である。図5は、変形例の導線を示す断面図である。
本実施例では、冷媒として、例えば、ハイドロフルオロカーボン(HFC)冷媒であるR32冷媒、またはR32冷媒を含む混合冷媒が用いられている。また、本実施例は、冷媒として、ヒドロフルオロオレフィン(HFO)であるHFO1123冷媒、またはHFO1123冷媒を含む混合冷媒が用いられる構成に適用されてもよい。特にHFO1123冷媒は、不均化反応を生じやすい特性を有しており、不均化反応が生じた場合に発生する高温により、ロータリ圧縮機1の内部が更に高温になるので、導線40の芯材40Aの保護層40Bにブリスタ破壊や加水分解が生じやすい問題がある。
図4に示すように、本実施例における導線40は、ロータリ圧縮機1の運転時に導線40の温度が上昇することにより、保護層40Bにブリスタ破壊や加水分解が生じるのを抑えるために、芯材40Aの表面に、耐摩耗性、電気絶縁性、及び気体を透過させにくい性質、すなわちガスバリア性に優れる保護層40Bが形成されている。以下、導線40の特徴について説明する。なお、上述したステータ111から端子部117まで引き出されるリード線50が有する導線40についても、以下説明する導線40と同様の特徴を有する。
導線40の芯材40Aは、例えば銅によって形成されている。芯材40Aの表面には、例えば物理蒸着(PVD:Physical Vapor Deposition)や化学蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)等により保護層40Bが形成される。これにより、導線40は、耐摩耗性及び電気絶縁性が確保されると共に、ガスバリア性に優れる保護層40Bにより芯材40Aへの水分の浸透が抑えられている。すなわち、導線40は、保護層40Bのガスバリア性によって、芯材40Aの耐水性が高められている。
保護層40Bは、ダイヤモンド状炭素膜(DLC膜:Diamond-Like Carbon)またはSiO膜の少なくとも一方を含んでいる。ダイヤモンド状炭素膜及びSiO膜は、電気絶縁性とガスバリア性に優れている。図3には、導線40が保護層40Bとしてダイヤモンド状炭素膜を有する例を示している。図示しないが、導線40は、保護層40Bとしては、ダイヤモンド状炭素膜の代わりに、SiO膜を有してもよい。
実施例における保護層40Bのダイヤモンド状炭素膜は、水素含有率が15%以上、30%以下である。このようなダイヤモンド状炭素膜が形成されることによって、上述した電気絶縁性及びガスバリア性の確保に加え、摩擦係数を小さくできる。このため、ステータ111に導線40を巻くときやロータリ圧縮機1の運転時等に導線40が振動したときに、ステータ111等と摺動する導線40に生じる摩擦力が小さく抑えられ、ステータ111に巻かれた導線40同士の摺動、導線40と絶縁フィルム20との摺動、導線40とインシュレータ30との摺動による発熱が抑えられる。このため、導線40の耐摩耗性が高められ、導線40の摺動に伴う保護層40Bの表面の劣化を抑えることができる。水素含有率が15%未満の場合には、ダイヤモンド状炭素膜にクラックが生じやすくなるので好ましくない。水素含有率の増加に伴ってダイヤモンド状炭素膜の摩擦係数が増加する傾向があり、ダイヤモンド状炭素膜の摺動性が低下するので、水素含有率が30%を超える場合には、ダイヤモンド状炭素膜の摺動性が十分に得られないので好ましくない。
また、実施例における保護層40Bの厚みt1は、10[nm]以上、3[μm]以下に形成されている。このように保護層40Bが形成されることで、ガスバリア性に優れる保護層40Bによって耐水性を適正に確保するとともに、保護層40Bにクラックが生じることが抑えられる。保護層40Bの厚みt1が10[nm]未満の場合には、耐水性を十分に得られないので好ましくない。保護層40Bの厚みt1が3[μm]を超える場合には、導線40をステータ111に巻く際に導線40が折れ曲がったときに、保護層40Bにクラックが生じやすくなるので好ましくない。加えて、保護層40Bの厚みt1が厚くなるに伴って、スロット113に巻かれる導線40の線積率の低下、すなわちモータ11の性能の低下を招くので好ましくない。
また、実施例における導線40の芯材40Aは、例えば、カーボンナノチューブ(CNT)等の炭素材を含有する銅材によって形成されており、炭素材を含有することにより、保護層40Bとの密着性が高められ、電気伝導率の向上が図られている。
導線40の表面に保護層40Bを形成する方法としては、例えば、プラズマPVDによって形成することで、PVDに比べて、保護層40Bの付き回りが優れるので、保護層40Bの厚みt1の分布の均一性も高められ、PVDに比べて低温で成膜できるので、芯材40Aの劣化を抑えられるので好ましい。また、保護層40Bは、例えば、プラズマPVDによって形成されることで、成膜速度が高く、密着性も高められ、製造コストの増加も抑えられるので好ましい。
また、図5に示すように、変形例の導線40は、芯材40Aと保護層40Bとの間には、絶縁性を有する樹脂材によって形成された中間膜40Cが設けられている。中間層40Cは、保護層40Bの下地層として機能し、芯材40Aと保護層40Bとの密着性が高められるので、保護層40Bの剥離が抑えられる。中間層40Cは、例えば、AI、EI、EAI等の樹脂材によって形成された薄膜が用いられている。中間層40Cの厚みt2は、10[μm]以下に形成されている。中間層40Cの厚みt2は、10[μm]を超える場合、スロット113に巻かれる導線40の線積率の低下を招くので好ましくない。
変形例の導線40によれば、中間層40Cを有することで、保護層40Bの密着性を高めることができるので、保護層40Bの剥離を抑えることができる。また、図5においても、保護層40Bとしては、ダイヤモンド状炭素膜の代わりに、SiO膜を有して構成されてもよい。
上述のように実施例のロータリ圧縮機1における導線40は、ダイヤモンド状炭素膜またはSiO膜を含む保護層40Bで被覆される。これにより、導線40の耐摩耗性を確保するとともに、保護層40Bの厚みを薄くすることが可能となり、導線40の線積率を高め、モータ11の性能の向上を図ることができる。加えて、導線40は、ガスバリア性に優れる保護層40Bにより、保護層40Bにブリスタ破壊や加水分解が生じることを抑えることができる。その結果、導線40の絶縁性の低下を抑え、モータ11の動作信頼性を高めることができる。また、保護層40Bの加水分解によって保護層40Bから抜け出た樹脂成分が冷凍サイクル装置やロータリ圧縮機1の内部に堆積することが抑えられるので、ロータリ圧縮機1の動作信頼性を更に高めることができる。
また、実施例のロータリ圧縮機1における導線40の保護層40Bの厚みt1は、10[nm]以上、3[μm]以下である。これにより、耐水性を適正に確保するとともに、保護層40Bのクラックの発生を抑えることができる。
また、実施例のロータリ圧縮機1において、導線40の芯材40Aと保護層40Bとの間には、絶縁性を有する樹脂材によって形成された中間層40Cが設けられている。これにより、保護層40Bの密着性を高めることができるので、保護層40Bの剥離を抑えることができる。
また、実施例のロータリ圧縮機1における導線40の中間層40Cの厚みt2は、10[μm]以下である。導線40は、中間層40Cによって芯材40Aと保護層40Cとの密着性が高められるので、保護層40Bの剥離を抑えることができる。また、中間層40Cを有する構成であっても、芯材40Aを覆う被覆部分の総厚みを10[μm]程度に抑えられるので、従来技術における芯材の被覆部分の厚みに比べて薄く、スロット113に巻かれる導線40の線積率の低下を抑えることができる。
また、実施例のロータリ圧縮機1の保護層40Bは、水素含有率が15%以上、30%以下のダイヤモンド状炭素膜である。これにより、電気絶縁性及びガスバリア性(耐水性)を確保すると共に、摩擦係数を小さくできるので、ロータリ圧縮機1の運転時に発生する導線40同士の摺動等に伴う保護層40Bの表面の劣化を抑えることができる。
また、実施例のロータリ圧縮機1の導線40は、炭素材を含有する銅材によって芯材40Aが形成されている。これにより、芯材40Aと保護層40Bとの密着性を高めるとともに、電気伝導率を高めることができる。
また、実施例のロータリ圧縮機1は、特にHFO1123冷媒またはHFO1123冷媒を含む混合冷媒を用いる場合、HFO1123冷媒に不均化反応が生じやすいので、不均化反応に伴う高温により、保護層40Bの加水分解が生じやすくなる傾向がある。したがって、このような場合、ガスバリア性(耐水性)に優れる保護層40Bを有することで、導線40の保護層40Bの加水分解を抑える効果が高い。
また、実施例及び変形例は、例えば、エステル油、エーテル油、PAG(ポリアルキレングリコール)油等の吸湿性が比較的高い潤滑油18を用いる場合に、絶縁フィルム20及びインシュレータ30の加水分解が効果的に抑えられる。具体的には、R32冷媒を用いるロータリ圧縮機では、潤滑油18として例えば、エステル油、エーテル油等が用いられている。鉱油の飽和水分量が50ppm程度であるのに比べて、エステル油の飽和水分量は2000ppm程度であり、エーテル油の飽和水分量は5000ppm程度であり、潤滑油18に含まれる水分量が多い。したがって、実施例及び変形例によれば、飽和水分量が2000ppm以上の潤滑油18を使用する場合に、潤滑油18に含まれる水分によって導線40の保護層40Bに加水分解が生じることを効果的に抑えることができる。また、上述した保護層40Bは、モータ11から引き出されるリード線50の被覆材や樹脂テープ52の保護層として用いられてもよく、リード線50の振動に伴う摩耗が抑えられる。
なお、本実施例は、ロータリ圧縮機に適用されたが、ロータリ圧縮機に限定されるものではなく、例えば、スクロール圧縮機等に適用されてもよい。また、本実施例は、1シリンダ型のロータリ圧縮機1に適用されたが、2シリンダ型のロータリ圧縮機に適用されてもよい。
1 ロータリ圧縮機
10 圧縮機筐体
11 モータ
12 圧縮部
15 回転軸
40 導線
40A 芯材
40B 保護層
40C 中間層
50 リード線
53 接続部
105 吸入管(吸入部)
107 吐出管(吐出部)
111 ステータ
112 ロータ
117 端子部

Claims (9)

  1. 冷媒の吐出部及び冷媒の吸入部が設けられ密閉された圧縮機筐体と、前記圧縮機筐体内に配置され前記吸入部から吸入された冷媒を圧縮し前記吐出部から吐出する圧縮部と、前記圧縮機筐体内に配置され前記圧縮部を駆動するモータと、を有し、
    前記モータは、内側に配置されたロータと、外側に配置されたステータと、前記ステータに巻かれた導線と、を有する圧縮機において、
    前記導線は、ダイヤモンド状炭素膜またはSiO膜の少なくともいずれか一方を含む保護層で被覆されたことを特徴とする圧縮機。
  2. 前記保護層の厚みは、10[nm]以上、3[μm]以下である、
    請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記導線と前記保護層との間には、絶縁性を有する樹脂材によって形成された中間層が設けられた、
    請求項1または2に記載の圧縮機。
  4. 前記中間層の厚みは、10[μm]以下である、
    請求項3に記載の圧縮機。
  5. 前記保護層は、水素含有率が15%以上、30%以下のダイヤモンド状炭素膜である、
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載の圧縮機。
  6. 前記導線は、炭素材を含有する銅材によって形成された、
    請求項1ないし5のいずれか1項に記載の圧縮機。
  7. 前記冷媒は、R32冷媒、R32冷媒を含む混合冷媒、HFO1123冷媒、HFO1123冷媒を含む混合冷媒のいずれかである、
    請求項1ないし6のいずれか1項に記載の圧縮機。
  8. 前記圧縮機筐体内には、潤滑油が設けられ、
    前記潤滑油の飽和水分量が2000ppm以上である、
    請求項1ないし7のいずれか1項に記載の圧縮機。
  9. 前記圧縮機筐体には、外部電源と電気的に接続される端子部が設けられ、
    前記導線は、前記ステータから延ばされて前記端子部に接続された、
    請求項1ないし8のいずれか1項に記載の圧縮機。
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