JP2018157711A - 電動圧縮機 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に記載の電動圧縮機は、図13に示すように、中性点の絶縁キャップ(56d、56c)のみをコイル(55d)間に挿入し、中性点(55b)を固定する構成である。そのため、絶縁キャップ(56d、56c)のコイル(55d)間への固定力は、絶縁キャップ(56d、56c)とコイル(55d)との摩擦力、及び、中性点(55b)の剛性による保持力のみである。
以下、本発明を実施するための形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に図示している。よって、本発明は、以下に示す実施形態に限定されない。
第1〜第5実施形態の電動圧縮機1と比較例1、2の電動圧縮機101とは、全体構成が同様な構成であるので、図1を参照して、第1〜第5実施形態に係る電動圧縮機1の構成を説明する。ここでは、電動圧縮機1として縦型のロータリ圧縮機を例示して説明する。
密閉容器2は、電動機3と圧縮機構部4とを内包し、電動圧縮機1の外郭を形成する。圧縮機構部4は、密閉容器2内の下部に配置され、作動流体の冷媒を圧縮する。電動機3は、密閉容器2内の上部に配置され、圧縮機構部4を駆動する。圧縮機構部4で圧縮された冷媒は上方(図1の矢印α1)に流れ、吐出口2oから吐出される(図1の矢印α2)。
電動機3は、圧縮機構部4の駆動源である。電動機3は、固定子31と回転子32とを備えている。固定子31は、密閉容器2の内壁に焼嵌などで固定されている。回転子32は、圧縮機構部4のクランク軸41の上部に嵌着されている。
圧縮機構部4は、クランク軸41、主軸受42、シリンダ43、ローラ44、ベーン45、及び、副軸受46を備えて構成されている。
シリンダ43は、内径の径方向の中心に、軸方向に貫通する円柱形状の貫通孔43hを有している。貫通孔43hと主軸受42と副軸受46とによって圧縮室43aを構成している。
ベーン45は、ローラ44の外周面に当接するように、ベーン収納部(図示せず)に配置されている。ベーン45は、板形状を有し、シリンダ43の内部で径方向に往復運動する構成である。
<比較例1>
図2(a)は比較例1(従来技術)に係る電動圧縮機の固定子31の上面図であり、(b)は比較例1(従来技術)に係る電動圧縮機1の固定子31の側面図である。
コア311は、複数の強磁性体の鋼板が積層され、カシメなどで互いに固定されている。コア311は、後記するコイル315aを流れる電流で発生した磁束の密度を高める役割をもつ。
上側インシュレータ313及び下側インシュレータ314は、コア311とコイル315aとを絶縁し、且つ、電線315の巻回の作業時の電線315への負荷低減のため、コア311の軸方向の両端面に設けている。
図3(a)は比較例1(従来技術)に係る固定子の中性点の拡大図であり、(b)は比較例1(従来技術)に係る固定子の中性点の図3(a)のI−I断面図である。
図3(a)、(b)に示すように、中性点316は、複数のコイル315aの巻初め、あるいは、巻終わりである中性点電線316aと、当該中性点電線316aの末端を、溶接や圧着端子等により電気的に接続した中性点接続点316bとを有する。中性点316(316a、316b)は、コイル315aの上に配置されている。
絶縁キャップ317は、フィルム状の絶縁部材を略円筒形状に巻回しの略円筒部とし、該略円筒部の一端が溶着等により密閉され形成される。絶縁キャップ317の溶着箇所を溶着部317yと称す。
そのため、絶縁キャップ317をコイル315aの間に挿入する際は、中性点316の先端(中性点接続点316b)をコイル315aの上端よりも固定子31の軸方向内側とすることが望ましい。従って、固定子31の製作作業が複雑化するという問題がある。
図4は図3(a)と異なる構成の比較例2(従来技術)に係る固定子の中性点の拡大図である。
比較例2は、中性点316を挿入した絶縁キャップ317を中性点316とともにコイル315aの間に挿入した例である。
<<第1実施形態>>
図5は第1実施形態に係る固定子の中性点の拡大正面図である。
第1実施形態は、上述の比較例1、2に対して特徴部のみが異なる構成であるから、特徴部に絞って説明する。
また、絶縁キャップ317の反中性点挿入側の先端部(溶着部317y)近くに形成される空間部316dは、中性点316の先端の中性点接続点316bよりも、コイル315a同士の間に、深く挿入される。そのため、中性点316を覆う絶縁キャップ317を、コイル315aの間に挿入する際の先端領域は、絶縁キャップ317の溶着等による溶着部317y、続いて、空間部316dとなる。
第1実施形態の固定子31は、絶縁キャップ317が、フィルム状の絶縁部材を用いて、中性点316を包んで略円筒形状に巻回される。そして、絶縁キャップ317の巻終わり端部317aが、巻方向に対して、絶縁キャップ317とコイル315aが最も近づく第1点317bから、絶縁キャップ317の巻き方向に90度進んだ第2点317cの範囲内としている。
さらに、中性点316を覆う絶縁キャップ317が隣接するコイル315aの間に挿入される際に、中性点316は、固定子31の軸方向中心側(図5の下方)に押し込まれる。
次に、第2実施形態について、図7を用いて説明する。
図7は、第2実施形態の固定子の中性点の拡大正面図である。
第2実施形態の電動圧縮機1(図1参照)の固定子31は、第1実施形態に対して、絶縁キャップ317、及び、絶縁キャップ317に覆われる中性点316の長手方向に折り目316eを付けて、コイル315a同士の間に挿入した例である。
折り目316eの角度は、90度または90度近くの角度である。例えば、70度から110度とできる。しかし、90度に近い略90度が最も好適である。
次に、第3実施形態について、図8を用いて説明する。
図8は、第3実施形態の固定子の中性点の拡大正面図である。
第3実施形態の固定子31は、第2実施形態に対して、中性点316を覆う絶縁キャップ317のうち先端側の絶縁キャップ317のみをコイル315a同士の間に挿入する構成の例である。
従って、電動圧縮機1の信頼性の向上、及び、騒音抑制が可能となる。
従って、絶縁キャップ317、及び、中性点316を固定する追加部品を要さずに、電動圧縮機1の効率を向上できる。
次に第4実施形態について説明する。
図9(a)は、第4実施形態の固定子31の中性点316の拡大正面図であり、図9(b)は、第4実施形態の電動圧縮機1の固定子31の上面図である。
スロット絶縁仕切り312は、コア311とコイル315aとの絶縁を行う部材である。スロット絶縁仕切り312は、樹脂等を用いて、図10(a)に示すように、切り欠き部312oがある筒形状に薄い厚さをもって成形されている。スロット絶縁仕切り312の端部312tは、図10(b)に示すように、内側に折り曲げて形成される折り曲げ部312tを有している。
スロット絶縁仕切り312は、コア311の隣接するティース部311a間に切り欠き部312oを内方に向けて設けられる。図11(b)に示すように、スロット絶縁仕切り312は、コア311に対して、軸方向に突出して配置される。この状態で、隣接するスロット絶縁仕切り312を含むティース部311aに電線315が巻回されコイル315aが形成される。
絶縁キャップ317及び中性点316は、スロット絶縁仕切り312の端部312tより固定子31の軸中心外側に挿入しているため、絶縁キャップ317及び中性点316の固定子31の軸方向上向きの抜けに加えて、回転子32が設けられている固定子31の軸中心内側への絶縁キャップ317及び中性点316の抜けも抑制できる。
さらに、図10(b)に示すように、スロット絶縁仕切り312の端部312tを、隣接するコイル315aの間の空間側に折り曲げて折り曲げ部312t1を形成し、絶縁キャップ317をコイル315aとスロット絶縁仕切り312で挟む。
次に第5実施形態について、図12を用いて説明する。
図12は、第5実施形態の電動圧縮機1の固定子31の上面図である。
第5実施形態の固定子31は、第1実施形態に対して、絶縁キャップ317及び中性点316が、リード線318と接触しない構成の例である。
1.密閉型の電動圧縮機1に適用している電動機3の構成として、9スロットの集中巻の電動機を適用した密閉型の縦型1シリンダロータリ圧縮機を例に挙げて説明したが、9スロットの集中巻モータを適用している電動圧縮機1に限定されるものではなく、スロット数や、半密閉型、開放型等は任意である。例えば、6スロットの集中巻の電動機を適用した半密閉型および開放型スクロール圧縮機等にも適用可能である。
2 密閉容器
3 電動機
4 圧縮機構部
31 固定子
31t 端面
311 コア
311a ティース部
312 スロット絶縁仕切り(絶縁性の仕切り)
312t スロット絶縁仕切り312の端部(軸中心側端部)
315 電線
315a コイル(ティース部に巻回された電線)
316 中性点
316b 中性点接続部(中性点の先端部)
316d 空間部
316e 折り目(折り曲げ部)
317 絶縁キャップ(絶縁部材)
317a 巻終わり端部(巻終わりの端部)
317b 第1点
317c 第2点
317k 開口(中性点が挿入された端部)
317y 溶着部(反中性点挿入側先端部)
318 リード線
32 回転子
Claims (7)
- コアに設けられる複数のティース部にそれぞれ巻回された複数の電線と、前記電線の少なくとも2本を電気的に接続した中性点と、前記中性点の周囲を覆い、一端が密閉された絶縁部材とを有する固定子と、
前記固定子の内側に配置された回転子とを有する電動機と、
前記電動機により回転駆動される圧縮機構部とを
密閉容器内に備え、
前記絶縁部材の反中性点挿入側先端部と前記絶縁部材内に挿入された前記中性点の先端部との間の前記絶縁部材内に、空間部が形成され、
隣接する前記ティース部に巻回された前記電線間に、前記絶縁部材の前記反中性点挿入側先端部及び前記中性点の先端部は、挿入され、かつ、前記空間部は、前記中性点の先端部よりも深く挿入されている
ことを特徴とする電動圧縮機。 - コアに設けられる複数のティース部にそれぞれ巻回された複数の電線と、前記電線の少なくとも2本を電気的に接続した中性点と、前記中性点の周囲に巻かれた筒状であるとともに一端が密閉された絶縁部材とを有する固定子と、
前記固定子の内側に配置された回転子とを有する電動機と、
前記電動機により回転駆動される圧縮機構部とを
密閉容器内に備え、
前記絶縁部材の前記中性点が挿入された部分が前記ティース部に巻回された前記電線に沿って配置され、
前記絶縁部材の前記中性点が挿入された端部近くの巻終わりの端部は、前記絶縁部材と前記ティース部に巻回された前記電線が最も近づく第1点から、前記絶縁部材の巻き方向に90度進んだ第2点の範囲内に配置されている
ことを特徴とする電動圧縮機。 - 請求項1に記載の電動圧縮機において、
前記絶縁部材は、前記中性点の周囲に巻かれた筒状であり、
前記絶縁部材の前記中性点が挿入された部分が前記ティース部に巻回された前記電線に沿って配置され、かつ、前記絶縁部材における前記中性点の周囲に巻かれた巻終わりの端部は、前記絶縁部材と前記ティース部に巻回された前記電線が最も近づく第1点から、前記絶縁部材の巻き方向に90度進んだ第2点の範囲内に配置されている
ことを特徴とする電動圧縮機。 - 請求項1または請求項2に記載の電動圧縮機において、
前記中性点及び前記絶縁部材は、略90度の角度をもって折り曲げて形成された折り曲げ部を有している
ことを特徴とする電動圧縮機。 - 請求項2に記載の電動圧縮機において、
隣接する前記ティース部に巻回された前記電線間に、
前記絶縁部材の先端部は、挿入され、前記中性点の先端部は、挿入されない
ことを特徴とする電動圧縮機。 - 請求項1または請求項2に記載の電動圧縮機において、
前記固定子は、隣接する前記ティース部間に、前記コアと前記電線とを絶縁する絶縁性の仕切りを有し、
前記絶縁部材の先端部は、隣接する前記ティース部および前記絶縁性の仕切りに巻回された前記電線間に挿入され、かつ、前記絶縁性の仕切りの軸中心側端部より、前記固定子の軸中心の外方に配置されている
ことを特徴とする電動圧縮機。 - 請求項1または請求項2に記載の電動圧縮機において、
前記固定子は、前記密閉容器に設けた端子に電気的な接続を行うリード線を有し、
前記絶縁部材及び前記中性点は、隣接する前記ティース部に巻回された前記電線の近傍で、前記リード線と接触しない
ことを特徴とする電動圧縮機。
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A521 | Written amendment |
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A02 | Decision of refusal |
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