JP2018119529A - 圧縮機 - Google Patents

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健治 小峰
Kenji Komine
健治 小峰
上田 健史
Takeshi Ueda
健史 上田
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Abstract

【課題】絶縁部材に加水分解が生じることを抑える。【解決手段】モータは、内側に配置されたロータと、外側に配置されたステータと、ステータに巻かれた導線と、導線とステータとの間に配置された絶縁部材と、を有する。冷媒は、R32冷媒、R32冷媒を含む混合冷媒、HFO1123冷媒、HFO1123冷媒を含む混合冷媒のいずれかである。絶縁部材は、エステル結合を有する第1の樹脂材によって形成された基材、または第1の樹脂材にエステル結合を有していない第2の樹脂材を積層して形成された基材を有し、基材の表面に、耐水性を有する改質層が形成された。【選択図】図3

Description

本発明は、圧縮機に関する。
圧縮機としては、例えば、冷凍サイクル装置で用いられる密閉型のロータリ圧縮機やスクロール圧縮機等が知られている。この種の圧縮機が有するモータは、ステータのスロットに巻かれる導線とステータとの絶縁性を確保する絶縁部材として、モータの回転軸方向におけるステータの両端に配置されるインシュレータと、スロットに配置される絶縁フィルムとを有しており、導線とステータとの間に絶縁部材が配置されている。
絶縁フィルムは、一般に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のエステル結合を有する樹脂材によって形成されており、インシュレータは、エステル結合を有するポリブチレンテレフタレート(PBT)等の樹脂材によって形成されている。また近年は、インシュレータを液晶ポリマー(LCP:Liquid Crystal Polymer)によって形成する技術も知られている。
特開2015−200480号公報
ところで、冷凍サイクル装置で使用される冷媒としては、オゾン層の保護のために、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)冷媒(R22冷媒)から、ハイドロフルオロカーボン(HFC)冷媒であるR32冷媒への変更が進み、更に地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)がより一層小さいヒドロフルオロオレフィン(HFO)であるHFO1123冷媒への変更が進められている。
R32冷媒、HFO1123冷媒を使用した場合、圧縮機の内部は、冷媒の特性上、R22冷媒と比べて更に高温にさらされる傾向があり、R32冷媒、HFO1123冷媒の電気的な極性や、圧縮部の潤滑油の電気的な極性が大きくなる(親水性が高くなる)ことに伴って吸湿性が高くなる傾向にある。このため、PET、PEN、PBT等のエステル結合(−COO−)を有する樹脂材で形成された絶縁部材は、高温下において、冷凍サイクル装置の冷媒循環路内や圧縮機の内部に残存する微量な水分によって樹脂成分の一部(オリゴマー)が抜け出る現象が促進されたり、樹脂そのものの加水分解が生じたりしやすい。絶縁部材に加水分解が生じた場合、発生する酸成分による冷凍機油の劣化の進行、ステータと導線との絶縁性の低下、絶縁部材から抜け出た樹脂成分の堆積を招くことにより、圧縮機の動作信頼性が低下するおそれがある。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、絶縁部材に加水分解が生じることを抑えることができる圧縮機を提供することを目的とする。
本願の開示する圧縮機の一態様は、冷媒の吐出部及び冷媒の吸入部が設けられ密閉された圧縮機筐体と、前記圧縮機筐体内に配置され前記吸入部から吸入された冷媒を圧縮し前記吐出部から吐出する圧縮部と、前記圧縮機筐体内に配置され前記圧縮部を駆動するモータと、を有し、前記モータは、内側に配置されたロータと、外側に配置されたステータと、前記ステータに巻かれた導線と、前記導線と前記ステータとの間に配置された絶縁部材と、を有する圧縮機において、前記冷媒は、R32冷媒、R32冷媒を含む混合冷媒、HFO1123冷媒、HFO1123冷媒を含む混合冷媒のいずれかであり、前記絶縁部材は、エステル結合を有する第1の樹脂材によって形成された基材、または前記第1の樹脂材にエステル結合を有していない第2の樹脂材を積層して形成された基材を有し、前記基材の表面に、耐水性を有する改質層が形成されたことを特徴とする。
本願の開示する圧縮機の一態様によれば、絶縁部材に加水分解が生じることを抑えることができる。
図1は、実施例のロータリ圧縮機を示す縦断面図である。 図2は、実施例のロータリ圧縮機のモータのステータを示す分解斜視図である。 図3は、実施例のロータリ圧縮機のモータの絶縁フィルムを示す縦断面図である。 図4は、変形例の絶縁フィルムを示す縦断面図である。
以下に、本願の開示する圧縮機の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施例によって、本願の開示する圧縮機が限定されるものではない。
(ロータリ圧縮機の構成)
図1は、実施例のロータリ圧縮機を示す縦断面図である。図2は、実施例のロータリ圧縮機のモータのステータを示す分解斜視図である。
図1に示すように、ロータリ圧縮機1は、密閉された縦置き円筒状の圧縮機筐体10内の下部に配置された圧縮部12と、圧縮機筐体10内の上部に配置され回転軸15を介して圧縮部12を駆動するモータ11と、圧縮機筐体10の外周面に固定され密閉された縦置き円筒状のアキュムレータ25と、を備えている。
アキュムレータ25は、吸入部としての吸入管105及びアキュムレータ湾曲管29を介してシリンダ121内と接続されている。
図1及び図2に示すように、モータ11は、外側に配置されたステータ111と、内側に配置されたロータ112と、ステータ111に巻かれた導線40(図1参照)と、導線40とステータ111との間に配置された絶縁部材としての絶縁フィルム(絶縁シート)20及びインシュレータ30と、を備えている。ステータ111は、圧縮機筐体10の内周面に焼嵌め状態または溶接状態で固定されている。ロータ112は、回転軸15に焼嵌め状態で固定されている。
図2に示すように、絶縁フィルム20は、ステータ111の後述するスロット113内に挿入されてスロット113と導線40とを絶縁する。インシュレータ30は、回転軸15の軸方向におけるステータ111の両側の端部114にそれぞれ装着されて、端部114と導線40とを絶縁する。
ステータ111は、打抜き加工で環状に形成された電磁鋼板を積層して筒状に形成されている。ステータ111は、リング状のヨーク111Aと、ヨーク111Aから中心に向かって突出する複数のティース111Bと、を有する。ステータ111には、ヨーク111Aの内周面と、隣り合うティース111B間に囲まれた扇形の空隙である複数のスロット113が形成されている。
図2に示すように、絶縁フィルム20は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等によって形成されている。絶縁フィルム20は、断面形状が、スロット113の内壁に密着するように扇形の筒状に折り曲げ形成される。このとき、絶縁フィルム20には、ステータ111の周方向における両端のゲート部21が、筒の内側へ向かって折り曲げられて形成される。絶縁フィルム20は、回転軸15の軸方向に沿う長さが、回転軸15の軸方向に沿うステータ111の長さよりも長く形成されており、絶縁フィルム20がスロット113内に挿入されたときに、回転軸15の軸方向における端部22が、ステータ111の端部114から突出した状態になる。
図2に示すように、インシュレータ30は、筒状に形成されており、ステータ111のヨーク111A上に沿って取り付けられる環状の外周壁31と、外周壁31におけるステータ111側の一端部35から外周壁31の中心に向かって突出してステータ111のティース111Bに重ねられる複数の巻き胴32と、を有する。
また、圧縮機筐体10の上部には、外部電源と電気的に接続される端子部117が設けられている。モータ11に巻かれた導線40は、ステータ111のスロット113から延ばされて端子部117に接続されている。スロット113から引き出された導線40は、被覆材で覆われるとともに、被覆材が樹脂テープで更に覆われることでリード線として形成されている。
図1に示すように、回転軸15は、偏芯部152を有しており、偏芯部152の上方に主軸部153が設けられ、偏芯部152の下方に副軸部151が設けられている。回転軸15の主軸部153は、上端板160Tに設けられた主軸受部161Tに回転自在に支持されている。回転軸15の副軸部151は、下端板160Sに設けられた副軸受部161Sに回転自在に支持されている。回転軸15は、偏芯部152にピストン125が支持されることによって、圧縮部12全体に対して回転自在に支持されるとともに、回転によってピストン125をシリンダ121の内周面に沿って公転運動させる。
圧縮機筐体10の内部には、圧縮部12において摺動するピストン125等の摺動部の潤滑性を確保し、シリンダ室(図示せず)をシールするための潤滑油18が、圧縮部12をほぼ浸漬する量だけ封入されている。圧縮機筐体10の下側には、ロータリ圧縮機1全体を支持する複数の弾性支持部材(図示せず)を係止する取付脚310(図1参照)が固定されている。
図1に示すように、圧縮部12は、吸入管105から吸入された冷媒を圧縮し、後述する吐出部としての吐出管107から吐出する。圧縮部12は、上から、上端板カバー170T、上端板160T、環状のシリンダ121及び下端板160Sを積層して構成されている。圧縮部12全体は、上下から略同心円上に配置された複数の通しボルト174及び補助ボルト(図示せず)によって固定されている。
シリンダ121には、モータ11の回転軸15と同心円上に沿って内周面が形成されている。シリンダ121の内周面の内側には、シリンダ121の内径よりも小さい外径のピストン125が配置されており、シリンダ121の内周面とピストン125の外周面との間に、冷媒を吸入し圧縮して吐出するシリンダ室が形成される。
シリンダ121には、シリンダ室の壁面から放射状にシリンダ121の外周側へ延びるベーン溝が設けられている。ベーン溝内には、板状のベーンがシリンダ121の径方向に摺動可能に配置されている。シリンダ室は、ベーンがスプリング(図示せず)に押圧されてピストン125の外周面に当接することによって、吸入路135に連通する吸入室と、上端板160Tに設けられた吐出孔190に連通する圧縮室と、に区画される。シリンダ121内は、回転軸15の軸方向における上側が上端板160Tで閉塞されており、下側が下端板160Sで閉塞されている。
上端板160Tには、図1に示すように、上端板160Tを貫通してシリンダ121の圧縮室と連通する吐出孔190が設けられている。吐出孔190は、ベーン溝に近接して配置されている。圧縮室内で圧縮された冷媒は、圧縮室内から、吐出孔190を通って、上端板カバー170T内へ吐出される。また、上端板160Tには、吐出孔190を開閉するリード弁型の吐出弁200と、吐出弁200の開度を規制する吐出弁押さえ201とが設けられている。吐出弁押さえ201は、吐出弁200に重ねられて吐出弁200が開く方向へ湾曲して設けられている。
以下に、回転軸15の回転に伴う冷媒の流れを説明する。シリンダ121内において、回転軸15の回転によって、回転軸15の偏芯部152に嵌合されたピストン125が、シリンダ121の内周面に沿って公転することにより、吸入室が容積を拡大しながら吸入管105から冷媒を吸入し、圧縮室が容積を縮小しながら冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒の圧力が所定の圧力よりも高くなったとき、吐出弁200が開いて圧縮室から冷媒が吐出される。吐出孔190から吐出された冷媒は、上端板カバー170Tに設けられた上端板カバー吐出孔172(図1参照)から圧縮機筐体10内に吐出される。
圧縮機筐体10内に吐出された冷媒は、ステータ111の外周に設けられた上下に連通する切欠き(図示せず)、またはステータ111のスロット113における導線40の巻線部分の隙間(図示せず)、又はステータ111とロータ112との隙間115(図1参照)を通ってモータ11の上方に導かれ、圧縮機筐体10の上部に配置された吐出部としての吐出管107から吐出される。
(ロータリ圧縮機の特徴的な構成)
次に、実施例のロータリ圧縮機1の特徴的な構成について説明する。図3は、実施例のロータリ圧縮機1のモータ11の絶縁フィルム20を示す縦断面図である。図4は、変形例の絶縁フィルム20を示す縦断面図である。
本実施例では、冷媒として、R32冷媒、またはR32冷媒を含む混合冷媒が用いられている。また、本実施例は、冷媒として、HFO1123冷媒、またはHFO1123冷媒を含む混合冷媒が用いられる構成に適用されてもよい。特にHFO1123冷媒は、不均化反応を生じやすい特性を有しており、不均化反応が生じた場合に発生する高温により、ロータリ圧縮機1の内部が更に高温になるので、絶縁フィルム20及びインシュレータ30に加水分解が生じやすい問題がある。
本実施例における絶縁部材としての絶縁フィルム20及びインシュレータ30は、ロータリ圧縮機1内に残存する水分による加水分解を抑えるために、基材(母材)の表面に、耐水性を有する改質層(改質膜)が形成されている。以下、絶縁フィルム20の構成の特徴について説明する。なお、実施例における絶縁フィルム20は、フィルム材に限定されるものではなく、シート材、いわゆる、絶縁成分を含浸した絶縁紙を含めて指している。また、インシュレータ30の構成の特徴についても、絶縁フィルム20の構成の特徴と同様であるので、インシュレータ30が有する改質層の説明を省略する。本実施例は、絶縁フィルム20及びインシュレータ30の両方が改質層を有しているが、絶縁フィルム20及びインシュレータ30のいずれか一方のみが改質層を有していてもよい。
図3に示すように、絶縁フィルム20は、エステル結合を有する第1の樹脂材P1によって形成された基材20Aを有しており、基材20Aの表面に、耐水性を有する改質層20Bが形成されている。第1の樹脂材P1としては、例えば、PET、PEN、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等が用いられる。
絶縁フィルム20の基材20Aは、結晶質と非結晶質とを有する。改質層20Bは、例えば延伸加工や加熱により基材20Aの表面を改質することで、基材20Aの表面積において非結晶質に対する結晶質の比率が50%以上に形成されている。言い換えると、改質層20Bは、基材20Aにおいて非結晶質に対する結晶質の比率を高めた表層部分を指している。非結晶質は、高温下においてガスが容易に通過する性質を有する。一方、結晶質は、気体を透過させにくい性質、すなわちガスバリア性に大きく寄与する。このため、改質層20Bは、結晶質の比率が50%以上に形成されることにより、基材20Aのガスバリア性を高めることで、ガスバリア性によって基材20Aの耐水性が高められる。つまり、改質層20Bによって、絶縁フィルム20の表面は、基材20Aへの水分の浸透を抑える性質が加えられている。
本実施例において、改質層20Bは、冷媒に晒される外側の表面に位置するように設けられており、改質層20Bによって基材20Aの加水分解が効果的に抑えられる。つまり、基材20Aが改質層20Bを有する絶縁フィルム20を用いる場合、絶縁フィルム20は、基材20Aにおける改質層20Bが、冷媒に晒される外側(ステータ111に巻かれる導線40に接する側)に位置するように所望の形状に折られている。なお、基材20Aが改質層20Bを有する絶縁フィルム20を用いる場合、改質層20Bが、冷媒に晒される外側に位置する構成が好ましいが、外側に位置する構成に限定されるものではなく、ステータ111に接する内側に配置されてもよく、導線40とステータ111との絶縁性を高める効果が得られる。
絶縁フィルム20の基材20Aの表面に改質層20Bを形成する方法としては、例えば、絶縁フィルム20の製造時に、基材20Aの表面に対して、例えば延伸量の増加、加熱温度の上昇等の製造条件を調整することで、基材20Aの表面における結晶質が所望の比率に改質される。また、改質層20Bは、フィルム状に製造された絶縁フィルム20の表面を加熱したり、表面に薬液を塗布したりすることで形成される。また、絶縁フィルム20は、所望の筒状に折り曲げて成形された後、表面に結晶質が形成されてもよく、成形性を維持しながら、耐水性を高めることができるので好ましい。
絶縁フィルム20の加熱方法としては、例えば、遠赤外線またはレーザ光の照射による加熱、プラズマによる加熱等が用いられる。また、PET等の絶縁フィルム20の製造工程と連続する加熱工程において、例えば、大気圧プラズマによって加熱されてもよく、改質層20Bを有する絶縁フィルム20を効率的に製造できる。
また、図4に示すように、変形例の絶縁フィルム20は、第1の樹脂材P1の上に、エステル結合を有していない第2の樹脂材P2を積層して形成された基材20Aを有する。基材20Aの表面(絶縁フィルム20の表面)には、すなわち第2の樹脂材P2の表面に、耐水性を有する改質層20Bが形成されている。つまり、エステル結合を有していない第2の樹脂材P2は、加水分解が生じにくい材料によって形成されている。第1の樹脂材P1に積層された第2の樹脂材P2は、接着剤を用いた貼り合わせや接合によって固定されている。
変形例によれば、第1の樹脂材P1に第2の樹脂材P2を積層し、加水分解が生じにくい第2の樹脂材P2の表面に、耐水性を有する改質層20Bが形成されることにより、改質層20Bによって第2の樹脂材P2の加水分解が更に抑えられる。したがって、絶縁フィルム20の耐水性を更に高めることが可能になる。
なお、例えば、絶縁フィルム20をステータ111に取り付ける場合、改質層20Bは、ステータ111のスロット113の内壁に接する側と、ステータ111に巻かれる導線40に接する側とのいずれに配置されてもよい。また、第1の樹脂材P1に第2の樹脂材P2が積層された絶縁フィルム20において、改質層20Bが第2の樹脂材P2の表面(第1の樹脂材P1側とは反対側の表面)に形成されること限定されず、改質層20Bが第1の樹脂材P1の表面(第2の樹脂材P2側とは反対側の表面)に形成されてもよい。
上述のように実施例のロータリ圧縮機1は、冷媒として、R32冷媒、R32冷媒を含む混合冷媒、HFO1123冷媒、HFO1123冷媒を含む混合冷媒のいずれかを用いている。ロータリ圧縮機1が有する絶縁フィルム20及びインシュレータ30は、エステル結合を有する第1の樹脂材P1によって形成された基材20A、または第1の樹脂材P1にエステル結合を有していない第2の樹脂材P2を積層して形成された基材20Aを有しており、基材20Aの表面に、耐水性を有する改質層20Bが形成されている。これにより、絶縁フィルム20及びインシュレータ30に加水分解が生じることを抑えることができる。その結果、ステータ111と導線40との絶縁性の低下を抑え、加水分解によって絶縁フィルム20やインシュレータ30から抜け出た樹脂成分が冷凍サイクル装置やロータリ圧縮機1の内部に堆積することが抑えられるので、ロータリ圧縮機1の動作信頼性を高めることができる。
また、実施例のロータリ圧縮機1は、特にHFO1123冷媒を用いる場合、HFO1123冷媒に不均化反応が生じやすいので、不均化反応に伴う高温により、加水分解が生じやすくなるので、改質層20Bによって、絶縁フィルム20及びインシュレータ30の加水分解を抑える効果が高い。また、実施例のロータリ圧縮機1は、加水分解を抑えるために、絶縁フィルム20やインシュレータ30として比較的高価なポリフェニレンサルファイド(PPS)や液晶ポリマー(LCP)を用いた場合に比べて、製造コストの増加を抑えることができる。
また、実施例のロータリ圧縮機1は、絶縁フィルム20及びインシュレータ30の基材20Aは、結晶質と非結晶質とを有し、改質層20Bは、基材20Aの表面積において非結晶質に対する結晶質の比率が50%以上である。これにより、基材20Aの表面のガスバリア性が高められるので、水分が基材20Aに浸透しにくくなり、耐水性を適正に得られ、絶縁フィルム20及びインシュレータ30の加水分解を抑えることができる。
また、実施例及び変形例は、例えば、エステル油、エーテル油、PAG(ポリアルキレングリコール)油等の吸湿性が比較的高い潤滑油18を用いる場合に、絶縁フィルム20及びインシュレータ30の加水分解が効果的に抑えられる。具体的には、R32冷媒を用いるロータリ圧縮機では、潤滑油18として例えば、エステル油、エーテル油等が用いられている。鉱油の飽和水分量が50ppm程度であるのに比べて、エステル油の飽和水分量は2000ppm程度であり、エーテル油の飽和水分量は5000ppm程度であり、潤滑油18に含まれる水分量が多い。したがって、実施例及び変形例によれば、飽和水分量が2000ppm以上の潤滑油18を使用する場合に、潤滑油18に含まれる水分によって絶縁フィルム20及びインシュレータ30に加水分解が生じることを効果的に抑えることができる。
なお、本実施例は、ロータリ圧縮機に適用されたが、ロータリ圧縮機に限定されるものではなく、例えば、スクロール圧縮機等に適用されてもよい。また、本実施例は、1シリンダ型のロータリ圧縮機1に適用されたが、1シリンダ型に限定するものではなく、2シリンダ型のロータリ圧縮機に適用されてもよい。
1 ロータリ圧縮機
10 圧縮機筐体
11 モータ
12 圧縮部
15 回転軸
20 絶縁フィルム(絶縁部材)
20A 基材
20B 改質層
P1 第1の樹脂材
P2 第2の樹脂材
30 インシュレータ(絶縁部材)
40 導線
105 吸入管(吸入部)
107 吐出管(吐出部)
111 ステータ
112 ロータ
113 スロット

Claims (4)

  1. 冷媒の吐出部及び冷媒の吸入部が設けられ密閉された圧縮機筐体と、前記圧縮機筐体内に配置され前記吸入部から吸入された冷媒を圧縮し前記吐出部から吐出する圧縮部と、前記圧縮機筐体内に配置され前記圧縮部を駆動するモータと、を有し、
    前記モータは、内側に配置されたロータと、外側に配置されたステータと、前記ステータに巻かれた導線と、前記導線と前記ステータとの間に配置された絶縁部材と、を有する圧縮機において、
    前記冷媒は、R32冷媒、R32冷媒を含む混合冷媒、HFO1123冷媒、HFO1123冷媒を含む混合冷媒のいずれかであり、
    前記絶縁部材は、エステル結合を有する第1の樹脂材によって形成された基材、または前記第1の樹脂材にエステル結合を有していない第2の樹脂材を積層して形成された基材を有し、前記基材の表面に、耐水性を有する改質層が形成されたことを特徴とする圧縮機。
  2. 前記絶縁部材の前記基材は、結晶質と非結晶質とを有し、
    前記改質層は、前記基材の表面積において前記非結晶質に対する前記結晶質の比率が50%以上である、
    請求項1に記載の圧縮機。
  3. 前記圧縮機筐体内には、潤滑油が設けられ、
    前記潤滑油の飽和水分量が2000ppm以上である、
    請求項1または2に記載の圧縮機。
  4. 前記ステータは、前記導線が巻かれるスロットを有し、
    前記絶縁部材は、前記導線と前記スロットの間に配置された絶縁フィルムである、
    請求項1ないし3のいずれか1項に記載の圧縮機。
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