JP2018117194A - 圧電薄膜共振器およびその製造方法、フィルタ並びにマルチプレクサ - Google Patents

圧電薄膜共振器およびその製造方法、フィルタ並びにマルチプレクサ Download PDF

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尚由 川原
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Abstract

【課題】積層膜にクラックが生じないように補強する圧電薄膜共振器を提供する。
【解決手段】基板10と、基板10上に空隙30を介し設けられた下部電極12と、下部電極12上に設けられた圧電膜14と、前記圧電膜14上に設けられた上部電極16と、基板10と下部電極12との間に、圧電膜14を挟み下部電極12と上部電極16とが対向する共振領域50および空隙30を囲みかつ空隙30に接するように設けられた環状膜28と、を具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電薄膜共振器およびその製造方法、フィルタ並びにマルチプレクサに関し、例えば基板と下部電極との間に空隙を有する圧電薄膜共振器およびその製造方法、フィルタ並びにマルチプレクサに関する。
圧電薄膜共振器を用いた弾性波デバイスは、例えば携帯電話等の無線機器のフィルタおよびデュプレクサとして用いられている。圧電薄膜共振器の1つであるFBAR(Film Bulk Acoustic Resonator)では、圧電膜を挟み下部電極と上部電極が対向する積層膜が基板上に空隙を介し設けられている。犠牲層を用い空隙を形成することで、空隙の形状をドーム状とすることが知られている(例えば特許文献1および2)。空隙以外の領域にキャビィティ形成膜を設けることで、空隙を形成することが知られている(例えば特許文献3)。積層膜を貫通する貫通孔を介し犠牲層を除去することが知られている(例えば特許文献4)。
特開2005−045694号公報 特開2005−347898号公報 特開2009−005143号公報 特開2003−318696号公報
基板上に空隙を介し積層膜を設けると、空隙の外周付近において、積層膜自身が積層膜を支持することになる。このため、特に空隙の外周付近において、積層膜にクラックが生じるなど積層膜が破損する可能性がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、積層膜を補強することを目的とする。
本発明は、基板と、前記基板上に空隙を介し設けられた下部電極と、前記下部電極上に設けられた圧電膜と、前記圧電膜上に設けられた上部電極と、前記基板と前記下部電極との間に、前記圧電膜を挟み前記下部電極と上部電極とが対向する共振領域および前記空隙を囲みかつ前記空隙に接するように設けられた環状膜と、を具備する圧電薄膜共振器である。
上記構成において、前記環状膜の外側の側面は、平面視において環状膜の下面端が上面端より外側に位置するように傾斜している構成とすることができる。
上記構成において、前記共振領域から前記下部電極が引き出される領域における平面視において、前記圧電膜の端面は前記環状膜に重なる構成とすることができる。
上記構成において、前記共振領域から前記下部電極が引き出される領域における平面視において、前記圧電膜の端面は前記空隙に重なる構成とすることができる。
上記構成において、前記下部電極、圧電膜および上部電極の少なくとも一部を貫通し前記空隙に繋がる貫通孔を有する構成とすることができる。
上記構成において、前記貫通孔は前記共振領域外に形成されている構成とすることができる。
上記構成において、少なくとも一か所の断面視において、前記空隙の両側の前記環状膜の幅は略等しい構成とすることができる。
本発明は、上記圧電薄膜共振器を含むフィルタである。
本発明は、上記フィルタを含むマルチプレクサである。
本発明は、基板の上面に犠牲層と前記犠牲層を囲みかつ前記犠牲層に接するように設けられた環状膜とを形成する工程と、前記犠牲層および前記環状膜上に、下部電極と前記下部電極上に設けられた圧電膜と前記圧電膜上に設けられた上部電極とを、前記環状膜が前記圧電膜を挟み前記下部電極と前記上部電極とが対向し平面視において前記犠牲層に含まれる共振領域および前記犠牲層を囲むように形成する工程と、前記犠牲層を除去することにより、前記基板と前記下部電極との間に前記環状膜に囲まれる空隙を形成する工程と、を含む圧電薄膜共振器の製造方法である。
本発明によれば、積層膜を補強することができる。
図1(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図1(b)および図1(c)は、それぞれ図1(a)のA−A断面図およびB−B断面図である。 図2(a)および図2(b)は、それぞれ図1(a)のA−A断面およびB−B断面の空隙付近の拡大図である。 図3(a)から図3(d)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面図(その1)である。 図4(a)および図4(b)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面図(その2)である。 図5(a)から図5(c)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す平面図である。 図6(a)から図6(c)は、実施例1の変形例1に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面図である。 図7(a)から図7(c)は、実施例1の変形例2に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面図である。 図8(a)および図8(b)は、実施例1の変形例3に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図9(a)および図9(b)は、比較例1に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図10(a)および図10(b)は、実施例1の変形例4および5に係る圧電薄膜共振器の断面図である。 図11(a)は、実施例2に係るフィルタの回路図、図11(b)は、実施例2の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。
以下、図面を参照し実施例について説明する。
図1(a)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の平面図、図1(b)および図1(c)は、それぞれ図1(a)のA−A断面図およびB−B断面図である。図1(a)では、環状膜28をクロスで示す。図1(a)から図1(c)に示すように、シリコン(Si)基板である基板10上に、下部電極12が設けられている。基板10の平坦主面と下部電極12との間に空隙30が形成されている。空隙30を囲むように環状膜28が設けられている。環状膜28は、例えば酸化シリコン(SiO)膜である。下部電極12は、例えば基板10側からCr(クロム)膜およびRu(ルテニウム)膜である。
下部電極12上に、(002)方向を主軸とする窒化アルミニウム(AlN)を主成分とする圧電膜14が設けられている。圧電膜14上に上部電極16が設けられている。上部電極16は、例えば圧電膜14側からRu膜およびCr膜である。下部電極12、圧電膜14および上部電極16は積層膜18を形成する。圧電膜14の少なくとも一部を挟み下部電極12と上部電極16とが対向する領域が共振領域50である。共振領域50は、厚み縦振動モードの弾性波が共振する領域である。共振領域50の外の下部電極12および圧電膜14に貫通孔35が設けられている。貫通孔35は空隙30に繋がっている。
基板10としては、Si基板以外に、サファイア基板、スピネル基板、アルミナ基板、石英基板、ガラス基板、セラミック基板またはGaAs基板等を用いることができる。下部電極12および上部電極16としては、RuおよびCr以外にもAl(アルミニウム)、Ti(チタン)、Cu(銅)、Mo(モリブデン)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Pt(白金)、Rh(ロジウム)またはIr(イリジウム)等の単層膜またはこれらの積層膜を用いることができる。
圧電膜14は、窒化アルミニウム以外にも、ZnO(酸化亜鉛)、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)、PbTiO3(チタン酸鉛)等を用いることができる。また、例えば、圧電膜14は、窒化アルミニウムを主成分とし、共振特性の向上または圧電性の向上のため他の元素を含んでもよい。例えば、添加元素として、Sc(スカンジウム)、2族の元素と4族の元素との2つの元素、または2族と5族との2つの元素を用いることにより、圧電膜14の圧電性が向上する。このため、圧電薄膜共振器の実効的電気機械結合係数を向上できる。2族の元素は、例えばCa(カルシウム)、Mg(マグネシウム)、Sr(ストロンチウム)またはZn(亜鉛)である。4族の元素は、例えばTi、Zr(ジルコニウム)またはHf(ハフニウム)である。5族の元素は、例えばTa、Nb(ニオブ)またはV(バナジウム)である。さらに、圧電膜14は、窒化アルミニウムを主成分とし、B(ボロン)を含んでもよい。
環状膜28は、酸化シリコン膜以外にも窒化シリコン膜または窒化酸化シリコン膜等の絶縁膜を用いることができる。
図2(a)および図2(b)は、それぞれ図1(a)のA−A断面およびB−B断面の空隙付近の拡大図である。図2(a)に示すように、共振領域50から下部電極12が引き出される領域が引き出し領域52であり、共振領域50から上部電極16が引き出される領域が引き出し領域54である。空隙30の両側(領域52および54)に環状膜28が設けられている。環状膜28は外側の側面の下端が上端より外側に位置するように傾斜している。環状膜28の内側の側面は基板10の上面にほぼ垂直である。空隙30の上面と環状膜28の上面は連続している。空隙30の上面はほぼ平面である。
下部電極12は、引き出し領域52側の環状膜28の外側面および上面上を通り共振領域50から引き出し領域52に引き出されている。引き出し領域54側では下部電極12の先端と環状膜28との間が離間している。環状膜28の外側面が傾斜していることにより、環状膜28の外端から圧電膜14および/または下部電極12にクラック等が形成されることを抑制できる。環状膜28を挟む、基板10の上面と環状膜28の外側面とのなす角度θ1は60°以下が好ましい。下部電極12の端面も環状膜28同様に傾斜している。引き出し領域52側の環状膜28の幅W1と引き出し領域54側の環状膜28の幅W2は、略同じである。
図2(b)に示すように、共振領域50の外側に貫通孔35が設けられている。環状膜28は、貫通孔35の外側に設けられている。図2(a)と同様に、環状膜28の外側面は傾斜し、内側面は垂直である。両側とも環状膜28の外側面および上面上に下部電極12が設けられている。両側の環状膜28の幅W3は略同じである。幅W1、W2およびW3は略同じである。
図2(a)および図2(b)において、例えば、空隙30の上面は平坦であり空隙30の高さH1と環状膜28の高さH2が略等しい。空隙30の高さH1は、例えば60nmから3μmである。角度θ1が30°から45°程度とすると、幅W1からW3は、60nmから5μmである。
図3(a)から図4(b)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面図、図5(a)から図5(c)は、実施例1に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す平面図である。図3(a)、図3(c)および図4(a)は、それぞれ図5(a)から図5(c)のA−A断面図に相当する。図5(c)では、犠牲層38、環状膜28および貫通孔35を図示している。
図3(a)および図5(a)の示すように、平坦主面を有する基板10上に犠牲層38を、例えばスパッタリング法、真空蒸着法またはCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用い成膜する。犠牲層38の膜厚は、例えば10nmから3μmであり、酸化マグネシウム(MgO)、酸化亜鉛、ゲルマニウム(Ge)または酸化シリコン(SiO)等のエッチング液またはエッチングガスに容易に溶解できる材料から選択される。犠牲層38を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。
図3(b)に示すように、基板10上に犠牲層38を覆うように絶縁膜27を、例えば、スパッタリング法またはCVD法を用い成膜する。絶縁膜27の膜厚は、犠牲層38の膜厚より大きくする。絶縁膜27は、犠牲層38とは異なる材料を用いる。
図3(c)および図5(b)に示すように、絶縁膜27をエッチバックする。絶縁膜27により、犠牲層38の外周に環状膜28が形成される。絶縁膜27のエッチバックにはドライエッチング法またはウェットエッチング法を用いる。犠牲層38の側壁に環状膜28を残存させるため異方性の高いエッチングが好ましい。この観点からドライエッチング法を用いることが好ましい。絶縁膜27のエッチングレートが犠牲層38のエッチングレートより速いエッチングが好ましい。
図3(d)に示すように、環状膜28および基板10上に下部電極12を、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。下部電極12を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。下部電極12は、リフトオフ法により形成してもよい。下部電極12上に圧電膜14を、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。圧電膜14上に上部電極16を、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法を用い成膜する。上部電極16を、フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。上部電極16は、リフトオフ法により形成してもよい。
図4(a)および図5(c)に示すように、圧電膜14をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用い所望の形状にパターニングする。このとき、圧電膜14および下部電極12を貫通する貫通孔35が形成される。貫通孔35は犠牲層38に接している。
図4(b)に示すように、貫通孔35を介し、犠牲層38のエッチング液を下部電極12の下の犠牲層38に導入する。犠牲層38をエッチングする媒体としては、犠牲層38以外の共振器および環状膜28を構成する材料をエッチングしない媒体であることが好ましい。犠牲層38が除去されると、下部電極12と基板10との間に空隙30が形成される。積層膜18が圧縮応力の場合、空隙30の中央が端より膨れる。積層膜18の内部応力が小さい場合、空隙30の上面はほぼ平坦となる。積層膜18が引っ張り応力の場合、空隙30の中央が端より凹む。空隙30の中央において積層膜18の下面が基板10に接しないように積層膜18の内部応力を設定することが好ましい。以上により、実施例1に係る圧電薄膜共振器が製造される。
実施例1によれば、基板10と下部電極12との間に、共振領域50および空隙30を囲みかつ空隙30に接するように環状膜28が設けられている。これにより、環状膜28が空隙30の外周付近において積層膜18を支持する。よって、積層膜18にクラックが生じるなど積層膜18が破損することを抑制できる。なお、環状膜28は空隙30を囲む一部がカットされていてもよい。
特許文献1では、ドーム状の空隙を形成するために、積層膜18を圧縮応力とすることになる。これにより、積層膜18の成膜条件に制限ができ、最適化のための成膜条件の最適化が制限される。また、積層膜18の圧縮応力の大きさにより空隙30の形状が変わる。積層膜18の圧縮応力はばらつきやすい。このため、空隙形状がばらついてしまう。例えば、圧縮応力が小さくなると、空隙が形成されない恐れがある。実施例1では、積層膜18の内部応力によらず空隙を形成できる。
特許文献2では、図4(a)、図6(a)および図7(b)に、空隙に接する絶縁膜が設けられている。この絶縁膜は0050段落に記載されているように空隙を形成するための犠牲層が完全に除去されず残存したものである。このため、貫通孔から遠い空隙の外周には絶縁膜が残存するものの、貫通孔に近い空隙の外周には絶縁膜が残存していないと考えられる。よって、特許文献2では、実施例1のような環状の環状膜28は設けられていない。また、残存している絶縁膜の幅も不均一である。環状に絶縁膜が設けられていないため、特許文献2の絶縁膜には積層膜を補強する機能はほとんどない。
特許文献3では、空隙以外の全ての領域にキャビティ形成膜を設ける。このため、共振領域以外の領域の設計自由度が低下する。実施例1では、環状に環状膜28を設けるため、共振領域以外の領域の設計自由度を向上できる。
さらに、実施例1によれば、図2(a)および図2(b)のように、環状膜28の外側の側面は、平面視において環状膜28の下面端が上面端より外側に位置するように傾斜している。これにより、下部電極12および/または圧電膜14にクラック等は形成されることを抑制できる。
貫通孔35は、下部電極12、圧電膜14および上部電極16の少なくとも一部を貫通し空隙30に繋がっている。これにより、貫通孔35を介し犠牲層38を除去することで、空隙30を形成することができる。
貫通孔35は共振領域50外に形成されている。これにより、共振特性への影響が小さく貫通孔35を設けることができる。また、特許文献2のように犠牲層が残存して絶縁膜となったとすると、絶縁膜は貫通孔35から遠い空隙30の端のみ絶縁膜が形成される。よって、実施例1のような環状膜28は形成できない。
さらに、図2(a)および図2(b)のように、少なくとも一か所の断面視において、空隙30の両側の環状膜28の幅は略等しい。これにより、環状膜28は、対称に積層膜18を支持できる。環状膜28の幅は、空隙30を囲む全周においてほぼ同じであることが好ましい。
実施例1の製造方法によれば、図3(b)および図5(b)のように、基板10の上面に犠牲層38と環状膜28とを形成する。図3(d)のように、犠牲層38および環状膜28上に、下部電極12、圧電膜14および上部電極16を形成する。図4(b)のように、犠牲層38を除去することにより、基板10と下部電極12との間に環状膜28に囲まれる空隙30を形成する。これにより、環状膜28を形成できる。
[実施例1の変形例1]
図6(a)から図6(c)は、実施例1の変形例1に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面図である。図6(a)に示すように、基板10上に逆テーパー状の犠牲層38を形成する。すなわち、犠牲層38の側面は、犠牲層38の上面が下面より大きくなるように傾斜している。図6(b)に示すように、実施例1と同様に、犠牲層38の側面に環状膜28を形成する。図6(c)に示すように、実施例1と同様に犠牲層38上に積層膜18を形成し、犠牲層38を除去することで空隙30を形成する。その他の製造方法は実施例1と同じであり説明を省略する。
[実施例1の変形例2]
図7(a)から図7(c)は、実施例1の変形例2に係る圧電薄膜共振器の製造方法を示す断面図である。図7(a)に示すように、基板10上に順テーパー状の犠牲層38を形成する。すなわち、犠牲層38の側面は、犠牲層38の上面が下面より小さくなるように傾斜している。図7(b)に示すように、実施例1と同様に、犠牲層38の側面に環状膜28を形成する。図7(c)に示すように、実施例1と同様に犠牲層38上に積層膜18を形成し、犠牲層38を除去することで空隙30を形成する。その他の製造方法は実施例1と同じであり説明を省略する。
実施例1の変形例1および2のように、環状膜28の内側面は基板10に対し傾斜していてもよい。
[実施例1の変形例3]
図8(a)および図8(b)は、実施例1の変形例3に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図8(a)および図8(b)は、それぞれ引き出し領域52側および引き出し領域54側の共振領域50の端部付近の断面図である。図8(a)に示すように、共振領域50の外周は環状膜28の内側面に略一致している。共振領域50の外側の圧電膜14は除去されている。共振領域50における積層膜18を覆うように保護膜24が設けられている。保護膜24は、例えば酸化シリコン膜または窒化シリコン膜等の絶縁膜であり、積層膜18を保護するため、共振領域50の外側まで延伸している。下部電極12上に配線20が設けられている。配線20は、金層または銅層等の金属層である。
図8(b)に示すように、共振領域50における積層膜18を覆うように保護膜24が設けられている。配線22が上部電極16上に設けられている。その他の構成は実施例1と同じであり説明を省略する。
[比較例1]
図9(a)および図9(b)は、比較例1に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図9(a)および図9(b)は、それぞれ引き出し領域52側および引き出し領域54側の共振領域50の端部付近の断面図である。図9(a)および図9(b)に示すように、環状膜28が設けられていない。空隙30はドーム形状を有している。その他の構成は実施例1の変形例3と同じであり説明を省略する。
図9(a)に示すように、共振領域50の外側において圧電膜14が除去されている。これにより、共振領域50内の圧電膜14内を横方向に伝搬する弾性波が圧電膜14を介し共振領域50の外に漏れることを抑制できる。よって、圧電薄膜共振器の損失を抑制しQ値を向上できる。
しかし、共振領域50の外側の領域56では、下部電極12のみが積層膜18を支持する。例えば保護膜24を延伸させたとしても、下部電極12と保護膜24のみが積層膜18を支持する。これにより、支持強度が弱く、例えば下部電極12が破損する可能性がある。例えば配線20を延伸することも考えられるが、配線20が積層膜18に近づくと上部電極16との電気的な干渉が起こりうる。
そこで、図8(a)のように、領域56における下部電極12と基板10との間に環状膜28を設ける。これにより、環状膜28が積層膜18を支持する。このため、支持強度を強くでき、下部電極12の破損を抑制できる。
[実施例1の変形例4および5]
図10(a)および図10(b)は、実施例1の変形例4および5に係る圧電薄膜共振器の断面図である。図10(a)に示すように、領域58のように平面視において環状膜28は共振領域50から離間している。その他の構成は実施例1の変形例3と同じであり説明を省略する。図10(b)に示すように、領域59のように平面視において環状膜28と共振領域50とは一部重なっている。その他の構成は実施例1の変形例3と同じであり説明を省略する。
実施例1の変形例3では、図8(a)のように平面視において共振領域50が空隙30と重なっている。これにより、積層膜18の厚み縦振動モードの弾性波が環状膜28により規制されない。また、環状膜28の内側面と共振領域50の外周が略一致している。これにより、積層膜18を下部電極12および保護膜24のみで支持する領域がなく、積層膜18の支持強度を高めることができる。
実施例1の変形例3では、積層膜18の弾性波は環状膜28に多少規制される。一方、実施例1の変形例4では、図10(a)のように引き出し領域52における平面視において、圧電膜14の端面は空隙30に重なる。これにより、積層膜18の弾性波は環状膜28により規制されず、共振特性をより向上できる。
実施例1の変形例3では、共振領域50の外周と環状膜28の内側面の一致する箇所において下部電極12と保護膜24に応力が加わり破損しやすい。一方、実施例1の変形例5では、図10(b)のように引き出し領域52における平面視において、圧電膜14の端面は環状膜28に重なる。これにより、積層膜18の支持強度をより高めることができる。
実施例2は、実施例1およびその変形例の圧電薄膜共振器を用いたフィルタおよびマルチプレクサの例である。図11(a)は、実施例2に係るフィルタの回路図である。図11(a)に示すように、入力端子T1と出力端子T2との間に、1または複数の直列共振器S1からS4が直列に接続されている。入力端子T1と出力端子T2との間に、1または複数の並列共振器P1からP4が並列に接続されている。1または複数の直列共振器S1からS4および1または複数の並列共振器P1からP4の少なくとも1つに実施例1およびその変形例の圧電薄膜共振器を用いることができる。ラダー型フィルタの共振器の個数等は適宜設定できる。
図11(b)は、実施例2の変形例1に係るデュプレクサの回路図である。図11(b)に示すように、共通端子Antと送信端子Txとの間に送信フィルタ40が接続されている。共通端子Antと受信端子Rxとの間に受信フィルタ42が接続されている。送信フィルタ40は、送信端子Txから入力された信号のうち送信帯域の信号を送信信号として共通端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ42は、共通端子Antから入力された信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。
実施例2の変形例1によれば、送信フィルタ40および受信フィルタ42の少なくとも一方を実施例2のフィルタとする。または、送信フィルタ40および受信フィルタ42の少なくとも一方を実施例1およびその変形例の圧電薄膜共振器を含むフィルタとする。マルチプレクサの例としてデュプレクサを説明したが、マルチプレクサは、トライプレクサまたはクワッドプレクサでもよい。
実施例2およびその変形例1によれば、積層膜18が補強された圧電薄膜共振器を用いたフィルタおよびマルチプレクサを提供できる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 基板
12 下部電極
14 圧電膜
16 上部電極
18 積層膜
28 環状膜
30 空隙
35 貫通孔
38 犠牲層
50 共振領域
52、54 引き出し領域

Claims (10)

  1. 基板と、
    前記基板上に空隙を介し設けられた下部電極と、
    前記下部電極上に設けられた圧電膜と、
    前記圧電膜上に設けられた上部電極と、
    前記基板と前記下部電極との間に、前記圧電膜を挟み前記下部電極と上部電極とが対向する共振領域および前記空隙を囲みかつ前記空隙に接するように設けられた環状膜と、
    を具備する圧電薄膜共振器。
  2. 前記環状膜の外側の側面は、平面視において環状膜の下面端が上面端より外側に位置するように傾斜している請求項1記載の圧電薄膜共振器。
  3. 前記共振領域から前記下部電極が引き出される領域における平面視において、前記圧電膜の端面は前記環状膜に重なる請求項1または2記載の圧電薄膜共振器。
  4. 前記共振領域から前記下部電極が引き出される領域における平面視において、前記圧電膜の端面は前記空隙に重なる請求項1または2記載の圧電薄膜共振器。
  5. 前記下部電極、圧電膜および上部電極の少なくとも一部を貫通し前記空隙に繋がる貫通孔を有する請求項1から4のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器。
  6. 前記貫通孔は前記共振領域外に形成されている請求項5記載の圧電薄膜共振器。
  7. 少なくとも一か所の断面視において、前記空隙の両側の前記環状膜の幅は略等しい請求項1から6のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器。
  8. 請求項1から7のいずれか一項記載の圧電薄膜共振器を含むフィルタ。
  9. 請求項8記載のフィルタを含むマルチプレクサ。
  10. 基板の上面に犠牲層と前記犠牲層を囲みかつ前記犠牲層に接するように設けられた環状膜とを形成する工程と、
    前記犠牲層および前記環状膜上に、下部電極と前記下部電極上に設けられた圧電膜と前記圧電膜上に設けられた上部電極とを、前記環状膜が前記圧電膜を挟み前記下部電極と前記上部電極とが対向し平面視において前記犠牲層に含まれる共振領域および前記犠牲層を囲むように形成する工程と、
    前記犠牲層を除去することにより、前記基板と前記下部電極との間に前記環状膜に囲まれる空隙を形成する工程と、
    を含む圧電薄膜共振器の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022507456A (ja) * 2018-12-29 2022-01-18 中芯集成電路(寧波)有限公司上海分公司 結晶共振器と制御回路との集積構造及びその集積方法

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