JP2018115935A - レーダ装置および移動物位置検出方法 - Google Patents

レーダ装置および移動物位置検出方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2018115935A
JP2018115935A JP2017006230A JP2017006230A JP2018115935A JP 2018115935 A JP2018115935 A JP 2018115935A JP 2017006230 A JP2017006230 A JP 2017006230A JP 2017006230 A JP2017006230 A JP 2017006230A JP 2018115935 A JP2018115935 A JP 2018115935A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stationary object
lateral
vehicle
host vehicle
unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017006230A
Other languages
English (en)
Inventor
伸也 青木
Shinya Aoki
伸也 青木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Ten Ltd
Original Assignee
Denso Ten Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Ten Ltd filed Critical Denso Ten Ltd
Priority to JP2017006230A priority Critical patent/JP2018115935A/ja
Publication of JP2018115935A publication Critical patent/JP2018115935A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Traffic Control Systems (AREA)
  • Radar Systems Or Details Thereof (AREA)

Abstract

【課題】移動物の相対横位置を自車両が走行している経路の状態に応じて精度よく検出することができるレーダ装置および移動物位置検出方法を提供する。【解決手段】実施形態に係るレーダ装置は、検知部と、抽出部と、横位置算出部とを備える。検知部は、自車両の進行方向側に存在する静止物および移動物を検知する。抽出部は、検知部によって検知された静止物の中から、自車両の進行方向に沿って自車両の側方側に存在する側方静止物を抽出する。横位置算出部は、抽出部によって抽出された側方静止物と移動物の縦方向の位置とに基づき、自車両の位置に対する移動物の幅方向の位置を示す相対横位置を算出する。【選択図】図1

Description

本発明は、レーダ装置および移動物位置検出方法に関する。
従来、例えば自車両の進行方向へ向けて送信波を送信し、静止物や移動物を含む物標からの反射波を受信することで、自車両の進行方向に存在する静止物および移動物を検知するレーダ装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、上記したレーダ装置にあっては、移動物が例えば先行車両である場合、自車両から先行車両までの距離および方位角度に基づいて、自車両の位置に対する先行車両の幅方向の位置を示す相対横位置を検出している。
特開2006−275748号公報
しかしながら、上記したレーダ装置においては、自車両が走行している経路の状態によっては先行車両の相対横位置を精度よく検出することが難しかった。
すなわち、例えば自車両において、先行車両が自車両と同一車線にいるか否かの判定処理を行うことがある。そして、例えば先行車両がカーブ路を走行しているのに対し、自車両がカーブ路に進入した直後、またはまだ進入していない場合、先行車両の相対横位置は先行車両がカーブに進入する前と比べて大きくなる。そのため、判定処理において、先行車両は自車両と同一車線にいるにも関わらず、相対横位置が大きくなることで、先行車両が隣接車線にレーンチェンジして同一車線ではなくなったと誤って判定するおそれがあった。
このように、従来技術には、先行車両たる移動物の相対横位置を、自車両が走行している経路の状態に応じて精度よく検出するという点で改善の余地があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、移動物の相対横位置を自車両が走行している経路の状態に応じて精度よく検出することができるレーダ装置および移動物位置検出方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、レーダ装置において、検知部と、抽出部と、横位置算出部とを備える。検知部は、自車両の進行方向側に存在する静止物および移動物を検知する。抽出部は、前記検知部によって検知された前記静止物の中から、前記自車両の進行方向に沿って前記自車両の側方側に存在する側方静止物を抽出する。横位置算出部は、前記抽出部によって抽出された前記側方静止物と前記移動物の縦方向の位置とに基づき、前記自車両の位置に対する前記移動物の幅方向の位置を示す相対横位置を算出する。
本発明によれば、移動物の相対横位置を自車両が走行している経路の状態に応じて精度よく検出することができる。
図1は、実施形態に係る移動物位置検出方法の説明図である。 図2は、実施形態に係るレーダ装置のブロック図である。 図3Aは、実施形態に係る信号処理装置の前段処理から信号処理装置におけるピーク抽出処理までの処理説明図である。 図3Bは、実施形態に係る信号処理装置の前段処理から信号処理装置におけるピーク抽出処理までの処理説明図である。 図3Cは、実施形態に係る信号処理装置の前段処理から信号処理装置におけるピーク抽出処理までの処理説明図である。 図4Aは、実施形態に係る方位演算処理の処理説明図である。 図4Bは、実施形態に係るペアリング処理の処理説明図(その1)である。 図4Cは、実施形態に係るペアリング処理の処理説明図(その2)である。 図5は、実施形態に係る先行車両横位置処理部のブロック図である。 図6は、実施形態に係る横位置処理部の動作説明図である。 図7Aは、実施形態に係る横位置処理部の動作説明図である。 図7Bは、実施形態に係る横位置処理部の動作説明図である。 図8は、実施形態に係る横位置処理部の動作説明図である。 図9は、実施形態に係る横位置処理部の動作説明図である。 図10は、実施形態に係るレーダ装置のデータ処理部が実行するメイン処理を示すフローチャートである。 図11は、実施形態に係るメイン処理中の先行車両横位置算出処理を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照して、本願の開示するレーダ装置および移動物位置検出方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
<1.移動物横位置検出方法の概要>
以下ではまず、実施形態に係るレーダ装置において行われる、移動物横位置検出方法の概要について図1を参照して説明する。図1は、実施形態に係る移動物位置検出方法の説明図である。
図1に示す例では、自車両Cおよび先行車両Caが走行する経路がカーブ路Rである場合について説明する。詳しくは、図1では、先行車両Caはカーブ路Rを走行して旋回中であるのに対し、自車両Cはカーブ路Rに進入した直後で旋回を開始した状態であることを示している。また、以下では、自車両Cの進行方向を「縦方向」と記載し、自車両Cの進行方向と交差する方向を「幅方向」または「左右方向」と記載することがある。
図1に示すように、レーダ装置1は、自車両Cに搭載される。レーダ装置1は、自車両Cのフロントグリルの中央に設けられるが、これに限定されるものではなく、例えば自車両Cの後部、側面、ルームミラー等、任意の位置であってもよい。
レーダ装置1は、自車両Cの進行方向へ向けて送信波を送信し、静止物や移動物を含む物標(図1で模式的に黒丸で示す)からの反射波を受信することで、自車両Cの進行方向に存在する静止物および移動物を検知する。
また、レーダ装置1にあっては、移動物が先行車両Caである場合、自車両Cから先行車両Caまでの距離Lおよび方位角度θに基づいて、自車両Cの位置に対する先行車両Caの幅方向の位置を示す「相対横位置」を検出している。なお、図1に示す先行車両Caの相対横位置Xaは、L・sinθにより求めることができる。
ところで、自車両Cには、図示しない車両制御装置が搭載され、かかる車両制御装置は、先行車両Caの相対横位置に基づいて自車両Cの制御を行うことができる。例えば、車両制御装置は、先行車両Caの相対横位置に基づき、先行車両Caが自車両Cと同一車線にいるか否かを判定し、相対横位置が所定の値以下で同一車線にいると判定された場合に、所定の車間距離を保ちながら自車両Cを先行車両Caに追従させる、所謂ACC(Adaptive Cruise Control)を行うことができる。
しかしながら、図1に示すように、自車両Cと先行車両Caとで走行している経路の状態が異なる場合、ACCを適正に行うことができないおそれがあった。詳しくは、例えば先行車両Caの走行経路が比較的小さな半径の急なカーブ路Rであるのに対し、自車両Cはカーブ路Rの入口にいるため、自車両Cの走行経路が比較的大きな半径の緩やかなカーブ路Rとなる場合がある。なお、図1では、自車両Cが現在の舵角のままで走行したと仮定したときの走行経路Aを想像線で示している。
レーダ装置1は、通常、自車両Cの位置を基準として先行車両Caの相対横位置Xaを算出している。そのため、図1のように自車両Cと先行車両Caとで走行経路の状態が異なると、相対横位置Xaが比較的大きくなり易い。これにより、車両制御装置にあっては、先行車両Caが自車両Cと同一車線にいるにも関わらず、隣接車線にレーンチェンジして同一車線ではなくなったと誤って判定するおそれがあり、結果としてACCを継続できずに中止してしまうことがあった。
そこで、本実施形態に係るレーダ装置1にあっては、例えば走行経路におけるカーブ半径が相違するなど、自車両Cと先行車両Caとで走行経路の状態が異なる場合であっても、先行車両Caの相対横位置を精度よく検出することができる構成とした。
以下、かかる構成について説明すると、レーダ装置1はまず、自車両Cの進行方向側に存在する静止物および移動物を検知する(ステップS1)。図1に示す例では、静止物P0〜P5が検知され、移動物として先行車両Caが検知されたものとする。なお、ここでは、静止物P0〜P4は、カーブ路Rに沿って設けられたポールやガードレール、壁などカーブ路Rの形状を示すものであり、静止物P5は、カーブ路Rの形状とは直接関係しない看板や信号機などであるものとする。
続いて、レーダ装置1は、検知された静止物P0〜P5の中から、自車両Cの進行方向に沿って自車両Cの側方側に存在する側方静止物(ここでは静止物P0〜P4)を抽出する(ステップS2)。
上記した「側方静止物」は、例えば自車両Cの現在の走行経路とは異なるカーブ半径の走行経路が自車両Cの進行方向側にある場合、カーブ半径の異なる走行経路を自車両Cが走行したときに側方側に存在する静止物であるともいえる。なお、かかる側方静止物P0〜P4の抽出については、図6〜7Bを用いて後に詳しく説明する。
次に、レーダ装置1は、抽出された側方静止物P0〜P4に基づいて先行車両Caの相対横位置を算出する(ステップS3)。具体的には、レーダ装置1は、抽出された側方静止物P0〜P4に基づく2次曲線近似により、走行経路の形状に相当する予測経路Rxを算出する。そして、レーダ装置1は、先行車両Caの縦方向の位置Lpと同一の位置となる予測経路Rx上の位置(以下「静止物基準位置Bp」という場合がある)を設定する。
そして、レーダ装置1は、静止物基準位置Bpから先行車両Caまでの幅方向の距離を、先行車両Caの相対横位置Xとして算出する。なお、相対横位置Xの算出については、図8,9を用いて後述する。
すなわち、先行車両Caの相対横位置は、通常、自車両Cの位置を基準として算出されるが、本実施形態では、例えば自車両Cと先行車両Caとで走行経路の状態が異なる場合、先行車両Caの縦方向の位置(以下「縦位置」という場合がある)Lpと同一の縦位置である静止物基準位置Bpの位置に基づいて算出されるようにした。
静止物基準位置Bpに基づいて算出される先行車両Caの相対横位置Xは、自車両Cの位置を基準として算出された相対横位置Xaよりも短くなる。このように、自車両Cと走行経路の状態が異なり、また自車両Cと同一車線を走行する先行車両Caにおいては、自車両Cの位置を基準とするよりも、静止物基準位置Bpを基準とした方が、正確な相対横位置を算出することができる。
これにより、例えば車両制御装置にあっては、自車両Cと先行車両Caとで走行経路の状態が異なる場合であっても、先行車両Caが自車両Cと同一車線にいると判定することが可能となり、結果としてACCを適正に行うことができる。
このように、本実施形態にあっては、先行車両Caの相対横位置を自車両Cや先行車両Caが走行している経路の状態に応じて精度よく検出することができる。
<2.レーダ装置の具体的構成>
次に、図2を参照し、実施形態に係るレーダ装置1の構成について説明する。図2は、実施形態に係るレーダ装置1のブロック図である。なお、図2では、本実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを機能ブロックで表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
換言すれば、図2に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各機能ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
図2に示すように、レーダ装置1は、送信系を構成する構成要素として、送信部2と、送信アンテナ4とを備える。送信部2は、信号生成部21と、発振器22とを備える。
また、レーダ装置1は、受信系を構成する構成要素として、受信アンテナ5−1〜5−nと、受信部6−1〜6−nとを備える。受信部6−1〜6−nはそれぞれ、ミキサ61と、A/D変換部62とを備える。また、レーダ装置1は、信号処理系を構成する構成要素として、信号処理装置7を備える。
なお、以下では、説明の簡略化のため、単に「受信アンテナ5」と記載した場合には、受信アンテナ5−1〜5−nを総称するものとする。かかる点は、「受信部6」についても同様とする。
送信部2は、例えばFM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式を用いて、送信信号を生成する処理を行う。信号生成部21は、後述する信号処理装置7が備える送受信制御部71の制御により、三角波で周波数変調されたミリ波を送信するための変調信号を生成する。発振器22は、かかる信号生成部21によって生成された変調信号に基づいて送信信号を生成する。
送信アンテナ4は、発振器22によって生成された送信信号を、自車両Cの前方へ送信波として送出する。なお、図2に示すように、発振器22によって生成された送信信号は、後述するミキサ61に対しても分配される。
受信アンテナ5は、送信アンテナ4から送出された送信波が物標において反射することで、かかる物標から到来する反射波を受信信号として受信する。受信部6のそれぞれは、受信した各受信信号を信号処理装置7へ渡すまでの前段処理を行う。
具体的には、ミキサ61のそれぞれは、上述のように分配された送信信号と、受信アンテナ5のそれぞれにおいて受信された受信信号とを混合してビート信号を生成する。なお、受信アンテナ5とミキサ61との間にはそれぞれ対応する増幅器を配してもよい。
A/D変換部62は、ミキサ61において生成されたビート信号をデジタル変換し、信号処理装置7に対して出力する。信号処理装置7は、送受信制御部71と、FFT(Fast Fourier Transform)部72と、データ処理部73と、記憶部74とを備える。
データ処理部73は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、入出力ポートなどを有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。
データ処理部73は、ピーク抽出部73a、方位演算部73b、ペアリング部73c、連続性判定部73d、フィルタ処理部73e、物標分類部73f、先行車両横位置処理部73g、不要物標判定部73h、結合処理部73i、および出力物標選択部73jを備える。
データ処理部73が備える各処理部は、それぞれ一部または全部がASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアで構成されてもよい。
記憶部74は、ハードディスクドライブや不揮発性メモリ、レジスタといった記憶デバイスであって、自車線情報74aを記憶する。
自車線情報74aは、例えば自車両Cの舵角に対応する自車線Aの形状等を示す情報であり、詳しくは自車両Cの舵角に応じて算出される自車線Aの領域A1(図6参照)を示す情報等が含まれる。
送受信制御部71は、上述の信号生成部21を含む送信部2を制御する。また、図示していないが、受信部6それぞれの制御もあわせて行う。FFT部72は、各A/D変換部62から入力したビート信号に対して高速フーリエ変換を施して、データ処理部73のピーク抽出部73aへ出力する。
ピーク抽出部73aは、FFT部72による高速フーリエ変換結果においてピークとなるピーク周波数を抽出して方位演算部73bへ出力する。なお、ピーク抽出部73aは、後述するビート信号の「UP区間」および「DN区間」のそれぞれについてピーク周波数を抽出する。
方位演算部73bは、ピーク抽出部73aにおいて抽出されたピーク周波数のそれぞれに対応する反射波の到来角度とその信号強度(受信レベル)を算出する。この時点で、到来角度は、位相折り返しされた場合を含み、物標が存在すると推定される角度であることから、以下、「推定角度」と記載する。また、方位演算部73bは、算出した推定角度と受信レベルとを、ペアリング部73cへ出力する。
ペアリング部73cは、方位演算部73bの算出結果に基づいて「UP区間」および「DN区間」それぞれのピーク周波数の正しい組み合わせを判定し、組み合わせ結果から各物標の距離および相対速度を算出する。また、ペアリング部73cは、各物標の推定角度、距離および相対速度を含む情報を、連続性判定部73dへ出力する。
ここで、信号処理装置7におけるここまでの一連の処理の流れについて、図3A、図3B、図3C、図4A、図4B、および図4Cを用いて説明する。図3A、図3B、および図3Cは、実施形態に係る信号処理装置7の前段処理から信号処理装置7におけるピーク抽出処理までの処理説明図である。
また、図4Aは、実施形態に係る方位演算処理の処理説明図である。また、図4Bは、実施形態に係るペアリング処理の処理説明図(その1)である。また、図4Cは、実施形態に係るペアリング処理の処理説明図(その2)である。
図3Aに示すように、送信信号fs(t)は、送信アンテナ4から送信波として送出された後、物標において反射されて反射波として到来し、受信アンテナ5において受信信号fr(t)として受信される。
このとき、図3Aに示すように、受信信号fr(t)は、自車両Cと物標との距離に応じて、送信信号fs(t)に対して時間差τだけ遅延している。この時間差τと、自車両Cおよび物標の相対速度に基づくドップラー効果とにより、受信信号fr(t)と送信信号fs(t)とが混合されて得られる出力信号においては、周波数が上昇する「UP区間」の周波数fupと、周波数が下降する「DN区間」の周波数fdnとが繰り返されるビート信号が得られる。
図3Bには、「UP区間」側について、かかるビート信号をFFT部72において高速フーリエ変換した結果を模式的に示している。また、図3Cには、「DN区間」側について、かかるビート信号をFFT部72において高速フーリエ変換した結果を模式的に示している。
図3Bおよび図3Cに示すように、高速フーリエ変換後には、「UP区間」側および「DN区間」側のそれぞれの周波数領域における波形が得られる。ピーク抽出部73aは、かかる波形において信号強度が最大の極大値(ピーク)となるピーク周波数を抽出する。
たとえば、図3Bに示した例の場合、ピーク抽出閾値が用いられ、「UP区間」側において、ピークPu1〜Pu3がそれぞれピークとして判定され、ピーク周波数fu1〜fu3がそれぞれ抽出される。
また、図3Cに示すように、「DN区間」側においては、同じくピーク抽出閾値により、ピークPd1,Pd2,Pd3がそれぞれピークとして判定され、ピーク周波数fd1,fd2,fd3がそれぞれ抽出される。
ここで、ピーク抽出部73aが抽出した各ピーク周波数の周波数成分には、複数の物標からの反射波が混成している場合がある。そこで、方位演算部73bは、各ピーク周波数のそれぞれについて方位演算を行い、ピーク周波数毎に対応する物標の存在を解析する。
なお、方位演算部73bにおける方位演算は、たとえばESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)などの所定の到来方向推定手法を用いて行われるが、これに限定されるものではない。
図4Aは、方位演算部73bが行った方位演算結果を模式的に示すものである。方位演算部73bは、かかる方位演算結果の各ピークPu1〜Pu3から、これらピークPu1〜Pu3にそれぞれ対応する各物標の推定角度を算出する。また、各ピークPu1〜Pu3の大きさが受信レベルとなる。方位演算部73bは、かかる方位演算処理を、「UP区間」側および「DN区間」側のそれぞれについて行う。
そして、ペアリング部73cは、図4Bに示すように、方位演算部73bの方位演算結果において、推定角度および受信レベルの近い各ピークを組み合わせるペアリングを行う。また、その組み合わせ結果から、ペアリング部73cは、各ピークの組み合わせに対応する各物標の距離および相対速度を算出する。距離は、「距離∝(fup+fdn)」の関係に基づいて算出される。相対速度は、「速度∝(fup−fdn)」の関係に基づいて算出される。
こうして、ペアリング部73cは、図4Cに示すように、自車両Cに対する、各物標TGの推定角度、距離、および相対速度を示すペアリング処理結果を得る。そして、ペアリング部73cは、ペアリング処理結果を連続性判定部73dへ出力する。
図2の説明に戻り、続いて連続性判定部73dについて説明する。連続性判定部73dは、今回のスキャンにより判定中の物標の瞬時値に、前回のスキャンまでに検知していた物標と連続性があるか否かを判定する。
具体的には、前回のスキャンまでの物標の位置から今回の予測位置を算出し、今回のスキャンにおいて予測位置に近い瞬時値があれば、かかる瞬時値に連続性があると判定する。そして、連続性判定部73dは、連続性判定後の物標に関する情報をフィルタ処理部73eへ出力する。
フィルタ処理部73eは、検知された各物標について、時系列に処理される複数回分の瞬時値を平均化するフィルタ処理によって、瞬時値のばらつきを補正する処理部である。
フィルタ処理部73eは、フィルタ処理後の物標に関する情報を物標分類部73fへ出力する。このように、ピーク抽出部73a、方位演算部73b、ペアリング部73c、連続性判定部73dおよびフィルタ処理部73eは、上記した一連の処理を行うことによって、自車両Cの進行方向側に存在する静止物および移動物を含む物標を検知する検知部75として機能する。
物標分類部73fは、フィルタ処理部73eのフィルタ処理結果等に基づき、各物標を移動物(例えば先行車両Ca、対向車両等)および静止物に分類する。また、物標分類部73fは、分類した分類結果を先行車両横位置処理部73gおよび不要物標判定部73hへ出力する。
先行車両横位置処理部73g(以下、「横位置処理部73g」と記載する場合がある)は、上記した先行車両Caの相対横位置を算出する処理を行う。先行車両横位置処理部73gは、算出した先行車両Caの相対横位置を示す情報を不要物標判定部73hへ出力する。なお、横位置処理部73gの構成等については、図5以降を参照して説明する。
不要物標判定部73hは、システム制御上、不要となる物標であるか否かを判定する。不要となる物標は、例えば位相差が360[deg]を超えることで折り返された折り返しゴーストや、構造物、壁反射などである。なお、不要とされた物標は、基本的に外部装置への出力対象としないが、内部的には保持されていてよい。そして、不要物標判定部73hは、不要と判定しなかった物標に関する情報を結合処理部73iへ出力する。
結合処理部73iは、実在するとして検知されている複数の物標のうち、同一物からの反射点であると推定されるものについて、1つの物標にまとめるグルーピングを行い、グルーピング結果を出力物標選択部73jへ出力する。
出力物標選択部73jは、システム制御上、外部装置へ出力することが必要となる物標を選択する。また、出力物標選択部73jは、選択した物標に関する物標情報(実在角度や距離、相対速度、先行車両Caの相対横位置等を含む)を外部装置へ出力する。
ここで、外部装置は、例えば車両制御装置10である。車両制御装置10は、自車両Cの各装置を制御するECU(Electronic Control Unit)である。車両制御装置10は、例えば、車速センサ11と、舵角センサ12と、スロットル13と、ブレーキ14と、電気的に接続されている。
車両制御装置10は、レーダ装置1から取得した物標情報に基づき、例えばACCやPCS(Pre-Crash Safety System)等の車両制御を行う。
例えば、車両制御装置10は、ACCを行う場合、レーダ装置1から取得した物標情報を使用し、同一車線を走行する先行車両Caとの車間距離を一定距離に保ちつつ、自車両Cが先行車両Caに追従するように、スロットル13やブレーキ14を制御する。また、車両制御装置10は、随時変化する自車両Cの走行状況、すなわち車速や舵角等を、車速センサ11や舵角センサ12等から都度取得し、レーダ装置1へフィードバックする。
また、例えば、車両制御装置10は、PCSを行う場合、レーダ装置1から取得した物標情報を使用し、自車両Cの進行方向に衝突の危険性がある先行車両Caや静止物等が存在することが検知される場合には、ブレーキ14を制御して自車両Cを減速させる。また、例えば、自車両Cの搭乗者に対して図示略の警報器を用いて警告したり、車室内のシートベルトを引き込んで搭乗者を座席に固定したりする。
<3.横位置処理部の具体的構成>
次に、横位置処理部73gについて図5〜図9を参照して具体的に説明する。図5は、実施形態に係る横位置処理部73gのブロック図である。また、図6〜図9は、実施形態に係る横位置処理部73gの動作説明図である。なお、図6〜図9は、図1と同様に、先行車両Caは半径の小さい急なカーブ路Rを走行し、自車両Cはカーブ路Rに進入した直後で半径の大きい緩やかなカーブ路Rを走行している状態を示している。
図5に示すように、横位置処理部73gは、自車線領域算出部76aと、抽出部76bと、横位置算出部76cとを備え、検知された静止物などの情報に基づいて先行車両Caの相対横位置を算出する処理を行う。
自車線領域算出部76aは、舵角センサ12から車両制御装置10(図2参照)を介して入力される自車両Cの舵角を示す情報と、自車線情報74aとに基づき、自車両Cが走行している自車線の領域を算出する。
図6に示すように、自車両Cが現在走行している自車線は、現在の舵角によって決定される。したがって、自車両Cの自車線は、図1に示す走行経路Aと同様となることから、以下では自車線を「自車線A」と記載する場合がある。また、自車線Aの領域A1は、自車両Cの両側に位置される自車線Aによって囲まれた領域である。なお、図6にあっては、理解の便宜のため、自車線Aの領域A1をドットで示している。
図5に戻ると、自車線領域算出部76aは、算出された自車線Aの領域A1を示す情報を抽出部76bへ出力する。
抽出部76bは、自車線Aの領域A1を示す情報に加え、物標分類部73fから物標に関する情報が入力される。図6に示す例では、かかる物標に関する情報に、静止物P0〜P5、および移動物として先行車両Caを示す情報が含まれているものとする。
抽出部76bは、静止物P0〜P5の中から、上記した「側方静止物」を抽出する。側方静止物の抽出について具体的に説明すると、抽出部76bは、まず、自車線Aの領域A1内に、検知された静止物があるか否かを判定する。
なお、抽出部76bは、自車線Aの領域A1内で検知された静止物がないと判定された場合、以下の抽出処理を行わず、抽出処理を行わなかった旨を示す情報を横位置算出部76cへ出力する。
抽出部76bは、自車線Aの領域A1内で検知された静止物があると判定された場合、かかる静止物を側方静止物として抽出する処理を行う。これにより、抽出部76bは、静止物P0〜P5の中から、側方静止物を正確に抽出することができる。
詳しく説明すると、例えば仮に、現在の走行経路であるカーブ路Rと同じ半径のカーブ路Rが自車両Cの進行方向側に継続して存在する場合、自車線Aの領域A1は、実際の走行経路の路面に相当する。そのため、自車線Aの領域A1には、例えばガードレール等のカーブ路Rの形状を示す静止物は当然ながら存在せず、またその他の静止物自体も比較的少ないことから、結果として静止物が検知されにくい。
これに対し、図6に示す例のように、現在の舵角に基づいて算出された自車線Aの領域A1内で静止物が検知されている場合、例えば、現在走行しているカーブ路Rとは異なる半径のカーブ路Rが自車両Cの進行方向側に存在し、かかるカーブ路Rに沿って設置されるガードレール等が静止物として検知された可能性がある。
そこで、抽出部76bは、自車線Aの領域A1内で検知された静止物を側方静止物として抽出することとした。これにより、抽出部76bは、ガードレール等の可能性がある静止物を側方静止物として正確に抽出することができる。
また、抽出部76bは、後述するように、側方静止物の一つを基準物Px(図7A参照)とし、かかる基準物Pxを基準として、次の側方静止物を順次抽出する処理を行っている。
そこで、抽出部76bは、上記した自車線Aの領域A1内で検知された一つの静止物を側方静止物として抽出し、かかる側方静止物を基準物Pxとして設定するようにした。なお、抽出部76bは、自車線Aの領域A1内で検知され、かつ自車両Cから最も近い静止物(ここでは静止物P1)を、基準物Pxとして設定する。
これにより、正確かつ比較的多くの個数の側方静止物を抽出することができる。すなわち、図6に示すように、現在走行しているカーブ路Rとは異なる半径のカーブ路Rの起点となる位置は、自車両Cに近い場所となる。
そのため、抽出部76bは、自車線Aの領域A1内で検知され、かつ自車両Cに最も近い静止物P1を基準物Pxとして設定することで、上記したカーブ路Rの起点付近から、次の側方静止物を順次抽出することが可能となり、よって正確かつ比較的多くの個数の側方静止物を抽出することができる。
以下、側方静止物を順次抽出する処理について図7A,7Bを参照しつつ説明する。なお、図7A,7Bにおいては、基準物Pxとして設定された側方静止物を白三角で示している。また、図7A以降では、カーブ路Rを破線で示している。
まず、図7Aに示すように、抽出部76bは、設定された基準物Px(側方静止物P1)を含む所定範囲D内に、検知された別の静止物があるか否かを判定する。そして、抽出部76bは、別の静止物があると判定された場合、かかる静止物を側方静止物としてさらに抽出する。なお、図7Aに示す例では、所定範囲D内に静止物P2,P0があるため、抽出部76bは、かかる静止物P2,P0をそれぞれ側方静止物として新たに抽出する。なお、静止物P5は、所定範囲D内にないため、側方静止物として抽出されない。
上記した所定範囲Dは、例えば基準物Pxを中心とし、基準物Pxの前後方向および左右方向の周辺領域を含む範囲に設定される。したがって、抽出部76bは、自車両Cから見て基準物Pxの遠距離方向、近距離方向および左右方向の領域に対して、側方静止物を抽出する処理を行うこととなる。
これにより、抽出部76bは、カーブ路Rの形状を示す可能性のある静止物(例えばガードレール等)を側方静止物としてより正確に抽出することができる。すなわち、例えばカーブ路Rの形状を示す静止物は、カーブ路Rに沿って連続的に設けられることが多い。したがって、側方静止物たる基準物Px付近にある静止物は、カーブ路Rの形状を示す静止物の可能性が高いといえる。
そこで、上記のように基準物Px付近の静止物を側方静止物として抽出することで、カーブ路Rの形状を示す可能性が高い静止物を、側方静止物としてより正確に抽出することができる。
なお、図7Aにおいて、所定範囲Dの形状を示したが、これは例示であって限定されるものではなく、円形や楕円形、三角形などその他の形状であってもよい。また、所定範囲Dは、カーブ路Rの形状を示す可能性が高い静止物の抽出に用いられることから、右カーブ用、左カーブ用の所定範囲Dを用いてもよい。なお、例えば、右カーブ用の所定範囲Dは基準物Pxに対して右前方向と左後方向の領域が抽出範囲に、左カーブ用の所定範囲Dは基準物Pxに対して左前方向と右後方向の領域が抽出範囲となるように設定されてもよい。
次に、図7Bに示すように、抽出部76bは、基準物Pxを含む所定範囲D内で静止物が側方静止物として抽出された場合(ここでは静止物P2,P0)、かかる側方静止物を新たな基準物Pxとして設定する。そして、抽出部76bは、設定された新たな基準物Pxに対して所定範囲D内で検知された静止物を側方静止物として抽出する処理を繰り返し行う。
図7Bに示す例では、静止物P2が側方静止物として抽出され基準物Pxに設定された場合、抽出部76bは、所定範囲D内に静止物P3があるため、静止物P3を側方静止物として抽出する。そして、抽出部76bは、かかる側方静止物(静止物P3)を基準物Pxとし、側方静止物を抽出する処理を繰り返す。
他方、静止物P0が側方静止物として抽出され基準物Pxに設定された場合、抽出部76bは、所定範囲D内に静止物がないため、側方静止物の抽出処理を終える。このように、抽出部76bは、側方静止物を抽出する処理を繰り返すとともに、所定範囲D内に静止物がないと判定された場合、側方静止物の抽出処理を終える。これにより、比較的多くの個数の側方静止物を抽出することができる。そして、抽出部76bは、抽出された側方静止物に関する情報を横位置算出部76cへ出力する。
図5の説明に戻ると、横位置算出部76cは、側方静止物に関する情報に基づいて先行車両Caの相対横位置を算出する。詳しく説明すると、横位置算出部76cは、抽出部76bによって抽出された側方静止物に基づき、自車両Cの進行方向側の経路を示す予測経路Rx(図9参照)を推定する。
具体的には、横位置算出部76cは、まず、抽出された側方静止物が、自車両Cの進行方向に対して左側にカーブするカーブ路(以下「左カーブ路」という)を示すものか、右側にカーブするカーブ路(以下「右カーブ路」という)を示すものかを判定する。
左カーブ路および右カーブ路の判定処理について図8を用いて説明する。上記したように、最初に基準物Pxとして設定された側方静止物P1は、カーブ路Rの起点となる位置付近に存在している。そこで、横位置算出部76cは、かかる側方静止物P1を中心として設定された左側領域ELと右側領域ERとで、抽出された側方静止物の個数を比較し、比較結果に基づいて側方静止物が左カーブ路を示すものか、右カーブ路を示すものかを判定するようにした。
なお、上記した左側領域ELは、走行経路が左カーブ路である場合に側方静止物が存在すると推定される領域に設定され、右側領域ERは、走行経路が右カーブ路である場合に側方静止物が存在すると推定される領域に設定される。
図8に示す例では、抽出された側方静止物の個数は、左側領域EL内で1個に対して右側領域ERで4個であり、右側領域ERの方が多いことから、横位置算出部76cは、抽出された側方静止物が右カーブ路を示すものであると判定する。
このように、横位置算出部76cは、左側領域EL内および右側領域ER内で抽出された側方静止物の個数を比較し、比較結果に基づいて側方静止物の示すカーブ路が左カーブ路か右カーブ路かを判定する。そして、横位置算出部76cは、かかる判定結果を用いることで、後述する予測経路Rx(図9参照)を正確に推定することができる。
具体的には、図9に示すように、横位置算出部76cは、抽出された側方静止物が右カーブ路を示すものであるという判定結果に基づき、抽出された側方静止物を用いて右カーブ路となるような予測経路Rxを推定する。例えば、横位置算出部76cは、抽出された側方静止物を2次曲線で近似することで、予測経路Rxを推定する。なお、横位置算出部76cは、例えば抽出された側方静止物の個数が比較的少ない場合、側方静止物の信頼性の確保が難しいことから、予測経路Rxの推定を行わないようにしてもよい。
次いで、横位置算出部76cは、推定された予測経路Rx上で先行車両Caの縦位置Lpと対応する位置を静止物基準位置Bpとして設定する。そして、横位置算出部76cは、静止物基準位置Bpに基づいて先行車両Caの相対横位置Xを算出する。
以下、先行車両Caの相対横位置Xの算出について詳しく説明する。上記した静止物基準位置Bpと先行車両Caとの位置関係は、自車両Cと側方静止物P0との位置関係に対応するものであり、別言すると例えばカーブ路Rのガードレール等とカーブ路Rを走行している車両(ここでは先行車両Caや自車両C)との位置関係に対応するものである。
そのため、例えば自車両Cに対する側方静止物P0の相対横位置が−1.8mである場合、横位置算出部76cは、静止物基準位置Bpの位置を−1.8mとして先行車両Caの相対横位置Xを算出する。すなわち、自車両Cが図9に示す位置を走行し、かつ、自車両Cのすぐ前を先行車両Caが走行していると仮定した場合は、自車両Cに対する先行車両Caの相対横位置は0mとなり、側方静止物P0に対する先行車両Caの相対横位置は+1.8mとなる。
かかる位置関係を先行車両Caが図9に示す位置を走行し、かつ、先行車両Caのすぐ後ろを自車両Cが走行していると仮定した場合、先行車両Caの相対位置が+1.8mに近似した値となるように、横位置算出部76cは、先行車両Caの縦位置Lpに基づき、静止物基準位置Bpの位置を側方静止物P0と同じ値の−1.8mとし、静止物基準位置Bpの位置からの先行車両Caの位置を相対横位置Xとして算出する。
これにより、本実施形態にあっては、カーブ路の影響を受けずに先行車両Caの相対横位置Xを正確に算出することができる。換言すれば、先行車両Caの相対横位置Xを、先行車両Caの相対横位置を自車両Cや先行車両Caが走行している経路の状態に応じて精度よく検出することができる。
なお、上記において、他の側方静止物P1〜P4ではなく側方静止物P0の値(−1.8m)を用いるのは、自車両Cとの距離が最も近い側方静止物であり、自車両Cに対する側方静止物の正確な相対横位置が得られると考えられるためである。また、上記では、側方静止物P0の相対横位置等について具体的な数値を挙げたが、あくまでも例示であって限定されるものではない。
また、横位置算出部76cは、抽出部76bから抽出処理を行わなかった旨を示す情報が入力された場合、自車両Cと先行車両Caとは、例えば直線状の経路を走行している、あるいは同様な半径のカーブ路Rを走行していると推定されるため、自車両Cの位置を基準として先行車両Caの相対横位置Xaを算出する。
なお、ここで、図5の説明に戻ると、自車線領域算出部76aにおいて算出される自車線A(図6参照)は、自車両Cの舵角が変動すると、それに伴って変わる。また、自車線Aが変わると、抽出部76bで抽出される側方静止物も異なり、よって先行車両Caの相対横位置を正確に算出できないおそれがある。
そこで、自車線領域算出部76aは、自車両Cの舵角が所定値以上変動した場合、自車線Aの領域A1を再度算出するようにしてもよい。そして、抽出部76bは、再度算出された自車線Aの領域A1内で検知された静止物を側方静止物として抽出するようにしてもよい。これにより、横位置算出部76cは、自車両Cの舵角が変動した場合であっても、自車両Cの現在の舵角に応じた先行車両Caの相対横位置を早期に算出することができる。
また、抽出部76bは、自車両Cがカーブ路Rに進入した場合に側方静止物を抽出する処理を行うようにしてもよい。例えば、抽出部76bは、舵角センサ12から得られる舵角などに基づいて自車両Cがカーブ路Rに進入したか否かを判定し、自車両Cがカーブ路Rに進入したと判定された場合に、側方静止物を抽出する処理を行うようにしてもよい。
すなわち、側方静止物を基準として相対横位置Xを算出する処理は、自車両Cがカーブ路Rに進入した場合に多く生じる処理である。したがって、自車両Cがカーブ路Rに進入した場合に限って側方静止物を抽出するように構成することで、抽出処理の実行回数を減少させることが可能となり、よってレーダ装置1における処理負担を軽減させることができる。
<4.処理フローチャート>
次に、本実施形態に係るレーダ装置1のデータ処理部73が実行する処理手順について、図10および図11を参照して説明する。図10は、実施形態に係るレーダ装置1のデータ処理部73が実行するメイン処理を示すフローチャートである。また、図11は、実施形態に係るメイン処理中の先行車両横位置算出処理を示すフローチャートである。
図10に示すように、まずピーク抽出部73aが、FFT部72から入力される高速フーリエ変換処理後のビート信号に基づき、ピーク抽出処理を行う(ステップS101)。続いて、方位演算部73bが、ピーク抽出処理の処理結果に基づき、方位演算処理を行う(ステップS102)。
その後、ペアリング部73cが、方位演算処理の処理結果に基づき、ペアリング処理を行う(ステップS103)。続いて、連続性判定部73dがペアリング処理の処理結果に基づき、連続性判定処理を行う(ステップS104)。その後、フィルタ処理部73eが、連続性判定処理の処理結果に基づき、フィルタ処理を行う(ステップS105)。
続いて、物標分類部73fが、フィルタ処理の処理結果に基づき、物標分類処理を行う(ステップS106)。続いて、横位置処理部73gが、物標分類処理の処理結果等に基づき、先行車両Caの相対横位置を算出する処理を行う(ステップS107)。先行車両Caの相対横位置を算出する処理の詳細については、図11を参照して後述する。
その後、不要物標判定部73hが、物標分類処理の処理結果等に基づき、不要物標判定処理を行う(ステップS108)。そして、結合処理部73iが、不要物標判定処理の処理結果に基づき、結合処理を行う(ステップS109)。
そして、出力物標選択部73jが、結合処理の処理結果に基づき、出力物標選択処理を行い(ステップS110)、出力対象として選択された物標の物標情報を外部装置へ出力して、処理を終了する。
次に、図11を参照し、先行車両横位置算出処理について説明する。なお、横位置処理部73gは、図11に示す処理を所定周期で繰り返し実行する。
図11に示すように、横位置処理部73gは、物標分類処理の処理結果等に基づき、移動物として先行車両Caが検知されたか否かを判定する(ステップS201)。横位置処理部73gは、先行車両Caが検知されていないと判定された場合(ステップS201,No)、先行車両横位置算出処理を終了する。
他方、横位置処理部73gは、先行車両Caが検知されたと判定された場合(ステップS201,Yes)、自車両Cがカーブ路Rに進入したか否かを判定する(ステップS202)。横位置処理部73gは、自車両Cがカーブ路Rに進入していないと判定された場合(ステップS202,No)、自車両Cおよび先行車両Caはともに例えば直線状の経路を走行していると推定されることから、自車両Cを基準として先行車両Caの相対横位置Xaを算出する(ステップS203)。
また、横位置処理部73gは、自車両Cがカーブ路Rに進入していると判定された場合(ステップS202,Yes)、前回の先行車両横位置算出処理から、自車両Cの舵角が所定値以上変動したか否かを判定する(ステップS204)。
横位置処理部73gは、自車両Cの舵角が変動していると判定された場合(ステップS204,Yes)、自車両Cの現在の舵角に基づいて自車線Aの領域A1を算出する(ステップS205)。
次いで、横位置処理部73gは、自車線Aの領域A1内に検知された静止物があるか否かを判定する(ステップS206)。横位置処理部73gは、自車線Aの領域A1内に静止物がないと判定された場合(ステップS206,No)、ステップS203に進んで、自車両Cを基準として先行車両Caの相対横位置Xaを算出する。
他方、横位置処理部73gは、自車線Aの領域A1内に検知された静止物があると判定された場合(ステップS206,Yes)、かかる静止物を側方静止物として抽出する(ステップS207)。
次いで、横位置処理部73gは、抽出した側方静止物を基準物Pxとし、基準物Pxを含む所定範囲D内に静止物があるか否かを判定する(ステップS208)。そして、横位置処理部73gは、所定範囲D内に静止物があると判定された場合(ステップS208,Yes)、ステップS207に戻り、かかる静止物を側方静止物として新たに抽出する。
続いて、横位置処理部73gは、ステップS208に再び進み、新たに抽出された側方静止物を基準物Pxとし、基準物Pxを含む所定範囲D内に静止物があるか否かを判定する。このように、横位置処理部73gは、基準物Pxを含む所定範囲D内に静止物がなくなるまで、ステップS207,S208の処理を繰り返す。
横位置処理部73gは、所定範囲D内に静止物がないと判定された場合(ステップS208,No)、抽出された側方静止物に基づいて予測経路Rxを推定する(ステップS209)。
次いで、横位置処理部73gは、予測経路Rx上で先行車両Caの縦位置Lpと対応する位置を静止物基準位置Bpとして設定する(ステップS210)。そして、横位置処理部73gは、設定された静止物基準位置Bpを基準として、先行車両Caの相対横位置Xを算出する(ステップS211)。
また、横位置処理部73gは、自車両Cの舵角が変動していないと判定された場合(ステップS204,No)、ステップS205の処理をスキップしてステップS206以降の処理へ進む。
上述してきたように、本実施形態に係るレーダ装置1は、検知部75と、抽出部76bと、横位置算出部76cとを備える。検知部75は、自車両Cの進行方向側に存在する静止物および移動物(例えば先行車両Ca)を検知する。抽出部76bは、検知部75によって検知された静止物の中から、自車両Cの進行方向に沿って自車両Cの側方側に存在する側方静止物を抽出する。横位置算出部76cは、抽出部76bによって抽出された側方静止物と前記移動物の縦方向の位置とに基づき、自車両Cの位置に対する移動物の幅方向の位置を示す相対横位置Xを算出する。これにより、先行車両Caなどの移動物の相対横位置Xを、自車両Cが走行している経路の状態に応じて精度よく検出することができる。
なお、上述した実施形態では、レーダ装置1の送信アンテナ4の本数を1本、受信アンテナ5の本数をn本としたが、これは一例であって、複数の物標を検出可能であれば他の本数であってもよい。
また、上述した実施形態では、レーダ装置1の用いる到来方向推定手法の例にESPRITを挙げたが、これに限られるものではない。たとえばDBF(Digital Beam Forming)や、PRISM(Propagator method based on an Improved Spatial-smoothing Matrix)、MUSIC(Multiple Signal Classification)等を用いてもよい。
また、上記では、相対横位置X,Xaが検出される移動物として先行車両Caを例に挙げて説明したが、これに限られず、例えば歩行者などその他の移動物であってもよい。
また、上記では、静止物基準位置Bpから先行車両Caまでの幅方向の距離を先行車両Caの相対横位置Xとして算出したが、これに限定されるものではない。すなわち、例えば図1に示す例では、側方静止物P0〜P4のうち、先行車両Caの縦位置Lpに最も近い側方静止物P3から先行車両Caまでの幅方向の距離を、先行車両Caの相対横位置Xとして算出してもよい。
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
1 レーダ装置
2 送信部
4 送信アンテナ
5 受信アンテナ
6 受信部
7 信号処理装置
10 車両制御装置
11 車速センサ
12 舵角センサ
13 スロットル
14 ブレーキ
21 信号生成部
22 発振器
61 ミキサ
62 A/D変換部
71 送受信制御部
72 FFT部
73 データ処理部
73a ピーク抽出部
73b 方位演算部
73c ペアリング部
73d 連続性判定部
73e フィルタ処理部
73f 物標分類部
73g 先行車両横位置処理部
73h 不要物標判定部
73i 結合処理部
73j 出力物標選択部
74 記憶部
74a 自車線情報
76a 自車線領域算出部
76b 抽出部
76c 横位置算出部
C 自車両
Ca 先行車両

Claims (10)

  1. 自車両の進行方向側に存在する静止物および移動物を検知する検知部と、
    前記検知部によって検知された前記静止物の中から、前記自車両の進行方向に沿って前記自車両の側方側に存在する側方静止物を抽出する抽出部と、
    前記抽出部によって抽出された前記側方静止物と前記移動物の縦方向の位置とに基づき、前記自車両の位置に対する前記移動物の幅方向の位置を示す相対横位置を算出する横位置算出部と
    を備えることを特徴とするレーダ装置。
  2. 前記自車両の舵角に基づき、前記自車両が走行している自車線の領域を算出する自車線領域算出部
    をさらに備え、
    前記抽出部は、
    前記自車線の領域内で検知された前記静止物を前記側方静止物として抽出すること
    を特徴とする請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記抽出部は、
    前記自車線の領域内で検知された一つの前記静止物を前記側方静止物として抽出するとともに、当該側方静止物を前記側方静止物を抽出する際の基準となる基準物として設定し、設定された前記基準物を含む所定範囲内で検知された前記静止物を前記側方静止物としてさらに抽出すること
    を特徴とする請求項2に記載のレーダ装置。
  4. 前記抽出部は、
    前記自車線の領域内で検知され、かつ前記自車両から最も近い前記静止物を前記側方静止物として抽出するとともに、当該側方静止物を前記基準物として設定すること
    を特徴とする請求項3に記載のレーダ装置。
  5. 前記抽出部は、
    前記基準物を含む前記所定範囲内で前記側方静止物が抽出された場合、当該側方静止物を新たな前記基準物として設定し、設定された新たな前記基準物に対して前記所定範囲内で検知された前記静止物を前記側方静止物として抽出する処理を繰り返し行うこと
    を特徴とする請求項3または4に記載のレーダ装置。
  6. 前記自車線領域算出部は、
    前記自車両の舵角が所定値以上変動した場合、前記自車線の領域を再度算出し、
    前記抽出部は、
    再度算出された前記自車線の領域内で検知された前記静止物を前記側方静止物として抽出すること
    を特徴とする請求項2〜5のいずれか一つに記載のレーダ装置。
  7. 前記抽出部は、
    前記自車両がカーブ路に進入した場合に前記側方静止物を抽出する処理を行うこと
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のレーダ装置。
  8. 前記横位置算出部は、
    前記抽出部によって抽出された前記側方静止物に基づいて前記自車両の進行方向側の経路を示す予測経路を推定し、推定された前記予測経路上で前記移動物の縦方向の位置と対応する位置を静止物基準位置として設定し、設定された前記静止物基準位置に基づいて前記移動物の前記相対横位置を算出すること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のレーダ装置。
  9. 前記横位置算出部は、
    前記自車両の経路が前記自車両の進行方向に対して左側にカーブすると推定される左側領域内で抽出された前記側方静止物の個数と、前記自車両の経路が前記自車両の進行方向に対して右側にカーブすると推定される右側領域内で抽出された前記側方静止物の個数とを比較し、比較結果に基づいて前記予測経路を推定すること
    を特徴とする請求項8に記載のレーダ装置。
  10. コンピュータが実行する移動物位置検出方法であって、
    自車両の進行方向側に存在する静止物および移動物を検知する検知工程と、
    前記検知工程によって検知された前記静止物の中から、前記自車両の進行方向に沿って前記自車両の側方側に存在する側方静止物を抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程によって抽出された前記側方静止物と前記移動物の縦方向の位置とに基づき、前記自車両の位置に対する前記移動物の幅方向の位置を示す相対横位置を算出する横位置算出工程と
    を含むことを特徴とする移動物位置検出方法。
JP2017006230A 2017-01-17 2017-01-17 レーダ装置および移動物位置検出方法 Pending JP2018115935A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017006230A JP2018115935A (ja) 2017-01-17 2017-01-17 レーダ装置および移動物位置検出方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017006230A JP2018115935A (ja) 2017-01-17 2017-01-17 レーダ装置および移動物位置検出方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018115935A true JP2018115935A (ja) 2018-07-26

Family

ID=62985269

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017006230A Pending JP2018115935A (ja) 2017-01-17 2017-01-17 レーダ装置および移動物位置検出方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018115935A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7504989B2 (en) On-vehicle radar device
JP6077226B2 (ja) レーダ装置、および、信号処理方法
JP6793478B2 (ja) レーダ装置および物標検知方法
JP2015141109A (ja) レーダ装置、及び、信号処理方法
JP6429486B2 (ja) レーダ装置、及び、信号処理方法
JP5714075B2 (ja) 車載用レーダ装置およびターゲット検出方法
JP2015172491A (ja) アンテナ、レーダ装置、および、車両制御システム
JP2015042962A (ja) アンテナ、レーダ装置、および、信号処理方法
JP2009041981A (ja) 物体検出装置および方法、ならびに物体検出装置を備えた車両
JP2017227468A (ja) レーダ装置および上下軸ずれ検知方法
JP2014115100A (ja) レーダ装置、および、信号処理方法
EP2730944B1 (en) Object detection apparatus and method
JP4281632B2 (ja) 物標検出装置
JP6231803B2 (ja) レーダ装置、及び、信号処理方法
JP7103767B2 (ja) レーダ装置および物標検出方法
JP2016070772A (ja) レーダ装置、車両制御システム、および、信号処理方法
JP2015155807A (ja) レーダ装置、車両制御システム、および、信号処理方法
JP6832166B2 (ja) レーダ装置および車速補正方法
JP2018080938A (ja) レーダ装置および物標検知方法
JP2014196989A (ja) レーダ装置、及び、信号処理方法
JP2004198438A (ja) 車載レーダ装置
JP2018081007A (ja) レーダ装置および物標検知方法
JP2009211212A (ja) 先行車検出装置およびこれを用いた車速制御装置
JP2009058316A (ja) レーダ装置、物体検出方法、及び車両
JP2007263574A (ja) レーダ装置